説明

農薬製品の管理システム及び管理方法

【課題】農薬製品の流通、在庫、及び使用者による農薬製品の使用を、農薬製品1個1個について管理できるようにする。
【解決手段】農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々において、農薬製品の受け入れがあるごとに、農薬製品の包装体90に取り付けられた農薬製品のロット番号及び使用期限を示すタグ91を、読取り機39によって読み取り、読み取った情報を、ネットワーク30を介して製品管理サーバ20に送信する。農薬製品の使用者が農薬製品を使用するごとに、使用者によって、農薬製品の使用状況を示す使用状況情報を情報端末38に入力し、入力された使用状況情報を、ネットワーク30を介して製品管理サーバ20に送信する。製品管理サーバ20は、読取り機39から送信された情報に基づいて、管理テーブルの所在情報を更新し、情報端末38から送信された使用状況情報に基づいて、管理テーブルの使用状況情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬製品の管理システム及び管理方法に係り、特に、流通過程にあったり在庫として保管されている農薬製品を一元的に管理するための農薬製品の管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、農薬製品は、適正な食糧確保などのために必須の農業資材である。安全性についても考慮が払われているが、必要とする効能を得るために、いまだに毒劇物指定のものが数多く流通し、使用されている。また、直接接触した場合に人体に悪影響を及ぼす農薬製品が存在し、農薬製品の使用時において、製品に起因する中毒事故が発生している。
【0003】
農薬は、錠剤ではなく液状や粒状、粉末状の形態のものが多い。輸送上及び保管上での予想外の取り扱いなどに起因して、内容物である農薬が、容器などの包装体から漏れ出したり滲み出したりするなどのトラブルが発生することがあり、万が一のトラブルの発生の際には、迅速な対応が必要となる。
【0004】
また、農薬の環境に対する安全性が保障されていないため、水系、大気、土壌への負荷、人間、人間以外の生物への影響等について、継続的に調査していくことが重要である。
【0005】
このように、農薬製品については、流通上及び保管上の安全を確保することと、使用者による製品の使用の管理及び使用後の製品の管理を実行することとが、強く望まれている。そこで、農薬製品の流通及び在庫を1個1個管理する管理方法が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−242223
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、農薬製品の使用状況を管理していないため、農薬製品の流通状況及び在庫状況から農薬製品の使用状況まで管理することができない、という問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、農薬製品の流通、在庫、及び使用者による農薬製品の使用を、農薬製品1個1個について管理できる農薬製品の管理システム及び管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明に係る農薬製品の管理システムは、農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々に設けられ、農薬製品の包装体に取り付けられた該農薬製品のロット番号及び有効期限を示すタグを読み取る複数の読取り機と、農薬製品の使用者の所在地に設けられ、前記農薬製品の使用状況を示す使用状況情報を入力するための情報端末と、農薬製品の所在情報及び使用状況情報を格納した管理テーブルを記憶する管理テーブル記憶手段、及び前記複数の読取り機の各々から送信されたロット番号及び有効期限を示す情報に基づいて前記管理テーブルの所在情報を更新し、前記情報端末から送信された前記使用状況情報に基づいて前記管理テーブルの使用状況情報を更新する更新手段を含む製品管理サーバとを含んで構成されている。
【0009】
本発明に係る農薬製品の管理方法は、農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々において、農薬製品の受け入れがあるごとに、農薬製品の包装体に取り付けられた該農薬製品のロット番号及び有効期限を示すタグを、読取り機によって読み取り、前記読み取った情報を、ネットワークを介して製品管理サーバに送信し、農薬製品の使用者が前記農薬製品を使用するごとに、前記使用者によって、前記農薬製品の使用状況を示す使用状況情報を情報端末に入力し、前記入力された使用状況情報を、ネットワークを介して前記製品管理サーバに送信し、農薬製品の所在情報及び使用状況情報を格納した管理テーブルを記憶した前記製品管理サーバは、前記読取り機から送信された情報に基づいて、前記管理テーブルの前記所在情報を更新し、前記情報端末から送信された使用状況情報に基づいて、前記管理テーブルの前記使用状況情報を更新することを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々に設けられた読取り機によって、農薬製品の受け入れがあるごとに、農薬製品の包装体に取り付けられたタグを読み取り、読み取った情報を、ネットワークを介して製品管理サーバに送信する。また、農薬製品の使用者が農薬製品を使用するごとに、使用者によって、農薬製品の使用状況情報を所在地に設けられた情報端末に入力し、入力された使用状況情報を、ネットワークを介して製品管理サーバに送信する。
【0011】
そして、製品管理サーバは、読取り機から送信された情報に基づいて、管理テーブルの所在情報を更新し、情報端末から送信された使用状況情報に基づいて、管理テーブルの使用状況情報を更新する。
【0012】
このように、農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々の読取り機及び使用者の所在地の情報端末から送信される情報に基づいて、農薬製品の所在情報及び使用状況情報を格納した管理テーブルを更新することによって、農薬製品の流通、在庫、及び使用者による農薬製品の使用を、農薬製品1個1個について管理することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の農薬製品の管理システム及び管理方法によれば、農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々の読取り機及び使用者の所在地の情報端末から送信される情報に基づいて、農薬製品の所在情報及び使用状況情報を格納した管理テーブルを更新することによって、農薬製品の流通、在庫、及び使用者による農薬製品の使用を、農薬製品1個1個について管理することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る農薬製品管理システム10は、農薬製品の生産者である農薬会社の本社11、工場12、支所13などに設けられた複数の情報端末14と、社内ネットワーク15と、農薬会社に設けられ、かつ、農薬製品の流通、在庫、及び使用状況を管理するための製品管理サーバ20とを備えている。情報端末14と製品管理サーバ20とは社内ネットワーク15によって相互に接続されている。
【0016】
製品管理サーバ20は、インターネットなどの社外のネットワーク30にも接続されている。情報端末14として例えばパソコンが用いられる。
【0017】
本実施の形態では、工場12から出荷される農薬製品の各々について、農薬製品の包装体90(例えば、ガラス瓶、ポリ瓶、ポリ袋、紙袋、クラフト加工紙、はり合わせアルミ箔袋、金属缶など)に、農薬製品のロット番号と有効期限とを含む製品情報が付与されたタグ91が取り付けられる。タグ91としては、バーコード印刷されたもの、磁気コードで構成されたもの、あるいはIC(集積回路)チップで構成されたものなどが使用される。なお、包装体90にバーコードを直接印刷してしまうような形態も、包装体90に取り付けられるべきタグ91の範疇に含まれるものとする。
【0018】
製品情報は、例えば、銘柄、ラベル情報(登録番号、適用種別、毒劇表示、危険物表示、指定農薬表示、成分、性状、内容量、作物名、適用場所、適用病害中雑草名、使用目的、希釈倍数、散布液量、使用量、使用時期、総使用回数、使用方法、注意事項、有効期限、製造所住所、ロット番号など)、製造年月日、通し番号、及び出荷日から構成されている。
【0019】
農薬製品の流通経路には、工場12から出荷された農薬製品をまず保管する工場ストックポイント(SP)31、関連会社のストックポイント32、卸店の倉庫35、小売店の倉庫36などの流通拠点又は在庫拠点がある。なお、各経済連の倉庫、単位農協の倉庫、生産者組合の倉庫なども、流通拠点又は在庫拠点として流通経路に含めてもよい。
【0020】
農薬製品は、工場ストックポイント31にまず搬入された後、多種多様な流通経路で、上述したような流通拠点又は在庫拠点の各々を通過し、農薬製品の使用者(最終的な需要者)である農家37や、官公庁40、農業協同組合41に届けられる。図1において、農薬製品の代表的な流通経路が破線で示されている。
【0021】
また、農薬製品管理システム10は、上述した流通拠点又は在庫拠点の各々に設けられ、かつ、ネットワーク30を介して製品管理サーバ20に接続された情報端末38と、情報端末38に接続され、かつ、農薬製品の包装体90に取り付けられたタグ91を読み取るための読取り機39とを備えている。タグ91がバーコード印刷されたものであれば、読取り機39はバーコードリーダーであり、タグ91がICチップで構成されたものであれば、読取り機39は例えば非接触型のICチップ(ICカード)リーダーである。
【0022】
読取り機39は、例えば、倉庫などの搬入搬出口に、ゲートとして設けられている。経営規模が大きな農家37などに、情報端末38及び読取り機39を設けてもよい。なお、情報端末38として、例えば、インターネットなどに接続可能なパソコンを用いればよい。
【0023】
農家37、官公庁40、及び農業協同組合41の各々に設けられた情報端末38には、後述する農薬使用届出処理ルーチンを実行するための農薬使用届出プログラムと、後述する農薬使用支援処理ルーチンを実行するための農薬使用支援プログラムとが記憶されている。
【0024】
農薬使用届出プログラムは、使用者による農薬製品の使用に関する情報(例えば、使用地域、保護対象、防除対象、面積、使用量、使用時期など)の届出を行なうためのプログラムである。農薬使用支援プログラムは、使用者による農薬製品の使用計画(例えば、保護対象、防除対象、面積、使用量、使用時期、使用回数、近隣情報など)の策定を支援するためのプログラムである。
【0025】
次に、製品管理サーバ20について図2を用いて説明する。製品管理サーバ20は、農薬製品の所在情報及び使用状況情報を格納した管理テーブル21と、社内ネットワーク15及びネットワーク30とのインタフェースとなる通信インタフェース部22と、管理テーブル21を更新する更新部23と、管理テーブル21内を検索する検索部24とを備えている。管理テーブル21の各レコードは、顧客情報のフィールドと、ロット番号のフィールドと、有効期限のフィールドと、所在情報を格納するための所在地のフィールドと、使用状況情報を格納するための使用状況のフィールドとから構成されている。
【0026】
更新部23は、各読取り機39からネットワーク30を介してロット番号及び有効期限を含む情報が送信されたときに、どの流通拠点又は在庫拠点からその情報が送られてきたかを識別し、管理テーブル21において、受信した情報のロット番号及び有効期限に対応するレコードの所在情報を、識別した流通拠点名又は在庫拠点名で更新する。また、更新部23は、各情報端末38からネットワーク30を介してロット番号及び有効期限を含む情報と使用状況に関する情報とが送信されたときに、管理テーブル21において、受信した情報のロット番号及び有効期限に対応するレコードの使用状況情報を、受信した使用状況に関する情報の内容で更新する。
【0027】
次に、本実施の形態に係る農薬製品管理システム10を用いた農薬製品の管理方法について説明する。
【0028】
まず、農薬会社が、顧客である農薬製品の使用者から農薬製品の注文を受け付けると、本社11又は支所13にある情報端末14に対して、農薬会社の担当者が顧客情報を入力し、入力した顧客情報を製品管理サーバ20の管理テーブル21に登録する。
【0029】
そして、顧客宛てに出荷するように、農薬会社の工場12に指示があると、工場12から農薬製品が出荷される。工場12から農薬製品を出荷する際、農薬製品1個1個の包装体90に、農薬製品のロット番号及び有効期限を示すタグ91を取り付ける。また、出荷されるときに取り付けられたタグ91が示す農薬製品のロット番号及び有効期限が、担当者の操作によって、情報端末14から製品管理サーバ20の管理テーブル21の対応するレコードに登録される。
【0030】
なお、顧客宛の出荷を、工場ストックポイント31又は関連会社ストックポイント32に指示するようにしてもよい。この場合には、工場ストックポイント31又は関連会社ストックポイント32に保管され、かつ、タグ91が取り付けられた農薬製品を、顧客宛てに出荷すればよい。
【0031】
タグ91が取り付けられた農薬製品は、工場ストックポイント31、関連会社のストックポイント32、卸店の倉庫35、小売店の倉庫36などの流通拠点又は在庫拠点の各々に順次運び込まれる。そして、これらの流通拠点又は在庫拠点において、農薬製品を受け入れるたびに、タグ91が読取り機39によって読み取られ、読取られたタグ91が示すロット番号及び有効期限に関する情報が、情報端末38及びネットワーク30を経由して、製品管理サーバ20に送られる。
【0032】
製品管理サーバ20では、更新部23によって、送信された情報に基づいて管理テーブル21の所在情報が更新される。これにより、管理テーブル21の所在情報には、農薬製品1個1個の現在の所在地が格納されることになる。
【0033】
また、タグ91が取り付けられた農薬製品が、上記流通拠点又は在庫拠点の流通経路を経て、農薬製品の使用者である農家37、官公庁40、又は農業協同組合41に受け入れられると、使用者の所在地点において、農薬製品のタグ91が読取り機39によって読み取られ、タグ91が示すロット番号及び有効期限に関する情報が、情報端末38及びネットワーク30を経由して、製品管理サーバ20に送られる。
【0034】
そして、製品管理サーバ20において、更新部23によって、送信された情報に基づいて管理テーブル21の所在情報が更新される。
【0035】
次に、農薬製品の使用者は、情報端末38において農薬使用支援プログラムを起動して、図3に示す農薬使用支援処理ルーチンを実行する。まず、ステップ100において、使用予定の農薬製品のタグ91を読取り機39によって読み取らせるようにメッセージを表示して、農薬製品のタグ91を読取らせて、読取り機39によって読み取った、使用予定の農薬製品のタグ91が示す情報を取得する。
【0036】
そして、ステップ102において、使用予定の農薬製品の使用計画を策定するための画面を表示し、農薬製品の使用計画として、保護対象、防除対象、面積、使用量、使用時期、使用回数、近隣情報などの情報を、使用者に入力させる。
【0037】
そして、ステップ104において、上記ステップ102で入力された使用計画が、上記ステップ100で取得したタグ91に含まれるラベル情報(例えば、作物名、適用場所、適用病害中雑草名、使用目的、希釈倍数、散布液量、使用量、使用時期、総使用回数、使用方法、注意事項、有効期限)で定められる使用方法の範囲内であるか否かを判定し、使用計画が、ラベル情報の範囲外である場合には、危険な使用計画であると判断し、ステップ106において、警告を提示すると共に、使用計画の是正案を提示して、ステップ102へ戻る。
【0038】
一方、上記ステップ104で、入力された使用計画がラベル情報の範囲内である場合には、安全な使用計画であると判断し、ステップ108において、策定された使用計画及び上記ステップ100で取得した農薬製品のロット番号及び有効期限を含む情報を、ネットワーク30を介して製品管理サーバ20に送信して、農薬使用支援処理ルーチンを終了する。
【0039】
そして、製品管理サーバ20の更新部23は、情報端末38から送信された使用計画及び農薬製品のロット番号と有効期限とを含む情報に基づいて、管理テーブル21において、送信された農薬製品のロット番号及び有効期限に対応するレコードの使用状況情報を、送信された使用計画の内容(例えば、「2007/08使用予定」)で更新する。
【0040】
次に、使用者が農薬製品を使用する毎に、又は、農薬製品の使用が完了したときに、農薬製品の使用者は、情報端末38において農薬使用届出プログラムを起動して、図4に示す農薬使用届出処理ルーチンを実行する。
【0041】
まず、ステップ130において、使用が完了した農薬製品のタグ91を読取り機39によって読取らせるようにメッセージを表示して、農薬製品のタグ91を読取らせて、読取り機39によって読み取った、使用が完了した農薬製品のタグ91が示す情報を取得する。
【0042】
そして、ステップ132で、使用状況に関する情報を入力するための画面を表示し、使用状況に関する情報として、使用地域、保護対象、防除対象、面積、使用量、使用時期などの情報を、使用者に入力させる。
【0043】
次のステップ134では、入力された使用状況に関する情報及び上記ステップ130で取得した農薬製品に関する情報を、ネットワーク30を介して製品管理サーバ20に送信して、農薬使用届出処理ルーチンを終了する。
【0044】
そして、製品管理サーバ20の更新部23は、情報端末38から送信された使用状況及び農薬製品に関する情報に基づいて、管理テーブル21において、送信された農薬製品のロット番号及び有効期限に対応するレコードの使用状況情報を、送信された使用状況の内容(例えば、「2007/08使用完了」)で更新する。
【0045】
また、農薬製品の有効期限が過ぎた場合には、使用者は農薬製品に対して産廃処理を行う。この場合、使用者は、情報端末38において上記の農薬使用届出プログラムを起動して、処理状況として、産廃処理したことを入力し、入力された使用状況に関する情報及び農薬製品に関する情報を、ネットワーク30を介して製品管理サーバ20に送信する。そして、製品管理サーバ20の更新部23は、情報端末38から送信された使用状況及び農薬製品に関する情報に基づいて、管理テーブル21において、送信された農薬製品のロット番号及び有効期限に対応するレコードの使用状況情報を、送信された使用状況の内容(例えば、「2007/08産廃処理」)で更新する。
【0046】
農薬製品の現在の所在や使用状況を確認したい場合、農薬会社の担当者は、情報端末14から社内ネットワーク15を経由して製品管理サーバ20にアクセスする。そして、情報端末14において担当者によって所望の検索条件が入力されると、製品管理サーバ20の検索部24によって、検索条件に基づいて管理テーブル21を検索し、検索結果を情報端末14に返す。その結果、農薬会社の担当者は、例えば、X番の製品はY店の倉庫に予定通り収納されたなどの情報をリアルタイムで知ることができ、また、Z卸の倉庫にあるW番の製品は有効期限が迫っているから回収交換などの判断を的確に行えるようになる。また、農薬会社の担当者は、例えば、D官公庁がV番の製品の使用を完了したため、V番の製品が消尽したことを知ることができ、また、E農家に入荷されたP番の製品は有効期限が迫っていることを知ることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態に係る農薬製品管理システムによれば、農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々の読取り機及び使用者の所在地の情報端末から送信される情報に基づいて、農薬製品の所在情報及び使用状況情報を格納した管理テーブルを更新することによって、農薬製品の流通、在庫、及び使用者による農薬製品の使用を、農薬製品1個1個について管理することができる。
【0048】
また、農薬製品の出荷から、流通、在庫、使用者による農薬製品の使用、農薬製品の消尽まで、製品1個1個管理することができる。
【0049】
また、農薬製品の所在、使用状況、消尽を常時確認でき、かつ有効期限の切れた製品、もしくは有効期限切れが近づいた製品の所在を確認することができるので、回収交換等のサービスを的確に行なうことができ、また、万が一の事故の際にも迅速に対応することができる。
【0050】
なお、上記の実施の形態では、使用者が使用状況を情報端末に入力する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、農薬製品の使用量を読取って、使用状況を製品管理サーバに送信するようにしてもよい。例えば、図5に示すように、農薬製品の包装体の使用量に応じた位置に、使用量を示すQRコードを取り付けて、携帯電話によって、使用量に応じた位置のQRコードを読取らせることにより、使用状況を製品管理サーバに送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係る農薬製品管理システムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る製品管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報端末における使用支援処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る情報端末における使用届出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図5】農薬製品の包装体に取り付けられた使用量を示すQRコードを示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0052】
10 農薬製品管理システム
14 情報端末
20 製品管理サーバ
21 管理テーブル
23 更新部
30 ネットワーク
38 情報端末
39 読取り機
90 包装体
91 タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々に設けられ、農薬製品の包装体に取り付けられた該農薬製品のロット番号及び使用期限を示すタグを読み取る複数の読取り機と、
農薬製品の使用者の所在地に設けられ、前記農薬製品の使用状況を示す使用状況情報を入力するための情報端末と、
農薬製品の所在情報及び使用状況情報を格納した管理テーブルを記憶する管理テーブル記憶手段、及び
前記複数の読取り機の各々から送信されたロット番号及び使用期限を示す情報に基づいて前記管理テーブルの所在情報を更新し、前記情報端末から送信された前記使用状況情報に基づいて前記管理テーブルの使用状況情報を更新する更新手段を含む製品管理サーバと、
を含む農薬製品の管理システム。
【請求項2】
農薬製品の流通拠点又は在庫拠点の各々において、農薬製品の受け入れがあるごとに、農薬製品の包装体に取り付けられた該農薬製品のロット番号及び使用期限を示すタグを、読取り機によって読み取り、前記読み取った情報を、ネットワークを介して製品管理サーバに送信し、
農薬製品の使用者が前記農薬製品を使用するごとに、前記使用者によって、前記農薬製品の使用状況を示す使用状況情報を情報端末に入力し、前記入力された使用状況情報を、ネットワークを介して前記製品管理サーバに送信し、
農薬製品の所在情報及び使用状況情報を格納した管理テーブルを記憶した前記製品管理サーバは、前記読取り機から送信された情報に基づいて、前記管理テーブルの前記所在情報を更新し、前記情報端末から送信された使用状況情報に基づいて、前記管理テーブルの前記使用状況情報を更新する農薬製品の管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−9474(P2009−9474A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172039(P2007−172039)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)