車両の駐車支援装置およびそれを備える電動車両
【課題】車両の外部を撮影する撮影装置による送電ユニットの認識精度を向上させて給電設備に対する車両の駐車精度を向上させる。
【解決手段】車両100の制御装置は、給電設備200と車両100との間の距離がL1よりも大きいとき、カメラ120によって撮影される画像に基づいて給電設備200の駐車枠を認識し、上記の距離がL1以下になると、送電ユニット220の側面の画像に基づいて送電ユニット220を認識し、さらに上記の距離がL2(<L1)以下になると、送電ユニット220の上面の画像に基づいて送電ユニット220を認識する。そして、制御装置は、これらの認識結果に基づいて駐車支援制御を実行する。
【解決手段】車両100の制御装置は、給電設備200と車両100との間の距離がL1よりも大きいとき、カメラ120によって撮影される画像に基づいて給電設備200の駐車枠を認識し、上記の距離がL1以下になると、送電ユニット220の側面の画像に基づいて送電ユニット220を認識し、さらに上記の距離がL2(<L1)以下になると、送電ユニット220の上面の画像に基づいて送電ユニット220を認識する。そして、制御装置は、これらの認識結果に基づいて駐車支援制御を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の駐車支援装置およびそれを備える電動車両に関し、特に、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援制御に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007−97345号公報(特許文献1)は、簡便に充電を行なうことが可能となる駐車支援装置を開示する。この駐車支援装置は、車両の周囲状況を表示する表示部および車両の目標駐車位置を入力する入力部を含むタッチディスプレイと、目標駐車位置に応じた経路を算出して駐車支援制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、所定の条件下で車両に設けられた車両側電力授受部と地上に設けられた機器の機器側電力授受部との位置合わせ支援制御をさらに行なう。好ましくは、駐車支援装置は、車両の周囲状況を撮影するバックモニタカメラをさらに備える。そして、制御装置は、撮影した周囲状況の目標駐車位置付近に機器側電力授受部を示す識別子が存在する場合に、識別子の位置を認識して位置合わせ支援制御を行なう。
【0003】
この駐車支援装置によれば、運転者が簡便に充電を行なうことが可能となり、充電を行なうことに対する煩雑感が減る。その結果、充電が必要な車両を普及させるのにも寄与できるとされる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−97345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、充電が必要な車両へ給電設備から給電を行なう方法として、電源コードや送電ケーブルを用いないワイヤレス送電が注目されている。このワイヤレス送電技術としては、有力なものとして、電磁誘導を用いた送電、マイクロ波を用いた送電、および共鳴法による送電の3つの技術が知られている。
【0006】
このうち、共鳴法は、一対の共鳴器(たとえば一対の自己共振コイル)を電磁場(近接場)において共鳴させ、電磁場を介して送電する非接触の送電技術であり、数kWの大電力を比較的長距離(たとえば数m)送電することも可能である。
【0007】
このような非接触タイプの給電方法においては、効率的な給電を行なうために、給電設備の送電ユニットと車両に搭載される受電ユニットとの位置合わせが重要である。すなわち、給電設備から車両への給電に共鳴法のような非接触タイプの給電方法を用いる場合には、給電効率を高めるために、給電設備に対する車両の駐車精度が重要である。
【0008】
しかしながら、車両の外部を撮影する撮影装置の画像を用いて給電設備への駐車支援制御を行なう場合、給電設備の送電ユニットが地面に埋設されることの多い非接触タイプの給電設備においては、送電ユニットを撮影装置で認識できない可能性がある。送電ユニットの上部に発光体等を設けることも考えられるが、耐故障や耐環境等を考慮すると得策とは言えない可能性もある。
【0009】
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両において、車両の外部を撮影する撮影装置による送電ユニットの認識精度を向上させて給電設備に対する車両の駐車精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によれば、車両の駐車支援装置は、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援装置であって、撮影装置と、誘導制御部とを備える。撮影装置は、車両の外部を撮影する。誘導制御部は、撮影装置によって撮影された画像に基づいて、送電ユニットへ車両を誘導するように車両を制御する。送電ユニットは、撮影装置によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有する。そして、誘導制御部は、給電設備と車両との間の距離が予め定められた第1の距離よりも大きいとき、撮影装置によって撮影された送電ユニットの側面の画像に基づいて送電ユニットを認識し、給電設備と車両との間の距離が第1の距離以下のとき、撮影装置によって撮影された送電ユニットの上面の画像に基づいて送電ユニットを認識する。
【0011】
好ましくは、誘導制御部は、第1の距離よりも大きい予め定められた第2の距離よりも給電設備と車両との間の距離が大きいときは、給電設備から車両が受電可能な駐車位置を示す駐車枠へ車両を誘導するように車両を制御する。
【0012】
さらに好ましくは、駐車枠は、路面上に表示される。そして、誘導制御部は、給電設備と車両との間の距離が第2の距離よりも大きいとき、撮影装置によって撮影された画像に基づいて駐車枠を認識する。
【0013】
また、この発明によれば、車両の駐車支援装置は、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援装置であって、撮影装置と、誘導制御部とを備える。撮影装置は、車両の外部を撮影する。誘導制御部は、撮影装置によって撮影された画像に基づいて、送電ユニットへ車両を誘導するように車両を制御する。給電設備から車両が受電可能な駐車位置を示す駐車枠が路面上に表示される。そして、誘導制御部は、給電設備と車両との間の距離が予め定められた第1の距離よりも大きいとき、撮影装置によって撮影された画像に基づき認識される駐車枠へ車両を誘導するように車両を制御し、給電設備と車両との間の距離が第1の距離以下のとき、撮影装置によって撮影された画像に基づいて送電ユニットを認識する。
【0014】
好ましくは、誘導制御部は、給電設備と車両との間の距離が、第1の距離以下であり、かつ、第1の距離よりも小さい第2の距離よりも大きいとき、撮影装置によって撮影された送電ユニットの側面の画像に基づいて送電ユニットを認識し、給電設備と車両との間の距離が第2の距離以下のとき、撮影装置によって撮影された送電ユニットの上面の画像に基づいて送電ユニットを認識する。
【0015】
好ましくは、送電ユニットは、給電コイルと、カバーとを含む。給電コイルは、受電ユニットへ電力を送出するためのものである。カバーは、給電コイルを上部から覆うように設けられ、撮影装置によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有する。そして、誘導制御部は、撮影装置によって撮影されたカバーの画像に基づいて送電ユニットを認識する。
【0016】
また、この発明によれば、電動車両は、上述したいずれかの駐車支援装置と、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を非接触で受電するように構成された受電ユニットと、受電ユニットによって受電された電力を蓄える蓄電装置と、蓄電装置から電力を受けて走行トルクを発生する電動機とを備える。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、車両から給電設備までの距離が離れているときも近いときも、撮影装置の画像に基づいて送電ユニットを確実に認識できるので、撮影装置による送電ユニットの認識精度を向上させて給電設備に対する車両の駐車精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態による車両の駐車支援装置が適用される車両給電システムの全体構成図である。
【図2】車両の位置と駐車支援制御との関係を説明するための図である。
【図3】カメラによって送電ユニットが画像認識されるときの、車両の位置と駐車支援制御との関係を説明するための第1の図である。
【図4】カメラによって送電ユニットが画像認識されるときの、車両の位置と駐車支援制御との関係を説明するための第2の図である。
【図5】送電ユニットの外観図である。
【図6】共鳴法による送電の原理を説明するための図である。
【図7】図1に示す車両の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。
【図8】図7に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図9】図7に示す制御装置により実行される駐車支援制御の全体フローチャートである。
【図10】図9に示す、画像情報に基づく駐車支援制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】図9に示す、受電状況に基づく停車支援制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】送電ユニットの他の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態による車両の駐車支援装置が適用される車両給電システムの全体構成図である。図1を参照して、車両給電システム10は、車両100と、給電設備200とを備える。車両100は、受電ユニット110と、カメラ120と、通信部130とを含む。
【0021】
受電ユニット110は、車両100の車体底面に設けられ、給電設備200の送電ユニット220(後述)から送出される電力を非接触で受電するように構成される。詳しくは、受電ユニット110は、自己共振コイル(後述)を含み、送電ユニット220に含まれる自己共振コイルと電磁場を介して共鳴することにより送電ユニット220から非接触で受電する。カメラ120は、車両100の外部を撮影する。一例として、カメラ120は、車両100の車体後部に設けられ、車両100と送電ユニット220との位置関係を検知するために車両後方を撮影する。通信部130は、車両100と給電設備200との間で通信を行なうための通信インターフェースである。
【0022】
給電設備200は、電源装置210と、送電ユニット220と、通信部240とを含む。電源装置210は、たとえば系統電源から供給される商用交流電力を高周波の電力に変換して送電ユニット220へ出力する。電源装置210が生成する高周波電力の周波数は、たとえば1MNz〜10数MHzである。
【0023】
送電ユニット220は、駐車場の床面に固設され、電源装置210から供給される高周波電力を車両100の受電ユニット110へ非接触で送出するように構成される。詳しくは、送電ユニット220は、車両100の受電ユニット110と同様の自己共振コイルを含み、受電ユニット110の自己共振コイルと電磁場を介して共鳴することにより受電ユニット110へ非接触で送電する。
【0024】
この送電ユニット220は、車両100と送電ユニット220との間に距離があってもカメラ120により送電ユニット220を認識できるように、車両100のカメラ120によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有する。すなわち、送電ユニット220は、地面に完全に埋没することなく、地表面よりも上部に突出した少なくとも一つの側面と上面とを有する。通信部240は、給電設備200と車両100との間で通信を行なうための通信インターフェースである。
【0025】
この車両給電システム10においては、給電設備200において電源装置210から送電ユニット220へ高周波の電力が供給され、送電ユニット220に含まれる自己共振コイルと車両100の受電ユニット110に含まれる自己共振コイルとが電磁場を介して共鳴することにより、給電設備200から車両100へ非接触で給電される。ここで、この車両給電システム10においては、車両100を給電設備200(送電ユニット220)へ誘導する駐車支援制御が実行される。この実施の形態においては、駐車支援制御は、大きく分けて2段階で行なわれる。
【0026】
第1段階においては、カメラ120により撮影される画像に基づいて、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。このカメラ120の撮影画像に基づく第1段階は、さらに3つの段階に分けられる。
【0027】
すなわち、車両100と給電設備200との間の距離が予め定められたL1よりも大きいとき、給電設備200に設けられた駐車枠(路上に描かれた白線等)がカメラ120によって撮影され、その撮影された画像に基づいて駐車枠が画像認識される。そして、その駐車枠の画像認識結果に基づいて目標駐車位置までの経路が算出され、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。
【0028】
車両100と給電設備200との間の距離がL1以下になると、カメラ120によって撮影された送電ユニット220の側面の画像に基づいて送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて目標駐車位置までの経路が算出され、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。
【0029】
さらに、車両100と給電設備200との間の距離が予め定められたL2(<L1)以下になると、カメラ120によって撮影された送電ユニット220の上面の画像に基づいて送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて目標駐車位置までの経路が算出され、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。
【0030】
送電ユニット220に対して予め定められた位置まで車両100が誘導されると、第1段階から第2段階に切替わる。この第2段階では、送電ユニット220から受電ユニット110への送電が行なわれ、受電ユニット110の受電状況に基づいて送電ユニット220へ車両100が誘導される。詳しくは、受電ユニット110の受電状況に基づいて送電ユニット220と受電ユニット110との間の距離が推定され、その推定結果に基づいて送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせが行なわれる。
【0031】
なお、この第2段階時に送電ユニット220から送出される電力の大きさは、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせの完了後に送電ユニット220から受電ユニット110へ供給される電力よりも小さく設定される。上記第2段階時に送電ユニット220から電力を送出するのは、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせのためであり、本格的な給電を行なう際の大電力は不要だからである。
【0032】
図2は、車両100の位置と駐車支援制御との関係を説明するための図である。図2を参照して、送電ユニット220から車両100が遠方にあるとき(図2の(A))、給電設備200に設けられた駐車枠250が車体後部に設けられるカメラ120(図示せず)によって撮影され、その撮影された画像に基づいて駐車枠250が画像認識される。そして、その駐車枠250の画像認識結果に基づいて車両100が誘導される。
【0033】
送電ユニット220に対して車両100が所定の距離まで近づくと(図2の(B))、カメラ120によって撮影された画像に基づいて送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。
【0034】
図3,4は、カメラ120によって送電ユニット220が画像認識されるときの、車両100の位置と駐車支援制御との関係を説明するための図である。図3を参照して、送電ユニット220に対して車両100がある程度離れている場合には(中距離)、カメラ120によって撮影された送電ユニット220の側面の画像に基づいて、送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて、送電ユニット220へ向けて車両100が誘導される。
【0035】
図4を参照して、送電ユニット220に対して車両100が近づいた場合には(近距離)、カメラ120によって撮影された送電ユニット220の上面の画像に基づいて、送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて、送電ユニット220へ向けて車両100が誘導される。
【0036】
図5は、送電ユニット220の外観図である。図5を参照して、送電ユニット220は、図示されない車両100のカメラ120によって認識可能な少なくとも一つの側面221および上面222を有する。側面221と上面222とは、カメラ120によって撮影された画像に基づいて識別可能なように、たとえば色差が設けられる。
【0037】
なお、送電ユニット220を保護するために、送電ユニット220に含まれる自己共振コイルの上部から覆うようにカバーを設け、そのカバーの側面および上面を上記側面221および上面222とするのが好ましい。
【0038】
次に、共鳴法による送電の原理について説明する。
図6は、共鳴法による送電の原理を説明するための図である。図6を参照して、この共鳴法では、2つの音叉が共鳴するのと同様に、同じ固有振動数を有する2つのLC共振コイルが電磁場(近接場)において共鳴することによって、一方のコイルから他方のコイルへ電磁場を介して電力が伝送される。
【0039】
一例として、高周波電源310に一次コイル320を接続し、電磁誘導により一次コイル320と磁気的に結合される一次自己共振コイル330へ1MHz〜10数MHzの高周波電力を供給する。一次自己共振コイル330は、コイル自身のインダクタンスと浮遊容量とによるLC共振器であり、一次自己共振コイル330と同じ共振周波数を有する二次自己共振コイル340と電磁場(近接場)を介して共鳴する。そうすると、一次自己共振コイル330から二次自己共振コイル340へ電磁場を介してエネルギー(電力)が移動する。二次自己共振コイル340へ移動したエネルギー(電力)は、電磁誘導により二次自己共振コイル340と磁気的に結合される二次コイル350によって取出され、負荷360へ供給される。なお、共鳴法による送電は、一次自己共振コイル330と二次自己共振コイル340との共鳴強度を示すQ値がたとえば100よりも大きいときに実現される。
【0040】
なお、図1との対応関係については、二次自己共振コイル340および二次コイル350が図1の受電ユニット110に対応し、一次コイル320および一次自己共振コイル330が図1の送電ユニット220に対応する。
【0041】
図7は、図1に示した車両100の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。図7を参照して、車両100は、蓄電装置150と、システムメインリレーSMR1と、昇圧コンバータ162と、インバータ164,166と、モータジェネレータ172,174と、エンジン176と、動力分割装置177と、駆動輪178とを含む。また、車両100は、二次自己共振コイル112と、二次コイル114と、整流器140と、DC/DCコンバータ142と、システムメインリレーSMR2と、電圧センサ190とをさらに含む。さらに、車両100は、制御装置180と、カメラ120と、通信部130と、ディスプレイ182と、駐車支援スイッチ(以下「PA(Parking Assist)スイッチ」とも称する。)184と、給電要求スイッチ186とをさらに含む。
【0042】
この車両100は、エンジン176およびモータジェネレータ174を動力源として搭載する。エンジン176およびモータジェネレータ172,174は、動力分割装置177に連結される。そして、車両100は、エンジン176およびモータジェネレータ174の少なくとも一方が発生する駆動力によって走行する。エンジン176が発生する動力は、動力分割装置177によって2経路に分割される。すなわち、一方は駆動輪178へ伝達される経路であり、もう一方はモータジェネレータ172へ伝達される経路である。
【0043】
モータジェネレータ172は、交流回転電機であり、たとえばロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機から成る。モータジェネレータ172は、動力分割装置177によって分割されたエンジン176の運動エネルギーを用いて発電する。たとえば、蓄電装置150の充電状態(「SOC(State Of Charge)」とも称され、たとえば、満充電状態に対する百分率で示される。)が予め定められた値よりも低くなると、エンジン176が始動してモータジェネレータ172により発電が行なわれ、蓄電装置150が充電される。
【0044】
モータジェネレータ174も、交流回転電機であり、モータジェネレータ172と同様に、たとえばロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機から成る。モータジェネレータ174は、蓄電装置150に蓄えられた電力およびモータジェネレータ172により発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動力を発生する。そして、モータジェネレータ174の駆動力は、駆動輪178に伝達される。
【0045】
動力分割装置177は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車から成る。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤを自転可能に支持するとともに、エンジン176のクランクシャフトに連結される。サンギヤは、モータジェネレータ172の回転軸に連結される。リングギヤはモータジェネレータ174の回転軸および駆動輪178に連結される。
【0046】
蓄電装置150は、再充電可能な直流電源であり、たとえばリチウムイオンやニッケル水素などの二次電池から成る。蓄電装置150は、DC/DCコンバータ142から供給される充電電力を蓄えるほか、モータジェネレータ172,174によって発電される回生電力も蓄える。そして、蓄電装置150は、その蓄えた電力を昇圧コンバータ162へ供給する。なお、蓄電装置150として大容量のキャパシタも採用可能である。
【0047】
システムメインリレーSMR1は、蓄電装置150と昇圧コンバータ162との間に配設される。システムメインリレーSMR1は、制御装置180からの信号SE1が活性化されると、蓄電装置150を昇圧コンバータ162と電気的に接続し、信号SE1が非活性化されると、蓄電装置150と昇圧コンバータ162との間の電路を遮断する。昇圧コンバータ162は、制御装置180からの信号PWCに基づいて、正極線PL2の電圧を蓄電装置150から出力される電圧以上の電圧に昇圧する。なお、この昇圧コンバータ162は、たとえば直流チョッパ回路から成る。インバータ164,166は、それぞれモータジェネレータ172,174に対応して設けられる。インバータ164は、制御装置180からの信号PWI1に基づいてモータジェネレータ172を駆動し、インバータ166は、制御装置180からの信号PWI2に基づいてモータジェネレータ174を駆動する。なお、インバータ164,166は、たとえば三相ブリッジ回路から成る。
【0048】
二次自己共振コイル112は、両端がオープン(非接続)のLC共振コイルであり、給電設備200の一次自己共振コイル(図示せず)と電磁場を介して共鳴することにより給電設備200から受電する。なお、二次自己共振コイル112の容量成分は、コイルの浮遊容量とするが、コイルの両端に接続されるコンデンサを設けてもよい。この二次自己共振コイル112については、給電設備200の一次自己共振コイルとの距離や、一次自己共振コイルおよび二次自己共振コイル112の共鳴周波数等に基づいて、一次自己共振コイルと二次自己共振コイル112との共鳴強度を示すQ値(たとえば、Q>100)およびその結合度を示すκ等が大きくなるようにその巻数が適宜設定される。
【0049】
二次コイル114は、二次自己共振コイル112と同軸上に配設され、電磁誘導により二次自己共振コイル112と磁気的に結合可能である。この二次コイル114は、二次自己共振コイル112により受電された電力を電磁誘導により取出して整流器140へ出力する。なお、二次自己共振コイル112および二次コイル114は、図1に示した受電ユニット110を形成する。
【0050】
整流器140は、二次コイル114によって取出された交流電力を整流する。DC/DCコンバータ142は、制御装置180からの信号PWDに基づいて、整流器140によって整流された電力を蓄電装置150の電圧レベルに変換して蓄電装置150へ出力する。システムメインリレーSMR2は、DC/DCコンバータ142と蓄電装置150との間に配設される。システムメインリレーSMR2は、制御装置180からの信号SE2が活性化されると、蓄電装置150をDC/DCコンバータ142と電気的に接続し、信号SE2が非活性化されると、蓄電装置150とDC/DCコンバータ142との間の電路を遮断する。電圧センサ190は、整流器140とDC/DCコンバータ142との間の電圧VHを検出し、その検出値を制御装置180へ出力する。
【0051】
ディスプレイ182は、駐車支援制御の実行時、カメラ120によって撮影された画像の情報を制御装置180から受け、その受けた画像情報を表示する。このディスプレイ182には、たとえば、カーナビゲーション装置のディスプレイを用いることができる。
【0052】
制御装置180は、アクセル開度や車両速度、その他種々のセンサからの信号に基づいて、昇圧コンバータ162およびモータジェネレータ172,174をそれぞれ駆動するための信号PWC,PWI1,PWI2を生成し、その生成した信号PWC,PWI1,PWI2をそれぞれ昇圧コンバータ162およびインバータ164,166へ出力する。そして、車両の走行時、制御装置180は、信号SE1を活性化してシステムメインリレーSMR1をオンさせるとともに、信号SE2を非活性化してシステムメインリレーSMR2をオフさせる。
【0053】
また、PAスイッチ184および給電要求スイッチ186が利用者によりオンされると、制御装置180は、カメラ120によって撮影された画像の情報をカメラ120から受けるとともに、その受けた画像情報をディスプレイ182へ出力する。さらに、制御装置180は、電圧センサ190によって検出される電圧VHの検出値を電圧センサ190から受ける。そして、制御装置180は、これらのデータに基づいて、給電設備200の送電ユニット220(図1)へ車両100を誘導するように、後述の方法により駐車支援制御を実行する。
【0054】
駐車支援制御により送電ユニット220と車両100の受電ユニット110との位置合わせが完了すると、制御装置180は、通信部130を介して給電設備200へ給電指令を送信するとともに、信号SE2を活性化してシステムメインリレーSMR2をオンさせる。そして、制御装置180は、DC/DCコンバータ142を駆動するための信号PWDを生成し、その生成した信号PWDをDC/DCコンバータ142へ出力する。これにより、給電設備200による蓄電装置150の充電が開始される。
【0055】
PAスイッチ184は、カメラ120およびディスプレイ182を用いた駐車支援を利用者が要求するためのスイッチである。また、給電要求スイッチ186は、給電設備200による蓄電装置150の充電を利用者が要求するためのスイッチである。
【0056】
図8は、図7に示した制御装置180の機能ブロック図である。図8を参照して、制御装置180は、駐車支援ECU(Electronic Control Unit)410と、ステアリングECU420と、車両ECU430と、モータ制御ECU440と、充電ECU450とを含む。
【0057】
駐車支援ECU410は、図示されないPAスイッチ184および給電要求スイッチ186がオンされると、カメラ120から受ける画像情報に基づいて、給電設備200の送電ユニット220(図1)へ車両100を誘導するための駐車支援制御を実行する。
【0058】
具体的には、駐車支援ECU410は、カメラ120から受ける画像情報をディスプレイ182へ出力するとともに、その画像情報に基づいて駐車枠250(図2)や送電ユニット220を認識する。さらに、駐車支援ECU410は、その画像認識された駐車枠250や送電ユニット220に基づいて車両100と送電ユニット220との位置関係(おおよその距離および向き)を認識する。
【0059】
そして、駐車支援ECU410は、駐車枠250や送電ユニット220の画像認識結果に基づいて目標駐車位置までの経路を算出し、所定速度で車両100が後退するように車両ECU430へ後退指令を出力するとともに、送電ユニット220へ適切な向きで車両100が誘導されるようにステアリングECU420へ操舵指令を出力する。
【0060】
また、駐車支援ECU410は、予め定められた位置まで車両100が誘導されると、その旨を車両ECU430へ通知する。一例として、送電ユニット220に車両100が近づくことによってカメラ120の撮影範囲から送電ユニット220が所定量外れる位置を、上記の予め定められた位置とすることができる。ステアリングECU420は、駐車支援ECU410から受ける操舵指令に基づいて、実際にステアリングの自動制御を行なう。
【0061】
車両ECU430は、通常の走行が行なわれるときは、アクセルペダル/ブレーキペダルの操作状況や車両の走行状況等に応じて、モータ制御ECU440へ制御指令を出力する。
【0062】
駐車支援制御時においては、車両ECU430は、駐車支援ECU410から後退指令を受けると、所定速度で車両が後退するようにモータジェネレータ174(図7)を駆動するための信号を生成してモータ制御ECU440へ出力する。
【0063】
そして、予め定められた位置まで車両100が誘導されたことを示す通知を駐車支援ECU410から受けると、車両ECU430は、受電ユニット110の受電状況に基づいて車両100の速度を制御(減速/停止)する。これにより、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせが行なわれる。
【0064】
具体的には、車両ECU430は、送電ユニット220と受電ユニット110との距離の推定結果に基づいて、車両100の減速や停止を指示する指令をモータ制御ECU440へ出力する。そして、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせが完了し、車両100が停止すると、車両ECU430は、蓄電装置150を充電するための給電指令を通信部130を介して給電設備200へ送信するとともに、蓄電装置150の充電の開始を指示する指令を充電ECU450へ出力する。
【0065】
モータ制御ECU440は、車両ECU430からの指令に基づいて、モータジェネレータ172,174および昇圧コンバータ162を制御する。詳しくは、モータ制御ECU440は、モータジェネレータ172,174および昇圧コンバータ162を駆動するための信号を生成してそれぞれインバータ164,166および昇圧コンバータ162へ出力する。
【0066】
充電ECU450は、車両ECU430から充電開始指令を受けると、システムメインリレーSMR2へ出力される信号SE2を活性化することによってシステムメインリレーSMR2をオンさせる。そして、充電ECU450は、DC/DCコンバータ142を駆動するための信号を生成してDC/DCコンバータ142へ出力する。これにより、蓄電装置150の充電が実行される。
【0067】
図9は、図7に示した制御装置180により実行される駐車支援制御の全体フローチャートである。図9を参照して、制御装置180は、PAスイッチ184および給電要求スイッチ186が利用者によりオンされたか否かを判定する(ステップS10)。これらのスイッチがオンされていないと判定されたときは(ステップS10においてNO)、制御装置180は、以降の一連の処理を実行することなくステップS60へ処理を移行する。
【0068】
ステップS10においてPAスイッチ184および給電要求スイッチ186がオンされたと判定されると(ステップS10においてYES)、制御装置180は、カメラ120の画像情報に基づく駐車支援制御を実行する(ステップS20)。なお、この画像情報に基づく駐車支援制御の詳細については、後ほど説明する。
【0069】
送電ユニット220が車両100の車体下部に入り込むことによって、カメラ120により送電ユニット220を認識不可能な距離にまで車両100が送電ユニット220に近づくと、制御装置180は、受電ユニット110による受電状況に基づく停車支援制御を実行する(ステップS30)。なお、この受電状況に基づく停車支援制御の詳細についても、後ほど説明する。
【0070】
そして、停車支援制御により送電ユニット220と車両100の受電ユニット110との位置合わせが完了すると、制御装置180は、停止指令を生成し、車両100を停止させる(ステップS40)。車両100が停止すると、制御装置180は、給電設備200へ給電指令を送信し、給電設備200による蓄電装置150の充電を開始する(ステップS50)。
【0071】
図10は、図9に示した、画像情報に基づく駐車支援制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。図10を参照して、制御装置180は、カメラ120によって撮影された画像に基づいて駐車枠250を画像認識し、その認識結果に基づいて車両100の駐車位置を決定する(ステップS110)。そして、制御装置180は、その決定された駐車位置へ車両100を誘導するための経路を算出し、カメラ120の画像情報に基づいて、上述の駐車支援ECU410およびステアリングECU420による自動操舵運転を実行する(ステップS120)。この自動操舵運転の実行中、制御装置180は、駐車枠250の認識を更新する(ステップS130)。
【0072】
次いで、制御装置180は、送電ユニット220と車両100との間の距離が予め定められたL1よりも小さいか否かを判定する(ステップS140)。なお、このL1は、カメラ120により送電ユニット220の側面221(図5)を認識可能な距離に設定される。送電ユニット220と車両100との間の距離がL1以上であると判定されたときは(ステップS140においてNO)、ステップS130へ処理が戻される。
【0073】
ステップS140において、送電ユニット220と車両100との間の距離がL1よりも小さいと判定されると(ステップS140においてYES)、制御装置180は、カメラ120によって撮影された画像に基づいて、送電ユニット220の側面221を画像認識する(ステップS150)。そして、制御装置180は、画像認識された送電ユニット220の側面221の画像の大きさ(面積)に基づいて、車両100から送電ユニット220までの距離を推定する(ステップS160)。
【0074】
次いで、制御装置180は、送電ユニット220と車両100との間の距離が予め定められたL2(<L1)よりも小さいか否かを判定する(ステップS170)。なお、このL2は、送電ユニット220の側面221よりも上面222(図5)をカメラ120によって容易に認識可能な距離に設定される。送電ユニット220と車両100との間の距離がL2以上である判定されたときは(ステップS170においてNO)、ステップS150へ処理が戻される。
【0075】
ステップS170において、送電ユニット220と車両100との間の距離がL2よりも小さいと判定されると(ステップS170においてYES)、制御装置180は、カメラ120によって撮影された画像に基づいて、送電ユニット220の上面222を画像認識する(ステップS180)。そして、制御装置180は、画像認識された送電ユニット220の上面222の画像の大きさ(面積)に基づいて、車両100から送電ユニット220までの距離を推定する(ステップS190)。
【0076】
次いで、制御装置180は、送電ユニット220と車両100との間の距離が予め定められたL3(<L2)よりも小さいか否かを判定する(ステップS200)。なお、このL3は、送電ユニット220が車両100の車体下部に入り込むことによって、カメラ120により送電ユニット220を認識不可能となる距離に設定される。
【0077】
ステップS200において、送電ユニット220と車両100との間の距離がL3以上であると判定されたときは(ステップS200においてNO)、ステップS180へ処理が戻される。一方、送電ユニット220と車両100との間の距離がL3よりも小さいと判定されると(ステップS200においてYES)、図9に示したメインルーチンへ処理が返される。
【0078】
図11は、図9に示した、受電状況に基づく停車支援制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。図11を参照して、この停車支援制御が開始されると、制御装置180は、減速指令を生成し、上記自動操舵運転時の速度よりも低い所定速度に車両100を減速させる(ステップS210)。次いで、制御装置180は、電圧センサ190(図7)の電圧検出値によって示される給電設備200からの受電電圧に基づいて、予め準備されるマップ等を用いて送電ユニット220までの距離を推定する(ステップS220)。
【0079】
そして、制御装置180は、電圧センサ190により検出される受電電圧が予め定められたしきい値を超えたか否かを判定し(ステップS230)、受電電圧がしきい値を超えたと判定されると(ステップS230においてYES)、図9に示したメインルーチンへ処理が返される。
【0080】
以上のように、この実施の形態においては、給電設備200に対して車両100が遠方にあるときは、カメラ120の画像に基づいて給電設備200の駐車枠250(図2)が認識され、その駐車枠250へ車両100を誘導するように駐車支援制御が実行される。また、給電設備200に車両100が近づくと、カメラ120の画像に基づいて送電ユニット220の側面221が認識され、さらに近づくと送電ユニット220の上面222が認識され、送電ユニット220へ車両100を誘導するように駐車支援制御が実行される。これにより、車両100から給電設備200までの距離が離れているときも近いときも、カメラ120の画像に基づいて駐車位置を確実に認識できる。したがって、この実施の形態によれば、給電設備200に対する車両100の駐車精度が向上する。
【0081】
なお、送電ユニット220の外観については、側面221と上面222とをカメラ120により識別可能であればよく、図5に示した外観に代えて、たとえば、図12に示すような市松模様としてもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態においては、給電設備200に対して車両100が遠方にあるとき、カメラ120の画像に基づいて給電設備200の駐車枠250(図2)を認識し、駐車枠250へ車両100を誘導するように駐車支援制御を実行するものとしたが、ディスプレイ182(図7)上でユーザが駐車位置を決定可能とし、その決定された駐車位置へ車両100を誘導するようにしてもよい。
【0083】
また、上記においては、給電設備200に対して車両100が後方駐車されることを前提にカメラ120が車両後部に配設されるものとしたが、給電設備200に対して車両100が前方駐車される場合には、カメラ120は車両前部に配設されてもよい。
【0084】
また、上記においては、共鳴法を用いて給電設備200から車両100へ非接触で送電するものとしたが、給電設備200から車両100への送電手法は、必ずしも共鳴法に限定されるものではなく、その他の非接触送電手法である、電磁誘導を用いた送電や、マイクロ波を用いた送電であってもよい。
【0085】
また、上記においては、車両100として、動力分割装置177によりエンジン176の動力を分割して駆動輪178とモータジェネレータ172とに伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車について説明したが、この発明は、その他の形式のハイブリッド車にも適用可能である。すなわち、たとえば、モータジェネレータ172を駆動するためにのみエンジン176を用い、モータジェネレータ174でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車や、エンジン176が生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車などにもこの発明は適用可能である。
【0086】
さらに、この発明は、エンジン176を備えずに電力のみで走行する電気自動車や、直流電源として蓄電装置150に加えて燃料電池をさらに備える燃料電池車にも適用可能である。また、この発明は、昇圧コンバータ162を備えない車両や、DC/DCコンバータ142を備えない車両にも適用可能である。
【0087】
なお、上記において、カメラ120は、この発明における「撮影装置」の一実施例に対応し、制御装置180の駐車支援ECU410およびステアリングECU420は、この発明における「誘導制御部」の一実施例を形成する。
【0088】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
10 車両給電システム、100 車両、110 受電ユニット、112,340 二次自己共振コイル、114,350 二次コイル、120 カメラ、130,240 通信部、140 整流器、142 DC/DCコンバータ、150 蓄電装置、162 昇圧コンバータ、164,166 インバータ、172,174 モータジェネレータ、176 エンジン、177 動力分割装置、178 駆動輪、180 制御装置、182 ディスプレイ、184 PAスイッチ、186 給電要求スイッチ、190 電圧センサ、200 給電設備、210 電源装置、220 送電ユニット、221 側面、222 上面、310 高周波電源、320 一次コイル、330 一次自己共振コイル、360 負荷、410 駐車支援ECU、420 ステアリングECU、430 車両ECU、440 モータ制御ECU、450 充電ECU。
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の駐車支援装置およびそれを備える電動車両に関し、特に、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援制御に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2007−97345号公報(特許文献1)は、簡便に充電を行なうことが可能となる駐車支援装置を開示する。この駐車支援装置は、車両の周囲状況を表示する表示部および車両の目標駐車位置を入力する入力部を含むタッチディスプレイと、目標駐車位置に応じた経路を算出して駐車支援制御を行なう制御装置とを備える。制御装置は、所定の条件下で車両に設けられた車両側電力授受部と地上に設けられた機器の機器側電力授受部との位置合わせ支援制御をさらに行なう。好ましくは、駐車支援装置は、車両の周囲状況を撮影するバックモニタカメラをさらに備える。そして、制御装置は、撮影した周囲状況の目標駐車位置付近に機器側電力授受部を示す識別子が存在する場合に、識別子の位置を認識して位置合わせ支援制御を行なう。
【0003】
この駐車支援装置によれば、運転者が簡便に充電を行なうことが可能となり、充電を行なうことに対する煩雑感が減る。その結果、充電が必要な車両を普及させるのにも寄与できるとされる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−97345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、充電が必要な車両へ給電設備から給電を行なう方法として、電源コードや送電ケーブルを用いないワイヤレス送電が注目されている。このワイヤレス送電技術としては、有力なものとして、電磁誘導を用いた送電、マイクロ波を用いた送電、および共鳴法による送電の3つの技術が知られている。
【0006】
このうち、共鳴法は、一対の共鳴器(たとえば一対の自己共振コイル)を電磁場(近接場)において共鳴させ、電磁場を介して送電する非接触の送電技術であり、数kWの大電力を比較的長距離(たとえば数m)送電することも可能である。
【0007】
このような非接触タイプの給電方法においては、効率的な給電を行なうために、給電設備の送電ユニットと車両に搭載される受電ユニットとの位置合わせが重要である。すなわち、給電設備から車両への給電に共鳴法のような非接触タイプの給電方法を用いる場合には、給電効率を高めるために、給電設備に対する車両の駐車精度が重要である。
【0008】
しかしながら、車両の外部を撮影する撮影装置の画像を用いて給電設備への駐車支援制御を行なう場合、給電設備の送電ユニットが地面に埋設されることの多い非接触タイプの給電設備においては、送電ユニットを撮影装置で認識できない可能性がある。送電ユニットの上部に発光体等を設けることも考えられるが、耐故障や耐環境等を考慮すると得策とは言えない可能性もある。
【0009】
そこで、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両において、車両の外部を撮影する撮影装置による送電ユニットの認識精度を向上させて給電設備に対する車両の駐車精度を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によれば、車両の駐車支援装置は、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援装置であって、撮影装置と、誘導制御部とを備える。撮影装置は、車両の外部を撮影する。誘導制御部は、撮影装置によって撮影された画像に基づいて、送電ユニットへ車両を誘導するように車両を制御する。送電ユニットは、撮影装置によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有する。そして、誘導制御部は、給電設備と車両との間の距離が予め定められた第1の距離よりも大きいとき、撮影装置によって撮影された送電ユニットの側面の画像に基づいて送電ユニットを認識し、給電設備と車両との間の距離が第1の距離以下のとき、撮影装置によって撮影された送電ユニットの上面の画像に基づいて送電ユニットを認識する。
【0011】
好ましくは、誘導制御部は、第1の距離よりも大きい予め定められた第2の距離よりも給電設備と車両との間の距離が大きいときは、給電設備から車両が受電可能な駐車位置を示す駐車枠へ車両を誘導するように車両を制御する。
【0012】
さらに好ましくは、駐車枠は、路面上に表示される。そして、誘導制御部は、給電設備と車両との間の距離が第2の距離よりも大きいとき、撮影装置によって撮影された画像に基づいて駐車枠を認識する。
【0013】
また、この発明によれば、車両の駐車支援装置は、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援装置であって、撮影装置と、誘導制御部とを備える。撮影装置は、車両の外部を撮影する。誘導制御部は、撮影装置によって撮影された画像に基づいて、送電ユニットへ車両を誘導するように車両を制御する。給電設備から車両が受電可能な駐車位置を示す駐車枠が路面上に表示される。そして、誘導制御部は、給電設備と車両との間の距離が予め定められた第1の距離よりも大きいとき、撮影装置によって撮影された画像に基づき認識される駐車枠へ車両を誘導するように車両を制御し、給電設備と車両との間の距離が第1の距離以下のとき、撮影装置によって撮影された画像に基づいて送電ユニットを認識する。
【0014】
好ましくは、誘導制御部は、給電設備と車両との間の距離が、第1の距離以下であり、かつ、第1の距離よりも小さい第2の距離よりも大きいとき、撮影装置によって撮影された送電ユニットの側面の画像に基づいて送電ユニットを認識し、給電設備と車両との間の距離が第2の距離以下のとき、撮影装置によって撮影された送電ユニットの上面の画像に基づいて送電ユニットを認識する。
【0015】
好ましくは、送電ユニットは、給電コイルと、カバーとを含む。給電コイルは、受電ユニットへ電力を送出するためのものである。カバーは、給電コイルを上部から覆うように設けられ、撮影装置によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有する。そして、誘導制御部は、撮影装置によって撮影されたカバーの画像に基づいて送電ユニットを認識する。
【0016】
また、この発明によれば、電動車両は、上述したいずれかの駐車支援装置と、車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を非接触で受電するように構成された受電ユニットと、受電ユニットによって受電された電力を蓄える蓄電装置と、蓄電装置から電力を受けて走行トルクを発生する電動機とを備える。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、車両から給電設備までの距離が離れているときも近いときも、撮影装置の画像に基づいて送電ユニットを確実に認識できるので、撮影装置による送電ユニットの認識精度を向上させて給電設備に対する車両の駐車精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態による車両の駐車支援装置が適用される車両給電システムの全体構成図である。
【図2】車両の位置と駐車支援制御との関係を説明するための図である。
【図3】カメラによって送電ユニットが画像認識されるときの、車両の位置と駐車支援制御との関係を説明するための第1の図である。
【図4】カメラによって送電ユニットが画像認識されるときの、車両の位置と駐車支援制御との関係を説明するための第2の図である。
【図5】送電ユニットの外観図である。
【図6】共鳴法による送電の原理を説明するための図である。
【図7】図1に示す車両の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。
【図8】図7に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図9】図7に示す制御装置により実行される駐車支援制御の全体フローチャートである。
【図10】図9に示す、画像情報に基づく駐車支援制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】図9に示す、受電状況に基づく停車支援制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】送電ユニットの他の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態による車両の駐車支援装置が適用される車両給電システムの全体構成図である。図1を参照して、車両給電システム10は、車両100と、給電設備200とを備える。車両100は、受電ユニット110と、カメラ120と、通信部130とを含む。
【0021】
受電ユニット110は、車両100の車体底面に設けられ、給電設備200の送電ユニット220(後述)から送出される電力を非接触で受電するように構成される。詳しくは、受電ユニット110は、自己共振コイル(後述)を含み、送電ユニット220に含まれる自己共振コイルと電磁場を介して共鳴することにより送電ユニット220から非接触で受電する。カメラ120は、車両100の外部を撮影する。一例として、カメラ120は、車両100の車体後部に設けられ、車両100と送電ユニット220との位置関係を検知するために車両後方を撮影する。通信部130は、車両100と給電設備200との間で通信を行なうための通信インターフェースである。
【0022】
給電設備200は、電源装置210と、送電ユニット220と、通信部240とを含む。電源装置210は、たとえば系統電源から供給される商用交流電力を高周波の電力に変換して送電ユニット220へ出力する。電源装置210が生成する高周波電力の周波数は、たとえば1MNz〜10数MHzである。
【0023】
送電ユニット220は、駐車場の床面に固設され、電源装置210から供給される高周波電力を車両100の受電ユニット110へ非接触で送出するように構成される。詳しくは、送電ユニット220は、車両100の受電ユニット110と同様の自己共振コイルを含み、受電ユニット110の自己共振コイルと電磁場を介して共鳴することにより受電ユニット110へ非接触で送電する。
【0024】
この送電ユニット220は、車両100と送電ユニット220との間に距離があってもカメラ120により送電ユニット220を認識できるように、車両100のカメラ120によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有する。すなわち、送電ユニット220は、地面に完全に埋没することなく、地表面よりも上部に突出した少なくとも一つの側面と上面とを有する。通信部240は、給電設備200と車両100との間で通信を行なうための通信インターフェースである。
【0025】
この車両給電システム10においては、給電設備200において電源装置210から送電ユニット220へ高周波の電力が供給され、送電ユニット220に含まれる自己共振コイルと車両100の受電ユニット110に含まれる自己共振コイルとが電磁場を介して共鳴することにより、給電設備200から車両100へ非接触で給電される。ここで、この車両給電システム10においては、車両100を給電設備200(送電ユニット220)へ誘導する駐車支援制御が実行される。この実施の形態においては、駐車支援制御は、大きく分けて2段階で行なわれる。
【0026】
第1段階においては、カメラ120により撮影される画像に基づいて、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。このカメラ120の撮影画像に基づく第1段階は、さらに3つの段階に分けられる。
【0027】
すなわち、車両100と給電設備200との間の距離が予め定められたL1よりも大きいとき、給電設備200に設けられた駐車枠(路上に描かれた白線等)がカメラ120によって撮影され、その撮影された画像に基づいて駐車枠が画像認識される。そして、その駐車枠の画像認識結果に基づいて目標駐車位置までの経路が算出され、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。
【0028】
車両100と給電設備200との間の距離がL1以下になると、カメラ120によって撮影された送電ユニット220の側面の画像に基づいて送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて目標駐車位置までの経路が算出され、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。
【0029】
さらに、車両100と給電設備200との間の距離が予め定められたL2(<L1)以下になると、カメラ120によって撮影された送電ユニット220の上面の画像に基づいて送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて目標駐車位置までの経路が算出され、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。
【0030】
送電ユニット220に対して予め定められた位置まで車両100が誘導されると、第1段階から第2段階に切替わる。この第2段階では、送電ユニット220から受電ユニット110への送電が行なわれ、受電ユニット110の受電状況に基づいて送電ユニット220へ車両100が誘導される。詳しくは、受電ユニット110の受電状況に基づいて送電ユニット220と受電ユニット110との間の距離が推定され、その推定結果に基づいて送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせが行なわれる。
【0031】
なお、この第2段階時に送電ユニット220から送出される電力の大きさは、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせの完了後に送電ユニット220から受電ユニット110へ供給される電力よりも小さく設定される。上記第2段階時に送電ユニット220から電力を送出するのは、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせのためであり、本格的な給電を行なう際の大電力は不要だからである。
【0032】
図2は、車両100の位置と駐車支援制御との関係を説明するための図である。図2を参照して、送電ユニット220から車両100が遠方にあるとき(図2の(A))、給電設備200に設けられた駐車枠250が車体後部に設けられるカメラ120(図示せず)によって撮影され、その撮影された画像に基づいて駐車枠250が画像認識される。そして、その駐車枠250の画像認識結果に基づいて車両100が誘導される。
【0033】
送電ユニット220に対して車両100が所定の距離まで近づくと(図2の(B))、カメラ120によって撮影された画像に基づいて送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて、給電設備200へ向けて車両100が誘導される。
【0034】
図3,4は、カメラ120によって送電ユニット220が画像認識されるときの、車両100の位置と駐車支援制御との関係を説明するための図である。図3を参照して、送電ユニット220に対して車両100がある程度離れている場合には(中距離)、カメラ120によって撮影された送電ユニット220の側面の画像に基づいて、送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて、送電ユニット220へ向けて車両100が誘導される。
【0035】
図4を参照して、送電ユニット220に対して車両100が近づいた場合には(近距離)、カメラ120によって撮影された送電ユニット220の上面の画像に基づいて、送電ユニット220が画像認識される。そして、その送電ユニット220の画像認識結果に基づいて、送電ユニット220へ向けて車両100が誘導される。
【0036】
図5は、送電ユニット220の外観図である。図5を参照して、送電ユニット220は、図示されない車両100のカメラ120によって認識可能な少なくとも一つの側面221および上面222を有する。側面221と上面222とは、カメラ120によって撮影された画像に基づいて識別可能なように、たとえば色差が設けられる。
【0037】
なお、送電ユニット220を保護するために、送電ユニット220に含まれる自己共振コイルの上部から覆うようにカバーを設け、そのカバーの側面および上面を上記側面221および上面222とするのが好ましい。
【0038】
次に、共鳴法による送電の原理について説明する。
図6は、共鳴法による送電の原理を説明するための図である。図6を参照して、この共鳴法では、2つの音叉が共鳴するのと同様に、同じ固有振動数を有する2つのLC共振コイルが電磁場(近接場)において共鳴することによって、一方のコイルから他方のコイルへ電磁場を介して電力が伝送される。
【0039】
一例として、高周波電源310に一次コイル320を接続し、電磁誘導により一次コイル320と磁気的に結合される一次自己共振コイル330へ1MHz〜10数MHzの高周波電力を供給する。一次自己共振コイル330は、コイル自身のインダクタンスと浮遊容量とによるLC共振器であり、一次自己共振コイル330と同じ共振周波数を有する二次自己共振コイル340と電磁場(近接場)を介して共鳴する。そうすると、一次自己共振コイル330から二次自己共振コイル340へ電磁場を介してエネルギー(電力)が移動する。二次自己共振コイル340へ移動したエネルギー(電力)は、電磁誘導により二次自己共振コイル340と磁気的に結合される二次コイル350によって取出され、負荷360へ供給される。なお、共鳴法による送電は、一次自己共振コイル330と二次自己共振コイル340との共鳴強度を示すQ値がたとえば100よりも大きいときに実現される。
【0040】
なお、図1との対応関係については、二次自己共振コイル340および二次コイル350が図1の受電ユニット110に対応し、一次コイル320および一次自己共振コイル330が図1の送電ユニット220に対応する。
【0041】
図7は、図1に示した車両100の一例として示されるハイブリッド自動車の全体ブロック図である。図7を参照して、車両100は、蓄電装置150と、システムメインリレーSMR1と、昇圧コンバータ162と、インバータ164,166と、モータジェネレータ172,174と、エンジン176と、動力分割装置177と、駆動輪178とを含む。また、車両100は、二次自己共振コイル112と、二次コイル114と、整流器140と、DC/DCコンバータ142と、システムメインリレーSMR2と、電圧センサ190とをさらに含む。さらに、車両100は、制御装置180と、カメラ120と、通信部130と、ディスプレイ182と、駐車支援スイッチ(以下「PA(Parking Assist)スイッチ」とも称する。)184と、給電要求スイッチ186とをさらに含む。
【0042】
この車両100は、エンジン176およびモータジェネレータ174を動力源として搭載する。エンジン176およびモータジェネレータ172,174は、動力分割装置177に連結される。そして、車両100は、エンジン176およびモータジェネレータ174の少なくとも一方が発生する駆動力によって走行する。エンジン176が発生する動力は、動力分割装置177によって2経路に分割される。すなわち、一方は駆動輪178へ伝達される経路であり、もう一方はモータジェネレータ172へ伝達される経路である。
【0043】
モータジェネレータ172は、交流回転電機であり、たとえばロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機から成る。モータジェネレータ172は、動力分割装置177によって分割されたエンジン176の運動エネルギーを用いて発電する。たとえば、蓄電装置150の充電状態(「SOC(State Of Charge)」とも称され、たとえば、満充電状態に対する百分率で示される。)が予め定められた値よりも低くなると、エンジン176が始動してモータジェネレータ172により発電が行なわれ、蓄電装置150が充電される。
【0044】
モータジェネレータ174も、交流回転電機であり、モータジェネレータ172と同様に、たとえばロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機から成る。モータジェネレータ174は、蓄電装置150に蓄えられた電力およびモータジェネレータ172により発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動力を発生する。そして、モータジェネレータ174の駆動力は、駆動輪178に伝達される。
【0045】
動力分割装置177は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車から成る。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤを自転可能に支持するとともに、エンジン176のクランクシャフトに連結される。サンギヤは、モータジェネレータ172の回転軸に連結される。リングギヤはモータジェネレータ174の回転軸および駆動輪178に連結される。
【0046】
蓄電装置150は、再充電可能な直流電源であり、たとえばリチウムイオンやニッケル水素などの二次電池から成る。蓄電装置150は、DC/DCコンバータ142から供給される充電電力を蓄えるほか、モータジェネレータ172,174によって発電される回生電力も蓄える。そして、蓄電装置150は、その蓄えた電力を昇圧コンバータ162へ供給する。なお、蓄電装置150として大容量のキャパシタも採用可能である。
【0047】
システムメインリレーSMR1は、蓄電装置150と昇圧コンバータ162との間に配設される。システムメインリレーSMR1は、制御装置180からの信号SE1が活性化されると、蓄電装置150を昇圧コンバータ162と電気的に接続し、信号SE1が非活性化されると、蓄電装置150と昇圧コンバータ162との間の電路を遮断する。昇圧コンバータ162は、制御装置180からの信号PWCに基づいて、正極線PL2の電圧を蓄電装置150から出力される電圧以上の電圧に昇圧する。なお、この昇圧コンバータ162は、たとえば直流チョッパ回路から成る。インバータ164,166は、それぞれモータジェネレータ172,174に対応して設けられる。インバータ164は、制御装置180からの信号PWI1に基づいてモータジェネレータ172を駆動し、インバータ166は、制御装置180からの信号PWI2に基づいてモータジェネレータ174を駆動する。なお、インバータ164,166は、たとえば三相ブリッジ回路から成る。
【0048】
二次自己共振コイル112は、両端がオープン(非接続)のLC共振コイルであり、給電設備200の一次自己共振コイル(図示せず)と電磁場を介して共鳴することにより給電設備200から受電する。なお、二次自己共振コイル112の容量成分は、コイルの浮遊容量とするが、コイルの両端に接続されるコンデンサを設けてもよい。この二次自己共振コイル112については、給電設備200の一次自己共振コイルとの距離や、一次自己共振コイルおよび二次自己共振コイル112の共鳴周波数等に基づいて、一次自己共振コイルと二次自己共振コイル112との共鳴強度を示すQ値(たとえば、Q>100)およびその結合度を示すκ等が大きくなるようにその巻数が適宜設定される。
【0049】
二次コイル114は、二次自己共振コイル112と同軸上に配設され、電磁誘導により二次自己共振コイル112と磁気的に結合可能である。この二次コイル114は、二次自己共振コイル112により受電された電力を電磁誘導により取出して整流器140へ出力する。なお、二次自己共振コイル112および二次コイル114は、図1に示した受電ユニット110を形成する。
【0050】
整流器140は、二次コイル114によって取出された交流電力を整流する。DC/DCコンバータ142は、制御装置180からの信号PWDに基づいて、整流器140によって整流された電力を蓄電装置150の電圧レベルに変換して蓄電装置150へ出力する。システムメインリレーSMR2は、DC/DCコンバータ142と蓄電装置150との間に配設される。システムメインリレーSMR2は、制御装置180からの信号SE2が活性化されると、蓄電装置150をDC/DCコンバータ142と電気的に接続し、信号SE2が非活性化されると、蓄電装置150とDC/DCコンバータ142との間の電路を遮断する。電圧センサ190は、整流器140とDC/DCコンバータ142との間の電圧VHを検出し、その検出値を制御装置180へ出力する。
【0051】
ディスプレイ182は、駐車支援制御の実行時、カメラ120によって撮影された画像の情報を制御装置180から受け、その受けた画像情報を表示する。このディスプレイ182には、たとえば、カーナビゲーション装置のディスプレイを用いることができる。
【0052】
制御装置180は、アクセル開度や車両速度、その他種々のセンサからの信号に基づいて、昇圧コンバータ162およびモータジェネレータ172,174をそれぞれ駆動するための信号PWC,PWI1,PWI2を生成し、その生成した信号PWC,PWI1,PWI2をそれぞれ昇圧コンバータ162およびインバータ164,166へ出力する。そして、車両の走行時、制御装置180は、信号SE1を活性化してシステムメインリレーSMR1をオンさせるとともに、信号SE2を非活性化してシステムメインリレーSMR2をオフさせる。
【0053】
また、PAスイッチ184および給電要求スイッチ186が利用者によりオンされると、制御装置180は、カメラ120によって撮影された画像の情報をカメラ120から受けるとともに、その受けた画像情報をディスプレイ182へ出力する。さらに、制御装置180は、電圧センサ190によって検出される電圧VHの検出値を電圧センサ190から受ける。そして、制御装置180は、これらのデータに基づいて、給電設備200の送電ユニット220(図1)へ車両100を誘導するように、後述の方法により駐車支援制御を実行する。
【0054】
駐車支援制御により送電ユニット220と車両100の受電ユニット110との位置合わせが完了すると、制御装置180は、通信部130を介して給電設備200へ給電指令を送信するとともに、信号SE2を活性化してシステムメインリレーSMR2をオンさせる。そして、制御装置180は、DC/DCコンバータ142を駆動するための信号PWDを生成し、その生成した信号PWDをDC/DCコンバータ142へ出力する。これにより、給電設備200による蓄電装置150の充電が開始される。
【0055】
PAスイッチ184は、カメラ120およびディスプレイ182を用いた駐車支援を利用者が要求するためのスイッチである。また、給電要求スイッチ186は、給電設備200による蓄電装置150の充電を利用者が要求するためのスイッチである。
【0056】
図8は、図7に示した制御装置180の機能ブロック図である。図8を参照して、制御装置180は、駐車支援ECU(Electronic Control Unit)410と、ステアリングECU420と、車両ECU430と、モータ制御ECU440と、充電ECU450とを含む。
【0057】
駐車支援ECU410は、図示されないPAスイッチ184および給電要求スイッチ186がオンされると、カメラ120から受ける画像情報に基づいて、給電設備200の送電ユニット220(図1)へ車両100を誘導するための駐車支援制御を実行する。
【0058】
具体的には、駐車支援ECU410は、カメラ120から受ける画像情報をディスプレイ182へ出力するとともに、その画像情報に基づいて駐車枠250(図2)や送電ユニット220を認識する。さらに、駐車支援ECU410は、その画像認識された駐車枠250や送電ユニット220に基づいて車両100と送電ユニット220との位置関係(おおよその距離および向き)を認識する。
【0059】
そして、駐車支援ECU410は、駐車枠250や送電ユニット220の画像認識結果に基づいて目標駐車位置までの経路を算出し、所定速度で車両100が後退するように車両ECU430へ後退指令を出力するとともに、送電ユニット220へ適切な向きで車両100が誘導されるようにステアリングECU420へ操舵指令を出力する。
【0060】
また、駐車支援ECU410は、予め定められた位置まで車両100が誘導されると、その旨を車両ECU430へ通知する。一例として、送電ユニット220に車両100が近づくことによってカメラ120の撮影範囲から送電ユニット220が所定量外れる位置を、上記の予め定められた位置とすることができる。ステアリングECU420は、駐車支援ECU410から受ける操舵指令に基づいて、実際にステアリングの自動制御を行なう。
【0061】
車両ECU430は、通常の走行が行なわれるときは、アクセルペダル/ブレーキペダルの操作状況や車両の走行状況等に応じて、モータ制御ECU440へ制御指令を出力する。
【0062】
駐車支援制御時においては、車両ECU430は、駐車支援ECU410から後退指令を受けると、所定速度で車両が後退するようにモータジェネレータ174(図7)を駆動するための信号を生成してモータ制御ECU440へ出力する。
【0063】
そして、予め定められた位置まで車両100が誘導されたことを示す通知を駐車支援ECU410から受けると、車両ECU430は、受電ユニット110の受電状況に基づいて車両100の速度を制御(減速/停止)する。これにより、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせが行なわれる。
【0064】
具体的には、車両ECU430は、送電ユニット220と受電ユニット110との距離の推定結果に基づいて、車両100の減速や停止を指示する指令をモータ制御ECU440へ出力する。そして、送電ユニット220と受電ユニット110との位置合わせが完了し、車両100が停止すると、車両ECU430は、蓄電装置150を充電するための給電指令を通信部130を介して給電設備200へ送信するとともに、蓄電装置150の充電の開始を指示する指令を充電ECU450へ出力する。
【0065】
モータ制御ECU440は、車両ECU430からの指令に基づいて、モータジェネレータ172,174および昇圧コンバータ162を制御する。詳しくは、モータ制御ECU440は、モータジェネレータ172,174および昇圧コンバータ162を駆動するための信号を生成してそれぞれインバータ164,166および昇圧コンバータ162へ出力する。
【0066】
充電ECU450は、車両ECU430から充電開始指令を受けると、システムメインリレーSMR2へ出力される信号SE2を活性化することによってシステムメインリレーSMR2をオンさせる。そして、充電ECU450は、DC/DCコンバータ142を駆動するための信号を生成してDC/DCコンバータ142へ出力する。これにより、蓄電装置150の充電が実行される。
【0067】
図9は、図7に示した制御装置180により実行される駐車支援制御の全体フローチャートである。図9を参照して、制御装置180は、PAスイッチ184および給電要求スイッチ186が利用者によりオンされたか否かを判定する(ステップS10)。これらのスイッチがオンされていないと判定されたときは(ステップS10においてNO)、制御装置180は、以降の一連の処理を実行することなくステップS60へ処理を移行する。
【0068】
ステップS10においてPAスイッチ184および給電要求スイッチ186がオンされたと判定されると(ステップS10においてYES)、制御装置180は、カメラ120の画像情報に基づく駐車支援制御を実行する(ステップS20)。なお、この画像情報に基づく駐車支援制御の詳細については、後ほど説明する。
【0069】
送電ユニット220が車両100の車体下部に入り込むことによって、カメラ120により送電ユニット220を認識不可能な距離にまで車両100が送電ユニット220に近づくと、制御装置180は、受電ユニット110による受電状況に基づく停車支援制御を実行する(ステップS30)。なお、この受電状況に基づく停車支援制御の詳細についても、後ほど説明する。
【0070】
そして、停車支援制御により送電ユニット220と車両100の受電ユニット110との位置合わせが完了すると、制御装置180は、停止指令を生成し、車両100を停止させる(ステップS40)。車両100が停止すると、制御装置180は、給電設備200へ給電指令を送信し、給電設備200による蓄電装置150の充電を開始する(ステップS50)。
【0071】
図10は、図9に示した、画像情報に基づく駐車支援制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。図10を参照して、制御装置180は、カメラ120によって撮影された画像に基づいて駐車枠250を画像認識し、その認識結果に基づいて車両100の駐車位置を決定する(ステップS110)。そして、制御装置180は、その決定された駐車位置へ車両100を誘導するための経路を算出し、カメラ120の画像情報に基づいて、上述の駐車支援ECU410およびステアリングECU420による自動操舵運転を実行する(ステップS120)。この自動操舵運転の実行中、制御装置180は、駐車枠250の認識を更新する(ステップS130)。
【0072】
次いで、制御装置180は、送電ユニット220と車両100との間の距離が予め定められたL1よりも小さいか否かを判定する(ステップS140)。なお、このL1は、カメラ120により送電ユニット220の側面221(図5)を認識可能な距離に設定される。送電ユニット220と車両100との間の距離がL1以上であると判定されたときは(ステップS140においてNO)、ステップS130へ処理が戻される。
【0073】
ステップS140において、送電ユニット220と車両100との間の距離がL1よりも小さいと判定されると(ステップS140においてYES)、制御装置180は、カメラ120によって撮影された画像に基づいて、送電ユニット220の側面221を画像認識する(ステップS150)。そして、制御装置180は、画像認識された送電ユニット220の側面221の画像の大きさ(面積)に基づいて、車両100から送電ユニット220までの距離を推定する(ステップS160)。
【0074】
次いで、制御装置180は、送電ユニット220と車両100との間の距離が予め定められたL2(<L1)よりも小さいか否かを判定する(ステップS170)。なお、このL2は、送電ユニット220の側面221よりも上面222(図5)をカメラ120によって容易に認識可能な距離に設定される。送電ユニット220と車両100との間の距離がL2以上である判定されたときは(ステップS170においてNO)、ステップS150へ処理が戻される。
【0075】
ステップS170において、送電ユニット220と車両100との間の距離がL2よりも小さいと判定されると(ステップS170においてYES)、制御装置180は、カメラ120によって撮影された画像に基づいて、送電ユニット220の上面222を画像認識する(ステップS180)。そして、制御装置180は、画像認識された送電ユニット220の上面222の画像の大きさ(面積)に基づいて、車両100から送電ユニット220までの距離を推定する(ステップS190)。
【0076】
次いで、制御装置180は、送電ユニット220と車両100との間の距離が予め定められたL3(<L2)よりも小さいか否かを判定する(ステップS200)。なお、このL3は、送電ユニット220が車両100の車体下部に入り込むことによって、カメラ120により送電ユニット220を認識不可能となる距離に設定される。
【0077】
ステップS200において、送電ユニット220と車両100との間の距離がL3以上であると判定されたときは(ステップS200においてNO)、ステップS180へ処理が戻される。一方、送電ユニット220と車両100との間の距離がL3よりも小さいと判定されると(ステップS200においてYES)、図9に示したメインルーチンへ処理が返される。
【0078】
図11は、図9に示した、受電状況に基づく停車支援制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。図11を参照して、この停車支援制御が開始されると、制御装置180は、減速指令を生成し、上記自動操舵運転時の速度よりも低い所定速度に車両100を減速させる(ステップS210)。次いで、制御装置180は、電圧センサ190(図7)の電圧検出値によって示される給電設備200からの受電電圧に基づいて、予め準備されるマップ等を用いて送電ユニット220までの距離を推定する(ステップS220)。
【0079】
そして、制御装置180は、電圧センサ190により検出される受電電圧が予め定められたしきい値を超えたか否かを判定し(ステップS230)、受電電圧がしきい値を超えたと判定されると(ステップS230においてYES)、図9に示したメインルーチンへ処理が返される。
【0080】
以上のように、この実施の形態においては、給電設備200に対して車両100が遠方にあるときは、カメラ120の画像に基づいて給電設備200の駐車枠250(図2)が認識され、その駐車枠250へ車両100を誘導するように駐車支援制御が実行される。また、給電設備200に車両100が近づくと、カメラ120の画像に基づいて送電ユニット220の側面221が認識され、さらに近づくと送電ユニット220の上面222が認識され、送電ユニット220へ車両100を誘導するように駐車支援制御が実行される。これにより、車両100から給電設備200までの距離が離れているときも近いときも、カメラ120の画像に基づいて駐車位置を確実に認識できる。したがって、この実施の形態によれば、給電設備200に対する車両100の駐車精度が向上する。
【0081】
なお、送電ユニット220の外観については、側面221と上面222とをカメラ120により識別可能であればよく、図5に示した外観に代えて、たとえば、図12に示すような市松模様としてもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態においては、給電設備200に対して車両100が遠方にあるとき、カメラ120の画像に基づいて給電設備200の駐車枠250(図2)を認識し、駐車枠250へ車両100を誘導するように駐車支援制御を実行するものとしたが、ディスプレイ182(図7)上でユーザが駐車位置を決定可能とし、その決定された駐車位置へ車両100を誘導するようにしてもよい。
【0083】
また、上記においては、給電設備200に対して車両100が後方駐車されることを前提にカメラ120が車両後部に配設されるものとしたが、給電設備200に対して車両100が前方駐車される場合には、カメラ120は車両前部に配設されてもよい。
【0084】
また、上記においては、共鳴法を用いて給電設備200から車両100へ非接触で送電するものとしたが、給電設備200から車両100への送電手法は、必ずしも共鳴法に限定されるものではなく、その他の非接触送電手法である、電磁誘導を用いた送電や、マイクロ波を用いた送電であってもよい。
【0085】
また、上記においては、車両100として、動力分割装置177によりエンジン176の動力を分割して駆動輪178とモータジェネレータ172とに伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車について説明したが、この発明は、その他の形式のハイブリッド車にも適用可能である。すなわち、たとえば、モータジェネレータ172を駆動するためにのみエンジン176を用い、モータジェネレータ174でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車や、エンジン176が生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車などにもこの発明は適用可能である。
【0086】
さらに、この発明は、エンジン176を備えずに電力のみで走行する電気自動車や、直流電源として蓄電装置150に加えて燃料電池をさらに備える燃料電池車にも適用可能である。また、この発明は、昇圧コンバータ162を備えない車両や、DC/DCコンバータ142を備えない車両にも適用可能である。
【0087】
なお、上記において、カメラ120は、この発明における「撮影装置」の一実施例に対応し、制御装置180の駐車支援ECU410およびステアリングECU420は、この発明における「誘導制御部」の一実施例を形成する。
【0088】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
10 車両給電システム、100 車両、110 受電ユニット、112,340 二次自己共振コイル、114,350 二次コイル、120 カメラ、130,240 通信部、140 整流器、142 DC/DCコンバータ、150 蓄電装置、162 昇圧コンバータ、164,166 インバータ、172,174 モータジェネレータ、176 エンジン、177 動力分割装置、178 駆動輪、180 制御装置、182 ディスプレイ、184 PAスイッチ、186 給電要求スイッチ、190 電圧センサ、200 給電設備、210 電源装置、220 送電ユニット、221 側面、222 上面、310 高周波電源、320 一次コイル、330 一次自己共振コイル、360 負荷、410 駐車支援ECU、420 ステアリングECU、430 車両ECU、440 モータ制御ECU、450 充電ECU。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援装置であって、
前記車両の外部を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置によって撮影された画像に基づいて、前記送電ユニットへ前記車両を誘導するように前記車両を制御する誘導制御部とを備え、
前記送電ユニットは、前記撮影装置によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有し、
前記誘導制御部は、前記給電設備と前記車両との間の距離が予め定められた第1の距離よりも大きいとき、前記撮影装置によって撮影された前記送電ユニットの側面の画像に基づいて前記送電ユニットを認識し、前記給電設備と前記車両との間の距離が前記第1の距離以下のとき、前記撮影装置によって撮影された前記送電ユニットの上面の画像に基づいて前記送電ユニットを認識する、車両の駐車支援装置。
【請求項2】
前記誘導制御部は、前記第1の距離よりも大きい予め定められた第2の距離よりも前記給電設備と前記車両との間の距離が大きいときは、前記給電設備から前記車両が受電可能な駐車位置を示す駐車枠へ前記車両を誘導するように前記車両を制御する、請求項1に記載の車両の駐車支援装置。
【請求項3】
前記駐車枠は、路面上に表示されており、
前記誘導制御部は、前記給電設備と前記車両との間の距離が前記第2の距離よりも大きいとき、前記撮影装置によって撮影された画像に基づいて前記駐車枠を認識する、請求項2に記載の車両の駐車支援装置。
【請求項4】
車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援装置であって、
前記車両の外部を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置によって撮影された画像に基づいて、前記送電ユニットへ前記車両を誘導するように前記車両を制御する誘導制御部とを備え、
前記給電設備から前記車両が受電可能な駐車位置を示す駐車枠が路面上に表示されており、
前記誘導制御部は、前記給電設備と前記車両との間の距離が予め定められた第1の距離よりも大きいとき、前記撮影装置によって撮影された画像に基づき認識される前記駐車枠へ前記車両を誘導するように前記車両を制御し、前記給電設備と前記車両との間の距離が前記第1の距離以下のとき、前記撮影装置によって撮影された画像に基づいて前記送電ユニットを認識する、車両の駐車支援装置。
【請求項5】
前記誘導制御部は、前記給電設備と前記車両との間の距離が、前記第1の距離以下であり、かつ、前記第1の距離よりも小さい第2の距離よりも大きいとき、前記撮影装置によって撮影された前記送電ユニットの側面の画像に基づいて前記送電ユニットを認識し、前記給電設備と前記車両との間の距離が前記第2の距離以下のとき、前記撮影装置によって撮影された前記送電ユニットの上面の画像に基づいて前記送電ユニットを認識する、請求項4に記載の車両の駐車支援装置。
【請求項6】
前記送電ユニットは、
前記受電ユニットへ電力を送出するための給電コイルと、
前記給電コイルを上部から覆うように設けられ、前記撮影装置によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有するカバーとを含み、
前記誘導制御部は、前記撮影装置によって撮影された前記カバーの画像に基づいて前記送電ユニットを認識する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両の駐車支援装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の駐車支援装置と、
車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を非接触で受電するように構成された受電ユニットと、
前記受電ユニットによって受電された電力を蓄える蓄電装置と、
前記蓄電装置から電力を受けて走行トルクを発生する電動機とを備える電動車両。
【請求項1】
車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援装置であって、
前記車両の外部を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置によって撮影された画像に基づいて、前記送電ユニットへ前記車両を誘導するように前記車両を制御する誘導制御部とを備え、
前記送電ユニットは、前記撮影装置によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有し、
前記誘導制御部は、前記給電設備と前記車両との間の距離が予め定められた第1の距離よりも大きいとき、前記撮影装置によって撮影された前記送電ユニットの側面の画像に基づいて前記送電ユニットを認識し、前記給電設備と前記車両との間の距離が前記第1の距離以下のとき、前記撮影装置によって撮影された前記送電ユニットの上面の画像に基づいて前記送電ユニットを認識する、車両の駐車支援装置。
【請求項2】
前記誘導制御部は、前記第1の距離よりも大きい予め定められた第2の距離よりも前記給電設備と前記車両との間の距離が大きいときは、前記給電設備から前記車両が受電可能な駐車位置を示す駐車枠へ前記車両を誘導するように前記車両を制御する、請求項1に記載の車両の駐車支援装置。
【請求項3】
前記駐車枠は、路面上に表示されており、
前記誘導制御部は、前記給電設備と前記車両との間の距離が前記第2の距離よりも大きいとき、前記撮影装置によって撮影された画像に基づいて前記駐車枠を認識する、請求項2に記載の車両の駐車支援装置。
【請求項4】
車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を受電ユニットにより非接触で受電して蓄電装置に蓄電可能な車両の駐車支援装置であって、
前記車両の外部を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置によって撮影された画像に基づいて、前記送電ユニットへ前記車両を誘導するように前記車両を制御する誘導制御部とを備え、
前記給電設備から前記車両が受電可能な駐車位置を示す駐車枠が路面上に表示されており、
前記誘導制御部は、前記給電設備と前記車両との間の距離が予め定められた第1の距離よりも大きいとき、前記撮影装置によって撮影された画像に基づき認識される前記駐車枠へ前記車両を誘導するように前記車両を制御し、前記給電設備と前記車両との間の距離が前記第1の距離以下のとき、前記撮影装置によって撮影された画像に基づいて前記送電ユニットを認識する、車両の駐車支援装置。
【請求項5】
前記誘導制御部は、前記給電設備と前記車両との間の距離が、前記第1の距離以下であり、かつ、前記第1の距離よりも小さい第2の距離よりも大きいとき、前記撮影装置によって撮影された前記送電ユニットの側面の画像に基づいて前記送電ユニットを認識し、前記給電設備と前記車両との間の距離が前記第2の距離以下のとき、前記撮影装置によって撮影された前記送電ユニットの上面の画像に基づいて前記送電ユニットを認識する、請求項4に記載の車両の駐車支援装置。
【請求項6】
前記送電ユニットは、
前記受電ユニットへ電力を送出するための給電コイルと、
前記給電コイルを上部から覆うように設けられ、前記撮影装置によって認識可能な少なくとも一つの側面と上面とを有するカバーとを含み、
前記誘導制御部は、前記撮影装置によって撮影された前記カバーの画像に基づいて前記送電ユニットを認識する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両の駐車支援装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の駐車支援装置と、
車両外部に設けられる給電設備の送電ユニットから送出される電力を非接触で受電するように構成された受電ユニットと、
前記受電ユニットによって受電された電力を蓄える蓄電装置と、
前記蓄電装置から電力を受けて走行トルクを発生する電動機とを備える電動車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−5243(P2012−5243A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138090(P2010−138090)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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