近接給電・通信装置

【課題】基地局側から携帯機側へ近接給電を行うと共に、基地局と携帯機間の通信速度や通信可能エリアを向上させることができる近接給電・通信装置を提供すること。
【解決手段】基地局は、LF信号を使用して携帯機に近接給電を行うとともに、携帯機にLF信号を送信するためのLF送信アンテナ1とLF送信回路2、携帯機からのUHF応答信号を受信するUHF受信アンテナ3とUHF受信回路4、基地局側制御回路5を備える。携帯機は、基地局からのLF信号の電磁波による放射磁界を受信して電力を生成し、基地局にUHF応答信号を送信する。基地局側制御回路5と携帯機側制御回路は、LF信号やUHF応答信号が受信回路側に回り込むことによる雑音が生じないように、LF信号やUHF応答信号の空間的伝播遅延を考慮して、基地局と携帯機の送受信タイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接給電・通信装置に関し、特に、基地局側から携帯機側へ近接給電を行うと共に、基地局と携帯機間の通信速度や通信可能エリアを向上させることができる近接給電・通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局から送信される電磁波が持つ放射磁界に基づく電磁誘導エネルギを携帯機の動作エネルギとする装置、すなわち携帯機の動作エネルギを基地局側から近接給電により得る装置が知られている。
【0003】
このような装置として、従来、自動車用キーレスエントリ装置、RFIDタグ装置、ICカード装置などが実用化されている。これらの装置では、近接給電と通信に使用する周波数を同一とするのが一般的であり、基地局と携帯機は、近接給電に使用する電磁波と同一の周波数を用いて通信を行う。
【0004】
例えば、自動車用キーレスエントリ装置の場合、自動車側の基地局およびキー側の携帯機はそれぞれ、LF(Low Frequency)送信機とLF受信機を備え、LF信号を使用して近接給電と通信を行う。この場合、基地局から携帯機へ近接給電を行うタイミングと携帯機から基地局へ応答信号を送信するタイミングを異ならせる。これは、同一の周波数では送信と受信を同時に行うことができないためである。
【0005】
同一の周波数のLF信号を使用する方式では、まず、基地局のLF送信機から近接給電用LF信号を送信する。携帯機では、基地局から送信された近接給電用LF信号を受信し、その電磁波が持つ放射磁界に基づいて電力を生成し、その電力によりLF受信機とLF送信機を動作させてLF応答信号を送信する。基地局は、近接給電用LF信号の送信が完了した後、携帯機のLF送信機から送信されるLF応答信号をLF受信機で受信する。
【0006】
RFIDタグ装置の場合も同様であり、ICタグリーダ側の基地局およびICタグ側の携帯機はそれぞれ、RF(Radio Frequency)送信機とRF受信機を備え、RF信号を使用して近接給電と通信を行う。この場合でも、同一の周波数では送信と受信を同時に行うことができないので、基地局から携帯機へ近接給電を行うタイミングと携帯機から基地局へ応答信号を送信するタイミングを異ならせる。
【0007】
同一の周波数のRF信号を使用する方式では、まず、基地局のRF送信機から近接給電用RF信号を送信する。携帯機では、基地局から送信された近接給電用RF信号を受信し、その電磁波が持つ放射磁界に基づいて電力を生成し、その電力によりRF受信機とRF送信機を動作させてRF応答信号を送信する。基地局は、近接給電用RF信号の送信を完了した後、携帯機のRF送信機から送信されるRF応答信号をRF受信機で受信する。RF信号を使用して近接給電と通信を行うICカード装置の場合も同様である。
【0008】
また、非特許文献1には、LF信号を使用して携帯機を起動し、UHF信号を使用して携帯機から基地局へ応答信号を送信する入退室管理システムが記載されている。この入退室管理システムは、タグリーダ、外部アンテナおよびアクティブタグから構成される。ここで、タグリーダは、LF送受信アンテナ、LF送受信回路、UHFアンテナ、UHF受信回路、制御回路(CPU)を備え、外部アンテナは、LFアンテナおよびLF送信回路を備え、アクティブタグは、LF送受信アンテナ、LF送受信回路、UHFアンテナ、UHF送信回路、制御回路(CPU)および電池を備える。アクティブタグは、電池が消耗していなければ、タグリーダからのLF信号のWakeパターンにより起動され、ID番号を含むUHF応答信号をUHF送信回路を通じてタグリーダに送信する。しかし、電池が消耗している場合、アクティブタグは、タグリーダからのLF信号により誘起される電力により動作し、LF送信回路から2値のFSK(Frequency Shift Keying)変調したLF信号をタグリーダへ送信し、タグリーダはLF受信回路でこのLF信号を受信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】鍋嶋 秀夫 他著,"アクティブタグによるハンズフリー入退室管理システム" パナソニック電工技報(Vol.57 No.2),52-57頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の同一の周波数のLF信号を使用する方式には、以下のような課題がある。
(1)基地局から携帯機への近接給電が可能なエリアは、携帯機において、基地局が送信する近接給電用LF信号の電磁波が持つ放射磁界に基づいて十分な電磁誘導エネルギを生成できる距離範囲内に限られる。この距離範囲は、微弱方法の場合には電波法の制限などを考慮すると、数cm程度であり、携帯機から送信されるLF応答信号を受信する基地局のLF受信機の設置エリアも同程度の距離範囲内に限られる。すなわち、基地局と携帯機間の通信距離は、数cm程度に限られる。
(2)基地局と携帯機は、LF信号を使用して通信を行うので、データ伝送速度が数100bps程度に制限される。このデータ伝送速度は、高度な暗号化を用いたデータ伝送に向いておらず、十分なセキュリティ性を確保することが困難である。また、データ伝送時間が長くなり、基地局は携帯機から送信される応答信号を早期に取得することができない。
【0011】
また、同一の周波数のRF信号を使用する方式でも、同一の周波数のLF信号を使用する方式と同様に、以下のような課題がある。
(1)基地局から携帯機への近接給電が可能なエリアは、携帯機において、基地局が送信する近接給電用RF信号の電磁波が持つ放射磁界に基づいて十分な電磁誘導エネルギを生成できる距離範囲内に限られる。この距離範囲は、微弱方法の場合には電波法の制限などを考慮すると、数10cm程度であり、携帯機から送信されるRF応答信号を受信する基地局のRF受信機の設置エリアも同程度の距離範囲内に限られる。すなわち、基地局と携帯機間の通信距離は、数10cm程度に限られる。
(2)基地局と携帯機は、RF信号を使用して通信を行うので、データ伝送速度が数100bps程度に制限される。このデータ伝送速度は、高度な暗号化を用いたデータ伝送に向いておらず、十分なセキュリティ性を確保することが困難である。また、このようなデータ伝送速度ではデータ伝送時間が長くなり、基地局は携帯機から送信される応答信号を早期に取得することができない。
【0012】
また、非特許文献1に記載の入退室管理システムにおいては、アクティブタグの電池が消耗していない場合には、タグリーダから微弱方式のLF信号を送信し、アクティブタグから特定小電力方式のUHF応答信号を送信するが、アクティブタグの電池が消耗している場合の近接給電時には、基地局から携帯機へLF信号を使用して近接給電を行い、また、LF信号を使用して携帯機から基地局に応答信号を送信するというものである。すなわち、アクティブタグの電池が消耗している場合、アクティブタグは、タグリーダからのLF信号の電磁波が持つ放射磁界に基づく電磁誘導で生成される電力により動作し、LF信号の応答信号をタグリーダに送信する。したがって、この入退室管理システムでも、近接給電方式には従来の自動車用キーレスエントリ装置などと同様の同一周波数のLF信号による通信の課題を持っている。
【0013】
本発明の目的は、基地局から携帯機へ近接給電を行うと共に、基地局と携帯機間の通信速度や通信可能エリアを向上させることができる近接給電・通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明は、基地局側から携帯機側へ近接給電を行うと共に、基地局と携帯機間で通信を行う近接給電・通信装置において、前記基地局は、LF信号を送信し、その電磁波が持つ放射磁界により前記携帯機側に近接給電を行うLF送信手段と、前記携帯機から送信されるUHF応答信号を受信するUHF受信手段と、前記LF送信手段および前記UHF送信手段を制御する基地局側制御手段を備え、前記携帯機は、前記基地局から送信されるLF信号を受信するLF受信手段と、前記基地局にUHF応答信号を送信するUHF送信手段と、前記基地局から送信されるLF信号の電磁波が持つ放射磁界に基づいて電力を生成するLF近接受電手段と、前記LF受信手段および前記UHF送信手段を制御する携帯機側制御手段を備え、前記LF受信手段、前記UHF送信手段および前記携帯機側制御手段は、前記LF近接受電手段により生成される電力で動作し、前記基地局側制御手段および前記携帯機側制御手段は、LF信号の送受信とUHF応答信号の送受信が重ならないようにタイミングを制御し、さらに、前記基地局側制御手段は、LF信号の送信に対してUHF応答信号の受信が、LF信号の空間的伝播遅延を考慮して、予め設定された間隔を持って行われるようにタイミングを制御し、前記携帯機側制御手段は、UHF応答信号の送信に対してLF信号の受信が、UHF応答信号の空間的伝播遅延を考慮して、予め設定された間隔を持って行われるようにタイミングを制御することを基本的特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
従来の同一の周波数のLF信号を使用する方式では、携帯機から送信される近接給電用LF信号を受信し得る範囲内に基地局のLF受信アンテナを配置する必要があり、実質的には、基地局のLF受信アンテナを近接給電用LF受信アンテナの近傍に配置せざるを得ない。
これに対して、本発明では、近接給電を行なう場合でも行なわない場合でも、常に携帯機は基地局へUHFデータで応答することを特徴としているので、携帯機から基地局へのLF通信手段としての携帯機側のLF送信回路および基地局側のLF受信回路を必要としない。
また、本発明では、基地局がLF送信手段とUHF受信手段を備え、携帯機がLF受信手段とUHF送信手段を備え、基地局から携帯機への近接給電にLF信号を使用し、携帯機から基地局への応答信号の伝送にLF信号やRF信号でなく、電力効率および電波伝播特性のよいUHF信号を使用し、さらに、基地局と携帯機間での通信に、LF電波のUHF受信回路への空間伝播などによる回り込み雑音効果による影響を及ぼさないようなタイミング制御方法で、近接給電および通信を行うので、携帯機と基地局間の通信可能エリアを向上させることができる。これにより、携帯機からの応答信号を受信するための基地局の受信アンテナの配置エリアを拡大することができる。
【0016】
具体的には、微弱方式の近接給電用LFアンテナと特定小電力のUHF応答信号による受信用UHFアンテナを、微弱無線方式では5m程度、特定小電力方式では数10m程度離間させて配置することができる。例えば、基地局の近接給電用アンテナをユーザの手の届く壁に配置し、携帯機からの応答信号の受信用アンテナを天井や床、あるいは隣接する部屋や屋外などに配置することができ、装置を具体化する上での装置構成や配置の自由度を高めることができる。
【0017】
また、携帯機から応答信号を特定小電力のUHF信号で伝送するので、通信速度を高めることができ、結果として、データ伝送に要する時間を短縮したり、暗号化の適用を容易にしたりすることができ、通信の秘匿性や携帯機の応答速度を高めることができる。
【0018】
さらに、基地局から携帯機へのLF信号を近接給電用と通信用に兼用すれば、基地局は、近接給電用と通信用に兼用するLF送信アンテナとLF送信回路を備えればよく、基地局と携帯機でアンテナや送信回路や受信回路を切り替える必要もなくなるので、回路構成やその制御の簡単化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る近接給電・通信装置を構成する基地局の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る近接給電・通信装置を構成する携帯機の実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る近接給電・通信装置を構成する基地局の他の実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る近接給電・通信装置を構成する携帯機の他の実施形態を示すブロック図である。
【図5】同一の周波数のLF信号を使用する、従来の方式における基地局および携帯機間でのLF信号の送信および受信のタイミングを示すタイムチャートである。
【図6】異なる周波数のLF信号を使用する、従来の方式における基地局および携帯機間でのLF信号の送信および受信のタイミングを示すタイムチャートである。
【図7】本発明の基地局と携帯機間の送信および受信のタイミングの一例を示すタイムチャートである。
【図8】本発明における基本的な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本発明に係る近接給電・通信装置を構成する基地局の実施形態を示すブロック図である。
【0021】
図1に示す基地局は、LF送信アンテナ1、LF送信回路2、UHF受信アンテナ3、UHF受信回路4および基地局側制御回路5を備える。
【0022】
LF送信アンテナ1とLF送信回路2は、LF信号を送信し、その電磁波が持つ放射磁界により携帯機に近接給電を行う近接給電用LF送信手段として機能する。LF信号には、例えば携帯機起動用信号や認証用信号などの通信用LF信号を含ませることができ、この場合、LF送信アンテナ1とLF送信回路2は、携帯機に通信用LF信号を送信する通信用LF送信手段としても機能する。
【0023】
UHF受信アンテナ3とUHF受信回路4は、携帯機から送信されるUHF応答信号を受信するUHF受信手段として機能する。UHF受信回路4は、携帯機から送信されるUHF応答信号が暗号化されていれば、UHF応答信号を復号する機能も有する。UHF受信アンテナ3とUHF受信回路4で受信されたUHF応答信号は、制御回路5へ送出される。
【0024】
基地局側制御回路5は、UHF受信アンテナ3とUHF受信回路4で受信されたUHF応答信号に従って必要な制御、例えば、入退室管理装置の場合には、室入口ドアのロック開閉を制御する。このために、基地局側制御回路5は、外部機器との間でデータをやり取りするインタフェースを備えている。
【0025】
また、基地局側制御回路5は、LF送信回路2とUHF受信回路4が動作するタイミングを制御する。このタイミングの制御については、後で詳細に説明するが、基地局がLF信号を送信するタイミングとUHF応答信号を受信するタイミングとが重ならないようにする。この際、LF信号の空間的伝播遅延分も考慮する。
【0026】
図2は、本発明に係る近接給電・通信装置を構成する携帯機の実施形態を示すブロック図である。
【0027】
図2に示す携帯機は、近接給電用LF受信アンテナ6、通信用LF受信アンテナ7、通信用LF受信回路8、LF近接受電回路9、UHF送信アンテナ10、UHF送信回路11および携帯機側制御回路12を備える。
【0028】
一般に、放射磁界による電磁誘導には低インピーダンスのアンテナが電力効率がよく、データ信号の受信には高インピーダンスのアンテナが受信効率がよいことが知られている。そこで、本実施形態の携帯機は、低インピーダンスの近接給電用LF受信アンテナ6と高インピーダンスの通信用LF受信アンテナ7を別々に備えている。通信用LF受信アンテナ7は、その指向性をよくするため、X軸、Y軸の2軸構成の2次元方式のアンテナあるいはX軸、Y軸、Z軸の3軸構成の3次元方式のアンテナが好ましい。
【0029】
以下では、図1の基地局と組み合わせた場合の動作を説明するが、後述する他の実施形態の基地局と組み合わせることもできる。
【0030】
近接給電用LF受信アンテナ6は、基地局のLF送信アンテナ1から送信されるLF信号の電磁波が持つ放射磁界を受信し、LF近接受電回路9は、近接給電用LF受信アンテナ6で受信された放射磁界による電磁誘導により電力を生成する。LF近接受電回路9は、近接給電用LFアンテナ6からの電力を整流する整流回路および電力を蓄えるコンデンサを含む。LF近接受電回路9により生成された電力は、携帯機各部の動作エネルギとされる。
【0031】
通信用LF受信アンテナ7は、基地局のLF送信アンテナ1から送信される通信用LF信号、および携帯機起動用信号や認証用信号を受信する。通信用LF受信回路8は、通信用LF受信アンテナ7で受信された通信用LF信号を制御回路10に送出する。基地局から送信される通信用LF信号が暗号化されていれば、LF受信回路8は、その信号を復号する機能も有する。
【0032】
UHF送信アンテナ10は、UHF応答信号を送信し、UHF送信回路11は、UHF応答信号を生成する。
【0033】
携帯機側制御回路12は、通信用LF受信回路8、LF近接受電回路9およびUHF送信回路11が動作するタイミングを制御し、また、必要に応じて、通信用LF受信回路8からの通信用LF信号に従って携帯機の起動や表示部の表示などの処理を行う。タイミングの制御では、基地局と同様に、UHF応答信号を送信するタイミングとLF信号を受信するタイミングとが重ならないようにする。この際、UHF応答信号の空間的伝播遅延分も考慮する。具体的には、携帯機側制御回路12によるタイミング制御を、基地局側制御回路5によるタイミングの制御に対応して行う。このタイミング制御は、基地局から送信される信号が携帯機で受信されるタイミングに基づいて、例えば、カウンタを用いて制御することで実現することができる。
【0034】
図3は、本発明に係る近接給電・通信装置を構成する基地局の他の実施形態を示すブロック図である。なお、図1と同一あるいは同等部分には同じ符号を付している。
【0035】
図1に示す基地局は、1組のLF送信アンテナ1とLF送信回路2を備え、これを通信と近接給電に兼用する構成であるが、図3に示す基地局は、通信用LF送信アンテナ13と通信用LF送信回路14、近接給電用LF送信アンテナ15と近接給電用LF送信回路16を備え、通信用送信手段と近接給電用送信手段を別々にした構成である。この構成によれば、近接給電用LF送信アンテナ15として低インピーダンスのアンテナを用いることができるので、基地局と携帯機間の近接給電の効率を高めることができ、また、通信用LF信号の周波数と近接給電用LF信号の周波数を異ならせることもできる。その他の部分の構成および動作は、図1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
図4は、本発明に係る近接給電・通信装置を構成する携帯機の他の実施形態を示すブロック図である。なお、図1と同一あるいは同等部分には同じ符号を付している。
【0037】
図2に示す携帯機は、近接給電用LF受信アンテナと通信用LF受信アンテナを別々にした構成であるが、図4に示す携帯機は、近接給電用LF受信アンテナと通信用LF受信アンテナを1つの受信アンテナにして兼用する構成である。LF受信アンテナ17として2次元方式あるいは3次元方式のアンテナを用いれば、複数のアンテナの指向性による通信の受信効率の改善と複数のLFアンテナの受信する電力和を利用することで近接給電効率の改善の両方を共に満足させることができる。その他の部分の構成および動作は、図2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0038】
次に、図5ないし図7を参照し、基地局および携帯機での送受信タイミングについて説明する。本発明との動作上での違いを明確にするため、まず、従来技術での動作を説明する。
【0039】
図5は、同一の周波数のLF信号を使用する、従来の方式における基地局および携帯機間でのLF信号の送信および受信のタイミングを示すタイムチャートである。
【0040】
同図に示すように、基地局は、LF送信タイミングとLF応答受信タイミングと休止を繰り返す。そのために、基地局は、LF送受信アンテナとLF送受信回路を持つ。
【0041】
LF送信タイミングでは、LF送信回路に切り替え、LF信号を送信する。LF送信タイミングは、LF信号の電磁波による放射磁界がオンとなる期間であり、この期間に携帯機を近接給電する。LF信号に通信用信号(データ)含ませれば、通信を行うことができる。LF応答受信タイミングでは、LF送信回路をLF受信回路に切り替え、LF信号の送信を止める。LF応答受信タイミングは、放射磁界がオフとなる期間であり、この期間に、LF送信タイミングで給電された携帯機のLF送信回路からのLF応答信号を待つ。休止は、1つの周波数を継続して占有しないようにするために設けるものである(電波法の規定に従う)。
【0042】
携帯機は、LF受信タイミングとLF応答送信タイミングと休止を繰り返す。そのために、携帯機もLF送受信アンテナとLF送受信回路を持つ。
【0043】
LF受信タイミングは、基地局のLF送信タイミングに対応する。LF受信タイミングでは、LF受信回路に切り替え、基地局からのLF信号を受信して近接給電による電力を発生する。IF信号に通信用信号が含まれていれば、それに対する応答処理を行う。LF応答送信タイミングは、基地局のLF応答受信タイミングに対応する。LF応答送信タイミングでは、LF受信回路をLF送信回路に切り替え、LF応答信号を送信する。休止は、1つの周波数を継続して占有しないようにするために設けるものである(電波法の規定に従う)。このような送受信タイミングは、RF信号の電波を使用するICカードでも実現されている。
【0044】
図6は、異なる周波数のLF信号を使用する、従来の方式における基地局および携帯機間でのLF信号の送信および受信のタイミングを示すタイムチャートである。これでは、基地局が携帯機からの応答信号を常時受信できるという特徴がある。
【0045】
同図に示すように、基地局は、周波数F1のLF信号を送信するLF送信タイミングと休止を繰り返し、同時に、F1とは異なる周波数F2のLF応答信号を受信するLF応答受信タイミングと休止を繰り返す。また、携帯機は、周波数F1のLF信号を受信するLF受信タイミングと休止を繰り返し、同時に、周波数F2のLF応答信号を送信するLF応答送信タイミングと休止を繰り返す。そのために、基地局は、周波数F1のLF信号を送信するLF送信手段と周波数F2のLF信号を受信するLF受信手段を持ち、携帯機は、周波数F1のLF信号を受信するLF受信手段と周波数F2のLF信号を送信するLF送信手段を持つ。休止は、1つの周波数を継続して占有しないようにするために設けるものである(電波法の規定に従う)。
【0046】
基地局は、LF送信タイミングで周波数F1のLF信号を送信し、LF受信応答タイミング(LF送信タイミングと同時)で、LF信号により近接給電された携帯機からの周波数F2のLF応答信号を待つ。LF送信タイミングではLF信号の電磁波による放射磁界がオンとなり、休止のタイミングでは放射磁界がオフとなる。基地局は、LF送信タイミングで放射磁界がオンとなっている期間、携帯機側へ放射磁界を利用した近接給電による電力を送信することができる。LF信号に通信用信号を含ませれば、通信も行うことができる。一方、放射磁界がオンの期間(LF送信タイミング)ので給電された携帯機は、LF送信タイミングと同時のLF応答タイミングでLF応答信号を送信する。
【0047】
例えば、RFIDタグを用いる動物識別に対する規定ISO11785の技術指針では、LF(134.2kHz±1.8kHz)を用いる例として、以下の給電方法を規定している。
【0048】
基地局側のLF送信機からの放射磁界を50msecオン、3msecオフとし、この動作を繰り返して基地局からの放射磁界で携帯機のトランスポンダ側に近接給電を行う。放射磁界のオン期間(50msec)に携帯機は充電される。この期間では、常時、基地局側のLF受信機は、携帯機側の全二重型トランスポンダからの応答信号を待つ。このISO11785の技術指針で提示されている基地局から携帯機への近接給電と通信の送受信タイミングは、RF信号の電波を使用するICカードでも実現されている。
【0049】
しかしながら、図5の送受信タイミングでは、基地局は、放射磁界のオン期間が経過すれば直ちにLF応答受信タイミングとなり、携帯機は、LF受信タイミングが終了すれば直ちにLF応答送信タイミングとなる。また、図6の送受信タイミングでは、基地局は、携帯機側へ放射磁界を送り込んでいるタイミングで携帯機から送信される応答信号を待つ。このため、基地局および携帯機において、LF信号やRF信号が受信回路側に回り込むことによる雑音が生じ、また、LF信号の電磁波の放射磁界により発生する電源雑音が送信回路へ影響を及ぼし、通信用LF信号が送信回路へ影響を及ぼす。
【0050】
特に、図6のように、同一周波数帯の2つの異なる周波数F1、F2のLF信号を使用し、基地局から携帯機へ近接給電を行い、同時に、携帯機からLF応答信号を送信するものでは、基地局あるいは携帯機において、LF送信アンテナのアンテナループとLF受信アンテナのアンテナループ相互間での導体パターン上に誘起する互いの電磁界による雑音成分(アンテナ効果)を排除することができない。これにより、LF受信アンテナによる受信がLF送信アンテナによる送信により妨害されたり、フェージング効果が生じることで通信が不安定になったり、通信距離が確保できないなどといった問題が生じる。
【0051】
上述したように、異なる周波数の信号を使用するものでは、それぞれの周波数での送信と受信を同時に行うのが一般的であるが、本発明では、上記問題を解決するため、LF帯とUHF帯といった周波数が大きく異なる周波数帯を使用して基地局から携帯機への近接給電および携帯機から基地局への応答信号の送信を行う際に、高調波による電磁界雑音効果を極力下げる選択をするだけでなく、基地局がLF信号を送信するタイミングとUHF応答信号を受信するタイミングとが重ならないようにし、さらに、携帯機がUHF応答信号を送信するタイミングとLF信号を受信するタイミングとが重ならないようにする。この際、LF信号やUHF応答信号の空間的伝播遅延分も考慮する。
【0052】
これにより、基地局において、LF送信回路からLF送信アンテナを通して送信されるLF信号の電磁波が持つ放射磁界で近接給電されて起動する携帯機が送信するUHF応答信号をUHF受信アンテナを介してUHF受信回路で受信する際に、その放射磁界がUHF受信回路側へ回り込むことによる雑音、LF送信アンテナのアンテナループとUHF受信アンテナのアンテナループ相互間での導体パターン上に誘起する互いの電磁界によるアンテナ効果による雑音を抑制することができる。また、携帯機においては、基地局が送信するLF信号をLF受信アンテナを介してLF受信回路で受信する際に、UHF送信アンテナから送信されるUHF応答信号がLF受信回路側へ回り込むことによる雑音、UHF送信アンテナのアンテナループとLF受信アンテナのアンテナループと相互間での導体パターン上に誘起する互いの電磁界によるアンテナ効果による雑音を抑制することができ、さらに、LF受信アンテナが受信する放射磁界により携帯機内部に発生する電源雑音によるUHF送信回路への影響、LF信号によるUHF送信回路への影響を抑制することができる。
【0053】
したがって、基地局において、LF送信アンテナから送信されるLF信号の電磁波が持つ放射磁界によりUHF受信アンテナによるUHF応答信号の受信が妨害されるのを防ぐことができる。これにより、携帯機から送信される応答信号の受信が不安定になるのを防ぐことができる。また、携帯機においては、携帯機のUHF送信アンテナから送信されるUHF応答信号によりLF受信アンテナによるLF信号の受信が妨害されるのを防ぐことができ、また、基地局のLF送信アンテナから送信されるLF信号によりUHF応答信号の送信が不安定になるのを防ぐことができる。したがって、基地局と携帯機間の有効通信距離の低下を最大限抑制して通信可能距離を拡大し、安定した通信を実現することができる。
【0054】
基地局のLF送信アンテナから送信されるLF信号の電磁波が持つ放射磁界によるUHF受信アンテナでの受信妨害は、LF送信アンテナとUHF受信アンテナを空間的に分離して形成することにより、さらに効果的に防ぐことができる。具体的には、LF送信アンテナとUHF受信アンテナを同一の導体パターン上に形成せずに、分離して形成すればよい。
【0055】
図7は、本発明の基地局と携帯機間の送信および受信のタイミングの一例を示すタイムチャートである。
【0056】
基地局は、LF送信タイミングと休止を繰り返す。また、休止の期間内の予め設定された期間にUHF応答受信タイミングを設定する。LF送信タイミングでは、携帯機へ近接給電用バースト信号(LF信号)と通信用信号(LF信号)を送信し、UHF応答受信タイミングでは、携帯機からのUHF応答信号を待つ。休止は、1つの周波数を継続して占有しないようにするために設けるものである(電波法の規定に従う)。
【0057】
LF送信タイミングでのLF送信には、1つのLF送信手段によるもの(図1)でも、通信用送信手段と近接給電用送信手段を別にしたもの(図3)でも用いることができる。LF送信タイミングの期間(TSL)は、携帯機において近接給電によりその動作エネルギが確保されるまでの時間により規定される。近接給電は、近接給電用バースト信号だけでなく、LF送信データによっても行われる。逆に、近接給電用バースト信号を全てLF送信データで代用することも可能である。
例えば、LF送信タイミングの期間(TSL)は、携帯機が全くの初期状態にあるとし、その状態から携帯機各部の起動に必要な動作エネルギが生成されるまでの時間を予め求めることにより得ることができる。
【0058】
携帯機は、LF受信タイミングと休止を繰り返す。また、休止の期間内の予め設定された期間にUHF応答送信タイミングを設定する。LF受信タイミング、休止、UHF応答送信タイミングはそれぞれ、基地局でのLF送信タイミング、休止、UHF応答受信タイミングに対応する。
【0059】
しかし、LF受信タイミング、休止の期間は、基地局側のLF送信タイミング、休止の期間に対し遅延補正量τ1だけ遅らせ、UHF応答受信タイミングは、UHF応答送信タイミングに対し遅延補正量τ3だけ遅らせる。τ1、τ3は、LF信号、UHF応答信号の空間的伝播遅延分に相当する時間に設定する。また、UHF応答送信タイミングの開始時点を、LF受信タイミングの終了時点より遅延補正量τ2だけ遅らせる。遅延補正量τ2は、携帯機側でUHF応答信号がLF信号の受信から影響されるのを確実に回避するために、例えば、LF信号(データ)の1ビット相当分などの値に設定する。さらに、基地局側は、LF送信とUHF受信を連続して動作させる際にも、携帯機からのUHF応答信号がLF送信回路側に回り込んで次のLF送信が妨害されないように、基地局側のLF送信タイミングの開始時点より前に間隔(例えば、数msec〜数十msec)をあけてUHF受信タイミングを終了できるように、携帯機側のUHF送信タイミングを設定する。このことにより、基地局においては、LF送信タイミングとUHF応答受信タイミングとの間に間隔を持つので、LF信号がUHF受信回路側に回り込むことによる妨害も生じない。
【0060】
携帯機は、LF受信タイミングで、基地局からLF送信タイミングで送信される近接給電用バースト信号を受信し、電磁誘導による電力を生成する。また、必要に応じてLF送信データに対する応答信号を生成する。
【0061】
携帯機でのLF受信には、近接給電用受信手段と通信用LF受信手段を別にしたもの(図2)でも、LF受信アンテナを共通にしたもの(図4)でも用いることができる。LF受信を行うLF受信タイミングの期間(TRL)は、携帯機の動作エネルギが確保されるまでの時間により規定される。具体的には、LF受信タイミングの期間(TRL)は、LF送信タイミングの期間(TSL)と同一に設定される。
【0062】
携帯機は、基地局からの近接給電により生成された電力を動作エネルギとし、必要に応じて、UHF応答送信タイミング内にUHF応答信号を送信する。UHF応答送信タイミング(TSU)は、携帯機の動作可能時間により規定される。すなわち、UHF応答送信タイミング(TSU)の期間は、基地局からの近接給電による動作エネルギにより携帯機が動作可能な時間を越えない時間内に予め設定される。
【0063】
基地局は、携帯機から送信されるUHF応答信号をUHF応答受信タイミングで待つ。UHF応答受信タイミングの期間(TRU)は、携帯機の動作可能な時間により規定されるUHF応答送信タイミングの期間(TSU)を基準に規定される。具体的には、UHF応答受信タイミングの期間(TRU)の最大値は、携帯機側からのUHF応答信号の再送を考慮した場合のUHF応答送信タイミングの期間(TSU)の最大値と同一とされる。
【0064】
図7は、基地局からLF信号を2回繰り返して送信をする場合のタイムチャートを示しているが、実際には、基地局から携帯機にLF信号を送信し、該LF信号を受信して近接給電される携帯機からUHF応答信号を送信し、該UHF応答信号を基地局で受信するという動作を1回で終了させても良いし、3回以上繰り返してもよい。
【0065】
図7に示すタイムチャートに示すように、基地局と携帯機間でのLF信号やUHF信号の送受信に際し、送受信タイミングに遅延補正量τ1、τ2、τ3を持たせることにより、基地局においては、LF送信アンテナから送信されるLF信号の電磁波が持つ放射磁界がUHF受信回路側へ回り込むことによる雑音、LF送信アンテナのアンテナループとUHF受信アンテナのアンテナループ相互間での導体パターン上に誘起する互いの電磁界によるアンテナ効果による雑音を抑制することができる。また、携帯機においては、UHF送信アンテナから送信されるUHF応答信号がLF受信回路側へ回り込むことによる雑音、LF受信アンテナのアンテナループとUHF送信アンテナのアンテナループ相互間での導体パターン上に誘起する互いの電磁界によるアンテナ効果による雑音を抑制することができる。これにより、基地局と携帯機間の有効通信距離を最大限拡大することができる。
【0066】
通信に際してのセキュリティ性を確保するために、基地局および携帯機にその機能を持たせるのが好ましい。セキュリティ性の確保には、例えば、基地局と携帯機を個別に識別する方法と通信用LF信号を暗号化する方法の一方あるいは両方を利用することができる。
【0067】
基地局と携帯機を個別に識別する方法では、予め基地局と携帯機それぞれに個別のIDを付与しておき、そのIDを基にグループ内での通信を可能にする。通信が可能なグループに属する基地局と複数の携帯機を識別するために、グループとなる基地局IDと複数の携帯機IDの組み合わせテーブルを基地局のメモリと携帯機のメモリにそれぞれ登録しておき、それらのIDを使用して基地局と携帯機を個別に識別する。
【0068】
具体的には、近接給電時に基地局からその基地局IDを含むLF信号を送信する。携帯機は、受信したLF信号に含まれる基地局IDが自携帯機を含む通信可能なグループ内の基地局IDであれば、正常に起動して自携帯機IDを含むUHF応答信号を送信する。該当する基地局IDでない場合には、携帯機は応答しないので、不要なUHF電波を出力しない。基地局は、携帯機から送信されるUHF応答信号を受信し、それに含まれる携帯機IDが自基地局を含む通信可能なグループ内の携帯機IDであれば、正しいUHF応答信号と認識する。
【0069】
通信用LF信号を暗号化する方法では、一般的なM系列カウンタを用いたローリングコード方式を採用することができる。送信するLF信号のデータ配列や有効データの配置・抽出において、グループに属する基地局と携帯機でユニークな対応関係と初期値を用い、単純なローリングコード方式とは異なる方法で通信用LF信号の暗号化、復合化を行なうようにしてもよい。
【0070】
図8は、本発明における基本的な動作を示すフローチャートである。ここでは、基地局と携帯機を個別に識別する方法を採用して、セキュリティ性を確保するようにしている。
【0071】
まず、基地局においてトリガが与えられたか否かを判定する(S11)。トリガは、基地局の電源がオンであれば、LF送信タイミング(TSL)が開始する各タイミングで与えられる。トリガが与えられなければ、トリガが与えられるまで待つ。トリガが与えられれば、LF送信タイミング(TSL)となり、基地局は、自基地局IDを含むLF信号を送信する(S12)。LF信号の送信は、LF送信タイミングの期間(TSL)中で継続して行われ、LF送信タイミングの期間(TSL)が経過すれば終了する。
【0072】
携帯機は、基地局から送信されたLF信号の電磁波の放射磁界による電磁誘導で電力を生成する(S13)。携帯機は、これにより生成された電力を動作エネルギとし、各部(LF受信回路、携帯機側制御回路、UHF送信回路)を起動させる(S14〜S16)。この起動に起動用コード信号のような特別な信号が必要ならば、その信号もLF信号に含ませる。
【0073】
次に、携帯機は、基地局から送信されるIF信号に基づいて正当性認証を行う(S17)。ここで正当性が認証されれば、携帯機は、UHF応答信号を送信する(S18)。正当性認証は、具体的には、上述したように、グループを構成する基地局IDに基づいて行い、受信したLF信号に含まれる基地局IDが自携帯機を含む通信可能なグループ内の基地局IDであれば、正常に起動して自携帯機のIDを含むUHF応答信号を送信する。しかし、正当性が認証されなければ、S11のステップに戻る。
【0074】
携帯機は、UHF応答送信タイミングの期間(TSU)内においてUHF応答信号を送信する(S18)。このUHF応答信号は、自携帯機IDを含む。基地局は、UHF応答受信タイミングの期間(TSU)内においてUHF応答信号を受信する(S19)。ここでは、UHF応答信号に含まれる基地局IDにより携帯機の正当性認証も行う。その後、必要に応じてS11からのステップを繰り返す。
【0075】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、種々に変形されたものも含む。例えば、携帯機に電池を備えさせ、電池の消耗時に、電池の代替電源としてLF近接受電回路により生成される電力を用いるようにしてもよい。
【0076】
また、基地局における近接給電用系統(LF送信アンテナやLF送信回路)と通信用系統(UHF受信アンテナやUHF受信回路)を別体にし、両者を離れた位置に配置するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・LF送信アンテナ、2・・・LF送信回路、3・・・UHF受信アンテナ、4・・・UHF受信回路、5・・・基地局側制御回路、6・・・近接給電用LF受信アンテナ、7・・・通信用LF受信アンテナ、8・・・通信用LF受信回路、9・・・LF近接受電回路、10・・・UHF送信アンテナ、11・・・UHF送信回路、12・・・携帯機側制御回路、13・・・通信用LF送信アンテナ、14・・・通信用LF送信回路、15・・・近接給電用LF送信アンテナ、16・・・近接給電LF送信回路、17・・・LF受信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局側から携帯機側へ近接給電を行うと共に、基地局と携帯機間で通信を行う近接給電・通信装置において、
前記基地局は、LF信号を送信し、その電磁波が持つ放射磁界により前記携帯機側に近接給電を行うLF送信手段と、前記携帯機から送信されるUHF応答信号を受信するUHF受信手段と、前記LF送信手段および前記UHF送信手段を制御する基地局側制御手段を備え、
前記携帯機は、前記基地局から送信されるLF信号を受信するLF受信手段と、前記基地局にUHF応答信号を送信するUHF送信手段と、前記基地局から送信されるLF信号の電磁波が持つ放射磁界に基づいて電力を生成するLF近接受電手段と、前記LF受信手段および前記UHF送信手段を制御する携帯機側制御手段を備え、
前記LF受信手段、前記UHF送信手段および前記携帯機側制御手段は、前記LF近接受電手段により生成される電力で動作し、
前記基地局側制御手段および前記携帯機側制御手段は、LF信号の送受信とUHF応答信号の送受信が重ならないようにタイミングを制御し、さらに、前記基地局側制御手段は、LF信号の送信に対してUHF応答信号の受信が、LF信号の空間的伝播遅延を考慮して、予め設定された間隔を持って行われるようにタイミングを制御し、前記携帯機側制御手段は、UHF応答信号の送信に対してLF信号の受信が、UHF応答信号の空間的伝播遅延を考慮して、予め設定された間隔を持って行われるようにタイミングを制御することを特徴とする近接給電・通信装置。
【請求項2】
前記基地局側制御手段は、前記携帯機の動作用エネルギが前記LF近接受電手段において確保される時間により規定されるLF送信時間において前記LF送信手段が送信状態になり、前記LF近接受電手段の給電可能時間により規定されるUHF受信時間において前記UHF受信手段が受信状態になるように制御し、
前記携帯機側制御手段は、前記携帯機の動作用エネルギが前記LF近接受電手段において確保される時間により規定されるLF受信時間において前記LF受信手段が受信状態になり、前記LF近接受電手段の給電可能時間により規定されるUHF送信時間において前記UHF送信手段が送信状態になるように制御することを特徴とする請求項1に記載の近接給電・通信装置。
【請求項3】
前記LF近接受電手段は、前記基地局から送出されるLF電磁波が持つ放射磁界に基づいて生成されるエネルギを蓄えるコンデンサを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の近接給電・通信装置。
【請求項4】
前記LF送信手段は、近接給電と通信用LF信号の送信に兼用されるLF送信アンテナおよびLF送信回路を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の近接給電・通信装置。
【請求項5】
前記LF送信手段は、近接給電と通信用LF信号の送信のために別々のLF送信アンテナおよびLF送信回路を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の近接給電・通信装置。
【請求項6】
前記LF受信手段と前記LF近接受電手段のLF受信アンテナが兼用されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の近接給電・通信装置。
【請求項7】
前記LF受信手段のLF受信アンテナと前記LF近接受電手段のLF受信アンテナを別々に備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の近接給電・通信装置。
【請求項8】
前記携帯機は、自携帯機の正当性を認証する機能を有し、これにより正当性が認証された場合のみ、前記UHF送信手段を通してUHF応答信号を送信することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の近接給電・通信装置。
【請求項9】
前記基地局は、LF信号に基地局IDを含ませて送信するとともに、前記携帯機から送信されたUHF応答信号に含まれる基地局IDに基づいて携帯機の正当性を認証する機能を有し、前記携帯機は、受信したLF信号に含まれる基地局IDに基づいて自携帯機の正当性を認証し、UHF応答信号に自携帯機IDを含ませて送信することを特徴とする請求項8に記載の近接給電・通信装置。
【請求項10】
前記携帯機は、さらに電池を備え、電池の消耗時に、前記LF近接受電手段により生成される電力を前記電池の代替電源として用いることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の近接給電・通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−39265(P2012−39265A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175701(P2010−175701)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000000181)岩崎通信機株式会社 (133)
【出願人】(591273269)株式会社サーキットデザイン (29)
【Fターム(参考)】