身体機能向上具

【課題】身体の無駄な力を抜くことで、歩行者は良い姿勢で疲れることなく歩くことができるし、運動者は体の軸を意識して全身の力を無駄なく効果的に活用できるので運動能力を向上できる身体機能向上具を提供する。
【解決手段】身体機能向上具1は、ゴム等の弾性素材からなる棒状体の下面1Aを平面に、上面1Bを凸湾曲面に形成し、軟質材からなる支持片2に埋設した状態で支持させて構成してある。身体機能向上具1は着用者の脛骨52の下方の足裏位置Aに圧接するように、靴6の内底面6Aに着用者の足裏51Aの全長を100として踵から足先に向けて略20/100〜30/100以内の位置、即ち身体の中心線X−Xが通る位置に配置してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行時にも、スポーツ等の運動時にも身体の中心を認識させることによって身体から無駄な力を抜いて円滑に動かすことができるようにし、運動能力を向上させることができるようにした身体機能向上具に関する。
【背景技術】
【0002】
人が歩いたり、走ったり或いはジャンプしたりする場合の足裏は、通常は拇趾球を中心とする足指の付け根、所謂横足弓で地面を蹴るような感覚で動いている。このことは、運動靴の外底面のうち拇趾球の位置に対応する位置に地面との摩擦力を高めるためのグリップ模様を成形していることからも知ることができる。
【0003】
しかし、人が全身の筋力を無駄なく、効率的に発揮できるのは、身体の中心線上に身体の抗力を集中させたときである。つまり、他の物質と同様に人の身体にも引力による重力が働いており、この重力は身体の中心を通って足裏を介して地面に伝えられている。この重力に対して人は骨格を筋力によって支えることで生まれる抗力で身体を支えており、直立の姿勢で起立した状態の場合に抗力を最大限に発揮することができるが、それは重力が通る中心線に抗力が一致しているからである。従って、この重力が作用する中心線が通る足裏の位置を認識することによって、最大の抗力を得ることができるのであるが、このような重力の作用点を潜在的にも認識して抗力を最大に得ることで高い運動能力を発揮しているのは一流のアスリートのみである。
【0004】
一流のアスリート以外の人は、身体の中心線を認識して行動していないのが通常であり、このために身体の各部位に無駄な力を使っていることから運動能力を十分に発揮できないという結果になっている。このことは、運動時に限らず歩行時にも姿勢が悪いと疲れやすい、体を痛めるということからも理解される。
【0005】
そこで、アスリート以外の人にも、身体の中心線が通る足裏のポイントAを知覚させて身体の中心線を意識させることにより、歩行、走行、跳躍の運動時に身体に無駄な力を使うことなく身体に掛る重力に対して抗力を最大限に働かせることで効率のよい動きを行うことが出来る。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の靴は足とのフィット感や履き心地を主眼にして制作してあり、また運動靴も横足弓に力を掛ける構造になっており、身体の重心を通るポイントAを認識させる仕組みに着目した履物或いは用具等の提案はされていなかった。
【0007】
本発明は、従来の未解決の問題点に鑑み本発明者が鋭意研究した結果なされたもので、単に足裏や所謂ツボを刺激するものではなく、着用者が足裏のポイントAを知覚することで、身体の無駄な力を抜いて良い姿勢で安定性良く疲れも少なく歩くことができるし、運動者は体の軸を意識して全身の力を無駄なく効果的に活用できることで運動能力を更に発揮することができる身体機能向上具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために構成された本発明の手段は、履物の内底面に配置し、着用者の脛骨の下方の足裏位置に圧接することで該着用者に身体の中心線を認識させるようにしたものからなる。
【0009】
そして、身体機能向上具は、弾性素材により成形するとよい。
【0010】
また、身体機能向上具は、棒状体の下面を平面に、上面を凸湾曲面に形成したものにするとよい。
【0011】
更に、身体機能向上具は、着用者の足裏の全長を100として踵から足先に向けて略20/100〜30/100以内の位置に配置するとよい。
【0012】
また、身体機能向上具は、軟質材からなる支持片に埋設した状態で支持させ、該支持片を前記履物の内底面に貼着することにより配置してもよい。
【0013】
更にまた、身体機能向上具は、前記履物の中敷表面又は裏面に固定して配置してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述の如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)身体に掛る重力とこれを打消す抗力が働く中心線が通る足裏位置、即ち着用者の脛骨の下方の足裏位置に圧接することで、着用者は身体の中心線を認識することにより、身体に無駄な力を使うことなく抗力を効果的に働かせて重力を打消すことができ、歩行や運動を楽に行うことができる。
(2)身体機能向上具は弾性素材により成形してあるから、足裏面への当りを和らげることができ長時間にわたって快適な使用感を得ることができる。
(3)身体機能向上具は下面を平面に、上面を凸湾曲面に形成してあるから、履物の内底面に対して安定良く配置できると共に、足裏に痛みを感じさせること無く身体の中心線を認識させることができる。
(4)身体機能向上具は着用者の足裏の全長を100とした場合、踵から足先に向けて20/100〜30/100以内の位置に配置することで、誰でも面倒なく抗力を作用させるポイントAに身体機能向上具を正確に配置することができる。
(5)身体機能向上具は、履物の内底面に直接配置することも、中敷を設けた履物では中敷の表面又は裏面に固定して配置することもできるものであり、着用者に使用上の自由度がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。図において、1は身体機能向上具を示す。該身体機能向上具1は着用者が足51に着用する運動靴6の内側に設けるもので、足裏51Aに痛みを与えることがなく、かつ位置を認識することができる適度の硬さを持ったゴム等の弾性材料によって、下面1Aは平坦面に、上面1Bは凸湾曲面になった横長の伸し餅状に形成したものからなる。なお、本実施の形態では身体機能向上具1を、高さ約0,5〜1cm、横幅約1,5〜2cmのサイズに設定してあるが、着用者の足51の大きさに合わせて適宜のサイズに設定できるものである。
【0016】
2は身体機能向上具1を運動靴6の内底面6Aに確実に固定するための支持片を示す。該支持片2は平面において横幅が約5,5〜6,0cm、縦幅が約8,0〜10,0cmの略四角形に形成し、下面2Aを平坦面に、上面2Bを略凸湾曲面に形成したものからなっており、例えば軟質ゴム、軟質合成樹脂などで、身体機能向上具1よりも若干軟質の素材によって成形してある。そして、身体機能向上具1は、支持片2の前後方向中央から若干後側に寄った位置に略埋設した状態で貼着することにより、支持片2と一体化してある。
【0017】
身体機能向上具1は単体で運動靴6の内底面6Aに直接固着してもよいが、歩行中や運動中に足51の力を受けて靴6内で位置ずれする恐れがあるから、支持片2と一体化することによって身体機能向上具1が位置ずれするのを防止している。支持片2は上述の構成からなり、内底面6Aの所定の位置に接着剤によって確実に固定してある。また、支持片2は身体機能向上具1が足裏51Aに突起物状に当って違和感や、不快感を与えることを防止する機能も有している。
【0018】
上述の構成からなる身体機能向上具1は、支持片2の下面2Aを靴6の内底面6Aに接着剤を介して貼着して使用する。身体機能向上具1を貼着する場所は、身体の中心線X−Xが通る足裏51Aの位置、即ち着用者の脛骨52の中心の下方のポイントAである。身体の重力と抗力は股関節によって左右の足51、51に分配されるので、身体の中心線X−Xは図3及び図4に示すようになる。このようにして、着用者は、歩行時においても運動時にも、脛骨52の中心の下方の位置である足裏51AのポイントAを身体機能向上具1によって知覚することで、身体の中心線X−Xを認識することができる。
【0019】
なお、中敷のある靴6にあっては、靴6の内底面6Aに限らず中敷の表面又は裏面に身体機能向上具1を配置してもよいものである。
【0020】
かくして、身体機能向上具1を使用する着用者は、右足のポイントAを身体機能向上具1によって知覚し、重力と抗力が作用する中心線X−Xを認識することにより、重力に対する抗力を効果的に働かすことで身体の無駄な力を抜くことができる。これにより、脛骨52から大腿骨が無駄なく動くことができるから、大腿骨裏側のハムストリングに続く腸腰筋もスムースに伸長し、拮抗筋である右側の腸腰筋が伸張すると左側の腸腰筋が収縮し、左側骨盤が引き上げられてハムストリングが収縮することにより、大腿骨と脛骨52が引き上げられて左足51が上がる。このようにして、左右の足51、51は、身体機能向上具1、1によってポイントAを交互に知覚することによって速やかな動きをすることができる。
【0021】
更に、左右の足51、51で重力と抗力が作用する中心線X−Xを認識して身体のセンターを意識することで、身体に掛る重力に対する抗力を中心線X−X上に働かすことができるから、着用者は体のバランスを保つための無駄な力を最小限にして全身の力を運動に使うことができ、歩行者は良い姿勢で安定性良く疲れも少なく歩くことができるし、運動者は体の軸を意識して全身の力を無駄なく効果的に活用できることで運動能力を更に発揮することができる。
【0022】
なお、本実施の形態で示した身体機能向上具1及び支持片2の形状及び寸法は一例であり、本願発明は明細書の記載及び図に示す形態に限定されるものでないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る身体機能向上具の構成を示す部分断面斜視図である。
【図2】身体機能向上具の縦断面図である。
【図3】身体の中心線を示す人体の側面図である。
【図4】身体の中心線を示す人体の正面図である。
【図5】身体機能向上具の実施の形態を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 身体機能向上具
1A 下面
1B 上面
2 支持片
6 靴(履物)
51 足
51A 足裏
52 脛骨
A ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物の内底面に配置し、着用者の脛骨の下方の足裏位置に圧接することで該着用者に身体の中心線を認識させるようにした身体機能向上具。
【請求項2】
請求項1記載の身体機能向上具は、弾性素材により成形したものである身体機能向上具。
【請求項3】
請求項1記載の身体機能向上具は、棒状体の下面を平面に、上面を凸湾曲面に形成したものである身体機能向上具。
【請求項4】
請求項1記載の身体機能向上具は、着用者の足裏の全長を100として踵から足先に向けて略20/100〜30/100以内の位置に配置するものである身体機能向上具。
【請求項5】
請求項1記載の身体機能向上具は、軟質材からなる支持片に埋設した状態で支持させ、該支持片を前記履物の内底面に貼着することにより配置するようにしてある身体機能向上具。
【請求項6】
請求項1記載の身体機能向上具は、前記履物の中敷表面又は裏面に固定して配置してある身体機能向上具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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