車両用エンブレム

【課題】夜間にエンブレムの周囲を発光させてその外形ラインを鮮明に表示し、該エンブレムを浮き彫り状に現出させて意匠効果を高められる車両用エンブレムの提供を図る。
【解決手段】夜間、発光素子4を点灯するとその出射光は導光体2の受光部21で取り込まれて導光体2の内部に導光され、エンブレム本体5の周縁に対応した反射面22により反射されてエンブレム本体5の周囲を発光させる。これにより、エンブレム本体5の外形ラインを鮮明に表示し、これを浮き彫り状に現出させて意匠効果を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の車体外板に装着される車両用エンブレム、とりわけ、夜間の点灯時に発光して視認性および装飾効果を高められるようにした、所謂、発光タイプの車両用エンブレムに関する。
【背景技術】
【0002】
発光タイプの車両用エンブレムとして、例えば、特許文献1および特許文献2に示されているように、光源を備えて、夜間点灯時にこの光源の出射光によって、図形,文字,記号等の標示形成部を透光,現出させるようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−161233号公報
【特許文献2】特開2010−100099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および特許文献2に開示された技術は、何れも導光体の背面に配設した光源の出射光を、該導光体に設けた遮光部により区画形成された標示形成部を透過させることにより、該標示形成部を発光させるものである。
【0005】
従って、標示形成部が透過光によって単純に発光するだけであるため、意匠効果が乏しくなってしまうことは否めない。
【0006】
また、標示形成部が透明なままであると、昼間に、該標示形成部から内部構造が透視されて見栄えを悪くしてしまうことから、不透視化する必要があり、光透過性と不透視化とを両立するのが困難となってしまう。
【0007】
そこで、本発明は夜間にエンブレムの周囲を発光させてその外形ラインを鮮明に表示し、該エンブレムを浮き彫り状に現出させて意匠効果を高められる車両用エンブレムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両用エンブレムは、車体パネルの外面に固着されるハウジングと、前記ハウジングの一側開放部に装着して灯室を隔成する導光体と、前記導光体の外面に装着したエンブレム本体と、前記灯室内に、前記エンブレム本体の投影平面内に配設した光源と、を備えている。そして、前記導光体は、その背面に前記光源と対応して形成されて、該光源の出射光を取り込んで内部に導光する受光部と、導光体背面に前記エンブレム本体の周縁に対応して形成されて、導光体内部に導光された光を反射して導光体外面に向けて透過させる反射面と、を備えたことを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、夜間、光源を点灯するとその出射光は導光体の受光部で取り込まれて導光体内部に導光され、反射面により反射されてエンブレム本体の周囲を発光させる。
【0010】
これにより、前記エンブレム本体の外形ラインを鮮明に表示し、該エンブレム本体を浮き彫り状に現出させて意匠効果を高めることができる。
【0011】
一方、日中にあっては、光源はエンブレム本体の投影平面内に存在していて、外部から透視されることはない。従って、特別な遮蔽構造等を要することなく見栄えを損なうのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る車両用エンブレムの平面図。
【図2】図1に示した車両用エンブレムの分解斜視図。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図。
【図4】図3のB範囲部の拡大図。
【図5】図3のC範囲部の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0014】
図1〜図3に示す実施形態の車両用エンブレムは、ハウジング1と、ハウジング1の一側開放部に装着した導光体2と、これらハウジング1と導光体2とで隔成した灯室3内に配設した光源4と、導光体2の外面に装着したエンブレム本体5と、を備えている。
【0015】
ハウジング1は、適宜の合成樹脂材をもってトレイ状に形成してある。このハウジング1の底壁には、周壁に沿って該周壁よりも突出高の低い環状のリブ壁11を一体成形してある。また、この底壁には、後述する回路基板41を定置するための複数の取付座12を有段成形してある。取付座12は平面横長の矩形状に形成してあり、各座面に一対のピン13を突設してある。更に、底壁中央部には、回路基板41に対する通電用のハーネス42を挿通するためのハーネス配索孔14と、通気孔15と、を設けてあり、ハーネス配索孔14にはシール用のグロメット16を嵌装配置してあると共に、通気孔15には除塵・防水用のフィルター17を装着してある。
【0016】
導光体2は、透明な合成樹脂材をもって板状に形成してあり、図4にも示すようにハウジング1の一側開放部に内接嵌合して、環状のリブ壁11の頂面に超音波溶着して固定し、灯室3を密封している。この超音波溶着を安定して行わせるため、溶着対象面の何れか一方に先鋭突条が設けられている。
【0017】
エンブレム本体5は、フレーム部51と、フレーム部51の内周側に一体に連設した図形,文字,記号等の標示形成部52と、を備える。
【0018】
このエンブレム本体5は、例えば、金属製あるいは背面を金属蒸着処理して、表面側に金属光沢が得られる合成樹脂製のものを用いることができる。
【0019】
エンブレム本体5は、その背面に接着した同一形状の両面接着テープ53により導光体2の外面に接着固定してある。
【0020】
光源4は、本実施形態では複数個のLED等の発光素子を用いている。これらの発光素子4は、例えば、エンブレム本体5の標示形成部52よりもやや小形のほぼ相似形状に形成した回路基板41に所要の間隔をおいて列設配置してある。この回路基板41に、ハーネス42を接続し、端末のコネクタ43を介して電源側スイッチ回路(ランプスイッチ回路)に接続することにより、発光素子4に電力供給して発光制御可能としている。
【0021】
回路基板41は、エンブレム本体5の標示形成部52の投影平面内に配置され、ハウジング1の底壁の各取付座12上において、各一対のピン13間に挟んだ状態で側縁をピン13で熱かしめして固定してある。
【0022】
導光体2の背面には、複数の発光素子4のそれぞれに対応して、該発光素子4の出射光を取り込んで内部に導光する受光部21を凹設してある。
【0023】
また、この導光体2の背面には、エンブレム本体5の周縁に対応して、前記受光部21から内部に導光された光を反射して導光体2の外面に向けて透過させる反射面22を形成してある。
【0024】
反射面22は、導光体2の背面にウェッジ状の溝を設けて形成され、好ましくは該反射面22を45°の角度に設定する。
【0025】
本実施形態にあっては、反射面22をエンブレム本体5のフレーム部51の内,外周縁、および標示形成部52の全周縁に沿って線状に形成してある。
【0026】
また、受光部21を形成する凹部の周面は、図5に示すようにプリズム面23として形成して、発光素子4の出射光を導光体2の内部へ拡散させるようにしている。
【0027】
反射面22も、図示は省略したが受光部21と同様にプリズム面23として形成し、導光体2の内部に導光された光を拡散して反射させるようにしている。
【0028】
プリズム面23は、凹凸が集合した絞模様として形成され、受光部21と反射面22とで、導光する光の明るさが同一となるように絞模様密度を変化させることが望ましい。
【0029】
車両用エンブレムは、自動車のエンジンフード,トランクリッド,フェンダーパネル等の車体外板に固着されるが、本実施形態ではハウジング1の背面に、エンブレム本体5の接着に用いたものと同質材の両面接着テープ6を貼着して、該両面接着テープ6により車体外板に接着固定するようにしている。
【0030】
両面接着テープ6には、ハーネス42を挿通するハーネス配索孔61の他に、ハウジング1の底壁の通気孔15に連なる通気用スリット62を形成し、該通気用スリット62によりハウジング1の背面と車体外板との間に通気路を確保して、発光素子4の点灯により発生したハウジング1内の熱気を換気可能としている。
【0031】
以上の構成からなる本実施形態の車両用エンブレムによれば、夜間、発光素子4を点灯するとその出射光は導光体2の受光部21で取り込まれる。
【0032】
受光部21は導光体2の背面に発光素子4に対応して凹部として形成されており、この受光部21に取り込まれた発光素子4の出射光は、図5の矢印aに示すように導光体2の内部に径方向に導光される。
【0033】
導光体2の内部に導光された光は、エンブレム本体5のフレーム部51および標示形成部52の各周縁に対応して形成された反射面22で反射されて図4,図5の矢印bに示すように導光体外面に向けて透過し、フレーム部51および標示形成部52の周囲を発光させる。
【0034】
これにより、エンブレム本体5のフレーム部51および標示形成部52の外形ラインを鮮明に表示し、該エンブレム本体5を浮き彫り状に現出させて意匠効果を高めることができる。
【0035】
特に、発光素子4の出射光を上述のように導光体2内を径方向に分散,導光することによって、各反射面22での反射光による前記浮き彫り状の現出照度を均一にして、明暗の偏寄りが無い照明効果が得られる。
【0036】
また、発光素子4はエンブレム本体5の投影平面内に配設してあるため、点灯時に外部から発光が点在して見えることはない。同様に日中にあっては、発光素子4が外部から透視されることはない。この結果、特別な遮蔽構造等を要することなく見栄えを損なうのを回避することができる。
【0037】
また、本実施形態では反射面22を、エンブレム本体5のフレーム部51および標示形成部52の周縁に沿って線状に形成してあるため、前記外形ラインが浮き彫り状に照明,現出される鮮明度をより一層高めることができる。
【0038】
更に、受光部21およびまたは反射面22は、発光素子4の出射光を拡散,導光するプリズム面23を形成してあるので、前述の浮き彫り状の現出照度の均一化をより効果的に行わせることができる。
【符号の説明】
【0039】
1…ハウジング
2…導光体
3…灯室
4…光源
5…エンブレム本体
21…受光部
22…反射面
23…プリズム面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体パネルの外面に固着されるハウジングと、
前記ハウジングの一側開放部に装着して灯室を隔成する導光体と、
前記導光体の外面に装着したエンブレム本体と、
前記灯室内に、前記エンブレム本体の投影平面内に配設した光源と、を備え、
前記導光体は、その背面に前記光源と対応して形成されて、該光源の出射光を取り込んで内部に導光する受光部と、
導光体背面に前記エンブレム本体の周縁に対応して形成されて、導光体内部に導光された光を反射して導光体外面に向けて透過させる反射面と、を備えたことを特徴とする車両用エンブレム。
【請求項2】
前記反射面を、前記エンブレム本体の周縁に沿って線状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用エンブレム。
【請求項3】
前記導光体の受光部は、前記光源の出射光を導光体内部に拡散させるプリズム面を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用エンブレム。
【請求項4】
前記導光体の反射面は、導光体内部に導光された光を拡散して反射させるプリズム面として形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の車両用エンブレム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−103701(P2013−103701A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251233(P2011−251233)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】