運動能力診断システム

【課題】本発明の目的は、被検者の運動能力に応じた練習方法や、履物を簡便かつ容易に選択し得る運動能力診断および履物選択システムを提供する。
【解決手段】被検者に心拍計と加速度計を装着した状態で、所定の時間、所定の運動をさせる。該運動開始後の一定時間経過後に、前記心拍計および加速度計から、前記被検者の心拍数および加速度のピーク値を測定し、これらの測定した値に基づいた評価値21bを所定の評価基準と共に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は運動能力診断および履物選択システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術
従来より、ランニング能力を評価する方法としては、ベストタイムや最大酸素摂取量に基づいた定量的な評価方法や、ビデオを用いてランニングフォームを確認する定性的な評価方法がある。また、心拍数や脚力を測定し、同世代・同性別の標準と比較し評価する方法がある。
【特許文献1】特開平2−92338号公報
【特許文献2】特開平7−327942号公報
【特許文献3】特開昭61−253036号公報
【特許文献4】特開平6−54837号公報
【発明の開示】
【0003】
発明が解決しようとする課題
今日、過度の運動が故障の要因となることは良く知られているところであり、したがって、個々の運動能力に応じた練習方法を見い出すことは重要である。
しかし、前述の評価方法は、記録を競ったり、自己の現時点の最大運動能力を計る指標とはなるが、今後、いかなる運動を続け、自己の健康増進や自己の体力に応じた練習方法を見い出すことはできない。
同様に、個人に合った履物を見い出すことも重要である。
【0004】
したがって、本発明の目的は、被検者の運動能力に応じた練習方法や履物を簡便かつ容易に選択し得る運動能力診断および履物選択システム等を提供することである。
【0005】
発明の原理
脚や腰の筋には、衝撃緩衝能力があり、筋力が大きいほど、衝撃緩衝能力も大きい。ランニングのような運動を一定時間継続すると、心拍数が上がると共に、脚や腰の筋が疲れ、そのため、着地時の衝撃緩衝能力が次第に低下する。かかる緩衝能力が低下すると、衝撃値が増大するから、加速度計を用いて加速度を測定することで、前記筋力および筋の疲労度を知ることができる。これにより、過度の運動を予め予防し、個人に合った運動を選択することができるようになる。
【0006】
課題を解決するための手段
すなわち、本発明は被検者に心拍計と加速度計を装着した状態で、所定の時間、所定の運動をさせ、該運動開始後の一定時間経過後に前記心拍計および加速度計から前記被検者の心拍数および加速度のピーク値を測定し、これらの測定した値に基づいた評価値を、予め作成した所定の評価基準と共に表示して運動能力を診断したり、あるいは、適切な履物を選択するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の実施の形態
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
機器構成:
図1に示すように、本運動能力診断および履物選択システムは、被検者に装着する心拍計2および加速度計3と、被検者の走行に用いるトレッドミル4とを用いる。
【0008】
前記心拍計2は被検者の胸部に接触する電極を有しており、該電極からの信号に基づいて心電信号を計測する。該心電信号は、心臓の鼓動に伴って発生する信号であり、当該心電信号を計測することにより心拍数の計測を行う。
前記加速度計3は上下方向の加速度の計測を行うものであり、たとえば、半導体加速度センサなどで構成されている。
前記心拍計2および加速度計3は、図示しないインターフェイスを介して後述するパソコン10に接続されており、計測した心拍数および加速度を該パソコン10に出力する。
【0009】
前記トレッドミル4は、一対のプーリ40と、該プーリ40間に掛け渡され所定の方向に回転するベルト41とを有している。該ベルト41が設定された一定速度で回転することにより、被検者に所定の運動を行なわせることが可能である。
【0010】
制御構成:
つぎに、本システムの制御の構成について説明する。
図2(a)に示すように、前記パソコン10には、前記心拍計2、加速度計3、表示器15、プリンタ16、キーボード17およびマウス18が接続されている。
【0011】
前記パソコン10はCPU11、計時を行うタイマ12、ROM13およびRAM14を有している。
前記RAM14には、評価基準記憶部14a、運動内容記憶部14bおよび履物記憶部14cが設けられている。
前記評価基準記憶部14aには、運動能力の評価基準が性別ごとに予め記憶されている。前記評価基準は、図2(b)に例示する男子の評価基準のグラフのように、衝撃度Σと心拍数の割合Pに基づいて設定され、イメージなどのデータとしてRAM14に記憶されている。衝撃度Σは、着地時における衝撃値を、たとえば上向きの加速度のピーク値を1分間に渡って積算したものである。心拍数の割合Pは、年齢に応じて設定された最大心拍数に対する心拍数(実測値)の割合である。最大心拍数としては220から当該被検者の年齢を減算して求められる。
【0012】
図2(b)に示すように、前記評価基準は、前記衝撃度Σと心拍数の割合Pに基づいて、たとえば4つの区分A,B,C,Dに分けられている。
前記衝撃度Σおよび心拍数の割合Pが共に小さい区分Aは、筋力と心肺能力とが高く、かつ、バランスが良好であり、現在のトレーニング方法に問題がないと考えられる領域である。心拍数に比べ衝撃度Σが大きい区分Bは、筋力が不足しており、筋力トレーニングが必要と考えられる領域である。衝撃度Σに比べ心拍数が大きい区分Cは、心肺能力が不足しており、有酸素トレーニングが必要と考えられる領域である。衝撃度Σおよび心拍数が共に大きい区分Dは、筋力および心肺能力が共に不足しており、全般的にトレーニング不足と考えられる領域である。
【0013】
図2(b)に示す楕円Eは、現在のトレーニング方法が妥当か否かを判別するための他の基準であり、特に、前記区分BおよびCにおいて、当該楕円Eの外の領域は、現在のトレーニング方法が筋力トレーニングや有酸素トレーニングに偏り過ぎていると評価される領域を示す。
前記区分A,B,C,Dや楕円Eの形状は、図5に示すように、予め測定した多数のサンプルの実測値に基づいて決定される。
【0014】
前記CPU11は、前記心拍計2および加速度計3からの出力信号に基づいて、前記心拍数の割合Pおよび衝撃度Σからなる評価値の算出を行う。該評価値の算出は、後述するようにタイマ12からの計時信号に基づいて、被検者がトレッドミル4上での走行を開始してから、一定時間経過後に行われる。
【0015】
図3(a)に示すように、前記運動内容記憶部14bには、今後、いかなるトレーニングを行なうのが好ましいかを示す運動内容が、前記区分A,B,C,Dごとに予め記憶されている。
【0016】
図3(b)に示すように、前記履物記憶部14cには、推薦する履物の種別が以下に示すように前記区分A,B,C,Dに関連付けられ、予め記憶されている。
運動能力が高い区分Aには、軽量かつフィット性の高い靴a1,a2,a3が関連付けられて記憶されている。筋力不足の区分Bには、衝撃緩衝性を重視した靴b1,b2,b3が関連付けられて記憶されている。心肺能力不足の区分Cには、反発性および屈曲性を重視した靴c1,c2,c3が関連付けられて記憶されている。筋力および心肺能力が共に不足している区分Dには、衝撃緩衝性および安定性を重視した靴d1,d2,d3が関連付けられて記憶されている。
【0017】
表示器:
前記表示器15は、たとえば、液晶モニタなどからなり、前記プリンタ16と共に出力手段を構成している。
前記表示器15には、図4(a),(b)に示す年齢・性別入力画面20や運動能力診断画面21などが表示される。
図4(a)に示す年齢・性別入力画面20には、被検者の年齢を入力するための年齢入力欄20aや性別を選択するための性別選択ボタン20bなどが表示される。図4(b)に示す運動能力診断画面21には、評価基準のグラフ21aが表示されると共に、該評価基準のグラフ21a内に後述する評価値21bが表示される。同時に、当該運動能力診断画面21には、運動内容表示欄21c、履物の種別表示欄21dおよび印刷ボタン21eなどが表示される。
【0018】
運動能力診断および履物選択方法:
つぎに、当該システムを用いた運動能力診断方法および履物選択方法について説明する。
前記パソコン10に所定の操作を行い本システムをスタートさせると、図4(a)に示す年齢・性別入力画面20が前記表示器15に表示される。該年齢・性別入力画面20において、年齢入力欄20aに年齢を入力すると共に、性別選択ボタン20bの性別を選択し、被検者の年齢および性別を設定する。
その後、図1に示すトレッドミル4を性別に応じた所定の速度に設定し、心拍計2および加速度計3を装着した被検者にトレッドミル4上を走行させて測定を開始する。
【0019】
前記測定が開始されると、図2(a)に示すCPU11はタイマ12からの計時信号に基づき、走行開始から4分間経過後に、心拍計2および加速度計3からの出力信号を1分間取り込んで評価値の算出を行う。
前記評価値の算出は次のように行われる。CPU11は、被検者の年齢に基づいて最大心拍数を算出し、当該最大心拍数に対する心拍数(実測値)の割合Pを算出する。一方、前記加速度のピーク値を積算して衝撃度Σを算出する。
【0020】
前記評価値の算出後、CPU11は、以下のように図4(b)に示す運動能力診断画面21を表示器15に表示させる。すなわち、CPU11は評価基準記憶部14aから評価基準を読み出し、該評価基準および前記評価値を、評価基準のグラフ21aおよび評価値21bとして表示させる。
一方、CPU11は、当該評価値が前記評価基準のいずれの区分A,B,C,Dに該当するかの判別を行い、当該区分に対応する運動内容および履物の種類を、運動内容記憶部14bおよび履物記憶部14cから読み出し、前記運動能力診断画面21の該当する各表示欄21c,21dにそれぞれ表示させる。
【0021】
このように、一定時間運動した後の被検者の評価値に基づいて区分A,B,C,Dの判別を行うことにより、被検者が今後いかなるトレーニングを行えば、被検者の運動能力の向上と健康の増進を図り得るかが表示器15に表示されるので、今後のトレーニング方法を簡便に知ることができる。さらに、被検者の運動能力や運動能力のバランスに合った靴を簡便に知ることができる。
【0022】
その後、印刷ボタン21eをクリックして、前記運動能力診断画面21の表示内容を必要に応じて印刷する。
なお、前記評価値が前記区分Bないし区分Cであり、かつ前記楕円の外である場合には、「トレーニング方法に偏りがあります、トレーニング方法を検討してください。」などの表示を行なってもよい。
【0023】
なお、本実施形態では運動内容と履物の種類とを同じ区分A,B,C,Dを用いたが、運動能力と履物選択とで異なる種類の区分を用いてもよい。また、前記区分は2以上の区分であればよく、たとえば図6のように、3つの区分に分けてもよい。
また、前記実施形態では、上向きの加速度のピーク値を測定したが、着地時に脚や腰にかかる負荷としては、上向きの加速度(衝撃)の他に、前後方向などの加速度(衝撃)も影響する。したがって、加速度の方向は斜め上方であってもよく、さらには、加速度計の取り付け方向によっては、下向きや斜め下向きであってもよい。すなわち、本発明においては、測定する加速度の方向は限定されない。
【0024】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、表示器に表示する評価基準としては、衝撃と心拍数をパラメータとする一次関数を標準的な例として表示してもよい。
また、履物の種別としては、靴の種別ではなく、中敷のような靴のパーツの種別を表示してもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【0025】
発明の効果
以上説明したように、本発明によれば、一定時間運動した後の心拍数と共に加速度を測定し、これに基づいて能力を診断するので、脚や腰の疲れ度合を知ることができるから、心肺機能と共に筋の耐久能力が分かる。したがって、被検者が今後いかなるトレーニングを行えば、被検者の運動能力の向上と健康の増進を図り得るかを簡便かつ容易に知ることができる。
さらに、被検者の運動能力や運動能力のバランスに応じた靴を簡便に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態にかかる運動能力診断および履物選択システムを示す側面図である。
【図2】図2(a)は本システムの制御構成を示す概略構成図、図2(b)は記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図3】同記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図4】表示器の表示内容を示す正面図である。
【図5】評価値の実測値を示すグラフである。
【図6】評価基準の他の例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0027】
2:心拍計
3:加速度計
4:トレッドミル
11:CPU
12:タイマ
14b:運動内容記憶部
14c:履物記憶部
15:表示器(出力手段)
16:プリンタ(出力手段)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は運動能力診断システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術
従来より、ランニング能力を評価する方法としては、ベストタイムや最大酸素摂取量に基づいた定量的な評価方法や、ビデオを用いてランニングフォームを確認する定性的な評価方法がある。また、心拍数や脚力を測定し、同世代・同性別の標準と比較し評価する方法がある。
【特許文献1】特開平2−92338号公報
【特許文献2】特開平7−327942号公報
【特許文献3】特開昭61−253036号公報
【特許文献4】特開平6−54837号公報
【発明の開示】
【0003】
発明が解決しようとする課題
今日、過度の運動が故障の要因となることは良く知られているところであり、したがって、個々の運動能力に応じた練習方法を見い出すことは重要である。
しかし、前述の評価方法は、記録を競ったり、自己の現時点の最大運動能力を計る指標とはなるが、今後、いかなる運動を続け、自己の健康増進や自己の体力に応じた練習方法を見い出すことはできない。
同様に、個人に合った履物を見い出すことも重要である。
【0004】
したがって、本発明の目的は、被検者の運動能力に応じた練習方法や履物を簡便かつ容易に選択し得る運動能力診断システムを提供することである。
【0005】
発明の原理
脚や腰の筋には、衝撃緩衝能力があり、筋力が大きいほど、衝撃緩衝能力も大きい。ランニングのような運動を一定時間継続すると、心拍数が上がると共に、脚や腰の筋が疲れ、そのため、着地時の衝撃緩衝能力が次第に低下する。かかる緩衝能力が低下すると、衝撃値が増大するから、加速度計を用いて加速度を測定することで、前記筋力および筋の疲労度を知ることができる。これにより、過度の運動を予め予防し、個人に合った運動を選択することができるようになる。
【0006】
課題を解決するための手段
すなわち、本発明は被検者に心拍計と加速度計を装着した状態で、所定の時間、所定の運動をさせ、該運動開始後の一定時間経過後に前記心拍計および加速度計から前記被検者の心拍数および加速度のピーク値を測定し、これらの測定した値に基づいた評価値を、予め作成した所定の評価基準と共に表示して運動能力を診断したり、あるいは、適切な履物を選択するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の実施の形態
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
機器構成:
図1に示すように、本運動能力診断および履物選択システムは、被検者に装着する心拍計2および加速度計3と、被検者の走行に用いるトレッドミル4とを用いる。
【0008】
前記心拍計2は被検者の胸部に接触する電極を有しており、該電極からの信号に基づいて心電信号を計測する。該心電信号は、心臓の鼓動に伴って発生する信号であり、当該心電信号を計測することにより心拍数の計測を行う。
前記加速度計3は上下方向の加速度の計測を行うものであり、たとえば、半導体加速度センサなどで構成されている。
前記心拍計2および加速度計3は、図示しないインターフェイスを介して後述するパソコン10に接続されており、計測した心拍数および加速度を該パソコン10に出力する。
【0009】
前記トレッドミル4は、一対のプーリ40と、該プーリ40間に掛け渡され所定の方向に回転するベルト41とを有している。該ベルト41が設定された一定速度で回転することにより、被検者に所定の運動を行なわせることが可能である。
【0010】
制御構成:
つぎに、本システムの制御の構成について説明する。
図2(a)に示すように、前記パソコン10には、前記心拍計2、加速度計3、表示器15、プリンタ16、キーボード17およびマウス18が接続されている。
【0011】
前記パソコン10はCPU11、計時を行うタイマ12、ROM13およびRAM14を有している。
前記RAM14には、評価基準記憶部14a、運動内容記憶部14bおよび履物記憶部14cが設けられている。
前記評価基準記憶部14aには、運動能力の評価基準が性別ごとに予め記憶されている。前記評価基準は、図2(b)に例示する男子の評価基準のグラフのように、衝撃度Σと心拍数の割合Pに基づいて設定され、イメージなどのデータとしてRAM14に記憶されている。衝撃度Σは、着地時における衝撃値を、たとえば上向きの加速度のピーク値を1分間に渡って積算したものである。心拍数の割合Pは、年齢に応じて設定された最大心拍数に対する心拍数(実測値)の割合である。最大心拍数としては220から当該被検者の年齢を減算して求められる。
【0012】
図2(b)に示すように、前記評価基準は、前記衝撃度Σと心拍数の割合Pに基づいて、たとえば4つの区分A,B,C,Dに分けられている。
前記衝撃度Σおよび心拍数の割合Pが共に小さい区分Aは、筋力と心肺能力とが高く、かつ、バランスが良好であり、現在のトレーニング方法に問題がないと考えられる領域である。心拍数に比べ衝撃度Σが大きい区分Bは、筋力が不足しており、筋力トレーニングが必要と考えられる領域である。衝撃度Σに比べ心拍数が大きい区分Cは、心肺能力が不足しており、有酸素トレーニングが必要と考えられる領域である。衝撃度Σおよび心拍数が共に大きい区分Dは、筋力および心肺能力が共に不足しており、全般的にトレーニング不足と考えられる領域である。
【0013】
図2(b)に示す楕円Eは、現在のトレーニング方法が妥当か否かを判別するための他の基準であり、特に、前記区分BおよびCにおいて、当該楕円Eの外の領域は、現在のトレーニング方法が筋力トレーニングや有酸素トレーニングに偏り過ぎていると評価される領域を示す。
前記区分A,B,C,Dや楕円Eの形状は、図5に示すように、予め測定した多数のサンプルの実測値に基づいて決定される。
【0014】
前記CPU11は、前記心拍計2および加速度計3からの出力信号に基づいて、前記心拍数の割合Pおよび衝撃度Σからなる評価値の算出を行う。該評価値の算出は、後述するようにタイマ12からの計時信号に基づいて、被検者がトレッドミル4上での走行を開始してから、一定時間経過後に行われる。
【0015】
図3(a)に示すように、前記運動内容記憶部14bには、今後、いかなるトレーニングを行なうのが好ましいかを示す運動内容が、前記区分A,B,C,Dごとに予め記憶されている。
【0016】
図3(b)に示すように、前記履物記憶部14cには、推薦する履物の種別が以下に示すように前記区分A,B,C,Dに関連付けられ、予め記憶されている。
運動能力が高い区分Aには、軽量かつフィット性の高い靴a1,a2,a3が関連付けられて記憶されている。筋力不足の区分Bには、衝撃緩衝性を重視した靴b1,b2,b3が関連付けられて記憶されている。心肺能力不足の区分Cには、反発性および屈曲性を重視した靴c1,c2,c3が関連付けられて記憶されている。筋力および心肺能力が共に不足している区分Dには、衝撃緩衝性および安定性を重視した靴d1,d2,d3が関連付けられて記憶されている。
【0017】
表示器:
前記表示器15は、たとえば、液晶モニタなどからなり、前記プリンタ16と共に出力手段を構成している。
前記表示器15には、図4(a),(b)に示す年齢・性別入力画面20や運動能力診断画面21などが表示される。
図4(a)に示す年齢・性別入力画面20には、被検者の年齢を入力するための年齢入力欄20aや性別を選択するための性別選択ボタン20bなどが表示される。図4(b)に示す運動能力診断画面21には、評価基準のグラフ21aが表示されると共に、該評価基準のグラフ21a内に後述する評価値21bが表示される。同時に、当該運動能力診断画面21には、運動内容表示欄21c、履物の種別表示欄21dおよび印刷ボタン21eなどが表示される。
【0018】
運動能力診断および履物選択方法:
つぎに、当該システムを用いた運動能力診断方法および履物選択方法について説明する。
前記パソコン10に所定の操作を行い本システムをスタートさせると、図4(a)に示す年齢・性別入力画面20が前記表示器15に表示される。該年齢・性別入力画面20において、年齢入力欄20aに年齢を入力すると共に、性別選択ボタン20bの性別を選択し、被検者の年齢および性別を設定する。
その後、図1に示すトレッドミル4を性別に応じた所定の速度に設定し、心拍計2および加速度計3を装着した被検者にトレッドミル4上を走行させて測定を開始する。
【0019】
前記測定が開始されると、図2(a)に示すCPU11はタイマ12からの計時信号に基づき、走行開始から4分間経過後に、心拍計2および加速度計3からの出力信号を1分間取り込んで評価値の算出を行う。
前記評価値の算出は次のように行われる。CPU11は、被検者の年齢に基づいて最大心拍数を算出し、当該最大心拍数に対する心拍数(実測値)の割合Pを算出する。一方、前記加速度のピーク値を積算して衝撃度Σを算出する。
【0020】
前記評価値の算出後、CPU11は、以下のように図4(b)に示す運動能力診断画面21を表示器15に表示させる。すなわち、CPU11は評価基準記憶部14aから評価基準を読み出し、該評価基準および前記評価値を、評価基準のグラフ21aおよび評価値21bとして表示させる。
一方、CPU11は、当該評価値が前記評価基準のいずれの区分A,B,C,Dに該当するかの判別を行い、当該区分に対応する運動内容および履物の種類を、運動内容記憶部14bおよび履物記憶部14cから読み出し、前記運動能力診断画面21の該当する各表示欄21c,21dにそれぞれ表示させる。
【0021】
このように、一定時間運動した後の被検者の評価値に基づいて区分A,B,C,Dの判別を行うことにより、被検者が今後いかなるトレーニングを行えば、被検者の運動能力の向上と健康の増進を図り得るかが表示器15に表示されるので、今後のトレーニング方法を簡便に知ることができる。さらに、被検者の運動能力や運動能力のバランスに合った靴を簡便に知ることができる。
【0022】
その後、印刷ボタン21eをクリックして、前記運動能力診断画面21の表示内容を必要に応じて印刷する。
なお、前記評価値が前記区分Bないし区分Cであり、かつ前記楕円の外である場合には、「トレーニング方法に偏りがあります、トレーニング方法を検討してください。」などの表示を行なってもよい。
【0023】
なお、本実施形態では運動内容と履物の種類とを同じ区分A,B,C,Dを用いたが、運動能力と履物選択とで異なる種類の区分を用いてもよい。また、前記区分は2以上の区分であればよく、たとえば図6のように、3つの区分に分けてもよい。
また、前記実施形態では、上向きの加速度のピーク値を測定したが、着地時に脚や腰にかかる負荷としては、上向きの加速度(衝撃)の他に、前後方向などの加速度(衝撃)も影響する。したがって、加速度の方向は斜め上方であってもよく、さらには、加速度計の取り付け方向によっては、下向きや斜め下向きであってもよい。すなわち、本発明においては、測定する加速度の方向は限定されない。
【0024】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
また、履物の種別としては、靴の種別ではなく、中敷のような靴のパーツの種別を表示してもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【0025】
発明の効果
以上説明したように、本発明によれば、一定時間運動した後の心拍数と共に加速度を測定し、これに基づいて能力を診断するので、脚や腰の疲れ度合を知ることができるから、心肺機能と共に筋の耐久能力が分かる。したがって、被検者が今後いかなるトレーニングを行えば、被検者の運動能力の向上と健康の増進を図り得るかを簡便かつ容易に知ることができる。
さらに、被検者の運動能力や運動能力のバランスに応じた靴を簡便に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態にかかる運動能力診断および履物選択システムを示す側面図である。
【図2】図2(a)は本システムの制御構成を示す概略構成図、図2(b)は記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図3】同記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図4】表示器の表示内容を示す正面図である。
【図5】評価値の実測値を示すグラフである。
【図6】評価基準の他の例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0027】
2:心拍計
3:加速度計
4:トレッドミル
11:CPU
12:タイマ
14b:運動内容記憶部
14c:履物記憶部
15:表示器(出力手段)
16:プリンタ(出力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に心拍計と加速度計を装着した状態で、所定の時間、所定の運動をさせ、該運動開始後の一定時間経過後に前記心拍計および加速度計から前記被検者の心拍数および加速度のピーク値を測定し、これらの測定した値に基づいた評価値を、予め作成した所定の評価基準と共に表示するようにした運動能力診断方法。
【請求項2】
被検者に装着するための心拍計および加速度計と、
時間を計時するためのタイマと、
前記タイマで計時した一定時間経過後に、前記心拍計および加速度計から入力される心拍数および加速度のピーク値を取り込み、該測定した値に基づいた評価値を算出するCPUと、
心拍数および加速度に関する値をパラメータとする評価基準を記憶する評価基準記憶部と、
前記評価値を前記評価基準と共に表示する表示器とを備えた運動能力診断システム。
【請求項3】
請求項2の運動能力診断システムを用いた運動能力診断方法であって、
予め被検者に前記心拍計および加速度計を装着し、
前記被検者にトレッドミル上を走行させ、
前記タイマで計時した一定時間経過後に、前記心拍数および加速度のピーク値を取り込み、
これらの測定された値に基づいてCPUが所定の演算を行って前記評価値を算出し、
該算出した評価値を前記評価基準と共に表示器に表示するようにした運動能力診断方法。
【請求項4】
請求項3において、
心拍数および加速度に関する値に基づいて運動能力の評価を複数の区分に分けることで前記評価基準を表示し、いかなる運動をすべきか前記区分ごとに予め運動内容記憶部に記憶させ、前記評価値が前記区分のいずれに属するかをCPUが判定して、当該区分に該当する運動を前記運動内容記憶部から読み出して前記運動を表示するようにした運動能力診断方法。
【請求項5】
被検者に装着するための心拍計および加速度計と、
心拍数および加速度に関する値に基づいて予め複数の区分に分けられた履物の種別を記憶する履物記憶部と、
時間を計時するためのタイマと、
前記タイマで計時した一定時間経過後に、前記心拍計および加速度計から入力される心拍数および加速度のピーク値を取り込み、該測定した値に基づいた評価値を算出すると共に、前記評価値に従って前記複数の区分のうちの1つを選択するCPUと、
前記選択された区分の前記履物の種別を出力する出力手段とを備えた履物選択システム。
【請求項6】
請求項5の履物選択システムを用いた履物選択方法であって、
予め被検者に心拍計および加速度計を装着し
前記被検者にトレッドミル上を走行させ、
前記タイマで計時した一定時間後に、前記心拍数および加速度のピーク値を取り込み、
該測定された値に基づいてCPUが所定の演算を行って前記評価値を算出すると共に、該算出した評価値に従って前記複数の区分のうちから1つを選択することで、前記履物記憶部から前記被検者に合った履物の種別を出力するようにした履物選択方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者に走行させるためのトレッドミルと、
前記トレッドミルを走行中の被検者に装着するための心拍計および加速度計と、
時間を計時するためのタイマと、
運動能力の評価を、前記走行中に生じた衝撃度と心拍数に関する値の相関関係に基づいて、少なくとも、筋力トレーニングが必要と考えられる筋力不足の区分と、有酸素トレーニングが必要と考えられる心肺能力不足の区分とを含む複数の区分に分けた評価基準を記憶する評価基準記憶部と、
いかなるトレーニングを行うのが好ましいかを前記区分ごとに記憶する運動内容記憶部と、
前記タイマで計時した一定時間経過後に、前記心拍計および加速度計から入力される心拍数および加速度のピーク値を取り込み、該測定した心拍数に基づいた心拍数に関する評価値と前記ピーク値に基づいた衝撃度に関する評価値を算出すると共に前記両評価値が前記区分のいずれに属するかを判別する演算手段と、
前記両評価値を前記評価基準と共に表示し、かつ、前記両評価値が属する区分に該当する運動内容を表示する表示器とを備えた運動能力診断システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記衝撃度に関する評価値は、所定時間に渡って前記加速度のピーク値を積算した値である運動能力診断システム。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、
前記心拍数に関する評価値は、年齢に応じて設定された最大心拍数に対し、前記測定された心拍数の割合である運動能力診断システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−175240(P2006−175240A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24602(P2006−24602)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【分割の表示】特願2000−216991(P2000−216991)の分割
【原出願日】平成12年7月18日(2000.7.18)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
【Fターム(参考)】