説明

車両ドアの開閉装置および車両ドアの開閉方法

【課題】車両ドアの開閉指示を受け付けた後に、レスポンス良く、ドアを開閉することができる車両ドアの開閉装置を提供する。
【解決手段】車両ドアの開閉装置において、車両ドア21a,21b,22の周辺の障害物の有無を記憶しておき、車両ドア21a,21b,22の開閉を要求されると、記憶の有無に応じて、ドア21a,21b,22の開閉を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ドアの開閉装置および車両ドアの開閉方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように、ユーザからの指示を受け付けると、駆動モータによる動力を用いてバックドアを自動で開放するオートバックドアという技術がある。オートバックドアは、所定の指示を受け付けると、ドアの周辺に障害物が存在しているか否かを検知するための処理を行い、障害物が検知されなければドアを開放する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−170235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、ユーザの指示を受け付けた後に、障害物を検知するための処理を開始するため、ドアを開放するか否かの判定に時間がかかってしまう。その結果、上記技術では、ユーザの指示に対する開放処理のレスポンスが悪くなる。したがって、たとえ障害物が存在しない場合でも、ユーザが開放指示を行ってから実際にドアが開閉されるまでの間に時間差が生じ、ユーザに違和感を与えてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、車両ドアの開閉指示を受け付けた後に、レスポンス良く、ドアを開閉することができる車両ドアの開閉装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る車両ドアの開閉装置は、車両ドアの周辺の障害物の有無を記憶しておき、車両ドアの開閉を要求されると、前記記憶の有無に応じて、該ドアの開閉を決定する、という構成を有する。
【0007】
また、本発明に係る車両ドアの開閉装置は、車両ドアを開閉させる指示を受け付ける指示受付手段と、車両ドアの周辺にある障害物を検知する障害物検知手段と、前記障害物検知手段が障害物を検知すると、障害物があることを示す障害物検知情報を生成する生成手段と、前記障害物検知情報を記憶する記憶手段と、前記ドアを開閉させる指示を受け付けると、前記記憶手段に前記障害物検知情報が記憶されているか否かを判定する判定手段と、前記障害物検知情報が記憶されている場合には前記ドアを開閉せず、前記障害物検知情報が記憶されていない場合には前記ドアを開閉する開閉手段と、という構成を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両ドアの開閉指示を受け付けた後で、レスポンス良く、ドアを開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両ドアの開閉装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る障害物検知テーブルを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る障害物検知センサの搭載位置を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る障害物検知センサの検知範囲を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る障害物検知センサの検知範囲を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るコントロールユニットの機能ブロックを示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るドア開閉処理のフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る車両ドアの開閉装置について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る車両ドアの開閉装置100の概略構成を示した図である。車両ドアの開閉装置100は、コントロールユニット1と、ドア駆動装置20と、障害物検知センサ30と、ドア開閉受付装置40と、ナビゲーション装置50と、から構成される。なお、車両ドアの開閉装置100を構成するこれらの各デバイスは、CAN(Controller Area Network)5を介して接続され、相互にデータの伝送が可能な状態となっている。また、これらのデバイスには、車両に搭載されているバッテリーから所定の電流が供給され、車両のイグニッションキーがOFFのときでも、各々の機能を実行することができるように構成されている。
【0012】
コントロールユニット1は、所定の信号や情報を各デバイスとの間でやり取りすることにより、車両ドアの開閉装置100全体の制御を行う。具体的には、コントロールユニット1は、障害物検知センサ30から障害物の有無を示す障害物情報の入力を受け付ける。また、コントロールユニット1は、ドア開閉受付装置40を介して、ユーザからドアの開閉指示を受け付ける。また、コントロールユニット1は、ドアを開閉させるための指示をドア駆動装置20に出力する。また、コントロールユニット1は、所定の警告を出力させるための信号をナビゲーション装置50に出力する。
【0013】
なお、コントロールユニット1は、このような処理を実行するために、プログラムやデータの演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)2と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)3と、ROMから読み出したプログラムやデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)4と、を有している。なお、これらのCPU2、ROM3、RAM4は、バス6によって相互に電気的に接続され、データの伝送が可能な状態となっている。
【0014】
コントロールユニット1のRAM4には、障害物検知テーブル200が格納される。図2は、障害物検知テーブル200を示した図である。障害物検知テーブル200は、ドアの位置を示すドア位置情報202と、対応するドア周辺の障害物を検知する障害物検知センサの識別番号201と、対応するドア位置の周辺に障害物が存在しているか否かを示す障害物検知情報203が登録されている。
【0015】
障害物検知センサの識別番号201には、各センサを識別する固有の識別番号が登録されている。
【0016】
ドア位置情報202には、車両の右側に位置するドアを示す「右サイドドア」、車両の左側に位置するドアを示す「左サイドドア」、車両の後方に位置するドアを示す「バックドア」といった情報が登録される。なお、ドア位置情報202には、車種に応じて車両が備えるドアの位置情報が適宜設定されればよい。
【0017】
障害物検知情報203には、対応するドアの周辺に障害物が存在することを示す「有り」、または、障害物が存在しないことを示す「無し」といった情報が登録される。なお、このような障害物検知情報203のステータスは、障害物検知センサ30から定期的に障害物情報を取得するCPU2が所定の演算処理を実行することにより、随時更新される。
【0018】
ドア駆動装置20は、車両のドアを開閉するための装置である。ドア駆動装置20は、電気モータなどの駆動源によって生み出される動力を用いてドアを開閉させる。また、ドア駆動装置20には、車両の両サイドドア21と、バックドア22と、が接続されており、ドア駆動装置20は、後述する開閉指示信号を取得することにより、これらのドアを開閉させる。具体的には、ドア駆動装置20は、開閉指示信号によって指示されるドア位置のドアを、かかる指示に応じて「開く」または「閉める」処理を実行する。
【0019】
障害物検知センサ30は、各ドアの周辺に存在する障害物を検知するための処理を行うセンサである。障害物検知センサ30は、定期的に、障害物を検知するための処理を実行し、その結果を示す障害物情報を生成する。なお、障害物情報には、障害物を検知したか否かを示す情報と、かかる障害物検知センサ30の識別番号と、が含まれている。
【0020】
本実施形態では、障害物検知センサ30として超音波センサが用いられる。超音波センサ30は、送波器および受波器を有し、送波器から発信した超音波を被写体に反射させ、反射した超音波を受波器で受信することにより、車両の周辺にある障害物の存在を検知する。また、障害物検知センサ30は、受波器で受信した超音波を用いて、超音波センサ30から障害物までの距離を算出する。また、障害物検知センサ30は、算出した障害物までの距離が所定の閾値以下である場合には、障害物を検知したことを示す情報を障害物情報に含めてコントロールユニット1に出力する。また、障害物検知センサ30は、算出した障害物までの距離が所定の閾値以上離れている場合には、障害物を検知しなかったことを示す情報を障害物情報に含めてコントロールユニット1に出力する。
【0021】
図3は、障害物検知センサ30の搭載位置を示す図である。同図に示すように、障害物検知センサ30は、車両の両側および後方に設置され、各々、右サイドドア21a、左サイドドア21b、バックドア22の周辺にある障害物を検知する。
【0022】
図4は、車両の後部に搭載された障害物検知センサ30が障害物を検知する範囲を示した図である。障害物検知センサ30は、少なくとも、バックドア22の可動範囲内にある障害物を検知する。同図に示すように、バックドア22は、支持点Sを中心にドアの長さαを半径とした円弧を描きながら開閉される。したがって、障害物検知センサ30は、かかる支持点Sから半径αの長さの範囲内にある障害物を検知できるように設定される。
【0023】
図5は、車両の両サイドに搭載された障害物検知センサ30が障害物を検知する範囲を示した図である。障害物検知センサ30は、少なくとも、サイドドア21の可動範囲内にある障害物を検知する。本実施形態のサイドドア21は、車両の外側に向けて迫り出すようなスライド形式のドアを想定する。したがって、同図に示すように、障害物検知センサ30は、かかる迫り出し部分の厚みβの範囲内にある障害物を検知できるように設定される。
【0024】
ドア開閉受付装置40は、サイドドア21またはバックドア22の開閉指示をユーザから受け付けるための装置である。具体的には、対応するドアごとに開閉指示を受け付けるためのスイッチを備えている。また、ドア開閉受付装置40は、ドアの開閉指示を受け付けると、対象となるドア(例えば、バックドア22)と、「開く」または「閉める」の動作と、を特定した開閉受付信号を生成する。また、ドア開閉受付装置40は、生成した開閉受付信号をコントロールユニット1に出力する。
【0025】
ナビゲーション装置50は、地図情報、車両の現在地を示す情報、目的地までの推奨経路を示す情報、交通情報、などの情報を出力し、ユーザを所定の場所まで誘導するナビゲーション装置である。ナビゲーション装置50は、所定の処理を実行するための演算処理を実行する演算処理部と、所定の情報を表示するためのディスプレイと、音声信号を出力するスピーカーと、を備えている(図示せず)。なお、本実施形態では、ナビゲーション装置50は、ドアの開閉処理に関する情報をユーザに提供するための装置として機能する。具体的には、ナビゲーション装置50は、ドアを開閉することができない旨を示す報知情報をコントロールユニット1から取得して、これを音声信号または画像情報に変換する。なお、報知情報には、開閉の対象となるドアの周辺に障害物があるため、ドアを開閉できない旨を示す音声情報または画像情報が含まれている。ナビゲーション装置50は、変換した音声信号をスピーカーから出力し、または、画像情報をディスプレイに表示する。
【0026】
次に、図6を用いて、本実施形態に係るコントロールユニット1の機能ブロックについて説明する。なお、各機能ブロックは、コントロールユニット1に実装されるCPU2が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。そのため、ROM3には、各機能部の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0027】
また、機能ブロックは、本実施形態に係る車両ドアの開閉装置100で実現される各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。また、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。車両ドアの開閉装置100の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、一つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0028】
また、車両ドアの開閉装置100の機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0029】
図6に示すように、コントロールユニット1の機能ブロックは、入力受付部101と、出力処理部102と、検知テーブル生成部103と、開閉判定部104と、を有している。そして、車両ドアの開閉装置100は、これらの各機能部、他の装置、センサとの協働によって所定の処理を実行する。
【0030】
入力受付部101は、他の機能部、装置、センサで生成された情報の入力を受け付ける機能部である。具体的には、入力受付部101は、ドア開閉受付装置40からドアの開閉受付信号の入力を受け付ける。また、入力受付部101は、障害物検知センサ30で生成される障害物情報の入力を受け付ける。また、入力受付部101は、ドア駆動装置20に対してドアの開閉を指示する開閉指示信号を開閉判定部104から受け付ける。また、入力受付部101は、開閉判定部104で生成された報知情報の入力を受け付ける。
【0031】
出力処理部102は、各装置および機能部に所定の情報や信号を出力する機能部である。出力処理部102は、入力受付部101が取得した情報および信号の種類に応じて、これらの情報または信号を所定の装置および機能部に出力する。具体的には、出力処理部102は、入力受付部101が取得したドアの開閉受付信号を開閉判定部104に出力する。また、出力処理部102は、入力受付部101が取得した障害物情報を検知テーブル生成部103に出力する。また、出力処理部102は、入力受付部101が取得した開閉指示信号をドア駆動装置20に出力する。また、出力処理部102は、入力受付部101が取得した報知情報をナビゲーション装置50に出力する。
【0032】
検知テーブル生成部103は、図2で示した障害物検知テーブルを生成する機能部である。検知テーブル生成部103は、入力受付部101を介して、障害物情報を定期的に取得し、障害物検知情報のステータスを更新する。具体的には、検知テーブル生成部103は、障害物情報に含まれる障害物検知センサ30の識別番号から、かかる識別番号に対応するドア位置情報202を特定する。また、検知テーブル生成部103は、障害物を検知したか否かを示す情報を障害物情報から抽出し、特定したドア位置情報202に対応する障害物検知情報203のステータスを更新する。
【0033】
開閉判定部104は、開閉指示を受け受けたドアを開閉することができるか否かについて判定する機能部である。また、開閉判定部104は、ドアを開閉させるための開閉指示信号を生成する機能部である。また、開閉判定部104は、ドアを開閉することができない旨を示す報知情報を生成する機能部である。
【0034】
開閉判定部104は、開閉受付信号を取得すると、かかる信号から開閉の対象となるドア(例えば、バックドア22)と、「開く」または「閉める」の動作と、を特定する。また、開閉判定部104は、障害物検知テーブル200を参照し、特定したドアのドア位置情報202に対応する障害物検知情報203のステータスを特定する。また、開閉判定部104は、障害物検知情報203のステータスに「無し」が登録されている場合、開閉動作が可能であると判定する。また、開閉判定部104は、開閉の対象となるドア位置情報202と、特定した動作(「開く」または「閉める」)を含む開閉指示信号を生成して入力受付部に出力する。
【0035】
一方で、障害物検知情報203のステータスに「有り」が登録されている場合、開閉判定部104は、開閉動作ができないと判定する。このとき、開閉判定部104は、開閉の対象となるドアの周辺に障害物があるため、ドアを開閉できない旨を示す音声情報または画像情報を含む報知情報を生成し、入力受付部101に出力する。
【0036】
以上、本実施形態に係るコントロールユニット1の機能ブロックについて説明した。
【0037】
次に、本実施形態で実行される処理について説明する。なお、かかる処理では、障害物検知テーブル200の更新処理と、図7に示すドア開閉処理と、が実行される。
【0038】
障害物検知テーブル200の更新処理では、車両のイグニションキーがOFFとなっている間も、障害物検知センサ30が定期的に、車両の各ドアの周辺に障害物が存在するか否かを検知するための処理を実行する。そして、障害物検知センサ30は、障害物を検知したか否かを示す情報と、かかる障害物検知センサの識別番号と、を含む障害物情報を生成し、コントロールユニット1に出力する。
【0039】
コントロールユニット1は、定期的に障害物情報を取得し、障害物検知テーブル200を更新する。具体的には、コントロールユニット1は、障害物情報に含まれる障害物検知センサ30の識別番号から、かかる識別番号に対応するドア位置情報202を特定する。また、コントロールユニット1は、障害物を検知したか否かを示す情報を障害物情報から抽出し、特定したドア位置情報202に対応する障害物検知情報203のステータスを更新する処理を繰り返し実行する。
【0040】
図7は、ドア開閉処理を示すフロー図である。コントロールユニット1は、障害物検知テーブル200の更新処理とは別に、ユーザからドアの開閉指示が行われるのを待機している。そして、コントロールユニット1は、入力受付部101を介して、ユーザからドアの開閉指示を受け付けると、図7に示す処理を開始する。
【0041】
開閉判定部104は、入力受付部101から開閉受付信号を取得すると、対象となるドアを開閉することができるか否かについて判定する。具体的には、開閉判定部104は、開閉受付信号から開閉の対象となるドアと、「開く」または「閉める」の動作と、を特定する。また、開閉判定部104は、障害物検知テーブル200を参照し、特定したドアのドア位置情報202に対応する障害物検知情報203のステータスを特定する(ステップS001)。そして、障害物検知情報203のステータスに「無し」が登録されている場合(ステップS001でNo)、開閉判定部104は、開閉指示信号を生成する(ステップS002)。具体的には、開閉判定部104は、開閉動作が可能であると判定し、開閉の対象となるドア位置情報202と、特定した動作(「開く」または「閉める」)を含む開閉指示信号を生成し、入力受付部101に出力する。入力受付部101は、出力処理部102を介して、開閉指示信号をドア駆動装置20に出力し(ステップS003)、本フローを終了する。
【0042】
一方で、障害物検知情報203のステータスに「有り」が登録されている場合(ステップS001でYes)、開閉判定部104は、報知情報を生成する(ステップS004)。具体的には、開閉判定部104は、開閉動作ができないと判定し、開閉の対象となるドアの周辺に障害物があるため、ドアを開閉できない旨を示す音声情報または画像情報を含む報知情報を生成する。また、開閉判定部104は、生成した報知情報を入力受付部に出力する。入力受付部101は、出力処理部102を介して、報知情報をナビゲーション装置50に出力し(ステップS005)、本フローを終了する。
【0043】
以上、本実施形態で実行される処理について説明した。
【0044】
このような処理を実行する本発明によれば、ユーザの開閉指示を受け付ける前に、障害物の有無を検知し記憶している。したがって、本発明によれば、ドアの開閉指示を受け付けた後に、レスポンス良く、ドアを開閉することができる。
【0045】
なお、本発明は、手動で開閉するドア機構についても適用することができる。具体的には、前述の実施形態と同様に、定期的に各ドアの周辺に障害物が存在するか否かについて検知するための処理を行い、その情報を記憶しておく。そして、手動によってドアのロックが解除された場合、対応するドアの障害物検知情報を参照する。そして、障害物検知情報のステータスに「有り」が登録されている場合、車両ドアの開閉装置は、ドアをロックした状態を維持し、かつ、ナビゲーション装置を通じて所定の報知を行うようにする。
【0046】
このような変形例によっても、ドアが開閉される前に、障害物の有無が検知されているため、手動でドアの開閉が行われた場合でも、レスポンス良く、ドアの開閉を制御することができる。
【0047】
また、本発明に係る障害物検知センサは超音波センサに限られず、例えば、カメラを障害物検知センサとして用いてもよい。具体的には、カメラは、CCD(Charge−Coupled Device)など、撮像素子および広角レンズを備え、所定の閾値を超える明度差がある箇所を特徴点として抽出し、かかる箇所を対処として障害物の有無を検知するようにする。
【0048】
このように、カメラを障害物検知センサとして適用した場合でも、本発明によれば、ドアの開閉指示を受け付けた後に、レスポンス良く、ドアを開閉することができる。
【符号の説明】
【0049】
100・・・車両ドアの開閉装置、
1・・・コントロールユニット、20・・・ドア駆動装置、30・・・障害物検知センサ
40・・・ドア開閉受付装置、50・・・ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ドアの周辺の障害物の有無を記憶しておき、
車両ドアの開閉を要求されると、前記記憶の有無に応じて、該ドアの開閉を決定する
ことを特徴とする車両ドアの開閉装置。
【請求項2】
車両ドアを開閉させる指示を受け付ける指示受付手段と、
車両ドアの周辺にある障害物を検知する障害物検知手段と、
前記障害物検知手段が障害物を検知すると、障害物があることを示す障害物検知情報を生成する生成手段と、
前記障害物検知情報を記憶する記憶手段と、
前記ドアを開閉させる指示を受け付けると、前記記憶手段に前記障害物検知情報が記憶されているか否かを判定する判定手段と、
前記障害物検知情報が記憶されている場合には前記ドアを開閉せず、前記障害物検知情報が記憶されていない場合には前記ドアを開閉する開閉手段と、
を備えることを特徴とする車両ドアの開閉装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両ドアの開閉装置において、
前記判定手段が、前記記憶手段に前記障害物検知情報が記憶されていると判定すると、前記ドアを開閉しないことを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする車両ドアの開閉装置。
【請求項4】
車両周辺の障害物を検知する障害物検知ステップと、
前記障害物検知ステップで障害物を検知すると、障害物があることを示す障害物検知情報を生成する生成ステップと、
前記障害物検知情報を記憶する記憶ステップと、
前記ドアを開閉させる指示を受け付けると、前記障害物検知情報が記憶されているか否かを判定する判定ステップと、
前記障害物検知情報が記憶されている場合には前記ドアを開閉せず、前記障害物検知情報が記憶されていない場合には前記ドアを開閉する開閉ステップと、
を行うことを特徴とする車両ドアの開閉方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−86615(P2013−86615A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227875(P2011−227875)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)