説明

身体洗浄摩擦具

【課題】 背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、摩擦による十分な爽快感を得ることができると共に、手、足、胸部等を洗う場合に手に嵌めることができ、強く掴む必要がなく老人や手の不自由な者であっても容易に使用することができ、且つ、洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように硬い部分や軟らかい部分を選択して使用することができる洗浄性及び使用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の身体洗浄摩擦具1は、帯状の布体により形成された本体2と、本体2の一方の面2a及び/又は他方の面2bの略中央部に配設された洗浄摩擦部3と、本体2の洗浄摩擦部3が配設された一方の面2a及び/又は他方の面2bに配設された雄側止着部4a,5a及び雌側止着部4b,5bと、を備えた構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入浴時等に身体を擦り洗いするため又は乾布摩擦をするための身体洗浄摩擦具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、入浴時等に身体を擦り洗いするために天然繊維又は化学繊維等の織物等からなるタオルや海綿体等からなるスポンジ、乾燥したヘチマ等が用いられている。特に身体の内、背中を擦り洗いする場合は通常タオルが用いられ、その中央部を背中に当て一端側と他端側をそれぞれ握ってタオルを長手方向に往復させることで洗っている。しかしながら、背中には凹凸があり、特に左右の肩甲骨の間は大きく窪んでいるため、通常のタオルによる擦り洗いでは確実に汚れを落とすことができず、また、摩擦による十分な爽快感も得られないという問題点があった。近年、綿や麻等の天然繊維製のタオルだけではなく、ナイロン等の化学繊維製のタオルが用いられ、皮膚への触感が軟らかいものや硬いもの等、種々のタオルが用いられているが、背中の窪み部分を十分に洗浄できるものではなかった。このような問題点を解決するために、種々の工夫を施したタオル等の身体洗浄摩擦具が開発されている。
【0003】
特許文献1には「タオルの表面中心部に楕円形の合成樹脂製不織布を縫着したタオル」及び「タオルの表面中心部に楕円形の海綿体を載置し、該海綿体を適宜の繊維製布にて被覆して縫着したタオル」が記載されている。
【0004】
特許文献2には「木綿、麻などの比較的軟らかい天然繊維の布地の片面にナイロン、アクリル、ポリエステルなどの表面が粗い垢すり兼マッサージ用に適する合成繊維の布地を取り付けたタオル」が記載されている。
【0005】
特許文献3には「所定の形状に切断したヘチマをタオルの片面又は両面に縫い付けた又は接着剤で貼り付けたタオル」が記載されている。
【0006】
特許文献4には「ボディータオルの中央部に袋を形成し、該袋にスポンジを装入したタオル」が記載されている。
【0007】
特許文献5には「化学繊維や木綿繊維などのあかすりタオルにおいて、該あかすりタオルの長手方向の略中央部を縫製して袋状体を形成し、該袋状体に発泡スチロールやポリプロピレン樹脂等の小さい塊状物を多数収納したあかすりタオル」が記載されている。
【0008】
特許文献6には「合成繊維糸で筒状にメリヤス編みした布を所定の長さに裁断してタオル生地を形成し、該タオル生地の内部に薄手のスポンジ片を1枚又は複数枚挿入し、該スポンジ片をタオル生地に縫着等の手段で取り付け固定し、タオル生地の両端を縫製等の手段で封止した伸縮性のある浴用ボディタオル」が記載されている。
【0009】
特許文献7には「筒状のタオルの内部にボール状のスポンジや硬めの凸凹球状物を装入した浴用マッサージタオル」が記載されている。
【0010】
特許文献8には「タオル地の中央付近を折り曲げて縫製した複数のヒダ部を有するヒダ付浴用タオル」が記載されている。
【0011】
【特許文献1】実用新案登録第3041302号公報
【特許文献2】実開平6−17594号公報
【特許文献3】実用新案登録第3105181号公報
【特許文献4】実用新案登録第3081005号公報
【特許文献5】特開2003−24237号公報
【特許文献6】実開平6−36487号公報
【特許文献7】特開2000−287870号公報
【特許文献8】特開2002−263029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来の技術では以下のような課題を有していた。
(1)特許文献1のタオルでは、手、足、胸部等を洗う場合、楕円形の合成樹脂製不織布や海綿体を中心にタオルを巻き込んで手で掴持するだけなので、巻き込んだタオルが拡がらないように強く掴まなければならず使用性に欠け、特に老人や手の不自由な者にとっては極めて使い難いという問題点を有していた。
(2)また、タオルを巻き込んでいるだけなので、手から離すとタオルが容易に拡がり、再び掴む際に一々タオルを巻き込まなければならず使用性に欠けるという課題を有していた。
(3)特許文献2のタオルでは、天然繊維の布地の片面に表面が粗い合成繊維の布地を取り付けただけなので、背中を擦り洗いする場合、背中の凸部分にだけ表面が粗い合成繊維の布地が強く当たって皮膚を傷付け易いと共に、窪んだ部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分を十分に擦り洗いできず、また、摩擦による十分な爽快感も得られず洗浄性及び使用性に欠けるという課題を有していた。
(4)また、手、足、胸部等を洗う場合、タオルの所定部を手で掴んで又は手先に引っ掛けて若しくはタオルを丸めて、天然繊維の布地或いは合成繊維の布地が皮膚に当たるようにして擦るので、タオルを皮膚に広い面で接触させることができず使用性に欠け、また、タオルを単に丸めた場合は掴み難いと共に天然繊維の布地と合成繊維の布地の使い分けを容易にできず使用性に欠けるという問題点を有していた。
(5)特許文献3のタオルでは、ヘチマをタオルに縫い付け又は貼り付けているだけなので、皮膚への刺激が強すぎる場合があり、また、手、足、胸部等を洗う場合、タオルの所定部を手で掴んで又は手先に引っ掛けて若しくはタオルを丸めて、ヘチマ又はタオル地が皮膚に当たるようにして擦るので、タオルを皮膚に広い面で接触させることができず使用性に欠け、また、タオルを単に丸めた場合は掴み難いと共にヘチマとタオル地の使い分けを容易にできず使用性に欠けるという問題点を有していた。
(6)特許文献4乃至特許文献7では、タオルの中央部の袋状部や筒状部にスポンジや発泡スチロール等の塊状物等を装入しているだけなので、洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるようにタオルの硬い部分や軟らかい部分等を選択できず、使用性に欠けると共に、使用後に円滑に水切りを行うことができず乾燥し難く衛生性に欠けるという課題を有していた。
(7)また、タオルの袋状部や筒状部に塊状物等を装入しているので、手、足、胸部等を洗う場合は掴み難いと共に、手や足等に当てた場合に装入物が袋状部や筒状部の内部で移動して強く擦ることができず摩擦による十分な爽快感も得られず洗浄性及び使用性に欠けるという課題を有していた。
(8)特許文献8のヒダ付浴用タオルでは、タオル地にヒダ部を形成しただけなので、背中を擦り洗いする場合、窪んだ部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分を十分に擦り洗いできず、また、摩擦による十分な爽快感も得られず洗浄性及び使用性に欠けるという課題を有していた。
(9)また、手、足、胸部等を洗う場合、タオルの所定部を手で掴んで又は手先に引っ掛けて若しくはタオルを丸めて擦るので、タオルを皮膚に広い面で接触させることができず使用性に欠け、また、タオルを単に丸めた場合は掴み難いと共に、洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるようにタオルの硬い部分や軟らかい部分等を選択できず使用性に欠けるという問題点を有していた。
【0013】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、摩擦による十分な爽快感を得ることができると共に、手、足、胸部等を洗う場合に手に嵌めることができ、強く掴む必要がなく老人や手の不自由な者であっても容易に使用することができ、且つ、洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように硬い部分や軟らかい部分を選択して使用することができる洗浄性及び使用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明の身体洗浄摩擦具は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の身体洗浄摩擦具は、帯状の布体により形成された本体と、前記本体の一方の面及び/又は他方の面の略中央部に配設された洗浄摩擦部と、前記本体の前記洗浄摩擦部が配設された前記一方の面及び/又は前記他方の面に配設された雄側止着部及び雌側止着部と、を備えた構成を有している。
【0015】
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)本体の一端側と他端側を左右の手で各々握り、洗浄摩擦部を背中に当て、本体を長手方向に往復させることにより、背中の凹凸部分を洗浄摩擦部で擦り洗い又は乾布摩擦することができる。
(2)洗浄摩擦部により使用者が背中を丸めるといった無理な姿勢を取らなくても左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、摩擦による十分な爽快感を得ることができる。
(3)洗浄摩擦部により多数ある背中のツボ、特に肩甲骨の間にあるツボ(例えば肺兪や心兪等)を十分に刺激することができ、マッサージ効果を高めることができる。
(4)洗浄摩擦部の材質、硬さ、厚み等を適宜選択することにより、皮膚への触感を硬く或いは強くしたり軟らかく或いは弱くしたりすることができ、使用者は自分にとって好ましい触感を容易に得ることができる。
(5)本体をその両端部から洗浄摩擦部に向かって各々数回折畳み、各々の折畳み部分を重ね合わせて雄側止着部と雌側止着部を止着することにより、洗浄摩擦部と本体の折畳み部分との間、又は、本体の折畳んだ布体の間に手を挿入して手、足、胸部等を洗うことができ、強く掴む必要がなく老人や手の不自由な者であっても容易に使用することができる。
(6)本体を折畳んで止着し手を挿入して使用する場合、折畳んだ本体の布体の間の内、手を挿入する場所を適宜選択することにより、掌側の折畳んだ本体の厚み(掌の上部にある重畳された布体の数)を調整することができ、自分にとって好ましい厚や触感を容易に得ることができる。
(7)本体を折畳んで雄側止着部と雌側止着部を止着することで、身体洗浄摩擦具の一方の面に洗浄摩擦部が露出し他方の面に本体の布体が露出するので、洗浄摩擦部と本体とを異なる材質、硬さ等で形成すれば、使用者は洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように硬い部分や軟らかい部分等を選択して使用することができる。
(8)身体洗浄摩擦具を洗濯した後、ハンガー等に掛止し雄側止着部と雌側止着部を止着することで、身体洗浄摩擦具がハンガーから落下することなく容易に乾燥させることができる。
【0016】
ここで、本体としては、綿、麻、絹等の天然繊維やナイロン、ポリエステル、レーヨン等の化学繊維の織物、編物、不織布等の布体が用いられる。洗浄摩擦部としては、本体と同様の布体や海綿体等のスポンジ、乾燥したヘチマを所定形状に切断したもの、所定の厚みを有する板状の内設材を布体で被覆したもの等が用いられる。また、洗浄摩擦部は本体に縫着や接着剤による接着、溶着等により固着される、或いはスナップや面ファスナー等により脱着自在に配設される。
また、洗浄摩擦部の平面視形状としては、四角形や六角形、八角形等の多角形状や円形状、楕円形状等に形成される。四角形等の多角形状に形成する場合は、角部を丸くしたり切り欠いたりすることが好ましい。これにより、角部が皮膚に接触して皮膚を傷付けたり刺激したりするのを防止できる。
なお、洗浄摩擦部としては、硬質のスポンジやヘチマ等の本体より硬い触感を得ることができる材質で形成されたものや、本体を構成する繊維より太い又は硬い繊維等で形成された布体を用いることが好ましい。これにより、背中への触感を硬く又は強くすることができ、使用者は背中の隅々まで擦り洗いしていることを実感でき、十分な爽快感を得ることができる。
雄側止着部及び雌側止着部としては、スナップや面ファスナー等が用いられる。雄側止着部とそれに止着する雌側止着部(一組の止着部)は本体のいずれかの面、又は両面であって同一の面に設けられる。また、各止着部は洗浄摩擦部の両側に各々配設される。すなわち、洗浄摩擦部の右側に雄側止着部を設けた場合は、洗浄摩擦部の左側に雌側止着部を設ける。
本体の両面に洗浄摩擦部を各々配設すると共に一組の止着部を本体の両面に各々配設した場合は、一方の面の洗浄摩擦部に重ねるように本体の両端部を折畳めば他方の面の洗浄摩擦部を露出させることができ、また、他方の面の洗浄摩擦部に重ねるように本体の両端部を折畳めば一方の面の洗浄摩擦部を露出させることができる。一方の面と他方の面の洗浄摩擦部を異なる材質や厚み、硬さ等で形成すれば、使用者は折畳み方を変えるだけで洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように各々の洗浄摩擦部を選択して使用することができる。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の身体洗浄摩擦具であって、前記洗浄摩擦部は、重畳した布体を縫着して形成されている、又は、所定の厚みを有する板状の内設材を布体で被覆して形成された構成を有している。
【0018】
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)洗浄摩擦部を所定の厚みや所定の硬さを有するように形成できるので、背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、使用者は背中の隅々まで擦り洗いしていることを実感でき、十分な爽快感を得ることができる。
【0019】
ここで、洗浄摩擦部を重畳した布体で形成する場合は、布体の厚みにもよるが3重〜5重に重畳する。これにより、洗浄摩擦部を所定の厚みや所定の硬さを有するように形成できると共に、洗浄摩擦部が嵩高くなるのを防止でき使用性を向上できる。また、洗浄摩擦部の内設材としては、海綿体等のスポンジや所定形状に切断したヘチマ、軽石等が用いられる。内設材を被覆する布体としては、上記した本体と同様の布体等が用いられる。
重畳して洗浄摩擦部を構成する布体又は内設材を被覆する布体と本体とは、異なる布体、例えば織物、編物、不織布等の構造の異なる布体、或いは、同一の構造でそれを構成する糸や繊維の材質、太さ又は硬さの異なる布体を用いてもよく、構造や材質等の略同一の布体を用いてもよい。異なる布体を用いた場合、使用者は洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように洗浄摩擦部と本体とを適宜選択して使用することができる。また、内設材を被覆する布体及び本体として構造や材質等の略同一の布体を用いた場合であっても、内設材が所定の厚みや所定の硬さを有することにより洗浄摩擦部の触感と本体の触感とが異なるため、上述の場合と同様に洗浄する部分や好み等に応じて使い分けることができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の身体洗浄摩擦具であって、前記洗浄摩擦部の少なくとも表面に露出した布体及び前記本体は、織物、編物、不織布の内いずれか1の構造を有すると共に、前記洗浄摩擦部の前記布体の構造は前記本体と異なる、或いは、前記本体と同一の構造で材質又は硬さの異なる糸若しくは繊維で形成された構成を有している。
【0021】
この構成により、請求項2の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)本体を折畳んで雄側止着部と雌側止着部を止着し手を挿入して使用する場合、使用者は洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように一方の面の洗浄摩擦部と他方の面の本体とを適宜選択して使用することができ、身体の各部をその部分に適した触感で洗うことができる。
【0022】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の身体洗浄摩擦具であって、前記洗浄摩擦部の厚みが、5mm〜25mmに形成された構成を有している。
【0023】
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)洗浄摩擦部の厚みが5mm〜25mmに形成されているので、背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、使用者は背中の隅々まで擦り洗いしていることを実感できる。
【0024】
ここで、洗浄摩擦部の厚みが5mmより小さくなるにつれ背中の凸部分にだけ洗浄摩擦部が強く当たって皮膚を傷付け易いと共に、窪んだ部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分を十分に擦り洗いできず、また、摩擦による十分な爽快感も得られず洗浄性及び使用性に欠けるため好ましくなく、25mmより大きくなるにつれ嵩高くなって使用性に欠けるため好ましくない。
【0025】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の身体洗浄摩擦具であって、前記雄側止着部又は前記雌側止着部の内いずれか一方は、幅(L)の前記洗浄摩擦部の一方の側部から前記本体の長手方向に間隔(R)を有して配設されると共に、他方は、前記洗浄摩擦部の他方の側部から前記本体の長手方向に間隔(L+R+C:0mm≦C≦20mm)を有して配設された構成を有している。
【0026】
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)本体を折畳んで雄側止着部と雌側止着部を止着した場合に、雄側止着部と雌側止着部の止着部分が洗浄摩擦部の近傍(手を挿入した場合の親指又は小指の近傍)に配設されるので、本体側の面で身体を擦り洗いする際に該止着部分が皮膚に当たることなく、皮膚への好適な触感が失われたり皮膚を傷付けたりするのを防止できる。
(2)雄側止着部と雌側止着部の止着部分が洗浄摩擦部の近傍に配設されるので、洗浄摩擦部と本体の折畳み部分との間、又は、本体の折畳んだ布体の間に手を挿入できる程度の大きさの間隙を確実に形成することができる。
【0027】
ここで、洗浄摩擦部の幅(L)は50mm〜200mmに形成され、洗浄摩擦部の一方の側部から雄側止着部又は雌側止着部までの間隔(R)は0mm〜30mm好ましくは5mm〜25mmに形成されることが好ましい。幅(L)が50mmより小さくなるにつれ洗浄摩擦部の面積が小さくなるため背中の隅々まで容易に洗うことができ難くなると共に、折畳んだ際に使用者の手を挿入することができなくなり、200mmより大きくなるにつれ左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分を確実に擦り洗いすることができ難くなるため好ましくない。また、間隔(R)が5mmより小さくなるにつれ洗浄摩擦部に近接するため雄側止着部又は雌側止着部を本体に縫着する作業等が難しくなり、25mmより大きくなるにつれ背中を擦り洗いする際に雄側止着部又は雌側止着部が皮膚に接触し易くなり好適な触感が失われたり皮膚を傷付けたりして使用性に欠け、30mmより大きくなるとその傾向が著しくなるため好ましくない。なお、身体洗浄摩擦具の作製時において、雄側止着部又は雌側止着部を本体に縫着又は接着等した後に洗浄摩擦部を本体に縫着又は接着等するようにすれば、間隔(R)が5mm以下であっても容易に縫着する作業等を行うことができる。
また、他方の雄側止着部又は雌側止着部は、洗浄摩擦部の他方の側部から間隔(L+R+C)を有して形成される。Cは、本体や洗浄摩擦部を構成する布体の材質や洗浄摩擦部の厚み等によって異なるが、0mm≦C≦20mmとなるように形成される。Cが0mmに近づくにつれ折畳んだ布体の間の手を挿入するための間隙が狭くなり挿入し難くなったり折畳んだ際の形状が歪んだりするため好ましくなく、20mmより大きくなるにつれ手を挿入するための間隙が広くなり手にフィットせず抜け易くなって使用性に欠けるため好ましくない。
【0028】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の身体洗浄摩擦具であって、前記雄側止着部及び前記雌側止着部は、スナップ又は面ファスナーである構成を有している。
【0029】
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1項の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)雄側止着部と雌側止着部の脱着を容易に行うことができる。
【0030】
ここで、雄側止着部及び雌側止着部としてスナップを用いる場合は、洗浄摩擦部の厚みを5mm〜25mm程度に厚く形成すると共に雄のスナップを洗浄摩擦部の近傍に配設して、雄のスナップが背中の皮膚に強く接触しないようにすることが好ましい。使用者が洗浄摩擦部を背中に強く擦り付けた場合であっても背中の皮膚を傷付けるのを防止するためである。また、面ファスナーを用いる場合は、本体や洗浄摩擦部を構成する布体としては繊維の太いものや目の粗いものを用いることが好ましい。雄の面ファスナーのフックが布体の細かい繊維に引っ掛かるのを防止し使用性を向上させると共に布体の表面が毛羽立つのを防止するためである。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)洗浄摩擦部により使用者が背中を丸めるといった無理な姿勢を取らなくても左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、摩擦による十分な爽快感を得ることができる洗浄性及び使用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することができる。
(2)洗浄摩擦部により多数ある背中のツボ、特に肩甲骨の間にあるツボを十分に刺激することができ、マッサージ効果を高めることができる身体洗浄摩擦具を提供することができる。
(3)洗浄摩擦部の材質、硬さ、厚み等を適宜選択することにより、皮膚への触感を硬く或いは強くしたり軟らかく或いは弱くしたりすることができ、使用者は自分にとって好ましい触感を容易に得ることができる使用性及び汎用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することができる。
(4)本体をその両端部から洗浄摩擦部に向かって各々数回折畳み、各々の折畳み部分を重ね合わせて雄側止着部と雌側止着部を止着することにより、洗浄摩擦部と本体の折畳み部分との間、又は、本体の折畳んだ布体の間に手を挿入して手、足、胸部等を洗うことができ、強く掴む必要がなく老人や手の不自由な者であっても容易に使用することができる身体洗浄摩擦具を提供することができる。
(5)折畳んだ本体の布体の間の内、手を挿入する場所を適宜選択することにより、掌側の折畳んだ本体の厚みを調整することができ、自分にとって好ましい厚や触感を容易に得ることができる使用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することができる。
(6)本体を折畳んで雄側止着部と雌側止着部を止着することで、身体洗浄摩擦具の一方の面に洗浄摩擦部が露出し他方の面に本体の布体が露出するので、洗浄摩擦部と本体とを異なる材質、硬さ等で形成すれば、使用者は洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように硬い部分や軟らかい部分等を選択して使用することができる使用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することができる。
(7)身体洗浄摩擦具を洗濯した後、ハンガー等に掛止し雄側止着部と雌側止着部を止着することで、身体洗浄摩擦具がハンガーから落下することなく容易に乾燥させることができる身体洗浄摩擦具を提供することができる。
【0032】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)洗浄摩擦部を所定の厚みや所定の硬さを有するように形成できるので、背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、使用者は背中の隅々まで擦り洗いしていることを実感でき、十分な爽快感を得ることができる洗浄性に優れ高い爽快感が得られる身体洗浄摩擦具を提供することができる。
【0033】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、
(1)本体を折畳んで雄側止着部と雌側止着部を止着し手を挿入して使用する場合、使用者は洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように一方の面の洗浄摩擦部と他方の面の本体とを適宜選択して使用することができ、身体の各部をその部分に適した触感で洗うことができる使用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することができる。
【0034】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果に加え、
(1)洗浄摩擦部の厚みが5mm〜25mmに形成されているので、背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、使用者は背中の隅々まで擦り洗いしていることを実感できる使用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することができる。
【0035】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1項の効果に加え、
(1)本体を折畳んで雄側止着部と雌側止着部を止着した場合に、雄側止着部と雌側止着部の止着部分が洗浄摩擦部の近傍に配設されるので、本体側の面で身体を擦り洗いする際に該止着部分が皮膚に当たることなく、皮膚への好適な触感が失われたり皮膚を傷付けたりするのを防止できる身体洗浄摩擦具を提供することができる。
(2)雄側止着部と雌側止着部の止着部分が洗浄摩擦部の近傍に配設されるので、洗浄摩擦部と本体の折畳み部分との間、又は、本体の折畳んだ布体の間に手を挿入できる程度の大きさの間隙を確実に形成することができる身体洗浄摩擦具を提供することができる。
【0036】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項の効果に加え、
(1)雄側止着部と雌側止着部の脱着を容易に行うことができる身体洗浄摩擦具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施の形態について、図1乃至図6を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は本実施の形態1における身体洗浄摩擦具の平面図であり、図1(b)は本実施の形態1における身体洗浄摩擦具の正面図である。
図中、1は本実施の形態1における身体洗浄摩擦具、2は帯状の布体により形成された本体、3は本体2の長手方向の略中央部に本体2の一方の面2a及び他方の面2bに渡って配設された洗浄摩擦部、4a,4bは本体2の一方の面2aの洗浄摩擦部3の両側に配設された雄側止着部及び雌側止着部、5a,5bは本体2の他方の面2bの洗浄摩擦部3の両側に配設された雄側止着部及び雌側止着部である。
【0038】
ここで、本体2は、ナイロン等の化学繊維の織物からなり、その長手方向の長さは約1000mm、幅は約100mmに形成されている。本体2としては長方形の布体をその幅方向に2〜4回折畳むと共に縫着して形成してもよい。
洗浄摩擦部3は、ナイロン等の化学繊維の織物からなる帯状の布体を本体2の一方の面2a及び他方の面2bに渡って巻き付け、3重〜5重に重畳した状態で本体2に縫着されている。また、洗浄摩擦部3は、平面視形状が100mm×100mmの矩形状に形成されると共に、その厚みは片面側で5mm〜25mm、全体で10〜50mmとなるように形成されている。
なお、本体2は使用者に応じて好適な長さに形成することが好ましい。例えば、身体の小さい子供や女性等が使用する場合は、本体2の長さを800mm〜900mm、幅を略100mmに形成し、それに伴って洗浄摩擦部3の幅Lを85mm〜95mmに形成する。また、身体の大きな男性等が使用する場合は、本体2の長さを1100mm〜1200mm、幅を略100mmに形成し、それに伴って洗浄摩擦部3の幅Lを115mm〜125mmに形成する。
本体2を構成する布体は、例えば経糸としてナイロン等のモノフィラメント糸又はマルチフィラメント糸を用い、緯糸としてけん縮加工したナイロン等のモノフィラメント糸又はマルチフィラメント糸を用いた織物等が用いられる。洗浄摩擦部3を構成する布体は、本体2と同様の構造を有する織物が用いられるが、緯糸として本体2の緯糸より太い又は硬い糸或いは繊維を用いている。これにより、洗浄摩擦部3で皮膚を擦り洗いした際に硬い触感が得られ、洗浄箇所を確実に洗浄できると共に爽快感が得られる。
【0039】
雄側止着部4a,5a及び雌側止着部4b,5bは、中央部及び両端部近傍に各々雄のスナップ及び雌のスナップが配設されたテープ状の布体により形成され、該布体は本体2に縫着されている。雄側止着部4a,5aは、幅Lの洗浄摩擦部3の一方の側部から雄のスナップの中心までの間隔がRとなるように配設されている。間隔Rは0mm〜30mm好ましくは5mm〜25mmとなるように設定されている。また、雌側止着部4b,5bは、洗浄摩擦部3の他方の側部から雌のスナップの中心までの間隔がL+R+Cとなるように配設されている。長さCは、本体2や洗浄摩擦部3を構成する布体の材質や洗浄摩擦部3の厚み等によって異なるが、0mm〜20mmに設定されている。これにより、本体2を折畳んだ際に本体2の布体が整然と折畳まれた状態で雄側止着部4a又は5aと雌側止着部4b又は5bとを止着することができる。折畳み方法については後述する。
【0040】
以上のように構成された本実施の形態1における身体洗浄摩擦具1について、その使用方法を図1乃至図3を用いて説明する。
図2は身体洗浄摩擦具1の両端部を握って背中を擦り洗いする場合の使用状態図であり、図3(a)乃至(c)は身体洗浄摩擦具の折畳み動作を示す正面図であり、図3(d)は身体洗浄摩擦具1の折畳み間に手を装着して使用する場合の使用状態図である。
背中を擦り洗いする場合は、図2に示すように、本体2の一端側と他端側をそれぞれ握り、洗浄摩擦部3を背中に当て、本体2を矢印で示す長手方向に往復させる。特に、背中の左右の肩甲骨の間を擦り洗いするには、本体2を略垂直にして上下に往復させる。洗浄摩擦部3は片面側で10mm程度の厚みを有しているので、背中の窪んだ部分、特に肩甲骨の間を確実に擦り洗いすることができ、使用者は背中の隅々まで擦り洗いしていることを実感できる。
【0041】
手、足、胸部等を擦り洗いする場合は、まず図3(a)に示すように本体2の一端部と他端部を洗浄摩擦部3に向かって折畳み、図3(b)に示すように折畳んだ部分の一端部と他端部をさらに洗浄摩擦部3に向かって折畳み、図3(c)に示すように各々の折畳み部分を洗浄摩擦部3の一方の面側で重ね合わせ、雄側止着部5aと雌側止着部5bを止着する。次に、図3(d)に示すように使用者は本体2の折畳んだ布体の間に形成された間隙Sに手を挿入することで、身体洗浄摩擦具1を手に嵌めて使用することができる。なお、身体洗浄摩擦具1の一方の面に洗浄摩擦部3が露出し他方の面に本体2が露出しているので、使用者は洗う部分に応じて洗浄摩擦部3と本体2とを使い分けることができ、皮膚への触感を異ならせることができる。
【0042】
以上のように本実施の形態1における身体洗浄摩擦具1は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)本体2の一端側と他端側を左右の手で各々握り、洗浄摩擦部3を背中に当て、本体2を長手方向に往復させることにより、背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、摩擦による十分な爽快感を得ることができる。
(2)洗浄摩擦部3が重畳した布体により形成され、片面側で5mm〜25mm程度の厚み及び所定の硬さを有しているので、背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、使用者は背中の隅々まで擦り洗いしていることを実感できると共に、肩甲骨の間の肺兪や心兪等のツボを十分に刺激することができ、マッサージ効果を高めることができる。
(3)本体2をその両端部から洗浄摩擦部3に向かって各々折畳み、各々の折畳み部分を重ね合わせて雄側止着部4aと雌側止着部4b、又は、雄側止着部5aと雌側止着部5bを止着することにより、本体2の折畳んだ布体の間の間隙Sに手を挿入して手、足、胸部等の身体の各部を洗うことができ、強く掴む必要がなく老人や手の不自由な者であっても容易に使用することができる。
(4)本体2を折畳んで雄側止着部4a,5aと雌側止着部4b,5bを止着することで、身体洗浄摩擦具1の一方の面に洗浄摩擦部3が露出し他方の面に本体2の布体が露出するので、使用者は洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように一方の面の洗浄摩擦部3と他方の面の本体2とを適宜選択して使用することができ、身体の各部をその部分に適した触感で洗うことができる。
(5)折畳んだ本体2の布体の間の内、手を挿入する場所を適宜選択することにより、掌側の折畳んだ本体の厚み(掌の上部にある重畳された布体の数)を調整することができ、使用者にとって好ましい触感を容易に得ることができる。
(6)雄側止着部4a,5aは幅Lの洗浄摩擦部3の一方の側部から雄のスナップの中心までの間隔がRとなるように配設され、雌側止着部4b,5bは洗浄摩擦部3の他方の側部から雌のスナップの中心までの間隔がL+R+Cで、長さCが0mm≦C≦20mmとなるように配設されているので、本体2を折畳んで雄側止着部4a,5aと雌側止着部4b,5bを止着した場合に、雄側止着部4a,5aと雌側止着部4b,5bの止着部分が洗浄摩擦部3の近傍(手を挿入した場合の親指又は小指の近傍)に配設され、本体2側の面で身体を擦り洗いする際に該止着部分が皮膚に当たることなく、皮膚への好適な触感が失われたり皮膚を傷付けたりするのを防止できる。また、止着部分が洗浄摩擦部3の近傍に配設されるので、本体2の折畳んだ布体の間に手を挿入できる程度の大きさの間隙を確実に形成することができ、該間隙に手を円滑に挿入でき密着させて身体洗浄摩擦具1が手から簡単に外れることがなく使用性に優れる。
(7)本体2の両面に渡って洗浄摩擦部3が配設されていると共に、雄側止着部4a及び雌側止着部4bが本体2の一方の面2aに配設され、雄側止着部5a及び雌側止着部5bが本体2の他方の面2bに配設されているので、一方の面2a側の洗浄摩擦部3に重ねるように本体2の両端部を折畳んで止着部5a,5bを止着すれば(図3(c)参照)、他方の面2b側の洗浄摩擦部3を露出させることができ、また、他方の面2bの洗浄摩擦部3に重ねるように本体2の両端部を折畳めば一方の面2a側の洗浄摩擦部3を露出させることができる。これにより、一方の面2a側と他方の面2b側の洗浄摩擦部3を異なる材質や厚み、硬さ等になるように形成すれば、使用者は折畳み方を変えるだけで洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように洗浄摩擦部3の表裏を選択して使用することができる。
【0043】
(実施の形態2)
図4(a)は本実施の形態2における身体洗浄摩擦具の平面図であり、図4(b)は本実施の形態2における身体洗浄摩擦具の正面図である。
図中、21は本実施の形態2における身体洗浄摩擦具、22は帯状の布体により形成された本体、23a,23bは本体22の略中央部の一方の面22a及び他方の面22bに各々配設固定された洗浄摩擦部、24a,24bは本体22の一方の面22aに配設された雄側止着部及び雌側止着部、25a,25bは本体22の他方の面22bに配設された雄側止着部及び雌側止着部である。
【0044】
ここで、本体22は綿や麻等の天然繊維の織物で形成されている。
洗浄摩擦部23a,23bは、綿や麻等の天然繊維又はナイロン等の化学繊維の織物からなる複数の八角形の布体を5枚〜15枚程度重畳して形成され、本体22に縫着されている。なお、重畳した布体を他の布体で被覆することにより、重畳した布体の縁部が使用に伴って解れるのを防止できる。
雄側止着部24a,25a及び雌側止着部24b,25bは、雄及び雌の面ファスナーにより形成され、本体22に縫着されている。
なお、本実施の形態2における身体洗浄摩擦具21の使用方法は、実施の形態1で説明したものを同様であるので説明を省略する。
【0045】
以上のように本実施の形態2における身体洗浄摩擦具21は構成されているので、実施の形態1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)雄側止着部24a,25a及び雌側止着部24b,25bが面ファスナーにより形成されているので、脱着が容易で使用性に優れると共に、皮膚に強く接触しても皮膚を傷付けるのを防止できる。
(2)洗浄摩擦部23a,23bが、八角形状に形成されているので、角部が皮膚に接触して皮膚を傷付けたり刺激したりするのを防止できる。
【0046】
(実施の形態3)
図5(a)は本実施の形態3における身体洗浄摩擦具の平面図であり、図5(b)は本実施の形態3における身体洗浄摩擦具の正面図である。
図中、31は本実施の形態3における身体洗浄摩擦具、33a,33bは本体2の略中央部の一方の面2a及び他方の面2bに各々縫着された乾燥したヘチマを所定形状に切断して形成された洗浄摩擦部である。なお、図5において、実施の形態1で説明したものと同様のものは同一の符号を付けて説明を省略する。
【0047】
以上のように構成された本実施の形態3における身体洗浄摩擦具31が実施の形態1と異なる点は、洗浄摩擦部として乾燥したヘチマを用いた点である。この相異により実施の形態1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)洗浄摩擦部33a,33bが乾燥したヘチマにより形成されているので、背中に十分な刺激を与えることができ、使用者は背中の隅々まで擦り洗いしていることを実感でき、十分な爽快感を得ることができると共に、天然の素材なので化学繊維に対する抵抗力の弱い者やアレルギーの者でも安心して使用できる。
【0048】
(実施の形態4)
図6(a)は本実施の形態4における身体洗浄摩擦具の平面図であり、図6(b)は本実施の形態4における身体洗浄摩擦具の正面図であり、図6(c)は図6(a)のA−A線の矢視断面図である。
図中、41は本実施の形態4における身体洗浄摩擦具、43a,43bは本体2の略中央部の一方の面2a及び他方の面2bに各々縫着された洗浄摩擦部、44は乾燥したヘチマ等を10mm程度の厚みで輪切りにして形成された内設材、45は内設材44を被覆するナイロン等の化学繊維の織物からなる布体である。なお、図6において、実施の形態1で説明したものと同様のものは同一の符号を付けて説明を省略する。
【0049】
以上のように構成された本実施の形態4における身体洗浄摩擦具41が実施の形態1と異なる点は、洗浄摩擦部43a,43bが内設材44を布体45で被覆して形成された点である。この相異により実施の形態1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)洗浄摩擦部43a,43bが内設材44を布体45で被覆して形成されているので、内設材44により洗浄摩擦部43a,43bが十分な厚み及び十分な硬さを有すると共に、その表面を布体45で被覆することにより、内設材44が直接皮膚に接触しないので皮膚を傷付けたり刺激したりするのを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明したように、本発明は入浴時等に身体を擦り洗いするため又は乾布摩擦をするための身体洗浄摩擦具に関し、特に本発明によれば、背中の凹凸部分、特に左右の肩甲骨の間の大きく窪んだ部分まで確実に擦り洗いすることができ、摩擦による十分な爽快感を得ることができると共に、手、足、胸部等を洗う場合に手に嵌めることができ、強く掴む必要がなく老人や手の不自由な者であっても容易に使用することができ、且つ、洗う部分に応じて皮膚への触感が異なるように硬い部分や軟らかい部分を選択して使用することができる洗浄性及び使用性に優れた身体洗浄摩擦具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】(a)実施の形態1における身体洗浄摩擦具の平面図(b)実施の形態1における身体洗浄摩擦具の正面図
【図2】身体洗浄摩擦具の両端部を握って背中を擦り洗いする場合の使用状態図
【図3】(a)身体洗浄摩擦具の折畳み動作を示す正面図(b)身体洗浄摩擦具の折畳み動作を示す正面図(c)身体洗浄摩擦具の折畳み動作を示す正面図(d)身体洗浄摩擦具の折畳み間に手を装着して使用する場合の使用状態図
【図4】(a)実施の形態2における身体洗浄摩擦具の平面図(b)実施の形態2における身体洗浄摩擦具の正面図
【図5】(a)実施の形態3における身体洗浄摩擦具の平面図(b)実施の形態3における身体洗浄摩擦具の正面図
【図6】(a)実施の形態4における身体洗浄摩擦具の平面図(b)実施の形態4における身体洗浄摩擦具の正面図(c)図6(a)のA−A線の矢視断面図
【符号の説明】
【0052】
1,21,31,41 身体洗浄摩擦具
2,22 本体
3,23a,23b,33a,33b,43a,43b 洗浄摩擦部
4a,5a,24a,25a 雄側止着部
4b,5b,24b,25b 雌側止着部
44 内設材
45 布体
S 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の布体により形成された本体と、
前記本体の一方の面及び/又は他方の面の略中央部に配設された洗浄摩擦部と、
前記本体の前記洗浄摩擦部が配設された前記一方の面及び/又は前記他方の面に配設された雄側止着部及び雌側止着部と、
を備えていることを特徴とする身体洗浄摩擦具。
【請求項2】
前記洗浄摩擦部は、重畳した布体を縫着して形成されている、又は、所定の厚みを有する板状の内設材を布体で被覆して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の身体洗浄摩擦具。
【請求項3】
前記洗浄摩擦部の少なくとも表面に露出した布体及び前記本体は、織物、編物、不織布の内いずれか1の構造を有すると共に、前記洗浄摩擦部の前記布体の構造は前記本体と異なる、或いは、前記本体と同一の構造で材質、太さ又は硬さの異なる糸若しくは繊維で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の身体洗浄摩擦具。
【請求項4】
前記洗浄摩擦部の厚みが、5mm〜25mmに形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の身体洗浄摩擦具。
【請求項5】
前記雄側止着部又は前記雌側止着部の内いずれか一方は、幅(L)の前記洗浄摩擦部の一方の側部から前記本体の長手方向に間隔(R)を有して配設されると共に、他方は、前記洗浄摩擦部の他方の側部から前記本体の長手方向に間隔(L+R+C:0mm≦C≦20mm)を有して配設されていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の身体洗浄摩擦具。
【請求項6】
前記雄側止着部及び前記雌側止着部は、スナップ又は面ファスナーであることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の身体洗浄摩擦具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−333877(P2006−333877A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158257(P2005−158257)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(305027375)
【Fターム(参考)】