説明

遊技機管理システム及び遊技機

【課題】製品に貼付された証紙の製造番号と同製品の発送管理用の出荷情報とを照合して発送を管理する作業が煩雑で非効率的であった。
【解決手段】遊技機に関する製品に付されるとともに同製品を識別する製造番号(製品識別情報)と、同製品の発送を管理する発送情報とを対応させて記憶した発送情報記憶領域を設け、製品から同製品に付された製造番号を取得し、取得された製造番号に対応した発送情報を発送情報記憶領域から取得し、取得された発送情報を製品の包装に記録するようにした。製品の発送を管理するとともに同製品に付された製造番号に対応した発送情報が自動的に製品の包装に記録されるので、遊技機に関する製品の発送を管理する作業を軽減させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する製品の発送を管理する発送管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の出荷には、遊技機全体をホールに納入する形態と、いわゆる板替えの際に遊技板をホールに納入する形態とがある。ここで、製造された遊技機全体や遊技板の発送を管理するため、これらの製品に検査済みを意味する証紙を貼付するとともに、製品の包装に紙の出荷表を貼付し、印刷機にて納品先等の出荷情報を印刷している。なお、証紙には、製品の識別情報である製造番号が印字されている。遊技機全体を製造して納入する場合、遊技機の製造ラインにて、遊技機全体を製造し、製造した遊技機の遊技板や基板ボックスやROMに証紙を貼付し、改造防止のため遊技機をビニール袋に密封するように袋詰めして、製造番号に対応した出荷表を同ビニール袋に貼付している。その後、遊技機の発送を管理するため、袋詰めされた遊技機を別の場所に移送し、同遊技機を包装するビニール袋に印刷機にて出荷情報を印刷する。同印刷機には印刷内容を設定入力するためのコンピュータが接続されており、作業者が製造番号に対応した出荷情報を同コンピュータに入力することにより、ビニール袋に対して納品先等の出荷情報が印刷されるようになっている。また、遊技板を納入する場合も、製造ラインにて、遊技板を製造し、製造した遊技板に製造番号が印字された証紙を貼付し、遊技板を段ボールに梱包して、製造番号に対応した出荷表を同段ボールに貼付している。その後、梱包された遊技板を別の場所に移送し、作業者が製造番号を視認しつつ、遊技板の発送の管理を行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の技術においては、視認することにより製品に貼付された証紙の製造番号と同製品の発送管理用の出荷情報とを照合して発送を管理する作業が必要であるが、この作業が煩雑で非効率的であった。本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、遊技機に関する製品の発送を管理する作業を軽減させることが可能な発送管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、上記目的を達成するのに適した手段について説明する。
手段1:遊技機に関する製品に付されるとともに同製品を識別する製品識別情報と、同製品の発送を管理する発送情報とを対応させて記憶した発送情報記憶領域と、上記製品から同製品に付された製品識別情報を取得する製品識別情報取得手段と、この製品識別情報取得手段にて取得された製品識別情報に対応した上記発送情報を上記発送情報記憶領域から取得する発送情報取得手段と、この発送情報取得手段にて取得された発送情報を上記製品の包装に記録する発送情報記録手段とを具備することを特徴とする発送管理システム。手段1によれば、製品識別情報取得手段は、遊技機に関する製品から同製品に付された製品識別情報を取得する。すると、発送情報取得手段は、取得された製品識別情報に対応した発送情報を発送情報記憶領域から取得する。そして、発送情報記録手段が、取得された発送情報を製品の包装に記録する。すなわち、製品の発送を管理するとともに同製品に付された製品識別情報に対応した発送情報が自動的に製品の包装に記録されるので、視認することにより製品識別情報と発送情報とを照合して発送を管理する煩雑で非効率な作業が不要となる。したがって、遊技機に関する製品の発送を管理する作業を軽減させることが可能となる。
【0005】
手段2:上記手段1に記載の発送管理システムにおいて、上記遊技機に関する製品は、遊技機全体と遊技板のいずれかまたは組み合わせであることを特徴とする発送管理システム。手段2によれば、遊技機に関する製品の具体例を提供することができ、遊技機全体や遊技板の発送を管理する作業が軽減される。むろん、本発明は、遊技機全体や遊技板以外にも、前面枠や機構板や制御基板等、遊技機を構成する各部に適用することができる。なお、遊技機は、遊技球を用いて遊技を行うものであればよく、例えば、遊技領域に向けて遊技球を発射させて遊技を行うパチンコ遊技機であってもよいし、遊技球の投入により図柄を変化させて遊技を行ういわゆるパチロットであってもよい。
【0006】
手段3:上記手段1または手段2のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記製品識別情報は、上記製品に貼付された証紙に印字された製造番号であり、上記製品識別情報取得手段は、上記証紙に印字された製造番号を画像データとして取り込む画像データ取得手段を有し、取り込まれた画像データに基づいて上記製造番号を取得することを特徴とする発送管理システム。手段3によれば、画像データ取得手段が製品に貼付された証紙に印字された製造番号を画像データとして取り込むと、製品識別情報取得手段は取り込まれた画像データに基づいて同製造番号を取得する。すると、発送情報取得手段により製造番号に対応した発送情報が取得され、発送情報記録手段により取得された発送情報が製品の包装に記録される。すなわち、視認することにより製品に貼付された証紙に印字された製造番号と同製品の発送を管理する発送情報とを照合して発送を管理する必要がなくなるので、遊技機に関する製品の発送を管理する作業が軽減される。例えば、作業者が製造番号を視認して対応する発送情報をコンピュータに入力する等の煩雑な作業が不要となる。なお、製品識別情報は製品を識別する情報であればよく、上記製造番号以外にも様々な情報を製品識別情報をすることができる。また、製品識別情報には、部品に関する情報が含まれていてもよいし、製造年月日の情報が含まれていてもよい。
【0007】
手段4:上記手段3に記載の発送管理システムにおいて、上記画像データ取得手段は、上記製造番号を撮像するCCD撮像機を備えることを特徴とする発送管理システム。手段4によれば、画像データ取得手段の一例を提供することができ、CCD撮像機を利用して証紙に印字された製造番号を画像データとして取り込むことができる。
【0008】
手段5:上記手段1〜手段3のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記製品識別情報は、上記製品に貼付されたバーコードに含まれ、上記製品識別情報取得手段は、上記バーコードを読み取るバーコードリーダを有し、読み取られたバーコードから上記製品識別情報を取得することを特徴とする発送管理システム。手段5によれば、製品識別情報取得手段の別の構成例を提供することができる。そして、バーコードリーダを使用することにより、簡易な構成にて製品に付された製品識別情報を取得することが可能となる。例えば、製造番号を印字した証紙を製品に貼付する場合、製造番号を含むバーコードを製品に貼付してバーコードリーダにて同バーコードを読み取ることにより、製造番号を取得することができる。むろん、証紙を使用せずバーコードのみを製品に貼付する場合にも本発明を適用可能であることは言うまでもない。
【0009】
手段6:上記手段1〜手段3のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記製品識別情報は、上記製品に貼付されたICチップに記憶され、上記製品識別情報取得手段は、上記ICチップに記憶された上記製品識別情報を読み出すことを特徴とする発送管理システム。手段6によっても製品識別情報取得手段の別の構成例を提供することができる。そして、ICチップを使用することにより、情報を確実に読み出すことができるので、より確実に製品に付された製品識別情報を取得することが可能となる。むろん、上述したCCD撮像機等を使用する以外にも様々な構成により製品に付された製品識別情報を取得することが可能であり、例えば、製品識別情報を記録した磁気カードを製品に貼付してカードリーダを使用することにより製品識別情報を取得するようにしてもよい。
【0010】
手段7:上記手段1〜手段6のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記発送情報記録手段は、上記製品識別情報取得手段にて上記製品識別情報が取得された製品を所定の記録位置に移送させる製品移送手段を有し、同製品が同記録位置に移送されたときに上記発送情報取得手段にて取得された発送情報を同製品の包装に記録することを特徴とする発送管理システム。手段7によれば、製品は、製品識別情報取得手段にて製品識別情報が取得されると、製品移送手段にて所定の記録位置に移送される。そして、同記録位置に移送されたとき、製品の包装に発送情報取得手段にて取得された発送情報が記録される。すなわち、製品から製品識別情報を取得して同製品の包装に発送情報を記録する処理を自動的に行う一例を提供することができ、自動化ラインに適用する際に好適である。なお、製品移送手段は、製品識別情報が取得された製品を所定の記録位置に移送させることができればよく、様々な構成が可能である。例えば、ローラコンベアやベルトコンベアを使用して製品移送手段を構成してもよいし、リフトを使用して製品移送手段を構成してもよい。昇降リフトを使用する場合、製品から製品識別情報を取得する場所と上記記録位置とが別の階とされていても製品移送手段を構成することが可能である。むろん、製品移送手段を設ける構成は一例にすぎず、製品識別情報が取得された製品を移送させずに同製品の包装に対して対応する発送情報を記録するようにしてもよい。
【0011】
手段8:上記手段7に記載の発送管理システムにおいて、上記製品識別情報取得手段にて上記製品識別情報が取得された製品を包装する製品包装手段が設けられ、上記製品移送手段は、上記製品包装手段にて包装された製品を上記記録位置に移送させることを特徴とする発送管理システム。手段8によれば、製品は、製品識別情報取得手段にて製品識別情報が取得されると、製品包装手段にて包装される。そして、包装された製品は、製品移送手段にて所定の記録位置に移送され、同記録位置に移送されたとき、製品の包装に発送情報取得手段にて取得された発送情報が記録される。すなわち、製品から製品識別情報を取得し、製品を包装し、同包装に発送情報を記録する処理を自動的に行う一例を提供することができ、包装ラインを組み込んだ自動化ラインに適用する際に好適である。むろん、製品から製品識別情報を取得した後に製品を包装する構成は一例にすぎず、製品を包装した後に製品から製品識別情報を取得するようにしてもよい。
【0012】
手段9:上記手段8に記載の発送管理システムにおいて、上記発送情報取得手段は、上記製品識別情報取得手段にて上記製品識別情報が取得された順番に上記発送情報を取得し、上記発送情報記録手段は、上記発送情報取得手段にて上記発送情報が取得された順番に上記製品移送手段にて移送される包装された製品の包装に対して同発送情報を記録することを特徴とする発送管理システム。手段9によれば、製品移送手段にて移送される製品の包装には、製品識別情報取得手段にて製品識別情報が取得された順番に発送情報が取得され、発送情報が取得された順番に同発送情報が記録される。すなわち、製品の移送に時間がかかるラインであっても効率よく製品の包装と発送情報の記録とを連続して行うことができ、製品の連続生産を行う際に好適である。
【0013】
手段10:上記手段1〜手段9のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記発送情報記録手段は、上記発送情報取得手段にて取得された発送情報を上記製品の包装に印刷する印刷機を備えることを特徴とする発送管理システム。手段10によれば、発送情報記録手段の一例を提供することができ、印刷機を利用して発送情報を製品の包装に印刷することができる。むろん、様々な構成により発送情報を製品の包装に記録することが可能であり、例えば、発送情報を含むバーコードを製品の包装に印刷してもよいし、発送情報を含むバーコードを別途印刷して製品の包装に貼付してもよい。また、磁気媒体を製品の包装に貼付するようにして同磁気媒体に発送情報を磁気記録するようにしてもよいし、包装に貼付するようにしたICチップに発送情報を記憶させるようにしてもよい。
【0014】
手段11:上記手段10に記載の発送管理システムにおいて、上記遊技機に関する製品は、遊技板であり、上記包装は、上記遊技板を梱包する段ボールであり、上記印刷機は、上記段ボールに対して印刷を行うことを特徴とする発送管理システム。手段11によれば、製品識別情報は遊技板から取得され、対応する発送情報が印刷機により遊技板を梱包する段ボールに対して自動的に印刷される。すなわち、製品が遊技板である場合に発送情報を記録する構成の一例を提供することができる。その結果、板替えの際に、遊技板の発送を管理する作業を軽減させることが可能となる。なお、段ボールに発送情報を印刷する際には、遊技板が梱包された状態で印刷を行ってもよいし、梱包されていない状態で印刷を行ってもよい。また、段ボールへは様々な場所に印刷することが可能であり、段ボールの側面に印刷してもよいし、段ボールの上面に印刷してもよい。さらに、段ボールに印刷する印刷機には様々なものがあり、例えば、インクジェット方式の印刷機を使用することもできるし、熱転写方式の印刷機を使用することもできる。
【0015】
手段12:上記手段10に記載の発送管理システムにおいて、上記遊技機に関する製品は、遊技機全体であり、上記包装は、上記製品を密封するように包む袋であり、上記印刷機は、上記製品が包まれた袋に対して印刷を行うことを特徴とする発送管理システム。手段12によれば、製品識別情報は遊技機全体から取得され、対応する発送情報が印刷機により遊技機全体を包む袋に対して自動的に印刷される。すなわち、製品が遊技機全体である場合に発送情報を記録する構成の一例を提供することができ、遊技機全体の発送を管理する作業を軽減させることが可能となる。なお、遊技機全体を包む袋としては、様々なものを採用することができ、例えば、ビニール袋であってもよいし、紙袋であってもよい。また、袋に印刷する印刷機にも様々なものがあり、例えば、インクジェット方式や熱転写方式の印刷機を採用可能である。
【0016】
手段13:上記手段1〜手段12のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記発送情報は、上記製品を納品するホール名、同ホールの担当支社、同製品の品名、同製品を納品する数量、同製品に付された製品識別情報、同製品の納品日、同製品を運送する運送業者、のいずれかまたは組み合わせを有することを特徴とする発送管理システム。手段13によれば、発送情報の一例を提供することができ、製品の包装には同製品を納品するホール名等が記録されることになる。ここで、発送情報には、製品識別情報が含まれていてもよいし、製品識別情報が含まれていなくてもよい。また、これらの情報以外の情報を発送情報として採用してもよく、例えば、納品先の住所等も発送情報とすることもできる。
【0017】
手段14:上記手段1〜手段13のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記発送情報の入力を受け付け、入力された発送情報を上記発送情報記憶領域に記憶させる発送情報記憶手段が設けられていることを特徴とする発送管理システム。手段14によれば、利用者は本発送管理システムに発送情報を入力して発送情報記憶領域に記憶させることができる。その結果、製品の発送を管理しやすくなり、利便性が向上する。
【0018】
手段15:上記手段1〜手段14のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記発送情報記憶領域は、上記製品から同製品を構成する部品に付されるとともに同部品を識別する部品識別情報を上記製品識別情報と対応させて記憶し、上記製品識別情報取得手段は、上記製品から同製品を構成する部品に付された部品識別情報を取得し、上記発送情報取得手段は、上記製品識別情報取得手段にて取得された製品識別情報および部品識別情報に対応した上記発送情報を上記発送情報記憶領域から取得することを特徴とする発送管理システム。手段15によれば、製品識別情報取得手段は、製品から同製品に付された製品識別情報を取得するとともに、製品を構成する部品に付された部品識別情報も取得する。すると、発送情報取得手段は、取得された製品識別情報と部品識別情報とに対応した発送情報を発送情報記憶領域から取得する。すなわち、製品を構成する部品に付された部品識別情報も自動的に取得され、製品識別情報と部品識別情報とに対応した発送情報が自動的に製品の包装に記録されるので、視認することにより製品識別情報と部品識別情報と発送情報とを照合して発送を管理する作業は不要であり、遊技機に関する製品の発送を管理する作業が軽減される。
【0019】
手段16:上記手段15に記載の発送管理システムにおいて、上記部品識別情報は、上記部品に貼付された証紙に印字された部品製造番号であり、上記画像データ取得手段は、上記証紙に印字された部品製造番号を画像データとして取り込み、上記製品識別情報取得手段は、上記画像データ取得手段にて取り込まれた画像データに基づいて上記部品製造番号を取得することを特徴とする発送管理システム。手段16によれば、画像データ取得手段が部品に貼付された証紙に印字された部品製造番号を画像データとして取り込むと、製品識別情報取得手段は取り込まれた画像データに基づいて同部品製造番号を取得する。すなわち、視認することにより部品に貼付された証紙に印字された部品製造番号と同製品の発送を管理する発送情報とを照合して発送を管理する必要がなくなる。
【0020】
手段17:上記手段15または手段16のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記発送情報記憶領域に記憶された情報の検索内容の入力を受け付け、入力された検索内容に基づいて同発送情報記憶領域から上記製品識別情報と部品識別情報と発送情報とを対応させて抽出し、抽出した製品識別情報と部品識別情報と発送情報とを外部に出力する検索情報出力手段が設けられていることを特徴とする発送管理システム。手段17によれば、検索内容を本発送管理システムに入力すると、検索内容に基づく情報が発送情報記憶領域から抽出されて外部に出力されるので、利用者は対応する製品識別情報と部品識別情報と発送情報を入手することができる。すなわち、発送情報記憶領域に記憶された情報をデータベースとして活用することができ、利便性が向上する。したがって、例えば、製品の輸送経路を確認したいとき等に製品識別情報と部品識別情報と発送情報とが対応したリストを作成することができ、輸送経路の確認が容易となる。
【0021】
手段18:上記手段1〜手段17のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記製品識別情報取得手段は、上記製品から同製品を構成する部品に付されるとともに同部品のロットを識別するロット識別情報を取得し、取得したロット識別情報を上記製品識別情報と対応させて上記発送情報記憶領域に記憶させることを特徴とする発送管理システム。手段18によれば、製品識別情報取得手段は、製品から同製品に付された製品識別情報を取得するとともに、製品を構成する部品に付されたロット識別情報も取得し、取得したロット識別情報を製品識別情報と対応させて発送情報記憶領域に記憶させる。すなわち、部品に付されたロット識別情報も自動的に取得され、製品識別情報に対応して記憶されるので、利用者は発送情報記憶領域から対応するロット識別情報と製品識別情報を入手することが可能となり、利便性が向上する。例えば、生産ラインの途中で基板ボックス内のROMのロット識別情報を決定して同ロット識別情報を当該ROMに付す場合、決定したROMのロット識別情報を自動的に取得して製品識別情報と対応させて発送情報記憶領域に記憶させることができる。そして、発送情報記憶領域を検索することにより、遊技機に関する製品をホールに納入した後にROMがすり替えられるという不正が行われたかどうかが容易に判明可能となる。なお、ロット識別情報は製品を構成する部品のロットを識別する情報であればよく、ロットの製造番号等、様々な情報をロット識別情報をすることができる。また、製品を構成する部品としては、上記ROMの他、前面枠や機構板や制御基板等、様々なものが考えられる。
【0022】
手段19:上記手段1〜手段18のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記発送情報取得手段は、上記製品識別情報取得手段にて取得された製品識別情報に対応する上記発送情報が上記発送情報記憶領域に記憶されていないとき、発送情報が無い旨を外部に出力することを特徴とする発送管理システム。手段19によれば、製品識別情報に対応して存在すべき発送情報が無い旨が通知される。すなわち、より確実に製品の発送を管理することが可能となり、利便性が向上する。ここで、発送情報が無い旨を外部に出力する際には、ブザー等の音声出力器により音声出力してもよいし、ランプ等の発光器により出力してもよいし、ディスプレイや液晶パネルによる表示により出力してもよく、様々な出力形式を採用することが可能である。
手段20:上記手段1〜手段19のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記製品識別情報は、所定のフォーマットとされた製造番号とされ、上記製品識別情報取得手段は、取得した上記製品識別情報が上記フォーマットでないとき、製品識別情報が取得することができなかった旨を外部に出力することを特徴とする発送管理システム。手段20によれば、製品識別情報を取得することができなかった旨が通知される。すなわち、より確実に製品の発送を管理することが可能となり、利便性が向上する。製品識別情報を取得することができなかった旨を外部に出力する際にも、様々な出力形式を採用することが可能である。
【0023】
手段21:上記手段1〜手段20のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記包装には、複数の上記製品が所定数量収容され、上記発送情報は、同一の上記包装に収容される複数の製品に付される製品識別情報どうしを対応させた同一包装製品識別情報を有し、上記発送情報取得手段は、上記発送情報記憶領域に記憶された同一包装製品識別情報と上記製品識別情報取得手段にて取得された複数の製品識別情報とに基づいて、同複数の製品識別情報が付された複数の製品が同一の上記包装に収容される複数の製品であるかどうかを判定し、同一の上記包装に収容される複数の製品でないと判定したとき、その旨を外部に出力することを特徴とする発送管理システム。手段21によれば、同一の包装に収容される複数の製品に付される製品識別情報どうしを対応させた同一包装製品識別情報に基づいて、製品識別情報取得手段にて取得された複数の製品識別情報が同一の包装に収容される複数の製品であるかどうかが判定される。そして、同一の包装に収容される複数の製品でないとき、その旨が通知される。すなわち、複数の製品を同一の包装に収容する際に、収容する製品がずれた等違っていることを把握することが容易となるので、より確実に製品の発送を管理することが可能となり、利便性が向上する。
【0024】
手段22:上記手段1〜手段21のいずれかに記載の発送管理システムにおいて、上記製品識別情報は、上記製品の複数箇所に付されるとともに同一の情報とされ、上記製品識別情報取得手段は、上記製品に付された複数箇所の製品識別情報を取得し、取得した複数箇所の製品識別情報が同一でないときに製品識別情報が同一でない旨を外部に出力することを特徴とする発送管理システム。手段22によれば、同一の情報とされた製品識別情報が、製品の複数箇所に付されており、同一であるべき製品識別情報が同一でないときに通知される。すなわち、同一の情報とされた製品識別情報を製品の複数箇所に付す場合に、製品識別情報の不一致を把握するのが容易となるので、より確実に製品の発送を管理することが可能となり、利便性が向上する。
【0025】
なお、遊技機に関する製品から同製品に付されるとともに同製品を識別する製品識別情報を取得し、取得した製品識別情報に対応した同製品の発送を管理する発送情報を発送情報記憶領域から取得し、取得した発送情報を同製品の包装に記録する手法は、必ずしも実体のあるシステムに限られる必要はなく、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。したがって、本発明は方法としても適用可能である。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明は、遊技機に関する製品の発送を管理する作業を軽減させることが可能な発送管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)遊技機全体の生産ラインの概略:(2)遊技板の生産ラインの概略:(3)第一の実施形態にかかる発送管理システムの構成:(4)第一の実施形態にかかる発送管理システムの動作:(5)第二の実施形態:(6)第三の実施形態:(7)第四の実施形態:(8)第五の実施形態:(9)第六の実施形態:(10)第七の実施形態:
【0028】
(1)遊技機全体の生産ラインの概略:図1は、本発明の第一の実施形態にかかる発送管理システムを採用した遊技機の生産ラインを概略ブロック図により示している。本ラインは、遊技機全体を生産するものであり、工場の複数階にわたって設けられている。なお、本明細書中では、遊技機全体を単に遊技機と記載することにする。図に上段に示すように、最上階とされたラインの最初では、遊技板用のベニヤ板をライン上に搬入する(工程S10)。次に、適宜化粧板を貼った後、ベニヤ板をローラコンベア等により移送して自動釘打機に供給し、釘打ちを行う(工程S11)。自動釘打機は、ベニヤ板を載せてX,Y両方向にスライド可能な載置部や、載置部上方に設けられた釘打ちユニットや、貯留している釘を整列させて釘打ちユニットに供給するパーツフィーダーや、設定入力用の各種ボタンや表示器等を備えており、設定された複数箇所に釘を打つようになっている。多数の釘を打つため、同自動釘打機はラインに複数機設けられ、同時並行にて釘打ちを行う。
【0029】
釘打ちが終了すると、レール付け機により、遊技領域を囲むように概略一回転する金属製のガイドレールを付ける(工程S12)。レール付けが終了すると、遊技領域に風車や役物等の部品を付ける(工程S13)。さらに、遊技板の各種制御を行うための各種基板を収容した基板ボックスを取り付ける(工程S14)。基板ボックスにはメイン基板、音声基板、ランプ基板が収容されており、これらの基板は抽選制御、役物の駆動制御、ランプの明滅パターン制御、音声出力制御などを行う。そして、台替えの際には、これらの基板は遊技板とともに交換が必要となるものである。遊技板に基板ボックスが取り付けられると、生産ラインの最上階での作業は終了し、遊技板は昇降リフトにて下の階に移送され、本体に組み込まれるようになっている。
【0030】
図の中段に示すように、遊技板を組み込む階のラインの最初では、金属製の本体枠をライン上に搬入する(工程S20)。同本体枠は、鋼材をプレス加工して形成されたものである。次に、本体枠を適宜ローラコンベア等により移送しながら、本体枠に前面枠、下皿、機構板等を取り付ける(工程S21)。前面枠はガラス枠や装飾ランプや上皿が設けられており、遊技板の前面側となるように本体枠に枢支されて取り付けられる。下皿は、前面枠の下側にて本体枠に枢支されて取り付けられる。機構板は、樹脂製とされており、本体枠の背面側に設けられたヒンジ金具により支持されて取り付けられる。同機構板は、遊技板を背面側から覆うカバーの役割を果たすとともに、遊技球タンクに貯留された遊技球を上皿や下皿に払い出す遊技球の流路としても役割も果たすようになっている。さらに、本体枠と、昇降リフトにより最上階から移送された遊技板とを合体させる(工程S22)。そして、木製の外枠と合体させる(工程S23)。すると、図2と図3に示すように、遊技機全体が組み立てられたことになる。なお、図2は製造された遊技機を正面から見て示す正面図であり、図3は図2の遊技機を背面から見て示す背面図であるが、実際の出荷時にはガラス枠61の背面に出荷時用の所定の紙が挿入されており、遊技領域31は隠れた状態となっている。
【0031】
これらの図を参照して説明すると、外枠10は、矩形板状の本体枠20よりも僅かに大きいサイズの矩形開口10aを有している。ここで、本体枠20は、図2において矩形開口10aの左端にて枢支されており、図示しない回転軸を中心に回動し、外枠10に対して開閉可能かつ着脱可能に装着される。遊技板30の前面では、図2において下端中央から右巻きに概略一回転する外枠レールに取り囲まれる略円形の領域が遊技領域31となっている。この遊技領域31には、多数の釘や、複数の入賞口や、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト球回収口や、遊技の状況を表示する表示装置などが配設されていることになる。前面枠60は、樹脂製とされており、図2において本体枠20の左端にて枢支される。この前面枠60には、遊技領域31を臨むガラス枠61、ガラス枠61の周囲を取り囲むように配置される装飾ランプ62、上皿63が設けられており、遊技板30の前面側となるように本体枠20に取り付けられる。本体枠20の下部には、遊技球の発射機構40と、概略矩形形状に形成された樹脂製流路板50とが取り付けられる。また、流路板50の前面側にて下皿70が本体枠20に枢支されて取り付けられる。さらに、前面枠60の前方には、発射機構40の一部を構成する発射ハンドル41が取り付けられる。機構板80は、樹脂製とされており、本体枠20の背面側に設けられたヒンジ金具により支持されて取り付けられる。同機構板80は、遊技板30を背面側から覆うカバーの役割を果たすとともに、遊技球タンク81に貯留された遊技球を上皿63や下皿70に払い出す遊技球の流路としても役割も果たすようになっている。機構板80の下部には、透明の樹脂ケースとされた基板ボックス82が設けられており、同基板ボックス82には遊技板の種類に応じたROM83や図示しないCPUやRAM等を備えるメイン基板84が収容されている。
【0032】
遊技機全体が組み立てられると、動作確認や汚れ確認等の最終検査を行い、遊技機における所定の3箇所に検査済みを意味する証紙を貼付する(工程S24)。前面側では、図2に示すように遊技板30の右下に証紙P11を貼付し、背面側では、図3に示すようにROM83に証紙P12を貼付するとともに基板ボックス82に証紙P13を貼付する。ここで、証紙P11には製品である遊技機を識別する製造番号が印字され、証紙P12にはROM83のロットを識別するロット製造番号が印字され、証紙P13には基板ボックス82を識別する部品製造番号が印字されている。すなわち、証紙P11に印字された製造番号は、遊技機に関する製品に付されるとともに同製品を識別する製品識別情報であり、証紙P13に印字された部品製造番号は、遊技機に関する製品を構成する部品に付されるとともに同部品を識別する部品識別情報である。また、ROM83に貼付される証紙P12に印字されたロット製造番号は、ROMの同一ロット(例えば、1000個)では同じ番号とされ、ロット別に異なる番号とされている。同ロット製造番号は、透明な基板ボックス82を介して視認可能となっている。なお、遊技機の種類により基板ボックスの取り付け位置が異なる場合があるが、このような場合には基板ボックスやROMに応じた位置に証紙が貼付されることになる。
【0033】
ところで、従来は、証紙を貼付した後に工程S26の袋詰めを行い、出荷表を貼付した後、昇降リフトにて最下階に移送し、工程S30において遊技機を包装するビニール袋に印刷機にて出荷情報を印刷していた。その際、同印刷機には印刷内容を設定入力するためのコンピュータが接続されており、作業者が証紙の製造番号に対応した出荷情報を同コンピュータに入力し、ビニール袋に対して納品先等の出荷情報の印刷を行っていた。しかし、作業者が視認することにより遊技機に貼付された証紙の製造番号と発送管理用の出荷情報とを照合して発送を管理する必要があり、この作業が煩雑で非効率的であった。そこで、本発明にかかる発送管理システムでは、工程S25を設けて証紙に印字された製造番号をCCD撮像機を使用して取得するようにし、工程S30にて製造番号に対応する発送情報が自動的に印刷されるようにしている。
【0034】
図4に示すように、証紙P11〜P13に印字された製造番号を撮像するために、それぞれ、CCD撮像素子を有してデジタルの画像データを出力するCCD撮像機131〜133が設けられている。なお、図4は工程S25,S26,S30に相当する生産ラインの様子を模式的に示す側面図である。本生産ラインは、互いに接続された制御盤121,122の制御に基づいて動作するようになっている。すなわち、制御盤122は、最下階の制御盤121と連携しながらCCD撮像機131〜133、袋詰め機140、ベルトコンベア151,152、昇降リフト160の動作の制御を行う。また、最下階の制御盤121は、制御盤122と連携し、昇降リフト160の動作を検出しながら、ベルトコンベア170や、印刷機180の制御を行っている。ここで、遊技機P1は側面を進行方向としてベルトコンベア151上を移送されるようになっており、遊技板に貼付された証紙P11を撮像するCCD撮像機131とROMと基板ボックスに貼付された証紙P12,P13を撮像するCCD撮像機132,133とは対向する位置に配置されている。また、証紙P11〜P13を照らすための図示しない照明も取り付けられている。
【0035】
CCD撮像機131〜133は、光学部と制御部とから構成され、光学部に光学レンズ系や電子シャッターやマトリクス状に配置されたCCD撮像素子やA/Dコンバータが設けられている。また、制御部はCPU、ROM、RAM、コントロール回路、通信I/O、等を有しており、CPUがROMに書き込まれたプログラムに従って撮像を行い、CCD撮像素子からA/Dコンバータを介してデジタルの画像データを取り込み可能である。CCD撮像機131〜133は制御盤122とともにコンピュータ110に接続されており、制御盤122の制御により所定タイミングで証紙P11〜P13に印字された製造番号やロット製造番号や部品製造番号を撮像し、通信I/Oを介して撮像したデジタルの画像データをコンピュータ110に対して出力可能である。なお、本実施形態では、証紙P12,P13に印字されたロット製造番号や部品製造番号を撮像するためにCCD撮像機132,133を別々に設けているが、1台のCCD撮像機により証紙P12,P13に印字されたロット製造番号や部品製造番号を一緒に撮像するようにしてもよい。また、証紙P11〜P13に印字された製造番号等を移動可能な1台のCCD撮像機により順次撮像するようにしてもよい。制御盤122の制御により遊技機P1をベルトコンベア151により所定の撮像位置まで移送すると、遊技機P1を一時的に停止させ、CCD撮像機131〜133により撮像を行う(工程S25)。コンピュータ110は、文字認識用のソフトウェアを記憶しており、撮像時にCCD撮像素子を介して取り込んだ画像データに対してパターン・マッチング法等により所定の標準文字パターンを参照しつつ文字認識を行い、文字データに置き換える処理を行う。すなわち、CCD撮像機131〜133は証紙に印字された製造番号を画像データとして取り込む画像データ取得手段を構成し、工程S25では、証紙に印字された製造番号とロット製造番号と部品製造番号を画像データとして取り込み、取り込まれた画像データに基づいて製造番号等を取得するようになっている。なお、CCD撮像機は、従来から使用されている一般的なCCD撮像機を採用することができるため、詳しい説明を省略する。また、コンピュータに記憶させる文字認識用のソフトウェアも、従来から使用されている一般的なソフトウェアを採用することができる。
【0036】
製造番号等が撮像された後、ベルトコンベア151により遊技機P1を袋詰め機140に移送し、遊技機P1を袋詰め機140内に一時的に停止させた後、ビニール袋にて密封するように袋詰めを行う(工程S26)。ここで、遊技機に対して袋詰めを行うのは、検査が終了した後に改造されないようにするためである。袋詰め機140は、筒状とされてロール状に巻かれたビニールシート141の先端部を把持する一対のアーム142やヒートシール機構等を有し、同先端部を把持した一対のアーム142を離反位置とさせて遊技機P1の前後において上から下方向へ移送させた後、遊技機P1の下方において近接位置とさせて、遊技機P1の上下においてヒートシールを行う。また、ヒートシールの際、ビニールシート141のロールから遊技機P1を包装した部分を切り離す。すなわち、袋詰め機140は、製品識別情報が取得された製品を包装する製品包装手段を構成する。なお、袋詰め機は、従来から使用されている一般的な袋詰め機を採用することができるため、詳しい説明を省略する。
【0037】
袋詰めが行われると、ベルトコンベア152により包装された遊技機P1を昇降リフト160に移送し、最下階に移送する。昇降リフト160は、遊技機P1の上下を保持する上下動可能な保持部161,161を有し、制御盤122の制御により所定のタイミングで包装された遊技機P1を保持部161,161にて保持して下方に移送する。包装された遊技機P1を最下階に移送すると、ベルトコンベア170により所定の記録位置まで移送する。同記録位置には、コンピュータ110に接続された印刷機180が設けられている。すなわち、ベルトコンベア151と昇降リフト160とベルトコンベア170は、製品識別情報が取得された製品を所定の記録位置に移送させる製品移送手段を構成する。
【0038】
印刷機180は、遊技機P1を密封するように包むビニール袋を吸引保持するアーム状の一対の吸引部181,181や、熱転写方式により同ビニール袋に対して印字するプリンタヘッド182や、図示しないCPU、ROM、RAM、コントロール回路、通信I/O、等を有しており、CPUがROMに書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。プリンタヘッドが加熱されることにより、インクは溶融し、ビニール袋と接触してインクが転写される。また、通信I/Oを介してコンピュータ110から入力される情報をRAMに記憶し、同情報を印刷する制御を行う。コンピュータ110から遊技機の発送を管理する発送情報が入力されると、吸引部181,181から空気を吸引し、ベルトコンベア170上を移動する遊技機P1に対して吸引部181,181にてビニール袋を吸引保持しながらプリンタヘッド182により発送情報を印刷する(工程S30)。さらに、内部のRAMに印刷データを保持しているときには通信I/Oを介してコンピュータ110に印刷データ保持中を意味する信号を送出するとともに、印刷データを入力可能となったときには通信I/Oを介して印刷データ入力可能を意味する信号を送出する。なお、印刷機180は、ビニール袋に対して印刷可能な印刷機であればよく、従来から使用されている一般的な印刷機を採用することができる。
【0039】
発送情報が印刷された後、遊技機P1をベルトコンベア170により移送し、生産ラインの最終工程として、保管倉庫に一時保管したり、出荷用トラックに積み込んで出荷したりする(工程S31)。本発送管理システムを採用すると、証紙に印字された製造番号に対応した発送情報が自動的にビニール袋に対して印刷されるので、作業者が視認することにより遊技機に貼付された証紙の製造番号と発送管理用の発送情報とを照合して発送を管理する必要がなくなることになる。なお、この処理の行うコンピュータ110については、後で詳述する。
【0040】
(2)遊技板の生産ラインの概略:遊技機の出荷には、遊技機全体をホールに納入する形態以外に、いわゆる板替えの際に遊技板をホールに納入する形態もある。この場合、図1で示した遊技機全体の生産ラインのうち、最上階の生産ラインを利用し、最下階にて最終的に遊技板を保管倉庫に一時保管したり、出荷用トラックに積み込んで出荷したりするようにしている。図5は、本発明の第一の実施形態にかかる発送管理システムを採用した遊技板の生産ラインを概略ブロック図により示している。最上階では、上述した工程S10〜S14と同じ作業が行われる。すなわち、遊技板用のベニヤ板をライン上に搬入し(工程S110)、適宜化粧板を貼った後、ベニヤ板を移送して自動釘打機に供給し、釘打ちを行う(工程S111)。また、レール付け機によりガイドレールを付け(工程S112)、遊技領域に風車や役物等の部品を付けた後(工程S113)、基板ボックスを取り付ける(工程S114)。その後、遊技機全体を生産する場合とは異なり、遊技板を最下階まで移送するようにしている。なお、従来は、その後最上階にて証紙を貼付し、段ボール詰めを行い、証紙の製造番号に対応した出荷表を貼付した後、昇降リフトにて最下階に移送し、工程S124において遊技板を保管倉庫に一時保管したり出荷用トラックに積み込んで出荷したりしていた。その際、作業者が証紙の製造番号に対応した出荷表を作成して段ボールに貼付する必要があるし、貼付した出荷表が発送を管理する作業を行っている最中や発送中に剥がれてしまう問題もあった。そこで、本実施形態では、最上階にて証紙の貼付と段ボール詰めを行わずに最下階にてこれらの作業を行うようにするとともに、出荷表を貼付する代わりに証紙の製造番号に対応した発送情報を段ボールに印刷するようにしている。
【0041】
遊技板が昇降リフトにより最下階に移送されると、動作確認や汚れ確認等の最終検査を行い、遊技板における所定の3箇所に検査済みを意味する証紙を貼付する(工程S120)。図6は、工程S120〜S124に相当する生産ラインの様子を模式的に示す上面図である。証紙P11〜P13は、ベルトコンベア241上を移送される遊技板P2に対して貼付される。証紙の貼付位置は遊技機全体の場合と同じであり、前面側では図2における遊技板30の右下の位置に証紙P11を貼付し、背面側では図3におけるROM83と基板ボックス82の位置に証紙P12,P13を貼付する。なお、本生産ラインは、制御盤210の制御に基づいて動作するようになっている。すなわち、制御盤210は、昇降リフト160の動作を検出しながら、CCD撮像機231〜233、ベルトコンベア241,251,252、段ボール製函機250、印刷機260の制御を行っている。
【0042】
証紙P11〜P13を貼付すると、同証紙P11〜P13に印字された製造番号をCCD撮像機231〜233により取り込む(工程S121)。同CCD撮像機231〜233の近傍には、図示しない照明も設けられている。ここで、遊技板P2は昇降リフト220にて最下階に搬送された後、側面を進行方向としてベルトコンベア241上を移送されるようになっている。そこで、上記CCD撮像機131〜133と同様、遊技板に貼付された証紙P11を撮像するCCD撮像機231とROMと基板ボックスに貼付された証紙P12,P13を撮像するCCD撮像機232,233とは対向する位置に配置されている。
【0043】
同CCD撮像機231〜233は、上記コンピュータ110に接続されている。そして、制御盤210の制御により、遊技板P2をベルトコンベア241にて所定の撮像位置まで移送すると、遊技板P2を一時的に停止させ、CCD撮像機231〜233により撮像を行う。すると、コンピュータ110は、文字認識用のソフトウェアにより、取り込んだ画像データに対して文字認識を行い、証紙P11〜P13に印字された製造番号とロット製造番号と部品製造番号を取得する。製造番号等が撮像された後、ベルトコンベア241により遊技板P2を方向転換機242方向に移送する。そして、遊技板P2を方向転換機により転換して作業台243の上に載置するようになっている。
【0044】
遊技板のみを発送する場合、遊技板3枚を段ボール1箱に収容して発送するようにしている。そのため、本生産ラインに段ボール製函機250を設けている。同段ボール製函機250は、段ボールを吸引保持して段ボールを開く保持用アームや、段ボールの底部を折り畳む折り畳み用アームや、段ボールの底部を閉じる底部閉じ機構等を有しており、制御盤の制御に基づいて段ボールを組み立ててベルトコンベア251に供給する。組み立てられた段ボールP3は、ベルトコンベア251により移送され、同ベルトコンベア251の末端部にて作業台243上に載置された遊技板P2が収容される(工程S122)。そして、遊技板3枚が段ボール1箱に収容されると、同段ボールP3はベルトコンベア252により所定の記録位置まで移送される。同記録位置には、コンピュータ110に接続された印刷機260が設けられている。すなわち、ベルトコンベア252は、別の意味での製品移送手段を構成する。
【0045】
印刷機260は、図示しないCPU、ROM、RAM、コントロール回路、プリンタヘッド、通信I/O、等を有しており、CPUがROMに書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。プリンタヘッドはピエゾ素子を有しており、コントロール回路が印加電圧パターンを生成して同ピエゾ素子を駆動する。すると、プリンタヘッドは、ドット単位でインクを吐出する。印刷機260は、通信I/Oを介してコンピュータ110から入力される情報をRAMに記憶し、同情報を段ボールの側面に印刷する。そこで、コンピュータ110から遊技機の発送を管理する発送情報が入力されると、プリンタヘッドを駆動して発送情報を印刷する(工程S123)。また、内部のRAMに印刷データを保持しているときには通信I/Oを介してコンピュータ110に印刷データ保持中を意味する信号を送出するとともに、印刷データを入力可能となったときには通信I/Oを介して印刷データ入力可能を意味する信号を送出する。なお、印刷機260は、段ボールに対して印刷可能な印刷機であればよく、従来から使用されている一般的な印刷機を採用することができる。
【0046】
発送情報が印刷された後、遊技板P2をベルトコンベア252により移送し、図示しない段ボール封緘機により遊技板P2が収容された段ボールを封緘する。そして、生産ラインの最終工程として、保管倉庫に一時保管したり、出荷用トラックに積み込んで出荷したりする(工程S124)。すなわち、遊技板のみを発送する場合でも、証紙に印字された製造番号に対応した発送情報が自動的に段ボールに対して印刷されるので、作業者が視認することにより遊技板に貼付された証紙の製造番号と発送管理用の発送情報とを照合して発送を管理する必要はなくなる。
【0047】
(3)第一の実施形態にかかる発送管理システムの構成:図7は、上述した生産ラインに適用される発送管理システム100をコンピュータ110の内部構成とともに示した概略ブロック図である。図において、コンピュータ110の内部では、バス110aに、CPU111、タイマ回路111a、ROM112、RAM113、I/O回路114、ハードディスクドライブ115a、プリンタインターフェイス119、等が接続されている。ハードディスクドライブ115aには、各種制御プログラムや、製品の発送を管理する各種発送情報を記憶したハードディスク115が接続されている。また、CRTインターフェイスを介してディスプレイ116や、音声出力インターフェイスを介して音声出力器117や、入力インターフェイスを介してキーボード118も接続されている。そして、ROM112やハードディスク115に記憶された制御プログラムに基づいて、CPUがRAMをワークエリアとして利用しながら各部を制御するようになっている。
【0048】
プリンタインターフェイス119には、インクジェットプリンタ119aが接続されている。プリンタ119aは、図示しないCPU、ROM、RAM、コントロールIC、プリンタヘッド、通信I/O、等を備えており、CPUがRAMをワークエリアとして利用しながらROMに書き込まれたプログラムに従ってプリンタ各部を制御するようになっている。上記印刷機260と同様、プリンタヘッドはピエゾ素子を有しており、コントロール回路が印加電圧パターンを生成して同ピエゾ素子を駆動することにより、プリンタヘッドがドット単位でインクを吐出する。そして、通信I/Oを介してコンピュータ110から入力される印刷データをRAMに一時的に記憶し、印刷を行う。
【0049】
I/O回路114には、生産ラインに設けられたCCD撮像機131〜133,231〜233、印刷機180,260、制御盤121,210等が接続されている。すなわち、コンピュータ110は、I/O回路114を介してCCD撮像機131〜133,231〜233からの画像データを取り込むことができ、印刷機180,260に対して印刷させる情報を出力可能である。また、制御盤121,210からの信号も取り込んだり、制御盤121,210にライン停止信号を出力したりすることが可能である。なお、CCD撮像機や印刷機や制御盤との接続は様々な態様が考えられ、例えば、汎用のUSBインターフェイスを利用してもよいし、RS−232Cインターフェイスを利用してもよい。
【0050】
ハードディスク115には、上記製造番号や部品製造番号等と発送情報とを対応させて記憶した発送情報記憶領域が設けられている。図8は、同発送情報記憶領域に記憶されている情報の構造の一例を模式的に示している。ここで、製造番号は遊技機に関する製品に付されるとともに同製品を識別する製品識別情報であり、部品製造番号は同製品を構成する部品に付されるとともに同部品を識別する部品識別情報であり、発送情報は同製品の発送を管理する情報である。本実施形態では製造番号と部品製造番号も発送情報に含まれるものとして扱うが、製造番号と部品製造番号が発送情報に含まれないものとして扱うことも可能である。また、図に示すように、発送情報には遊技機全体用の情報と遊技板用の情報とがある。両発送情報はともに同様の構造を有しているため、遊技機全体用の発送情報を例にとって説明する。遊技機全体用の発送情報には、遊技機を納品するホール名のコード、同ホールの担当支社、同遊技機の品名、同遊技機を納品する数量、同製品の納品日、同製品を運送する運送業者が、遊技板に付される製造番号(上記証紙P11の製造番号)、ROMに付されるロット製造番号(上記証紙P12のロット製造番号)、基板ボックスに付される部品製造番号(上記証紙P13の部品製造番号)と対応して格納されている。むろん、発送情報は様々な構造にて構成することができ、これらの情報の一部がなくても発送情報を構成することができるし、他の情報を含めて発送情報を構成することもできる。また、発送情報を製造番号に対応させるのも様々な構造が可能であり、例えば、納品する数量分について発送情報を構成するホール名、担当支社、品名、数量、納品日、運送業者は同じ情報となることから、同発送情報に対応して製造番号と部品製造番号の一覧を発送情報記憶領域に格納するようにしてもよい。
【0051】
図9は、コンピュータ110の電源をオンにしたときにディスプレイ116に表示されるメニュー画面の表示例を示している。図において、選択可能なメニュー内容D11が番号とともに表示される。画面下部には番号入力欄D12が設けられており、キーボード118の操作入力によりメニュー内容を選択することが可能となっている。ここで、メニュー内容には、発送情報を入力する発送情報入力、生産ラインの動作を管理するライン管理、発送情報を検索する検索実行、その他の処理を行うオプション、起動中の制御プログラムを終了させる終了がある。遊技機に関する製品には遊技機全体と遊技板とがあるので、発送情報入力とライン管理と検索実行では、遊技機全体と遊技板の別に選択可能となっている。なお、図中に示す「本体」は遊技機全体の意味であり、「ベニヤ」は遊技板の意味である。
【0052】
メニュー画面で発送情報入力が選択入力されると、図10に示す発送情報入力画面を表示する。なお、図に示す発送情報入力画面は遊技機全体を発送する場合の画面であるが、遊技板を発送する場合も概略同様であるので、遊技機全体を発送する場合を例にとって説明する。画面には、図8で示した発送情報の各項目に対応した入力欄D21が設けられている。ここで、納品する数量分について同じ情報となるホール名(コード)、担当支社、品名、数量、納品日、運送業者に対応する入力欄D21への入力に対して、遊技板に付される複数の製造番号、基板ボックスに付される複数の部品製造番号を操作入力することが可能である。例えば、ある製造番号を最初として連番となっているときには、最初の製造番号の後に「−」を付加することにより入力を完了させることができる。むろん、連番でないときには製造番号と製造番号の間に「,」を挿入すればよく、製造番号の一部が連番となっているときには連番となっている最初の製造番号と最後の製造番号との間に「−」を挿入すればよくなっている。また、ROMに付されるロット製造番号の入力欄D21には、納品する数量分について同じであれば「(ロット製造番号)×(数量)」と入力すればよく、途中でロット製造番号が変わる場合には「,」を挿入して「(ロット製造番号1)×(数量1),(ロット製造番号2)×(数量2)」と入力すればよい。そして、発送情報の入力が終了したときには、画面下部に表示された終了入力欄D22にて「Y」を操作入力すると、図示していないが操作入力した情報の一覧が図8で示した発送情報と同様のフォーマットで表示され、入力内容を確認することができる。入力内容を修正したい場合には所定のキー操作(例えば「N」の操作入力)により図10の発送情報入力画面に戻り、入力内容に問題が無ければ別のキー操作(例えば「Y」の操作入力)により再びメニュー画面が表示される。
【0053】
メニュー画面でライン管理が選択入力されると、図11に示すライン管理画面を表示する。なお、図に示すライン管理画面は遊技機全体の生産ラインを管理する場合の画面であるが、遊技板の生産ラインを管理する場合も概略同様であるので、遊技機全体の生産ラインを管理する場合を例にとって説明する。画面には、現在生産中の品名D31や、CCD撮像機131〜133,231〜233により取り込まれた画像データから取得された各製造番号D32が表示される。また、取得された製造番号に対応する他の発送情報が無い場合のようにエラーが生じたときには、音声出力器117からブザー音を音声出力するとともに、エラー表示領域D33にエラーが生じた旨が表示される。図の例は、製造番号に対応する発送情報が無い旨のエラー表示例を示している。画面下部には、生産ラインの管理を一時的に中断する「ライン管理一時中断」メニューや、生産ラインの管理を終了する「ライン管理終了」メニューが表示される。そして、画面下部の番号入力欄D34にメニューに対応する番号を操作入力することが可能となっている。「ライン管理一時中断」を選択入力すると、図示しない画面が表示され、生産ラインの管理を行いながら発送情報を入力したり検索を行ったりすることが可能となる。また、「ライン管理終了」を選択入力すると、生産ラインの管理を終了させることができ、再びメニュー画面が表示される。
【0054】
メニュー画面で検索実行が選択入力されると、図12に示す検索内容入力画面を表示する。なお、図に示す検索内容入力画面は遊技機全体についての発送情報を検索する場合の画面であるが、遊技板についての発送情報を検索する場合も概略同様であるので、遊技機全体についての発送情報を検索する場合を例にとって説明する。画面には、概略、図8で示した各項目に対応した条件入力欄D41が設けられている。そして、キーボード118のカーソルキーにより入力箇所を変更させながら各条件入力欄D41にて操作入力可能となっている。なお、複数箇所の条件入力欄D41に操作入力された場合には、全ての条件入力欄D41に操作入力された内容に合致する発送情報が検索されて取得される。また、各条件入力欄D41にて入力内容に「−」を付加すると入力された内容の範囲内の情報を検索することができ、複数の入力内容の間に「,」を挿入すると、これらの入力内容のいずれかを含む情報を検索することができる。そして、検索内容の入力が終了したときには、画面下部に表示された終了入力欄D42にて「Y」を操作入力すると、検索が実行され、図示していないが検索された発送情報の一覧が図8で示した発送情報記憶領域に記憶されている情報と同様のフォーマットで表示される。同一覧の表示画面では、一覧をプリンタ119aに印刷するかどうかを選択入力することが可能であり、所定のキー操作(例えば「Y」の操作入力)により同一覧をプリンタ119aに印刷し、再びメニュー画面が表示される。また、別のキー操作(例えば「N」の操作入力)により再びメニュー画面が表示される。
【0055】
(4)第一の実施形態にかかる発送管理システムの動作:以下、第一の実施形態にかかる発送管理システム100の動作について説明する。まず、遊技機全体あるいは遊技板を生産するにあたり、発送情報をコンピュータ110に対して入力しておく必要がある。そのためには、コンピュータ110の電源をオンにし、本発送管理システム100用の制御プログラムを起動させる必要がある。図13は、コンピュータ110が行う処理の概略を示すフローチャートである。コンピュータ110の電源をオンにすると、図9で示したようなメニュー画面を表示する(ステップS205)。次に、キーボード118により番号入力欄D12に対して画面に表示された番号の操作入力が行われたかどうかを判断する(ステップS210)。条件不成立の場合は、画面に表示された番号の操作入力が行われるまでステップS210の処理を繰り返し行う。画面に表示された番号の操作入力が行われた場合、操作入力された番号が「終了」メニューに相当するかどうかを判断する(ステップS215)。条件成立の場合、本フローを終了する。一方、操作入力された番号が「終了」メニュー以外であれば、操作入力された番号別の処理を行い(ステップS220)、ステップS205に戻って再びメニュー画面を表示する。
【0056】
図14は、メニュー画面において「発送情報入力」が選択入力されたときに上記ステップS220で行われる発送情報入力処理をフローチャートにより示している。なお、図に示すフローチャートは遊技機全体を発送する際における発送情報を入力する処理を示しているが、遊技板の発送の際における処理も概略同様であるので、遊技機全体の発送の際の処理を例にとって説明する。まず、図10で示した発送情報入力画面をディスプレイ116に表示する(ステップS302)。次に、各入力欄D21にて、製造番号や部品製造番号等を含む発送情報の操作入力を受け付ける(ステップS304)。ここで、キーボード118のカーソルキーにより入力箇所を変更させながら、各入力欄D21にてキーボード118からの操作入力を受け付ける。そして、発送情報の入力を終了するかどうか、すなわち、終了入力欄D22にて発送情報の入力終了を意味する「Y」が操作入力されたかどうかを判断する(ステップS306)。条件不成立の場合、継続して各入力欄D21への操作入力を受け付け、発送情報の入力を終了するかどうかを判断する。
【0057】
発送情報の入力を終了すると判断した場合、操作入力された製造番号や部品製造番号等を含む発送情報が対応した情報となっているかどうかを判断する(ステップS308)。ここでは、数量の入力欄D21に操作入力された数量が製造番号やロット製造番号や部品製造番号の数と一致しているかを確認する。条件不成立の場合、入力欄D21に再入力を促す旨をディスプレイ116に表示して(ステップS310)、ステップS304に戻り、各入力欄D21への操作入力を受け付ける。対応した情報となっていると判断した場合、操作入力された発送情報を、図8で示したフォーマットで発送情報記憶領域に記憶させ(ステップS312)、本フローを終了する。このように、発送情報入力処理は、発送情報の入力を受け付け、入力された発送情報を上記発送情報記憶領域に記憶させる発送情報記憶手段を構成する。その結果、利用者は本発送管理システムに発送情報を入力して発送情報記憶領域に記憶させることができ、製品の発送管理が容易である。
【0058】
図15と図16は、メニュー画面において「ライン管理」が選択入力されたときに上記ステップS220で行われるライン管理処理をフローチャートにより示している。本フローでは、証紙に印字された製造番号とロット製造番号と部品製造番号を取得し、対応する発送情報を製品の包装に対して印刷する処理を行う。なお、図に示すフローチャートは遊技機全体を発送する際におけるライン管理処理を示しているが、遊技板の発送の際における処理も概略同様となる。まず、図11で示したライン管理画面をディスプレイ116に表示する(図15のステップS402)。次に、CCD撮像機131〜133から画像データが入力されているかどうかを判断する(ステップS404)。図4において、ベルトコンベア151上を移動する遊技機P1が所定の撮像位置となると、CCD撮像機131〜133が証紙P11〜P13の製造番号とロット製造番号と部品製造番号を撮像する。すると、CCD撮像機131〜133は、画像データを出力する要求とともに、撮像したデジタルの画像データをコンピュータ110に対して出力する。コンピュータ110は、I/O回路114を介して画像データを出力する要求が入力されているかどうかを検出することにより、画像データが入力されているかどうかを判断する。画像データが入力されていない場合、図16のステップS436に進み、印刷機に対して印刷データを出力する処理を行うようにしている。
【0059】
画像データが入力されている場合、ステップS406に進み、CCD撮像機131〜133から画像データを入手し、入手した画像データに対してパターン・マッチング法等により文字認識を実行し、文字データに置き換える。そして、置き換えられた文字データから、証紙P11〜P13に印字された製造番号とロット製造番号と部品製造番号を取得し、ディスプレイ116に表示する(ステップS408)。なお、取得される製造番号は遊技板30に貼付された証紙P11に印字された番号であり、ロット製造番号はROM83に貼付された証紙P12に印字された番号であり、部品製造番号は基板ボックス82に貼付された証紙P13に印字された番号である。
【0060】
ここで、万一製造番号やロット製造番号や部品製造番号を正確に取得することができなかったことを想定し、ステップS410では取得した製造番号等が所定のフォーマットであるかどうかを判断する。図8の例では、製造番号と部品製造番号の場合であれば、9桁の数字とされているので、取得した製造番号と部品製造番号が9桁の数字となっているかどうかを判断する。条件成立の場合、ステップS418に進む。一方、所定のフォーマットでないと判断したときには、例えば「製造番号を取り込むことができませんでした」といった製造番号、ロット製造番号または部品製造番号を取得することができなかった旨のエラー情報を作成する(ステップS412)。その後、ライン管理画面のエラー表示領域D33に作成したエラー情報を表示するとともに、音声出力器117からブザー音を音声出力する(ステップS414)。そして、制御盤121,210に対してライン停止信号を出力し(ステップS416)、ステップS404に戻る。すると、制御盤121,210は生産ラインの動作を停止させるので、製造番号等を取得することができなかった原因を解消した後、生産ラインの動作を再開させることができる。このように、製造番号や部品製造番号等を取得することができなかった旨が外部に出力されるので、確実に製品の発送を管理することができ、本発送管理システムは便利である。なお、CCD撮像機131〜133の近傍にランプや音声出力器を取り付け、取得した製造番号等が所定のフォーマットでない場合に同ランプを発光させるとともに同音声出力器から警告音を音声出力させるようにしてもよい。
【0061】
ステップS410にて取得した製造番号等が所定のフォーマットであると判断した場合、発送情報記憶領域を参照して、製造番号とロット製造番号と部品製造番号とが対応しているかどうかを判断する(ステップS418)。図8の例では、CCD撮像機からの画像データから製造番号「010901001」が取得された場合、ROMの部品製造番号として「010703」、基板ボックスの部品製造番号として「010802071」が取得されていればこれらの製造番号等が対応していることになり、同番号が取得されていなければこれらの製造番号等は対応していないことになる。条件成立の場合、ステップS422に進む。一方、これらの製造番号等が対応していない場合には、例えば「三つの製造番号が対応していません」といった製造番号とロット製造番号と部品製造番号とが対応していない旨のエラー情報を作成する(ステップS420)。その後、上述したステップS414〜S416のフローを利用して、エラー表示領域D33に作成したエラー情報を表示し、音声出力器117からブザー音を音声出力するとともに、制御盤121,210に対してライン停止信号を出力してステップS404に戻る。
【0062】
このように、ステップS404〜S416,S418〜S420の処理は、CCD撮像機とともに、遊技機に関する製品から同製品に付された製品識別情報と、同製品を構成する部品に付された部品識別情報とを取得する製品識別情報取得手段を構成する。なお、図4において、製造番号等が取得された遊技機P1は、ベルトコンベア151により移送され、製品包装手段を構成する袋詰め機140によりビニール袋に密封されるように袋詰めされる。その後、製品移送手段を構成するベルトコンベア152と昇降リフト160とベルトコンベア170により印刷を行う上記記録位置まで移送されることになる。
【0063】
ステップS422では、取得した製造番号と部品製造番号に対応する発送情報が発送情報記憶領域に記憶されているかどうかを判断する。図8の例では、製造番号として「010901001」、部品製造番号として「010802071」が取得された場合、発送情報記憶領域には同製造番号等に対応する発送情報が格納されているので、対応する発送情報が記憶されていることになる。条件成立の場合、図16のステップS432に進む。一方、取得した製造番号等に対応する発送情報が記憶されていない場合には、例えば「対応する発送情報がありません」といった発送情報が無い旨のエラー情報を作成する(ステップS424)。その後、上述したステップS414〜S416のフローの処理を行い、ステップS404に戻る。すなわち、発送情報が無い旨も外部に出力されるので、より確実に製品の発送を管理することができる。
【0064】
図16のステップS432では、取得した製造番号と部品製造番号に対応した発送情報を発送情報記憶領域から取得する。そして、製造番号等を取得した順番に発送情報をRAM113に蓄積する(ステップS434)。ここで、RAM113には、図17に示すように、製造番号と部品製造番号に対応させて発送情報を順番に蓄積していくようにしている。図の例は、(1)〜(5)の順に遊技機5台分の発送情報が取得されて蓄積されていることを示している。このように、ステップS422〜S424,S414〜S416,S432〜S434の処理は、取得した製品識別情報に対応した発送情報を発送情報記憶領域から取得する発送情報取得手段を構成する。
【0065】
ステップS436では、印刷機180に対して発送情報を印刷データとして出力可能であるかどうかを判断する。印刷機180が内部のRAMに印刷データを保持しているときには印刷データ保持中を意味する信号を送出しているので、条件不成立となり、ステップS404に戻って製造番号等を取得する処理を行う。また、印刷機180に出力していない発送情報がRAM113に蓄積されていないときにも、条件不成立となり、ステップS404に戻る。印刷機180に対して発送情報を出力可能であると判断した場合、出力していない発送情報のうち、最も早く取得した発送情報を印刷機180に対して出力する(ステップS438)。すると、印刷機180は同発送情報を入手し、遊技機を包装するビニール袋に対して発送情報を印刷する。図18は、同ビニール袋の上下方向における略中間部に印刷された発送情報の一例を示している。同図では、発送情報のすべてが1行で印刷されている。むろん、印刷は様々なフォーマットにより行うことができ、複数行にわたって発送情報を印刷してもよい。なお、遊技板を発送する際には、印刷機260が発送情報を入手し、遊技板を梱包する段ボールに対して発送情報を印刷することになる。同段ボールには、発送情報を所定箇所に印刷するための印刷欄が予め印刷されており、同印刷欄内に発送情報が印刷されるようになっている。
【0066】
ステップS438の処理を行う際、出力していない発送情報のうち最も早く取得した発送情報を示すポインタを利用する。同ポインタは、初期状態では「1」とされており、発送情報を印刷機に対して出力する毎に「1」が加算される。図17の例では、RAM113に蓄積されている発送情報のうち、(1)と(2)に相当する発送情報を既に出力しており、出力していない発送情報のうち最も早く取得した発送情報を示すポインタは「3」となっている。そこで、(3)に相当する発送情報を印刷機に対して出力し、ポインタに「1」を加算する。すると、発送情報を取得した順番にベルトコンベアや昇降リフトにて移送される遊技機の包装に対して発送情報を印刷することになる。したがって、遊技機に関する製品の連続生産を行う際、製品の移送に時間がかかるラインであっても効率よく製品の包装と発送情報の記録とを連続して行うことができる。このように、ステップS436〜S438の処理は、印刷機やベルトコンベアや昇降リフトとともに、製品識別情報が取得された製品を所定の記録位置に移送させ、同製品が同記録位置に移送されたときに取得した発送情報を遊技機に関する製品の包装に記録する発送情報記録手段を構成する。
【0067】
なお、印刷機180が印刷データ保持中を示す信号を出力する機能を有していない場合には、図4で示したベルトコンベア170上で印刷機180の手前となる位置にコンピュータ110と接続された光電スイッチを設け、ステップS436にて同光電スイッチの検出信号に応じて発送情報を印刷機180に出力可能かどうかを判断すればよい。また、印刷機180が複数の印刷データを一時記憶して順番に印刷する機能を有していれば、ステップS434〜S438の処理を行う代わりにステップS432で取得した発送情報を製造番号とともに即座に印刷機180に対して出力すればよい。
【0068】
その後、ライン管理を終了するかどうか、すなわち、ライン管理画面の番号入力欄D34に「ライン管理終了」に相当する番号が選択入力されたかどうかを判断する(ステップS440)。ライン管理を終了しない場合には、ステップS404に戻り、繰り返しCCD撮像機を使用して製造番号等を取得し、印刷機に対して印刷データを出力する処理を行う。以上説明したフローにより、遊技機に関する製品である遊技機全体に貼付された証紙に印字された製造番号に対応した発送情報が自動的に遊技機全体の包装に印刷される。すると、作業者が発送を管理するため視認することにより証紙の製造番号と発送情報とを照合し、製造番号に対応した発注情報をコンピュータに入力するという煩雑で非効率な作業が不要となる。したがって、遊技機に関する製品の発送を管理する作業を軽減させることが可能となる。また、遊技機全体を発送する際には、遊技機は、証紙に印字された製造番号が取得された後、自動的に、袋詰め機により袋詰めされ、ベルトコンベアや昇降リフトにより所定の記録位置に移送されて、対応する製品の包装に発送情報が印刷される。すなわち、これらの処理が自動的に行われるので、例えば製造番号を取得した製品が複数階にわたって設けられた生産ラインであっても生産ライン上でどこにあるかを目で探す必要がなく、本発送管理システムは利便性が大きい。
【0069】
なお、遊技板を発送する際にも、上述したフローにより遊技板に貼付された証紙に印字された製造番号に対応した発送情報が自動的に遊技板を梱包する段ボールに印刷されることになる。その際、CCD撮像機231〜233を使用して証紙P11〜P13に印字された製造番号とロット製造番号と部品製造番号を取得し、印刷機260にて発送情報を印刷させる。ここで、遊技板3枚を段ボール1箱に収容して発送するため、上記ステップS436では遊技板3枚分の同じ発送情報が蓄積されたことを確認し、上記ステップS438にてその発送情報を印刷機260に対して出力するようにしている。遊技板を発送する際には、遊技板は、証紙に印字された製造番号が取得され、段ボールに収容された後、自動的に、ベルトコンベアにより所定の記録位置に移送されて、段ボールに発送情報が印刷される。したがって、本発送管理システムにより利便性が大きい生産ラインを組み立てることができる。
【0070】
図19は、メニュー画面において「検索実行」が選択入力されたときに上記ステップS220で行われる検索情報出力処理をフローチャートにより示している。本フローでは、発送情報記憶領域に記憶された情報の検索内容の入力を受け付けて発送情報記憶領域を検索する処理を行う。なお、図に示すフローチャートは遊技機全体の発送情報を検索する処理を示しているが、遊技板の発送情報を検索する処理も概略同様となる。まず、図12で示した検索内容入力画面をディスプレイ116に表示する(ステップS502)。次に、複数の条件入力欄D41にて、製造番号とロット製造番号と部品製造番号を含む発送情報の検索内容の操作入力を受け付ける(ステップS504)。ここで、キーボード118のカーソルキーにより入力箇所を変更させながら、各条件入力欄D41にてキーボード118からの操作入力を受け付ける。
【0071】
その後、画面下部に設けられた終了入力欄D42に「Y」が操作入力されると、操作入力された検索内容に基づいて、発送情報を製造番号とロット製造番号と部品製造番号に対応させて抽出する(ステップS506)。そして、抽出した情報を図8で示した発送情報記憶領域に記憶されている情報と同様のフォーマットでディスプレイ116に表示する(ステップS508)。また、抽出した情報をプリンタ119aから印刷するかどうかを判断する(ステップS510)。この処理は、抽出した情報を一覧表示している図示しない画面に設けられた印刷実行入力欄に所定のキー操作が行われると条件成立となる。条件成立の場合、抽出した情報の印刷データを作成し(ステップS512)、プリンタ119aに対して同印刷データを出力して(ステップS514)、本フローを終了する。すると、プリンタ119aは、同印刷データを入手し、プリンタヘッドを駆動して同印刷データに基づいて印刷を行う。すなわち、プリンタ119aから抽出した情報が図8で示した発送情報記憶領域に記憶されている情報と同様のフォーマットで印刷される。一方、ステップS510で条件不成立の場合は、ステップS512〜S514の処理を行わずに本フローを終了する。
【0072】
このように、検索情報出力処理は、検索内容の入力を受け付け、入力された検索内容に基づいて発送情報記憶領域から製品識別情報と部品識別情報と発送情報とを対応させて抽出し、抽出した製品識別情報と部品識別情報と発送情報とを外部に出力する検索情報出力手段を構成する。その結果、発送情報記憶領域に記憶された情報をデータベースとして活用することができ、例えば、遊技機に関する製品の輸送経路を確認したいとき等に製造番号と部品製造番号と発送情報とが対応したリストを作成して輸送経路の確認を容易にさせることができる。また、従来はROMと基板ボックスの組み合わせは生産工場の現場でしか分からなかったが、本発送管理システムによると遊技機全体や遊技板をホールに納入した後であってもROMと基板ボックスの組み合わせを確認することができる。したがって、ホールに納入した後にROMがすり替えられるという不正が行われたかどうかが容易に判明可能となる。
【0073】
(5)第二の実施形態:ところで、本発明の発送管理システムは、上述した実施形態以外にも、様々な実施形態が考えられる。上述した実施形態では、遊技機全体と遊技板とを遊技機に関する製品として発送の管理を行うようにしたが、遊技機全体と遊技板のいずれかのみを遊技機に関する製品として発送の管理を行うようにしてもよいし、遊技機を構成する他の部分(例えば、前面枠や下皿等)を遊技機に関する製品として発送の管理を行うようにしてもよい。また、発送情報を製品の包装に記録する際に、印刷機を使用して発送情報を印刷する以外にも、磁気カードを製品の包装に貼付して磁気カードライタにより同磁気カードに発送情報を磁気記録するようにしてもよいし、ICカードを製品の包装に貼付してICカードライタにより同ICカードに発送情報を記憶させるようにしてもよい。発送情報は、遊技機に関する製品の発送を管理する情報であればよく、上述したように製品を出荷する際に付される出荷先のホール名や担当支社等からなる出荷情報であってもよいし、製品のテスト品を発送する際に付されるテスト品の仮の名称や改良箇所等からなる情報であってもよい。さらに、上述した実施形態では、発送情報を構成するホール名をコードとしているが、実際のホール名を発送情報としてもよいのは言うまでもない。むろん、発送情報を製品の包装に印刷する際に、予めハードディスクに記憶させたホール名のコードと実際のホール名とを対応させた対応テーブルを参照して、コードをホール名に変換して製品の包装に印刷するようにしてもよい。
【0074】
さらに、証紙に印字された製造番号を取得する際、同製造番号を含むバーコードを製品に貼付し、このバーコードを読み取って製造番号を取得するようにしてもよい。遊技機全体を発送する場合、図2を参照すると、遊技板30に付される製造番号を含むバーコードP111は、証紙P11の貼付位置とは異なる位置に貼付されるようになっている。なお、バーコードP111の貼付位置は、図中点線で示している。また、ROMに付されるロット製造番号や基板ボックスに付される部品製造番号を含むバーコードは、図示していないが、証紙P12,P13の貼付位置とは異なる基板ボックス上に貼付されるようになっている。
【0075】
図20は、第二の実施形態にかかる発送管理システムの一部を示した概略ブロック図である。なお、第一の実施形態と同じ構成のものについては、同じ番号を付して説明を省略する。図において、バーコードP111〜P113は、証紙P11〜P13が貼付される際に、遊技機の遊技板や基板ボックスに貼付される。バーコードP111〜P113は、証紙P11〜P13に印字された製造番号やロット製造番号や部品製造番号を含む情報を平行かつ長方形のバーとスペースの組み合わせ配列で表現したものである。バーコードP111〜P113を読み取るバーコードリーダ331〜333が、生産ライン上に設けられている。なお、バーコードリーダ331〜333の設置位置は、図示していないが、図4における制御盤122と袋詰め機140との間のベルトコンベア151上である。また、遊技板の生産ラインについても同様にバーコードリーダが設置され、図示していないがコンピュータ110と接続されている。
【0076】
バーコードリーダは、バーコードを照射する赤色LED、読み取りセンサであるCCD素子、CPU、ROM、RAM、コントロール回路、通信I/O、等を有しており、CPUがROMに書き込まれたプログラムに従ってバーコードを読み取り可能である。遊技機全体の生産ラインに設置されたバーコードリーダ331〜333は、コンピュータ110とともに図4における制御盤122に接続されており、制御盤122の制御により所定タイミングでバーコードP111〜P113を読み取り、通信I/Oを介して読み取ったバーコードデータをコンピュータ110に対して出力可能である。したがって、遊技機が制御盤122の制御にてベルトコンベア151により所定の読み取り位置まで移送されると、一時的に停止させられ、バーコードリーダ331〜333によりバーコードが読み取られる。また、バーコードリーダ331〜333は、制御盤122の制御により水平かつベルトコンベア151の進行方向に対して垂直な方向に往復動可能となっており、遊技機が同読み取り位置になるとバーコードP111〜P113に対して近接位置に移動して同バーコードP111〜P113を読み取る。コンピュータ110は、バーコードリーダと送受信を行うソフトウェアを記憶しており、バーコードリーダ331〜333から送出されるバーコードデータを入手し、製造番号やロット製造番号や部品製造番号を取得する。なお、遊技板の生産ラインに設置されたバーコードリーダも、制御盤の制御により所定タイミングでバーコードを読み取り、通信I/Oを介して読み取ったバーコードデータをコンピュータ110に対して出力可能となっている。
【0077】
なお、バーコードリーダは、従来から使用されている一般的なバーコードリーダを採用することができるため、詳しい説明を省略する。すなわち、上述したバーコードリーダ以外にも、例えば、光源としてレーザ光を使用するものを採用可能であるし、読み取りセンサとしてフォトダイオードを使用するものを採用可能である。また、バーコードリーダ331〜333の代わりに1台の携帯型バーコードリーダを用意しておき、作業者が遊技機に貼付された複数のバーコードを1台のバーコードリーダにて順次バーコードを読み取る構成とすることも可能である。
【0078】
コンピュータ110の内部には、バス110aに、USBインターフェイス311が接続されている。USBインターフェイス311にはコンピュータ110外のHUB312が接続されており、このHUB312にバーコードリーダ331〜333や遊技板の生産ラインに設置されたバーコードリーダが接続されている。すなわち、コンピュータ110は、USBインターフェイス311とHUB312を介してバーコードリーダからのバーコードデータを入手することができる。なお、バーコードリーダとの接続は様々な態様が考えられ、例えば、RS−232Cインターフェイスを利用してもよい。
【0079】
以下、本発送管理システムの動作について説明する。なお、コンピュータ110の処理については、上述したライン管理処理の一部を除いて同じフローを採用することができるため、ライン管理処理の一部のみを説明する。図21は、ライン管理処理の一部をフローチャートにより示している。本フローでは、バーコードを読み取って製造番号とロット製造番号と部品製造番号を取得する。まず、図11で示したライン管理画面をディスプレイ116に表示し(ステップS602)、バーコードリーダからバーコードデータが入力されているかどうかを判断する(ステップS604)。遊技機全体を発送する際、図4におけるベルトコンベア151上を移動する遊技機が所定の読み取り位置となると、バーコードリーダ331〜333がバーコードP111〜P113を読み取る。すると、バーコードリーダ331〜333は、バーコードデータを出力する要求とともに、読み取ったバーコードP111〜P113のバーコードデータをコンピュータ110に対して出力する。コンピュータ110は、USBインターフェイス311を介してバーコードデータを出力する要求が入力されているかどうかを検出することにより、バーコードデータが入力されているかどうかを判断する。バーコードデータが入力されていない場合、図16で示したフローに従って、印刷機に対して印刷データを出力する処理を行うようにしている。
【0080】
バーコードデータが入力されている場合、ステップS606に進み、バーコードリーダ331〜333からバーコードデータを入手する。入手したバーコードデータには製造番号やロット製造番号や部品製造番号が含まれているので、同バーコードデータから製造番号とロット製造番号と部品製造番号を取得し、ディスプレイ116に表示する(ステップS608)。ここで、取得される製造番号は遊技板に貼付された証紙に印字された番号と同じであり、ロット製造番号はROMに貼付された証紙に印字された番号と同じであり、部品製造番号は基板ボックスに貼付された証紙に印字された番号と同じである。その後、図示していないが、上記ステップS410以降と同様の処理を行う。すなわち、取得した製造番号等が所定フォーマットであるか、製造番号とロット製造番号と部品製造番号が対応しているか、製造番号等に対応した発送情報があるかを判断し、条件成立の場合には印刷機に対して発送情報を出力する処理を行う。そして、ステップS604以降の処理は、ライン管理を終了するまで継続して行われるようになっている。
【0081】
このように、遊技機に関する製品に貼付されたバーコードに製品識別情報や部品識別情報を含め、バーコードリーダにてバーコードを読み取り、読み取られたバーコードから製品識別情報や部品識別情報を取得することができる。そして、バーコードリーダを使用することにより、簡易な構成にて製品に付された製品識別情報を取得することが可能となる。なお、上述した実施形態では、遊技機全体や遊技板を発送する際にそれぞれバーコードリーダを3台使用して製造番号等を取得するようにしたが、バーコードリーダとCCD撮像機を併用して製造番号等を取得するようにしてもよい。また、製造番号等を取得する代わりに、製品を管理する別の管理番号を取得して発送情報を製品の包装に印刷するようにしてもよい。さらに、第一、第二の実施形態では、製造番号とロット製造番号と部品製造番号という複数の番号を取得して発送情報を製品の包装に印刷しているが、一つの番号のみ取得して発送情報を製品の包装に印刷するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0082】
(6)第三の実施形態:また、証紙に印字された製造番号を取得する際、同製造番号を記憶したICカードを製品に貼付し、このICカードに記憶された製造番号を取得するようにしてもよい。遊技機全体を発送する場合、遊技板に貼付される証紙P11に印字された製造番号を記憶したICカードは、図2におけるバーコードP111の位置に貼付されるようになっている。また、ROMや基板ボックスに付されるロット製造番号や部品製造番号を記憶したICカードは、証紙P12,P13の貼付位置とは異なる基板ボックス上に貼付されるようになっている。図22は、第三の実施形態にかかる発送管理システムの一部を示した概略ブロック図である。なお、第一の実施形態と同じ構成のものについては、同じ番号を付して説明を省略する。以下、遊技機全体を発送する際に発送情報を印刷する場合について説明するが、遊技板を発送する際にも同様にして発送情報を印刷することが可能である。
【0083】
図において、ICカードP211〜P213は、証紙P11〜P13が貼付される際に、遊技機の遊技板や基板ボックスに貼付される。ICカードP211〜P213は、非接触型の近接型ICカードであり、証紙P11〜P13に印字された製造番号やロット製造番号や部品製造番号を内蔵しているICチップに備えられたメモリに記憶している。図では、ICチップを点線で示している。ICチップはCPUやROMも備えており、メモリに対してデータの読み書きが可能となっている。また、ICカードリーダからの電波を電力に変換したり、ICカードリーダとの間でデータの送受信を行うためのコイル状のアンテナも内蔵している。そして、近接したICカードP211〜P213を駆動して同ICカードP211〜P213から製造番号等を読み出すICカードリーダ431〜433が、図4における制御盤122と袋詰め機140との間のベルトコンベア151上に設けられている。
【0084】
ICカードリーダは、ICカードに対して電波を送受信可能なコイル状のアンテナ、CPU、ROM、RAM、コントロール回路、通信I/O、等を有しており、CPUがROMに書き込まれたプログラムに従って近接したICカードP211〜P213を駆動して同ICカードP211〜P213からデータを読み出し可能である。遊技機全体の生産ラインに設置されたICカードリーダ431〜433は、コンピュータ110とともに図4における制御盤122に接続されており、制御盤122の制御により所定タイミングでICチップに記憶された製造番号やロット製造番号や部品製造番号を読み出し、通信I/Oを介して読み出した製造番号等をコンピュータ110に対して出力可能である。すなわち、遊技機がベルトコンベア151により所定の読み出し位置まで移送されると、一時的に停止させられ、ICカードリーダ431〜433により製造番号等が読み出される。また、ICカードリーダ431〜433は、水平かつベルトコンベア151の進行方向に対して垂直な方向に往復動可能となっており、遊技機が同読み出し位置になるとICカードP211〜P213に対して近接位置に移動して製造番号等を読み出す。コンピュータ110は、ICカードリーダと送受信を行うソフトウェアを記憶しており、ICカードリーダ431〜433から送出される製造番号等を入手し、製造番号やロット製造番号や部品製造番号を取得する。なお、ICカードとICカードリーダは、従来から使用されている一般的なものを採用することができるため、詳しい説明を省略する。すなわち、上述したもの以外にも、例えば、接触型のICカードと同ICカードと電気的に接触して製造番号等を読み出すICカードリーダを採用可能である。
【0085】
本コンピュータ110の内部にも、バス110aにUSBインターフェイス311が接続され、USBインターフェイス311にはHUB312と接続されており、このHUB312にICカードリーダ431〜433や遊技板の生産ラインに設置されたICカードリーダが接続されている。すなわち、コンピュータ110は、USBインターフェイス311とHUB312を介してICカードリーダからの製造番号等を入手することができる。
【0086】
コンピュータ110の処理については、第二の実施形態と同様、上述したライン管理処理の一部を除いて同じフローを採用することができるため、図23に示すライン管理処理の一部のみを説明する。まず、図11で示したライン管理画面をディスプレイ116に表示し(ステップS702)、ICカードリーダから製造番号等が入力されているかどうかを判断する(ステップS704)。遊技機全体を発送する際、図4におけるベルトコンベア151上を移動する遊技機が所定の読み出し位置となると、ICカードリーダ431〜433がICカードP211〜P213を駆動して製造番号やロット製造番号や部品製造番号を読み出す。このとき、駆動されたICカードP211〜P213は、内蔵するICチップのCPUの制御によりメモリに記憶された製造番号等を読み出して、同じく内蔵するアンテナからICカードリーダ431〜433に対して送信する。したがって、ICカードリーダ431〜433は、同製造番号等をアンテナにて受信し、入手する。すると、ICカードリーダ431〜433は、製造番号等を出力する要求とともに、読み出した製造番号等をコンピュータ110に対して出力する。コンピュータ110は、USBインターフェイス311を介して製造番号等を出力する要求が入力されているかどうかを検出することにより、製造番号等が入力されているかどうかを判断する。製造番号等が入力されていない場合、図16で示したフローに従って、印刷機に対して印刷データを出力する処理を行うようにしている。
【0087】
製造番号等が入力されている場合、ステップS706に進み、ICカードリーダ431〜433から製造番号やロット製造番号や部品製造番号を入手する。そして、入手した製造番号等をディスプレイ116に表示する(ステップS708)。ここで、取得される製造番号、ロット製造番号、部品製造番号は、遊技板に貼付された証紙に印字された番号や、ROMに貼付された証紙に印字された番号や、基板ボックスに貼付された証紙に印字された番号と同じである。その後、図示していないが、上記ステップS410以降と同様の処理を行い、取得した製造番号等が所定フォーマットであるか、製造番号とロット製造番号と部品製造番号が対応しているか、製造番号等に対応した発送情報があるかを判断し、条件成立の場合には印刷機に対して発送情報を出力する処理を行う。そして、ステップS704以降の処理は、ライン管理を終了するまで継続して行われるようになっている。このように、遊技機に関する製品に貼付されたICチップに製品識別情報や部品識別情報を記憶させると、ICチップに記憶された製品識別情報や部品識別情報を読み出して取得することが可能である。ICチップを使用することにより、製造番号等を確実に読み出すことができ、さらに確実に製品に付された製品識別情報を取得することが可能となる。
【0088】
(7)第四の実施形態:なお、遊技板は段ボール1箱に3枚収容されるようになっているため、予定した製造番号が付された遊技板どうしが同一の段ボールに収容されるかどうかを判断し、予定しない製造番号が付された遊技板どうしが同一の段ボールに収容される場合にエラー表示を行うようにしてもよい。このとき、例えば図24に示すように、同一の段ボールに収容される遊技板に付される製造番号どうしを対応させた同一包装製品識別情報を発送情報の一部として発送情報記憶領域に記憶させ、この同一包装製品識別情報に基づいて予定した製造番号が付された遊技板どうしが同一の段ボールに収容されるかどうかを判断することができる。まず、同一包装製品識別情報を作成して発送情報記憶領域に記憶させる処理の一例を、図25に示す。なお、図は第一の実施形態において図14で示した発送情報入力処理の代わりに行われるものであり、ステップS314〜S316が付加されている。遊技板を発送する際に、図14のステップS302〜S312の処理を行い、操作入力された発送情報を図8で示したフォーマットで発送情報記憶領域に記憶させる。その後、記憶させた発送情報のうち、製造番号を3つずつをひと組にして、図24で示したようなフォーマットの同一包装製品識別情報を作成する(ステップS314)。そして、作成した同一包装製品識別情報を発送情報記憶領域に記憶させ(ステップS316)、フローを終了する。
【0089】
上記同一包装製品識別情報を使用して同一の段ボールに収容されるべき複数の遊技板が同段ボールに収容されるかどうかを判断する処理の一例を、図26に示す。なお、図は第一の実施形態において図16で示したライン管理処理の代わりに行われるものであり、ステップS802〜S806が付加されている。図15と図16のステップS402〜S436の処理を行い、印刷機260に対して発送情報を印刷データとして出力可能であるかどうかを判断する。発送情報を出力可能であると判断した場合、出力していない発送情報のうち、最も早く取得した情報から遊技板3枚分の製造番号を取得する(ステップS802)。次に、これらの製造番号が同一包装製品識別情報にあるかどうかを判断する(ステップS804)。図24の例では、取得した遊技板3枚分の製造番号が例えば「010904008,010904009,010904010」であれば、同一包装製品識別情報でないことになり、条件不成立となる。この場合、例えば「段ボールに収容される3枚の遊技板が合っていません」といった同一の包装に収容される複数の製品でない旨のエラー情報を作成する(ステップS806)。その後、上述したステップS414〜S416のフローを利用して、エラー表示領域D33に作成したエラー情報を表示し、音声出力器117からブザー音を音声出力するとともに、制御盤210に対してライン停止信号を出力して図15のステップS404に戻る。
【0090】
このように、ステップS802〜S806,S414〜S416の処理は、上記ライン管理処理は、発送情報記憶領域に記憶された同一包装製品識別情報と取得した複数の製造番号(製品識別情報)とに基づいて、同複数の製造番号が付された複数の製品が同一の包装に収容される複数の製品であるかどうかを判定し、同一の包装に収容される複数の製品でないと判定したとき、その旨を外部に出力する。その結果、同一の包装に収容される複数の製品でないときにその旨が通知され、収容する製品がずれた等違っていることを把握することが容易となるので、さらに確実に製品の発送を管理することが可能となる。
【0091】
(8)第五の実施形態:また、同じ製品の複数箇所に同一の製造番号(製品識別情報)を付して発送の管理を行ってもよい。この場合、同複数箇所から取得した製造番号が一致しているかどうかを判断し、一致していないときにエラー表示を行うようにしてもよい。その処理の一例を、図27に示す。なお、図は第一の実施形態において図15で示したライン管理処理の代わりに行われるものである。図示を省略しているが、図15のステップS402〜S408と同様の処理を行って複数箇所の製造番号を取得し、取得した複数の製造番号が所定のフォーマットであるかどうかを判断する(ステップS902)。所定のフォーマットでない場合、製造番号を取得することができなかった旨のエラー情報を作成し(ステップS904)、ライン管理画面のエラー表示領域D33に作成したエラー情報を表示するとともに、音声出力器117からブザー音を音声出力する(ステップS906)。そして、制御盤121,210に対してライン停止信号を出力し(ステップS908)、再び図15のステップS404〜S408と同様の処理を行って複数箇所の製造番号を取得する処理を行う。
【0092】
ステップS902にて取得した複数の製造番号が所定のフォーマットであると判断した場合、ステップS910に進み、取得した複数の製造番号が同一であるかどうかを判断する。条件成立の場合、図15のステップS418以降と同様の処理を行い、発送情報を印刷機に対して出力する処理を行う。取得した複数の製造番号が同一でない場合、例えば「複数の製造番号が一致していません」といった製品識別情報が同一でない旨のエラー情報を作成する(ステップS912)。その後、上述したステップS906〜S908のフローを利用して、エラー表示領域D33に作成したエラー情報を表示し、音声出力器117からブザー音を音声出力するとともに、制御盤に対してライン停止信号を出力して、再び図15のステップS404〜S408と同様の処理を行って複数箇所の製造番号を取得する処理を行う。
【0093】
このように、ステップS910〜S912,S906〜S908の処理は、製品に付された複数箇所の製品識別情報を取得し、取得した複数箇所の製品識別情報が同一でないときに製品識別情報が同一でない旨を外部に出力する。その結果、同一の情報とされた製品識別情報を製品の複数箇所に付す場合に、製品識別情報の不一致を把握するのが容易となるので、より確実に製品の発送を管理することが可能となる。
【0094】
(9)第六の実施形態:なお、遊技機全体や遊技板の発送を管理する際、遊技板に貼付される証紙に印字された製造番号のみに基づいて発送を管理してもよいことは言うまでもない。例えば、第一の実施形態と同じCCD撮像機を使用して製造番号を取得する場合、ROM83や基板ボックス82に貼付された証紙P12,P13のロット製造番号や部品製造番号を撮像するCCD撮像機132,133を使用せずに発送の管理を行うことができる。図28は、第六の実施形態にかかる発送管理システムが行うライン管理処理の一部をフローチャートにより示している。なお、図は第一の実施形態において図15と図16で示したライン管理処理の代わりに行われるものであり、これらの図と同様の処理が行われる箇所については同じ符号を付している。
【0095】
まず、図15のステップS402〜S406と同様の処理を行ってCCD撮像機131から証紙P11に印字された製造番号の画像データのみを入手し、入手した画像データに対してパターン・マッチング法等により文字認識を実行し、文字データに置き換える。次に、置き換えられた文字データから、証紙P11に印字された製造番号のみを取得し、ディスプレイ116に表示する(ステップS1002)。ステップS410では、取得した製造番号が所定のフォーマットであるかどうかを判断する。条件成立の場合、製造番号等が対応しているかどうかを判断する必要がないので、ステップS422に進む。一方、所定のフォーマットでないと判断したときには、製造番号を取得することができなかった旨のエラー情報を作成し(ステップS412)、ライン管理画面のエラー表示領域D33に作成したエラー情報を表示して、音声出力器117からブザー音を音声出力する(ステップS414)。そして、制御盤121,210に対してライン停止信号を出力し(ステップS416)、ステップS404に戻る。
【0096】
ステップS422では、取得した製造番号に対応する発送情報が発送情報記憶領域に記憶されているかどうかを判断する。図8の例では、製造番号として「010901001」が取得された場合、発送情報記憶領域には同製造番号等に対応する発送情報が格納されているので、対応する発送情報が記憶されていることになる。条件成立の場合、ステップS1004に進む。一方、取得した製造番号に対応する発送情報が記憶されていない場合には、発送情報が無い旨のエラー情報を作成し(ステップS424)、上述したステップS414〜S416のフローの処理を行い、ステップS404に戻る。
【0097】
ステップS1004では、製造番号のみが取得されていることから、同製造番号のみに対応した発送情報を発送情報記憶領域から取得する。その後、図示を省略しているが、図16のステップS434〜S440と同様の処理を行い、取得した発送情報を印刷機に対して出力し、ライン管理処理を継続する場合にはステップS404に戻るようになっている。このように、図28に示すフローにより、遊技板に貼付される証紙に印字された製造番号のみに基づいて遊技機全体や遊技板の発送を管理することができる。
【0098】
(10)第七の実施形態:また、遊技機全体や遊技板の生産の際、生産ラインの途中で基板ボックス内のROMのロット製造番号を決定して同ロット製造番号を証紙に印字し、同証紙を基板ボックス内のROMに貼付する場合もある。この場合、発送情報入力時にはROMのロット製造番号の入力を行わないことになる。そして、ROMに貼付される証紙からロット製造番号を取得して発送情報記憶領域に記憶させるようにしてもよい。すると、発送情報記憶領域を検索することにより、遊技機全体や遊技板をホールに納入した後にROMがすり替えられるといった不正が行われたかどうかが容易に判明可能となり、不正対策に役立てることが可能となる。図29は、第七の実施形態にかかる発送管理システムにおいて、発送情報記憶領域に記憶される情報の構造の一例を模式的に示している。ここで、図の上段は発送情報が入力された時点での発送情報の構造を示しており、図の下段は基板ボックス内のROMのロット製造番号(ロット識別情報)が取得されたときの発送情報の構造を示している。図に示すように、発送情報が入力された時点では発送情報記憶領域にROMのロットの製造番号は格納されておらず、ROMのロット製造番号が取得された時点で同ロット製造番号が遊技板の製造番号(製品識別情報)と対応して発送情報記憶領域に記憶されるようになっている。なお、本実施形態にかかる発送管理システムのハードウェア構成は図7を採用しているため、説明を省略する。
【0099】
発送情報を入力する処理を行う際、ROMのロット製造番号の入力を受け付けない点を除いて、図14で示したフローにより発送情報入力処理を行うことができる。そこで、図14を用いて説明することにする。すなわち、上記ステップS205にて表示されるメニュー画面において「発送情報入力」が選択入力されると、発送情報入力画面をディスプレイ116に表示する(ステップS302)。この発送情報入力画面は、図10で示した画面中「製造番号(ROM)」に対応する入力欄D21が設けられていない点を除いて同図10で示した画面と同じである。次に、各入力欄にて、発送情報の操作入力を受け付ける(ステップS304)。このとき、ROMのロット製造番号の操作入力は受け付けないことになる。そして、発送情報の入力を終了するかどうかを判断する(ステップS306)。条件不成立の場合、継続して各入力欄への操作入力を受け付け、発送情報の入力を終了するかどうかを判断する。発送情報の入力を終了すると判断した場合、操作入力された製造番号と部品製造番号を含む発送情報が対応した情報となっているかどうかを判断する(ステップS308)。条件不成立の場合、再入力を促す旨を表示して(ステップS310)、再び入力欄にて発送情報の操作入力を受け付ける。対応した情報となっていると判断した場合、操作入力された発送情報を図29の上段に示すフォーマットで発送情報記憶領域に記憶させ(ステップS312)、フローを終了する。
【0100】
図30は、第七の実施形態にかかる発送管理システムが行うライン管理処理の一部をフローチャートにより示している。なお、図は第一の実施形態において図15で示したライン管理処理の代わりに行われるものであり、これらの図と同様の処理が行われる箇所については同じ符号を付している。まず、図15のステップS402〜S410と同じ処理を行ってCCD撮像機から証紙に印字された遊技板の製造番号、基板ボックスの部品製造番号、ROMのロット製造番号を取得して表示し、これらの製造番号が所定のフォーマットであるかどうかを判断する。条件不成立の場合、図15のステップS412〜S416と同じ処理を行ってエラーを表示等するとともに制御盤に対してライン停止信号を出力し、ステップS404に戻る。条件成立の場合、ステップS418に進み、発送情報記憶領域を参照して、製造番号と部品製造番号とが対応しているかどうかを判断する。ここで、ROMのロット製造番号は発送情報記憶領域に記憶されていないので、ロット製造番号と他の製造番号とが対応しているかどうかの判断は行わない。ステップS418にて条件不成立の場合、図15のステップS420,S414〜S416と同じ処理を行ってエラーを表示等するとともに制御盤に対してライン停止信号を出力し、ステップS404に戻る。
【0101】
製造番号と部品製造番号とが対応している場合、ステップS1102に進み、取得したROMのロット製造番号を製品識別情報である遊技板の製造番号と対応させて発送情報記憶領域に記憶させる。すると、図29の下段に示すように、ROMのロット製造番号が遊技板の製造番号と対応して発送情報記憶領域に格納されることになる。その後、図示を省略しているが、図15のステップS422以降と同じ処理を行い、取得した発送情報を印刷機に対して出力する。そして、ライン管理処理を継続する場合にはステップS404に戻り、再び本フローを行うようになっている。このように、図30で示したステップS404〜S420,S1102の処理は、遊技機に関する製品から同製品を構成する部品に付されるとともに同部品のロットを識別するロット識別情報を取得し、取得したロット識別情報を製品識別情報と対応させて発送情報記憶領域に記憶させる意味での製品識別情報取得手段を構成する。
【0102】
発送情報記憶領域に記憶されたROMのロット製造番号は、図19で示した検索情報出力処理により遊技板の製造番号と対応させて検索することが可能である。すなわち、図12で示した検索内容入力画面を表示し(ステップS502)、複数の条件入力欄D41にて、製造番号とロット製造番号と部品製造番号を含む発送情報の検索内容の操作入力を受け付ける(ステップS504)。その後、操作入力された検索内容に基づいて発送情報を製造番号とロット製造番号と部品製造番号に対応させて抽出し(ステップS506)、抽出した情報を表示する(ステップS508)。すると、ROMのロット製造番号を遊技板の製造番号と対応させて表示することができる。また、ステップS510〜S514の処理により、ROMのロット製造番号を遊技板の製造番号と対応させて印刷させることもできる。その結果、例えば、遊技機全体や遊技板をホールに納入した後にROMがすり替えられるといった不正が行われたかどうかを調べる際、発送情報記憶領域を検索して遊技板の製造番号とROMのロット製造番号とが対応したリストを作成すると、同リストを参照することによりROMがすり替えられたことが容易に判明可能となる。
【0103】
なお、ROMのロット製造番号をハードディスク115に記憶させる際、図31に示すように、ROMのロット製造番号を含まない発送情報を用意するとともに、同発送情報とは別に遊技板の製造番号とROMのロット製造番号とを対応させてハードディスク115に記憶させるようにしてもよい。なお、図では、遊技板の製造番号とROMのロット製造番号とを対応させた情報をロット対応情報と記載している。この場合、発送情報が入力された時点では図の上段に示す発送情報が記憶され、図の下段に示すロット対応情報は記憶されていない。そして、ROMのロット製造番号が取得された時点で同ロット製造番号が遊技板の製造番号と対応してロット対応情報に格納されることになる。また、発送情報を検索する際には、図19で示した検索情報出力処理を実行して取得した発送情報に含まれる遊技板の製造番号に対応したROMのロット製造番号をハードディスク115から取得し、表示等すれば、ROMのロット製造番号を遊技板の製造番号と対応させたリストを外部に出力することができる。その結果、ROMがすり替えられるといった不正の対策に役立てることが可能となる。
【0104】
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により遊技機に関する製品の発送を管理する作業を軽減させることが可能な発送管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかる発送管理システムを採用した遊技機の生産ラインを示す概略ブロック図である。
【図2】遊技機を正面から見て示す正面図である。
【図3】図2の遊技機を背面から見て示す背面図である。
【図4】遊技機を生産する生産ラインの一部を模式的に示す側面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態にかかる発送管理システムを採用した遊技板の生産ラインを示す概略ブロック図である。
【図6】遊技板を生産する生産ラインの一部を模式的に示す側面図である。
【図7】第一の実施形態にかかる発送管理システムをコンピュータの内部構成とともに示す概略ブロック図である。
【図8】発送情報記憶領域に記憶されている情報の構造の一例を模式的に示す模式図である。
【図9】メニュー画面の表示例を示す図である。
【図10】発送情報入力画面の表示例を示す図である。
【図11】ライン管理画面の表示例を示す図である。
【図12】検索内容入力画面の表示例を示す図である。
【図13】コンピュータが行う処理の概略を示すフローチャートである。
【図14】発送情報入力処理を示すフローチャートである。
【図15】ライン管理処理を示すフローチャートである。
【図16】ライン管理処理を示すフローチャートである。
【図17】RAMに蓄積される発送情報の構造の一例を模式的に示す模式図である。
【図18】遊技機を包装するビニール袋に印刷された発送情報の一例を示す図である。
【図19】検索情報出力処理を示すフローチャートである。
【図20】第二の実施形態にかかる発送管理システムの一部を示す概略ブロック図である。
【図21】ライン管理処理の一部を示すフローチャートである。
【図22】第三の実施形態にかかる発送管理システムの一部を示す概略ブロック図である。
【図23】ライン管理処理の一部を示すフローチャートである。
【図24】第四の実施形態において、同一包装製品識別情報の構造の一例を模式的に示す模式図である。
【図25】発送情報入力処理の一部を示すフローチャートである。
【図26】ライン管理処理の一部を示すフローチャートである。
【図27】第五の実施形態にかかる発送管理システムが行うライン管理処理の一部を示すフローチャートである。
【図28】第六の実施形態にかかる発送管理システムが行うライン管理処理の一部を示すフローチャートである。
【図29】第七の実施形態にかかる発送管理システムにおいて発送情報記憶領域に記憶される情報の構造の一例を模式的に示す模式図である。
【図30】第七の実施形態にかかる発送管理システムが行うライン管理処理の一部を示すフローチャートである。
【図31】変形例にかかる発送管理システムにおいてハードディスクに記憶される情報の構造の一例を模式的に示す模式図である。
【符号の説明】
【0106】
30…遊技板
82…基板ボックス
83…ROM
84…メイン基板
100…発送管理システム
110…コンピュータ
111…CPU
112…ROM
113…RAM
114…I/O回路
115…ハードディスク
116…ディスプレイ
117…音声出力器
118…キーボード
119…プリンタインターフェイス
119a…インクジェットプリンタ
121,122…制御盤
131〜133…CCD撮像機
140…袋詰め機
151,152,170…ベルトコンベア
160…昇降リフト
180…印刷機
210…制御盤
220…昇降リフト
231〜233…CCD撮像機
241,251,252…ベルトコンベア
250…段ボール製函機
260…印刷機
311…USBインターフェイス
312…HUB
331〜333…バーコードリーダ
431〜433…ICカードリーダ
P1…遊技機
P2…遊技板
P3…段ボール
P11〜P13…証紙
P111〜P113…バーコード
P211〜P213…ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に関する製品に付されるとともに同製品を識別する製品識別情報と、
同製品の発送を管理する発送情報とを対応させて記憶した発送情報記憶領域と、
上記製品から同製品に付された製品識別情報を取得する製品識別情報取得手段と、
この製品識別情報取得手段にて取得された製品識別情報に対応した上記発送情報を上記発送情報記憶領域から取得する発送情報取得手段と、
この発送情報取得手段にて取得された発送情報を上記製品の包装に記録する発送情報記録手段とを具備することを特徴とする発送管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−200525(P2008−200525A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127046(P2008−127046)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【分割の表示】特願2001−297852(P2001−297852)の分割
【原出願日】平成13年9月27日(2001.9.27)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】