説明

車輪付移動式鶏舎

【課題】 雑草地でを簡単に移動させる事ができる構造の鶏舎を提供する。
【解決手段】鶏舎の天井部を覆い雨と日照から鶏舎内部を防護する覆いとなる屋根12と、鶏舎の側面を覆い鶏22の飼育と防護に適する網目を有する防護網14と、屋根12と防護網14とを支持し、下面が開放された構造のフレーム16と、フレーム16に固定されて、少なくとも一端が防護網14の側方へ突出した構造のハンドル18と、フレーム16の下部に固定されて、ハンドル18の突出方向とほぼ直交する車軸24に支持されて、鶏舎の移動を可能にする構造の車輪20とを備える。屋根12と防護網14とを備え、下面が開放されているので、鶏舎内の鶏22が雑草を食べることができる。また、車輪20が付いているので、雑草が無くなれば容易に別の場所に移動することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草の生えた土地で鶏の飼育をするための車輪付移動式鶏舎に関する。
【背景技術】
【0002】
養鶏には一般に大規模な鶏舎が使用される。この分野では、既に次のような技術が紹介されている。即ち、鶏の飼育環境と、作業者の作業環境とをともに向上させ、高品質の卵を生産できる鶏舎が研究開発されている。(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−57033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知の従来の技術では、鶏の運動不足と飼料の鮮度や栄養状態によって、鶏肉や鶏卵の質の低下が問題になっている。
上記の課題を解決するために、本発明は次のような車輪付移動式鶏舎等を提供することを目的とする。
屋根付小型鶏舎に車輪を付けて、雑草地を簡単に移動させる事ができる構造の鶏舎を提供することを目的とする。
屋根と前記防護網とを有し、下面が開放されていて、鶏が鶏舎内で雑草を食べることができる移動式の鶏舎を提供することを目的とする。
鶏が生活するに必要な止まり木、給餌、給水、産卵場所を備え持った構造の鶏舎を提供することを目的とする。
小型で移動しやすくて、下草等のある目的地に移し、着いたら別の補助鶏舎を付けて鶏の運動場を広くすることができる構造の鶏舎を提供することを目的とする。
屋根なし補助鶏舎、給餌、給水、産卵場等を備えていないケージで、小型鶏舎を移動した後に補助鶏舎として接続して広い場所へ放し飼いする目的持った構造の補助的な鶏舎を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下の構成は上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉
鶏舎の天井部を覆い雨と日照から鶏舎内部を防護する覆いとなる屋根と、鶏舎の側面を覆い鶏の飼育と防護に適する網目を有する防護網と、上記屋根と上記防護網とを支持し、下面が開放された構造のフレームと、上記フレームに固定されて、少なくとも一端が上記防護網の側方へ突出した構造のハンドルと、上記フレームの下部に固定されて、上記ハンドルの突出方向とほぼ直交する車軸に支持されて、鶏舎の移動を可能にする構造の車輪とを備えたことを特徴とする車輪付移動式鶏舎。
【0005】
屋根と防護網とを備え、下面が開放されているので、鶏舎内の鶏が雑草を食べることができる。また、車輪が付いているので、雑草が無くなれば容易に別の場所に移動することができる。
【0006】
〈構成2〉
構成1に記載の車輪付移動式鶏舎において、上記ハンドルは、上記鶏舎の内部を縦断する止まり木と一体化されていることを特徴とする車輪付移動式鶏舎。
【0007】
ハンドルを構成する棒が鶏舎の内部を縦断する。ハンドルをこのように固定すると、止まり木ができ、ハンドルの固定が容易になり鶏舎の強度も上がる。
【0008】
〈構成3〉
構成1乃至2のいずれかに記載の車輪付移動式鶏舎において、上記フレーム側面の防護網の一部に開口部を形成し、この開口部を介して連結され、底部を開放した補助鶏舎を備えたことを特徴とする車輪付移動式鶏舎。
【0009】
移動が容易なサイズにしたとき鶏舎が若干狭くなることがある。そこで、鶏舎と同様に底部を開放した延長鶏舎を連結できるようにした。
【0010】
〈構成4〉
構成3に記載の車輪付移動式鶏舎において、上記移動式鶏舎には給餌、給水、産卵構造が設けられ、上記補助鶏舎は底部を除く全周が防護網に覆われ、上記開口部と連結される開口部を有する単純構造をしていることを特徴とする車輪付移動式鶏舎。
【0011】
補助鶏舎は鶏の運動用であるから、屋根や給餌部と給水部等は不要である。単純構造にして軽量化をし、容易に運搬して接続できるようにした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は実施例1の車輪付移動式鶏舎を示す側面図である。
車輪付移動式鶏舎10は、屋根12と防護網14とフレーム16とハンドル18と車輪20とを備えている。屋根12は、鶏舎の天井部を覆い雨と日照から鶏舎内部を防護する覆いとなるものである。防護網14は、鶏舎の側面を覆い鶏の飼育と防護に適する網目を有するものである。フレーム16は、屋根12と防護網14とを支持し、下面が開放された構造のものである。ハンドル18は、フレーム16に固定されて、少なくとも一端が防護網14の側方へ突出した構造のものである。これを持って鶏舎を移動させる。車輪20は、フレーム16の下部に固定されて、ハンドル18の突出方向とほぼ直交する車軸24に支持されて、鶏舎の移動を可能にする構造のものである。
【0014】
図2は、図1の鶏舎のA−A横断面図である。図3はB−B縦断面図である。
この鶏舎には、餌箱兼水飲み器31、鶏舎を水平に保つための枕木32(図1),卵を受ける産卵棚34等が設けられている。移動する時は鶏22を入れたまま小屋を移動する。枕木32は、鶏舎をほぼ水平にして位置固定するためのものである。これがないと、鶏舎が傾き地面と鶏舎のすきまが一方が大きく開いて動物が侵入する危険性がある。このように、屋根12と防護網14とを備え、下面が開放されているので、鶏舎内の鶏22が雑草を食べることができる。また、車輪20が付いているので、地面10に雑草11が無くなれば容易に別の場所に移動することができる。なお、ハンドル18は、鶏舎の内部を縦断する止まり木と一体化されている。即ち、ハンドル18を構成する棒が鶏舎の内部を縦断するように固定する。これにより鶏22のための止まり木19ができ、ハンドル18の固定が容易になって強度も上がる。
【実施例2】
【0015】
図4は実施例2の車輪付移動式鶏舎を示す側面図である。
この鶏舎のフレーム16側面の防護網14の一部に開口部41を形成する。この開口部41を介して、底部を開放した補助鶏舎28を連結する。移動が容易なサイズにしたときには、鶏舎全体が若干狭くなることがある。そこで、鶏舎と同様に底部を開放した補助鶏舎28を連結できるようにした。本体の鶏舎と別に移動し、本体を所定の位置に定めたらそこで補助鶏舎28を本体と結合する。これで運動場を広くして、鶏をのびのびと飼育できる。
【0016】
なお、本体の鶏舎には餌箱兼水飲み器31や産卵棚34等を設けた。一方、補助鶏舎は、底部を除く全周が防護網14に覆われ、本体の開口部41と連結される開口部42を有する単純構造をしている。補助鶏舎は鶏22の運動用であるから、屋根12や給餌、給水、産卵構造は不要である。単純構造にして軽量化をし、容易に運搬して接続できるようにした。
【0017】
本発明は、数羽から10数羽の小数の鶏を飼うのに適した車輪付移動式小型鶏舎である。雑草地で鶏を放し飼いにすると、野犬やその他の獣に襲われる危険がある。防護網で囲むと常に雑草を運び込む手間が必要になる。そこで、移動式の鶏舎とした。さらに、例えば、果樹園や空地に配置すると、除草を兼ねて鶏舎を順次移動させて、効果を挙げることができる。鶏舎を移動する事によって雑草11を飼料の一部として利用し、結果として除草を伴う養鶏ができる。この事によって飼料効率を高める事が出来る。新しい草のある所に移動すれば清潔で健康な養鶏が出来る。移動する時は小型で移動し易くしておき、補助鶏舎を接続して運動場を広く使用する事が出来る。即ち、車輪付小型鶏舎を果樹園や空地の除草を兼ねて移動しつつ雑草を採れば、購入する飼料の割合を減らし丈夫な鶏を飼育し卵を生ませる事が出来る。鶏舎は移動するため、いつも新しい地面と新鮮な雑草を採るため非常によい卵を得る事が出来る。この様な鶏舎が数個あれば評判のよい卵を売る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1の車輪付移動式鶏舎を示す側面図である。
【図2】図1の鶏舎のA−A横断面図である。
【図3】図1の鶏舎のB−B縦断面図である。
【図4】実施例2の車輪付移動式鶏舎を示す側面図である。
【符号の説明】
【0019】
10 車輪付移動式鶏舎
12 屋根
14 防護網
16 フレーム
18 ハンドル
20 車輪
22 鶏
24 車軸
28 補助鶏舎
32 枕木
31 餌箱兼水飲み器
34 産卵棚
41 開口部
42 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鶏舎の天井部を覆い雨と日照から鶏舎内部を防護する覆いとなる屋根と、
鶏舎の側面を覆い鶏の飼育と防護に適する網目を有する防護網と、
前記屋根と前記防護網とを支持し、下面が開放された構造のフレームと、
前記フレームに固定されて、少なくとも一端が前記防護網の側方へ突出した構造のハンドルと、
前記フレームの下部に固定されて、前記ハンドルの突出方向とほぼ直交する車軸に支持されて、鶏舎の移動を可能にする構造の車輪とを備えたことを特徴とする車輪付移動式鶏舎。
【請求項2】
請求項1に記載の車輪付移動式鶏舎において、
前記ハンドルは、前記鶏舎の内部を縦断する止まり木と一体化されていることを特徴とする車輪付移動式鶏舎。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載の車輪付移動式鶏舎において、
前記フレーム側面の防護網の一部に開口部を形成し、この開口部を介して連結され、底部を開放した補助鶏舎を備えたことを特徴とする車輪付移動式鶏舎。
【請求項4】
請求項3に記載の車輪付移動式鶏舎において、
前記移動式鶏舎には給餌、給水、産卵構造が設けられ、前記補助鶏舎は底部を除く全周が防護網に覆われ、前記開口部と連結される開口部を有する単純構造をしていることを特徴とする車輪付移動式鶏舎。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−67652(P2008−67652A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−250534(P2006−250534)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(399009022)
【Fターム(参考)】