説明

遊技機

【課題】前扉等の取付作業を効率的に行い得る遊技機を提供する。
【解決手段】前扉6が上下一対の軸支部9a,9bを介して脱着可能に枢支されている遊技機1に対して、固定側下部軸支片23の、略水平板状の連結板部46の上面に枢軸47を配設するとともに、該連結板部46の上面に鏡面部Mを設けた。かかる構成によれば、前扉6の下側の軸支部9bを連結する際に、作業者は、鏡面部Mに映った回動側下部軸支片22により、枢軸47と軸孔38の位置関係を視認でき、下側の軸支部9bの連結を短時間で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前扉が上下一対の軸支部によって遊技機本体に脱着可能に枢支された遊技機、及び遊技機本体が上下一対の軸支部によって外枠に脱着可能に枢支された遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ機は、遊技島に固設される外枠を備え、該外枠に遊技機本体が枢支される。また、パチンコ機の遊技機本体の前面側には、前扉が片開き可能に枢支されており、パチンコ機のメンテナンスの際には前扉を開放させることにより、機体内部を露出させ得るようにしている。
【0003】
通常、こうしたパチンコ機では、遊技機本体や前扉は、上下一対の軸支部を介して枢支されており、必要に応じて脱着できるようになっている。例えば、特許文献1に記載のパチンコ機では、前扉を枢支する上側の軸支部が、遊技機本体の左上部の固定側上部軸支片と、該固定側上部軸支片に水平回動自在に保持される、前扉の左上部の回動側下部枢軸とからなり、また、下側の軸支部が、遊技機本体の左下部の固定側下部軸支片と、該固定側下部軸支片に水平回動自在に保持される、前扉の左下部の回動側下部軸支片とからなる。かかる構成では、各軸支部は、一方の軸支片に設けられた枢軸と他方の軸支片に設けられた軸孔との嵌合によって連結している。
【0004】
ここで、上記特許文献1のパチンコ機では、上側の軸支部の枢軸は押下げ操作可能となっており、必要に応じて該枢軸を押し下げることによって、下側の軸支部が連結した状態で上側の軸支部を脱着できるようになっている。このため、かかるパチンコ機にあっては、前扉を遊技機本体に取り付ける際は、予め前扉を持ち上げて遊技機本体の前方に位置させた後、最初に回動側下部軸支片と固定側下部軸支片の枢軸と軸孔を嵌合させることにより下側の軸支部を連結させ、しかる後に、上側の軸支部の枢軸を押し下げることによって上側の軸支部を連結させる。
【0005】
このように、一般的なパチンコ機においては、多少の構成の違いはあるものの、前扉を遊技機本体に取り付ける際に、前扉を持ち上げて、上下の軸支部のうち、まず所定の一方の軸支部を連結し、その後に他方の軸支部を連結するようになっている。また、遊技機本体を外枠に枢支する軸支部に関しても、前扉を枢支する軸支部と同様の構成となっており、遊技機本体は前扉と同様の手順で外枠に取り付けられる。
【0006】
【特許文献1】特開2000−271320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、従来のパチンコ機では、前扉や遊技機本体を取り付ける際に、作業者が前扉や遊技機本体を持ち上げて軸支部を連結させるのであるが、この時、作業者の視点は持ち上げている前扉等の高さ位置にあるため、作業者からは前扉等に配設されている軸支片が死角となり易く、作業者が枢軸と軸孔との位置関係をなかなか把握できず、軸支部の連結に時間を要することが多い。上述したように、かかる取付作業では、最初の軸支部を連結するまで作業者は重い前扉や遊技機本体を持ち上げ続けなければならないため、このような取付作業は作業者にとって負担の大きいものとなっている。
【0008】
本発明はかかる現状を鑑みてなされたものであり、前扉や遊技機本体等を枢支する軸支部の連結を効率的に行うことができるパチンコ機の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、遊技機本体の前面部に上下一対の軸支部を介して脱着可能に枢支される前扉を備える遊技機において、下側の軸支部は、前扉の下端部に配設される回動側下部軸支片と、遊技機本体の前面部に配設されて回動側下部軸支片を水平回動自在に且つ脱着可能に下方から保持する固定側下部軸支片とで構成され、かつ一方の軸支片に軸孔が設けられ、他方の軸支片に該軸孔と嵌合する枢軸が配設されたものであり、固定側下部軸支片は、上面に枢軸又は軸孔が設けられた略水平板状の連結板部を備え、且つ連結板部の上面に鏡面部を備えることを特徴とする遊技機である。
【0010】
かかる構成では、前扉を持ち上げて回動側下部軸支片を固定側下部軸支片の上方に移動させた時に、前扉の高さにある作業者の視点から、死角となっている回動側下部軸支片の底部を固定側下部軸支片の鏡面部を介して視認することが可能となる。したがって、かかる構成によれば、前扉の取付作業において下側の軸支部を連結させる際に、作業者は、鏡面部を介して枢軸と軸孔の位置関係を把握することができ、枢軸と軸孔を短時間で嵌合させることが可能となる。
【0011】
また、前扉の取付けの際に、上側の軸支部を先に連結させる遊技機にあっては、上側の軸支部は、前扉の上端部に配設される回動側上部軸支片と、遊技機本体の前面部に配設されて回動側上部軸支片を水平回動自在に且つ脱着可能に上方から保持する固定側上部軸支片とで構成され、かつ一方の軸支片に軸孔が設けられ、他方の軸支片に該軸孔と嵌合する枢軸が配設されたものであり、固定側上部軸支片は、底面に枢軸又は軸孔が設けられた略水平板状の連結板部を備え、且つ連結板部の底面に鏡面部を備える構成が提案される。
【0012】
すなわち、かかる構成にあっては、前扉を持ち上げて回動側上部軸支片を固定側上部軸支片の下方に移動させた時に、前扉の高さにある作業者の視点から、固定側上部軸支片の鏡面部を介して死角となっている回動側上部軸支片の上部を視認することが可能となり、作業者は、鏡面部を介して枢軸と軸孔の位置関係を確認することによって、上側の軸支部を速やかに連結可能となる。
【0013】
また、本発明は、前扉を枢支する軸支部に限らず、遊技機本体を枢支する軸支部にも適用可能である。すなわち、本発明の別の態様は、遊技島に固設される外枠と、該外枠に上下一対の軸支部を介して脱着可能に枢支される遊技機本体とを備える遊技機において、下側の軸支部は、遊技機本体の下端部に配設される回動側下部軸支片と、外枠に配設されて回動側下部軸支片を水平回動自在に且つ脱着可能に下方から保持する固定側下部軸支片とで構成され、かつ一方の軸支片に軸孔が設けられ、他方の軸支片に該軸孔と嵌合する枢軸が配設されたものであり、固定側下部軸支片は、上面に枢軸又は軸孔が設けられた略水平板状の連結板部を備え、且つ連結板部の上面に鏡面部を備えることを特徴とする遊技機であり、また、上側の軸支部は、遊技機本体の上端部に配設される回動側上部軸支片と、外枠に配設されて回動側上部軸支片を水平回動自在に且つ脱着可能に上方から保持する固定側上部軸支片とで構成され、かつ一方の軸支片に軸孔が設けられ、他方の軸支片に該軸孔と嵌合する枢軸が配設されたものであり、固定側上部軸支片は、底面に枢軸又は軸孔が設けられた略水平板状の連結板部を備え、且つ連結板部の底面に鏡面部を備えることを特徴とする遊技機である。かかる構成によれば、遊技機本体の取付け作業の際に、軸支部をスピーディに連結可能となり、作業を効率的に行うことができる。
【0014】
ここで、本発明に係る遊技機は、パチンコ機に限らず、同様の軸支部を備えるスロットマシン等の遊技機を含むのである。本発明に係る「前扉」とは、遊技機がパチンコ機である場合には遊技盤の前面を覆うように枢支される扉状部材がこれに該当し、スロットマシンの場合にはリールの前面を覆うように枢支される扉状部材がこれに該当する。また、本発明に係る「遊技機本体」とは、遊技機の主体となる部分であり、遊技機がパチンコ機である場合には遊技盤を備えるものがこれに該当し、スロットマシンの場合にはリールを備えるものがこれに該当する。
【0015】
また、固定側下部軸支片に鏡面部を設ける構成にあっては、鏡面部が回動側下部軸支片と当接しない位置に配設されている構成が提案される。かかる構成では、回動側下部軸支片が回動する時に回動側下部軸支片と鏡面部が擦れず、鏡面部が傷つき難い。具体的には、回動側下部軸支片を連結板部の上面と間隔をあけて保持するようにすれば、回動側下部軸支片が鏡面部と当接しない。また、回動側下部軸支片を連結板部の上面で支持する構成であっても、連結板部の上面の、鏡面部が設けられた部分を窪ませるようにすれば、鏡面部を回動側下部軸支片と当接しない位置に設けることができる。
【0016】
また、固定側下部軸支片に鏡面部を設ける構成にあっては、固定側下部軸支片は、固定側下部軸支片の上方又は前記鏡面部へ周囲光を反射させる反射板部を備える構成も提案される。すなわち、かかる構成によれば、回動側下部軸支片を固定側下部軸支片の上方に移動させた時に、反射板部で反射した周囲光、又は、反射板部で反射した後さらに鏡面部で反射した周囲光によって、回動側下部軸支片の底部を照らすことが可能となる。なお、反射板部は、鏡面体に限らず、適度に周囲光を反射するものであればよい。
【0017】
また、通常、前扉や遊技機本体を取り付ける際には、前扉や遊技機本体を持っている作業者の視点は固定側下部軸支片の上方前寄り位置となる。このため、かかる作業者の視点から鏡面部を介して固定側下部軸支片の上方を容易に視認できるようにするために、固定側下部軸支片に鏡面部を設ける構成にあっては、前記鏡面部が前方に下り傾斜している構成が提案される。
【0018】
また、前記鏡面部が断面円弧状をなす凸形状である構成も提案される。かかる構成によれば、鏡面部が凸面鏡となるため、作業者は鏡面部を介して広範囲を視認可能となる。
【0019】
また、前記鏡面部が透明な保護部材により覆われている構成も提案される。ここで、保護部材は透明樹脂等からなる板状部材や膜状部材によって構成され得るものであり、鏡面部を覆うように載置されるものであってもよいし、鏡面部にコーティングされるものでもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明は、前扉や遊技機本体が上下一対の軸支部を介して脱着可能に枢支されている遊技機にあって、固定側下部軸支片の連結板部の上面や、固定側上部軸支片の連結板部の底面に鏡面部を設けたものであるから、前扉や遊技機本体を取り付ける際に、作業者は、鏡面部を介して枢軸と軸孔の位置関係を視認することができ、軸支部の連結を短時間で行うことが可能となる。したがって、本発明によれば、かかる取付作業において、作業者は、前扉や遊技機本体を持ち上げている時間を従来よりも短縮することができ、作業の負担を軽減できる。
【0021】
また、固定側下部軸支片に鏡面部を設ける構成にあって、鏡面部が回動側下部軸支片と当接しない位置に配設した場合には、回動側下部軸支片の回動によって鏡面部が傷つき難い。
【0022】
また、固定側下部軸支片に、固定側下部軸支片の上方又は鏡面部へ周囲光を反射させる反射板部を配設した場合には、下側の軸支部を連結する際に、回動側下部軸支片の底部が照らされて、鏡面部を介して回動側下部軸支片を明瞭に視認可能となるため、作業性を向上させることができる。
【0023】
また、鏡面部を前方に下り傾斜させた場合には、取付作業の際に、作業者が無理に視点を動かすことなく、通常の視点から鏡面部を介して適切な領域を視認することができる。
【0024】
また、鏡面部を断面円弧状の凸形状にした場合には、嵌合すべき枢軸と軸孔が大きく離れている場合でも、作業者が鏡面部を介してそれらの位置関係を把握することが可能となり、作業効率を一層向上させることができる。
【0025】
また、鏡面部を透明な保護部材によって覆った場合には、鏡面部の損傷や劣化、汚れ等を防ぐことができ、長期間、鏡面部を良好な状態に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施形態を以下の実施例に従って説明する。
【0027】
<第一実施例>
本実施例は、本発明をパチンコ機に適用したものであり、具体的には、前扉を枢支するための上下一対の軸支部のうち、下側の軸支部に鏡面部を設けたものである。
【0028】
本実施例におけるパチンコ機1は、図1,2に示されるように、遊技島(図示省略)に起立状に固設される木製で長方形状の外枠2と、この外枠2の前面開口部分を覆うように枢支される遊技機本体3とを備えてなる。また、遊技機本体3の前面部には前扉6が枢支される。
【0029】
遊技機本体3は、略矩形状のアルミ製枠体からなる内枠4を主体とするものであり、外枠2と内枠4とに配設された上下一対の内枠軸支部8(8a,8b)によって外枠2の左側縁に脱着可能に枢支される。
【0030】
内枠4の中央には、ほぼ正方形状の遊技盤収容開口18(図4参照)が開口している。この遊技盤収容開口18には、ほぼ正方形状の遊技盤12が装着される。なお、この遊技盤12の盤面には、遊技釘、図柄表示装置、及び遊技盤面部品等(図示省略)が配設された遊技領域が形成される。
【0031】
また、内枠4の前面下部には、遊技球を貯留可能な下皿部材11が設けられている。この下皿部材11は、後述する上皿部材10から溢れた遊技球が流入するとともに、その底部に形成された下皿球抜口17から遊技球を下方へ排出可能としている。
【0032】
さらに、下皿部材11の右隣には、発射ハンドル13が設けられている。この発射ハンドル13には発射レバー14が回動可能に配設されており、遊技者がこの発射レバー14を回動操作することにより、遊技球が遊技領域へ打ち出される構成となっている。
【0033】
また、遊技機本体3は、上記構成のほか、内枠4の背面側に配設される裏機構板7も備えている。この裏機構板7には、例えば、遊技全般を制御する主制御基板と、賞球又は貸球の払出全般を制御する払出制御基板と、発射用駆動ソレノイドを駆動制御する発射制御基板と、各種制御基板へ駆動用電力を外部から分配供給する電源基板とが設けられている。また、前記遊技盤12の裏面側には、図柄表示装置、音声出力装置、装飾用発光装置の出力を制御する演出制御基板が設けられている。
【0034】
また、遊技機本体3の前面部に枢支される前扉6は、図1,2に示すように、合成樹脂製の方形状板体であり、上下一対の前扉軸支部9(9a,9b)を介して遊技機本体3の左側縁に脱着可能に枢支されている。前扉6は、図1に示すように、通常は内枠4の右縁に配設される係止具24によって遊技盤12の前面を覆う状態で係止されており、係止具24との係合を解除すると、図2に示すように、その左端縁を中心に前方回動可能となる。
【0035】
また、前扉6の中央には、ほぼ円形の開口部15が形成されている。この円形の開口部15には、二枚の透明樹脂板で構成される透明板ユニット19が背面側から装着されており、この透明板ユニット19を介して、遊技者は前記遊技盤12の遊技領域を視認することができる。
【0036】
また、前扉6の前面であって開口部15の周囲には、装飾カバー部材16が固定されている。そして、この装飾カバー部材16の前面下部に、裏機構板の払出装置から払い出された遊技球が流入する上皿部材10が形成されている。
【0037】
次に、前扉軸支部9の構成について説明する。
前扉軸支部9は、図3,4に示すように、前扉6の上端部を軸支する上側の上部前扉軸支部9aと、前扉6の下端部を軸支する下側の下部前扉軸支部9bとからなる。後述するように、本実施例では、上部前扉軸支部9aは下部前扉軸支部9bの連結状態で脱着可能となっており、前扉6を取り付ける際には、まず下部前扉軸支部9bを連結し、その後に、上部前扉軸支部9aを連結するようになっている。
【0038】
上部前扉軸支部9aは、図3,4に示すように、前扉6の左側縁に配設される金属製補強板部材25の前面上端部に固定される回動側上部軸支片20と、内枠4の前面左上部に配設される固定側上部軸支片21とで構成される。
【0039】
回動側上部軸支片20は、図4に示すように、前扉6の金属製補強板部材25の上端前面に螺着される断面略コ字状の枢軸保持体27を主体とする。該枢軸保持体27の前部には、鉛直方向の枢軸保持孔31が貫設されており、該枢軸保持孔31には金属製の枢軸28が昇降自在に保持される。枢軸28と枢軸保持体27の間にはコイルバネ29が配設されており、これにより枢軸28は枢軸保持体27の上方に突出するよう付勢される。また、枢軸28には、作業者が、コイルバネ29の付勢力に抗して枢軸28を下方移動させるための操作レバー30が連結されている。
【0040】
固定側上部軸支片21は金属板片からなるものであり、内枠4の左上角部に螺着されて前方に突出し、その先端部には鉛直方向の軸孔34が貫設されている。この軸孔34は、前記回動側上部軸支片20の枢軸28が嵌入可能な孔径に設定されており、枢軸28を軸孔34に嵌入させることによって、回動側上部軸支片20が固定側上部軸支片21に水平回動自在に保持される。
【0041】
一方、下部前扉軸支部9bは、図4に示すように、前扉6の左側縁に配設される金属製補強板部材25の前面下端部に固定される回動側下部軸支片22と、内枠4の前面左下部に配設される固定側下部軸支片23とで構成される。
【0042】
回動側下部軸支片22は、折曲げ加工された金属板片であり、図4,5に示すように、軸孔38が貫設される水平板状の連結板部37と、該連結板部37の一側縁に立設され、金属製補強板部材25に螺着される垂直板状の取付部36と、連結板部37の他側縁から下方に延出し、固定側下部軸支片23と当接することによって回動側下部軸支片22の回動範囲を規制する回動規制部39とで構成される。
【0043】
一方、固定側下部軸支片23は、鉛直上方に突出する枢軸47を備えるものであり、該枢軸47に、回動側下部軸支片22の軸孔38を上方から外嵌させることによって、回動側下部軸支片22が固定側下部軸支片23に水平回動自在に保持される。固定側下部軸支片23の構造は本発明の要部に係るため、詳細は後述する。
【0044】
次に前扉6を脱着する基本的な手順を説明する。
前扉6を遊技機本体3から取り外す際には、先に上部前扉軸支部9aの連結を解除して、その後に下部前扉軸支部9bの連結を解除する。すなわち、図2〜4に示すように、まず、前扉6を開放した状態で、操作レバー30の操作により回動側上部軸支片20の枢軸28を押し下げ、枢軸28を軸孔34から抜き取ることによって回動側上部軸支片20と固定側上部軸支片21の連結を解除して、前扉6の上部を前方に傾けるように引き出す。続いて、前扉6を持ち上げることによって、回動側下部軸支片22の軸孔38を固定側下部軸支片23の枢軸47から取り外し、回動側下部軸支片22と固定側下部軸支片23の連結を解除する。
【0045】
取り外した前扉6を遊技機本体3に取り付ける際には、取外作業とは逆に、先に下部前扉軸支部9bを連結し、その後に上部前扉軸支部9aを連結する。すなわち、図2〜4に示すように、まず、前扉6を持ち上げて、固定側下部軸支片23の枢軸47に、回動側下部軸支片22の軸孔38を上方から嵌合させ、下部前扉軸支部9bを連結させる。その後、操作レバー30の操作によって枢軸28を押し下げた状態で、回動側上部軸支片20を固定側上部軸支片21の下側に移動させ、枢軸28を固定側上部軸支片21の軸孔34に挿入することによって、上部前扉軸支部9aを連結させる。なお、前扉軸支部9a,9bの基本的な構成や脱着方法は、後述する本発明の要部を除き周知であるため詳細な説明は省略する。
【0046】
以下、本発明の要部に係る固定側下部軸支片23の構成について具体的に説明する。
【0047】
固定側下部軸支片23は、図5に示すように、上面前端部に枢軸47が突設された水平板状の連結板部46と、該連結板部46の後縁から下方に延出し、内枠4に螺着される取付部45と、連結板部46の後縁から上方に延出し、且つその前面に光を反射する反射面部Nが設けられた反射板部48とを備えてなる。
【0048】
固定側下部軸支片23は、図5〜7に示すように、金属板を折曲げ加工してなる支持板49を主体とする。この支持板49は、連結板部46を構成する水平壁部56と、取付部45を構成する垂直壁部55とからなる側面略L字状をなしている。
【0049】
支持板49の水平壁部56は、図6に示すように、金属板が前端部で折り返されて二枚重なった形状となっている。水平壁部56の上面前部には金属製の枢軸47が上方に突出するように固着される。また、水平壁部56の上面中央部には、上側の金属板のみを貫通するようにして五角形の収容凹部50が形成される。この収容凹部50には、鏡面体ケース52に収納された鏡面体53が鏡面部Mを上方に向けるようにして収容される。また、収容凹部50には、薄板状の透明保護部材54が鏡面体53の鏡面部Mを覆うようにして収容される。また、収容凹部50の後上縁には、収容凹部50に収容される鏡面体53等の取外しに用いる切欠部51が形成される。
【0050】
反射板部48は、図6に示すように、L字状に折曲げ加工されたアルミ板からなるものであり、前方に延出する部分を、水平壁部56の金属板間に後方から圧入することによって支持板49に固定される。反射板部48の前面には、鏡面加工が施された反射面部Nが設けられている。反射板部48は、この反射面部Nで反射された周囲光が固定側下部軸支片23の上方に向かい得るような位置、角度で設置される。この反射板部48は可塑性に富んだアルミ板であるから、周囲光の状況に応じてその角度を適宜調節することができる。なお、かかる反射板部48の反射面部Nは、純粋な鏡面体に限らず、適度に光を反射するものであればよい。また、反射板部48は、周囲光を固定側下部軸支片23の上方に直接反射する構成に限らず、周囲光を鏡面部Mへ反射して、反射した周囲光を、鏡面部Mを介して固定側下部軸支片23の上方へ反射させるものであってもよい。
【0051】
鏡面体53は、図6に示すように、片面に鏡面部Mを備える平板状のガラス鏡からなる。鏡面体ケース52は、鏡面体53を収納する形状をなし、且つ前記収容凹部50の下部に内嵌し得る形状をなす樹脂製の薄型箱体であり、鏡面部Mを上側に向けた状態で鏡面体53を収納し、収容凹部50に収容される。ここで、図6,7に示すように、鏡面体ケース52の内底面は前方に下り傾斜しており、鏡面体53を傾いた姿勢で収納することによって、鏡面部Mが前方に下り傾斜するようになっている。
【0052】
透明保護部材54は、板状の透明樹脂からなるものであり、鏡面体53の鏡面部Mを覆うようにして収容凹部50に収容される。ここで、透明保護部材54の上面は、図7に示すように、水平壁部56の上面よりも低い位置に配設されており、連結板部46の上面は鏡面部Mが配設された部分で窪んでいる。
【0053】
本実施例の固定側下部軸支片23によれば、作業者が前扉6を持ち上げた状態では、図3に示すように、作業者の視点(前扉の高さ位置)からは、回動側下部軸支片22が前扉6の死角となるが、作業者が、前扉6を遊技機本体3に近づけて、回動側下部軸支片22を固定側下部軸支片23の上方に移動させれば、図8に示すように、作業者は、鏡面部Mを介して回動側下部軸支片22の軸孔38を視認することができる。このため、本実施例では、前扉6を取り付ける際に、作業者は、鏡面部Mに映った軸孔38’に基づいて、軸孔38と枢軸47の位置合せをすることが可能となる。また、この際に、反射面部Nで反射した周囲光によって回動側下部軸支片22の底面が照らされるため、作業者は鏡面部Mに映った軸孔38’を明瞭に視認できる。
【0054】
このように、本実施例では、前扉6を遊技機本体3に取り付ける際に、作業者は、鏡面部Mを介して回動側下部軸支片22を視認できるため、下部前扉軸支部9bの連結を短時間で行うことができ、前扉6の取付作業を効率的に行うことができる。
【0055】
特に、本実施例では、図9に示すように、連結板部46の上面は、鏡面部Mの部分において窪んでいるため、回動側下部軸支片22は鏡面部Mと当接せず、水平壁部56の上面で支持される。このため、本実施例では、前扉6を回動する時に回動側下部軸支片22と鏡面部Mが擦れ合うことがなく、鏡面部Mが傷つき難いという利点がある。
【0056】
また、鏡面部Mは、透明保護部材54によって覆われているため、回動側下部軸支片22以外の要因によっても鏡面部Mが傷つき難く、また、鏡面部Mに塵埃が付着するのも防止できる。なお、本実施例では、鏡面体ケース52、鏡面体53及び透明保護部材54を、収容凹部50に別々に隙間なく収容しているが、これに限らず、鏡面体ケース52、鏡面体53及び透明保護部材54をユニット化して収容凹部50に収容することもできる。かかる構成とした場合には、鏡面体53の脱着が容易となる。
【0057】
また、固定側下部軸支片23は、周囲光を固定側下部軸支片23の上方へ反射する反射板部48を備えているため、下部前扉軸支部9bを連結する際に回動側下部軸支片22の底部が照らされることとなり、作業者は鏡面部Mに映った軸孔38を明瞭に視認することができる。
【0058】
また、本実施例では、図9に示すように、鏡面部Mが前方に向かって下り傾斜しており、前扉6を取り付ける際に、作業者の通常の視点(固定側下部軸支片の上方前寄り位置)から鏡面部を介して固定側下部軸支片の上方を視認し易いようになっている。このため、作業者は、下部前扉軸支部9bを連結する際に、無理な姿勢をとることなく、鏡面部Mを介して回動側下部軸支片22を視認できる。
【0059】
<第二実施例>
第二実施例に係る固定側下部軸支片23aは、鏡面部Maが断面円弧状の凸形状をなしていることを特徴とする。なお、本実施例は、上記第一実施例と固定側下部軸支片の構成のみ異なるものである。また、第一実施例と同じ構成の部分は図中で符号を一致させて説明を省略する。
【0060】
具体的には、図10〜12に示すように、本実施例に係る支持板49aは、第一実施例と略同形状をなしているが、連結板部46aを構成する水平壁部56aの上面には円形の収容凹部50aが形成されており、該収容凹部50aに上面に鏡面部Maを備える円板状の鏡面体53aが収容される。この鏡面体53aは、図12に示すように、鏡面部Maが断面円弧状の凸形状をなす凸面鏡であり、また、該鏡面部Maは前方に向けて緩やかに下り傾斜している。また、鏡面体53aの鏡面部Maは、鏡面部Maの形状に合わせた透明樹脂製の透明保護部材54aによって覆われている。
【0061】
かかる構成では、鏡面部Maが凸形状であるため、鏡面部Maによって、連結板部46aの上方の広い範囲を視認できるため、前扉6を取り付ける際に、回動側下部軸支片22が比較的離れた位置にあっても、鏡面部Maの鏡像に基づいて回動側下部軸支片22を固定側下部軸支片23aの上方へ適切に案内できる。
【0062】
<第三実施例>
第三実施例に係る固定側下部軸支片23bは、鏡面部を構成する鏡面体としてアルミ板の表面を鏡面加工したものを用いたことを特徴とする。なお、本実施例は、上記第一実施例と固定側下部軸支片の構成のみ異なるものである。また、第一実施例と同じ構成の部分は図中で符号を一致させて説明を省略する。
【0063】
具体的には、図13〜15に示すように、本実施例にあっては、連結板部46bに配設される鏡面体53bが、五角形のアルミ製薄板によって構成される。この鏡面体53bの中央部には、上方に向けて断面円弧状に膨出する膨出部が設けられており、この膨出部の上面に、鏡面加工による鏡面部Mbが設けられている。この鏡面体53bは、第一実施例と同じ鏡面体ケース52に収納されて、支持板49の収容凹部50に収容される。また、鏡面部Mbは、鏡面体53bの上面形状に合わせた透明保護部材54bによって覆われている。
【0064】
このように、本実施例では、鏡面加工した金属を鏡面体として用いているため、第一実施例に比べて、鏡面体が破損し難く、且つ、鏡面体を軽量化できるという利点があり、パチンコ機の製造時などに鏡面体を容易に取り扱うことができる。
【0065】
<第四実施例>
第四実施例に係る固定側下部軸支片23cは、鏡面部を構成する鏡面体が支持板の上面に直接配設されることを特徴とする。なお、本実施例は、上記第一実施例と固定側下部軸支片の構成のみ異なるものである。また、第一実施例と同じ構成の部分は図中で符号を一致させて説明を省略する。
【0066】
具体的には、図16〜18に示すように、本実施例に係る支持板49cは、第一実施例と略同形状であるが、連結板部46cを構成する水平壁部56cの上面には収容凹部が形成されておらず、水平壁部56cの平滑な上面に鏡面体53cが直接貼付される。鏡面体53cは、ガラス鏡からなるものであり、その鏡面部Mcは前方に向かって下り傾斜している。
【0067】
また、本実施例では、枢軸47cの根元部分に、回動側下部軸支片22の軸孔38よりも太径となる支持段部58が形成されており、図18に示すように、軸孔38を枢軸47cと嵌合させた時に、回動側下部軸支片22が支持板49cの上面と当接せず、該支持段部58の上面によって支持されるようになっている。このため、本実施例では、鏡面体53cを水平壁部56cの上面に盛り上がるように配設しても、鏡面部Mcと回動側下部軸支片22が当接するのを防ぐことができる。
【0068】
このように、回動側下部軸支片22を連結板部46cの上方で支持するようにした構成にあっては、支持板49cの平滑な上面に直接鏡面体53cを貼付することができ、鏡面部Mcを簡単に配設できる。なお、本実施例のように、回動側下部軸支片を枢軸部分のみで支持する構成は、遊技機本体のように比較的重量の重いものを支持するには不適当であるが、通常の前扉の重さを支持するのであれば問題ない。
【0069】
<第五実施例>
第五実施例に係る固定側下部軸支片23dは、鏡面部を構成する鏡面体を、枢軸を中心に回動可能としたことを特徴とする。なお、本実施例は、上記第四実施例と固定側下部軸支片の構成のみ異なるものである。また、第四実施例と同じ構成の部分は図中で符号を一致させて説明を省略する。
【0070】
具体的には、図19(a),(b)に示すように、本実施例に係る連結板部46dは、第四実施例と同形状の支持板49cと、アルミ製薄板の上面全体に鏡面部Mdを配設してなる鏡面体53dとで構成される。この鏡面体53dは、その一側部に形成された切欠凹部60を枢軸47cの支持段部58に外嵌することによって、水平壁部56cの上で枢軸47cを中心に水平回動可能に保持されている。ここで、切欠凹部60の開放端部分は、支持段部58の径より僅かに狭幅に設定されており、図20に示すように、開放端部分を弾性変形させることによって水平方向から鏡面体53bを支持段部58に脱着できるようになっている。
【0071】
かかる構成によれば、前扉6の取付作業の際に、鏡面体53dを回動させて適当な位置に鏡面部Mdを移動させることで、回動側下部軸支片22の軸孔38を鏡面部Mdに適切に映し出すことができ、取付作業をより簡単に行うことができる。また、本実施例では、鏡面部Mdが枢軸47cの周囲にまで形成されているため、枢軸47cのすぐ近くで軸孔38を確認することができる。また、鏡面体53dが脱着可能であるため、前扉6を取り付けた後で、鏡面体53cを取り外しておくこともできる。
【0072】
<第六実施例>
第六実施例に係る固定側下部軸支片23eは、支持板49eの表面に鏡面部Meが直接設けられていることを特徴とする。第四実施例の固定側下部軸支片23cを変更したものであり、なお、本実施例は、上記第四実施例と固定側下部軸支片の構成のみ異なるものである。また、第四実施例と同じ構成の部分は図中で符号を一致させて説明を省略する。
【0073】
具体的には、図21,22に示すように、本実施例に係る支持板49eは、連結板部46eを構成する水平壁部56eの上面中央部が、上方に膨らむように成形されており、該膨出部の表面に直接鏡面加工がなされることによって鏡面部Meが配設される。かかる構成によれば、支持板に別途鏡面体を配設することを要しないため、部品点数を削減することができる。
【0074】
<第七実施例>
第七実施例に係る固定側下部軸支片23fは、第六実施例から鏡面部の形状を変更したものである。なお、本実施例は、上記第六実施例と固定側下部軸支片の構成のみ異なるものである。また、第六実施例と同じ構成の部分は図中で符号を一致させて説明を省略する。
【0075】
具体的には、図23,24に示すように、本実施例にかかる支持板49fは、第六実施例同様に、連結板部46fを構成する水平壁部56fの上面中央部が、上方に膨らむように成形され、該膨出部分に鏡面部Mfが配設されている。ここで、本実施例では、鏡面部Mfが断面円弧状をなす凸形状となっている。このため、本実施例では、第六実施例に比べて鏡面部Mfにより広い範囲を映すことができる。
【0076】
<第八実施例>
第八実施例は、第一実施例のパチンコ機1にあって、遊技機本体3を枢支する内枠軸支部8に本発明を適用したものである。なお、パチンコ機1の基本的構成は、第一実施例と同じであるため、符号を共通させて説明を省略する。
【0077】
内枠軸支部8は、図25に示すように、内枠4の上端部を軸支する上部内枠軸支部8aと、内枠4の下端部を軸支する下部内枠軸支部8bとからなる。
【0078】
上部内枠軸支部8aは、図25に示すように、水平板状の連結板部74の底面に下方に突出する枢軸75を備えてなり、外枠2の左上部に配設される固定側上部軸支片71と、内枠4の左上側縁に配設されて固定側上部軸支片71の枢軸75と嵌合することにより水平回動自在に保持される回動側上部軸支片70とで構成される。
【0079】
一方、下部内枠軸支部8bは、図25に示すように、水平板状の連結板部77の上面に上方に突出する枢軸76を備えてなり、外枠2の左下部に配設される固定側下部軸支片72と、内枠4の左下側縁に配設されて固定側下部軸支片72の枢軸76と嵌合することにより水平回動自在に保持される金属製の回動側下部軸支片(図示省略)とで構成される。
【0080】
ここで、本実施例では、上部内枠軸支部8aは下部内枠軸支部8bの連結状態で脱着可能となっており、遊技機本体3を外枠から取り外す際には、作業者は、まず、遊技機本体3を開放した状態で上部内枠軸支部8aの連結を解除して、遊技機本体3を前方に傾け、その後に、遊技機本体3を持ち上げることによって、下部内枠軸支部8bの連結を解除して、外枠2から遊技機本体3が分離させる。一方、取り外した遊技機本体3を外枠2に装着する際には、取外作業とは逆に、まず、遊技機本体3を持ち上げて、下部内枠軸支部8bを連結させ、その後に上部内枠軸支部8aを連結させる。なお、以上に述べた内枠軸支部8a,8bの基本的な構成や脱着方法は周知であるため詳細な説明は省略する。
【0081】
ここで、本実施例では、図26に示すように、固定側下部軸支片72の連結板部77の上面に鏡面部Mgが配設される。この鏡面部Mgは、連結板部77の上面を鏡面加工することによって枢軸76の後方に設けられている。
【0082】
かかる構成によれば、作業者が遊技機本体3を持ち上げた状態では、図25に示すように、作業者の視点(遊技機本体の高さ位置)から回動側下部軸支片が遊技機本体3の死角となるが、作業者が、遊技機本体3を外枠2に近づけて、回動側下部軸支片を固定側下部軸支片72の上方に移動させれば、作業者は、鏡面部Mgを介して回動側下部軸支片を視認することができる。したがって、本実施例によれば、上記実施例における前扉の取付作業時と同様に、遊技機本体3の取付作業の際に、作業者は、鏡面部Mgを介して軸孔と枢軸76の位置関係を把握することによって、下部内枠軸支部8bの連結を短時間で行うことができる。
【0083】
<第九実施例>
第九実施例は、前扉を枢支する上側の軸支部に鏡面部を配設したものである。なお、本実施例は、上記第一実施例と前扉軸支部の構成のみ異なるものである。また、第一実施例と同じ構成の部分は図中で符号を共通させて説明を省略する。
【0084】
本実施例の前扉軸支部は、図27に示すように、前扉6の上端部を軸支する上側の上部前扉軸支部9cと、前扉6の下端部を軸支する下側の下部前扉軸支部9dとからなる。
【0085】
上部内枠軸支部9cは、図27に示すように、上方に突出する枢軸79を備え前扉6の左上隅に固定される回動側上部軸支片20aと、内枠4の前面左上部に配設される固定側上部軸支片21aとで構成される。固定側上部軸支片21aは、鉛直方向の軸孔80が前部に設けられた水平板状の連結板部81を備えてなる金属板片であり、該軸孔80に、回動側上部軸支片20aの枢軸79を下方から嵌合させることによって、回動側上部軸支片20aが固定側上部軸支片21aに水平回動自在に保持される。一方、下部前扉軸支部9dは、前扉6の左下隅に配設される回動側下部軸支片(図示省略)と、上方に突出する枢軸82を備え内枠4の前面左下部に配設される固定側下部軸支片23gとで構成される。
【0086】
ここで、本実施例では、下部前扉軸支部9dは、上部前扉軸支部9cの連結状態で脱着可能となっており、前扉6を取り付ける際には、まず前扉6を持ち上げて上部前扉軸支部9cを連結し、その後に、下部前扉軸支部9dを連結するようになっている。なお、以上に述べた前扉軸支部9c,9dの基本的な構成や脱着方法は周知であるため詳細な説明は省略する。
【0087】
ここで、本実施例では、図27に示すように、固定側上部軸支片21aの連結板部81の底面に鏡面部Mhが配設される。この鏡面部Mhは、連結板部81の底面を鏡面加工することによって軸孔80の後方に設けられる。かかる構成によれば、作業者が前扉6を持ち上げた状態では、作業者の視点(前扉6の高さ位置)から回動側上部軸支片20aの枢軸79が死角となるが、作業者が、前扉6を遊技機本体3に近づけて、回動側上部軸支片20aを固定側上部軸支片21aの下方に移動させれば、作業者は、鏡面部Mhを介して枢軸79を視認することができる。したがって、本実施例によれば、作業者は、鏡面部Mhを介して上部前扉軸支部9cの軸孔と枢軸76の位置関係を把握することができ、上部前扉軸支部9cの連結を短時間で行うことができる。
【0088】
なお、第九実施例は、前扉を枢支する上側の軸支部に鏡面部を配設したものであるが、遊技機本体を枢支する上側の軸支部にも同様にして鏡面部を設けることができる。
【0089】
なお、本発明の遊技機は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上下の軸支部のうち鏡面部を配設しない側の構成は、実施例に限定されず適宜変更可能であり、また、鏡面部を配設する側の構成も、鏡面部を適切に配設し得る範囲内で変更可能できる。また、上記実施例は本発明をパチンコ機に適用したものであるが、上記実施例と同様にすることによって、前扉や遊技機本体を備えるスロットマシン等の遊技機にも本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】遊技機本体3を開放して示すパチンコ機1の斜視図である。
【図2】前扉6を開放して示すパチンコ機1の斜視図である。
【図3】前扉6と遊技機本体3とを分離して示すパチンコ機1の斜視図である。
【図4】前扉軸支部9a,9bを拡大して示す斜視図である。
【図5】回動側下部軸支片22と固定側下部軸支片23の斜視図である。
【図6】固定側下部軸支片23の分解斜視図である。
【図7】固定側下部軸支片23の縦断側面図である。
【図8】回動側下部軸支片22を連結する際の、回動側下部軸支片22と固定側下部軸支片23の斜視図である。
【図9】回動側下部軸支片22と固定側下部軸支片23の連結態様を示す縦断側面図である。
【図10】第二実施例に係る固定側下部軸支片23aの斜視図である。
【図11】第二実施例に係る固定側下部軸支片23aの分解斜視図である。
【図12】第二実施例に係る固定側下部軸支片23aの縦断側面図である。
【図13】第三実施例に係る固定側下部軸支片23bの斜視図である。
【図14】第三実施例に係る固定側下部軸支片23bの分解斜視図である。
【図15】第三実施例に係る固定側下部軸支片23bの縦断側面図である。
【図16】第四実施例に係る固定側下部軸支片23cの斜視図である。
【図17】第四実施例に係る固定側下部軸支片23cの分解斜視図である。
【図18】回動側下部軸支片22と固定側下部軸支片23cの連結態様を示す縦断側面図である。
【図19】第五実施例に係る固定側下部軸支片23dの斜視図である。
【図20】第五実施例に係る固定側下部軸支片23dの分解斜視図である。
【図21】第六実施例に係る固定側下部軸支片23eの斜視図である。
【図22】第六実施例に係る固定側下部軸支片23eの縦断側面図である。
【図23】第七実施例に係る固定側下部軸支片23fの斜視図である。
【図24】第七実施例に係る固定側下部軸支片23fの縦断側面図である。
【図25】外枠2と遊技機本体3とを分離して示すパチンコ機1の斜視図である。
【図26】固定側下部軸支片72の斜視図である。
【図27】第九実施例に係る前扉軸支部9c,9dを拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
1 パチンコ機(遊技機)
2 外枠
3 遊技機本体
4 内枠
6 前扉
8,8a,8b 内枠軸支部
9,9a〜9d 前扉軸支部
20,20a 回動側上部軸支片
21,21a 固定側上部軸支片
22 回動側下部軸支片
23,23a〜23g 固定側下部軸支片
38 軸孔
46,46a〜46f 連結板部
47,47c 枢軸
48 反射板部
53,53a〜53d
54,54a,54b 透明保護部材
71 固定側上部軸支片
72 固定側下部軸支片
76 枢軸
77 連結板部
80 軸孔
81 連結板部
M,Ma〜Mh 鏡面部
N 反射面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体の前面部に上下一対の軸支部を介して脱着可能に枢支される前扉を備える遊技機において、
下側の軸支部は、前扉の下端部に配設される回動側下部軸支片と、遊技機本体の前面部に配設されて回動側下部軸支片を水平回動自在に且つ脱着可能に下方から保持する固定側下部軸支片とで構成され、かつ一方の軸支片に軸孔が設けられ、他方の軸支片に該軸孔と嵌合する枢軸が配設されたものであり、
固定側下部軸支片は、上面に枢軸又は軸孔が設けられた略水平板状の連結板部を備え、且つ連結板部の上面に鏡面部を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技機本体の前面部に上下一対の軸支部を介して脱着可能に枢支される前扉を備える遊技機において、
上側の軸支部は、前扉の上端部に配設される回動側上部軸支片と、遊技機本体の前面部に配設されて回動側上部軸支片を水平回動自在に且つ脱着可能に上方から保持する固定側上部軸支片とで構成され、かつ一方の軸支片に軸孔が設けられ、他方の軸支片に該軸孔と嵌合する枢軸が配設されたものであり、
固定側上部軸支片は、底面に枢軸又は軸孔が設けられた略水平板状の連結板部を備え、且つ連結板部の底面に鏡面部を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
遊技島に固設される外枠と、
該外枠に上下一対の軸支部を介して脱着可能に枢支される遊技機本体と
を備える遊技機において、
下側の軸支部は、遊技機本体の下端部に配設される回動側下部軸支片と、外枠に配設されて回動側下部軸支片を水平回動自在に且つ脱着可能に下方から保持する固定側下部軸支片とで構成され、かつ一方の軸支片に軸孔が設けられ、他方の軸支片に該軸孔と嵌合する枢軸が配設されたものであり、
固定側下部軸支片は、上面に枢軸又は軸孔が設けられた略水平板状の連結板部を備え、且つ連結板部の上面に鏡面部を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
遊技島に固設される外枠と、
該外枠に上下一対の軸支部を介して脱着可能に枢支される遊技機本体と
を備える遊技機において、
上側の軸支部は、遊技機本体の上端部に配設される回動側上部軸支片と、外枠に配設されて回動側上部軸支片を水平回動自在に且つ脱着可能に上方から保持する固定側上部軸支片とで構成され、かつ一方の軸支片に軸孔が設けられ、他方の軸支片に該軸孔と嵌合する枢軸が配設されたものであり、
固定側上部軸支片は、底面に枢軸又は軸孔が設けられた略水平板状の連結板部を備え、且つ連結板部の底面に鏡面部を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記鏡面部が回動側下部軸支片と当接しない位置に配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の遊技機。
【請求項6】
連結板部の上面は、鏡面部が設けられた部分が窪んでいることを特徴とする請求項5記載の遊技機。
【請求項7】
固定側下部軸支片は、固定側下部軸支片の上方又は前記鏡面部へ周囲光を反射させる反射板部を備えることを特徴とする請求項1、請求項3、請求項5又は請求項6のいずれかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記鏡面部が前方に下り傾斜していることを特徴とする請求項1、請求項3、請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記鏡面部が断面円弧状をなす凸形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の遊技機。
【請求項10】
前記鏡面部が透明な保護部材により覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−296011(P2007−296011A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124766(P2006−124766)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】