説明

車両用灯具

【課題】1個の光源でリング状の発光部をほぼ均一の明るさで発光させること。
【解決手段】この発明は、1個の光源4と、導光部材5と、を備える。導光部材5は、入射面13を有する光入射部10と、輪郭ライン形状の出射面14を有する光出射部11と、光導部12と、から構成されている。光入射部10と光導部12との間には、第1反射面15が設けられている。光導部12と光出射部11との間には、第2反射面16が多数個に分割されて設けられている。この結果、この発明は、1個の光源4でリング状の輪郭ライン形状の発光部をほぼ均一の明るさで発光させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、導光部材(導光体)により、1個の光源で輪郭ライン形状の発光部が得られる車両用灯具に関するものである。この明細書および別紙の特許請求の範囲において、「輪郭」とは、真円の輪郭以外の輪郭、すなわち、真円以外の形状の輪郭を言う。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、1個の光源と、入射面およびリング状の出射面を有する導光部材と、を備えるものである。従来の車両用灯具は、1個の光源を点灯すると、その1個の光源からの光が導光部材の入射面から導光部材中に入射し、その入射光が導光部材中を導かれて導光部材のリング状の出射面から外部に出射する。これにより、導光部材のリング状の出射面がリング状の発光部として見える。
【0003】
かかる車両用灯具においては、1個の光源でリング状の発光部をほぼ均一の明るさで発光させることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−311162号公報
【特許文献2】特開2006−85908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、1個の光源でリング状の発光部をほぼ均一の明るさで発光させることが重要である、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、1個の光源と、導光部材と、を備え、導光部材が、1個の光源からの光を導光部材中に入射させる入射面を有する光入射部と、光入射部の入射面から導光部材中に入射した入射光を外部に出射させる輪郭ライン形状の出射面を有する光出射部と、光入射部の入射面から入射した入射光を光出射部の出射面に導く光導部と、から構成されていて、光入射部と光導部との間には、光入射部の入射面から入射した入射光を平行光として光導部側に反射させる第1反射面が設けられていて、光導部と光出射部との間には、第1反射面からの平行反射光を平行光として光出射部の出射面側に同一方向に反射制御させる第2反射面が多数個に分割されて設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
この発明(請求項2にかかる発明)は、第1反射面および第2反射面が、光を全反射させる反射面からなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、1個の光源を点灯すると、1個の光源から放射された光が光入射部の入射面から導光部材中に入射し、その入射光が第1反射面で第1平行反射光として光導部側に反射し、その第1平行反射光が多数個の第2反射面で第2平行反射光として光出射部の出射面側に同一方向に制御されて反射し、その第2平行反射光が光出射部の出射面から外部に出射し、これにより、導光部材の輪郭ライン形状の出射面が輪郭ライン形状の発光部として見える。特に、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、多数個に分割した第2反射面により、第1反射面からの平行反射光を平行光として光出射部の出射面側に同一方向に制御させて反射させることができるので、1個の光源で輪郭ライン形状の発光部をほぼ均一の明るさで発光させることができる。
【0009】
この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、第1反射面および第2反射面が光を全反射させる反射面からなるものであるから、内部反射率を極力高めることができるので、1個の光源から放射される光の減衰(損失、減少)を極力抑制することができる。すなわち、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、1個の光源から放射される光を有効に利用することができる。
【0010】
しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、第1反射面および第2反射面が光を全反射させる反射面からなるものであるから、第1反射面および第2反射面にアルミ(金属)蒸着や銀塗装や金属メッキなどを施す必要が無いので、製造が簡単であり、その分、製造コストを安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す導光部材の第2反射面の反射作用の光路説明図である。
【図2】図2は、同じく、導光部材の第2反射面の反射作用を示す光路説明図である。
【図3】図3は、同じく、導光部材を示す正面側(表面側)から見た斜視図である。
【図4】図4は、同じく、導光部材を示す背面側(裏面側)から見た斜視図である。
【図5】図5は、同じく、導光部材中の光路を示す図3におけるV−V線説明断面図である。
【図6】図6は、同じく、導光部材中の光路を示す図3におけるVIA−VIA線説明断面図、VIB−VIB線説明断面図である。
【図7】図7は、同じく、ランプレンズを除いた状態を示す車両用灯具の斜視図である。
【図8】図8は、同じく、図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】図9は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す縦断面図(垂直断面図、図8に対応する断面図)である。
【図10】図10は、この発明にかかる車両用灯具の実施例3を示すランプレンズを除いた状態の車両用灯具の斜視図である。
【図11】図11は、同じく、図10におけるXI−XI線断面図である。
【図12】図12は、同じく、導光部材の第3反射面の反射作用の光路説明図である。
【図13】図13は、この発明にかかる車両用灯具の実施例4を示す導光部材の入射部中の光路を示す説明断面図である。
【図14】図14は、この発明にかかる車両用灯具の実施例5を示す導光部材の入射部中の光路を示す説明断面図である。
【図15】図15は、この発明にかかる車両用灯具の実施例6を示す導光部材の入射部中の光路を示す説明断面図である。
【図16】図16は、この発明にかかる車両用灯具の実施例7を示す導光部材の入射部中の光路を示す説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの7例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0013】
(構成の説明)
図1〜図8は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。以下、この実施例1における車両用灯具の構成について説明する。図中、符号1は、この実施例1における車両用灯具(たとえば、テールランプ、ストップランプ、テール・ストップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、デイタイムランニングランプなどの自動車用灯具)である。
【0014】
前記車両用灯具1は、図7、図8に示すように、ランプハウジング2と、ランプレンズ3と、1個の光源4と、導光部材(導光体)5と、エクステンション(装飾部材)6と、を備えるものである。
【0015】
前記ランプハウジング2および前記ランプレンズ3は、灯室7を画成する。前記灯室7内には、前記1個の光源4および前記導光部材5および前記エクステンション6がそれぞれ配置されている。前記1個の光源4および前記導光部材5および前記エクステンション6は、取付ブラケット8を介して前記ランプハウジング2に取り付けられている。
【0016】
前記エクステンション6の少なくとも正面(前面)には、たとえば、アルミ(金属)蒸着や銀塗装や金属メッキが施されている。前記エクステンション6は、正面視形状(前から見た形状)がほぼ平行四辺形をなす。前記エクステンション6の輪郭線上には、凸部9が一体に設けられている。
【0017】
前記1個の光源4は、1個のランプユニットから構成されている。前記1個の光源4は、この例では、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源、すなわち、半導体型光源(この実施例ではLED)を使用する。
【0018】
前記1個の光源4は、基板(図示せず)と、前記基板に適宜に配置されて設けられている1個もしくは複数個の発光チップ(図示せず)と、前記発光チップを封止する封止樹脂部材(図示せず)と、から構成されている。
【0019】
前記1個の光源4は、ホルダ部材(図示せず)を介して前記取付ブラケット8に取り付けられている。前記1個の光源4は、前記ホルダ部材のコネクタ部(図示せず)を介して電源(電流)が供給される。前記取付ブラケット8は、ヒートシンク部材を兼用しても良い。前記1個の光源4は、前記取付ブラケット8を介して前記ランプハウジング2に取り付けられるタイプであるが、ソケット(図示せず)を介して前記ランプハウジング2に取り付けられるソケットタイプであっても良い。
【0020】
前記導光部材5は、光を導く性質を有する部材、この例では、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの透明樹脂材からなる。なお、有色、無色は、問わない。前記導光部材5は、1個の光入射部10と、1個の光出射部11と、1個の光導部12と、から一体に構成されている。前記導光部材5は、正面視形状が前記エクステンション6よりも一回り大きいほぼ平行四辺形をなす。
【0021】
前記光入射部10は、図4、図5、図8に示すように、前記導光部材5の背面(裏面)の中央部に一体に設けられている。前記光入射部10は、中心軸Oを軸とする円錐台形をなす。前記光入射部10のうち前記1個の光源4と対向する面には、入射面13が設けられている。前記入射面13は、前記中心軸Oに対して直交もしくはほぼ直交する平面をなす。前記光入射部10の前記入射面13は、前記1個の光源4からの光L1を入射光L1として前記導光部材5中に入射させるものである。
【0022】
前記光出射部11は、図1、図3、図6〜図8に示すように、前記導光部材5の正面(表面)の輪郭線上に一体に設けられている。すなわち、前記光出射部11は、前記光導部12に対して前方に垂直に壁形状に突出する。この結果、前記光出射部11は、前記エクステンション6よりも一回り大きいほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状をなす。前記光出射部11のうち前記ランプレンズ3と対向する面には、出射面14が設けられている。前記出射面14は、前記中心軸Oと平行な軸に対して直交もしくはほぼ直交する平面をなす。前記出射面14には、光を拡散させる光学素子たとえばプリズムが設けられている。前記光出射部11の前記出射面14は、前記光入射部10の前記入射面13から前記導光部材5中に入射した入射光L1を出射光L2として外部に拡散させて出射させるものである。前記光出射部11は、前記エクステンション6の前記凸部9の外側に配置されている。
【0023】
前記光導部12は、前記光入射部10の前記入射面13から入射した入射光L1を前記光出射部11の前記出射面14に導くものである。
【0024】
前記光入射部10と前記光導部12との間には、第1反射面15が設けられている。前記第1反射面15は、前記1個の光入射部10の前記入射面13から入射した入射光L1を平行光(第1平行反射光)L3として等方向にかつ均一に前記光導部12側に反射させるものである。前記第1反射面15は、図5に示すように、焦点Fが前記中心軸O上に位置する放物線Pを、前記中心軸Oを軸として回転させてなる回転放物面からなる。
【0025】
前記1個の光源4は、前記中心軸O上に配置されている。前記1個の光源4は、前記第1反射面15の焦点Fよりも前記1個の光入射部10の前記入射面13側にずれた位置に位置する。これは、前記1個の光源4からの光L1が前記光入射部10の前記入射面13から前記導光部材5中に入射する際の屈折を考慮して、前記1個の光源4の位置をずらしたものである。この結果、前記1個の光源4から放射された光L1であって、前記光入射部10の前記入射面13から前記導光部材5中に入射した入射光L1の光路は、あたかも、前記第1反射面15の焦点Fから放射された光路となる。これにより、前記中心軸O上の前記1個の光源4から放射された光L1であって、前記光入射部10の前記入射面13から入射した入射光L1は、前記第1反射面15において、第1平行反射光L3として前記1個の光導部12側に反射される。
【0026】
前記光導部12と前記光出射部11との間には、第2反射面16が設けられている。前記第2反射面16は、前記第1反射面15からの第1平行反射光L3を平行光(第2平行反射光)L4として前記光出射部11の前記出射面14側に同一方向に反射制御させるものである。
【0027】
すなわち、前記第2反射面16は、前記出射光L2の出射方向に多数個に分割されて設けられている。多数個に分割された前記第2反射面16は、前記第1反射面15からの第1平行反射光L3を第2平行反射光L4として前記光出射部11の前記出射面14側に同一方向に反射制御させるために、それぞれ傾斜して設けられている。この結果、多数個に分割された前記第2反射面16は、図1(A)、図2(A)、図6(A)、(C)に示すように、前記光導部12の水平底面と前記光出射部11の垂直外側面とのなす角度がそれぞれθ1この例では約45°の断面傾斜面からなる。
【0028】
以下、前記第2反射面16を多数個に分割しなかった場合の不具合、すなわち、多数個に分割していない第2反射面160の不具合について図1、図2、図6を参照して説明する。なお、図1(A)、図2(A)、図6(A)、(C)は、多数個に分割した前記第2反射面16についての説明図であり、図1(B)、図2(B)、図6(B)は、多数個に分割していない第2反射面160についての説明図である。図6は、前記導光部材5を前記第1平行反射光L3の光路に沿った垂直面で切断した断面図である。
【0029】
前記光出射部11と前記第1平行反射光L3とが直交もしくはほぼ直交する部分(図3におけるVIA−VIA線の部分)における前記光導部12の水平底面と前記光出射部11の垂直外側面とのなす角度は、図6(A)に示すように、θ1この例では約45°である。一方、前記光出射部11と前記第1平行反射光L3とが直交せずにただ単に交差する部分(図3におけるVIB−VIB線の部分)における前記光導部12の水平底面と前記光出射部11の垂直外側面とのなす角度は、図6(B)に示すように、前記のθ1(約45°)よりも小さいθ2となる。この結果、図1(B)、図2(B)、図6(B)に示すように、前記第1平行反射光L3が多数個に分割していない第2反射面160で反射すると、反射方向が多方向の反射光L5として前記光出射部11の前記出射面14側に反射される。これにより、反射方向が多方向の反射光L5は、同じく反射方向が多方向の出射光L6として前記光出射部11の前記出射面14から外部に出射する。このために、前記光出射部11の前記出射面14のほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状の発光部の明るさが不均一となる。
【0030】
そこで、前記第2反射面16を前記出射光L2の出射方向に多数個に分割する。かつ、その多数個に分割した前記第2反射面16を、前記第1反射面15からの第1平行反射光L3を第2平行反射光L4として前記光出射部11の前記出射面14側に同一方向に反射制御させるために、それぞれ傾斜させる。この結果、前記光出射部11と前記第1平行反射光L3とが直交せずにただ単に交差する部分(図3におけるVIB−VIB線の部分)における前記光導部12の水平底面と前記光出射部11の垂直外側面とのなす角度を、図6(C)に示すように、θ1とすることができる。これにより、図1(A)、図2(A)、図6(A)、(C)に示すように、前記第1平行反射光L3が多数個に分割した前記第2反射面16で反射すると、第2平行反射光L4として、前記光出射部11の前記出射面14側に同一方向に制御されて反射する。この同一方向に制御されて反射した第2平行反射光L4は、同じく同一方向(一方向)の出射光L2として前記光出射部11の前記出射面14から外部に出射する。このために、前記光出射部11の前記出射面14のほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状の発光部の明るさが均一となる。
【0031】
前記第1反射面15および前記第2反射面16は、光を全反射させる反射面からなるものである。
【0032】
(作用の説明)
この実施例1における車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0033】
車両用灯具1の中心軸O上の1個の光源4を点灯する。すると、1個の光源4から光L1が放射される。この光L1は、図5に示すように、1個の光入射部10の入射面13から屈折して導光部材5中に入射する。この導光部材5中に入射した入射光L1の光路は、あたかも、第1反射面15の焦点Fから入射した光路となる。この結果、入射光L1は、図5に示すように、第1反射面15において、平行光すなわち第1平行反射光L3として、等方向にかつ均一に1個の光導部12側に反射される。この第1平行反射光L3は、中心軸Oの全周(360°)に亘って、等方向に均一の光束で反射される。
【0034】
第1反射面15からの第1平行反射光L3は、図6(A)、(C)に示すように、多数個に分割された第2反射面16において、平行光すなわち第2平行反射光L4として、1個の光出射部11側に同一方向に制御されて反射される。
【0035】
多数個に分割された第2反射面16からの第2平行反射光L4は、図6(A)、(C)に示すように、同じく同一方向(一方向)の出射光L2として、光出射部11の出射面14から外部に拡散されて出射する。これにより、導光部材5のほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状の出射面14が、図7中の斜め格子が施されている部分に示すように、ほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状の発光部として見える。しかも、光出射部11の出射面14のほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状の発光部は、均一の明るさで発光する。なお、ほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状の発光部は、光出射部11の出射面14の幅の分の幅を有する。
【0036】
(効果の説明)
この実施例1における車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0037】
この実施例1における車両用灯具1は、多数個に分割しかつそれぞれ傾斜させた第2反射面16により、第1反射面15からの第1平行反射光L3を平行光すなわち第2平行反射光L4として光出射部11の出射面14側に同一方向に制御させて反射させることができるので、1個の光源4でほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状の発光部をほぼ均一の明るさで発光させることができる。
【0038】
この実施例1における車両用灯具1は、第1反射面15および第2反射面16が光を全反射させる反射面からなるものであるから、内部反射率を極力高めることができるので、1個の光源4から放射される光の減衰(損失、減少)を極力抑制することができる。すなわち、この実施例1における車両用灯具1は、1個の光源4から放射される光を有効に利用することができる。
【0039】
しかも、この実施例1における車両用灯具1は、第1反射面15および第2反射面16が光を全反射させる反射面からなるものであるから、第1反射面15および第2反射面16にアルミ(金属)蒸着や銀塗装や金属メッキなどを施す必要が無いので、製造が簡単であり、その分、製造コストを安価にすることができる。
【実施例2】
【0040】
(実施例2の説明)
図9は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す。以下、この実施例2における車両用灯具について説明する。図中、図1〜図8と同符号は、同一のものを示す。
【0041】
前記の実施例1の車両用灯具1は、1個の光入射部10を導光部材5の背面(裏面)側すなわち光出射部11と反対側に設けるものである。この実施例2の車両用灯具100は、1個の光入射部10を導光部材500の正面(表面)側すなわち光出射部11側に設けるものである。この実施例2においては、導光部材500に1個の光源4に電源(電流)を供給するための供給手段を設ける必要がある。
【0042】
この実施例2の車両用灯具100は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1の車両用灯具1とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【実施例3】
【0043】
(実施例3の説明)
図10〜図12は、この発明にかかる車両用灯具の実施例3を示す。以下、この実施例3における車両用灯具について説明する。図中、図1〜図9と同符号は、同一のものを示す。
【0044】
前記の実施例1、2の車両用灯具1、100は、導光部材5の正面視形状がほぼ平行四辺形をなし、その導光部材5の光出射部11がほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状をなすものであり、かつ、1個の光源4を使用するものである。この実施例3の車両用灯具101は、導光部材505の正面視形状がほぼ平行四辺形の一部の形状すなわちコの字形状もしくは逆コの字形状をなし、その導光部材505の光出射部11がほぼ平行四辺形の一部の形状すなわちコの字形状もしくは逆コの字形状の輪郭ライン形状をなすものであり、かつ、2個の光源4、17を使用するものである。
【0045】
前記導光部材505は、前記の実施例1、2のほぼ平行四辺形をなす導光部材5の一部を分割してなるものである。前記導光部材505の分割線上には、第3反射面27と、段部28とが交互に設けられている。前記第3反射面27は、第1反射面15からの第1平行反射光L3を平行光(第3平行反射光)L7として多数個に分割しかつ傾斜した第2反射面16側に全反射で反射させるものである。前記第3反射面27は、図12に示すように、焦点が前記中心軸O上に位置しかつ焦点距離がそれぞれ異なる放物線P1、P2、P3、P4、P5、P6の一部を、前記中心軸O方向に厚みを持たせた放物面からなる。前記段部28は、前記第3反射面27の間に、前記第1平行反射光L3方向に設けられている。
【0046】
前記他の光源17は、この例では、バルブ光源を使用する。前記他の光源17は、ソケット24に着脱可能に取り付けられている。前記ソケット24は、取付ブラケット8と一体の取付部25に着脱可能に取り付けられている。前記他の光源17は、エクステンション6に設けられている透孔26からランプハウジング2側からランプレンズ3側に突出している。
【0047】
この実施例3における車両用灯具101は、以上のごとき構成からなるので、1個の光源4を点灯すると、前記の通り、1個の光源4からの光L1が光入射部10の入射面13から導光部材505中に入射し、その入射光L1が第1反射面15で第1平行反射光L3として等方向にかつ均一に光導部12側に反射する。この第1平行反射光L3の一部分は、多数個に分割されかつ傾斜された第2反射面16で第2平行反射光L4として光出射部11側に同一方向に制御されて反射する。多数個に分割されかつ傾斜された第2反射面16からの第2平行反射光L4は、同じく同一方向(一方向)の出射光L2として光出射部11の出射面14から外部に拡散されて出射する。一方、第1平行反射光L3の残りの部分は、第3反射面27で第3平行反射光L7として第2反射面16側に反射する。この第3平行反射光L7は、第2反射面16で光出射部11の出射面14側に多方向に反射して、この出射面14から外部に拡散されて出射する。
【0048】
これにより、導光部材505のほぼ平行四辺形の一部の形状すなわちコの字形状もしくは逆コの字形状の輪郭ライン形状の出射面14が、図10中の斜め格子が施されている部分に示すように、ほぼ平行四辺形の一部の形状すなわちコの字形状もしくは逆コの字形状の輪郭ライン形状の発光部として見える。なお、ほぼ平行四辺形の一部の形状すなわちコの字形状もしくは逆コの字形状の輪郭ライン形状の発光部は、光出射部11の出射面14の幅の分の幅を有する。また、他の光源17を点灯すると、その他の光源17からの光(図示せず)は、外部に出射する。
【0049】
この実施例3の車両用灯具101は、以上のごとき構成、作用からなるので、前記の実施例1、2の車両用灯具1、100とほぼ同様の作用効果を達成することができる。特に、この実際例3の車両用灯具101は、2個の光源4、17を使用するので、2つのランプ機能、たとえば、テールランプとストップランプ、あるいは、一方の光源4または17の光の強弱を切り替え可能とすれば、テール・ストップランプとターンシグナルランプ(クリアランスランプ)、のような2つのランプ機能を有することができる。
【0050】
しかも、この実施例3の車両用灯具101は、導光部材505の分割線上に第3反射面27を設けたので、第1平行反射光L3の残りの部分の光であって、導光部材505の分割線側に反射して無駄となる光を、第3反射面27で第3平行反射光L7として第2反射面16側に反射して、有効に利用することができる。
【実施例4】
【0051】
(実施例4の説明)
図13は、この発明にかかる車両用灯具の実施例4を示す。以下、この実施例4における車両用灯具について説明する。図中、図1〜図12と同符号は、同一のものを示す。
【0052】
前記の実施例1、2、3の車両用灯具1、100、101は、導光部材5、500、505の光入射部10の入射面13が中心軸Oと直交もしくはほぼ直交する平面からなるものである。この実施例4の車両用灯具は、導光部材501の光入射部105の入射面18が放物線Pの焦点Fを中心とする球面からなるものである。
【0053】
この実施例4の車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1、2、3の車両用灯具1、100、101とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【実施例5】
【0054】
(実施例5の説明)
図14、この発明にかかる車両用灯具の実施例5を示す。以下、この実施例5における車両用灯具について説明する。図中、図1〜図13と同符号は、同一のものを示す。
【0055】
前記の実施例1、2、3、4の車両用灯具1、100、101は、導光部材5、500、501、505の第1反射面15が放物線Pを中心軸Oを中心軸として回転させてなる回転放物面からなるものである。この実施例5の車両用灯具は、導光部材502の第1反射面150が中心軸Oを中心軸として回転させてなる頂角が90°の円錐面からなるものである。また、この実施例5の車両用灯具の導光部材502の光入射部102の入射面19は、焦点F3が中心軸O上に位置する凸レンズ面からなるものである。この実施例5の第1反射面150は、前記の実施例1、2、3、4の車両用灯具1、100、101の第1反射面15と同様に、1個の光入射部102の入射面19から入射した入射光L1を平行光(第1平行反射光)L3として等方向にかつ均一に1個の光導部12側に反射させるものである。
【0056】
この実施例5の車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1、2、3、4の車両用灯具1、100、101とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【実施例6】
【0057】
(実施例6の説明)
図15は、この発明にかかる車両用灯具の実施例6を示す。以下、この実施例6における車両用灯具について説明する。図中、図1〜図14と同符号は、同一のものを示す。
【0058】
前記の実施例1、2、3、4の車両用灯具1、100、101は、導光部材5、500、501、505の第1反射面15が放物線Pを中心軸Oを中心軸として回転させてなる回転放物面からなるものである。この実施例6の車両用灯具は、前記の実施例5の車両用灯具と同様に、導光部材503の第1反射面150が中心軸Oを中心軸として回転させてなる円錐面からなるものである。また、この実施例6の車両用灯具の導光部材503の光入射部103の入射面は、焦点F6が中心軸O上に位置する凸レンズ面20と、焦点F4が中心軸O上に位置する回転放物面21と、中心軸Oを中心軸として回転させてなる円柱面23と、からなるものである。
【0059】
1個の光源4は、凸レンズ面20の焦点F6もしくはその近傍に位置する。凸レンズ面20の焦点F6と回転放物面21の焦点F4とは、1個の光源4からの光L1であって、回転放物面21で反射される光L1が1個の光入射部103の円柱面23から導光部材503中に入射する際の屈折分ずれている。
【0060】
この実施例6の車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1、2、3、4、5の車両用灯具1、100、101とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【実施例7】
【0061】
(実施例7の説明)
図16は、この発明にかかる車両用灯具の実施例7を示す。以下、この実施例7における車両用灯具について説明する。図中、図1〜図15と同符号は、同一のものを示す。
【0062】
前記の実施例1、2、3、4の車両用灯具1、100、101は、導光部材5、500、501の第1反射面15が放物線Pを中心軸Oを中心軸として回転させてなる回転放物面からなるものである。この実施例7の車両用灯具は、前記の実施例5、6の車両用灯具と同様に、導光部材504の第1反射面150が中心軸Oを中心軸として回転させてなる円錐面からなるものである。また、この実施例7の車両用灯具の導光部材504の光入射部104の入射面は、焦点F5が中心軸O上に位置するフレネルレンズ面22からなるものである。
【0063】
この実施例7の車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1、2、3、4、5、6の車両用灯具1、100、101とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0064】
(実施例以外の例の説明)
なお、前記の実施例1、2においては、1個の光源4として半導体型光源を使用するものである。ところが、この発明においては、その他の光源、たとえば、白熱光源、ハロゲン光源、放電光源を使用しても良い。
【0065】
また、前記の実施例1、2、3においては、発光部がほぼ平行四辺形の輪郭ライン形状、あるいは、ほぼ平行四辺形の一部の形状すなわちコの字形状もしくは逆コの字形状の輪郭ライン形状をなすものである。ところが、この発明においては、発光部として、真円形状以外の環状(リング状、閉曲線状、開曲線状)形状の輪郭ライン形状のものであっても良い。
【0066】
さらに、前記の実施例1、2においては、1個の光源4を使用するので、基本的には、1機能のランプ、たとえば、ストップランプ、あるいは、テールランプとして使用するものである。ところが、この発明においては、1個の光源4から放射される光の強弱を切り替えることにより、2機能のランプ、たとえば、テール・ストップランプとしても使用できる。
【0067】
さらにまた、前記の実施例においては、第1反射面15、150および第2反射面16および第3反射面27が光を全反射させる反射面からなるものである。ところが、この発明においては、第1反射面および第2反射面および第3反射面が光を全反射させる反射面でなくても良い。この場合においては、第1反射面および第2反射面および第3反射面にアルミ(金属)蒸着や銀塗装や金属メッキなどを施す。
【符号の説明】
【0068】
1、100、101 車両用灯具
2 ランプハウジング
3 ランプレンズ
4 光源
5、500、501、502、503、504、505 導光部材
6 エクステンション
7 灯室
8 取付ブラケット
9 凸部
10、102、103、104、105 光入射部
11 光出射部
12 光導部
13、18、19、20、21、22、23 入射面
14 出射面
15、150 第1反射面
16 第2反射面
160 多数個に分割されていない第2反射面
17 他の光源
24 ソケット
25 取付部
26 透孔
27 第3反射面
28 段部
O 中心軸
L1 入射光
L2 出射光
L3 第1平行反射光
L4 第2平行反射光
L5 反射光
L6 出射光
L7 第3平行反射光
F、F3、F4、F5、F6 焦点
P、P1、P2、P3、P4、P5、P6 放物線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個の光源と、導光部材と、を備え、
前記導光部材は、
前記1個の光源からの光を前記導光部材中に入射させる入射面を有する光入射部と、
前記光入射部の前記入射面から前記導光部材中に入射した入射光を外部に出射させる輪郭ライン形状の出射面を有する光出射部と、
前記光入射部の前記入射面から入射した入射光を前記光出射部の前記出射面に導く光導部と、
から構成されていて、
前記光入射部と前記光導部との間には、前記光入射部の前記入射面から入射した入射光を平行光として前記光導部側に反射させる第1反射面が設けられていて、
前記光導部と前記光出射部との間には、前記第1反射面からの平行反射光を平行光として前記光出射部の前記出射面側に同一方向に反射制御させる第2反射面が多数個に分割されて設けられている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第1反射面および前記第2反射面は、光を全反射させる反射面からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−243734(P2012−243734A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116185(P2011−116185)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】