説明

道路交通表示物の車両線及び道路路側帯の表示物を道路舗装表層部に新たな交通表示舗装層と構築して埋設する交通表示舗装施工方法。

【課題】 車両線表示及び道路路側帯表示の表示物の摩耗率を著しく減らす施工方法で、塗替えの再塗装工事を不要にして、合成樹脂塗料の使用量を減らして、増え続ける交通表示の工事費を節減する。
【解決手段】 交通表示物をアスファルト舗装表層部分13と同じ深さで交通表示舗装層12として新たに構築して、コンクリート及びアスファルト舗装表層部とは別個の交通表示物舗装層13を、道路舗装に使われている粗骨材と細骨材に高粘度改質塗料で混合した交通表示舗装材で独立した表示物舗装層を築くことで、道路改良舗装工事時においても表示物舗装層が路面とは一体ではないので、従来のように一緒に剥がされることもなくなって、表示再塗装工事を不要にすることができて、合成樹脂の塗料の使用量も減って、摩耗していない道路路側帯の外側の部分の舗装工事も不要にする便乗効果ももたらす。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、塗った直後からも劣化が始まり、劣化の進展と通行車両で摩耗した交通表示の塗料はいずれも回収されることはなく、大気中に浮遊したり、田畑に混ざり河川や海に垂れ流れて、公害廃棄物となっている従来の合成樹脂の塗料の使用量をいかに減らして、交通表示再塗装工事を不要にして、再塗装工事現場から発生していた交通渋滞の騒音及びアイドリング現象のCOの発生も燃料の無駄な消費もなくして、しかも、簡易な施工方法で増え続ける交通表示工事予算及び交通表示維持管理予算の改善にも寄与し、時代が求める地球温暖化防止、環境汚染防止に道路交通表示の新規な交通表示舗装施工方法で貢献するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の交通表示物は、道路舗装路面の全体が一体となっている従来の舗装道路構造の路面の表面に合成樹脂塗料が塗布表示されていて、路面上に盛り上がった状態で表示形成されている。
【0003】
路面上に盛り上がった状態で形成されている従来の交通表示物は、表示物の上を車両が通行する度にも摩耗が進み、近年の舗装方法が環境に配慮した排水性舗装が採用され、舗装路面の表面が凸凹状態になっているので、表示に使われている合成樹脂の塗料との付着性が悪く、交通表示物の耐用期間が従来より一段と短くなっている。
【0004】
積雪地帯においては、除雪車の排雪板は路面の上に接地して稼働するので、路面上に盛り上がった状態で形成されている表示物は激しく剥がされて、降雪前に再塗装した交通表示物は一冬も持たず、雪国の交通表示塗装工事は一年に二回も施工せざるを得ない状態で、積雪地帯の交通表示予算の増大化をもたらせている。
【0005】
交通表示物の耐用期間の短期化傾向から表示物再塗装工事が年々増えて、近年は交通表示に使われる合成樹脂塗料の国内での年間使用量は、10万トン前後にも達し、ドラム缶で60万本超の合成樹脂塗料が今年も日本の道路に塗られていて、摩耗して公害廃棄物となる交通表示塗料は大気を汚し田畑に混ざり、大雨の度に河川を下って、最後は海に辿って沿岸に沈積して海洋生物の生態系も破壊している公害廃棄物の一つになっている。
【0006】
従来の道路舗装表層部と交通表示物は、交通表示部分と道路舗装表層部分の舗装路面が一体構造であるので、両者の耐用期間の違いがあっても道路改良舗装工事時には路面全体が剥がされて、まだ十分機能を果たしていた交通表示物も再塗装工事を余儀なくされて繰り返されている。更に、通行車両もなく摩耗していない道路路側帯の外側の舗装部分も一緒に剥がされて無駄な舗装工事も繰り返されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
交通表示物を摩耗率の低い構造物構成にして、表示物を道路舗装表層部に独立した別個の交通表示舗装層を構築して、半永久的に埋設して管理する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
交通表示物を半永久的に構築して埋設するために、交通表示舗装部分の表面は道路舗装表面とまっ平らか、路面上より2mm程度低く施工することによって交通表示物を自然劣化の進展と通行車両の摩耗から保護して、交通表示物舗装層を埋設して半永久的に存在させる。
【0009】
交通表示物を劣化と摩耗から保護して、消えては塗り返す従来の交通表示再塗装工事を不要にして、塗った直後からも公害廃棄物となる交通表示に使われる合成樹脂塗料の使用量を著しく減らす。
【発明を解決するための手段】
【0010】
本発明の交通表示舗装施工方法は、交通表示部分を除く道路部分を先に舗装を施して、次に交通表示部分の舗装施工をする。
【0011】
交通表示部分を除く道路及び駐車場の舗装施工をする時に、最初に片面又は一車線づつの舗装施工をするが、その時に舗装材が流れ出ないように両側に置く角材の寸法の厚さを、その舗装工事区間の舗装表層部分の深さに合わせて、幅は同じくその区間の交通表示の幅に合わせて、長さは任意で、交通表示を示す位置にその角材を置いて、最初の片面又は一車線づつの舗装工事が終わっても取り外さないでそのままにして置いて、次の片面又は一車線づつの残りの全部の舗装が終わった時点でその角材を取り外すと、その部分には溝が形成されている。
【0012】
次に交通表示部分を舗装するが、前項でできた溝の部分に粗骨材と細骨材とその区間の交通表示の指定色の塗料を混合した舗装材で舗装施工して、表面を焼き付けて仕上げる。
【0013】
本発明の交通表示舗装の骨材の標準的混合割合比は、その区間の道路舗装方法が排水性舗装の場合は、粗骨材75%に細骨材10%に高粘度改質塗料15%を混合する。その区間が密粒度舗装の場合は粗骨材55%に細骨材30%に高粘度改質塗料15%の混合割合比の交通表示舗装材を転圧しながら流し込んで舗装施工するが、骨材の混合割合比は、道路舗装と同じく本発明の交通表示舗装施工の舗装材も自然環境のあらゆる条件にも影響を受けやすいので、使用する塗料は耐久性が高く骨材に対しては握力、粘着性に富んだより高品質な塗料を選択使用して、その区間の交通条件や自然条件に柔軟に対応した骨材や高粘度改質塗料の混合割合比で施工することとする。尚、骨材に使用される砂利や砂は、白色系の骨材が手に入り易い地域においてはそれらの使用をすすめる。
【0014】
展圧しながら舗装施工する時の展圧力は、その区間の道路舗装部分の舗装展圧力に準ずる。
【0015】
本発明の交通表示舗装施工法で使用される交通表示舗装骨材の舗装工事現場までの運搬方法は、その舗装工事区間の交通条件と自然条件と工事区間の規模に応じて、コンクリートミキサーマシンでの現場打ち込みでも、プラントで配合してコンクリートミキサー車を利用されて各々で対応されればよい。
【0016】
本発明の交通表示舗装施工方法で構築された表示物の摩耗率は従来工法よりは確かに著しく減少するが、長期間が経過するとその区間の自然条件や交通量などにより僅かでも摩耗するので、安全運転に支障を来さない範囲内で摩耗の激しい区間は補修を必要とするが、補修方法は従来の表示施工に使用している塗装吹き付け機器を利用して、摩耗した部分を摩耗した分だけ埋める方式の簡易な保守管理で表面を焼付けして施す。
【実施例】
【0017】
本発明の交通表示舗装施工方法を図面をもって説明する。尚、新設の駐車場の車両線別表示舗装施工方法の図面は、図1から図4に準ずるので略す。
図1は、従来の交通表示物が道路路面上に盛り上がった状態で表示されていることを断面図で表している。
図2は、本発明の交通表示舗装方法で、交通表示を示す位置に舗装工事に使う角材を置いた状態を平面図で表している。
図3は、交通表示部分を除く道路部分の舗装工事が全部が終わって、交通表示部分及び道路路側帯表示部分に置いた角材を取り外した部分に溝が形成されていることを立面図で表している。
図4は、交通表示部分及び道路路側帯表示部分にあたる溝に、本発明の交通表示舗装施工の舗装材を流し込んで仕上がった道路の状態を断面図で表している。
【発明の効果】
【0018】
本発明の交通表示舗装施工方法で出来上がった新規な交通表示舗装は、表示部分を除く舗装道路の表層部に交通表示物が独立した表示物舗装層として構築されていて、道路舗装路面の表面とはまっ平らか、又は、2mm程度低めに表示舗装層として保護されているので、自然劣化の進展も遅く、車両が表示物の上を通行しても、盛り上がった状態での従来の交通表示施工よりは交通表示物の摩耗率が著しく減少する。
【0019】
本発明の新規の交通表示舗装施工方法だと交通表示物が表示部分を除く道路路面の舗装表層部分とは、舗装層が別の層として独立していているので、塗った直後からも自然劣化の進展で摩耗が始まって、耐用期間が短くなっていた従来の路面表面に塗布する塗装法と違って再塗装工事を必要としないので、合成樹脂塗料の使用量が激減する。
【0020】
合成樹脂塗料の使用量が著しく減少することから、摩耗した交通表示物の合成樹脂塗料の大気中への汚染浮遊物も減少して、沿岸にヘドロ状となって海洋生物の生態系を脅かし、破壊していた公害廃棄物の一つも減って環境汚染防止対策にも寄与する。
【0021】
本発明の新たな交通表示舗装施工方法は、交通表示物自体が道路舗装部分の表層部とは舗装層を別個に独立して構築されているので、コンクリート及びアスファルト舗装の改良舗装工事時に一緒に剥がされることはなくなって、無駄な面積の舗装工事もなくなって、道路改良舗装工事費の減額現象をもたらす。
【0022】
従来の再塗装工事現場で発生していた交通渋滞の騒音やアイドリング現象のCOの発生も燃料の無駄な消費もなくなり、資源節約と地球温暖化防止対策とこの面からも環境汚染防止対策にも寄与する。
【0023】
本発明の新規な交通表示舗装施工方法は、新たな技術も新たな資材も必要としないので、施工方法も簡易で一度実施すれば、交通表示物は半永久的に構築されていて補修も簡易で、施工工事費も維持管理費も従来施工方法より遥かに逓減することができて、この面での公共予算にも改善をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】は、従来の従来の交通表示が道路表層部分の表面に盛り上がっている状態を示している。
【図2】は、先に道路部分の舗装工事をする時に、交通表示を示す位置に角材を置いた状態を示している。
【図3】は、先に舗装した時に交通表示を示す位置に置いた角材を取り外した部分が溝を形成していることを示している。
【図4】は、図3でできた溝の部分に新規な交通表示舗装材を流し込んで交通表示舗装層が構築された状態を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新設道路の舗装工事時及び道路改良舗装工事時に、道路の車両通行部分の車両線及び道路路側帯を表示する交通表示物を、車両通行部分を除く道路舗装表層部に道路舗装表層部とは別個に独立した交通表示物舗装層を築き、半永久的に埋設する新規な交通表示物の舗装施工方法。
【請求項2】
新設の駐車場の車両線別の表示をする交通表示物を、車両通行部分を除く車両駐車帯の舗装表層部に、車両駐車帯の舗装表層部とは別個に独立した交通表示物舗装層を築き、半永久的に埋設する新規な交通表示物の舗装施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−132170(P2007−132170A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351183(P2005−351183)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(300088946)
【Fターム(参考)】