説明

身体洗浄具

【課題】泡切れ、水切れが良く、しかも髪の毛やゴミ等を付着し難くすることができる身体洗浄具を提供する。
【解決手段】この身体洗浄具1は、樹脂製ネットからなる概略ボール状の泡立具3と、該泡立具3が内部に収納されるネット状の袋体2とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風呂浴やシャワーの際に身体の洗浄に好適に用いられる身体洗浄具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した身体洗浄具は、石けんや洗浄液を付着させて手で揉むことにより泡を多量に立て易くする工夫が施されたものがあり、その一例として、軽量の樹脂製のメッシュ状ボールが知られている(例えば特許文献1参照)。上記メッシュ状ボールは、例えば多層状にした樹脂製ネットを固着バンドで結束してボール状に形成されている。
【特許文献1】特表平11−512094号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記メッシュ状ボールによる場合には、外側がヒダ状となっているために、髪の毛やゴミ等が付着し易く、しかも素材に樹脂製ネットを用いているので、付着した髪の毛やゴミ等を除去することも困難であった。また、人によっては肌触りが硬くて合わないと感じることがあった。更に、上述したように多層状にした樹脂製ネットの一箇所を固着バンドで結束しているだけなので、固着バンドが外れて使用不能になったり、或いは、使用中にボールが大きくなって使い難くなったりするという不都合もあった。
【0004】
ところで、上述したメッシュ状ボール以外に、内部に多数の空洞が形成された発泡ウレタン等の軟質樹脂からなる発泡スポンジも知られているが、この発泡スポンジの場合には泡立ちが良いものの、メッシュ状ボールでは良好な泡切れ、水切れが悪いという難点もあった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、泡切れ、水切れが良く、しかも髪の毛やゴミ等を付着し難くすることができる身体洗浄具を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明の他の目的は、肌触りを最適にすることができる身体洗浄具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の身体洗浄具は、樹脂製ネットからなる概略ボール状の泡立具と、該泡立具が内部に収納されるネット状の袋体とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2の身体洗浄具は、請求項1に記載の身体洗浄具において、前記袋体が開閉可能な開口とその開口を絞った状態に保持する締付け具とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3の身体洗浄具は、請求項1または2に記載の身体洗浄具において、前記泡立具は、筒状をした樹脂製ネットが、その軸心方向の両端開口部を通るように結束されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の身体洗浄具による場合には、樹脂製ネットからなる泡立具の外側がネット状の袋体で覆われているので、泡立具にヒダが存在していても、袋体により髪の毛やゴミ等を付着し難くすることができる。また、樹脂製ネットからなる泡立具を用いているので、泡切れ、水切れが良い。
【0011】
また、請求項2の身体洗浄具による場合には、締付け具を解くと開口をあけて内部から泡立具を取出すことで、袋体を交換することが可能になる。よって、予め材質を変えて複数用意された袋体のうちから肌に合った一つを選択して用いることにより、肌触りを最適にすることができる。
【0012】
また、請求項3の身体洗浄具による場合には、泡立具に筒状をした樹脂製ネットを用いるので、隣り合うフィラメントが解け難くなる。加えて、泡立具の外側がネット状の袋体で覆われているので、樹脂製ネットを結束する手段が外れて使用不能にならず、また、使用中に泡立具が大きくなっても袋体が大きさを規制するので、使い難くなることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る身体洗浄具を示す外観斜視図で、図2はその身体洗浄具を構成する袋体と泡立具とを示す図である。
【0015】
この実施形態の身体洗浄具1は、袋体2と泡立具3を有して構成される。泡立具3は、例えば図3(a)に示す筒状をした樹脂製ネット3aを、図3(b)に示すように、その軸心方向に短くした状態となし、その状態で、軸心方向の両端の開口部3bを通るように例えば紐3cにより結束されたもので、手で部分的に調整することで概略ボール状に丸く形成されている(図2参照)。上記樹脂製ネット3aとしては、例えばナイロンやポリエステルなどの合成樹脂製のものが用いられ、網目メッシュは泡立て性に適するものが用いられる。
【0016】
袋体2は、ネット状の編物で、筒状の一端側(図2の下側)を塞ぐとともに、他端側(図2の上側)に締付け具用の通し部2aが形成されている。通し部2aには締付け具、例えば紐2bが挿通されていて、その紐2bを結ぶことで、袋体2の他端側に設けられた開口5が絞られて閉じられる。一方、紐2bを解くことで、開口5をあけ、内側の泡立具3の取出しができる。
【0017】
この袋体2は、材質を変えて複数のものが予め用意されていて、その袋体2のうちから使用者に合った肌触りのものが選択使用される。袋体2の材質としては、例えば布及び合成樹脂のうちの複数のもの、例えば綿と麻とアクリルとの組み合わせなどである。そして、その組み合わせに係る複数、例えば3つの袋体2のものから使用者が自分に合ったものを使用することとなる。なお、複数の袋体としては、他の組み合わせのものでもよい。
【0018】
したがって、本実施形態に係る身体洗浄具1による場合には、樹脂製ネット3aからなる泡立具3の外側がネット状の袋体2で覆われているので、泡立具3にヒダが存在していても、袋体2により髪の毛やゴミ等を付着し難くすることができる。また、樹脂製ネット3aからなる泡立具3を用いているので、泡切れ、水切れの良いものにすることができる。更に、紐2bを解くと開口5をあけて内部から泡立具3を取出すことで、袋体2を交換することが可能であるので、予め材質を変えて複数用意された袋体2のうちから肌に合った一つを選択して用いることにより、肌触りを最適にすることができる。更にまた、泡立具3に筒状をした樹脂製ネット3aを用いるので、隣り合うフィラメントが解け難くなり、加えて、泡立具3の外側が袋体2で覆われているので、樹脂製ネット3aを結束する手段(例えば本実施形態では紐3c)が外れ難いので使用不能にならず、また、使用中に泡立具3が大きくなっても袋体2が大きさを規制するので、使い難くなることもない。
【0019】
なお、上述した実施形態では泡立具を、筒状の樹脂製ネットを用いて形成しているが、本発明はこれに限らず、シート状の樹脂製ネットを折り畳んで結束したものも含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る身体洗浄具を示す外観斜視図である。
【図2】図1の身体洗浄具を構成する袋体と泡立具とを示す図である。
【図3】泡立具作製の説明図である。
【符号の説明】
【0021】
1 身体洗浄具
2 袋体
3 泡立具
3a 樹脂製ネット
3b 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製ネットからなる概略ボール状の泡立具と、
該泡立具が内部に収納されるネット状の袋体とを具備することを特徴とする身体洗浄具。
【請求項2】
請求項1に記載の身体洗浄具において、前記袋体が開閉可能な開口とその開口を絞った状態に保持する締付け具とを有することを特徴とする身体洗浄具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の身体洗浄具において、
前記泡立具は、筒状をした樹脂製ネットが、その軸心方向の両端開口部を通るように結束されたものであることを特徴とする身体洗浄具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−97880(P2007−97880A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−292509(P2005−292509)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(591109212)東和産業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】