説明

通信装置の鳴動方法、制御装置の制御方法、通信装置および制御装置

【課題】着信グループ毎に着信音パターンを設定できるようにし、どの着信グループが着信状態であるのか区別でき、複数の着信グループに属する電話端末が存在する場合、その複数の着信グループが同時に着信状態になった場合、その状態が区別できるようにその電話端末を鳴動させる電話制御装置及び電話システムを得る。
【解決手段】外部の公衆回線に接続され電話交換機として呼制御を実施する主装置1は、複数の電話端末を収容する端末制御装置2に接続され、着信グループ毎に着信音パターンが対応付けられた着信音パターンデータベース等を記憶する記憶装置11が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話端末の着信グループに着信があった場合に、その着信グループに応じて着信音パターンを設定する電話制御装置、及びその電話制御装置を有する電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多機能電話機における単数又は複数設置されているキーには、それぞれ異なる着信グループを設定することができ、それぞれのキーに設定された着信グループに着信があった場合、その着信グループに設定された、すなわち、その着信グループに属する多機能電話機は着信グループ用の着信音を鳴動させていた。そして、この着信グループ用の着信音はすべての着信グループ共通であり、どの着信グループの着信時においても、同じ着信音が鳴動していた。また、一つの着信グループに着信がある場合でも、複数の着信グループに着信がある場合でも、全て同じ着信音が鳴動するので、実際どの着信グループに着信があるのか区別できない、そして、一つの着信グループへの着信なのか、複数の着信グループへの着信なのかも区別できないという課題があった。
そこで例えば、端末電話機毎又はその端末電話機のグループ毎で、かつ着信があった場合の回線種別対応又は回線対応で着信音が異なるようにする電話装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、同一発信者種別であっても、ダイヤルイン内線番号毎に着信音を区別することができ、また、同一発信者種別であっても、電話回線グループ毎に着信音を区別することができる電話交換機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−214759号公報
【特許文献2】特開2003−009198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明においては、一つの端末電話機が複数のグループに属する場合を想定されておらず、その場合の着信音の区別方法が記載されていないので、一つの端末電話機が一つのグループに属する電話システムにおいてしか着信音の区別ができないという問題点がある。
また、特許文献2に係る発明においては、着信状態の電話回線グループ毎に着信音を鳴動させるのでどの電話回線グループの着信であるのか区別することが可能であるが、特許文献1に係る発明と同様に、複数の電話回線グループに属する内線電話機について、その複数の電話回線グループが同時に着信状態となった場合に、その複数の電話回線グループのうちの一つの電話回線グループへの着信なのか、その複数の電話回線グループ同時の着信であるのか区別することができないという問題点がある。
【0005】
そのため、着信グループ毎に着信音パターンを設定できるようにし、どの着信グループが着信状態であるのか区別できるのはもちろんのこと、複数の着信グループに属する電話端末が存在する場合、その複数の着信グループが同時に着信状態になった場合、その状態が区別できるようにその電話端末を鳴動させる電話制御装置及び電話システムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通信装置の鳴動方法は、通話機能を有する通信装置の鳴動方法であって、通信装置が第1の着信通知を受信すると第1鳴動動作し、通信装置が第1鳴動動作中に第2の着信通知を受信すると第2鳴動動作をするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る通信装置の鳴動方法では、着信グループ毎に着信音パターンを設定することによって、どの着信グループが着信状態であるのかを区別することを可能とし、さらに、複数の着信グループに属する電話端末が存在する場合、その複数の着信グループが同時に着信状態になった場合、その複数の着信グループのうちの一つの着信グループへの着信なのか、又は、その複数の着信グループ同時の着信であるのかを、それぞれに対応する着信音パターンによって区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電話システムの全体構成図である。
【図2】同電話システムにおける着信グループ毎の着信音パターンの鳴動動作を示す図である。
【図3】同電話システムの着信グループに対応した着信音パターンデータベースを示す図である。
【図4】同電話システムの複数着信状態における鳴動動作のシーケンス図である。
【図5】同電話システムの複数着信状態における鳴動停止のシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る電話システムにおける着信グループ毎及び回線種別毎の着信音パターンの鳴動動作を示す図である。
【図7】同電話システムにおける着信グループ及び回線種別に対応した着信音パターンデータベースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
(電話システムの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電話システムの全体構成図である。
図1において、外部の公衆回線に接続され電話交換機として呼制御を実施する主装置1が、複数の電話端末を収容する端末制御装置2に接続されている。その端末制御装置2には、電話端末3a〜3eが接続されており、INS(登録商標)による接続を構成している。また、この電話端末3a〜3eには、一つ又は複数のキー(図示せず)が備えられており、各キーに対して着信グループを割り付け、その着信グループに参加させることができる。本実施の形態において、電話端末3a〜3eはそれぞれ2つのキーK1及びK2(図示せず)を備えるものとする。また、この電話端末3a〜3eのうち、電話端末3a〜3cによって着信グループ10aが構成され、そして、電話端末3c及び3dによって着信グループ10bが構成されている。また、主装置1は、外部の公衆回線であるPSTN(公衆交換電話網)20に接続されており、そのPSTN20には、例えば、一般電話21a〜21cが接続されている。さらに、主装置1には、各着信グループ毎に着信音パターンが対応付けられた着信音パターンデータベース等を記憶する記憶装置11が備えられている。
【0010】
なお、請求項記載の電話制御装置は主装置1及び端末制御装置2、記憶手段は主装置1が備える記憶装置11に、そして、制御手段は主装置1及び端末制御装置2に相当するものである。
【0011】
なお、上記の説明においては、各電話端末がどの着信グループに参加させるかの設定をするために、各電話端末に備えられたキーに着信グループを割り付けているが、これに限られるものではなく、その他の方法によって各電話端末の着信グループの参加の設定を実施するものとしてもよい。
また、上記の説明においては、主装置1及び端末制御装置2が別々の装置としているが、これに限られるものではなく、双方の機能を併せ持つ単一の装置とする構成としてもよい。
また、上記で説明したように、端末制御装置2及び電話端末3a〜3eはINS(登録商標)によって接続されているが、これに限られるものではなく、例えば、LANによって接続されSIP(Session Initiation Protocol)による通信プロトコルで通信されるネットワークを構成してもよい。
また、PSTN20は、アナログ回線網に限られるものではなく、例えば、ISDN(登録商標)等のデジタル回線網でもよい。
そして、電話端末3a〜3e及び一般電話21a〜21cは、図1で示されるような固定電話に限られるものではなく、携帯電話又はPHS(登録商標)等で構成されるものとしてもよい。
さらに、図1で示される電話システムの構成は、あくまで一例であり、電話端末、一般電話及び着信グループの数は、図1で示されるものに限られるものではなく、その他の個数で構成されるものとしてもよい。
【0012】
(電話システムの着信グループの鳴動動作)
図2は本発明の実施の形態1に係る電話システムにおける着信グループ毎の着信音パターンの鳴動動作を示す図であり、図3は同電話システムにおける着信グループに対応した着信音パターンデータベースを示す図である。以下において、図2及び図3を参照しながら、着信グループの鳴動動作の概要について説明する。
まず、図2(a)において、発信者Aが一般電話21aによって着信グループ10aに対して発信する。すると、各電話端末が有するキーによって着信グループ10aに設定された、すなわち、着信グループ10aに属する電話端末(ここでは、電話端末3a〜3c)が鳴動する。このとき、鳴動する着信音パターンは、図1における主装置1によって、記憶装置11に記憶された図3で示される着信音パターンデータベースが参照され、着信グループ10aに対応するものとして選択された着信音パターン1である。
【0013】
次に、図2(b)で示されるように、発信者Bが一般電話21bによって着信グループ10bに対して発信する。すると、着信グループ10bに属する電話端末3dは、上記と同様に、主装置1によって選択された着信音パターンデータベースにおける着信グループ10bに対応する着信音パターン2によって鳴動する。このとき、着信グループ10a及び着信グループ10bは双方着信状態となり(以下、この状態を複数着信状態という)、着信グループ10a及び着信グループ10bの双方に属し、着信音パターン1によって鳴動している電話端末3cは、主装置1によって着信音パターンデータベースから選択される複数着信状態に対応する着信音パターン5による鳴動に切り替わる。
【0014】
そして、図2(c)で示されるように、電話端末3aが、発信者Aによる着信グループ10aへの着信に応答したとき、一般電話21aと電話端末3aとの通話が開始され、着信グループ10aに属するその他の電話端末である電話端末3bの着信音パターン1による鳴動が停止する。また、電話端末3cは、複数着信状態から着信グループ10bのみの着信状態になるので、着信音パターン5による鳴動から、着信グループ10bに対応する着信音パターン2による鳴動に切り替わる。
【0015】
(電話システムの複数着信状態における鳴動動作)
図4は本発明の実施の形態1に係る電話システムの複数着信状態における鳴動動作のシーケンス図であり、図5は同電話システムの複数着信状態における鳴動停止のシーケンス図である。以下において、図4を参照しながら、受信端末である電話端末の鳴動動作の詳細、特に、複数着信状態において、その着信状態にある複数の着信グループに属する電話端末3cの鳴動動作の詳細を説明する。ここで、電話端末3cのキーK1には着信グループ10aが、そして、キーK2には着信グループ10bが設定されているものとする。
【0016】
(S11)
まず、図4において、一般電話21aから着信グループ10aへの発信が実施される。
(S12)
主装置1は、その発信状態を検出し、図1における記憶装置11に記憶されている着信音パターンデータベースを参照し、着信グループ10aに対応する着信音パターンである着信音パターン1を取得する。
(S13)
そして、主装置1は、着信グループ10aが設定されているキーを備える電話端末及びそのキーを特定し(電話端末3cにおいてはキーK1)、端末制御装置2に着信音パターン情報(ここでは着信音パターン1)を送出する。
【0017】
(S14)
端末制御装置2は、備えるメモリー(図示せず)において、着信グループ10aに属する電話端末の着信グループ10aが設定されているキー(電話端末3cにおいてはキーK1)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターン1を記憶する。また、端末制御装置2は、その電話端末の他のキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていないか確認する。電話端末3cにおけるキーK2用の記憶領域には、この時点では、着信音パターンは記憶されていない。そして、鳴動を開始させる着信音パターンとして着信音パターン1を設定する。なお、着信音パターン(ここでは着信音パターン1)を記憶する媒体は、端末制御装置2における前述のメモリーであると説明しているが、これに限られるものではなく、主装置1における記憶装置11に記憶する構成としてもよい。
(S15)
そして、端末制御装置2は、着信グループ10aに属する電話端末に対して、着信音パターン1による鳴動の開始指令を送信する。
(S16)
その鳴動開始指令を受信した電話端末は、着信音パターン1で鳴動動作を開始する。
(S17)
また、端末制御装置2は、着信グループ10aに属する電話端末に対して、着信グループ10aが設定されたキー(電話端末3cにおいてはキーK1)の点灯要求を送信する。なお、端末制御装置2は、一般電話21aから、主装置1を介して、一般電話21aの電話番号等のアドレス情報を取得し、着信グループ10aに属する電話端末に対して、LED等によるアドレス情報の表示要求を送信する構成としてもよい。
(S18)
そのキーの点灯要求を受信した電話端末は、そのキー(電話端末3cにおいてはキーK1)を点灯させる。
【0018】
(S19)
次に、一般電話21bが着信グループ10bに対して発信する。
(S20)
主装置1は、その発信状態を検出し、図1における記憶装置11に記憶されている着信音パターンデータベースを参照し、着信グループ10bに対応する着信音パターンである着信音パターン2を取得する。
(S21)
そして、主装置1は、着信グループ10bが設定されているキーを備える電話端末及びそのキーを特定し(電話端末3cにおいてはキーK2)、端末制御装置2に着信音パターン情報(ここでは着信音パターン2)を送出する。
【0019】
(S22)
端末制御装置2は、備えるメモリー(図示せず)において、着信グループ10bに属する電話端末の着信グループ10bが設定されているキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターン2を記憶する。また、端末制御装置2は、その電話端末の他のキー(電話端末3cにおいてはキーK1)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていないか確認する。電話端末3cにおけるキーK1用の記憶領域には、この時点では、既に着信音パターン1が記憶されている。したがって、電話端末3cにおけるキーK1用の記憶領域には着信音パターン1が、そして、キーK2用の記憶領域には着信音パターン2が記憶されているので、端末制御装置2は、電話端末3cは複数着信状態となっている着信グループ10a及び着信グループ10b双方に属していると判定し、電話端末3cに鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターンデータベースにおける複数着信状態に対応する着信音パターン5を設定する。また、前述の他のキー用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていない場合は、それらの電話端末に鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターン2を設定する。
(S23)
そして、端末制御装置2は、電話端末3cに対して、着信音パターン5による鳴動の開始指令を送信する。また、着信グループ10bのみに属する電話端末に対しては、着信音パターン2による鳴動の開始指令を送信する。
(S24)
その鳴動開始指令を受信した電話端末は、その鳴動開始指令に係る着信音パターン(電話端末3cにおいては着信音パターン5)で鳴動動作を開始する。
(S25)
また、端末制御装置2は、着信グループ10bに属する電話端末に対して、着信グループ10bが設定されたキー(電話端末3cにおいてはキーK2)の点灯要求を送信する。なお、端末制御装置2は、一般電話21bから、主装置1を介して、一般電話21bの電話番号等のアドレス情報を取得し、着信グループ10bに属する電話端末に対して、LED等によるアドレス情報の表示要求を送信する構成としてもよい。
(S26)
そのキーの点灯要求を受信した電話端末は、そのキー(電話端末3cにおいてはキーK2)を点灯させる。
【0020】
次に、図5を参照しながら、受信端末である電話端末の鳴動停止動作の詳細、特に、複数着信状態において、その着信状態にある複数の着信グループに属する電話端末3cの鳴動停止動作の詳細を説明する。図5で示されるシーケンス図は、図4におけるシーケンス図で示される動作が実施された後の動作を示すものとする。
【0021】
(S31)
まず、図5において、主装置1は、着信グループ10aに属する電話端末3c以外の電話端末が、一般電話21aへ応答したことを検出、又は、その一般電話21aからの発信の放棄を検出する。
(S32)
そして、主装置1は、着信グループ10aが設定されているキーを備える電話端末及びそのキーを特定し(電話端末3cにおいてはキーK1)、端末制御装置2に鳴動を停止させる着信音パターン情報(ここでは着信音パターン1)を送出する。
【0022】
(S33)
端末制御装置2は、備えるメモリー(図示せず)において、着信グループ10aに属する電話端末の着信グループ10aが設定されているキー(電話端末3cにおいてはキーK1)用に割り当てられた記憶領域に記憶されている着信音パターン1を消去する。また、端末制御装置2は、その電話端末の他のキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていないか確認する。電話端末3cにおけるキーK2用の記憶領域には、この時点では、既に着信音パターン2が記憶されている。したがって、電話端末3cに鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターン2を設定する。また、前述の他のキー用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていない場合は、それらの電話端末に鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターン無しとして設定する。
(S34)
そして、端末制御装置2は、電話端末3cに対して、着信音パターン2による鳴動の開始指令を送信する。また、着信グループ10aのみに属する電話端末に対しては、鳴動の停止指令を送信する。
(S35)
その鳴動開始指令を受信した電話端末3cは、着信音パターン5から着信音パターン2による鳴動動作に切り替える。また、鳴動停止指令を受信した電話端末は、鳴動動作を停止する。
(S36)
また、端末制御装置2は、着信グループ10aに属する電話端末に対して、着信グループ10aが設定されたキー(電話端末3cにおいてはキーK1)の滅灯要求を送信する。なお、前述したように端末制御装置2が、一般電話21aから、主装置1を介して、一般電話21aの電話番号等のアドレス情報を取得し、着信グループ10aに属する電話端末に対して、LED等によるアドレス情報の表示要求をしていた場合は、そのアドレス情報の表示消去要求を送信する。
(S37)
そのキーの滅灯要求を受信した電話端末は、そのキー(電話端末3cにおいてはキーK1)を滅灯させる。
【0023】
(S38)
主装置1は、着信グループ10bに属する電話端末が、一般電話21bへ応答したことを検出、あるいは、その一般電話21bからの発信の放棄を検出する。
(S39)
そして、主装置1は、着信グループ10bが設定されているキーを備える電話端末及びそのキーを特定し(電話端末3cにおいてはキーK2)、端末制御装置2に鳴動を停止させる着信音パターン情報(ここでは着信音パターン2)を送出する。
【0024】
(S40)
端末制御装置2は、備えるメモリー(図示せず)において、着信グループ10bに属する電話端末の着信グループ10bが設定されているキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に記憶されている着信音パターン2を消去する。また、端末制御装置2は、その電話端末の他のキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていないか確認する。着信音パターンが記憶されていない場合は、それらの電話端末に鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターン無しとして設定する。
(S41)
そして、端末制御装置2は、着信グループ10bに属する電話端末に対して、着信音パターン2による鳴動の停止指令を送信する。
(S42)
その鳴動停止指令を受信した電話端末は、鳴動動作を停止する。
(S43)
また、端末制御装置2は、着信グループ10bに属する電話端末に対して、着信グループ10bが設定されたキー(電話端末3cにおいてはキーK2)の滅灯要求を送信する。なお、前述したように端末制御装置2が、一般電話21bから、主装置1を介して、一般電話21bの電話番号等のアドレス情報を取得し、着信グループ10bに属する電話端末に対して、LED等によるアドレス情報の表示要求をしていた場合は、そのアドレス情報の表示消去要求を送信する。
(S44)
そのキーの滅灯要求を受信した電話端末は、そのキー(電話端末3cにおいてはキーK2)を滅灯させる。
【0025】
以上の構成及び動作によって、記憶装置11において着信音パターンデータベースに着信グループ毎に異なる着信音パターンが記憶され、主装置1はその着信音パターンデータベースを参照し、着信グループ毎に対応する着信音パターンを設定できるようにしているので、どの着信グループへの着信であるのかを判断することができる。
また、ある特定の電話端末(例えば、電話端末3c)が複数の着信グループに属し、その複数の着信グループが複数着信状態となった場合、複数着信状態に対応する着信音パターンによってその電話端末を鳴動させることによって、複数の着信グループに着信があることを判断することができる。
【0026】
なお、図2、図4及び図5において発信する電話機は一般電話21a及び21bとしているが、それ以外の一般電話又は電話端末が発信するものとしてよいのは言うまでもない。
【0027】
実施の形態2.
(電話システムの全体構成)
実施の形態2に係る電話システムの全体構成について、図1で示される実施の形態1に係る電話システムの全体構成と相違する点を説明する。
主装置1は、着信グループに着信があった場合、一般電話21a〜21c等から発信される外線によるものであるのか、電話端末3a〜3eにおけるある電話端末から別の電話端末への発信される内線によるものであるのか、又は、私設された専用回線によるものであるのか、回線の種別を識別する機能を有する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0028】
なお、請求項記載の回線識別手段は、主装置1に相当するものである。
【0029】
(電話システムの着信グループの鳴動動作)
図6は本発明の実施の形態2に係る電話システムにおける着信グループ毎及び回線種別毎の着信音パターンの鳴動動作を示す図であり、図7は同電話システムにおける着信グループ及び回線種別に対応した着信音パターンデータベースを示す図である。以下において、図6及び図7を参照しながら、着信グループの鳴動動作の概要について説明する。
まず、図6(a)において、発信者Aが外線による一般電話21aによって着信グループ10aに対して発信する。すると、各電話端末が有するキーによって着信グループ10aに設定された、すなわち、着信グループ10aに属する電話端末(ここでは、電話端末3a〜3c)が鳴動する。このとき、図1における主装置1は、一般電話21aからの発信が外線によるものであることを識別し、鳴動する着信音パターンは、記憶装置11に記憶された図7で示される着信音パターンデータベースが参照され、着信グループ10a及び外線に対応するものとして選択された着信音パターン1である。
【0030】
次に、図6(b)で示されるように、発信者Cが内線による電話端末3eによって着信グループ10bに対して発信する。すると、着信グループ10bに属する電話端末3dは、上記と同様に、主装置1によって選択された着信音パターンデータベースにおける着信グループ10b及びその他の回線(ここでは、内線)に対応する着信音パターン4によって鳴動する。このとき、着信グループ10a及び着信グループ10bは双方着信状態、すなわち、複数着信状態となり、着信グループ10a及び着信グループ10bの双方に属し、着信音パターン1によって鳴動している電話端末3cは、主装置1によって着信音パターンデータベースから選択される複数着信状態に対応する着信音パターン5による鳴動に切り替わる。
【0031】
そして、図6(c)で示されるように、電話端末3aが、発信者Aによる着信グループ10aへの着信に応答したとき、一般電話21aと電話端末3aとの通話が開始され、着信グループ10aに属するその他の電話端末である電話端末3bの着信音パターン1による鳴動が停止する。また、電話端末3cは、複数着信状態から着信グループ10bのみの着信状態になるので、着信音パターン5による鳴動から、着信グループ10b及びその他の回線(ここでは、内線)に対応する着信音パターン4による鳴動に切り替わる。
【0032】
(電話システムの複数着信状態における鳴動動作)
本発明の実施の形態2に係る電話システムの複数着信状態における鳴動動作及び鳴動停止動作は、実施の形態1における図4で示される鳴動動作シーケンス図及び図5で示される鳴動停止シーケンス図と、基本的に同様であるが、まず、図4を参照しながら複数着信状態における鳴動動作について実施の形態1と相違する点を中心に説明する。
【0033】
(S12)
主装置1は、一般電話21aからの発信状態を検出し、その発信が外線によるものであることを識別し、図1における記憶装置11に記憶されている着信音パターンデータベースを参照し、着信グループ10a及び外線に対応する着信音パターンである着信音パターン1を取得する。
【0034】
(S19)
電話端末3eが着信グループ10bに対して発信する。
(S20)
主装置1は、その発信状態を検出し、その発信が内線によるものであることを識別し、図1における記憶装置11に記憶されている着信音パターンデータベースを参照し、着信グループ10b及びその他の回線(ここでは、内線)に対応する着信音パターンである着信音パターン4を取得する。
(S21)
そして、主装置1は、着信グループ10bが設定されているキーを備える電話端末及びそのキーを特定し(電話端末3cにおいてはキーK2)、端末制御装置2に着信音パターン情報(ここでは着信音パターン4)を送出する。
【0035】
(S22)
端末制御装置2は、備えるメモリー(図示せず)において、着信グループ10bに属する電話端末の着信グループ10bが設定されているキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターン4を記憶する。また、端末制御装置2は、その電話端末の他のキー(電話端末3cにおいてはキーK1)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていないか確認する。電話端末3cにおけるキーK1用の記憶領域には、この時点では、既に着信音パターン1が記憶されている。したがって、電話端末3cにおけるキーK1用の記憶領域には着信音パターン1が、そして、キーK2用の記憶領域には着信音パターン4が記憶されているので、端末制御装置2は、電話端末3cは複数着信状態となっている着信グループ10a及び着信グループ10b双方に属していると判定し、電話端末3cに鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターンデータベースにおける複数着信状態に対応する着信音パターン5を設定する。また、前述の他のキー用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていない場合は、それらの電話端末に鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターン4を設定する。
(S23)
そして、端末制御装置2は、電話端末3cに対して、着信音パターン5による鳴動の開始指令を送信する。また、着信グループ10bのみに属する電話端末に対しては、着信音パターン4による鳴動の開始指令を送信する。
(S25)
端末制御装置2は、着信グループ10bに属する電話端末に対して、着信グループ10bが設定されたキー(電話端末3cにおいてはキーK2)の点灯要求を送信する。なお、端末制御装置2は、電話端末3eから、主装置1を介して、電話端末3eの電話番号等のアドレス情報を取得し、着信グループ10bに属する電話端末に対して、LED等によるアドレス情報の表示要求を送信する構成としてもよい。
【0036】
次に、図5を参照しながら複数着信状態における鳴動停止動作について実施の形態1と相違する点を中心に説明する。
(S33)
端末制御装置2は、備えるメモリー(図示せず)において、着信グループ10aに属する電話端末の着信グループ10aが設定されているキー(電話端末3cにおいてはキーK1)用に割り当てられた記憶領域に記憶されている着信音パターン1を消去する。また、端末制御装置2は、その電話端末の他のキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていないか確認する。電話端末3cにおけるキーK2用の記憶領域には、この時点では、既に着信音パターン4が記憶されている。したがって、電話端末3cに鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターン4を設定する。また、前述の他のキー用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていない場合は、それらの電話端末に鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターン無しとして設定する。
(S34)
そして、端末制御装置2は、電話端末3cに対して、着信音パターン4による鳴動の開始指令を送信する。また、着信グループ10aのみに属する電話端末に対しては、鳴動の停止指令を送信する。
(S35)
その鳴動開始指令を受信した電話端末3cは、着信音パターン5から着信音パターン4による鳴動動作に切り替える。また、鳴動停止指令を受信した電話端末は、鳴動動作を停止する。
【0037】
(S38)
主装置1は、着信グループ10bに属する電話端末が、電話端末3eへ応答したことを検出、あるいは、その電話端末3eからの発信の放棄を検出する。
(S39)
そして、主装置1は、着信グループ10bが設定されているキーを備える電話端末及びそのキーを特定し(電話端末3cにおいてはキーK2)、端末制御装置2に鳴動を停止させる着信音パターン情報(ここでは着信音パターン4)を送出する。
【0038】
(S40)
端末制御装置2は、備えるメモリー(図示せず)において、着信グループ10bに属する電話端末の着信グループ10bが設定されているキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に記憶されている着信音パターン4を消去する。また、端末制御装置2は、その電話端末の他のキー(電話端末3cにおいてはキーK2)用に割り当てられた記憶領域に、着信音パターンが記憶されていないか確認する。着信音パターンが記憶されていない場合は、それらの電話端末に鳴動させる着信音パターンとして、着信音パターン無しとして設定する。
(S41)
そして、端末制御装置2は、着信グループ10bに属する電話端末に対して、着信音パターン4による鳴動の停止指令を送信する。
(S43)
また、端末制御装置2は、着信グループ10bに属する電話端末に対して、着信グループ10bが設定されたキー(電話端末3cにおいてはキーK2)の滅灯要求を送信する。なお、前述したように端末制御装置2が、電話端末3eから、主装置1を介して、電話端末3eの電話番号等のアドレス情報を取得し、着信グループ10bに属する電話端末に対して、LED等によるアドレス情報の表示要求をしていた場合は、そのアドレス情報の表示消去要求を送信する。
【0039】
その他のステップの動作は、実施の形態1と同様である。
【0040】
以上の構成及び動作によって、記憶装置11において着信音パターンデータベースに着信グループ毎及び回線種別毎に異なる着信音パターンが記憶され、主装置1はその着信音パターンデータベースを参照し、着信グループ毎及び回線種別毎に対応する着信音パターンを設定できるようにしているので、どの着信グループへの着信であるのか、及び、いずれの回線を経由した着信であるのかを判断することができる。
また、実施の形態1と同様に、ある特定の電話端末(例えば、電話端末3c)が複数の着信グループに属し、その複数の着信グループが複数着信状態となった場合、複数着信状態に対応する着信音パターンによってその電話端末を鳴動させることによって、複数の着信グループに着信があることを判断することができる。
【0041】
なお、図7で示される着信音パターンデータベースは、「外線」及び「その他」の2種類の回線種別ごとに着信音パターンを記憶しているが、これに限られるものではなく、主装置1によって3種類以上の回線の種別を識別し、それらの回線種別毎に着信音パターンを記憶して、鳴動させるものとしてもよい。
また、図6、並びに、実施の形態1との相違点を説明するために参照した図4及び図5において、発信する電話機は一般電話21a及び電話端末3eとしているが、それ以外の一般電話又は電話端末が発信するものとしてよいのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
1 主装置、2 端末制御装置、3a〜3e 電話端末、10a、10b 着信グループ、11 記憶装置、20 PSTN(公衆交換電話網)、21a〜21c 一般電話。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話機能を有する通信装置の鳴動方法であって、
前記通信装置が第1の着信通知を受信すると第1鳴動動作し、
前記通信装置が前記第1鳴動動作中に第2の着信通知を受信すると第2鳴動動作をする
ことを特徴とする通信装置の鳴動方法。
【請求項2】
前記第1の着信通知は第1の着信情報を含み、
前記第1鳴動動作は前記第1の着信情報を用いた動作であり、
前記第2の着信通知は第2の着信情報を含み、
前記第2鳴動動作は前記第2の着信情報を用いた動作である
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置の鳴動方法。
【請求項3】
前記第1の着信情報および前記第2の着信情報は着信音パターンを含み、
前記第1の着信情報に含まれる着信音パターンと前記第2の着信情報に含まれる着信音パターンとが異なる
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置の鳴動方法。
【請求項4】
前記第1鳴動動作と前記第2鳴動動作とは異なる動作である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信装置の鳴動方法。
【請求項5】
前記通話機能は単数又は複数の通信装置によって構成された複数の通話グループに属し、
前記第1の着信通知と前記第2の着信通知とがそれぞれ異なる通話グループに係る着信通知である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信装置の鳴動方法。
【請求項6】
前記通信装置が前記第1鳴動動作中に前記第1の着信通知に係る第1の表現表示要求を受信すると第1表示動作する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置の鳴動方法。
【請求項7】
前記通信装置が前記第2鳴動動作中に前記第2の着信通知に係る第2の表現表示要求を受信すると第2表示動作をする
ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置の鳴動方法。
【請求項8】
前記通信装置は1または複数のLEDを具備し、
前記第1表示動作は前記第1の表現表示要求に含まれる情報に基づき前記通信装置のLEDを制御し、
前記第2表示動作は前記第2の表現表示要求に含まれる情報に基づき前記通知装置のLEDを制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置の鳴動方法。
【請求項9】
前記第1表示動作と前記第2表示動作とは異なる動作である
ことを特徴とする請求項7または8に記載の通信装置の鳴動方法。
【請求項10】
通信装置を制御する制御装置の制御方法であって、
第1の着信通知を受信すると前記通信装置に対して第1鳴動動作を実施させ、
前記通信装置に対して前記第1鳴動動作の実施中に第2の着信通知を受信すると前記通信装置に対して第2鳴動動作を実施させる
ことを特徴とする制御装置の制御方法。
【請求項11】
通話機能を有する通信装置であって、
第1の着信通知を受信すると第1鳴動動作をする鳴動動作部を有し、
前記鳴動動作部は当該通信装置が前記第1鳴動動作中に第2の着信通知を受信すると前記第1鳴動動作と異なる第2鳴動動作をする
ことを特徴とする通信装置。
【請求項12】
第1の着信通知を受信すると通信装置に対して第1鳴動動作を実施させる制御部を有し、
前記制御部は前記通信装置に対して前記第1鳴動動作中の実施中に第2の着信通知を受信すると前記通信装置に対して第2鳴動動作を実施させる
ことを特徴とする制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−102557(P2013−102557A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−45048(P2013−45048)
【出願日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【分割の表示】特願2009−16590(P2009−16590)の分割
【原出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】