説明

車両用緩衝器

【課題】伸縮時のピストン速度が低速である場合にあっても減衰力発生応答性を向上することができ、車両における乗り心地をも向上することができる車両用液圧緩衝器を提供することである。
【解決手段】車両用緩衝器Dにおいて、シリンダ1外に設けられた副筒3と、副筒3内の一端側に設けられた伸側隔壁4と、この伸側隔壁4に設けた伸側減衰バルブ5および伸側チェック弁6と、副筒3内の他端側に設けられた圧側隔壁7と、この圧側隔壁7に設けた圧側減衰バルブ8および圧側チェック弁9と、伸側隔壁4と圧側隔壁7とで副筒3内に区画した液室Lと、副筒3内に収容されて液室Lを加圧する加圧手段10とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用緩衝器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用緩衝器にあっては、減衰力発生応答性の向上を図ったものとして、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されて中央にピストンを保持するピストンロッドと、シリンダの下端に連結される外筒と、外筒内に収容されてピストンロッドの下端側の挿通を許容する内筒と、外筒と内筒の双方に摺動自在に挿入されて外筒と内筒との間に液室と気室とを画成するフリーピストンとを備えたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
車両用緩衝器の減衰力発生応答性を向上させる方法としては、シリンダ内の圧力を高めることが挙げられる。一般的に、液体は、弾性を備えており、また、液体中に気体が溶け込んでいる場合には、液柱剛性は低くなる。液柱剛性が低くなると、車両用緩衝器の伸縮し始めにおいて、液体がばねとして振る舞って、減衰力の立ち上がりが時間的に遅れる傾向となる。そこで、シリンダ内圧力を高くして液体を加圧し、液柱剛性を高くしておくと、減衰力発生応答性が向上するのである。
【0004】
しかしながら、片ロッド型の緩衝器でシリンダ内圧力を高く設定すると、緩衝器は、シリンダ内圧によって常に伸長するように附勢されるため、ロッド反力が大きくなって、却って車両における乗り心地を損なってしまう結果となる。
【0005】
これに対して上記した従来の車両用緩衝器にあっては、ピストンロッドが伸側室と圧側室の双方に挿通される、いわゆる両ロッド型の緩衝器とされているため、片ロッド型緩衝器のように、気室の圧力を高く設定してシリンダ内圧力を高めても、ロッド反力が大きくならないことから、液柱剛性を高めて減衰力発生応答性を向上しつつも、車両における乗り心地を損なわず、減衰力発生応答性の向上と乗心地とを両立させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−71413号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した従来の車両用緩衝器にあっては、特に、伸縮し始めやゆっくり伸縮する場合、ピストン速度が低く、液体が圧側室と液室とを連通するオリフィスをさほど抵抗なく通過することができる。つまり、オリフィスを通過する液体の流量が小さい場合、オリフィスが液体の流れに与える抵抗が小さくなるから、液体は液室と圧側室とを抵抗なく行き来することができるため、見掛け上、液室も圧側室として振る舞うようになる。
【0008】
見掛け上の液室が圧側室と振る舞うと、見掛け上の圧側室の液体量は、圧側室の液体量に液室の液体量を加算したものとなるから、当該見掛け上の圧側室の液体の液柱剛性は、圧側室のみの液体の液柱剛性よりも低くなる。
【0009】
したがって、従来の車両用緩衝器にあっては、伸縮時のピストン速度が低くなる場合、見掛け上、圧側室の液柱剛性が低くなるため、減衰力の立ち上がりが時間的に遅れることになる、つまり、減衰力発生応答性が悪くなる。
【0010】
また、伸縮初期の車両用緩衝器の減衰力発生応答性が悪いと、車両旋回時、制動時や加速時といった車体の姿勢変化を姿勢変化初期からしっかり抑制することができなくなるため、車両における乗り心地も悪くなる。
【0011】
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、伸縮時のピストン速度が低速である場合にあっても減衰力発生応答性を向上することができ、車両における乗り心地をも向上することができる車両用液圧緩衝器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、当該シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダの一端側に上記ピストンで区画した伸側室と、上記シリンダの他端側に上記ピストンで区画した圧側室とを備え、車両の車体と車軸との間に介装される車両用緩衝器において、上記シリンダ外に設けられた副筒と、当該副筒内の一端側に設けられた伸側隔壁と、上記副筒内の他端側に設けた圧側隔壁と、上記伸側隔壁と圧側隔壁とで上記副筒内に区画した液室と、上記副筒内に収容されて上記液室を加圧する加圧手段と、上記副筒内の上記伸側隔壁の反液室側を上記伸側室へ連通する伸側通路と、上記副筒内の上記圧側隔壁の反液室側を上記圧側室へ連通する圧側通路と、上記伸側隔壁に設けられて伸側室から液室へ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側減衰バルブと、上記伸側隔壁に上記伸側減衰バルブに対して並列に設けられて上記液室から上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェック弁と、上記圧側隔壁に設けられて上記圧側室から上記液室へ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側減衰バルブと、上記圧側隔壁に上記圧側減衰バルブに対して並列に設けられて上記液室から上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェック弁とを備えたことを特徴とする。
【0013】
この車両用緩衝器は、液室と液室を加圧する加圧手段を備えているので、シリンダ内の伸側室と圧側室内の液柱剛性を高めることができる。そして、この車両用緩衝器にあっては、伸長行程時に圧縮される伸側室が伸側減衰バルブを介して液室に連通され、収縮行程時に圧縮される圧側室が圧側減衰バルブを介して液室に連通されるようになっているので、伸縮行程時において液室が圧縮側の室として振る舞うことがなく液体の液柱剛性の低下を招くことがない。
【0014】
また、この車両用緩衝器にあっては、伸側室がシリンダの一端側に設けられるとともに伸側減衰バルブがシリンダ外に設けられた副筒内の一端側に設けられ、さらには、圧側室がシリンダの他端側に設けられるとともに圧側減衰バルブがシリンダ外に設けられた副筒内の他端側に設けられるので、伸側室から伸側減衰バルブまでの流路長および圧側室から圧側減衰バルブまでの流路長を短くすることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上より、本発明の車両用緩衝器によれば、伸縮時のピストン速度が低速である場合であっても減衰力発生応答性を向上することができ、車両における乗り心地をも向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施の形態における車両用緩衝器の縦断面図である。
【図2】一実施の形態における車両用緩衝器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1に示すように、一実施の形態における車両用緩衝器Dは、シリンダ1と、当該シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、シリンダ1の一端側となる上端側にピストン2で区画した伸側室R1と、シリンダ1の他端側となる下端側にピストン2で区画した圧側室R2と、シリンダ1外に設けられた副筒3と、副筒3内の一端側となる上端側に設けられた伸側隔壁4と、副筒3内の他端側となる下端側に設けた圧側隔壁7と、伸側隔壁4と圧側隔壁7とで副筒3内に区画した液室Lと、副筒3内に収容されて液室Lを加圧する加圧手段10と、副筒3内の伸側隔壁4の反液室側に形成される空間11を伸側室R1へ連通する伸側通路12と、副筒3内の圧側隔壁7の反液室側に形成される空間13を圧側室R2へ連通する圧側通路14と、伸側隔壁4に設けられて伸側室R1から液室Lへ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側減衰バルブ5と、伸側隔壁4に伸側減衰バルブ5に対して並列に設けられて液室Lから伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェック弁6と、圧側隔壁7に設けられて圧側室R2から液室Lへ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側減衰バルブ8と、圧側隔壁7に圧側減衰バルブ8に対して並列に設けられて液室Lから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェック弁9とを備えて構成されており、図示しない車両の車体と車軸との間に介装されて伸縮時に減衰力を発揮して車体の振動を抑制するものである。なお、この実施の形態では、シリンダ1と副筒3の一端側を図1中上端とし、シリンダ1と副筒3の他端側を図1中下端としており、この姿勢で車両用緩衝器Dが図外の車体と車軸との間に介装されるようにしているが、シリンダ1と副筒3の一端側を図1中下端とし、シリンダ1と副筒3の他端側を図1中上端とし、つまり、天地逆向きにして車両用緩衝器Dを図外の車体と車軸との間に介装することも可能である。すなわち、一端は、上端に限定されるものではなく、他端も同様に下端に限定されるものではない。
【0018】
以下、各部材について詳細に説明する。シリンダ1は、筒状のアウターシリンダ15と、アウターシリンダ15の内周に嵌合されてピストン2が摺動自在に挿入される筒状のインナーシリンダ16とを備えて構成されている。
【0019】
アウターシリンダ15は、上端内径を下方の内径よりも大径にして設けた大径部15aと、当該大径部15aよりも図1中上方の開口部内周に設けた雌螺子部15bと、下方の内周に設けられて内周側へ突出する環状凸部15cと、下端外周に設けた雄螺子部15dとを備えている。なお、雄螺子部15dには、図示はしないが、アウターシリンダ15を車両の図示しない車軸側へ連結可能なブラケットが螺着される。
【0020】
アウターシリンダ15は、インナーシリンダ16よりも長く、上記した大径部15aの内周には、ピストン2を保持してシリンダ1内に移動自在に挿入されるピストンロッド17の図1中上部17a側を軸支する環状のロッドガイド18が嵌合されている。また、アウターシリンダ15の図1中下方内周には、ピストンロッド17の図1中下部17b側を軸支する環状のロッドガイド19が嵌合されている。
【0021】
また、アウターシリンダ15の大径部15aの内周であってロッドガイド18よりも上方には、ピストンロッド17とアウターシリンダ15との間をシールする環状のシール部材20が装着され、アウターシリンダ15の下方内周であって環状凸部15cとロッドガイド19との間にもピストンロッド17とアウターシリンダ15との間をシールする環状のシール部材21が装着される。
【0022】
そして、アウターシリンダ15の内方に、シール部材21、ロッドガイド19、インナーシリンダ16、ロッドガイド18、シール部材20の順に収容し、雌螺子部15bに外周に螺子部を持つナット22を螺着すると、上記したアウターシリンダ15内に収容される各部材がナット22と環状凸部15cとで挟持されてアウターシリンダ15に固定される。このようにして上記シール部材20,21とでピストンロッド17とシリンダ1との間が密にシールされ、伸側室R1および圧側室R2は、液密に保たれている。
【0023】
ロッドガイド18は、図1中下端側の外径が小径に設定される小径部18aを備え、当該小径部18aと下端とを連通する孔18bとを備えている。このロッドガイド18をアウターシリンダ15内に上記した各部材とともに収容すると、小径部18aと大径部15aとの間に環状隙間Aが形成されるようになっている。また、小径部18aに開口する孔18bは、環状隙間Aに対向するようになっている。さらに、環状隙間Aは、アウターシリンダ15に周方向に沿って設けられてアウターシリンダ15内外を連通する長孔15eに対向している。
【0024】
ロッドガイド18は、孔18bの図1中上下にてアウターシリンダ15との間をシールすることができるように、孔18bを上下に挟む位置の外周に環状のシールリング18c,18dを装着している。具体的には、シールリング18cは、ロッドガイド18における小径部18aの外周に装着され、シールリング18dは、ロッドガイド18の小径部18aよりも上方で大径な外周に装着されている。このようにシールリング18c,18dを設けることで、ロッドガイド18をアウターシリンダ15内に嵌合する際に、シリンダ内側のシールリング18cがアウターシリンダ15に設けた長孔15eと干渉することがなくシールリング18cを傷めることがない。
【0025】
また、ロッドガイド19は、図1中下端側の外径が小径に設定される小径部19aを備え、当該小径部19aと下端とを連通する孔19bとを備えている。このロッドガイド19をアウターシリンダ15内に上記した各部材とともに収容すると、小径部19aとアウターシリンダ15との間に環状隙間Bが形成されるようになっている。また、小径部19aに開口する孔19bは、環状隙間Bに対向するようになっている。さらに、環状隙間Bは、アウターシリンダ15に周方向に沿って設けられてアウターシリンダ15内外を連通する長孔15fに対向している。
【0026】
なお、インナーシリンダ16は、内周が表面処理されており、ピストン2と円滑な摺動を実現できるようになっている。このように、アウターシリンダ15よりも短いインナーシリンダ16の表面処理を行えばよいので、長いアウターシリンダ15の表面処理を行わなくて済むから加工コストを低減でき、ピストン2から入力される図中横方向の力をインナーシリンダ16で受けるので、アウターシリンダ15に軽量で比較的軟らかい金属を使用することも可能となる。なお、当然であるが、インナーシリンダ16を廃して、アウターシリンダ15の内周にピストン2を摺接させるようにすることも可能である。
【0027】
ピストン2は、環状とされており、ピストンロッド17の中間に固定されている。具体的には、ピストンロッド17は、上部17aと、下部17bとで構成され、上部17aの下端に設けた螺子軸17cを下部17bの上端に設けた螺子孔17dに螺子締結することで一体とされ、上部17aと下部17bでピストン2を挟み込んでピストン2を固定している。なお、ピストン2は、シリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画していて、この場合、伸側室R1と圧側室R2とを接続する通路などは備えていない。
【0028】
なお、本実施の形態では、車両用緩衝器Dは、ピストン2がピストンロッド17の中間に固定され、ピストンロッド17の上端と下端とがシリンダ1から外部へ突出する、いわゆる、両ロッド型の緩衝器とされているが、ピストンロッド17の下部17bを廃止して上部17aの下端にピストン2を固定する、いわゆる、片ロッド型の緩衝器とされてもよい。
【0029】
つづいて、副筒3は、下端が底部3aによって閉塞される有底筒状であって、一端となる上端と他端となる下端には内外を連通する長孔3b,3cが設けられている。この副筒3は、図2に示すように、接続パイプ23,24によって、シリンダ1に支持されつつ連結されている。
【0030】
接続パイプ23は、一対のパイプ23a,23bと、パイプ23a,23b同士を接続する連結パイプ23cとで構成されている。パイプ23a及びパイプ23bは、シリンダ1におけるアウターシリンダ15と副筒3に溶接等によって、シリンダ1及び副筒3の軸方向に対して直角方向に固定されている。パイプ23aは、両端が閉塞されており、内部はアウターシリンダ15の長孔15eに通じている。長孔15eは、上記した環状隙間Aおよび孔18bを介して伸側室R1へ通じている。パイプ23bも同様に両端が閉塞されており、内部が副筒3の長孔3bに通じている。接続パイプ23cは、内部がパイプ23a内とパイプ23b内に連通されている。したがって、接続パイプ23は、シリンダ1の伸側室R1と副筒3内とを連通しており、伸側通路12を形成している。なお、接続パイプ23は、この実施の形態では、二つ設けられていて、シリンダ1と副筒3とを接続パイプ23,23で挟み込むようにして配置され、シリンダ1と副筒3とを強固に連結せしめている。
【0031】
また、接続パイプ24は、一対のパイプ24a,24bと、パイプ24a,24b同士を接続する連結パイプ24cとで構成されている。パイプ24a及びパイプ24bは、シリンダ1におけるアウターシリンダ15と副筒3に溶接等によって、シリンダ1及び副筒3の軸方向に対して直角方向に固定されている。パイプ24aは、両端が閉塞されており、内部はアウターシリンダ15の長孔15fに通じている。長孔15fは、上記した環状隙間Bおよび孔19bを介して圧側室R2へ通じている。パイプ24bも同様に両端が閉塞されており、内部が副筒3の長孔3cに通じている。接続パイプ24cは、内部がパイプ24a内とパイプ24b内に連通されている。したがって、接続パイプ24は、シリンダ1の圧側室R1と副筒3内と連通しており、圧側通路14を形成している。なお、接続パイプ24は、この実施の形態では、二つ設けられていて、シリンダ1と副筒3とを接続パイプ24,24で挟み込むようにして配置され、シリンダ1と副筒3とを強固に連結せしめている。
【0032】
このように、伸側通路12と圧側通路14を形成する接続パイプ23,24にて、シリンダ1と副筒3とを連結することで、別途シリンダ1と副筒3の連結する部材を設ける必要がなく、車両用緩衝器Dのコストを低減することができる。
【0033】
勿論、シリンダ1と副筒3とを単一の部品で構成することも可能である。その場合、伸側通路12と圧側通路14を形成する際の孔あけ加工が面倒となったり、加工上の理由から伸側通路12と圧側通路14の位置に制約を受けるが、シリンダ1と副筒3とを別部品とすることで加工の上でこれらの位置に制限を受けたり加工が煩雑とならないという利点がある。
【0034】
副筒3の一端である図1中上端の内周には、伸側隔壁4が嵌合され、副筒3の他端である図1中下端の内周には、圧側隔壁7が嵌合されていて、副筒3内の伸側隔壁4と圧側隔壁7との間には液室Lが画成されている。
【0035】
伸側隔壁4は、環状であって、副筒3の一端の開口端に螺着されて当該開口端を閉塞するキャップ25に保持されている。具体的には、キャップ25は、環状であって副筒3に螺着されるキャップ本体26と、キャップ本体26内に挿通される軸部材27と、キャップ本体26の内周に螺着されて軸部材27のキャップ本体26からの抜けを防止するナット28と、軸部材27に螺着される気圧調整用バルブ29とを備えている。
【0036】
伸側隔壁4は、軸部材27の外周に装着されており、その反液室側であるキャップ本体26との間に環状の空間11を形成し、並列してそれぞれ空間11と液室Lとを連通するポート4a,4bを備えている。
【0037】
また、伸側隔壁4には、その図1中下端となる液室側に、軸部材27の外周に固定されてポート4bを開閉する環状のリーフバルブでなる伸側減衰バルブ5が積層されて設けられ、その図1中上端側となる反液室側に、軸部材27の外周に固定されてポート4aを開閉する環状の伸側チェック弁6が積層されて設けられている。なお、伸側減衰バルブ5は、伸側室R1から液室Lへ向かう液体の流れのみを許容し当該流れに対して抵抗を与えるものであればよいので、リーフバルブ以外の減衰バルブとされてもよく、チョークやオリフィス等といった双方向通行を許すバルブとチェック弁との組み合わせとされてもよい。
【0038】
さらに、伸側隔壁4は、副筒3に設けた長孔3bよりも図1中下方側に配置されており、上記した空間11は、副筒3に設けた長孔3bに対向していて、接続パイプ23よって、伸側室R1へ連通される。
【0039】
そのため、車両用緩衝器Dが伸長作動する場合、ピストン2には伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路がないため、圧縮される伸側室R1内の液体は、伸側通路12を介して空間11へ至り、伸側減衰バルブ5を押し開いてポート4bを介して液室Lへ移動するようになっている。なお、この場合、伸側チェック弁6は、ポート4aを閉じたままとなる。
【0040】
逆に、車両用緩衝器Dが収縮作動する場合、ピストン2には伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路がないため、液室L内の液体は、伸側チェック弁6を押し開いて、伸側通路12を介して拡大される伸側室R1内に移動する。なお、この場合、伸側減衰バルブ5は、ポート4bを閉じたままとなる。
【0041】
したがって、ポート4bは、伸側減衰バルブ5が伸側室R1から液室Lへ向かう流れのみを許容するようになっているので一方通行のポートに設定され、ポート4aは、伸側チェック弁6が液室Lから伸側室R1へ向かう流れのみを許容するようになっているので一方通行のポートに設定されている。
【0042】
また、圧側隔壁7は、環状であって、副筒3の他端となる下端の内周に嵌合されており、その内周には、軸部材30が挿通されている。この軸部材30は、軸部30aと、軸部30aの下端にフランジ30bを備えている。このフランジ30bが副筒3の底部3aに載置されると、圧側隔壁7と底部3aとの間に間隙が生じ、この間隙で副筒3内の圧側隔壁7の反液室側に空間13が形成される。そして、圧側隔壁7は、並列してそれぞれ空間13と液室Lとを連通するポート7a,7bを備えている。
【0043】
また、圧側隔壁7には、その図1中上端となる液室側に、軸部30aの外周に固定されてポート7aを開閉する環状のリーフバルブでなる圧側減衰バルブ8が積層されて設けられ、その図1中下端側となる反液室側に、軸部材30aの外周に固定されてポート7bを開閉する環状の圧側チェック弁9が積層されて設けられている。なお、圧側減衰バルブ8は、圧側室R2から液室Lへ向かう液体の流れのみを許容し当該流れに対して抵抗を与えるものであればよいので、リーフバルブ以外の減衰バルブとされてもよく、チョークやオリフィス等といった双方向通行を許すバルブとチェック弁との組み合わせとされてもよい。
【0044】
さらに、圧側隔壁7は、副筒3に設けた長孔3cよりも図1中上方側に配置されており、上記した空間13は、副筒3に設けた長孔3cに対向していて、接続パイプ24よって、圧側室R2へ連通される。
【0045】
そのため、車両用緩衝器Dが収縮作動する場合、ピストン2には伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路がないため、圧縮される圧側室R2内の液体は、圧側通路14を介して空間13へ至り、圧側減衰バルブ8を押し開いてポート7aを介して液室Lへ移動するようになっている。なお、この場合、圧側チェック弁9は、ポート7bを閉じたままとなる。
【0046】
逆に、車両用緩衝器Dが伸長作動する場合、ピストン2には伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路がないため、液室L内の液体は、圧側チェック弁9を押し開いて、圧側通路14を介して拡大される圧側室R2内に移動する。なお、この場合、圧側減衰バルブ8は、ポート7aを閉じたままとなる。
【0047】
したがって、ポート7aは、圧側減衰バルブ8が圧側室R2から液室Lへ向かう流れのみを許容するようになっているので一方通行のポートに設定され、ポート7bは、圧側チェック弁9が液室Lから圧側室R2へ向かう流れのみを許容するようになっているので一方通行のポートに設定されている。
【0048】
つづいて、加圧手段10は、この実施の形態では、副筒3内に収容されて一方の端部が液室Lに開放される加圧筒31と、当該加圧筒31内に摺動自在に挿入されるフリーピストン32と、当該フリーピストン32を液室Lへ向けて附勢する附勢手段としての気体ばねSとで構成されている。
【0049】
詳しくは、加圧筒31は、有頂筒状とされていて、下端である一方の端部が液室Lに開放されていて、上端の頂部31aには挿通孔31bが設けられており、当該挿通孔31b内にはキャップ25の軸部材27が挿入されている。そして、軸部材27の下端にはナット33が螺着され、加圧筒31は、伸側減衰バルブ5、伸側隔壁4および伸側チェック弁6とともに、軸部材27に固定されるようになっている。
【0050】
そして、この加圧筒31内には、フリーピストン32が摺動自在に挿入されていて、フリーピストン32は加圧筒31内に気体が封入される気室Gを区画している。この気室G内の圧力で、フリーピストン32を図1中下方へ押圧して液室Lを加圧しており、これによって、附勢手段としての気体ばねSを形成している。
【0051】
また、加圧筒31の下端には、環状のアダプタ34が嵌合されている。このアダプタ34は、複数の孔34aが設けられており、この孔34aによって加圧筒31が液室Lに開放されるように配慮されている。なお、孔34aは、オリフィスとして機能するようにしてもよいが、液室Lは伸側減衰バルブ5と圧側減衰バルブ8との間に配置されていて、車両用緩衝器Dが伸縮作動しても伸側室R1と圧側室R2のうち高圧となる室に対して常に減衰バルブ5,8の下流となって低圧となるので、孔34aを絞りとして機能させずとも良い。
【0052】
また、アダプタ34は、圧側隔壁7、圧側減衰バルブ8および圧側チェック弁9および軸部材30を副筒3内に固定するために設けられるものである。具体的には、アダプタ34は、内周に軸部材30の軸部30aが嵌合されるようになっている。そして、副筒3の上端内周に螺着されたキャップ本体26に螺着されるナット28を締め込むと、軸部材27がナット28に押され、軸部材27が加圧筒31を押し、加圧筒31がアダプタ34を押し、このアダプタ34と副筒3の底部3aとの間で、圧側隔壁7、圧側減衰バルブ8および圧側チェック弁9および軸部材30が挟持されて、副筒3内に収容される各部材が副筒3に固定されることになる。つまり、キャップ本体26を副筒3に螺着した後、ナット28を螺着することで、副筒3内に収容される各部材を固定することができ、また、ナット28とキャップ本体26を副筒3から取り外すだけで簡単に分解することが可能である。なお、加圧筒31はナット33によって伸側隔壁4、伸側減衰バルブ5および伸側チェック弁6とともに軸部材27に固定されているが、これは副筒3内に各部材を収容する組立行程において、その組み立てを容易とするために設けられているが、ナット33を省略することも可能である。
【0053】
副筒3の図1中上端の開口端を閉塞するキャップ25は、環状であって副筒3に螺着されるキャップ本体26と、キャップ本体26内に挿通される軸部材27と、キャップ本体26の内周に螺着されて軸部材27のキャップ本体26からの抜けを防止するナット28と、軸部材27に螺着される気圧調整用バルブ29とを備えている。
【0054】
キャップ本体26は、内周と外周に螺子部26a,26bとを備えており、副筒3の内周に螺着されている。軸部材27は、キャップ本体26内に嵌合する基端部27aと、基端部27aよりも外径が小径な小径部27bと、小径部27bの先端となる図1中下端の外周に設けた螺子部27cと、基端部27aの図1中上端から小径部27bの下端へ抜ける気道27dとを備えて構成されている。
【0055】
軸部材27の小径部27bの外周には、上述したように、図1中上から順に、伸側チェック弁6、伸側隔壁4、伸側減衰バルブ5および加圧筒31の頂部31aが装着され、これらの部材は、ナット33を螺子部27cに螺着すると基端部27aとナット33とで挟持されて軸部材27に固定される。この軸部材27をキャップ本体26内に嵌合したのち、環状のナット28をキャップ本体26の螺子部26bに螺着すると、上記のように、副筒3内に収容される各部材を副筒3に固定できる。ナット28は、環状であるので、基端部27aの端部に開口する気道27dを閉塞しないようになっており、気道27dの基端部27a側端の内周には、気圧調整用バルブ29が螺着される。ナット28は、気圧調整用バルブ29の挿通を許容しており、当該気圧調整用バルブ29の図1中上端を工具等で把持して軸部材27への螺着や軸部材27からの取り外しができるようになっている。
【0056】
なお、上記したところでは、副筒3の図1中上端を開口端としてキャップ25で蓋するようにしているが、逆に、副筒3の図1中下端を開口端としてキャップ25で蓋するようにしてもよい。その場合、キャップ25で圧側隔壁7、圧側減衰バルブ8、圧側チェック弁9を保持するようにすればよい。また、副筒3が両端とも開放される筒状とされていてもよく、その場合には、両端のそれぞれをキャップで蓋するようにすればよい。
【0057】
また、軸部材27の小径部27bの下端は、加圧筒31内に突出しており、フリーピストン32で加圧筒31内に区画された気室Gに臨んでいる。したがって、軸部材27における気道27dは、下端が気室Gに、上端が外部に通じており、気道27dを介して気室Gへ気体を供給したり、気室Gから気体を排出したりして、気室G内の圧力を調節することができるようになっている。この車両用緩衝器Dにあっては、気室Gと気体とで気体ばねSを構成して液室Lを加圧することができ、液室Lの圧力は伸側室R1と圧側室R2へ伝播するので、シリンダ1内をも加圧することができる。なお、この実施の形態の場合、気体ばねSで液室Lを加圧するが、気体ばねSの他に、コイルばね等といった気体ばね以外のばねと加圧筒31とフリーピストン32とで液室Lを加圧する加圧手段を構成してもよいし、加圧手段としては、その他にも、加圧筒31を設けずに、液室L内に内部に気体を充填した金属ベローズやダイヤフラム等を収容し、これを加圧手段としてもよく、金属ベローズを使用する場合には、内部に気体ばね以外のばねを設けるようにしてもよい。
【0058】
つづいて、上述のように構成された車両用緩衝器Dの作動について説明する。まず、図1中でピストン2が上方へ移動して車両用緩衝器Dが伸長する場合、ピストン2の上昇によって伸側室R1が圧縮されて、当該伸側室R1の液体は、伸側減衰バルブ5を介して液室Lへ流入する。また、ピストン2の上昇によって拡大される圧側室R2に対しては、圧側チェック弁9が開いて液室Lから液体が供給される。したがって、この伸長行程時には、車両用緩衝器Dは、液体が伸側減衰バルブ5を通過する際に生じる伸側室R1と圧側室R2の圧力差に応じて伸側減衰力を発揮する。
【0059】
他方、図1中でピストン2が下方へ移動する車両用緩衝器Dが収縮する場合、ピストン2の下降によって圧側室R2が圧縮されて、当該圧側室R2の液体が圧側減衰バルブ8を介して液室Lへ流入する。また、ピストン2の下降によって拡大される伸側室R1に対しては、伸側チェック弁6が開いて液室Lから液体が供給される。したがって、この収縮行程時には、車両用緩衝器Dは、液体が圧側減衰バルブ8を通過する際に生じる圧側室R2と伸側室R1の圧力差に応じて圧側減衰力を発揮する。
【0060】
この車両用緩衝器Dは、液室Lと液室Lを加圧する加圧手段10を備えているので、シリンダ1内の伸側室R1と圧側室R2内の液柱剛性を高めることができる。そして、この車両用緩衝器Dにあっては、伸長行程時に圧縮される伸側室R1が伸側減衰バルブ5を介して液室Lに連通され、収縮行程時に圧縮される圧側室R2が圧側減衰バルブ8を介して液室Lに連通されるようになっているので、伸縮行程時において液室Lが圧縮側の室として振る舞うことがなく液体の液柱剛性の低下を招くことがない。
【0061】
また、この車両用緩衝器Dにあっては、伸側室R1がシリンダ1の一端側に設けられるとともに伸側減衰バルブ5がシリンダ1外に設けられた副筒3内の一端側に設けられ、さらには、圧側室R2がシリンダ1の他端側に設けられるとともに圧側減衰バルブ8がシリンダ1外に設けられた副筒3内の他端側に設けられるので、伸側室R1から伸側減衰バルブ5までの流路長および圧側室R2から圧側減衰バルブ8までの流路長を短くすることができる。
【0062】
このように、車両用緩衝器Dによれば、伸側室R1と圧側室R2の液柱剛性を高めることができるだけでなく、伸縮行程時においても伸側室R1と圧側室R2内の液柱剛性が低下せず、伸側室R1から伸側減衰バルブ5までの流路長および圧側室R2から圧側減衰バルブ8までの流路長を短くすることができるので、伸縮時のピストン速度が低速である場合であっても減衰力発生応答性を向上することができ、車両における乗り心地をも向上することができる。したがって、この車両用緩衝器Dにあっては、車両旋回時、制動時や加速時といった車体の姿勢変化を姿勢変化初期からしっかり抑制することができる。
【0063】
また、加圧手段10が副筒3内に収容されて一方の端部が液室Lに開放される加圧筒31と、加圧筒31内に摺動自在に挿入されるフリーピストン32と、フリーピストン32を液室Lへ向けて附勢する附勢手段とを備えることで、副筒3内の伸側隔壁4と圧側隔壁7の間に無理なく加圧手段10を設けることができる。
【0064】
さらに、副筒3の端部をキャップ25で閉塞し、加圧筒31が伸側隔壁4とともにキャップ25に固定されるようにすることで、加圧筒31の副筒3内への設置と固定が容易となる。副筒3の図1中下端となる他端を開口端として、これをキャップ25で閉塞する場合には、加圧筒31を圧側隔壁7とともにキャップ25に固定するようにしても同様に、加圧筒31の設置と固定が容易となる。
【0065】
また、本実施の形態における車両用緩衝器Dでは、両ロッド型とされているので、伸縮作動に際して、加圧筒31内とシリンダ1とで液体の出入りがなくいため、加圧筒31内での圧力変動がなく、更なる減衰力応答性の向上に寄与できる。
【0066】
そして、副筒3が有底筒状であって、圧側隔壁7を加圧筒31の端部と副筒3の底部3aとで挟持して副筒3に固定するようにすることで、副筒3に収容される各部材の組み付けと分解が容易となる。
【0067】
附勢手段は、加圧筒31内にフリーピストン32で区画した気室G内に封入した気体で液室Lを加圧する気体ばねSとされて、キャップ25が気室Gに連通する気道27dと、気道27dの途中に設けた気圧調整用バルブ29とを備えることで、附勢手段における附勢力の調節が容易となるだけでなく、金属製のコイルばね等を用いるものに比較して車両用緩衝器Dを軽量化することができる。
【0068】
またさらに、伸側通路12を形成する接続パイプ23と、圧側通路14を形成する接続パイプ24とで、副筒3を支持してシリンダ1へ連結するようにしたので、別途シリンダ1と副筒3の連結する部材を設ける必要がなく、車両用緩衝器Dのコストを低減することができる。また、シリンダ1と副筒3とを別部品とすることで加工の上でこれらの位置に制限を受けず、加工が煩雑とならないという利点がある。
【0069】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の車両用液圧緩衝器は、車両の制振用途に利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 シリンダ
2 ピストン
3 副筒
4 伸側隔壁
5 伸側減衰バルブ
6 伸側チェック弁
7 圧側隔壁
8 圧側減衰バルブ
9 圧側チェック弁
10 加圧手段
12 伸側通路
14 圧側通路
23,24 接続パイプ
25 キャップ
27d 気道
29 気圧調整用バルブ
31 加圧筒
32 フリーピストン
D 車両用緩衝器
G 気室
L 液室
R1 伸側室
R2 圧側室
S 附勢手段としての気体ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、当該シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダの一端側に上記ピストンで区画した伸側室と、上記シリンダの他端側に上記ピストンで区画した圧側室とを備え、車両の車体と車軸との間に介装される車両用緩衝器において、上記シリンダ外に設けられた副筒と、当該副筒内の一端側に設けられた伸側隔壁と、上記副筒内の他端側に設けた圧側隔壁と、上記伸側隔壁と圧側隔壁とで上記副筒内に区画した液室と、上記副筒内に収容されて上記液室を加圧する加圧手段と、上記副筒内の上記伸側隔壁の反液室側を上記伸側室へ連通する伸側通路と、上記副筒内の上記圧側隔壁の反液室側を上記圧側室へ連通する圧側通路と、上記伸側隔壁に設けられて伸側室から液室へ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側減衰バルブと、上記伸側隔壁に上記伸側減衰バルブに対して並列に設けられて上記液室から上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェック弁と、上記圧側隔壁に設けられて上記圧側室から上記液室へ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側減衰バルブと、上記圧側隔壁に上記圧側減衰バルブに対して並列に設けられて上記液室から上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェック弁とを備えたことを特徴とする車両用緩衝器。
【請求項2】
上記加圧手段は、上記副筒内に収容されて一方の端部が上記液室に開放される加圧筒と、当該加圧筒内に摺動自在に挿入されるフリーピストンと、当該フリーピストンを上記液室へ向けて附勢する附勢手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用緩衝器。
【請求項3】
上記副筒の端部を閉塞するキャップを備え、上記加圧筒は、上記伸側隔壁或いは上記圧側隔壁の一方とともに上記キャップに固定されることを特徴とする請求項2に記載の車両用緩衝器。
【請求項4】
上記副筒は、有底筒状であって、上記伸側隔壁或いは上記圧側隔壁の他方は、上記加圧筒の端部と上記副筒の底部で挟持されて上記副筒に固定されることを特徴とする請求項3に記載の車両用緩衝器。
【請求項5】
上記附勢手段は、上記加圧筒内に上記フリーピストンで区画した気室内に封入した気体で上記液室を加圧する気体ばねであって、上記キャップは、上記気室に連通する気道と、当該気道の途中に設けた気圧調整用バルブとを備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の車両用緩衝器。
【請求項6】
上記伸側通路を形成する接続パイプと、上記圧側通路を形成する接続パイプとで、上記副筒を支持して上記シリンダへ連結したことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用緩衝器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−104495(P2013−104495A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249306(P2011−249306)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】