転回移動玩具
【課題】緩急のある興趣性に富んだ転回動作を行なうことができる転回移動玩具を提供する。
【解決手段】内部に左右方向に蛇行する重錘球転動路4が設けられた胴体1と、胴体1の頭側の腕枢支部10に枢支された左右の腕体11と、胴体1の尻側の脚枢支部20に枢支された左右の脚体21と、胴体1の重錘球転動路4内に転がり移動可能に収容された重錘球7とを備えた。
【解決手段】内部に左右方向に蛇行する重錘球転動路4が設けられた胴体1と、胴体1の頭側の腕枢支部10に枢支された左右の腕体11と、胴体1の尻側の脚枢支部20に枢支された左右の脚体21と、胴体1の重錘球転動路4内に転がり移動可能に収容された重錘球7とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、重錘球の転がり移動により転回しながら高所から低所に移動する転回移動玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
重錘球の転がり移動により転回しながら高所から低所に移動する転回移動玩具としては、従来、斜面からなる移動路を転回しながら移動するものが知られており、この転回移動玩具は、内部に重錘球転動路を有する横長の胴体の重心位置よりも一端側と他端側とにそれぞれ左右2本の前脚体と後脚体とを、前記胴体に対する前脚体の枢支位置と後脚体の枢支位置とを前記胴部の重心位置を通る軸線から上側と下側とにずらして回動可能に枢支し、前記胴体の重錘球転動路内に重錘球を転がり移動可能に収容した構成となっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実公昭59−20306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の転回移動玩具は、胴体内の重錘球転動路が直線路であり、胴体の傾きにともなって重錘球が高速で転がり移動するため、転回動作が単調でしかも速過ぎ、興趣性に欠ける問題があった。
【0004】
また、この転回移動玩具は、水平面上に置いたときは胴体が略水平になって重錘球の移動が起こらないため、高低差をもった複数の水平段面からなる移動路を各段毎に転回しながら上段から下段に向かって移動する機能は無い。
【0005】
この発明は前記事情に着目してなされたもので、その第1の目的は、胴体の傾きにともなう重錘球の転がり移動を遅くし、緩急のある興趣性に富んだ転回動作を行なうことができる転回移動玩具を提供することにある。
【0006】
また、この発明の第2の目的は、高低差をもった複数の水平段面からなる移動路を、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動することができる転回移動玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記第1の目的を達成するため、請求項1のように、頭側と尻側の2つの端部と腹面及び背面と左右2つの側面とを有し、内部に、前記頭側の端部から尻側の端部にわたって左右方向に蛇行する重錘球転動路が設けられた胴体と、前記胴体の重心位置よりも頭側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹背面のいずれか一方の面側に片寄らせて設けられた腕枢支部と、前記胴体の重心位置よりも尻側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも前記胴体腹背面の他方の面側に片寄らせて設けられた脚枢支部と、前記胴体の前記腕枢支部から頭側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体の両側にそれぞれ基端部を前記胴体の左右方向に沿う腕枢支軸により前記腕枢支部に枢支されて設けられ、前記腕枢支軸を中心として、胴体頭部の外周を回って前記胴体の腹面側と背面側とに回動する左右2本の腕体と、前記胴体の前記脚枢支部から尻側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体の両側にそれぞれ基端部を前記胴体の左右方向に沿う脚枢支軸により前記脚枢支部に枢支されて設けられ、前記脚枢支軸を中心として、胴体尻部の外周を回って前記胴体の腹面側と背面側とに回動する左右2本の脚体と、前記胴体の重錘球転動路内に転がり移動可能に収容された重錘球とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明において、前記胴体内の重錘球転動路は、請求項2のように、重錘球の直径よりも大きい内幅を有する空間と、前記空間の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板とにより形成するのが望ましい。
【0009】
この発明は、前記第2の目的を達成するため、請求項3のように、前記請求項1または2に記載の転回移動玩具において、前記腕体と脚体のそれぞれの長さを、前記胴体をその腹面と背面のうちの脚枢支部側の面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定角度傾斜した寝かせ状態にし、前記腕体と脚体とをそれぞれ自重により前記胴体の下方に回動させた始動初期状態において、前記腕体と脚体の両方の先端が略同じ高さにくるように設定したことを特徴とする。
【0010】
その場合は、請求項4のように、前記胴体の頭側から前記腕枢支部側の面方向への腕体の回動限を始動初期状態に規制する腕体ストッパと、前記胴体の尻側から前記腕枢支部側の面方向への脚体の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパとを備えるのが望ましい。
【0011】
さらに、前記請求項3のような構成とする場合は、請求項5のように、前記左右の腕体を、基端部を腕枢支軸により胴体の腕枢支部に枢支されて前記腕枢支軸を中心として回動する回動アームと、この回動アームの先端に設けられ、水平面にフラットに当接して前記回動アームを自立状態に支える腕端板とにより構成し、前記左右の脚体を、基端部を脚枢支軸により前記胴体の脚枢支部に枢支されて前記脚枢支軸を中心として回動する主脚と、先端に足板を有し、基端部を前記主脚の中間部に前記脚枢支軸と平行な支軸により枢支され、前記主脚の回動面に沿った方向に鋭角の開き角で開脚する補助脚と、前記主脚に対する前記補助脚の開脚限を規定する開脚限規制手段と、前記補助脚を開脚方向に付勢するばねとを具備し、水平面への前記補助脚の足板と前記主脚の先端との接地により自立する構成とするのが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明の請求項1に係る転回移動玩具は、胴体内の重錘球転動路を前記胴体の左右方向に蛇行させているため、胴体の傾きにともなう重錘球の転がり移動を遅くし、緩急のある興趣性に富んだ転回動作を行なうことができる。
【0013】
また、請求項2に係る転回移動玩具は、前記胴体内の重錘球転動路を、重錘球の直径よりも大きい内幅を有する空間と、前記空間の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板とにより形成したものであるため、胴体の傾きにともなう重錘球の転がり移動をより遅くし、さらに緩急のある転回動作を行なうことができる。
【0014】
この発明の請求項3に係る転回移動玩具は、前記請求項1または2に記載の転回移動玩具において、前記腕体と脚体のそれぞれの長さを、前記胴体をその腹面と背面のうちの脚枢支部側の面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定角度傾斜した寝かせ状態にし、前記腕体と脚体とをそれぞれ自重により前記胴体の下方に所定角度回動させた始動初期状態において、前記腕体と脚体の両方の先端が略同じ高さにくるように設定したものであるため、高低差をもった複数の水平段面からなる移動路を、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動することができる。
【0015】
また請求項4に係る転回移動玩具は、前記胴体の頭側から前記腕枢支部側の面方向への腕体の回動限を始動初期状態に規制する腕体ストッパと、前記胴体の尻側から前記腕枢支部側の面方向への脚体の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパとを備えたものであるため、前記各段毎の転回動作を確実に行なわせることができる。
【0016】
さらに、請求項5に係る転回移動玩具は、前記腕体を、基端部を腕枢支軸により胴体の腕枢支部に枢支されて前記腕枢支軸を中心として回動する回動アームと、この回動アームの先端に設けられ、水平面に接地した状態で前記回動アームを自立状態に支える腕端板とにより構成し、前記脚体を、基端部を脚枢支軸により前記胴体の脚枢支部に枢支されて前記脚枢支軸を中心として回動する主脚と、先端に足板を有し、基端部を前記主脚の中間部に前記脚枢支軸と平行な支軸により枢支され、前記主脚の回動面に沿った方向に鋭角の開き角で開脚する補助脚と、前記主脚に対する前記補助脚の開脚限を規定する開脚限規制手段と、前記補助脚を開脚方向に付勢するばねとを具備し、水平面への前記補助脚の足板と前記主脚の先端との接地により自立する構成としているため、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動する動作を、途中で転倒したり落下したりすることなく安全に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面に従い具体的に説明する。図1及び図2はこの発明の一実施例を示す転回移動玩具の始動初期状態の外観斜視図及び一部切開側面図、図3は図2のIII―III線に沿う断面図、図4及び図5は前記転回移動玩具の起立回動状態における断面図及び背面図である。
【0018】
この転回移動玩具は、転回移動人形であり、図1〜図5のように、人形頭体3が設けられた頭側(図4及び図5において上端側)と尻側(図4及び図5において下端側)の2つの端部と腹面(図4において左側の面)及び背面(図4において右側の面)と左右2つの側面とを有し、内部に、頭側の端部から尻側の端部にわたって左右方向に蛇行する重錘球転動路4が設けられた胴体1と、
この胴体1の重心位置(人形頭体3を含む胴体全体の重心位置)よりも頭側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹背面のいずれか一方の面側に片寄らせて設けられた腕枢支部10と、前記胴体1の重心位置よりも尻側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹背面の他方の面側に片寄らせて設けられた脚枢支部20と、胴体1の腕枢支部10から頭側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体1の両側にそれぞれ基端部を胴体1の左右方向に沿う腕枢支軸14により腕枢支部10に枢支されて設けられ、前記腕枢支軸14を中心として、胴体頭部の外周を回って胴体1の腹面側と背面側とに回動する左右2本の腕体11と、前記胴体1の脚枢支部20から尻側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体1の両側にそれぞれ基端部を胴体1の左右方向に沿う脚枢支軸24により脚枢支部20に枢支されて設けられ、前記脚枢支軸24を中心として、胴体尻部の外周を回って胴体1の腹面側と背面側とに回動する左右2本の脚体21と、胴体1の重錘球転動路4内に転がり移動可能に収容された重錘球7とを備えている。
【0019】
なお、この実施例では、胴体1の背面側に腕枢支部10を設け、腹面側に脚枢支部20を設けている。
【0020】
前記胴体1は、長さが約95mm、腹面と背面との間の厚さ寸法が約14mm、左右の側面間の幅寸法が約16mmの角筒体であり、腕枢支軸14による腕枢支点は、胴体1の頭側端面よりも約36mm胴体中央側にずれ、胴体1の重心位置を通る胴体軸線よりも胴体背面側に約7.5mmずれた位置(胴体1の背面付近)にあり、脚枢支軸24による脚枢支点は、胴体1の尻側端面よりも約21mm胴体中央側にずれ、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹面側に約7.5mmにずれた位置(胴体1の腹面付近)にあり、腕枢支点と脚枢支点との間の距離(胴体軸線上での距離)は約38mmに設定されている。
【0021】
この胴体1は、樹脂成形品からなる左右一対の半割体2a,2bを突合せ接合して構成され、その頭側の端部に、樹脂成形品からなる中空の人形頭体3が嵌着されている。
【0022】
そして、この胴体1内の重錘球転動路4は、重錘球7の直径よりも大きい内幅を有する空間5と、この空間5の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板6a,6bとにより形成されている。
【0023】
すなわち、胴体1を構成する一対の半割体2a,2bはそれぞれ、角筒体をその軸線に沿って左右に2分割した形状のものであり、そのうちの一方の半割体2a内に、その内側面から重錘球半径よりも小さい突出高さで突設された複数例えば5枚の障壁板6aが一定間隔で設けられ、他方の半割体2bの内に、その内側面から重錘球半径よりも小さい突出高さで突設された複数例えば6枚の障壁板6bが、前記一方の半割体2aの各障壁板6aに対して半ピッチずらして一定間隔で設けられている。
【0024】
そして、この一対の半割体2a,2bは、いずれかの半割体2a,2b内に重錘球7を収容し、一方の半割体2aの各障壁板6a間の中央位置に他方の半割体2bの各障壁板6bをそれぞれ対応させて突合せ接合されており、その内部に形成された空間5と前記各障壁板6a,6bとにより、重錘球7を胴体1の傾きにともなって図3に破線で示したように左右方向に蛇行させながら転がり移動させる重錘球転動路4が形成されている。
【0025】
なお、前記重錘球7は、例えば直径が約10mmの鋼球であり、一方の半割体2aの障壁板6a間の間隔及び他方の半割体2bの障壁板6b間の間隔と、一方の半割体2aの内側面と他方の半割体2bの障壁板6bの突出端との間隔及び他方の半割体2bの内側面と一方の半割体2aの障壁板6aの突出端との間隔はそれぞれ重錘球7の直径よりも2〜5mm程度大きく設定されている。
【0026】
また、この実施例では、前記胴体1の重錘球転動路4内に、複数個、例えば3個の重錘球7を収容し、これらの重錘球7の総重量を、左右の腕体11の総重量及び左右の脚体21の総重量のいずれよりも重く、しかも、前記重錘球転動路4内の重錘球7の転がり移動による玩具の転回動作を、速過ぎず、また遅過ぎない適度な速度で行なわせるように設定している。
【0027】
なお、前記重錘球7の数は、1個でも複数個でもよく、要は、左右の腕体11の総重量及び左右の脚体21の総重量のいずれよりも重く、しかも、重錘球7の転がり移動による玩具の転回動作を適度な速度で行なわせることができる重量を得られればよい。
【0028】
前記胴体1の左右の側面の長さ方向の中央部にはそれぞれ、胴体1の頭側の背面付近から尻側の腹面付近にかけて張出板8が突設されており、これらの張出板8の頭側の端部に腕枢支部10が設けられ、尻側の端部に脚枢支部20が設けられている。
【0029】
腕枢支部10は、左右一対の軸受板10aと、これらの軸受板10aの連結板10bとからなっており、左右の軸受板10aを左右の張出板8の頭側の端部にそれぞれ固定され、連結板10bの中央部を胴体1の背面に固定されている。
【0030】
また、脚枢支部20は、左右一対の軸受板20aと、これらの軸受板20aの連結板20bとからなっており、左右の軸受板20aを左右の張出板8の尻側の端部にそれぞれ固定され、連結板20bの中央部を胴体1の腹面に固定されている。
【0031】
そして、左右の腕体11はそれぞれ、基端部を腕枢支軸14により胴体1の腕枢支部10に枢支されて腕枢支軸14を中心として回動する回動アーム12と、この回動アーム12の先端に設けられ、水平面A上にフラットに当接して回動アーム12を自立状態に支える腕端板13とからなっている。
【0032】
なお、前記腕枢支部10の左右の軸受板10aの外面にはそれぞれ円筒状のボス受け15が固定され、左右の腕体11の回動アーム12の基端部の胴体1側の面には前記ボス受け15内に回動可能に嵌合するボス部材16が固定されており、左右の腕体11は、腕枢支部10の左右の軸受板10aに両端側を回転可能に支持され、両端をボス受け15内に突出させて設けられた1本の腕枢支軸14の両端にそれぞれ各腕体11のボス部材16を固定することにより、左右の腕体11が同調して一体的に回動するように設けられている。
【0033】
前記回動アーム12は、その基端側を、回動アーム12の回動面に沿って“く”状に屈曲させた形状を有しており、腕端板13は、腕体11をその自重により胴体1の腕枢支点から垂下する状態に回動させたときに、胴体1の腕枢支点の真下付近(腕枢支点を通る垂線付近)に腕端板中央部が位置する状態で水平面A上にフラットに当接する角度で回動アーム12の先端に設けられている。
【0034】
また、前記左右の脚体21はそれぞれ、基端部を脚枢支軸24により胴体1の脚枢支部20に枢支されて前記脚枢支軸24を中心として回動する主脚22と、先端に足板23aを有し、基端部を前記主脚22の中間部に脚枢支軸24と平行な支軸25により枢支され、主脚22の回動面に沿った方向に、鋭角の開き角(例えば20〜40度の範囲内の所定の角度)で開脚する補助脚23と、主脚22に対する補助脚23の開脚限を規定する開脚限規制手段26と、補助脚23を開脚方向に付勢するばね29とを具備し、水平面A上への補助脚23の足板23aと主脚22の先端との接地により自立する構成とされている。
【0035】
なお、この左右の脚体21は、胴体1の脚枢支部20の左右の軸受板20aに両端側を回転可能に支持された1本の脚枢支軸24の両端に各脚体21の主脚22の基端部を嵌合固定することにより、左右の脚体21が同調して一体的に回動するように設けられている。
【0036】
前記補助脚23の主脚22に対する枢支点から足板23aまでの長さは、主脚22の補助脚枢支点から脚先端までの長さよりも所定長さだけ短く設定されており、足板23aは、補助脚23の先端に、足先部を主脚22とは反対方向に向けると共に補助脚23に対して足先下がりに傾斜させた状態で、主脚22の先端を水平面A上に接地させたまま脚体21が胴体1の脚枢支点を中心として補助脚23側とは反対方向に回動したときに、足先部から前記水平面Aに接地するように設けられている。
【0037】
前記開脚限規制手段26は、主脚22に設けられたストッパ軸27と、補助脚23の基端部に設けられ、この補助脚23が主脚22の前方向に所定の開き角度でV状に開脚したときに前記ストッパ軸27に当接するストッパ当接部28とからなっている。
【0038】
また、前記ばね29は、捩りばねであり、その巻輪部を補助脚支軸25に嵌装されると共に、一端を前記ストッパ軸27に掛止され、他端を補助脚23の基端側の後縁に掛止されている。
【0039】
なお、胴体1の脚枢支点(主脚22の枢支点)から主脚22に対する補助脚23の枢支点までの距離は、胴体1の脚枢支点から胴体1の尻側端までの距離よりも大きく設定されており、左右の脚体21は、それぞれの主脚22同士を前記ストッパ軸27と、それよりも脚先端側に設けられた2本の主脚連結軸30により連結されると共に、それぞれの補助脚23同士を補助脚連結軸31により連結されている。
【0040】
そして、左右の腕体11の長さ(胴体1の腕枢支点から腕端板13までの長さ)と、左右の脚体21の長さ(胴体1の脚枢支点から主脚22の先端までの長さ)はそれぞれ、図2のように胴体1をその腹面と背面のうちの脚枢支部20側の面である腹面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に例えば10〜30度の範囲内の所定の角度で傾斜した寝かせ状態にし、腕体11と脚体21とをそれぞれ自重により胴体1の下方に回動させた始動初期状態において、腕体11と脚体21の両方の先端(腕端板13と主脚22の先端)が略同じ高さにくるように設定されている。
【0041】
なお、前記左右の腕体11の長さは、胴体1の腕枢支点から人形頭体3の先端までの距離よりも充分に長く設定されており、また、この左右の腕体11の間隔は、前記人形頭体3の横幅よりも充分に大きく設定されている。
【0042】
さらに、この転回移動玩具は、胴体1の頭側から胴体背面(腕枢支部10側の面)方向への腕体11の回動限を前記始動初期状態に規制する腕体ストッパ17と、胴体1の尻側から胴体背面方向への脚体21の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパ32とを備えている。
【0043】
前記腕体ストッパ17は、胴体1の腕枢支部10の左右の軸受板10aの外面にそれぞれ固定された前記ボス受け15と、左右の腕体11の回動アーム12の基端部に固定された前記ボス部材16とのいずれか一方、例えばボス受け15に設けられており、他方のボス部材16には、腕体11が胴体頭部の外周を回って胴体背面側に図2に示した始動初期状態まで回動したときに腕体ストッパ17の一端に当接してそれ以上の腕体11の回動を阻止するストッパ当接部18が設けられている。
【0044】
なお、前記腕体ストッパ17とストッパ当接部18は、胴体1の頭側から胴体腹面(脚枢支部20側の面)方向への腕体11の回り過ぎを防ぐ機能ももっており、腕体11が上記と逆に、胴体頭部の外周を回って胴体1の腹面側に図4のように胴体軸線から90度よりも若干大きい回動角、例えば100〜130度の範囲内の所定の回動角まで回動したときに、前記ストッパ当接部18が腕体ストッパ17の他端に当接し、それ以上の腕体11の回動を阻止するようになっている。
【0045】
また、前記脚体ストッパ32は、胴体1の両側面に突設された張出板8に設けられており、左右の脚体21の基端部には、脚体21が胴体尻部の外周を回って胴体背面(腕枢支部10側の面)側に図2に示した始動初期状態まで回動したときに脚体ストッパ32に当接してそれ以上の脚体21の回動を阻止するストッパ当接部33が設けられている。
【0046】
さらに、この転回移動玩具は、転回移動中における腕体11及び脚体21の回動を補助するための左右一対の動作補助糸34を備えている。
【0047】
この動作補助糸34は、その一端を前記腕体11の基端部に固定されたボス部材16の一部に連結されており、前記胴体1の腕枢支部10に固定されたボス受け15の外周面の一部に設けられた糸ガイド35を通して胴体1の尻側方向に引き出され、さらに脚枢支軸24に胴体腹面(脚枢支部20側の面)から掛け回されて、左右の脚体21の補助脚23間の補助脚連結軸31に他端を連結されている。
【0048】
そして、この動作補助糸34の長さは、図1及び図2に示した始動初期状態では弛みをもっており、胴体1と腕体11及び脚体21が側面から見てZ状の位置関係になったとき、つまり、この実施例では腕体11が胴体1の腹面方向に回動し脚体21が胴体1の背面方向に回動したとき(図8及び図12参照)に緊張するように設定されている。
【0049】
図6〜図13は、前記転回移動玩具の動作を示しており、ここでは、複数の水平段面のうち、最も高い第1段面からその次の第2段面への転回移動を示している。なお、ここでは便宜上、図6〜図13のうち、前記動作補助糸34が緊張するときの動作図である図8及び図12だけに動作補助糸34を示し、他の図、つまり前記動作補助糸34が弛んでいるときの動作図では動作補助糸34を省略している。
【0050】
前記転回移動玩具を使用するときは、図6のように、この転回移動玩具を、上述した始動初期状態、つまり、胴体1を脚枢支部20側の面である腹面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定の角度で傾斜させて寝かせた仰向け状態にし、腕体11と脚体21とをそれぞれ自重により胴体1の下方に回動させた始動初期状態、つまり、腕体11のストッパ当接部18を腕体ストッパ17の一端に当接させ、脚体21側のストッパ当接部33を脚体ストッパ32に当接させた状態で、第1段面B1の上に、胴体1の頭側を第1段面B1の前端(第2段面B2側の端部)方向に向け、腕体11の先端と脚体21の主脚22の先端とを前記第1段面B1に接地させて置く。
【0051】
なお、この始動初期状態では、腕体11の重心位置と脚体21の重心位置はそれぞれ胴体1の腕枢支点の真下位置及び脚枢支点の真下位置よりも僅かに胴体尻部側にある。
【0052】
このようにして第1段面B1上に転回移動玩具を置くと、胴体1の腕枢支点よりも頭側への重錘球7の転がり移動により胴体1の頭側が重くなり、胴体1が、先端が第1段面B1に接地している腕体11の枢支点を中心として、さらに頭を下げる方向に自然に回動し始める。
【0053】
このように胴体1が回動し始めると、脚体ストッパ32により頭側への回動を阻止されている脚体21が、胴体1の回動にともなって第1段面B1から引上げられ、図7のように胴体1と一体に回動する。
【0054】
なお、脚体21が第1段面B1から離れた後は、胴体1が左右の腕体11だけで腕枢支点を支持される状態になるが、このときは、腕体11が第1段面B1にフラットに当接している腕端板13により自立状態に支えられているため、腕枢支点を中心とする胴体1の回動中に転倒したり第1段面B1から落下したりすることはない。
【0055】
そして、胴体1が図7の倒立状態を越えて腹面(脚枢支部20側の面)を下に向けたうつ伏せ状態に回動して行くと、その途中で動作補助糸34が図8のように緊張し、脚体ストッパ32により胴体1の頭側への回動を阻止された状態で胴体1と一体に回動してきた脚体21が、前記胴体1の回動にともなって前記動作補助糸34により引っ張られ、胴体1に対してその尻側に回動する。
【0056】
また、前記胴体1がさらにうつ伏せ状態に回動し、前記動作補助糸34により引っ張られて胴体1の上方に倒立した脚体21の重心位置が、胴体1の脚枢支点の真上位置を越えて尻側に移動すると、脚体21がその自重によって図9のように胴体尻部の外周を回って胴体1の下方に回動する。
【0057】
このとき、脚体21が脚体ストッパ32により頭側への回動を阻止されて胴体1と一体に回動している間の胴体1及び脚体21の回動は、胴体1及びその内部の重錘球7と脚体21のトータルの重心位置が腕枢支点の真上位置を越えるまでは比較的ゆっくりした動作であるが、前記トータルの重心位置が腕枢支点の真上位置を越えると、胴体1及び脚体21が急速に下方に回動すると共に、その途中で脚体21が胴体尻部の外周を回って胴体1の下方に回動する。
【0058】
また、胴体1内の重錘球7は、胴体1が水平なうつ伏せ状態になるまでは、胴体1の頭側の端部に留まっており、胴体1が水平なうつ伏せ状態を越えて尻下がり方向に回動するのにともなって、左右方向に蛇行した重錘球転動路4を蛇行しながらゆっくりと胴体1の尻側に転がり移動して行く。
【0059】
そして、前記胴体1及び脚体21の回動により玩具全体の重心が胴体1の腕枢支点よりも第1段面B1の前方に移動すると、その重心移動により、腕体11が腕端板13の第1段面B1の前端方向の端部を前記第1段面B1で支持された状態で第1段面B1の前方に回動し、胴体1及び脚体21が回動しながら第2段面B上に降下して、胴体1がその腹面を第1段面B1の前端に向けた起立状態に近くなったときに、脚体21の補助脚23の足板23aが足先部から図10のように第2段面B2に着地する。
【0060】
このとき、前記補助脚23は、足板23aの足先部が第2段面B2に着地した瞬間に、捩りばね29の付勢力に抗して主脚22の方向に回動して着地衝撃を吸収し、前記捩りばね29の付勢力により再び所定の開き角の開脚状態に戻る。
【0061】
そのため、前記補助脚23の足板23aの足先部が第2段面B2に着地したときの衝撃により転倒したりバウンドして第2段面B2から落下したりすることはない。
【0062】
前記補助脚23の足板23aが足先部から第2段面B2に着地すると、脚体21が前記足板23aの足先部の段面接地点を中心として回動して、この脚体21の主脚22の先端も第2段面B2に着地し、脚体21が第2段面B2上に、補助脚23の足板23aと主脚22の先端との接地により自立する。
【0063】
一方、胴体1は、図11のように、第2段面B2上に自立した脚体21により支持されて脚枢支点を中心としてさらに回動し、それにともなって腕体11が、前記第1段面B1から離れ、腕体ストッパ17の他端へのストッパ当接部18の当接によりそれ以上の尻側への回動を阻止された状態で胴体1と一体に回動する。
【0064】
このときも、脚体21が補助脚23と主脚22により第2段面B2に自立状態に支えられているため、脚枢支点を中心とする胴体1の回動中に転倒したり第2段面B2から落下したりすることはない。
【0065】
そして、胴体1がさらに回動して再び仰向け状態になると、前記動作補助糸34が図12のように再び緊張し、前記腕体ストッパ17により胴体1の尻側への回動を阻止された状態で胴体1と一体に回動してきた腕体11が、前記胴体1の回動にともなって前記動作補助糸34により引っ張られ、胴体1に対してその頭側に回動する。
【0066】
また、前記胴体1がさらに回動し、前記動作補助糸34により引っ張られて胴体1の頭側に回動した腕体11の重心位置が、胴体1の腕枢支点の真上位置を越えて頭側に移動すると、腕体11がその自重により胴体頭部の外周を回って胴体1の下方に回動する。
【0067】
胴体1の下方に回動した腕体11は、前記腕体ストッパ17の一端へのストッパ当接部18の当接によりそれ以上の頭側への回動を阻止された状態で第2段面B2に着地し、その後に、図13のように胴体1が水平状態よりも尻から頭側に向かって下方に所定の角度で傾斜した仰向け状態、つまり図6に示した第1段面B1での始動初期状態と同じ状態になって第2段面B2への転回移動を終了する。
【0068】
このとき、胴体1内の重錘球7は、胴体1が水平な仰向け状態に回動するまでは胴体1の尻側にあり、胴体1が水平状態よりも尻から頭側に向かって下方に傾斜した仰向け状態になるのにともなって、左右方向に蛇行した重錘球転動路4を蛇行しながらゆっくりと胴体1の頭側に転がり移動する。
【0069】
そして、前記重錘球7が胴体1の腕枢支点よりも頭側に転がり移動するまでの間は、第2段面B2上で前記始動初期状態と同じ状態で動作停止し、前記腕枢支点よりも頭側への重錘球7の転がり移動により胴体1の頭側が重くなったときに、次の第3段面(図示せず)への転回移動を開始する。
【0070】
以下は上記動作の繰返しであり、回転移動玩具は、上記動作の繰返しにより各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動して行く。
【0071】
この転回移動玩具は、胴体1内の重錘球転動路4を胴体1の左右方向に蛇行させているため、胴体1の傾きにともなう重錘球7の転がり移動を遅くし、緩急のある興趣性に富んだ転回動作を行なうことができる。
【0072】
この転回移動玩具において、胴体1内の重錘球転動路4は、連続した蛇行曲線状の転動路でもよいが、この実施例では、前記重錘球転動路4を、重錘球7の直径よりも大きい内幅を有する空間5と、前記空間5の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板6a,6bとにより形成しているため、胴体1の傾きにともなう重錘球7の転がり移動をより遅くし、さらに緩急のある転回動作を行なうことができる。
【0073】
さらに、この転回移動玩具は、腕体11と脚体21のそれぞれの長さを、胴体1をその腹面と背面のうちの脚枢支部20側の面(上記実施例では腹面)を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定角度傾斜した寝かせ状態にし、前記腕体11と脚体21とをそれぞれ自重により胴体1の下方に所定角度回動させた始動初期状態において、前記腕体11と脚体21の両方の先端が略同じ高さにくるように設定したものであるため、上述したように、高低差をもった複数の水平段面からなる移動路を、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動することができる。
【0074】
また、この転回移動玩具は、胴体1の頭側から腕枢支部10側の面(上記実施例では背面)方向への腕体11の回動限を始動初期状態に規制する腕体ストッパ17と、前記胴体1の尻側から前記腕枢支部側の面方向への脚体21の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパ32とを備えたものであるため、前記各段毎の転回動作を確実に行なわせることができる。
【0075】
さらに、この転回移動玩具は、前記腕体11を、基端部を腕枢支軸14により胴体1の腕枢支部10に枢支されて前記腕枢支軸14を中心として回動する回動アーム12と、この回動アーム12の先端に設けられ、水平面Aに接地した状態で前記回動アーム12を自立状態に支える腕端板13とにより構成し、前記脚体21を、基端部を脚枢支軸24により胴体1の脚枢支部20に枢支されて前記脚枢支軸24を中心として回動する主脚22と、先端に足板23aを有し、基端部を前記主脚22の中間部に脚枢支軸24と平行な支軸25により枢支され、主脚22の回動面に沿った方向に鋭角の開き角で開脚する補助脚23と、前記主脚22に対する補助脚23の開脚限を規定する開脚限規制手段26と、補助脚を開脚方向に付勢するばね(上記実施例では捩りばね)29とを具備し、水平面Aへの補助脚23の足板23aと主脚22の先端との接地により自立する構成としているため、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動する動作を、途中で転倒したり落下したりすることなく安全に行なうことができる。
【0076】
なお、上記実施例では、胴体1内の重錘球転動路4を、空間5の左右の内側面から複数の障壁板6a,6bを交互に突設して形成しているが、重錘球転動路は、連続した蛇行曲線状の転動路としてもよい。
【0077】
また、上記実施例の転回移動玩具は、胴体1の背面方向に転回するものであるが、上記実施例と逆に、胴体1の腹面側に腕枢支部10を設け、前記胴体1の背面側に脚枢支部20を設けて、腹面方向に転回するようにしてもよい。
【0078】
さらに、この発明は、上述した実施例の転回移動人形に限らず、例えば動物の胴部を模した胴部に左右2本の腕体(前脚体)と左右2本の脚体(後脚体)とを枢支した転回移動玩具にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】この発明の一実施例を示す転回移動玩具の始動初期状態の外観斜視図。
【図2】前記転回移動玩具の始動初期状態の一部切開側面図。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図。
【図4】前記転回移動玩具の起立回動状態における断面図。
【図5】前記転回移動玩具の起立回動状態における背面図。
【図6】前記転回移動玩具の動作を示す第1段面上に置いた始動初期状態図。
【図7】第1段面上での回動状態図。
【図8】第1段面上での回動状態図。
【図9】第1段面上での回動状態図。
【図10】第1段面から第2段面への降下状態図。
【図11】第2段面への着地状態図。
【図12】第2段面上での回動状態図。
【図13】第2段面への転回移動終了状態図。
【符号の説明】
【0080】
1…胴体、4…重錘球転動路、5…空間、6a,6b…障壁板、7…重錘球、10…腕枢支部、11…腕体、12…回動アーム、13…腕端板、14…腕枢支軸、17…腕体ストッパ、18…ストッパ当接部、20…脚枢支部、21…脚体、22…主脚、23…補助脚、23a…足板、25…支軸、26…開脚限規制手段、29…捩りばね、32…脚体ストッパ、33…ストッパ当接部、34…動作補助糸、35…糸ガイド。
【技術分野】
【0001】
この発明は、重錘球の転がり移動により転回しながら高所から低所に移動する転回移動玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
重錘球の転がり移動により転回しながら高所から低所に移動する転回移動玩具としては、従来、斜面からなる移動路を転回しながら移動するものが知られており、この転回移動玩具は、内部に重錘球転動路を有する横長の胴体の重心位置よりも一端側と他端側とにそれぞれ左右2本の前脚体と後脚体とを、前記胴体に対する前脚体の枢支位置と後脚体の枢支位置とを前記胴部の重心位置を通る軸線から上側と下側とにずらして回動可能に枢支し、前記胴体の重錘球転動路内に重錘球を転がり移動可能に収容した構成となっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実公昭59−20306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の転回移動玩具は、胴体内の重錘球転動路が直線路であり、胴体の傾きにともなって重錘球が高速で転がり移動するため、転回動作が単調でしかも速過ぎ、興趣性に欠ける問題があった。
【0004】
また、この転回移動玩具は、水平面上に置いたときは胴体が略水平になって重錘球の移動が起こらないため、高低差をもった複数の水平段面からなる移動路を各段毎に転回しながら上段から下段に向かって移動する機能は無い。
【0005】
この発明は前記事情に着目してなされたもので、その第1の目的は、胴体の傾きにともなう重錘球の転がり移動を遅くし、緩急のある興趣性に富んだ転回動作を行なうことができる転回移動玩具を提供することにある。
【0006】
また、この発明の第2の目的は、高低差をもった複数の水平段面からなる移動路を、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動することができる転回移動玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記第1の目的を達成するため、請求項1のように、頭側と尻側の2つの端部と腹面及び背面と左右2つの側面とを有し、内部に、前記頭側の端部から尻側の端部にわたって左右方向に蛇行する重錘球転動路が設けられた胴体と、前記胴体の重心位置よりも頭側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹背面のいずれか一方の面側に片寄らせて設けられた腕枢支部と、前記胴体の重心位置よりも尻側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも前記胴体腹背面の他方の面側に片寄らせて設けられた脚枢支部と、前記胴体の前記腕枢支部から頭側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体の両側にそれぞれ基端部を前記胴体の左右方向に沿う腕枢支軸により前記腕枢支部に枢支されて設けられ、前記腕枢支軸を中心として、胴体頭部の外周を回って前記胴体の腹面側と背面側とに回動する左右2本の腕体と、前記胴体の前記脚枢支部から尻側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体の両側にそれぞれ基端部を前記胴体の左右方向に沿う脚枢支軸により前記脚枢支部に枢支されて設けられ、前記脚枢支軸を中心として、胴体尻部の外周を回って前記胴体の腹面側と背面側とに回動する左右2本の脚体と、前記胴体の重錘球転動路内に転がり移動可能に収容された重錘球とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明において、前記胴体内の重錘球転動路は、請求項2のように、重錘球の直径よりも大きい内幅を有する空間と、前記空間の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板とにより形成するのが望ましい。
【0009】
この発明は、前記第2の目的を達成するため、請求項3のように、前記請求項1または2に記載の転回移動玩具において、前記腕体と脚体のそれぞれの長さを、前記胴体をその腹面と背面のうちの脚枢支部側の面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定角度傾斜した寝かせ状態にし、前記腕体と脚体とをそれぞれ自重により前記胴体の下方に回動させた始動初期状態において、前記腕体と脚体の両方の先端が略同じ高さにくるように設定したことを特徴とする。
【0010】
その場合は、請求項4のように、前記胴体の頭側から前記腕枢支部側の面方向への腕体の回動限を始動初期状態に規制する腕体ストッパと、前記胴体の尻側から前記腕枢支部側の面方向への脚体の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパとを備えるのが望ましい。
【0011】
さらに、前記請求項3のような構成とする場合は、請求項5のように、前記左右の腕体を、基端部を腕枢支軸により胴体の腕枢支部に枢支されて前記腕枢支軸を中心として回動する回動アームと、この回動アームの先端に設けられ、水平面にフラットに当接して前記回動アームを自立状態に支える腕端板とにより構成し、前記左右の脚体を、基端部を脚枢支軸により前記胴体の脚枢支部に枢支されて前記脚枢支軸を中心として回動する主脚と、先端に足板を有し、基端部を前記主脚の中間部に前記脚枢支軸と平行な支軸により枢支され、前記主脚の回動面に沿った方向に鋭角の開き角で開脚する補助脚と、前記主脚に対する前記補助脚の開脚限を規定する開脚限規制手段と、前記補助脚を開脚方向に付勢するばねとを具備し、水平面への前記補助脚の足板と前記主脚の先端との接地により自立する構成とするのが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
この発明の請求項1に係る転回移動玩具は、胴体内の重錘球転動路を前記胴体の左右方向に蛇行させているため、胴体の傾きにともなう重錘球の転がり移動を遅くし、緩急のある興趣性に富んだ転回動作を行なうことができる。
【0013】
また、請求項2に係る転回移動玩具は、前記胴体内の重錘球転動路を、重錘球の直径よりも大きい内幅を有する空間と、前記空間の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板とにより形成したものであるため、胴体の傾きにともなう重錘球の転がり移動をより遅くし、さらに緩急のある転回動作を行なうことができる。
【0014】
この発明の請求項3に係る転回移動玩具は、前記請求項1または2に記載の転回移動玩具において、前記腕体と脚体のそれぞれの長さを、前記胴体をその腹面と背面のうちの脚枢支部側の面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定角度傾斜した寝かせ状態にし、前記腕体と脚体とをそれぞれ自重により前記胴体の下方に所定角度回動させた始動初期状態において、前記腕体と脚体の両方の先端が略同じ高さにくるように設定したものであるため、高低差をもった複数の水平段面からなる移動路を、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動することができる。
【0015】
また請求項4に係る転回移動玩具は、前記胴体の頭側から前記腕枢支部側の面方向への腕体の回動限を始動初期状態に規制する腕体ストッパと、前記胴体の尻側から前記腕枢支部側の面方向への脚体の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパとを備えたものであるため、前記各段毎の転回動作を確実に行なわせることができる。
【0016】
さらに、請求項5に係る転回移動玩具は、前記腕体を、基端部を腕枢支軸により胴体の腕枢支部に枢支されて前記腕枢支軸を中心として回動する回動アームと、この回動アームの先端に設けられ、水平面に接地した状態で前記回動アームを自立状態に支える腕端板とにより構成し、前記脚体を、基端部を脚枢支軸により前記胴体の脚枢支部に枢支されて前記脚枢支軸を中心として回動する主脚と、先端に足板を有し、基端部を前記主脚の中間部に前記脚枢支軸と平行な支軸により枢支され、前記主脚の回動面に沿った方向に鋭角の開き角で開脚する補助脚と、前記主脚に対する前記補助脚の開脚限を規定する開脚限規制手段と、前記補助脚を開脚方向に付勢するばねとを具備し、水平面への前記補助脚の足板と前記主脚の先端との接地により自立する構成としているため、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動する動作を、途中で転倒したり落下したりすることなく安全に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面に従い具体的に説明する。図1及び図2はこの発明の一実施例を示す転回移動玩具の始動初期状態の外観斜視図及び一部切開側面図、図3は図2のIII―III線に沿う断面図、図4及び図5は前記転回移動玩具の起立回動状態における断面図及び背面図である。
【0018】
この転回移動玩具は、転回移動人形であり、図1〜図5のように、人形頭体3が設けられた頭側(図4及び図5において上端側)と尻側(図4及び図5において下端側)の2つの端部と腹面(図4において左側の面)及び背面(図4において右側の面)と左右2つの側面とを有し、内部に、頭側の端部から尻側の端部にわたって左右方向に蛇行する重錘球転動路4が設けられた胴体1と、
この胴体1の重心位置(人形頭体3を含む胴体全体の重心位置)よりも頭側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹背面のいずれか一方の面側に片寄らせて設けられた腕枢支部10と、前記胴体1の重心位置よりも尻側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹背面の他方の面側に片寄らせて設けられた脚枢支部20と、胴体1の腕枢支部10から頭側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体1の両側にそれぞれ基端部を胴体1の左右方向に沿う腕枢支軸14により腕枢支部10に枢支されて設けられ、前記腕枢支軸14を中心として、胴体頭部の外周を回って胴体1の腹面側と背面側とに回動する左右2本の腕体11と、前記胴体1の脚枢支部20から尻側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体1の両側にそれぞれ基端部を胴体1の左右方向に沿う脚枢支軸24により脚枢支部20に枢支されて設けられ、前記脚枢支軸24を中心として、胴体尻部の外周を回って胴体1の腹面側と背面側とに回動する左右2本の脚体21と、胴体1の重錘球転動路4内に転がり移動可能に収容された重錘球7とを備えている。
【0019】
なお、この実施例では、胴体1の背面側に腕枢支部10を設け、腹面側に脚枢支部20を設けている。
【0020】
前記胴体1は、長さが約95mm、腹面と背面との間の厚さ寸法が約14mm、左右の側面間の幅寸法が約16mmの角筒体であり、腕枢支軸14による腕枢支点は、胴体1の頭側端面よりも約36mm胴体中央側にずれ、胴体1の重心位置を通る胴体軸線よりも胴体背面側に約7.5mmずれた位置(胴体1の背面付近)にあり、脚枢支軸24による脚枢支点は、胴体1の尻側端面よりも約21mm胴体中央側にずれ、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹面側に約7.5mmにずれた位置(胴体1の腹面付近)にあり、腕枢支点と脚枢支点との間の距離(胴体軸線上での距離)は約38mmに設定されている。
【0021】
この胴体1は、樹脂成形品からなる左右一対の半割体2a,2bを突合せ接合して構成され、その頭側の端部に、樹脂成形品からなる中空の人形頭体3が嵌着されている。
【0022】
そして、この胴体1内の重錘球転動路4は、重錘球7の直径よりも大きい内幅を有する空間5と、この空間5の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板6a,6bとにより形成されている。
【0023】
すなわち、胴体1を構成する一対の半割体2a,2bはそれぞれ、角筒体をその軸線に沿って左右に2分割した形状のものであり、そのうちの一方の半割体2a内に、その内側面から重錘球半径よりも小さい突出高さで突設された複数例えば5枚の障壁板6aが一定間隔で設けられ、他方の半割体2bの内に、その内側面から重錘球半径よりも小さい突出高さで突設された複数例えば6枚の障壁板6bが、前記一方の半割体2aの各障壁板6aに対して半ピッチずらして一定間隔で設けられている。
【0024】
そして、この一対の半割体2a,2bは、いずれかの半割体2a,2b内に重錘球7を収容し、一方の半割体2aの各障壁板6a間の中央位置に他方の半割体2bの各障壁板6bをそれぞれ対応させて突合せ接合されており、その内部に形成された空間5と前記各障壁板6a,6bとにより、重錘球7を胴体1の傾きにともなって図3に破線で示したように左右方向に蛇行させながら転がり移動させる重錘球転動路4が形成されている。
【0025】
なお、前記重錘球7は、例えば直径が約10mmの鋼球であり、一方の半割体2aの障壁板6a間の間隔及び他方の半割体2bの障壁板6b間の間隔と、一方の半割体2aの内側面と他方の半割体2bの障壁板6bの突出端との間隔及び他方の半割体2bの内側面と一方の半割体2aの障壁板6aの突出端との間隔はそれぞれ重錘球7の直径よりも2〜5mm程度大きく設定されている。
【0026】
また、この実施例では、前記胴体1の重錘球転動路4内に、複数個、例えば3個の重錘球7を収容し、これらの重錘球7の総重量を、左右の腕体11の総重量及び左右の脚体21の総重量のいずれよりも重く、しかも、前記重錘球転動路4内の重錘球7の転がり移動による玩具の転回動作を、速過ぎず、また遅過ぎない適度な速度で行なわせるように設定している。
【0027】
なお、前記重錘球7の数は、1個でも複数個でもよく、要は、左右の腕体11の総重量及び左右の脚体21の総重量のいずれよりも重く、しかも、重錘球7の転がり移動による玩具の転回動作を適度な速度で行なわせることができる重量を得られればよい。
【0028】
前記胴体1の左右の側面の長さ方向の中央部にはそれぞれ、胴体1の頭側の背面付近から尻側の腹面付近にかけて張出板8が突設されており、これらの張出板8の頭側の端部に腕枢支部10が設けられ、尻側の端部に脚枢支部20が設けられている。
【0029】
腕枢支部10は、左右一対の軸受板10aと、これらの軸受板10aの連結板10bとからなっており、左右の軸受板10aを左右の張出板8の頭側の端部にそれぞれ固定され、連結板10bの中央部を胴体1の背面に固定されている。
【0030】
また、脚枢支部20は、左右一対の軸受板20aと、これらの軸受板20aの連結板20bとからなっており、左右の軸受板20aを左右の張出板8の尻側の端部にそれぞれ固定され、連結板20bの中央部を胴体1の腹面に固定されている。
【0031】
そして、左右の腕体11はそれぞれ、基端部を腕枢支軸14により胴体1の腕枢支部10に枢支されて腕枢支軸14を中心として回動する回動アーム12と、この回動アーム12の先端に設けられ、水平面A上にフラットに当接して回動アーム12を自立状態に支える腕端板13とからなっている。
【0032】
なお、前記腕枢支部10の左右の軸受板10aの外面にはそれぞれ円筒状のボス受け15が固定され、左右の腕体11の回動アーム12の基端部の胴体1側の面には前記ボス受け15内に回動可能に嵌合するボス部材16が固定されており、左右の腕体11は、腕枢支部10の左右の軸受板10aに両端側を回転可能に支持され、両端をボス受け15内に突出させて設けられた1本の腕枢支軸14の両端にそれぞれ各腕体11のボス部材16を固定することにより、左右の腕体11が同調して一体的に回動するように設けられている。
【0033】
前記回動アーム12は、その基端側を、回動アーム12の回動面に沿って“く”状に屈曲させた形状を有しており、腕端板13は、腕体11をその自重により胴体1の腕枢支点から垂下する状態に回動させたときに、胴体1の腕枢支点の真下付近(腕枢支点を通る垂線付近)に腕端板中央部が位置する状態で水平面A上にフラットに当接する角度で回動アーム12の先端に設けられている。
【0034】
また、前記左右の脚体21はそれぞれ、基端部を脚枢支軸24により胴体1の脚枢支部20に枢支されて前記脚枢支軸24を中心として回動する主脚22と、先端に足板23aを有し、基端部を前記主脚22の中間部に脚枢支軸24と平行な支軸25により枢支され、主脚22の回動面に沿った方向に、鋭角の開き角(例えば20〜40度の範囲内の所定の角度)で開脚する補助脚23と、主脚22に対する補助脚23の開脚限を規定する開脚限規制手段26と、補助脚23を開脚方向に付勢するばね29とを具備し、水平面A上への補助脚23の足板23aと主脚22の先端との接地により自立する構成とされている。
【0035】
なお、この左右の脚体21は、胴体1の脚枢支部20の左右の軸受板20aに両端側を回転可能に支持された1本の脚枢支軸24の両端に各脚体21の主脚22の基端部を嵌合固定することにより、左右の脚体21が同調して一体的に回動するように設けられている。
【0036】
前記補助脚23の主脚22に対する枢支点から足板23aまでの長さは、主脚22の補助脚枢支点から脚先端までの長さよりも所定長さだけ短く設定されており、足板23aは、補助脚23の先端に、足先部を主脚22とは反対方向に向けると共に補助脚23に対して足先下がりに傾斜させた状態で、主脚22の先端を水平面A上に接地させたまま脚体21が胴体1の脚枢支点を中心として補助脚23側とは反対方向に回動したときに、足先部から前記水平面Aに接地するように設けられている。
【0037】
前記開脚限規制手段26は、主脚22に設けられたストッパ軸27と、補助脚23の基端部に設けられ、この補助脚23が主脚22の前方向に所定の開き角度でV状に開脚したときに前記ストッパ軸27に当接するストッパ当接部28とからなっている。
【0038】
また、前記ばね29は、捩りばねであり、その巻輪部を補助脚支軸25に嵌装されると共に、一端を前記ストッパ軸27に掛止され、他端を補助脚23の基端側の後縁に掛止されている。
【0039】
なお、胴体1の脚枢支点(主脚22の枢支点)から主脚22に対する補助脚23の枢支点までの距離は、胴体1の脚枢支点から胴体1の尻側端までの距離よりも大きく設定されており、左右の脚体21は、それぞれの主脚22同士を前記ストッパ軸27と、それよりも脚先端側に設けられた2本の主脚連結軸30により連結されると共に、それぞれの補助脚23同士を補助脚連結軸31により連結されている。
【0040】
そして、左右の腕体11の長さ(胴体1の腕枢支点から腕端板13までの長さ)と、左右の脚体21の長さ(胴体1の脚枢支点から主脚22の先端までの長さ)はそれぞれ、図2のように胴体1をその腹面と背面のうちの脚枢支部20側の面である腹面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に例えば10〜30度の範囲内の所定の角度で傾斜した寝かせ状態にし、腕体11と脚体21とをそれぞれ自重により胴体1の下方に回動させた始動初期状態において、腕体11と脚体21の両方の先端(腕端板13と主脚22の先端)が略同じ高さにくるように設定されている。
【0041】
なお、前記左右の腕体11の長さは、胴体1の腕枢支点から人形頭体3の先端までの距離よりも充分に長く設定されており、また、この左右の腕体11の間隔は、前記人形頭体3の横幅よりも充分に大きく設定されている。
【0042】
さらに、この転回移動玩具は、胴体1の頭側から胴体背面(腕枢支部10側の面)方向への腕体11の回動限を前記始動初期状態に規制する腕体ストッパ17と、胴体1の尻側から胴体背面方向への脚体21の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパ32とを備えている。
【0043】
前記腕体ストッパ17は、胴体1の腕枢支部10の左右の軸受板10aの外面にそれぞれ固定された前記ボス受け15と、左右の腕体11の回動アーム12の基端部に固定された前記ボス部材16とのいずれか一方、例えばボス受け15に設けられており、他方のボス部材16には、腕体11が胴体頭部の外周を回って胴体背面側に図2に示した始動初期状態まで回動したときに腕体ストッパ17の一端に当接してそれ以上の腕体11の回動を阻止するストッパ当接部18が設けられている。
【0044】
なお、前記腕体ストッパ17とストッパ当接部18は、胴体1の頭側から胴体腹面(脚枢支部20側の面)方向への腕体11の回り過ぎを防ぐ機能ももっており、腕体11が上記と逆に、胴体頭部の外周を回って胴体1の腹面側に図4のように胴体軸線から90度よりも若干大きい回動角、例えば100〜130度の範囲内の所定の回動角まで回動したときに、前記ストッパ当接部18が腕体ストッパ17の他端に当接し、それ以上の腕体11の回動を阻止するようになっている。
【0045】
また、前記脚体ストッパ32は、胴体1の両側面に突設された張出板8に設けられており、左右の脚体21の基端部には、脚体21が胴体尻部の外周を回って胴体背面(腕枢支部10側の面)側に図2に示した始動初期状態まで回動したときに脚体ストッパ32に当接してそれ以上の脚体21の回動を阻止するストッパ当接部33が設けられている。
【0046】
さらに、この転回移動玩具は、転回移動中における腕体11及び脚体21の回動を補助するための左右一対の動作補助糸34を備えている。
【0047】
この動作補助糸34は、その一端を前記腕体11の基端部に固定されたボス部材16の一部に連結されており、前記胴体1の腕枢支部10に固定されたボス受け15の外周面の一部に設けられた糸ガイド35を通して胴体1の尻側方向に引き出され、さらに脚枢支軸24に胴体腹面(脚枢支部20側の面)から掛け回されて、左右の脚体21の補助脚23間の補助脚連結軸31に他端を連結されている。
【0048】
そして、この動作補助糸34の長さは、図1及び図2に示した始動初期状態では弛みをもっており、胴体1と腕体11及び脚体21が側面から見てZ状の位置関係になったとき、つまり、この実施例では腕体11が胴体1の腹面方向に回動し脚体21が胴体1の背面方向に回動したとき(図8及び図12参照)に緊張するように設定されている。
【0049】
図6〜図13は、前記転回移動玩具の動作を示しており、ここでは、複数の水平段面のうち、最も高い第1段面からその次の第2段面への転回移動を示している。なお、ここでは便宜上、図6〜図13のうち、前記動作補助糸34が緊張するときの動作図である図8及び図12だけに動作補助糸34を示し、他の図、つまり前記動作補助糸34が弛んでいるときの動作図では動作補助糸34を省略している。
【0050】
前記転回移動玩具を使用するときは、図6のように、この転回移動玩具を、上述した始動初期状態、つまり、胴体1を脚枢支部20側の面である腹面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定の角度で傾斜させて寝かせた仰向け状態にし、腕体11と脚体21とをそれぞれ自重により胴体1の下方に回動させた始動初期状態、つまり、腕体11のストッパ当接部18を腕体ストッパ17の一端に当接させ、脚体21側のストッパ当接部33を脚体ストッパ32に当接させた状態で、第1段面B1の上に、胴体1の頭側を第1段面B1の前端(第2段面B2側の端部)方向に向け、腕体11の先端と脚体21の主脚22の先端とを前記第1段面B1に接地させて置く。
【0051】
なお、この始動初期状態では、腕体11の重心位置と脚体21の重心位置はそれぞれ胴体1の腕枢支点の真下位置及び脚枢支点の真下位置よりも僅かに胴体尻部側にある。
【0052】
このようにして第1段面B1上に転回移動玩具を置くと、胴体1の腕枢支点よりも頭側への重錘球7の転がり移動により胴体1の頭側が重くなり、胴体1が、先端が第1段面B1に接地している腕体11の枢支点を中心として、さらに頭を下げる方向に自然に回動し始める。
【0053】
このように胴体1が回動し始めると、脚体ストッパ32により頭側への回動を阻止されている脚体21が、胴体1の回動にともなって第1段面B1から引上げられ、図7のように胴体1と一体に回動する。
【0054】
なお、脚体21が第1段面B1から離れた後は、胴体1が左右の腕体11だけで腕枢支点を支持される状態になるが、このときは、腕体11が第1段面B1にフラットに当接している腕端板13により自立状態に支えられているため、腕枢支点を中心とする胴体1の回動中に転倒したり第1段面B1から落下したりすることはない。
【0055】
そして、胴体1が図7の倒立状態を越えて腹面(脚枢支部20側の面)を下に向けたうつ伏せ状態に回動して行くと、その途中で動作補助糸34が図8のように緊張し、脚体ストッパ32により胴体1の頭側への回動を阻止された状態で胴体1と一体に回動してきた脚体21が、前記胴体1の回動にともなって前記動作補助糸34により引っ張られ、胴体1に対してその尻側に回動する。
【0056】
また、前記胴体1がさらにうつ伏せ状態に回動し、前記動作補助糸34により引っ張られて胴体1の上方に倒立した脚体21の重心位置が、胴体1の脚枢支点の真上位置を越えて尻側に移動すると、脚体21がその自重によって図9のように胴体尻部の外周を回って胴体1の下方に回動する。
【0057】
このとき、脚体21が脚体ストッパ32により頭側への回動を阻止されて胴体1と一体に回動している間の胴体1及び脚体21の回動は、胴体1及びその内部の重錘球7と脚体21のトータルの重心位置が腕枢支点の真上位置を越えるまでは比較的ゆっくりした動作であるが、前記トータルの重心位置が腕枢支点の真上位置を越えると、胴体1及び脚体21が急速に下方に回動すると共に、その途中で脚体21が胴体尻部の外周を回って胴体1の下方に回動する。
【0058】
また、胴体1内の重錘球7は、胴体1が水平なうつ伏せ状態になるまでは、胴体1の頭側の端部に留まっており、胴体1が水平なうつ伏せ状態を越えて尻下がり方向に回動するのにともなって、左右方向に蛇行した重錘球転動路4を蛇行しながらゆっくりと胴体1の尻側に転がり移動して行く。
【0059】
そして、前記胴体1及び脚体21の回動により玩具全体の重心が胴体1の腕枢支点よりも第1段面B1の前方に移動すると、その重心移動により、腕体11が腕端板13の第1段面B1の前端方向の端部を前記第1段面B1で支持された状態で第1段面B1の前方に回動し、胴体1及び脚体21が回動しながら第2段面B上に降下して、胴体1がその腹面を第1段面B1の前端に向けた起立状態に近くなったときに、脚体21の補助脚23の足板23aが足先部から図10のように第2段面B2に着地する。
【0060】
このとき、前記補助脚23は、足板23aの足先部が第2段面B2に着地した瞬間に、捩りばね29の付勢力に抗して主脚22の方向に回動して着地衝撃を吸収し、前記捩りばね29の付勢力により再び所定の開き角の開脚状態に戻る。
【0061】
そのため、前記補助脚23の足板23aの足先部が第2段面B2に着地したときの衝撃により転倒したりバウンドして第2段面B2から落下したりすることはない。
【0062】
前記補助脚23の足板23aが足先部から第2段面B2に着地すると、脚体21が前記足板23aの足先部の段面接地点を中心として回動して、この脚体21の主脚22の先端も第2段面B2に着地し、脚体21が第2段面B2上に、補助脚23の足板23aと主脚22の先端との接地により自立する。
【0063】
一方、胴体1は、図11のように、第2段面B2上に自立した脚体21により支持されて脚枢支点を中心としてさらに回動し、それにともなって腕体11が、前記第1段面B1から離れ、腕体ストッパ17の他端へのストッパ当接部18の当接によりそれ以上の尻側への回動を阻止された状態で胴体1と一体に回動する。
【0064】
このときも、脚体21が補助脚23と主脚22により第2段面B2に自立状態に支えられているため、脚枢支点を中心とする胴体1の回動中に転倒したり第2段面B2から落下したりすることはない。
【0065】
そして、胴体1がさらに回動して再び仰向け状態になると、前記動作補助糸34が図12のように再び緊張し、前記腕体ストッパ17により胴体1の尻側への回動を阻止された状態で胴体1と一体に回動してきた腕体11が、前記胴体1の回動にともなって前記動作補助糸34により引っ張られ、胴体1に対してその頭側に回動する。
【0066】
また、前記胴体1がさらに回動し、前記動作補助糸34により引っ張られて胴体1の頭側に回動した腕体11の重心位置が、胴体1の腕枢支点の真上位置を越えて頭側に移動すると、腕体11がその自重により胴体頭部の外周を回って胴体1の下方に回動する。
【0067】
胴体1の下方に回動した腕体11は、前記腕体ストッパ17の一端へのストッパ当接部18の当接によりそれ以上の頭側への回動を阻止された状態で第2段面B2に着地し、その後に、図13のように胴体1が水平状態よりも尻から頭側に向かって下方に所定の角度で傾斜した仰向け状態、つまり図6に示した第1段面B1での始動初期状態と同じ状態になって第2段面B2への転回移動を終了する。
【0068】
このとき、胴体1内の重錘球7は、胴体1が水平な仰向け状態に回動するまでは胴体1の尻側にあり、胴体1が水平状態よりも尻から頭側に向かって下方に傾斜した仰向け状態になるのにともなって、左右方向に蛇行した重錘球転動路4を蛇行しながらゆっくりと胴体1の頭側に転がり移動する。
【0069】
そして、前記重錘球7が胴体1の腕枢支点よりも頭側に転がり移動するまでの間は、第2段面B2上で前記始動初期状態と同じ状態で動作停止し、前記腕枢支点よりも頭側への重錘球7の転がり移動により胴体1の頭側が重くなったときに、次の第3段面(図示せず)への転回移動を開始する。
【0070】
以下は上記動作の繰返しであり、回転移動玩具は、上記動作の繰返しにより各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動して行く。
【0071】
この転回移動玩具は、胴体1内の重錘球転動路4を胴体1の左右方向に蛇行させているため、胴体1の傾きにともなう重錘球7の転がり移動を遅くし、緩急のある興趣性に富んだ転回動作を行なうことができる。
【0072】
この転回移動玩具において、胴体1内の重錘球転動路4は、連続した蛇行曲線状の転動路でもよいが、この実施例では、前記重錘球転動路4を、重錘球7の直径よりも大きい内幅を有する空間5と、前記空間5の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板6a,6bとにより形成しているため、胴体1の傾きにともなう重錘球7の転がり移動をより遅くし、さらに緩急のある転回動作を行なうことができる。
【0073】
さらに、この転回移動玩具は、腕体11と脚体21のそれぞれの長さを、胴体1をその腹面と背面のうちの脚枢支部20側の面(上記実施例では腹面)を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定角度傾斜した寝かせ状態にし、前記腕体11と脚体21とをそれぞれ自重により胴体1の下方に所定角度回動させた始動初期状態において、前記腕体11と脚体21の両方の先端が略同じ高さにくるように設定したものであるため、上述したように、高低差をもった複数の水平段面からなる移動路を、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動することができる。
【0074】
また、この転回移動玩具は、胴体1の頭側から腕枢支部10側の面(上記実施例では背面)方向への腕体11の回動限を始動初期状態に規制する腕体ストッパ17と、前記胴体1の尻側から前記腕枢支部側の面方向への脚体21の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパ32とを備えたものであるため、前記各段毎の転回動作を確実に行なわせることができる。
【0075】
さらに、この転回移動玩具は、前記腕体11を、基端部を腕枢支軸14により胴体1の腕枢支部10に枢支されて前記腕枢支軸14を中心として回動する回動アーム12と、この回動アーム12の先端に設けられ、水平面Aに接地した状態で前記回動アーム12を自立状態に支える腕端板13とにより構成し、前記脚体21を、基端部を脚枢支軸24により胴体1の脚枢支部20に枢支されて前記脚枢支軸24を中心として回動する主脚22と、先端に足板23aを有し、基端部を前記主脚22の中間部に脚枢支軸24と平行な支軸25により枢支され、主脚22の回動面に沿った方向に鋭角の開き角で開脚する補助脚23と、前記主脚22に対する補助脚23の開脚限を規定する開脚限規制手段26と、補助脚を開脚方向に付勢するばね(上記実施例では捩りばね)29とを具備し、水平面Aへの補助脚23の足板23aと主脚22の先端との接地により自立する構成としているため、各段毎に1転回しながら上段から下段に向かって移動する動作を、途中で転倒したり落下したりすることなく安全に行なうことができる。
【0076】
なお、上記実施例では、胴体1内の重錘球転動路4を、空間5の左右の内側面から複数の障壁板6a,6bを交互に突設して形成しているが、重錘球転動路は、連続した蛇行曲線状の転動路としてもよい。
【0077】
また、上記実施例の転回移動玩具は、胴体1の背面方向に転回するものであるが、上記実施例と逆に、胴体1の腹面側に腕枢支部10を設け、前記胴体1の背面側に脚枢支部20を設けて、腹面方向に転回するようにしてもよい。
【0078】
さらに、この発明は、上述した実施例の転回移動人形に限らず、例えば動物の胴部を模した胴部に左右2本の腕体(前脚体)と左右2本の脚体(後脚体)とを枢支した転回移動玩具にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】この発明の一実施例を示す転回移動玩具の始動初期状態の外観斜視図。
【図2】前記転回移動玩具の始動初期状態の一部切開側面図。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図。
【図4】前記転回移動玩具の起立回動状態における断面図。
【図5】前記転回移動玩具の起立回動状態における背面図。
【図6】前記転回移動玩具の動作を示す第1段面上に置いた始動初期状態図。
【図7】第1段面上での回動状態図。
【図8】第1段面上での回動状態図。
【図9】第1段面上での回動状態図。
【図10】第1段面から第2段面への降下状態図。
【図11】第2段面への着地状態図。
【図12】第2段面上での回動状態図。
【図13】第2段面への転回移動終了状態図。
【符号の説明】
【0080】
1…胴体、4…重錘球転動路、5…空間、6a,6b…障壁板、7…重錘球、10…腕枢支部、11…腕体、12…回動アーム、13…腕端板、14…腕枢支軸、17…腕体ストッパ、18…ストッパ当接部、20…脚枢支部、21…脚体、22…主脚、23…補助脚、23a…足板、25…支軸、26…開脚限規制手段、29…捩りばね、32…脚体ストッパ、33…ストッパ当接部、34…動作補助糸、35…糸ガイド。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭側と尻側の2つの端部と腹面及び背面と左右2つの側面とを有し、内部に、前記頭側の端部から尻側の端部にわたって左右方向に蛇行する重錘球転動路が設けられた胴体と、前記胴体の重心位置よりも頭側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹背面のいずれか一方の面側に片寄らせて設けられた腕枢支部と、前記胴体の重心位置よりも尻側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも前記胴体腹背面の他方の面側に片寄らせて設けられた脚枢支部と、前記胴体の前記腕枢支部から頭側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体の両側にそれぞれ基端部を前記胴体の左右方向に沿う腕枢支軸により前記腕枢支部に枢支されて設けられ、前記腕枢支軸を中心として、胴体頭部の外周を回って前記胴体の腹面側と背面側とに回動する左右2本の腕体と、前記胴体の前記脚枢支部から尻側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体の両側にそれぞれ基端部を前記胴体の左右方向に沿う脚枢支軸により前記脚枢支部に枢支されて設けられ、前記脚枢支軸を中心として、胴体尻部の外周を回って前記胴体の腹面側と背面側とに回動する左右2本の脚体と、前記胴体の重錘球転動路内に転がり移動可能に収容された重錘球とを備えたことを特徴とする転回移動玩具
【請求項2】
胴体内の重錘球転動路は、重錘球の直径よりも大きい内幅を有する空間と、前記空間の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板とからなっていることを特徴とする請求項1に記載の転回移動玩具。
【請求項3】
腕体と脚体のそれぞれの長さを、胴体をその腹面と背面のうちの脚枢支部側の面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定角度傾斜した寝かせ状態にし、前記腕体と脚体とをそれぞれ自重により前記胴体の下方に回動させた始動初期状態において、前記腕体と脚体の両方の先端が略同じ高さにくるように設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の転回移動玩具。
【請求項4】
胴体の頭側から腕枢支部側の面方向への腕体の回動限を始動初期状態に規制する腕体ストッパと、前記胴体の尻側から前記腕枢支部側の面方向への脚体の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパとを備えたことを特徴とする請求項3に記載の転回移動玩具。
【請求項5】
左右の腕体はそれぞれ、基端部を腕枢支軸により胴体の腕枢支部に枢支されて前記腕枢支軸を中心として回動する回動アームと、この回動アームの先端に設けられ、水平面にフラットに当接して前記回動アームを自立状態に支える腕端板とからなり、左右の脚体はそれぞれ、基端部を脚枢支軸により前記胴体の脚枢支部に枢支されて前記脚枢支軸を中心として回動する主脚と、先端に足板を有し、基端部を前記主脚の中間部に前記脚枢支軸と平行な支軸により枢支され、前記主脚の回動面に沿った方向に鋭角の開き角で開脚する補助脚と、前記主脚に対する前記補助脚の開脚限を規定する開脚限規制手段と、前記補助脚を開脚方向に付勢するばねとを具備し、水平面への前記補助脚の足板と前記主脚の先端との接地により自立する構成とされていることを特徴とする請求項3に記載の転回移動玩具。
【請求項1】
頭側と尻側の2つの端部と腹面及び背面と左右2つの側面とを有し、内部に、前記頭側の端部から尻側の端部にわたって左右方向に蛇行する重錘球転動路が設けられた胴体と、前記胴体の重心位置よりも頭側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも胴体腹背面のいずれか一方の面側に片寄らせて設けられた腕枢支部と、前記胴体の重心位置よりも尻側に、前記重心位置を通る胴体軸線よりも前記胴体腹背面の他方の面側に片寄らせて設けられた脚枢支部と、前記胴体の前記腕枢支部から頭側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体の両側にそれぞれ基端部を前記胴体の左右方向に沿う腕枢支軸により前記腕枢支部に枢支されて設けられ、前記腕枢支軸を中心として、胴体頭部の外周を回って前記胴体の腹面側と背面側とに回動する左右2本の腕体と、前記胴体の前記脚枢支部から尻側端までの距離よりも大きい長さを有し、前記胴体の両側にそれぞれ基端部を前記胴体の左右方向に沿う脚枢支軸により前記脚枢支部に枢支されて設けられ、前記脚枢支軸を中心として、胴体尻部の外周を回って前記胴体の腹面側と背面側とに回動する左右2本の脚体と、前記胴体の重錘球転動路内に転がり移動可能に収容された重錘球とを備えたことを特徴とする転回移動玩具
【請求項2】
胴体内の重錘球転動路は、重錘球の直径よりも大きい内幅を有する空間と、前記空間の左右の内側面からそれぞれ胴体長さ方向に沿って交互に突設された重錘球半径よりも小さい突出高さを有する複数の障壁板とからなっていることを特徴とする請求項1に記載の転回移動玩具。
【請求項3】
腕体と脚体のそれぞれの長さを、胴体をその腹面と背面のうちの脚枢支部側の面を上に向けると共に水平状態よりも尻側から頭側に向かって下方に所定角度傾斜した寝かせ状態にし、前記腕体と脚体とをそれぞれ自重により前記胴体の下方に回動させた始動初期状態において、前記腕体と脚体の両方の先端が略同じ高さにくるように設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の転回移動玩具。
【請求項4】
胴体の頭側から腕枢支部側の面方向への腕体の回動限を始動初期状態に規制する腕体ストッパと、前記胴体の尻側から前記腕枢支部側の面方向への脚体の回動限を始動初期状態に規制する脚体ストッパとを備えたことを特徴とする請求項3に記載の転回移動玩具。
【請求項5】
左右の腕体はそれぞれ、基端部を腕枢支軸により胴体の腕枢支部に枢支されて前記腕枢支軸を中心として回動する回動アームと、この回動アームの先端に設けられ、水平面にフラットに当接して前記回動アームを自立状態に支える腕端板とからなり、左右の脚体はそれぞれ、基端部を脚枢支軸により前記胴体の脚枢支部に枢支されて前記脚枢支軸を中心として回動する主脚と、先端に足板を有し、基端部を前記主脚の中間部に前記脚枢支軸と平行な支軸により枢支され、前記主脚の回動面に沿った方向に鋭角の開き角で開脚する補助脚と、前記主脚に対する前記補助脚の開脚限を規定する開脚限規制手段と、前記補助脚を開脚方向に付勢するばねとを具備し、水平面への前記補助脚の足板と前記主脚の先端との接地により自立する構成とされていることを特徴とする請求項3に記載の転回移動玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−75509(P2006−75509A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−265622(P2004−265622)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000000930)株式会社学習研究社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000000930)株式会社学習研究社 (8)
【Fターム(参考)】
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