車両用アウトサイドミラー装置

【課題】車両用アウトサイドミラー装置において、ハウジングの形状や構造が簡単で、ハウジングの成形金型の構造が簡単になるサイドミラー装置を提供する。
【解決手段】ベース2と、シャフト3と、ミラーハウジング5を有するミラーアセンブリ4と、クラッチ機構6と、を備える。シャフト3は、ベース2に対して回転可能でありかつ軸方向に移動可能であり、ミラーハウジング5に対して回転不可能でありかつ軸方向に移動可能である。ミラーハウジング5は、ベース2に対してシャフト3と共に回転可能である。クラッチ機構6は、クラッチ凸部21、クラッチ凹部22と、スプリング23と、を有する。この結果、ミラーハウジング5の形状や構造が簡単となり、ミラーハウジング5の成形金型の構造が簡単となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ミラーアセンブリが車体に対して可倒(回転、回動)可能である車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。すなわち、この発明は、たとえば、手動格納型のドアミラーなどの車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用アウトサイドミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。従来の車両用アウトサイドミラー装置は、ベースと、シャフトが一体に設けられているハウジングと、ベースとシャフトの間に設けられているクラッチおよびばねと、を具備するものである。そして、従来の車両用アウトサイドミラー装置は、通常、ばねの付勢力によりベースとシャフトのクラッチが結合していてハウジングが復帰位置に位置し、ハウジングに外力がかかると、クラッチの結合が離れて、ハウジングが復帰位置から回転して、緩衝作用が働く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−121492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の車両用アウトサイドミラー装置は、シャフトをハウジングに一体に設けるので、部品点数を軽減することができるが、ハウジングの形状や構造が複雑となり、ハウジングの成形金型の構造が複雑となる。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用アウトサイドミラー装置では、ハウジングの形状や構造が複雑となり、ハウジングの成形金型の構造が複雑となるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、車体に固定されるベースと、シャフトと、ミラーハウジングを有するミラーアセンブリと、クラッチ機構と、を備え、シャフトが、ベースに対して回転可能でありかつ軸方向に移動可能であり、ミラーハウジングに対して回転不可能でありかつ軸方向に移動可能であり、ミラーハウジングが、ベースに対してシャフトと共に回転可能であり、クラッチ機構が、ベースとシャフトとに設けられているクラッチ部と、シャフトとミラーハウジングとの間に設けられていてクラッチ部を結合させるスプリングと、を有する、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、ベースとシャフトとには、ミラーハウジングの回転範囲を規制する回転範囲規制機構が設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、シャフトとミラーハウジングとを別体にするので、シャフトとハウジングとを一体にする従来の車両用アウトサイドミラー装置と比較して、シャフトの分の部品点数が増すが、シャフトが無い分、ミラーハウジングの形状や構造が簡単となり、ミラーハウジングの成形金型の構造が簡単となる。
【0009】
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ベースとシャフトとにクラッチ機構のクラッチ部を設けるので、クラッチを有するシャフトとハウジングとを一体にする従来の車両用アウトサイドミラー装置と比較して、シャフトおよびクラッチ機構のクラッチ部が無い分、ミラーハウジングの形状や構造がさらに簡単となり、ミラーハウジングの成形金型の構造がさらに簡単となる。
【0010】
この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ベースとシャフトとに回転範囲規制機構を設けるので、ストッパを有するシャフトとハウジングとを一体にする従来の車両用アウトサイドミラー装置と比較して、シャフトおよび回転範囲規制機構が無い分、ミラーハウジングの形状や構造がさらに簡単となり、ミラーハウジングの成形金型の構造がさらに簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態を示す使用状態の平面図である。
【図2】図2は、主要部品を示す分解斜視図である。
【図3】図3は、図1におけるIII−III線断面図である。
【図4】図4は、図3におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、図2におけるV矢視図(ベースの一部を示す底面図)である。
【図6】図6は、図2におけるVI矢視図(シャフトおよびベースの一部を示す底面図)である。
【図7】図7は、ミラーアセンブリが格納位置に位置する状態のシャフトおよびベースの一部を示す底面図である。
【図8】図8は、ミラーアセンブリが前方傾倒位置に位置する状態のシャフトおよびベースの一部を示す底面図である。
【図9】図9は、ミラーアセンブリが使用位置から格納位置に回転する状態のクラッチ部の作用を示す図6におけるIX−IX線展開説明図である。
【図10】図10は、ミラーアセンブリが使用位置から前方傾倒位置に回転する状態のクラッチ部の作用を示す図6におけるIX−IX線展開説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
「構成の説明」
以下、この実施形態における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。この実施形態における車両用アウトサイドミラー装置は、この例では、手動格納式ドアミラー装置(手動格納型のドアミラー)1である。前記手動格納式ドアミラー装置1は、自動車の左右のドアにそれぞれ装備される。なお、この実施形態の手動格納式ドアミラー装置1は、自動車の左側のドアDに装備されるものである。自動車の右側のドアに装備される手動格納式ドアミラー装置は、この実施形態の手動格納式ドアミラー装置1とほぼ左右が逆となる。このために、自動車の右側のドアに装備される手動格納式ドアミラー装置の構成の説明を省略する。図1において、符号Eは車両の後方、符号Fは車両の前方である。
【0014】
前記手動格納式ドアミラー装置1は、図1、図2、図3に示すように、車体(自動車のドア)Dに固定されるベース(ミラーベース)2と、シャフト3と、ミラーハウジング5を有するミラーアセンブリ4と、クラッチ機構6と、回転範囲規制機構7と、を備えるものである。
【0015】
前記ベース2は、樹脂製もしくはダイカスト製の部材からなる。前記ベース2は、垂直な板形状の固定部8と、水平な中空の直方体形状のベース部9と、の一体構造からなる。前記固定部8の一面(前記ベース部9側の面と反対側の面)には、前記ドアDにスクリュー(図示せず)により固定されるボス部10が設けられている。
【0016】
前記ベース部9の上板部には、円形の透孔11が設けられている。前記ベース部9の下板部には、開口部12が設けられている。前記開口部12の縁には、カバー13が取り付けられている。
【0017】
前記シャフト3は、樹脂製もしくはダイカスト製の部材からなる。前記シャフト3は、中空の円筒形状をなすシャフト部14と、前記シャフト部14の一端(下端)に一体に設けた円盤形状をなすホルダ部15と、から構成されている。
【0018】
前記シャフト部14の他端(上端)から一端部寄りまでの箇所には、非円形部16が設けられている。前記非円形部16は、図4の断面形状に示すように、前記シャフト部14の一部を面取りしてなるものである。なお、前記非円形部16は、図4に示す断面形状以外の断面形状であっても良い。すなわち、前記非円形部16は、断面円形以外の断面形状であれば良い。前記シャフト部14の他端部には、溝17が周方向に設けられている。
【0019】
前記ミラーアセンブリ4は、前記ミラーハウジング5と、パワーユニット(図示せず)と、ミラー(ミラーユニット)18と、から構成されている。前記ミラーハウジング5には、前記パワーユニットが取り付けられている。前記パワーユニットには、前記ミラー18が上下左右に傾動可能に取り付けられている。なお、前記パワーユニットは、前記のように直接前記ミラーハウジング5に取り付けられる場合と、取付ブラケット(図示せず)を介して前記ミラーハウジング5に取り付けられる場合と、がある。
【0020】
前記ミラーハウジング5は、樹脂製の部材からなる。前記ミラーハウジング5は、一面(後側の面)が開口した中空の直方体形状をなす。前記ミラーハウジング5の前記開口部には、前記ミラー18が配置されている。
【0021】
前記ミラーハウジング5の一角部(前記ドアD側の下部の角部)の内側には、取付部19が一体に設けられている。前記取付部19には、図4に示すように、前記シャフト部14の前記非円形部16が嵌合する非円形の挿通孔20が設けられている。前記挿通孔20は、前記非円形部16と同様に、断面円形以外の断面形状、すなわち、前記非円形部16が嵌合する断面形状であれば良い。
【0022】
前記クラッチ機構6は、クラッチ部としてのクラッチ凸部21およびクラッチ凹部22と、スプリング23と、を有する。クラッチ部としての前記クラッチ凸部21および前記クラッチ凹部22は,前記ベース2と前記シャフト3とに設けられている。
【0023】
すなわち、前記クラッチ凸部21は、図3、図5、図9、図10に示すように、前記ベース部9の上板部の一面(下面)の前記透孔11の縁に、回転中心(前記シャフト部14の中心軸)O−Oを中心として等中心角に3個一体に設けられている。前記クラッチ凸部21は、台形凸形状をなす。
【0024】
一方、前記クラッチ凹部22は、図2、図3、図9、図10に示すように、前記ホルダ部15の一面(上面であって、前記ベース部9の上板部の下面と対向する面)に、回転中心O−Oを中心として等中心角に、前記クラッチ凸部21と対応して、3個一体に設けられている。前記クラッチ凹部22は、台形凹形状をなす。
【0025】
前記スプリング23は、コイルスプリングからなる。前記スプリング23は、前記シャフト3と前記ミラーハウジング5との間に設けられている。すなわち、前記スプリング23は、前記シャフト部14に外装されていて、前記シャフト部14の前記溝17に係止させたプッシュナット24と、前記取付部19の一面(上面)に載置させた第1ワッシャ25との間に、圧縮された状態で介在されている。前記スプリング23は、スプリング力により、前記クラッチ凸部21と前記クラッチ凹部22とを嵌合結合させる。このとき、前記ミラーアセンブリ4は、使用位置Aに位置する。
【0026】
前記回転範囲規制機構7は、第1固定ストッパ部26および第2固定ストッパ部27と、回転ストッパ部28と、から構成されている。前記回転範囲規制機構7の前記第1固定ストッパ部26および前記第2固定ストッパ部27と前記回転ストッパ部28は、前記ベース2と前記シャフト3とに設けられている。
【0027】
前記第1固定ストッパ部26および前記第2固定ストッパ部27は、図3、図5〜図8に示すように、前記ベース部9の上板部の一面の前記クラッチ凸部21より外側の箇所に、一体に設けられている。前記第1固定ストッパ部26および前記第2固定ストッパ部27は、下面から見て(図2中の矢印V方向から見て)、回転中心O−Oを中心とする扇形状の凸形状をなす。
【0028】
一方、前記回転ストッパ部28は、図2、図3、図6〜図8に示すように、前記ホルダ部15の側面であって、前記クラッチ凹部22よりも外側の箇所に、一体に設けられている。前記回転ストッパ部28は、下面から見て(図2中の矢印VI方向から見て)、回転中心O−Oを中心とする扇形状の凸形状をなす。
【0029】
以下、前記手動格納式ドアミラー装置1の組付工程について説明する。まず、中空の円筒形状をなす前記シャフト部14を図2中の矢印V方向に前記ベース部9の円形の前記透孔11中に挿通する。この結果、前記シャフト3は、前記ベース2に対して回転中心O−O回りに回転可能であり、かつ、軸方向(前記シャフト部14の中心軸O−O方向)に移動可能である。
【0030】
つぎに、前記クラッチ凸部21と前記クラッチ凹部22とを嵌合させる。前記シャフト部14に第2ワッシャ29を外装する。それから、前記シャフト部14の前記非円形部16を前記取付部19の非円形の前記挿通孔20中に挿通する。この結果、前記シャフト3は、前記ミラーハウジング5に対して回転中心O−O回りに回転可能であり、かつ、軸方向(前記シャフト部14の中心軸O−O方向)に移動可能である。また、前記ミラーハウジング5は、前記ベース2に対して前記シャフト3と共に回転中心O−O回りに回転可能である。
【0031】
つづいて、前記シャフト部14に前記第1ワッシャ25と前記スプリング23とを外装する。前記スプリング23を圧縮させた状態で、前記シャフト部14の前記溝17に前記プッシュナット24を係止させる。この結果、前記スプリング23は、前記プッシュナット24と前記第1ワッシャ25との間に圧縮された状態で介在されている。前記スプリング23のスプリング力により、前記クラッチ凸部21と前記クラッチ凹部22とは、相互に嵌合結合されている。このとき、前記ミラーアセンブリ4は、図1の実線にて示す使用位置Aに位置する。
【0032】
ここで、図3に示すように、前記ベース2の前記ベース部9の上板部の他面(上面)と、前記ミラーアセンブリ4の前記ミラーハウジング5の一面(下面)との間には、前記ミラーアセンブリ4の前記ミラーハウジング5が前記ベース2の前記ベース部9に対して回転する際の支障が無いように、前記第2ワッシャ29の厚さ分の隙間Sが設けられている。
【0033】
そして、前記ベース部9の前記開口部12に前記カバー13を取り付ける。これにより、前記手動格納式ドアミラー装置1の組付工程が完了する。前記ベース2の前記固定部8を車両の前記ドアDにセットする。前記固定部8の前記ボス部10にスクリューをねじ込む。これにより、前記手動格納式ドアミラー装置1は、前記ベース2を介して車両の前記ドアDに装備される。
【0034】
「作用の説明」
この実施形態における手動格納式ドアミラー装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0035】
通常、ミラーアセンブリ4は、図1の実線に示すように、使用位置Aに位置する。このとき、クラッチ機構6のクラッチ凸部21(ベース2側)とクラッチ凹部22(シャフト3側)は、図9(A)、図10(A)に示すように、相互に嵌合結合している。回転範囲規制機構7の第1固定ストッパ部26および第2固定ストッパ部27(ベース2側)と回転ストッパ部28(シャフト3側) とは、図6に示す状態にある。すなわち、回転ストッパ部28は、第1固定ストッパ部26と第2固定ストッパ部27との間に位置する。
【0036】
図1に示すように、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4に手動により反時計方向の回転力を与える。すると、ミラーアセンブリ4のミラーハウジング5とシャフト3とは、図4に示すように、ミラーハウジング5の取付部19の非円形の挿通孔20とシャフト3のシャフト部14の非円形部16との相互嵌合により、相対的に回転不可能である。
【0037】
このために、シャフト3には、ミラーハウジング5と共に反時計方向の回転力が作用する。一方、ベース2は、ドアDに固定されているので、回転不可能である。この結果、シャフト3は、図9(B)に示すように、クラッチ機構6のクラッチ凸部21とクラッチ凹部22の傾斜面に沿って、スプリング23のスプリング力に抗して下向きの矢印方向に移動しながら(下がりながら)反時計方向(右向きの矢印方向)に回転する。
【0038】
このとき、ミラーハウジング5の取付部19の非円形の挿通孔20とシャフト3のシャフト部14の非円形部16とは、相対的に回転不可能であるが、軸方向に移動可能である。このために、シャフト3が図9(B)の下向きの矢印方向に移動する(下がる)ことになんら支障が無い。
【0039】
そして、クラッチ機構6のクラッチ凸部21とクラッチ凹部22との嵌合結合状態が外れると、図9(C)に示すように、シャフト3は、ミラーハウジング5と共に、ベース2に対して反時計方向に回転する。この結果、図1の実線に示す使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4は、反時計方向に回転する。
【0040】
シャフト3がミラーハウジング5と共にベース2に対して反時計方向(図7中の矢印方向)に回転して、図7に示すように、シャフト3の回転ストッパ部28がベース2の第1固定ストッパ部26に当たる。すると、ミラーアセンブリ4の反時計方向の回転が停止して、ミラーアセンブリ4は、図1の一点鎖線に示す格納位置Bに位置する。
【0041】
格納位置Bに位置するミラーアセンブリ4に手動により時計方向の回転力を与える。すると、シャフト3とミラーハウジング5とは、ベース2に対して時計方向(図7の矢印方向および図9(B)の右向きの矢印方向と逆方向)に回転する。そして、図9(A)に示すように、クラッチ機構6のクラッチ凸部21とクラッチ凹部22とが嵌合結合する。すると、ミラーアセンブリ4の時計方向の回転が停止して、ミラーアセンブリ4は、図1の実線に示す使用位置Aに位置する。
【0042】
つぎに、図1に示すように、使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4に手動により時計方向の回転力を与える。すると、ミラーアセンブリ4のミラーハウジング5とシャフト3とは、図4に示すように、ミラーハウジング5の取付部19の非円形の挿通孔20とシャフト3のシャフト部14の非円形部16との相互嵌合により、相対的に回転不可能である。
【0043】
このために、シャフト3には、ミラーハウジング5と共に時計方向の回転力が作用する。一方、ベース2は、ドアDに固定されているので、回転不可能である。この結果、シャフト3は、図10(B)に示すように、クラッチ機構6のクラッチ凸部21とクラッチ凹部22の傾斜面に沿って、スプリング23のスプリング力に抗して下向きの矢印方向に移動しながら(下がりながら)時計方向(左向きの矢印方向)に回転する。
【0044】
このとき、ミラーハウジング5の取付部19の非円形の挿通孔20とシャフト3のシャフト部14の非円形部16とは、相対的に回転不可能であるが、軸方向に移動可能である。このために、シャフト3が図10(B)の下向きの矢印方向に移動する(下がる)ことになんら支障が無い。
【0045】
そして、クラッチ機構6のクラッチ凸部21とクラッチ凹部22との嵌合結合状態が外れると、図10(C)に示すように、シャフト3は、ミラーハウジング5と共に、ベース2に対して時計方向に回転する。この結果、図1の実線に示す使用位置Aに位置するミラーアセンブリ4は、時計方向に回転する。
【0046】
シャフト3がミラーハウジング5と共にベース2に対して時計方向(図8中の矢印方向)に回転して、図8に示すように、シャフト3の回転ストッパ部28がベース2の第2固定ストッパ部27に当たる。すると、ミラーアセンブリ4の時計方向の回転が停止して、ミラーアセンブリ4は、図1の二点鎖線に示す前方傾倒位置Cに位置する。
【0047】
前方傾倒位置Cに位置するミラーアセンブリ4に手動により反時計方向の回転力を与える。すると、シャフト3とミラーハウジング5とは、ベース2に対して反時計方向(図8の矢印方向および図10(B)の左向きの矢印方向と逆方向)に回転する。そして、図10(A)に示すように、クラッチ機構6のクラッチ凸部21とクラッチ凹部22とが嵌合結合する。すると、ミラーアセンブリ4の反時計方向の回転が停止して、ミラーアセンブリ4は、図1の実線に示す使用位置Aに位置する。
【0048】
「効果の説明」
この実施形態における手動格納式ドアミラー装置1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0049】
この実施形態における手動格納式ドアミラー装置1は、シャフト3とミラーハウジング5とを別体にするので、シャフトとハウジングとを一体にする従来の車両用アウトサイドミラー装置と比較して、シャフト3の分の部品点数が増すが、シャフト3と一体でない分、ミラーハウジング5の形状や構造が簡単となり、ミラーハウジング5の成形金型の構造が簡単となる。
【0050】
しかも、この実施形態における手動格納式ドアミラー装置1は、ベース2とシャフト3とにクラッチ機構6のクラッチ凸部21、クラッチ凹部22を設けるので、クラッチを有するシャフトとハウジングとを一体にする従来の車両用アウトサイドミラー装置と比較して、シャフト3およびクラッチ機構6のクラッチ凹部22が無い分、ミラーハウジング5の形状や構造がさらに簡単となり、ミラーハウジング5の成形金型の構造がさらに簡単となる。
【0051】
この実施形態における手動格納式ドアミラー装置1は、ベース2とシャフト3とに回転範囲規制機構7の第1固定ストッパ部26および第2固定ストッパ部27、回転ストッパ部28を設けるので、ストッパを有するシャフトとハウジングとを一体にする従来の車両用アウトサイドミラー装置と比較して、シャフト3および回転範囲規制機構7の回転ストッパ部28が無い分、ミラーハウジング5の形状や構造がさらに簡単となり、ミラーハウジング5の成形金型の構造がさらに簡単となる。
【0052】
特に、この実施形態における手動格納式ドアミラー装置1は、シャフト3をベース2に対して回転可能にかつ軸方向に移動可能とし、また、シャフト3をミラーハウジング5に対して回転不可能にかつ軸方向に移動可能とし、さらに、ミラーハウジング5をベース2に対してシャフト3と共に回転可能とする。この結果、この実施形態における手動格納式ドアミラー装置1は、シャフト3をベース2に固定させるためのスクリューが不要となり、その分、部品点数を軽減することができる。
【0053】
「実施形態以外の例の説明」
なお、前記の実施形態においては、手動格納式のドアミラー装置について説明するものである。ところが、この発明においては、手動格納式のドアミラー装置以外の車両用アウトサイドミラー装置にも適用できる。たとえば、手動格納式の車両用フェンダミラー装置、あるいは、手動格納式のトラックミラー装置などの手動格納式の車両用アウトサイドミラー装置に適用することができる。
【0054】
また、前記の実施形態においては、ベース2にクラッチ凸部21を、シャフト3にクラッチ凹部22を、それぞれ設けるものである。ところが、この発明においては、ベース2にクラッチ凹部を、シャフト3にクラッチ凸部を、それぞれ設けても良いし、あるいは、ベース2にクラッチ凸部21とクラッチ凹部とを、シャフト3にクラッチ凹部22とクラッチ凸部とを、それぞれ設けても良い。
【0055】
さらに、前記の実施形態においては、第2ワッシャ29により、ベース2とミラーハウジング5との間の隙間Sを設けるものである。ところが、この発明においては、第2ワッシャ29を使用せずに、ベース2あるいはミラーハウジング5のうち少なくともいずれか一方に、第2ワッシャ29に代わる凸部を一体に設けて、ベース2とミラーハウジング5との間の隙間Sを設けるようにしても良い。
【0056】
さらにまた、前記の実施形態においては、ベース2とシャフト3とに回転範囲規制機構7の第1固定ストッパ部26および第2固定ストッパ部27、回転ストッパ部28を設けるものである。ところが、この発明においては、ミラーアセンブリ4がドアDに当たらないようなストッパ機構を設ければ、ベース2とシャフト3とに回転範囲規制機構7の第1固定ストッパ部26および第2固定ストッパ部27、回転ストッパ部28を設けなくても良い。
【符号の説明】
【0057】
1 手動格納式ドアミラー装置(車両用アウトサイドミラー装置)
2 ベース(ミラーベース)
3 シャフト
4 ミラーアセンブリ
5 ミラーハウジング
6 クラッチ機構
7 回転範囲規制機構
8 固定部
9 ベース部
10 ボス部
11 透孔
12 開口部
13 カバー
14 シャフト部
15 ホルダ部
16 非円形部
17 溝
18 ミラー
19 取付部
20 挿通孔
21 クラッチ凸部
22 クラッチ凹部
23 スプリング
24 プッシュナット
25 第1ワッシャ
26 第1固定ストッパ部
27 第2固定ストッパ部
28 回転ストッパ部
29 第2ワッシャ
A 使用位置
B 格納位置
C 前方傾倒位置
D ドア(車体)
E 車両の後方
F 車両の前方
O−O 回転中心(シャフト部の中心軸)
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定されるベースと、
シャフトと、
ミラーハウジングを有するミラーアセンブリと、
クラッチ機構と、
を備え、
前記シャフトは、前記ベースに対して回転可能でありかつ軸方向に移動可能であり、前記ミラーハウジングに対して回転不可能でありかつ軸方向に移動可能であり、
前記ミラーハウジングは、前記ベースに対して前記シャフトと共に回転可能であり、
前記クラッチ機構は、前記ベースと前記シャフトとに設けられているクラッチ部と、前記シャフトと前記ミラーハウジングとの間に設けられていて、前記クラッチ部を結合させるスプリングと、を有する、
ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項2】
前記ベースと前記シャフトとには、前記ミラーハウジングの回転範囲を規制する回転範囲規制機構が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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