説明

足裏マッサージ器

【課題】足裏や足首のリンパ管に停滞する老廃物の除去を、物理的に作り出したリンパ液の流れで効率的に促進することできる、身体を横にしながらも使用可能な健康器具を提供する。
【解決手段】器具全体の形状は、所望の厚み及び幅を有する板状または円盤状であり、足裏の滑り止め加工(ドット状、洗濯板状)を施す。また、器具の周縁部分に施された直線または緩やかな弧を描く曲線のエッジ部分には適度な角度の角凸部分が連続して形成されている。片方の足の裏で器具全体の滑り止め加工部分を押さえて本器具が移動しないように固定し、反対の足裏や足首の側辺部等(老廃物がたまっている部位・刺激をして快適な部位)を器具のエッジ部分に押し当てながらそぎ落とすように摩擦動作して刺激する。このことで、物理的にリンパの流れを積極的に形成して、老廃物の効率的な除去・排出の助長を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏における血管・リンパ管・筋肉・関節を刺激するための健康器具に係り広範囲かつ効率的に老廃物の除去・排出を可能とした健康器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
足裏の「つぼ」と称する部位を外力によって物理的に刺激する健康器具が数多く案出されている。平板上に上端を円弧状にした突起(押圧部材)を多数個設置して、この突起で足裏に押圧をして刺激する構成のもの(特許文献1参照)や、軸状本体に先端を円弧状にした突起物を設けて、この突起物で「つぼ」を押圧して刺激する構成のもの(特許文献2参照)、大きな円弧状の突起を基盤と脱着できる構成とすることで、携帯所持しやすくしたもの(特許文献3参照)、足支え板の上に両足をのせ突起につぼを押し当てるつくりのもの(特許文献4参照)などが案出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−673号
【特許文献2】登録実用新案第3009932号
【特許文献3】特開2006−346163号
【特許文献4】登録実用新案第3061277号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の足裏用の健康器具はいずれのものにあっても、円弧状の突起物(押圧部材)が押し圧を利用して足の裏を刺激するものであった。しかし押圧によって移動した老廃物が逆流して再び患部に戻ってくる可能性があり、リンパ管に積極的な流れを生み出して老廃物の除去を効率的に行うことが十分ではなかった。また、従来の器具の使用する姿勢は、立位または座位でマッサージを行うことが基本であったため、病気や高齢であるなどの理由から身体を起こすことのできない状態にある方には器具が扱いにくかったり、使用することができないという難点があった。そこで本発明は、上記した2つの問題点に鑑み、効率的な足裏の老廃物除去を可能とする健康器具として案出されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題は、各請求項記載の発明によって解決される。
【0006】
請求項1記載の発明は、器具の膨らみをもった周縁部分の頂上部に形成された直線または曲線状のエッジ部分(断面が山形をした角凸部分)を器具が有することを要旨とする。本器具のエッジ部分(角凸部分)に足裏の老廃物が溜まっている部位を押し当てながら、そぎ落とすように摩擦動作することで、老廃物が戻りにくくなるような押し圧を、「点」ではなく「線」として加えることが可能となる。このことで効率的に足裏のリンパ管内に意図的に流れを作り出すことができ、動作を連続させることで圧力が押し広げられ、「面」としてのマッサージ効果が期待できる。足裏のリンパ管内の老廃物除去には、一般的に末端部分から身体の中心に向けてリンパ液の流れを作り出すことが有効であるとされており、本発明のエッジ部分と足の裏との摩擦の仕方によって、自在に刺激方向とリンパの流れを作り出すことができる。また、エッジ部分の角凸部分の角度にバリエーションを器具ごとに設けることで、ソフトな刺激からハードタイプのものまで作り出すことができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、滑り止め加工(ドット状、洗濯板状)をもつことを要旨とする。
積極的な摩擦刺激を足裏に行う際には、水平方向にはたらく力によって器具そのものが横方向に押されることで移動してしまう可能性がある。本発明では片足で器具の滑り止め加工部分を押さえた上で、もう片方の足裏の刺激を安定した状態で行うことができる。このことで、立った状態や椅子などに座った状態は勿論のこと、身体を仰向けに寝かせた状態であっても、しっかりとした刺激を足の裏に加えることが可能である。
【0008】
請求項3に記載の特徴を活かし、病気や高齢であるなどの理由から身体の起こすことのできない状態にある方にも、自らのできる範囲での足裏の刺激を可能とする。仮にマッサージの結果として器具が移動して遠のいてしまっても、引き寄せ用のひもで再び位置の設定が行えるので、横になった姿勢から起き上がったり、座る必要がなく、人手を介することなくいつでも使用が可能である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、足裏のリンパ管における老廃物がたまっている部分に対し、意図的に方向性をもった刺激を効率的に与え、血行を促進して健康増進に寄与することができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、立位、座位の他に身体を横たえた状態の使用であっても、片方の足で本器具を押さえることができるので、器具が足下から逃げることなく足裏の刺激をすることができる。また、横になっている状態であることで、本器具に対し様々な角度や部位(足の内側・外側・甲など)に対して刺激を行うことが可能である。さらに立位に比較して足裏の血圧も低い状態で刺激できることで老廃物の移動を起こしやすい。また、構造上複雑ではなく軽量であるので、手のひら、腕、足のふくらはぎ等の様々な部位に対する刺激も抱え持つことで可能である。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、病気や高齢であるなどの理由から身体の起こすことのできない状態にある方にも、自らのできる範囲での足裏の刺激をすることができ、リハビリ効果も期待できる。また、座った姿勢や立った状態でも足の裏の刺激が可能であり、体調に合わせた使用法が選ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例の形態に係る斜視図である。
【図2】使用状態を示す説明図
【図3】器具のエッジ部分の形状(丸タイプ)を示す断面図
【図4】器具のエッジ部分の形状(角タイプ)を示す断面図
【図5】本発明の湯たんぽタイプ
【図6】引き寄せひも付き
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、実施例に従って説明する。
【実施例】
【0014】
器具全体の形状は、所望の厚み及び幅を有する板状または円盤状であり、両足に対し均等な刺激をできるように左右対称とする。器具は膨らみをもった周縁部分1と、そこに付随する斜めのスロープ部分2を有する。器具の周縁部分1の頂上には直線または緩やかな弧を描く曲線のエッジ部分3(断面が山形の角凸部分)が連続して形成されている。
図2に示すように、足裏や足首の側辺部等(老廃物がたまっている部位・刺激をして快適な部位)をこのエッジ部分3に押し当てながら、そぎ落とすように摩擦動作して刺激する。このことで、押し圧を、「点」ではなく「線」として加え、押し圧を保持したまま足裏を移動することでマッサージ部位を「面」として押し広げる効果が期待できる。使用者はエッジ部分3と足の裏との摩擦の仕方によって、自在に刺激方向を作り出すことができ、物理的につくり出されたリンパの流れが老廃物の効率的な除去・排出の助長を行う。
【0015】
エッジ部分3から斜めのスロープ部分2には滑り止めの加工4(ドット状、洗濯板状)を施すなどし、刺激を行う側とは反対側の足の裏で器具全体の滑り止め加工部分を押さえて本器具がマッサージ中に移動しないように固定できるようにする。
【0016】
エッジ部分3の角度にバリエーションを器具ごとに設けることで、ソフトな刺激からハードタイプのものまで作り出すことができる。エッジ部分3を丸くする(図3)ことで押し圧を和らげたソフトな刺激を、エッジ部の角をはっきりと出す(図4)ことで押し圧をより強く足裏のリンパ管に伝えることができる。
【0017】
手で行う足裏マッサージに比較して、足の力を利用した本器具の使用では強い押し圧を長時間にわたり加えることが可能であるが、好みに応じてより強力な足裏の刺激を行いたいときには、臀部や腰を浮かせて、両肩と刺激を行う足裏で全体重を支えるようにする。このことで器具に伝わる体重による重力の反作用で、さらに強い指圧を得ることができる。また、このような動作は、病気や高齢の方の寝ながらできるリハビリ運動としても効果的である。
【0018】
本器具の実施例として内部を空洞化して注ぎ口を設ける湯たんぽタイプ(図5)。温水を注入、保持できるように行うことで、冬季の器具使用の際、冷感の緩和と刺激の効果を高めることが可能である。
【0019】
中央部にひもを付属することで、本器具を横になって使用した後に、ひもを引き寄せることで、使用によって器具が遠のいてしまった場合の位置の再設定や布団内の足部分から本器具の回収を安易に行うことを可能とする。(図6)
【符号の説明】
【0020】
1 周縁部分
2 スロープ部分
3 エッジ部分
4 滑り止めの加工(ドット状)
5 給湯口と栓
6 引き寄せひも(6−aひも取り付け穴)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
足裏や足首側辺部に対し、「点」ではなく「線」として圧力をかけた状態で、そぎ落とすように摩擦動作することで効率的に足のリンパ管内にリンパ液の流れを作り出し、老廃物の移動、除去・排出促進の刺激を可能とするエッジ部分(角凸部分)を直線または曲線状に表面の構造としてもつ足裏マッサージ器。
【請求項2】
身体を仰向けにして寝かせた状態で足裏にマッサージを行う際に足下側へ逃げて移動してしまいやすい器具を、マッサージを行わない側の足で滑らないよう固定させることができる滑り止め加工を有し、足裏を左右交互に刺激することのできる、請求項1記載の足裏マッサージ器健康器具。
【請求項3】
病気や高齢であるなどの理由から身体の起こすことのできない状態にある方にも、身体を横にしながら自らのできる範囲での足裏の刺激を可能とし、足下から器具が遠のいてしまったときにも他者の力を借りずに器具を引き寄せることを可能とする「ひも」または、「ひも」の取り付け穴を有する、請求項1あるいは請求項2記載の足裏マッサージ器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−94516(P2013−94516A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241798(P2011−241798)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(711009671)
【Fターム(参考)】