説明

透過光式海草育成装置

【課題】 草や水草を繁殖および育成するため、水質自体の汚濁や表層に漂う大量の浮遊物によって日光の透りが遮断され、光合成が出来難くなっている環境に対しても積極的に日光を海底まで届かせることを課題とする。
【解決手段】 透明度の低い水質において、積極的に日光を底まで届かせるために、塩化ビニール等の透明な材質で立方体1の形状を造り、その内部に汚れが無く透明度が最も高い状態の水7を立方体の内部に注入させて日光の透過率を向上させるものとするが、この際に水7を注入する量は水面8に辛うじて浮くだけに設定し、この立方体1を一つのユニットとしながら、使用する環境が大規模である場合はユニットどおしをユニット固定具3で接続させて必要な面積を得るものとすることで、その水域に必要な日光の照射を与えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
水質が悪く日光が届きにくい環境で、海草や水草を繁殖および育成を促進させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海草や水草を繁殖および育成するため、魚類や水生の小動物などの産卵や幼魚の育成のために様々な装置を水中に設置し、人工的な漁礁を造っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は海草や水草を繁殖および育成するため、水質自体の汚濁や表層に漂う大量の浮遊物によって日光の透りが遮断され、光合成が出来難くなっている環境に対しても積極的に日光を海底まで届かせることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は透明度の低い水質において、積極的に日光を底まで届かせるために、塩化ビニール等の透明な材質で立方体1の形状を造り、その内部に汚れが無く透明度が最も高い状態の水7を立方体の内部に注入させて日光の透過率を向上させるものとするが、この際に水7を注入する量は水面8に辛うじて浮くだけに設定し、この立方体1を一つのユニットとしながら、使用する環境が大規模である場合はユニットどおしをユニット固定具3で接続させて必要な面積を得るものとすると共に、ユニットが波や風、あるいは潮の流れで移動しないようにアンカー5を打つことで、その水域に必要な日光の照射を与えるものとする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は海草や水草9を繁殖および育成するため、水質自体の汚濁や表層に漂う大量の浮遊物によって日光の透りが遮断され、光合成が出来難くなっている環境に対しても積極的に日光を海底まで届かせることが可能となり、漁礁となる海草や水草9を繁殖させ、その水域の浄化と魚や水生の小動物などの産卵や幼魚の育成も合わせて可能となる。
【発明のを実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は透明度の低い水質において、積極的に日光を底まで届かせるために透明な材質で、一つのユニットとなる立方体1を形成し、その大きさは使用する規模に合わせて家庭用の浴槽から小型のプール程度までの範囲のものとするが、使用する環境が更に大規模な水域である場合は、ユニットどおしをユニット固定具3で接続させて必要な面積を得るものとする。また透明な材質は小型の場合はガラスやアクリルなどの平板の樹脂材を使用し、大型のものは樹脂材でも塩化ビニールのように柔らかく軽いものを選択するものとするが、立方体1の各辺に骨組みとなるパイプ2をジョイント4を介して装着させて強度を高めると共に、各面を平面にして光の屈折を抑えるものとする。
【実施例1】
【0007】
この実施例の一つのユニットとなる立方体1は、汚れが無く透明度が最も高い状態の水7を注入するための弁6を設けるものとするが、内部の水と浮力を保つための空気を外部に放出しないように気密性の高い材質と構造を持たせるものとする。
【実施例2】
【0008】
この実施例の一つのユニットとなる立方体の形状の深さにあたる値は、使用する環境の水深によって製作するものとし、表層に漂う浮遊物に対処する場合は浅めのものを使用し、水質全体が濁っている際は深めのものを使用するものとする。
【実施例3】
【0009】
この実施例の一つのユニットとなる立方体1には波や風、あるいは潮の流れで移動しないようにするためのアンカー5の取り付け部と、ユニットを連結して大規模な水域で使用するためのユニット固定具3を骨組みとなるパイプ2に装着しておくものとする。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明は上記の手段を講じることにより、特に都心部の湾内など潮の通りが悪く、水質自体の汚濁や表層に漂う大量の浮遊物などが、なかなか浄化されない水域においても積極的に日光を底まで届かせることにより、海草や水草の育成から微生物の繁殖を手助けが可能となることから、その水域における生元素(炭素・窒素・リン・イオウなど)の循環を高めることができ、この作用により水質の浄化と効率の良い漁礁として新たな生態系を育み、多種多様の動植物を増やすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例に係る斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る、ユニットを複数連結した際の断面図である。
【符号の説明】
【0012】
1 ユニットとなる立方体
2 パイプ
3 ユニット固定具
4 ジョイント
5 アンカー
6 弁
7 水面
8 水
9 海草や水草

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明度の低い水質において、積極的に日光を底まで届かせるために、ビニール等の透明な材質で立方体1の形状を造り、その内部に汚れが無く透明度が最も高い状態の水7を立方体の内部に注入させて日光の透過率を向上させるものとするが、この際に水7を注入する量は水面8に辛うじて浮くだけに設定し、この立方体1を一つのユニットとしながら、使用する環境が大規模である場合はユニットどおしをユニット固定具3で接続させて必要な面積を得るものとすると共に、ユニットが波や風、あるいは潮の流れで移動しないようにアンカー5を打つことで、その水域に必要な日光の照射を与えるものとする。

【図1】
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【図2】
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