説明

車両用灯具

【課題】部品の交換を必要とする車両用灯具のみにおいて、工具挿入用の筒状部を閉塞するキャップを必要とするように構成し、これにより、コストの低減を図った車両用灯具を提供する。
【解決手段】ハウジング2と前面レンズ3によって構成される灯室4内に交換可能な部品8が収納され、部品8は、ハウジング2に対して固定される固定手段93を工具100を用いて解除することによって、灯室4外に取り出せるように構成されている車両用灯具1である。ハウジング2の部品8の固定手段93に対向する個所に、先端が閉塞された筒状部10が形成され、筒状部10は、ハウジング2側において第1の外径を有する第1径部10Pと先端側において第1の外径よりも小さな外径を有する第2径部10Qを備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用灯具に係り、その灯室内にたとえばモータ等からなる部品が収納されている車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具として、ハウジングと前面レンズで構成される灯室内にいわゆるプロジェクタ型ランプが配置されたものが知られ、これにともない、前記灯室内には該プロジェクタ型ランプの傾き等を変動させるための機構(アクチュエータ本体)を備え、この機構はたとえばモータ等を含んだものとして構成されている。(特許文献1〜3参照)
【0003】
この場合、モータ等は、車両用灯具の長期にわたる使用によって故障することがあることに鑑み、車両用灯具の大幅な分解を施すことなく、アクチュエータ本体を灯室外に容易に取り出し、モータ等の交換ができる工夫がなされている。
【0004】
たとえば、アクチュエータ本体は螺子等からなる固定手段によってハウジングに固定されており、この固定手段の固定解除後に、該アクチュエータ本体を規定された方向へ摺動させることによってプロジェクタ型ランプとの機構的連結を解除し、該アクチュエータ本体をハウジングに予め形成された開閉可能な開口部を通して灯室外に取り出せるようになっている。
【0005】
この場合、限られたスペースの灯室内に配置されるアクチュエータ本体は、前記固定手段がハウジングの壁面に近接して対向配置せざるを得ないことから、ハウジングのアクチュエータ本体の固定手段に対向する個所に先端を開口させた筒状部を形成し、この筒状部の先端の開口は、必要時以外において、キャップによって閉塞することによって灯室内の防水効果を図るようになっている。
【0006】
すなわち、モータの交換時には、前記キャップを外すことによって、筒状部の先端の開口から工具を挿入でき、この工具によってアクチュエータ本体のハウジングに対する固定手段を解除できるようになっている。その後は、上述した操作によって、アクチュエータ本体を灯室外に取り出せるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平08−324335号公報
【特許文献2】特開平07−312104号公報
【特許文献3】特開2008−234861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した車両用灯具は、モータ等を取り換える必要が生じる車両用灯具が量的に僅かであるにも拘わらず、量産する車両用灯具の全てにおいて上述した構成を施さなければならなくなる。このことは、車両用灯具のそれぞれにキャップを用意する必要が生じ、その取り扱いが煩雑となるとともに、コストが増大してしまう不都合を生じる。
【0009】
上述したような不都合は、モータ等を取り換える場合に限られることはなく、モータ等以外の他の交換部品においても同様に生じることとなる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品の交換を必要とする車両用灯具のみにおいて、工具挿入用の筒状部を閉塞するキャップを必要とするように構成し、これにより、コストの低減を図った車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するため、本発明は、工具挿入用の筒状部の先端は当初から閉塞状態として構成し、部品の交換が必要な際に、該筒状部の先端部を切断することにより開口を形成し、部品の交換が終了した後は、筒状部の開口をキャップで閉塞するように構成したものである。
【0012】
本発明は、以下の構成によって把握することができる。
(1)本発明の車両用灯具は、ハウジングと前面レンズによって構成される灯室内に交換可能な部品が収納され、前記部品は、前記ハウジングに対して固定される固定手段を工具を用いて固定解除することによって、前記灯室外に取り出せるように構成されている車両用灯具であって、前記ハウジングの前記部品の固定手段に対向する個所に、先端が閉塞された筒状部が形成され、前記筒状部は、前記ハウジング側において第1の外径を有する第1径部と先端側において前記第1の外径よりも小さな外径を有する第2径部を備えて構成され、前記筒状部の第2径部の切断によって前記筒状部に形成される開口を通して挿入される前記工具を用いて前記部品の前記固定手段による固定解除ができるとともに、前記筒状部の前記開口をキャップによって閉塞できるように構成されていることを特徴とする。
(2)本発明の車両用灯具は、(1)の構成において、前記筒状部は、前記第2径部の側面における肉厚が前記第1径部の側面における肉厚よりも小さく形成されていることを特徴とする。
(3)本発明の車両用灯具は、(1)の構成において、前記キャップは、一方が閉塞された筒状蓋材から構成され、その内壁面が前記筒状部の第1径部の側面に圧接された状態で、前記筒状部材に嵌合されるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このように構成された車両用灯具によれば、部品の交換を必要とする車両用灯具のみにおいて、工具挿入用の筒状部を閉塞するキャップを必要とするように構成し、これにより、コストの低減を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の車両用灯具の実施態様1を示す断面図である。
【図2】本発明の車両用灯具に具備されるアクチュエータ本体の固定解除とハウジング外に取り出す手順を示した図である。
【図3】本発明の車両用灯具において筒状部の先端を切り落とした場合を示した断面図である。
【図4】本発明の車両用灯具において筒状部に形成された開口を通して工具を挿入していることを示した断面図である。
【図5】本発明の車両用灯具において平板蓋部を外しアクチュエータ本体をスライドさせている場合を示した断面図である。
【図6】本発明の車両用灯具においてアクチュエータ本体をハウジング外に取り出した場合を示した断面図である。
【図7】本発明の車両用灯具において部品の補修、交換をしたアクチュエータ本体を収納するとともに、筒状部の開口をキャップによって閉塞している場合を示した断面図である。
【図8】本発明の車両用灯具に具備される筒状部の斜視図、断面図で、図1に示す状態にある筒状部を示した図である。
【図9】本発明の車両用灯具に具備される筒状部の斜視図、断面図で、図3に示す状態にある筒状部を示した図である。
【図10】本発明の車両用灯具に具備される筒状部の斜視図、断面図で、図7に示す状態にある筒状部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(実施態様1)
〈全体の概略構成〉
図1は、本発明の車両用灯具の実施態様1を示す断面図である。図1において、図中x、y、z方向は、それぞれ、車両の前後方向、幅方向、高さ方向に対応づけて示している。
【0016】
図1に示すように、車両用灯具1は、ハウジング2とこのハウジング2の開口部2Aを閉塞する前面レンズ3とで灯室4が構成されている。この場合、ハウジング2の開口部2Aの周縁には、前面レンズ3の周縁部3Aを挿入させる溝部5が形成され、この溝部5に予め塗布されているホットメルトによって、ハウジング2と前面レンズ3との固着を図るとともに水分侵入を防止するシール性を確保できるようになっている。
【0017】
灯室4には、プロジェクタ型のランプユニット6と、このランプユニット6を支持する支持枠体と、ハウジング2に対して固定されランプユニット5を駆動させるアクチュエータ本体8と、が配置されている。アクチュエータ本体は、後の説明で明かとなるように、ランプユニット5をスイブル動作およびレベリング動作させるようになっている。
【0018】
ランプユニット6は、突状レンズ61とリフレクタ63によって形成される灯室内に光源65が配置され、この光源65からの光は直接に、あるいはリフレクタ63の反射面に反射されて突状レンズ61を通して出射されるようになっている。ランプユニット6の突状レンズ61は車両の前方方向(図中x方向)に配置され、ランプユニット6からの光は前面レンズ3を通して車両の前方に照射されるようになっている。また、ランプユニット6は、その外枠の上側および下側に一対の支持軸67(上側支持軸67A、下側支持軸67B)が車両の高さ方向(図中z方向)に同軸に設けられ、これら上側支持軸67A、下側支持軸67Bを介して支持枠体7に支持されるようになっている。この場合、詳細な構成の説明は省略するが、ランプユニット6の上側支持軸67A、下側支持軸67Bは、これらの軸周りに回転できるとともに、上側支持軸67Aを中心として下側支持軸67Bが前後方向(図中x方向)に移動されて揺動できるように、支持枠体7に支持されるように構成されている。
【0019】
アクチュエータ本体8には、このアクチュエータ本体8に対して前後方向(図中x方向)に摺動し得るアクチュエータ81が配置され、このアクチュエータ81は、その駆動軸(図示せず)がランプユニット6の下側支持軸67Bと係合されるようになっており、該駆動軸を介して該下側支持軸67Bを軸周りに回転させるスイブル用モータ(図示せず)が内蔵され、また、アクチュエータ81をアクチュエータ本体8に対して前後方向(図中x方向)にスライドさせるレベリング用モータ(図示せず)が内蔵されている。このように構成されるアクチュエータ81は、スイブル用モータによってランプユニット6の下側支持軸67B(および上側支持軸67A)をその軸周りに回転させることによって、ランプユニットをスイブル動作させ、レベリング用モータによってアクチュエータ81を前後方向にスライドさせることによってランプユニット6をレベリング動作させるようになっている。
【0020】
なお、アクチュエータ本体8は、後の説明で明かとなるように、車両の前方方向(図中x方向)へ移動可能に構成され、このような移動がなされた場合には、アクチュエータ本体8と支持枠体7との係合、およびアクチュエータ81とランプユニット6の下側支持軸67Bとの係合が解除されるように構成されている。
【0021】
アクチュエータ本体8は、たとえば、それを上面から観た図2(a)に示すように、車両の前方方向(図中x方向)とほぼ平行となる各側面に複数の突出部83が形成され、これら突出部83がアクチュエータ本体8を囲むようにして配置された支持板9(ハウジング2に固定されている)に載置されるとともに、車両の後方部(図中右側)に配置された支持板9(図中符号9Aで示す)において螺子挿入孔91から挿入される螺子93が螺合されることによって支持板9(ハウジング2)に固定されるようになっている。なお、アクチュエータ本体8は、前記螺子93を取り外して支持板9との固定が解除された場合、アクチュエータ本体8を前方方向(図中右側)に支持板9上をスライドできるようになっている。そして、このアクチュエータ本体8のスライドの過程において、アクチュエータ本体8は支持枠体7およびランプユニット6の下側支持軸67Bとの係合が解除されるようになっている。さらに、アクチュエータ本体8のスライドを続けることによって、図2(b)に示すように、アクチュエータ本体8に形成した各突出部83が支持板9に形成された切欠き部に位置づけられ、アクチュエータ本体を下方(図面裏方向)へ移動し得るようになっている。
【0022】
なお、図2(a)、(b)において、符号85は前後方向(図中x方向)に延在する長孔を示し、この長孔85にはランプユニット6の下側支持軸67Bが挿入されてアクチュエータ81内のモータの駆動軸(図示せず)に係合されるようになっている。上述したように、ランプユニット6の下側支持軸67Bはアクチュエータ81の図中x方向への移動にとない長孔85内を移動するようになっている。
【0023】
そして、図1に戻り、支持板9に固定されたアクチュエータ本体8に近接して配置されるハウジング2には、筒状部10と平板蓋部16とが形成されている。筒状部10は、アクチュエータ本体8を支持板9に螺合する螺子93と対向する部分に形成されている。この筒状部10は先端が閉塞されて形成され、後の説明で明かとなるように、先端を切断することにより開口を形成し、この開口からたとえばドライバー等の工具を差し込んで、前記螺子93を外すことができるようになっている。この筒状部10については、後に詳述する。また、平板蓋部16は、たとえばハウジング2の底部であってアクチュエータ本体8に対向する部分に形成されている。この平板蓋部16は、比較的面積が大きく形成され、通常は螺子17等を介してハウジングに取り付けられた状態となっている。この平板蓋部16は、上述したようにアクチュエータ本体8を支持板9(ハウジング2)から離脱させようとする場合に、予め外しておき、これによって形成されるハウジングの開口18を通してアクチュエータ本体8をハウジング2の外側へ取り出すことができるようになっている。
〈部品交換の手順〉
上述のように構成された車両用灯具1は、たとえばアクチュエータ本体8に組み込まれたモータ等に支障が生じた場合に、たとえば、次の手順によってアクチュエータ本体8をハウジング2の外側に取り出せるようになっている。
【0024】
まず、図3に示すように、ハウジング2に形成されている筒状部10の閉塞された先端をたとえばカッター等を用いて切り落とし、これにより該筒状部10の先端に開口10Aを形成する。筒状部10の開口10Aからは、アクチュエータ本体8を支持板9に固定させた螺子93を露出させることができるようになる。
【0025】
次に、図4に示すように、筒状部10の開口からドライバー等の工具100を差し込んで前記螺子93を外す。これにより、アクチュエータ本体8は、該螺子93が外されることによって支持板9との固定が解除されるようになる。しかし、アクチュエータ本体8はいまだ支持板9によって支持されている状態にある。
【0026】
次に、図5に示すように、ハウジング5に取り付けられている平板蓋部16を取り外す。なお、この平板蓋部16の取り外しは、必ずしもこの段階で取り外す必要はなく、たとえば筒状部10の先端を切り落とす前から取り外してよいことはもちろんである。これにより、ハウジング2の平板蓋部16の取り外しによって形成される開口18を通してアクチュエータ本体8の全体を露出させることができるようになる。そして、ハウジング2の開口18からの操作によってアクチュエータ本体8を図中x方向(矢印α方向)にスライドさせるようにする。この場合、アクチュエータ本体8は支持枠体7およびランプユニット6の下側支持軸67Bとの係合が解除されるようになる。そして、アクチュエータ本体8のスライドを続けることによって、アクチュエータ本体8に形成した各突出部83が支持板9に形成された切欠き部95に位置づけられ、アクチュエータ本体8のみを下方へ移動し得る状態(図2(b)参照)となる。
【0027】
次に、図6に示すように、アクチュエータ本体8を下方へ引っ張ることによって支持板9から離脱させるとともに、ハウジング2の開口18を通してハウジング2の外側に取り出す。この後は、アクチュエータ本体8に組み込まれるモータ等に支障がある場合に、補修あるいは部品の交換を行い、上述したと逆の手順によってアクチュエータ本体8をハウジング2内に収納し、平板蓋部16をハウジングに取り付けるようにする。
【0028】
さらに、図7に示すように、筒状部10には、予め容易しておいたキャップ11を封入させることにより、筒状部10の開口10Aを閉塞させ、防水効果を図るようにする。
〈筒状部10の詳細な構成〉
図8ないし図10は、ハウジングに形成された筒状部の構成を示す図で、部品の交換の手順によって変化する態様を示している。図8ないし図10において、それぞれ、(a)は斜視図を示し、(b)は(a)のb−b線における断面図を示している。
【0029】
図8(a)、(b)は、ハウジング2に形成された筒状部10で、図1に示した状態にある筒状部を示している。図8(a)、(b)に示すように、筒状部10は先端が閉塞されて形成されている。また、筒状部10は、ハウジング2側において第1の外径2Rを有する第1径部10Pと先端側において第1の外径2Rよりも小さな外径2R’を有する第2径部10Qを有するように形成されている。これにより、筒状部10は、ハウジング2の外側から目視した場合に、第1径部10Pと第2径部10Qとの境界に段差が形成されるようになり、筒状部の第1径部10Pと第2径部10Qとを容易に区別できるようになっている。そして、筒状部10は、図8(b)に示すように、第2径部10Qの側面における肉厚t2が第1径部10Oの側面における肉厚t1よりも小さく形成されている。この場合、第2径部10Qの先端の閉塞された部分(図中符号10Xで示す)は、第2径部10Qの側面における肉厚t2と等しく形成しても、第1径部10Pの側面における肉厚t1と等しく形成してもよい。
【0030】
図8(a)、(b)は、たとえばカッターを用いて第2径部10Qを切り落とし第1径部10Pが残存した筒状部10で、図3に示した状態にある筒状部10を示している。筒状部10の第2径部10Qの切り落としは、カッターを第1径部10Pと第2径部10Qとの段差部に沿って操作させることにより容易に行うことができる。この場合、上述したように第2径部10Qの肉厚t2は第1径部10Pの肉厚t2よりも小さく形成されていることから、カッターによる第2径部10Qの切り落としを容易に行うことができる。これにより、ハウジング2には第1径部10Pからなる筒状部10が残存されることになる。この場合、第1径部10Pと接続されて第2径部10Qが若干残るように第2径部10Qを切り落とすようにしてもよい。筒状部10から第2径部10Qを切り落とすことによって、第1径部10Pの先端に開口10Aが形成されるようになる。すなわち、アクチュエータ本体8と支持板9との固定を図る螺子93が筒状部10の開口10Aを通して目視できるとともに、該開口10Aを通して該螺子93を操作し得るドライバー(工具)を挿入させることができるようになる。この場合、筒状部10からの第2径部10Qの切り落としを、第2径部10Qが全く残らないようにすることによって、残存された筒状部10の開口10Aの径を大きくでき、ドライバーの操作を容易にできる効果を奏する。
【0031】
図10(a)、(b)は、モータの交換後において、第1径部10Pに防水用のキャップ11を嵌合させた筒状部10で、図7に示す状態にある筒状部10である。キャップ11は先端が閉塞された筒状蓋材から構成されている。キャップの内壁面の内径は第2径部の外壁面の外径より若干小さく形成されている。これにより、キャップ11を第1径部10Pに嵌合させた際は、キャップ11および第1径部10Pの材料がもつ弾性によって、キャップ11と第1径部10Pとの当接部は圧接された状態となって密着性が確保されるとともに、キャップ11は第1径部10Pから容易に取り外せないようになる。なお、キャップ11の上述した趣旨からキャップ11あるいは第1径部10Pには、防水性をさらに向上させるような工夫がされていてもよいことはいうまでもない。
【0032】
以上説明した実施態様1の車両用灯具1によれば、交換し得る部品を固定させる固定手段に対向するハウジング2に、先端部が閉塞された筒状部10を設けるようにしたものである。そして、部品の交換を必要とする車両用灯具1のみにおいて、筒状部10の先端部を切り落とし、この切り落としによって形成される筒状部10の開口10Aを通して工具100等により部品の固定手段の解除を行うことができる。このため、筒状部10の開口10Aを閉塞するキャップ11は、部品の交換を必要とする車両用灯具1のみに必要とされ、コストの低減を図ることができるようになる。
(実施態様2)
実施態様1では、ハウジング2の外に取り出す補修あるいは交換部品は、アクチュエータ81を一例としたものである。しかし、この交換部品は、実施態様1で示したアクチュエータ81であってもよいし、あるいはモータ、さらには他の部品であってもよいことはもちろんである。これらの部品がハウジング2内で固定手段によって固定され、この固定手段を筒状部10を通して解除できるように構成する場合には、該部品がいかなる構成のものであっても本発明を適用することができる。
(実施態様3)
実施態様1では、ハウジング2と前面レンズ3で構成される灯室4に1個のランプユニット6を配置させた構成としたものである。しかし、これに限定されることはなく、複数のランプユニット等を配置させるようにしてもよいことはいうまでもない。この場合に、他のユニットランプにおいても、交換可能な部品を備えるものにあって、本発明を適用させることができる。
(実施態様4)
実施態様1では、交換部品であるアクチュエータ本体8は、支持板9を介してハウジング2に固定されたものとして説明したものである。しかし、これに限定されることはなく、たとえば支持枠体7を介して固定されたものであってもよいことはいうまでもない。本発明は、交換可能な部品が、直接的にあるいは間接的にハウジング2に対して固定されているものあって適用できるものである。
【0033】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0034】
1……車両用灯具、2……ハウジング、2A……開口部、3……前面レンズ、3A……周縁部(前面レンズの)、4……灯室、5……溝部、6……ランプユニット、7……支持枠体、8……アクチュエータ本体、9……支持板、10……筒状部、10A……開口、10P……第1径部、10Q……第2径部、11……キャップ、16……平板蓋部、17……螺子、18……開口、61……突状レンズ、63……リフレクタ、65……光源、67……支持軸、67A……上側支持軸、67B……下側支持軸、81……アクチュエータ、83……突出部、85……長孔、
91……螺子挿入孔、93……螺子、95……切り欠き部、100……工具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと前面レンズによって構成される灯室内に交換可能な部品が収納され、
前記部品は、前記ハウジングに対して固定される固定手段を工具を用いて固定解除することによって、前記灯室外に取り出せるように構成されている車両用灯具であって、
前記ハウジングの前記部品の固定手段に対向する個所に、先端が閉塞された筒状部が形成され、前記筒状部は、前記ハウジング側において第1の外径を有する第1径部と先端側において前記第1の外径よりも小さな外径を有する第2径部を備えて構成され、
前記筒状部の第2径部の切断によって前記筒状部に形成される開口を通して挿入される前記工具を用いて前記部品の前記固定手段による固定解除ができるとともに、前記筒状部の前記開口をキャップによって閉塞できるように構成されていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記筒状部は、前記第2径部の側面における肉厚が前記第1径部の側面における肉厚よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記キャップは、一方が閉塞された筒状蓋材から構成され、その内壁面が前記筒状部の第1径部の側面に圧接された状態で、前記筒状部材に嵌合されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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