説明

遊技情報表示装置

【課題】出玉グラフを再生表示することにより出玉の推移を遊技者に実感させると共に、途中の出玉の状況をも正確に把握できるようにする。
【解決手段】遊技情報表示装置3は、アウトと差玉(差遊技価値)との関係を示す出玉グラフを再生表示することで、出玉の推移を遊技者に実感させることができる。又、出玉グラフを再生表示するときに、当日の差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、再生表示される出玉グラフにおける最新の差玉のプロット位置に合わせて表示することで、当日の差玉の変動幅に対してどの位置を推移しているかを把握でき、途中の差玉の状況をも正確に把握できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技価値を使用して遊技を実行し、入賞が発生したときに遊技価値が付与される遊技機の遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技場においては、例えば特許文献1に記載されているように、出玉(差遊技価値)の推移を出玉グラフ(差遊技価値グラフ)によりグラフ形式で表示することが一般に行われており、遊技者は出玉グラフを確認することにより、その日(当日)の出玉の推移を把握することができる。又、出玉の推移を遊技者に実感させるために、出玉グラフを最初(当日の開店時)から再生表示することも考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−240013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、出玉グラフを再生表示する場合は、途中の出玉状況を正確に把握することが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、差遊技価値グラフを再生表示することにより差遊技価値の推移を遊技者に実感させると共に、途中の差遊技価値の状況をも正確に把握することが可能な遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、遊技価値を使用して遊技を実行し、入賞が発生したときに遊技価値が付与される遊技機の遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置において、予め定められた量の遊技価値が使用される毎に又は予め定められた時間が経過する毎に、遊技に使用された遊技価値の量と入賞により付与された遊技価値の量との差を差遊技価値として算出する差遊技価値算出手段と、前記差遊技価値算出手段が算出した差遊技価値を順にプロットして差遊技価値グラフを作成する差遊技価値グラフ作成手段と、前記差遊技価値グラフ作成手段が作成した差遊技価値グラフを表示する差遊技価値グラフ表示手段と、前記差遊技価値算出手段が算出した差遊技価値の最小値及び最大値を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、前記差遊技価値グラフ作成手段が作成した差遊技価値グラフにおける最新の差遊技価値のプロット位置に合わせて表示可能な棒グラフ表示手段と、前記差遊技価値グラフの再生表示を指示するために遊技者が操作する操作手段と、を備え、前記差遊技価値グラフ表示手段は、前記操作手段が操作されたときに、前記差遊技価値グラフ作成手段が作成した差遊技価値グラフにおける最古の差遊技価値のプロット位置から最新の差遊技価値のプロット位置まで所定時間間隔で再度表示する再生表示処理を実行し、前記棒グラフ表示手段は、前記差遊技価値グラフ表示手段が再生表示処理を実行するときには、前記特定手段が特定した最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、再生表示される差遊技価値グラフにおける最新の差遊技価値のプロット位置に合わせて表示することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記特定手段は、前記差遊技価値グラフ表示手段が前記再生表示処理を実行しているときには、再生表示中の差遊技価値グラフにおける差遊技価値の最小値及び最大値を特定し、前記棒グラフ表示手段は、前記再生表示中の差遊技価値グラフにおける差遊技価値の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、前記再生表示中の差遊技価値グラフにおける最新の差遊技価値のプロット位置に合わせて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、操作手段が操作されると、差遊技価値を順にプロットした差遊技価値グラフ(出玉グラフ)を最古の差遊技価値のプロット位置から最新の差遊技価値のプロット位置まで所定時間間隔で再度表示する再生表示処理を実行するので、差遊技価値の推移を遊技者に実感させることができる。又、差遊技価値グラフの再生表示処理を実行するときには、差遊技価値の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、再生表示される差遊技価値グラフにおける最新の差遊技価値のプロット位置に合わせて表示するので、当日の差遊技価値の変動幅に対してどの位置を推移しているか(収支がどの程度か)を把握することができ、途中の差遊技価値の状況をも正確に把握することができる。
【0009】
即ち、対応する遊技機にて遊技を終了した時点での差遊技価値と、当日の差遊技価値の最小値及び最大値とを遡って比較して判断することで、対応する遊技機にて遊技を終了したことが賢明な選択であったか否かを判断することができる。例えば最小値との差が小さかったり最大値との差が大きかったりすれば、遊技を終了せずに継続すれば良かったと判断することができ、一方、最小値との差が大きかったり最大値との差が小さかったりすれば、遊技を終了して良かったと判断することができる。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、差遊技価値グラフの再生表示処理を実行しているときに、再生表示中の差遊技価値グラフにおける差遊技価値の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、再生表示中の差遊技価値グラフにおける最新の差遊技価値のプロット位置に合わせて表示するので、その再生表示した時点までの変動幅に対してどの位置を推移しているのかを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
【図2】遊技情報表示装置の機能ブロック図
【図3】現時点の出玉グラフの表示画面を示す図
【図4】出玉グラフの再生表示画面を示す図(その1)
【図5】出玉グラフの再生表示画面を示す図(その2)
【図6】出玉グラフの再生表示画面を示す図(その3)
【図7】出玉グラフの再生表示画面を示す図(その4)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、遊技場システム1の全体構成を概略的に示している。遊技場内には複数台の遊技機2が設置されており、各遊技機2に1対1に対応して遊技情報表示装置3及び貸出ユニット4が当該遊技機2の側方に設置されている。本実施形態では遊技機2としてパチンコ機を想定しており、遊技価値(遊技媒体)として玉(所謂パチンコ玉)を想定している。これら遊技機2、遊技情報表示装置3及び貸出ユニット4は中継装置5に接続されており、中継装置5はLAN6を介して管理装置7に接続されている。管理装置7は、主装置8、モニタ9及びキーボード10等を有する。尚、図1では省略しているが、数100台の遊技機2が管理装置7の管理対象となる。
【0013】
遊技機2は、発射装置を構成する操作ハンドル11、上部受皿12、下部受皿13を有すると共に、盤面14に、普図入賞口15、第1始動口16、第2始動口17、液晶表示部18、大入賞口19を有する。遊技機2は以下に示す動作を行う。
(1)操作ハンドル11が操作されたことにより盤面14に発射された玉が第1始動口16又は第2始動口17に入賞(始動入賞)することに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果に基づいて所謂特別図柄(特図)による図柄変動を液晶表示部18にて実行し、その結果に応じて大当たりを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつであり、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
【0014】
(2)第1始動口16は入賞率が変動しない所謂ヘソタイプの入賞口である一方、第2始動口17は普図抽選によって入賞率が変動する所謂電チュータイプの入賞口である。
(3)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300であり、大当たりのうち大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)であり、大当たりが発生すると対応するラウンド数(R)に応じた分だけ大入賞口19を開放する。尚、1Rの上限入賞数(上限数)は8個であり、上限開放時間は30秒であり、上限数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0015】
(4)大当たりに対応するラウンド数は5Rと16Rとがあり、その振分割合は5Rが25%であり、16Rが75%である。
(5)確変中は大当たり確率が1/30に向上すると共に、第2始動口17への入賞率が向上する時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当たりまで継続するため、大当たり後に通常状態(通常)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続し、通常大当たりが発生した場合は通常状態へと戻る。
【0016】
遊技機2及び周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや第1始動口16又は第2始動口17への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
「アウト信号」:使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力される使用遊技価値(使用媒体数、アウト)を特定可能な信号である。回収玉(使用玉、打込玉)10玉に対して1パルスが出力されるので、アウト信号数×10をアウトとして特定する。尚、遊技機2から直接出力される信号であっても良い。アウト信号により特定されるアウトは、遊技に使用された遊技価値の量に相当する。
「セーフ信号」:遊技機2から出力される払出遊技価値(払出媒体数、セーフ)を特定可能な信号である。払出玉10玉に対して1パルスが出力されるので、セーフ信号数×10をセーフとして特定する。尚、補給装置(図示せす)から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。セーフ信号により特定されるセーフは、入賞により付与された遊技価値の量に相当する。
【0017】
「始動入賞信号」:遊技機2から出力される第1始動口16又は第2始動口17への入賞(始動入賞)を特定可能な信号である。第1始動口16又は第2始動口17への入賞1回につき1パルスが出力されるので、始動入賞信号の受信に応じて始動入賞を特定する。
「図柄変動信号」:遊技機2から出力される第1始動口16又は第2始動口17への始動入賞により変動(作動)を開始する図柄変動(役物作動)を特定可能な信号である。図柄変動の確定時(終了時)に出力されるので、図柄変動信号の受信に応じて図柄変動(スタート)を特定する。尚、図柄変動の開始時に出力される信号であっても良い。
【0018】
「大当たり信号」:遊技機2から出力される大当たり状態である期間を特定可能な信号である。大当たり状態中にレベル出力されるので、大当たり信号受信中を大当たり状態中として特定する。
「確率変動信号」:遊技機2から出力される大当たりの当選確率が高い確変状態中である期間を特定可能な信号である。確変状態中にレベル出力されるので、確率変動信号受信中を確変状態中として特定する。
【0019】
遊技情報表示装置3は、稼動状態やエラー状態等を表示する状態表示ランプ20、各種遊技情報を表示する液晶表示部21(差遊技価値グラフ表示手段、棒グラフ表示手段に相当)、遊技場が発行した会員カード(記録媒体)が挿入されるカード挿入口22、カード挿入口22に挿入されている会員カードを排出するために遊技者が操作するカード排出ボタン23等を有する。液晶表示部21にはタッチパネル24(操作手段に相当)が設けられており、遊技者は、タッチパネル24を操作することにより、液晶表示部21に表示される遊技情報の種類や表示態様等を切換可能である。
【0020】
図2は、遊技情報表示装置3の電気的な構成を機能ブロック図により示している。遊技情報表示装置3は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部25(差遊技価値算出手段、差遊技価値グラフ作成手段、特定手段に相当)、上記した状態表示ランプ20、液晶表示部21、カード挿入口22、カード排出ボタン23に加え、カード挿入口22に挿入された会員カード28に記憶されている各種情報を読取るカードリーダ26、中継装置5との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部27等を有する。遊技情報表示装置3は、制御部25が制御プログラムを実行することで以下に示す動作を行う。
【0021】
(1)会員カード28がカード挿入口22に挿入されていない状態では、会員カード28のカード挿入口22への挿入を促すメッセージを液晶表示部21に繰返して表示する。
(2)遊技者が会員カード28をカード挿入口22に挿入すると、カード挿入口22に挿入された会員カード28に記録されている各種情報をカードリーダ26により読取り、各種遊技情報を液晶表示部21に表示したりタッチパネル24からの操作入力を受付可能としたりする。尚、会員カード28がカード挿入口22に挿入されていない状態でも、一部の各種遊技情報を液晶表示部21に表示したりタッチパネル24からの一部の操作入力を受付可能としたりしても良い。
【0022】
(3)対応する遊技機2側から出力されるアウト信号及びセーフ信号を受信し、アウト信号に基づいてアウトを特定し、セーフ信号に基づいてセーフを特定し、アウトとセーフとの差である差玉(セーフ−アウト)を差遊技価値として特定する。
(4)アウトを横軸とすると共に差玉を縦軸とし、アウト「200」(2分)毎に、その時点での差玉の位置にドットを1個ずつプロットすることで、出玉グラフ(差遊技価値グラフ)を作成して液晶表示部21に表示する。
【0023】
貸出ユニット4は、遊技者が貨幣を投入するための貨幣投入口28等を有し、遊技者が貨幣を貨幣投入口28に投入すると、貸出信号を遊技機2に送信することで、その投入金額の範囲内の玉を遊技機2に貸出す。
【0024】
管理装置7は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有する制御部、遊技機2や遊技情報表示装置3や貸出ユニット4との間で各種信号や各種情報を送受信する送受信部、上記したモニタ10及びプリンタ等からなる出力部等を有する。管理装置7は、遊技機2や遊技情報表示装置3や貸出ユニット4との間で各種信号や各種情報を送受信することで、遊技機2における遊技情報(アウト、セーフ、差玉、出玉率、スタート回数、大当たり回数等)を集計して管理する。
【0025】
さて、遊技情報表示装置3は、上記した(1)乃至(4)に示した動作に加え、制御部25が制御プログラムを実行することで以下に示す動作をも行う。
(5)当日の差玉の最小値及び最大値を更新記憶する記憶領域を有することで、当日の差玉の最小値及び最大値を特定し、図3に示すように、出玉グラフを表示する際に、その出玉グラフにおける差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、出玉グラフにおける最新のドット(差玉に対応する)のプロット位置(出玉グラフの先端位置)に合わせて表示する。具体的には、当日の差玉の最小値が「m」であり、当日の差玉の最大値が「n」であれば、「m」から「n」までの幅を示す棒グラフ「B」を、出玉グラフ「A」における最新のドットのプロット位置「P」に合わせて表示する。
【0026】
(6)遊技者が出玉グラフの再生表示操作をタッチパネル24にて行うと、出玉グラフの当日の営業開始時(開店時)のドットのプロット位置から現時点(遊技者が出玉グラフの再生表示操作を行った時点)のドットのプロット位置までを所定の再生表示速度で再生表示し、出玉再生表示グラフを表示する。具体的には、上記したようにアウト「200」(2分)毎にドットを1個ずつプロットするので、例えば出玉グラフのアウトが「20000」であれば、「100ドット」を再生表示し、再生表示速度が「20ドット/秒」であれば、再生時間は「5秒」となる。尚、再生表示速度は固定値であっても良いし、遊技者が任意に設定可能な可変値であっても良い。即ち、遊技者は、再生表示速度を任意に設定可能であれば、出玉グラフを速く再生表示したい場合であれば再生表示速度を高く設定すれば良く、出玉グラフを遅く再生表示したい場合であれば再生表示速度を低く設定すれば良い。
【0027】
(7)出玉グラフを再生表示中では、当日の差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを再生表示中の出玉グラフにおける最新のドットのプロット位置に合わせて表示する第1再生表示処理、再生表示中の出玉グラフにおける差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを再生表示中の出玉グラフにおける最新のドットのプロット位置に合わせて表示する第2再生表示処理の何れかを行う。尚、遊技者が所定の設定操作をタッチパネル24にて行うことで第1再生表示処理及び第2再生表示処理の何れを行うかを決定しても良いし、第1再生表示処理及び第2再生表示処理を交互に行うようにしても良い。
【0028】
(8)第1再生表示処理では、図4に示すように、当日の差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフ「B」(図3で説明した棒グラフ「B」と同じ棒グラフ)を再生表示中の出玉グラフ「A´」における最新のドットのプロット位置「P1」に合わせて表示する。このとき、最新のドットのプロット位置における差玉と、当日の差玉の最小値(図3で説明した「m」)及び最大値(図3で説明した「n」)との差を算出して表示する(図4では「+3780」及び「−15350」を例示している)。
【0029】
更に出玉グラフの再生表示が進むと、図5に示すように、当日の差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフ「B」(図3及び図4で説明した棒グラフ「B」と同じ棒グラフ)を再生表示中の出玉グラフ「A´」における最新のドットのプロット位置「P2」に合わせて表示する。このときも、最新のドットのプロット位置における差玉と、当日の差玉の最小値(図3で説明した「m」)及び最大値(図3で説明した「n」)との差を算出して表示する(図5では「+4870」及び「−14260」を例示している)。
【0030】
即ち、第1再生表示処理では、出玉グラフの再生表示中に表示する棒グラフ「B」の幅は一定である。そして、第1再生表示処理では、出玉グラフの再生表示が進むことにしたがい、このように当日の差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフ「B」を常時表示するので、遊技者は、最新のドットのプロット位置における差玉と、当日の差玉の最小値及び最大値との差を容易に把握することができ、当日の最小値及び最大値に対してどの程度の収支であるかを容易に把握することができる。
【0031】
(9)第2再生表示処理では、図6に示すように、再生表示中の出玉グラフ「A´」における差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフ「C1」(図3乃至図5で説明した棒グラフ「B」とは異なる棒グラフ)を再生表示中の出玉グラフ「A´」における最新のドットのプロット位置「P1」に合わせて表示する。即ち、再生表示した時点までの差玉の最小値が「m1」であり、差玉の最大値が「n1」であれば、「m1」から「n1」までの幅を示す棒グラフ「C1」を、再生表示中の出玉グラフ「A´」における最新のドットのプロット位置「P1」に合わせて表示する。このとき、最新のドットのプロット位置における差玉と、再生表示中の出玉グラフ「A´」における差玉の最小値及び最大値との差を算出して表示する(図6では「+970」及び「−2130」を例示している)。
【0032】
更に出玉グラフの再生表示が進むと、図7に示すように、再生表示中の出玉グラフ「A´」における差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフ「C2」(図3乃至図5で説明した棒グラフ「B」とは異なる棒グラフ)を再生表示中の出玉グラフ「A´」における最新のドットのプロット位置「P2」に合わせて表示する。即ち、再生表示した時点までの差玉の最小値が「m2」であり、差玉の最大値が「n2」であれば、「m2」から「n2」までの幅を示す棒グラフ「C2」を、再生表示中の出玉グラフ「A´」における最新のドットのプロット位置「P2」に合わせて表示する。このときも、最新のドットのプロット位置における差玉と、再生表示中の出玉グラフ「A´」における差玉の最小値及び最大値との差を算出して表示する(図7では「+4870」及び「−3530」を例示している)。
【0033】
即ち、第2再生表示処理では、出玉グラフの再生表示中に表示する棒グラフ「C1」、「C2」の幅は、差玉の最小値及び最大値のうち何れかが更新される毎に長くなる。そして、即ち、第2再生表示処理では、再生表示が進むことにしたがい、このように再生表示中の出玉グラフ「A´」における(再生表示した時点までの)差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフ「C1」、「C2」を常時表示するので、遊技者は、最新のドットのプロット位置における差玉と、再生表示した時点までの差玉の最小値及び最大値との差を容易に把握することができ、その時点までの最小値及び最大値に対してどの程度の収支であるかを容易に把握することができる。又、差玉の最小値及び最大値の幅(収支の幅)がどのように推移したかをも容易に把握することができる。
【0034】
以上に説明したように本実施形態によれば、遊技情報表示装置3において、アウトと差玉との関係を示す出玉グラフを再生表示するようにしたので、出玉の推移を遊技者に実感させることができる。又、出玉グラフを再生表示するときに、差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、再生表示される出玉グラフにおける最新の差玉のプロット位置に合わせて表示するようにしたので、当日の差玉の変動幅に対してどの位置を推移しているか(収支がどの程度であるか)を把握することができ、途中の差玉の状況をも正確に把握することができる。
【0035】
又、出玉グラフの再生表示しているときに、再生表示中の出玉グラフにおける差玉の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、再生表示中の出玉グラフにおける最新の差玉のプロット位置に合わせて表示するようにしたので、その再生表示した時点までの変動幅に対してどの位置を推移しているのかを把握することができる。
【0036】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
当日の出玉グラフを再生表示する構成に限らず、前日以前の出玉グラフを再生表示するようにしても良い。又、複数日に跨る出玉グラフを連続して(一度に)再生表示するようにしても良い。
最新のドットのプロット位置(出玉グラフの先端位置)に合わせて、その時点の大当たりの発生回数、確率変動発生回数、抽選役物の作動回数等の様々な遊技情報を表示したり、その時点の時刻を表示したりしても良い。
【0037】
遊技情報表示装置3は、遊技機2の側方に設けられることに限らず、遊技機2の上方や下方に設けられても良い。
遊技情報表示装置3は、遊技機2や管理装置7との間で各種信号や各種情報を中継装置5を経由して送受信することに限らず、遊技機2や管理装置7との間で各種信号や各種情報を中継装置5を経由することなく直接送受信しても良い。
出玉グラフの横軸としてアウトを採用すること代えて、時刻を採用しても良い。
対象となる遊技機2は、遊技価値に相当する遊技媒体である玉を払出す遊技機に限らず、遊技価値を電子データとして加算記憶する所謂封入式やクレジット式の遊技機であっても良い。この点を考慮し、遊技媒体と電子データとを包含して遊技価値と表現している。
【0038】
遊技情報表示装置3が行う情報処理の一部を中継装置5や管理装置7等の他の装置にて行っても良い。例えば管理装置7にて遊技機2毎の出玉グラフを作成して管理し、遊技情報表示装置3において、管理装置7から受信した出玉グラフを再生表示するようにしても良い。即ち、遊技情報表示装置としては遊技情報表示装置3や中継装置5や管理装置7等を含む広義の遊技用記録媒体発行装置の概念も含む。
【符号の説明】
【0039】
図面中、2は遊技機、3は遊技情報表示装置、21は液晶表示部(差遊技価値グラフ表示手段、棒グラフ表示手段)、24はタッチパネル(操作手段)、25は制御部(差遊技価値算出手段、差遊技価値グラフ作成手段、特定手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を使用して遊技を実行し、入賞が発生したときに遊技価値が付与される遊技機の遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置において、
予め定められた量の遊技価値が使用される毎に又は予め定められた時間が経過する毎に、遊技に使用された遊技価値の量と入賞により付与された遊技価値の量との差を差遊技価値として算出する差遊技価値算出手段と、
前記差遊技価値算出手段が算出した差遊技価値を順にプロットして差遊技価値グラフを作成する差遊技価値グラフ作成手段と、
前記差遊技価値グラフ作成手段が作成した差遊技価値グラフを表示する差遊技価値グラフ表示手段と、
前記差遊技価値算出手段が算出した差遊技価値の最小値及び最大値を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、前記差遊技価値グラフ作成手段が作成した差遊技価値グラフにおける最新の差遊技価値のプロット位置に合わせて表示可能な棒グラフ表示手段と、
前記差遊技価値グラフの再生表示を指示するために遊技者が操作する操作手段と、を備え、
前記差遊技価値グラフ表示手段は、前記操作手段が操作されたときに、前記差遊技価値グラフ作成手段が作成した差遊技価値グラフにおける最古の差遊技価値のプロット位置から最新の差遊技価値のプロット位置まで所定時間間隔で再度表示する再生表示処理を実行し、
前記棒グラフ表示手段は、前記差遊技価値グラフ表示手段が再生表示処理を実行するときには、前記特定手段が特定した最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、再生表示される差遊技価値グラフにおける最新の差遊技価値のプロット位置に合わせて表示することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記特定手段は、前記差遊技価値グラフ表示手段が前記再生表示処理を実行しているときには、再生表示中の差遊技価値グラフにおける差遊技価値の最小値及び最大値を特定し、
前記棒グラフ表示手段は、前記再生表示中の差遊技価値グラフにおける差遊技価値の最小値及び最大値の幅を示す棒グラフを、前記再生表示中の差遊技価値グラフにおける最新の差遊技価値のプロット位置に合わせて表示することを特徴とする請求項1に記載した遊技情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−111105(P2013−111105A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257484(P2011−257484)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】