説明

連動制御システム

【課題】開閉体と1又は複数の他の機器との間の連動処理を制御する連動制御システムの制御態様を容易な構成で柔軟に対応できるようにする。
【解決手段】本発明の連動制御システムは、開閉装置と、開閉装置と一連の動作を行なう機器との間の連動処理を制御する連動制御システムにおいて、開閉装置と機器との間の連動処理に係る出力制御の関係を示す複数の制御パターンを有し、それら制御パターンの中から所定の選択方法で選択された制御パターンに従って、開閉体及び/又は機器に動作指示を行なう連動制御手段を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連動制御システムに関し、例えば、シャッター装置、ドア、窓、オーバーヘッドドア装置、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)装置、ロールスクリーン(例えば遮光幕)装置、ブラインド装置、オーニング装置等の開閉体を開閉する開閉装置との連動処理を制御するシステムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば開閉体としてシートシャッターを開閉するシートシャッター装置等の開閉装置と、例えばエアカーテン装置、荷物リフト装置、ベルトコンベア装置等の1又は複数の機器とを連結させて、一連の動作を実現するシステムがある。
【0003】
従来、このようなシステムを実現する場合、それぞれの装置・機器の電気的な取り合わせは各装置・機器に応じて制御信号構成が異なるため、それぞれの装置・機器の単独の制御盤とは別に連動制御用の制御盤を設けている。
【0004】
また、特許文献1には、複数の開閉装置間の連動処理を制御するシステムが開示されており、このシステムは、連動処理を行なう複数の開閉装置間で予め優先度を設定しておき、各開閉装置間で自装置の動作状態を示す信号を授受し合い、その各装置の動作状態信号と優先度とに応じて、所定の動作モードで制御する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−64945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、開閉装置と、エアカーテン装置や荷物リフト装置やベルトコンベア装置等の機器とを連結させたシステムは、別途設けた連動制御盤がそれぞれの装置・機器間の連動処理を制御している。
【0007】
しかしながら、従来の連動制御盤の実際の制御方法は、入力信号が入力すると、一の装置・機器には出力信号を与え、他の装置・機器には反転させた出力信号を与えたり、また搭載したタイマを利用して信号遅延させて出力したりする等の電気部品を用いた方法が採用されており、連動制御盤への入力に対する出力制御の態様に限界があった。
【0008】
そのため、開閉装置と他の機器との間で連動処理の際、各装置・機器の電気的な取り合いを他の電気部品を用いずに、柔軟な出力制御態様を容易に行なうことができる連動制御システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために、本発明の連動制御システムは、開閉装置と、開閉装置と一連の動作を行なう機器との間の連動処理を制御する連動制御システムにおいて、開閉装置と機器との間の連動処理に係る出力制御の関係を示す複数の制御パターンを予め有し、それら制御パターンの中から所定の選択方法で選択された制御パターンに従って、開閉体及び/又は機器に動作指示を行なう連動制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、開閉装置と、開閉装置と一連の動作を行なう機器との間の連動処理を制御する連動制御システムにおいて、予め設定された開閉装置と機器との間の連動処理に係る出力制御の関係を示す制御パターンに従って、開閉体及び/又は機器に動作指示を行なう連動制御手段を備えることにより、電気的な取り合いを他の電気部品を用いずに、柔軟な出力態様を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(A)第1の実施形態
以下、本発明に係る連動制御システムの第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態は、本発明の連動制御システムを利用して、電動式開閉装置と、この電動式開閉装置と一連の動作を行なう機器との間の連動処理を制御するシステムの態様を説明する。
【0013】
(A−1)第1の実施形態の構成
図4は、本実施形態の連動制御システムを採用した連動システムの全体構成を示すイメージ図である。なお、図4では、エアカーテン装置を機器の例とした場合を示す。
【0014】
図4において、本実施形態のシステム9は、主に、開閉装置であるシャッター装置を構成する連動制御盤1、開閉駆動部2、センサ5、シートシャッター6、シャッターケースSC、ガイドレールGR等と、機器であるエアカーテン装置を構成するエアカーテン機器3、エアカーテン制御装置4等と、を少なくとも備える。
【0015】
連動制御盤11は、センサ5と接続し、センサ5が感知したセンサ信号を入力すると、後述する所定の制御パターンに従って、開閉体駆動部2及びエアカーテン制御装置4に制御信号を与えて、連動処理を制御するものである。
【0016】
図1は、本実施形態に係る連動制御装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の連動制御装置1は、入力部11、制御パターン決定部12、出力部13、制御パターン記憶部14、開閉動作制御部15を少なくとも有して構成される。
【0018】
入力部11は、任意の位置に設けられ、周囲の状況等に応じて動作指示信号を出力したり、機器に設けられ、機器の状態等に応じて動作指示信号を出力したりする動作指示部(図4ではセンサ5に相当)や、図示しない操作部から、動作指示信号を少なくとも取り込むものである。また、入力部11は、取り込んだ動作指示信号を制御パターン決定部12に与えるものである。
【0019】
例えば、エアカーテン装置を機器とし、開閉装置と連動させる場合、開閉装置を動作させる動作指示信号を、入力部11は取り込む。
【0020】
また、入力部11は、開閉装置と連動させる機器が2以上の場合であっても対応できるように、例えば機器毎に入力端子を設けて、機器毎の動作指示信号を取り込むことができる。この2以上の機器は、異なる種類の機器(例えば、エアカーテン装置と荷物リフト装置)を意味するだけでなく、同じ種類の機器(例えば、2台のエアカーテン装置)も包含する意味である。
【0021】
なお、入力部11は、必要に応じて、機器の動作指示部から動作指示信号を取り込むようにしてもよい。
【0022】
制御パターン決定部12は、入力部11から開閉装置に対する動作指示信号を受け取ると、制御パターン記憶部14を参照し、受け取った動作指示信号の入力に基づいて制御パターンを選択して、その選択した制御パターンに従って機器動作制御信号を出力部13に与えるものである。
【0023】
また、制御パターン決定部12は、決定した制御パターンに従って、動作指示信号に応じた、開閉体を動作させる動作制御信号(開信号、閉信号、停信号等)を送信するよう開閉動作制御部15に指示するものである。
【0024】
さらに、制御パターン決定部12は、開閉動作制御部15から開閉体のリミッタ信号を受け取り、そのリミッタ信号の入力に基づいて開閉体の動作状態(全開状態、全閉状態、半開状態等)を認識することができ、開閉体の動作状態に応じて、制御パターンに従って、出力部13から機器起動信号又は機器停止信号等の機器動作制御信号を出力させるものである。すなわち、開閉動作制御部15は、リミッタ信号を制御パターン決定部12にフィードバックし、開閉体の動作状態に応じた制御パターンの機器動作制御信号を出力する。
【0025】
制御パターン記憶部14は、予め設定された1又は複数の制御パターンを記憶するものである。
【0026】
ここで、図2は制御パターン記憶部14に記憶される制御パターンの例を説明する説明図である。
【0027】
図2の制御パターン例は、エアカーテン装置との連動制御だけでなく、荷物リフト装置、ベルトコンベア装置等との連動制御にも対応可能なパターン例を示す。
【0028】
図2において、「入力A」、「入力B」、…、「入力E」、…は、入力部11が有する入力端子を示し、それぞれの欄の内容は、それぞれの入力端子に入力される動作指示信号の内容を示す。
【0029】
制御パターン決定部12は、入力部11のそれぞれの入力端子から入力された動作指示信号の内容に応じて、開閉体及び又は機器に対して行なう制御パターンを特定し、その制御パターンに従って図2に示す「処理」を実行する。
【0030】
また、「開閉体動作」は、制御パターン決定部12が開閉動作制御部15に対して指示する内容を示し、「機器側出力」は、制御パターン決定部12が出力部13に与える機器動作制御信号の内容を示す。
【0031】
「パターン1」は、開閉装置とエアカーテン装置との連動制御パターンを示す。ここでは、例えば、入力部11の入力端子「入力A」は開閉装置のセンサと接続し、出力部13の出力端子「出力A」はエアカーテン制御装置4に接続しているものとする。
【0032】
そして、このような接続をしている場合であって、開閉装置の初期状態で開閉体が全閉している状態の場合に、「入力A」に動作指示信号としてセンサ入力が与えられると、制御パターン決定部12は、「入力A」からのセンサ信号入力であるから、「パターン1」を制御パターンとして選択する。
【0033】
このとき、「開閉体動作」が「センサ入力後1秒後に開放し、センサ入力が無くなってから5秒後に閉鎖」であるので、制御パターン決定部12は、入力部11の入力に応じた制御を開閉動作制御部15に指示する。
【0034】
これにより、開閉動作制御部15は、センサ入力が与えられると開閉体を開放し、そして開閉体が全開状態などにより停止していてセンサ入力が無い時間が5秒以上経過している場合は開閉体を閉鎖させる。
【0035】
また「パターン1」において、「機器側出力」が「センサ入力時から全閉後3秒後まで:出力A ON」であるので、制御パターン決定部12は、入力Aからセンサ入力が与えられてから、開閉体が全閉したことを認識した後、一定時間(図2によると、全閉後3秒)後まで、出力部13の出力Aから機器起動信号を出力し続けるよう、指示する。このように制御することにより、開閉体が閉鎖していない間は、エアカーテンが作動され、開閉体が開放した際の気密性の低下を抑えることができる。
【0036】
「パターン2」は、開閉装置と荷物リフト装置との連動制御パターンを示す。ここでは、例えば、入力部11の「入力B」が荷物リフト装置に設けられて荷物リフトが停止している際に荷物リフト装置から開閉体の開閉動作を指示する動作指示部に接続しているか、又は「入力C」が荷物リフト装置に設けられて荷物リフトが停止している際に荷物リフト装置から開閉体の開閉動作を指示する動作指示部に接続しているものとする。また出力部13の「出力B」が荷物リフトを上昇又は下降させる制御部に接続しているとする。
【0037】
そして、このような接続をしている場合であって、開閉装置の初期状態で開閉体が全閉している状態の場合、「入力B」又は「入力C」から信号が与えられると、制御パターン決定部12は、「入力B」又は「入力C」からの入力に対応する「パターン2」を制御パターンとして選択する。
【0038】
このとき、「開閉体動作」が「開放後、(自動的に/非自動的に)閉鎖」であるので、入力部11の入力に応じた制御を制御パターン決定部12は開閉動作制御部15に指示する。
【0039】
動作指示部が入力部11の入力Bに接続されている場合、開閉動作制御部15は、奇数回目の入力Bからの信号が与えられると、開閉体を開放し、偶数回目の入力Bからの信号が与えられると、開閉体は閉鎖するように、開閉駆動部2を制御する。
【0040】
また、動作指示部が入力部11の入力Cに接続されている場合、開閉動作制御部15は、入力Cからの信号が与えられると、開閉体を開放し、所定時間経過(例えば10秒間)すると、開閉体を閉鎖するように、開閉体駆動部2を制御する。
【0041】
また「パターン2」において、「機器側出力」が「全閉中:出力B ON」であるので、開閉体が全閉したことを認識している間、出力部13の出力Bから機器起動信号を出力し続けるよう、制御パターン決定部12は指示する。このように制御することにより、開閉体が全閉している間しか機器起動信号が出力されないので、開閉体が全開していない間は荷物リフトが昇降動作しないようにできる。
【0042】
「パターン3」は、開閉装置とベルトコンベア装置との連動制御パターンを示す。ここでは、例えば、入力部11の「入力D」がベルトコンベア装置に設けられてベルトコンベアを動作させたいときにベルトコンベア装置から開閉体の開閉動作を指示する動作指示部に接続しているか、又は「入力E」がベルトコンベア装置に設けられてベルトコンベアを動作させたいときにベルトコンベア装置から開閉体の開閉動作を指示する動作指示部に接続しているものとする。また出力部13の「出力C」がベルトコンベア装置を起動させる制御部に接続しているとする。
【0043】
そして、このような接続をしている場合であって、開閉装置の初期状態は開閉体が全閉している状態の場合、「入力D」又は「入力E」から信号が与えられると、「入力D」又は「入力E」からの入力に対応するパターン3を制御パターンとして、制御パターン決定部12は特定する。
【0044】
このとき、「開閉体動作」が「開放後、(自動的に/非自動的に)閉鎖」であるので、入力部11の入力に応じた制御を制御パターン決定部12は開閉動作制御部15に指示する。
【0045】
動作指示部が入力部11の入力Dに接続されている場合、開閉動作制御部15は、奇数回目の入力Dからの信号が与えられると、開閉体を開放し、偶数回目の入力Dからの信号が与えられると開閉体は閉鎖するように、開閉駆動部2を制御する。
【0046】
また、動作指示部が入力部11の入力Eに接続されている場合、開閉動作制御部15は、入力Eからの信号が与えられると、開閉体を開放し、所定時間経過(例えば10秒間)すると、開閉体を閉鎖するように、開閉体駆動部2を制御する。
【0047】
また「パターン3」において、「機器側出力」が「全開中:出力C ON」であるので、開閉体が全開したことを認識している間、出力部13の出力Cから機器起動信号を出力し続けるよう、制御パターン決定部12が指示する。なお、ベルトコンベア装置のベルトコンベアは、この出力Cからの機器起動信号を受信している間、動作することができる。
【0048】
なお、制御パターンの内容は、連動する機器に応じて、管理者・保守者等により、新規設定、変更、削除などが可能であるようにしてもよい。また、出力部13の出力A、出力B、出力C、…のそれぞれは、別々の出力端子に出力されるようにしてもよいし、共通の出力端子に出力されるようにしてもよい。
【0049】
本実施形態において、制御パターン決定部12及び制御パターン記憶部14は、例えばマイクロコンピュータ等の情報処理装置により実現される。例えば、CPUが、RAMをワーキングエリアとして、ROMに格納される固定データやEEPROMに格納される処理に必要なデータを用いて、ROMに格納された処理プログラムを実行することで、制御パターンの決定処理が実現される。
【0050】
また、制御パターン決定部12の変形構成例として、図3に示すように、制御パターン決定部12がスイッチ切替制御部12aとスイッチ部12bとを有し、決定した制御パターンの「機器側出力」に応じて、スイッチ切替制御部12aが機構的なスイッチ部12bを切替制御することでも実現できる。
【0051】
図1に戻り、出力部13の構成を説明する。出力部13は、制御パターン決定部12の指示に従って、接続する起動動作システムの制御部(図4ではエアカーテン制御装置4に相当)に対して機器起動信号(アナログ信号)を出力するものである。
【0052】
また、出力部13(出力部13の出力A、出力B、出力C、…のそれぞれ)は、開閉装置と連動させる機器が2以上の場合であっても対応できるように、例えば機器毎に出力端子を設けて、機器毎の機器起動信号を出力することができるようにしてもよい。また、それぞれの制御パターンは、出力部13の複数の出力端子から、出力端子同士で互いに異なるように出力をするようにされていてもよい。
【0053】
開閉動作制御部15は、開閉駆動部2と接続し、制御パターン決定部12の指示に従って、開閉体の動作を制御するものである。また、開閉動作制御部15は、図示しないリミッタスイッチと接続し、リミッタ信号を受け取ることができ、そのリミッタ信号を制御パターン決定部12に与えるものである。
【0054】
図4に戻り、連動システム9の構成の説明をする。
【0055】
開閉駆動部2は、シートシャッター6の開閉動作の動力源とするものであり、例えばモータ等に相当する開閉機である。開閉駆動部2は、連動制御盤1から開信号が与えられると、図示しない巻き取りシャフトで開閉体であるシートシャッター6を巻き取らせ、シャッターケースSC内に収納させる。これにより開口部を形成する。また、開閉駆動部2は、連動制御盤1から閉信号が与えられると、巻き取られていたシートシャッター6を巻き取りシャフトから繰り出し、開口部を閉鎖させる。
【0056】
エアカーテン機器3は、各種スイッチのスイッチ信号や、各種センサのセンサ信号や外部からの入力信号等を動作指示信号として起動する既存のエアカーテン機器を適用することができ、その構成の詳細な説明は省略する。
【0057】
エアカーテン制御装置4は、エアカーテン機器3の動作を制御する既存のエアカーテン機器3に設備されるものであり、その構成の詳細な説明は省略する。エアカーテン制御装置4は、連動制御盤1に接続し、連動制御盤1から与えられた機器起動信号に従ってエアカーテンを動作制御するものである。
【0058】
センサ5は、人や物などを検知するセンサであり、検知するとセンサ信号を連動制御盤1に与えるものである。センサ5による検知方法は特に限定されず広く適用することができ、既知のセンサを用いることができる。本実施形態では、センサ5と連動制御盤1とが接続し、連動制御盤1がセンサ入力により連動制御するものとする。勿論、本実施形態の連動システム9を実現するために新たに設けたものでもよい。
【0059】
シートシャッター6は、シャッターカーテンがシート状のシャッターである。本実施形態では、シートシャッターを開閉体の例としたが、これに限定されず、連動システムの用途に応じて使用される開閉体に広く適用することができる。
【0060】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、本実施形態の連動システムにおける連動制御動作を、図面を参照して説明する。
【0061】
以下では、図4に示すエアカーテン装置と開閉装置との連動システム9を例に挙げて、本実施形態の連動制御動作を説明する。
【0062】
なお、図4において、センサ5は連動制御盤1の入力部11の入力Aに接続し、エアカーテン制御装置4は連動制御盤1の出力部13の出力Aに接続しているものとする。
【0063】
図5は、本実施形態の連動制御動作のシーケンスである。
【0064】
まず、センサ5が人や物などを検知すると(S1)、センサ信号がセンサ5から連動制御盤1の入力部11の入力Aに与えられる(S2)。
【0065】
連動制御盤1において、入力部11の入力Aにセンサ信号が与えられると、制御パターン決定部12は、制御パターン記憶部14を参照し(S3)、入力Aからのセンサ入力に対応する制御パターンを決定する(S4)。
【0066】
本実施形態の場合、入力部11の入力Aからのセンサ入力に対応するパターン1が制御パターンとして決定される(図2参照)。
【0067】
制御パターンが決定されると、制御パターン決定部12は、決定した制御パターンに従った所定の処理を行なう(S5)。
【0068】
図6は、図2のパターン1の場合の制御パターン決定部12における処理を説明するフローチャートである。
【0069】
「パターン1」には、開閉動作制御部15に対する制御パターンと(図2における「処理」の「開閉体動作」に対応する)、出力部13に対する制御パターン(図2における「処理」の「機器側出力」に対応する)とが含まれ、制御パターン決定部12は、開閉動作制御部15に対する制御パターンに従った所定の処理と、出力部13に対する制御パターンに従った所定の処理とを併行して行なう。
【0070】
すなわち、図6では、図6(A)に示す処理と、図6(B)に示す処理とを併行して行なうものとする。
【0071】
なお、ここで、「パターン1」の処理のフローは、開閉動作制御部15に対する制御パターンに従った所定の処理と、出力部13に対する制御パターンに従った所定の処理とが併行に処理されることに同義な1つのフローとしてもよい。
【0072】
図6において、制御パターン決定部12がパターン1を決定すると、パターン1の「開閉体動作」が「センサ入力後1秒後に開放し、センサ入力が無くなってから5秒後に閉鎖」であるとおり、制御パターン決定部12は、センサ入力してから1秒後に、開閉動作制御部15に開動作を指示し(S11)、センサ入力が無くなってから5秒後に、開閉動作制御部15に対して閉動作を指示する(S12)。
【0073】
このように、制御パターン決定部12が開閉動作制御部15に対して開閉動作を指示すると、開閉動作制御部15は、図5に示すように、開閉駆動部2に対して順次、開信号、閉信号(それぞれ動作制御信号)を与える(S6)。
【0074】
そして、開閉駆動部2は、開閉駆動部2から開信号、閉信号を受け取ると、その開信号、閉信号に応じた駆動力を巻取りシャフトに与え(S7)、シートシャッター6(開閉体)を巻き取ったり、繰り出したりさせ、一連の動作をさせることができる。
【0075】
また、図6において、制御パターン決定部12は、開閉動作制御部15への開閉体の動作指示と併行して、図2のパターン1の「機器側出力」が「センサ入力時から全閉後3秒後まで:出力AON」であるとおり、制御パターン決定部12は、センサ入力時から全閉後3秒後まで、出力部13の出力Aから機器起動信号を出力し続けるよう、出力部13に制御パターン決定部12が指示する(S14)。開閉体が全閉したかどうかは、フィードバックされたリミッタ信号に基づいて認識する。
【0076】
そして、この制御パターン決定部12からの指示を受けると、図5に示すように、出力部13は、エアカーテン制御装置4に機器起動信号を与える(S8)。
【0077】
出力部13からの機器起動信号がエアカーテン制御装置4に与えられると、その間エアカーテン制御装置4は、所定の起動処理により、エアカーテン機器を起動させて、機器起動信号が与えられなくなるまで所定の動作を制御する(S9)。
【0078】
なお、開閉動作制御部15に対する制御パターンにより開閉体が動作し、その開閉体の状態を条件に出力部13に対する制御パターンによって機器起動信号が出力されるので、開閉装置(シートシャッター装置)と機器(エアカーテン装置)は連動して制御されることになる。
【0079】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、連動制御盤1を備えることにより、開閉システムと連動させる機器の入力から決定した所定の出力制御パターンに従って、開閉装置とこれに連動させる1又は複数の機器との連動制御を容易に行なうことができる。
【0080】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の連動制御システムの第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0081】
第1の実施形態では、制御パターン決定部12が、入力端子である「入力A」、「入力B」、…のうち、どの入力端子から動作指示信号が与えられたかの違いによって、制御パターンを選択し、その選択した制御パターンの処理で動作制御する場合を説明した。
【0082】
これに対して、第2の実施形態では、予め複数の制御パターンが制御パターン記憶部に記憶されており、使用前にどの制御パターンの動作制御を実行させるかを、例えばディップスイッチ等の選択スイッチの切り替えで選択する場合を説明する。
【0083】
これにより、第1の実施形態の場合、連動制御盤1は、複数種類の機器を接続できるようにするため、少なくとも接続できるようにする機器種類の数に応じた数の入力端子を用意する必要があるのに対して、第2の実施形態の場合、連動制御盤1は、入力端子の数を減らすことができ、接続する機器に応じて、スイッチで切り替えて使用することができる。
【0084】
図9は、第2の実施形態の連動制御盤10の内部構成を示すブロック図である。図9に示すように、第2の実施形態の連動制御盤10は、入力部111、制御パターン決定部121、出力部131、制御パターン記憶部141、開閉動作制御部15、選択スイッチ16を少なくとも有して構成される。
【0085】
なお、開閉動作制御部15は、第1の実施形態で説明したものに対応するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0086】
入力部111は、第1の実施形態と同様の機能を有するものであるが、本実施形態においては、入力端子は「入力A」及び「入力B」の2個のみ備え、第1の実施形態の入力部11よりも入力端子の数が少ない。
【0087】
また、出力部13も、第1の実施形態と同様の機能を有するものであるが、本実施形態では、第1の実施形態の出力部13よりも出力端子の数が少ない。
【0088】
制御パターン記憶部141は、第1の実施形態と同様に、予め設定された少なくとも1以上の制御パターンを記憶するものであるが、制御パターン決定部12による連動制御で適用する制御パターンの選択は、例えば運用者等が制御パターン決定部12に接続された選択スイッチ16で切り替え、どの制御パターンを選択するかを指定することにより決定される。
【0089】
これにより、連動制御盤10に接続する機器に応じて、選択スイッチ16の切り替えで、制御パターンを選択することができる。
【0090】
制御パターン決定部121は、基本的には第1の実施形態で説明したように、制御パターン記憶部141に記憶される制御パターンに従って動作制御するものであるが、適用する制御パターンは、上述したように、選択スイッチ16で選択されたものとする。
【0091】
図10は、第2の実施形態の制御パターンの例を説明する説明図である。図10において、「パターン1」、「パターン2」、「パターン3」、…の制御パターンに基づく、開閉体や機器に対する動作制御の内容は、第1の実施形態で説明した内容と同様であるので、この詳細な説明は省略する。
【0092】
図10に示す制御パターンは、入力部111の入力端子が「入力A」と「入力B」のみであり、信号入力が異なるから、それに併せて信号入力を変えてある点で、図2に示す制御パターンと異なる。
【0093】
また、制御パターン決定部121による制御パターンに基づく動作制御処理の動作は、第1の実施形態と同様であるので、ここでの動作の詳細な説明は省略する。
【0094】
なお、パターン1を選択する場合、センサ5は、入力A、入力Bのどちらに接続しても、又は両方に接続しても、センサ信号が入力されたときのパターン1に基づく動作制御処理の動作は、第1の実施形態におけるパターン1と同様である。
【0095】
(C)他の実施形態
(C−1)上述した実施形態では、エアカーテン装置、荷物リフト装置、ベルトコンベア装置を機器の例として説明したが、開閉装置と連動させる機器は、これに限定されず、別の開閉装置を機器として適用してもよく、利用用途に応じて種々の機器を適用できる。
【0096】
他の機器との連動システムの例として、例えば、スプリンクラー装置と防災シャッター装置との連動システムや、照明機器とシャッター装置との連動システムや、シャッター装置と他のシャッター装置との連動システム等が考えられる。
【0097】
また、開閉装置又は機器の制御盤に、連動制御盤と同様の機能を内蔵してもよいし、開閉装置と機器の制御盤の両方に、連動制御盤と同様の機能を内蔵し、使用する際に、開閉装置又は機器の制御盤に内蔵される連動制御盤のいずれかのみを機能させるようにしてもよい。
【0098】
さらに、単一の連動システムにおいて、開閉装置は単数でも複数でもよく、機器も単数でも複数でもよい。そして、開閉装置が複数である場合、各開閉装置に同じ動作指示をすればよく、複数の開閉装置の各リミット信号は論理演算式を用いて1つの信号に処理して連動制御に用いればよい。また、機器が複数である場合、各機器に同じ動作指示をすればよい。
【0099】
またさらに、機器の状態信号によって、動作指示信号の入力の可能、不可能を制御できるようにしてもよい。ここで、入力を不可能にするとは、入力しないようにすること、入力を無視することを含む。
【0100】
また、動作指示信号は、機器から出力されて連動制御盤に入力されるものであってもよい。
【0101】
さらに、連動制御システムは、開閉装置の一部で、開閉装置自身及び機器を制御するものであってもよい。
【0102】
また、機器の一部を開閉装置が構成していて、連動制御システムは、開閉装置と、機器の開閉装置を除く部分との各々の動作を連動制御するものであってもよい。
【0103】
(C−2)図2及び図10で示した制御パターンは例示であり、これに限定されず、連動させる機器との関係で設定することができる。
【0104】
また、図2では、ある機器との連動について1個のパターンのみを対応付けた場合を示したが、入力信号の入力態様に差があれば、ある機器との連動について複数のパターンを対応付けてもよい。
【0105】
さらに、各々の制御パターンはいずれも、開閉体動作の指示の後に機器動作を指示する場合のパターンであってもよく、機器動作を先に指示した後に開閉体動作を指示するパターンであってもよく、機器動作と開閉体動作とを同時に指示してもよく、機器動作と開閉体動作を交互に指示してもよい。
【0106】
例えば、図7は、エアカーテン装置との連動制御パターン(パターン4)である。また図8は、パターン4の場合の制御パターン決定部12における処理を説明するフローチャートである。
【0107】
例えば、入力部11の入力端子である入力Aはエアカーテン装置を作動させるためのセンサと接続し、出力部の出力端子である出力Aがエアカーテン制御装置4に接続しているとする。
【0108】
入力Aからセンサ入力が与えられると、制御パターン決定部12は、「機器側出力」が「センサ入力後3秒間出力A ON」であるから、センサ入力後3秒間、出力部13の出力Aから機器起動信号を出力させるよう、制御パターン決定部12が指示する(S21)。
【0109】
また、「開閉体動作」が「出力A ONの2秒後開信号 ON」であるから、制御パターン決定部12は、出力Aの指示後、2秒後に開閉動作制御部15に開閉体を開動作させるよう指示する(S22)。
【0110】
このように、先に機器側の動作を指示し、その後開閉体の動作を指示するような制御パターンでもよい。
【0111】
(C−3)また、制御パターンには、調停時に、いずれかの制御パターンを優先的に処理するための優先度を付与しておき、その優先度に応じて処理を行なえるようにしてもよい。
【0112】
(C−4)上述した実施形態では、シートシャッター6が上下方向に移動する場合を説明したが、開閉体の移動方向は特に限定されない。例えば、斜め方向や水平方向にスライドするシャッターなどにも適用可能である。
【0113】
また、開閉動作とは、開方向のみ、閉方向のみ、又は開閉両方向の移動動作を意味する。
【0114】
また、「閉」は開口部が存在するような場合にはこれを閉鎖する方向への移動を意味する概念であり、繰り出し、スライド移動、展張等を含む開閉体の前進を意味し、「開」は開口部が存在するような場合にはこれを開放する方向への移動を意味する概念であり、巻き取り、収縮、スライド移動、折り畳み等を含む開閉体の後退を意味する。
【0115】
(C−5)上述した実施形態において、主として、シートシャッター6を備えたシートシャッター装置について本発明を適用したが、本発明はシートシャッター装置以外にも、スラットシャッターやパネルシャッターやパイプシャッターや窓用シャッターなど各種のシャッターを備えたシャッター装置に適用することが可能である。
【0116】
また本発明は、シャッター装置用としてだけでなく、シャッター装置、ドア、窓、オーバーヘッドドア装置、ロールスクリーン(例えば遮光幕)装置、ブラインド装置、オーニング装置、カーテン装置などの開閉装置用の混合システムとして適用することが可能である。
【0117】
以上の説明で主としてハードウエア的に本発明を実現したが、本発明は、ソフトウエア的に実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】第1の実施形態の連動制御盤の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態の制御パターンの例を説明する説明図である。
【図3】第1の実施形態の制御パターン決定部の変形構成例を示す構成図である。
【図4】第1の実施形態の連動システムの全体構成例を示すイメージ図である。
【図5】第1の実施形態の連動システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】第1の実施形態の制御パターン決定部の動作を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態の変形実施形態の制御パターンの例を説明する説明図である。
【図8】第1の実施形態の変形実施形態の制御パターン決定部の動作を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態の連動制御盤の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図10】第2の実施形態の制御パターンの例を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0119】
1…連動制御盤、11…入力部、12…制御パターン決定部、13…出力部、14…制御パターン記憶部、15…開閉動作制御部、2…開閉駆動部、3…エアカーテン機器、4…エアカーテン制御装置、5…センサ、6…シートシャッター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉装置と、上記開閉装置と一連の動作を行なう機器との間の連動処理を制御する連動制御システムにおいて、
上記開閉装置と上記機器との間の連動処理に係る出力制御の関係を示す複数の制御パターンを予め有し、それら制御パターン中から所定の選択方法で選択した制御パターンに従って、上記開閉装置及び/又は上記機器に動作指示を行なう連動制御手段を備えることを特徴とする連動制御システム。
【請求項2】
上記連動制御手段が、
予め設定された1又は複数の上記制御パターンを記憶する制御パターン記憶部と、
上記制御パターン記憶部から対応する制御パターンを選択する制御パターン選択部と、
上記制御パターン選択部により選択された制御パターンに従って、上記開閉装置及び/又は上記機器に対して出力制御を実行する出力制御実行部と
を有することを特徴とする請求項1に記載の連動制御システム。
【請求項3】
上記制御パターンは、入力された動作指示信号の入力に基づいて選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の連動制御システム。
【請求項4】
上記出力制御実行部が、決定された上記制御パターンに従って連動させる上記各機器に対する出力を機構的に切り替えるスイッチ部であることを特徴とする請求項2又は3に記載の連動制御システム。
【請求項5】
上記制御パターン決定部は、入力した複数の上記動作指示信号の調停時に対して、予め設定された上記各制御パターンの優先度に従って、決定するパターンの処理優先を決定することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の連動制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−205051(P2007−205051A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25594(P2006−25594)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】