説明

遊技設備

【課題】 既設の遊技設備に後付けが可能で且つ個々の装置のON・OFFを遊技者が任意で操作できる空気吹出機を備えた遊技設備を提供する。
【解決手段】 空気吹出機7は、取付面を備えた断面L型のケースの先端にスリット状の吹出口を形成し、ケースの正面に光センサ用のセンサ穴を形成し、ケースの後部に吹出口の吹き出し方向と直交する方向から空気を吸い込む吸込口を形成し、ケース内にモータで回転するファンをその回転軸方向が吸い込み方向と並行となるように設け、ファンの回転で吸込口から吸い込んだ空気を直交方向に転向しながら吹出口に送って吹き出すようにした構造である。この空気吹出機7を既設の遊技設備1の遊技機2間の境界領域にエアカーテンを形成できる吹き出し向きに取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数並列されたパチンコ機やスロットマシン等の遊技機間にエアカーテンを形成してタバコの煙,遊技機近辺の冷暖房の風,人が動いた際の風等に含まれるゴミ・ホコリを遮断又は変向して他の人に障害や不快感を与えないようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場は喫煙により空気が汚染し易いから大型の空調設備が備えられている。遊技者は遊技機の前に着座して喫煙しながら遊技し、タバコから出た煙はホールの天井面の吸込口から吸い込まれる。しかし、ホールの天井は高いから煙の吸い込みが迅速に行われず煙が滞留し易くなり、遊技者の健康を害したり隣接する遊技者に不快感を与える問題があった。
【0003】
そこで、各遊技機間に空気を吹き出して遊技者間を空気流で遮断するエアカーテンを形成する技術が特許文献1〜3に開示されている。しかし、これらの技術はエアカーテン装置が遊技設備に予め組み込まれた構成であるから、エアカーテン装置は遊技設備の構造に依存した設計にならざるを得ず、汎用性に劣りコストがかかるものであった。また、エアカーテン装置は遊技者が操作できるものではないから、空気流が気になる遊技者は遊技に集中できない問題があり、遊技者がいない箇所でも作動するから無駄があった。
【特許文献1】特開平8−247520号公報
【特許文献2】特開平10−118327号公報
【特許文献3】特開平10−71263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、既設の遊技設備に後付けや脱着が可能で且つ個々の装置のON・OFFを遊技者が任意で操作できる空気吹出機を備えた遊技設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 複数の遊技機が並列された既設の遊技設備において、各遊技機の間に遊技機の遊技者が操作できる操作スイッチを備えた空気吹出機を遊技機間の境界領域にエアカーテンを形成できる吹き出し向きに取り付け、エアカーテンを形成するか否かを遊技者が選択できるようにしたことを特徴とする、遊技設備
2) 空気吹出機を脱着可能に取り付けた、前記1)記載の遊技設備
3) 空気吹出機を粘着テープで粘着して取り付けるようにした、前記1)又は2)記載の遊技設備
4) 空気吹出機を遊技機の前面のテーブルの側端部に吹出口が上方へ向くように取り付けた、前記1)〜3)いずれか記載の遊技設備
5) 空気吹出機が、取付面を備えた断面L型のケースの先端にスリット状の吹出口を形成し、ケースの後部に吹出口の吹き出し方向と直交する方向から空気を吸い込む吸込口を形成し、ケース内にモータで回転するファンをその回転軸方向が吸い込み方向と並行となるように設け、ファンの回転で吸込口から吸い込んだ空気を直交方向に転向しながら吹出口に送って吹き出すようにした構造である、前記1)〜4)いずれか記載の遊技設備
6) 操作スイッチが非接触式の光センサである、前記1)〜5)いずれか記載の遊技設備
7) 空気吹出機の電源が、遊技機の下方に取り付けられる伸縮自在のフレーム内に電源ケーブルを配線し、フレームの途中から電源ケーブルを分岐させて所定位置の空気吹出機と接続して給電できるようにしたものである、前記1)〜6)いずれか記載の遊技設備
にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、個々の空気吹出機が小型で操作スイッチを備えているから、既設の遊技設備の所定位置に後付けや取り外しが低コスト且つ容易に行えて汎用性に優れ、また操作スイッチにより遊技者や遊技設備の管理者が必要に応じてON・OFFでき、無駄がなく使い勝手に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明では、空気吹出機は粘着テープ,面ファスナー,取付ネジ,マグネット等を単体又は組み合わせて取り付けられる。操作スイッチは非接触式の光スイッチの他、接触式や機械式(ボタン,レバー類)等から選ばれる。空気吹出機はスイッチを入れた後常時作動させてもよいし、タイマを内蔵させて3〜5分間程作動して自動的に停止又は数分おきに間欠的に作動させるようにしてもよい。風力はボリューム等で任意に調整できるようにしてもよい。吹出口付近には香料を配設して香りの良い空気を吹き出させたり臭気を分解できる光触媒を配設し、タバコの煙等の嫌な臭気を低減できるようにしてもよい。空気吹出機は一般的に下方から上方へ向けて吹き出すように取り付けるが、上方から下方へ向けて吹き出すように取り付けてもよく、吹き出し向きは遊技設備の形態に応じて任意に選ばれる。空気流は強制排気型(ブロワー方式)や扇風機方式があり、設置場所や吹き出し向き等に応じて任意に選択される。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は実施例の遊技設備の正面図、図2は実施例の遊技設備の側面図、図3は実施例の空気吹出機の斜視図、図4は実施例の空気吹出機の分解斜視図、図5は実施例の空気吹出機の空気の吹き出しを示す説明図、図6は実施例の電源手段の説明図である。
【0009】
図中、1は遊技設備、2は遊技機、3はナンバーランプ、4は幕板、5はテーブル、6は椅子、7は空気吹出機、7aはケース、7bはセンサ穴、7cは吹出口、7dはケース、7eは固定部、7fは支持部、7gはモータ、7hはファン、7iはコネクタ、7jはカバー、7kは掛止爪、7mは粘着テープ、7nは光センサ、7pは制御基盤、7qは吸込口、8はフレーム、9は連結部、10は電源ケーブル、11は分岐ケーブル、11aはコネクタ、12は粘着テープ、13はスイッチング電源、Aは空気、Hは遊技者、Sは煙である。
【0010】
本実施例の空気吹出機7は、図3〜5に示すようにプラスチック又は金属の一対のケース7a,7dと1.5Vで駆動するモータ7gとファン7hと光センサ7nと制御基盤7pとから構成される。ケース7aの正面上部には光センサ7n用のセンサ穴7bが開口され、上端には空気Aの吹出口7cが形成され、内側はファン7hが配置される空間とその回転により送られる空気Aの流れる空間が形成されている。
【0011】
ケース7dは上端に空気Aの吹出口7cが形成され、内側はファン7hが配置される空間とその回転により送られる空気Aの流れる空間が形成され、後部にモータ7gの後部を固定する固定部7eが形成され、下部にモータ7gを下方から支持する支持部7fが形成され、後部背面に取り付け場所に粘着する剥離紙付きの粘着テープ7mが設けられ、内側上部に光量の変化を感知する非接触式の光センサ7nが取り付けられ、モータ7gの下方にモータ7gの作動制御及び光センサ7nのスイッチ制御を行う制御基盤7pを配置している。ケース7dのモータ7gが配置された下方は掛止爪7kを備えたカバー7jで被覆され、ケース7dの後部とカバー7jの後部で形成された開口部分を空気Aの吸込口7qとしている。
【0012】
空気吹出機7の電源手段は、図6に示すように長さ350mmの外径の異なる2体のフレーム8で伸縮自在に構成し、フレーム8の片側を開口し、フレーム8の内部に電源ケーブル10を配線し、フレーム8の両端に他のフレーム8を電気的に接続できる連結部9を形成し、電源ケーブル10の途中にコネクタ11aを備えた分岐ケーブル11を接続してフレーム8の開口から引き出している。
【0013】
この空気吹出機7を、図1,2に示すように複数の遊技機2(パチンコ機)が並列された遊技設備1の前面のテーブル5の側端部及び遊技機2間の壁面に吹出口7cがそれぞれ上向き及び手前向きとなるように粘着テープ7mや取付ネジ(図示せず)で取り付け、フレーム8は長さを調整して複数連結してテーブル5の下方に粘着テープ12で粘着して取り付け、一方にスイッチング電源13を介して100Vに接続し、分岐ケーブル11のコネクタ11aと空気吹出機7のモータ7gのコネクタ7iを接続して給電する。空気吹出機7のセンサ穴7bを指等で塞ぐと光センサ7nが光量の変化を感知し、制御基盤7pがモータ7gを作動させてファン7hが回転する。
【0014】
図5に示すように、ファン7hの回転によりケース7dの後方の吸込口7qから空気Aが吸い込まれ、ケース7a,7dの内側の空間を通って直交方向に転向しながら流速が高められて先端のスリット状の吹出口7cから吹き出される。吹き出された空気Aは図1,2に示すように隣り合う遊技者H間を仕切るようにエアカーテンが形成される。このエアカーテンにより遊技者Hの喫煙による煙Sや他のホコリが隣りの遊技者に流れることなく空気Aの流れとともに上方へ流れ、不快感を与えることがない。
【0015】
センサ穴7bを塞ぐと光センサ7nが光量の変化を感知し、制御基盤7pがモータ7gを停止させる。制御基盤7pにはタイマを備え、作動開始後3〜5分程で停止するようにしてもよい。ファン7hの回転数はボリューム(可変抵抗器等)を備えて任意の風力に調整できるようにしてもよい。吹出口7cの付近には香料を配設して香りの良い空気Aを吹き出し、タバコの煙S等の嫌な臭気を低減してもよい。
【0016】
このように、本実施例では空気吹出機7が小型で遊技者Hが操作できるスイッチを備えているから、既設の遊技設備1の所定位置に後付けや取り外しが低コスト且つ容易に行えて汎用性に優れ、またスイッチにより遊技者Hや遊技設備1の管理者が必要に応じてON・OFFでき無駄がなく使い勝手に優れるものとなった。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の複数の遊技機が並列した遊技設備に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例の遊技設備の正面図である。
【図2】実施例の遊技設備の側面図である。
【図3】実施例の空気吹出機の斜視図である。
【図4】実施例の空気吹出機の分解斜視図である。
【図5】実施例の空気吹出機の空気の吹き出しを示す説明図である。
【図6】実施例の電源手段の説明図である。
【符号の説明】
【0019】
1 遊技設備
2 遊技機
3 ナンバーランプ
4 幕板
5 テーブル
6 椅子
7 空気吹出機
7a ケース
7b センサ穴
7c 吹出口
7d ケース
7e 固定部
7f 支持部
7g モータ
7h ファン
7i コネクタ
7j カバー
7k 掛止爪
7m 粘着テープ
7n 光センサ
7p 制御基盤
7q 吸込口
8 フレーム
9 連結部
10 電源ケーブル
11 分岐ケーブル
11a コネクタ
12 粘着テープ
13 スイッチング電源
A 空気
H 遊技者
S 煙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が並列された既設の遊技設備において、各遊技機の間に遊技機の遊技者が操作できる操作スイッチを備えた空気吹出機を遊技機間の境界領域にエアカーテンを形成できる吹き出し向きに取り付け、エアカーテンを形成するか否かを遊技者が選択できるようにしたことを特徴とする、遊技設備。
【請求項2】
空気吹出機を脱着可能に取り付けた、請求項1記載の遊技設備。
【請求項3】
空気吹出機を粘着テープで粘着して取り付けるようにした、請求項1又は2記載の遊技設備。
【請求項4】
空気吹出機を遊技機の前面のテーブルの側端部に吹出口が上方へ向くように取り付けた、請求項1〜3いずれか記載の遊技設備。
【請求項5】
空気吹出機が、取付面を備えた断面L型のケースの先端にスリット状の吹出口を形成し、ケースの後部に吹出口の吹き出し方向と直交する方向から空気を吸い込む吸込口を形成し、ケース内にモータで回転するファンをその回転軸方向が吸い込み方向と並行となるように設け、ファンの回転で吸込口から吸い込んだ空気を直交方向に転向しながら吹出口に送って吹き出すようにした構造である、請求項1〜4いずれか記載の遊技設備。
【請求項6】
操作スイッチが非接触式の光センサである、請求項1〜5いずれか記載の遊技設備。
【請求項7】
空気吹出機の電源が、遊技機の下方に取り付けられる伸縮自在のフレーム内に電源ケーブルを配線し、フレームの途中から電源ケーブルを分岐させて所定位置の空気吹出機と接続して給電できるようにしたものである、請求項1〜6いずれか記載の遊技設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−111416(P2007−111416A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308208(P2005−308208)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(505396073)有限会社アロー (1)
【出願人】(301039170)有限会社サンクス (1)
【上記1名の代理人】
【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
【Fターム(参考)】