説明

選択的OPGL経路インヒビターとしてのヒト抗OPGL中和抗体

【課題】骨疾患(例えば、骨粗鬆症、関節炎からの骨の損失、ページェット病、および骨減少)を処置する手段の提供など。
【解決手段】オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が、配列番号6、配列番号14、配列番号22、もしくは配列番号26のいずれかに示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む、抗体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2002年4月5日に出願された、米国仮出願番号60/370,407に関する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)を結合する抗体に関する。骨疾患(例えば、骨粗鬆症、関節炎からの骨の損失、ページェット病、および骨減少)を処置するための組成物および方法もまた、提供される。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
生存骨組織は、骨の形成(堆積として公知)と骨の破壊(再吸収として公知)の間の動的平衡を示す。これらのプロセスは、少なくとも2つの細胞型によって媒介され得る:骨芽細胞(これは、骨の有機マトリックスを含む分子を分泌する(堆積));ならびに破骨細胞(これは、骨マトリックスの溶解および骨塩の可溶化(再吸収)を促進する)。特定の個体(例えば、閉経後の女性)において、再吸収の速度が堆積の速度を超え得、このことは、骨の質量および強度を減少させ得、骨折の危険性を増加させ、そして破壊された骨の修復を遅くするか、または不完全にする。
【0004】
オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)は、サイトカインのTNFファミリーのメンバーであり、そしてNF−κBのレセプターアクチベーター(RANK、破骨細胞の分化および活性化レセプター、すなわちODARとも称される)への結合を介して、破骨細胞の形成を促進する。オステオプロテゲリン(OPG)は、他方で、OPGLを分泌し、そしてODARとのOPGLの会合を防止することによって、破骨細胞の形成を阻害する。従って、ODARと会合するOPGLの量は、骨の堆積と再吸収との間の平行に相関する。骨減少疾患(例えば、骨粗鬆症)を患う個体は、骨の堆積より大きい再吸収速度を示し、このことは、OPGLの増加したレベルまたは活性から生じ得る。従って、破骨細胞発生におけるOPGLの活性を調節し得る分子を有することが有用である。生物学的サンプル(例えば、血液サンプル)におけるOPGLの量を検出し、OPGLの増加したレベルに関連する骨減少障害を診断し得ることもまた、有用である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)に結合するモノクローナル抗体を提供する。好ましくは、この抗体は、破骨細胞の分化および活性化レセプター(ODAR)へのOPGLの結合を阻害する。本発明によってまた、本発明のモノクローナル抗体を産生し、そして最も好ましくは、細胞培養培地中に分泌する、ハイブリドーマ細胞株が提供される。本発明の抗体は、低い骨密度に関連する種々の障害を処置するために有用である。
【0006】
特定の局面において、本発明は、重鎖および軽鎖を含む抗体、好ましくは、モノクローナル抗体、最も好ましくは、ヒト抗体を提供し、ここで、この重鎖は、IgG、IgG、またはIgG重鎖定常領域を含む。好ましくは、本発明の抗体は、配列番号2に記載されるIgG重鎖定常領域のアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0007】
本発明はまた、重鎖および軽鎖を含む抗体、好ましくは、モノクローナル抗体、最も好ましくは、ヒト抗体を提供し、ここで、この軽鎖は、配列番号4に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0008】
本発明は、特に、OPGLのD−Eループ領域を特異的に結合する、ヒト抗体、最も好ましくは、モノクローナル抗体に関する。本発明はまた、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の、D−Eループ領域の外側である領域に結合するヒト抗体、好ましくは、モノクローナル抗体に関する。さらに、本発明は、OPGLのD−Eループ領域の外側の領域と、D−Eループ領域の全てまたは一部との両方に結合する、ヒト抗体、好ましくは、モノクローナル抗体に関する。1つの局面において、本発明の抗体は、OPGLのD−Eループ領域の外側の第一の領域に結合し、次いで、第一の領域への結合を維持したままで、D−Eループ領域の全てまたは一部である第二の領域に結合する。このような結合は、本明細書中で、連続的であると称される。別の局面において、本発明の抗体は、OPGLのD−Eループ領域の外側の第一の領域、およびD−Eループ領域の全てまたは一部である第二の領域に、同時に結合し得る。このような結合は、本明細書中で、同時であると称される。
【0009】
特定の局面において、本発明の抗体は、重鎖および軽鎖を含み、ここで、重鎖の可変領域は、配列番号6、配列番号14、配列番号22、または配列番号26のいずれかに記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。他の局面において、軽鎖可変領域は、配列番号8、配列番号16、配列番号24、または配列番号28のいずれかに記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。さらなる局面において、重鎖は、配列番号30、配列番号38、配列番号46、または配列番号50のいずれかに記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。なおさらなる局面において、軽鎖は、配列番号32、配列番号40、配列番号48、または配列番号52のいずれかに記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0010】
本発明はまた、OPGLに特異的に結合する抗体を提供し、ここで、その重鎖は、配列番号6に記載される重鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてその軽鎖は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0011】
特定の局面において、本発明は、重鎖および軽鎖を含む抗体を提供し、(a)ここで、この重鎖は、第一の可変領域を含み、そしてこの第一の可変領域は、配列番号6に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(b)ここで、この軽鎖は、第二の可変領域を含み、この第二の可変領域は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(c)ここで、この抗体は、OPGLと相互作用する。
【0012】
他の局面において、第一の可変領域は、配列番号6に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む。
【0013】
なお他の局面において、第一の可変領域は、配列番号6に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含む。
【0014】
本発明は、さらに、OPGLに特異的に結合する抗体を提供し、ここで、その重鎖は、配列番号14に記載される重鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてその軽鎖は、配列番号16に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0015】
特定の局面において、本発明は、重鎖および軽鎖を含む抗体を提供し、(a)ここで、この重鎖は、第一の可変領域を含み、そしてこの第一の可変領域は、配列番号14に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(b)ここで、この軽鎖は、第二の可変領域を含み、この第二の可変領域は、配列番号16に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(c)ここで、この抗体は、OPGLと相互作用する。
【0016】
他の局面において、第一の可変領域は、配列番号14に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号16に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む。
【0017】
さらなる局面において、第一の可変領域は、配列番号14に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号16に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含む。
【0018】
本発明は、OPGLに特異的に結合する抗体を提供し、ここで、その重鎖は、配列番号22に記載される重鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてその軽鎖は、配列番号24に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0019】
特定の局面において、本発明は、重鎖および軽鎖を含む抗体を提供し、(a)ここで、この重鎖は、第一の可変領域を含み、そしてこの第一の可変領域は、配列番号22に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(b)ここで、この軽鎖は、第二の可変領域を含み、この第二の可変領域は、配列番号24に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(c)ここで、この抗体は、OPGLと相互作用する。
【0020】
特定の局面において、第一の可変領域は、配列番号22に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号24に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む。
【0021】
さらなる局面において、第一の可変領域は、配列番号22に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号24に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含む。
【0022】
さらに、本発明は、OPGLのD−Eループ領域に特異的に結合する抗体を提供し、ここで、その重鎖は、配列番号26に記載される重鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてその軽鎖は、配列番号28に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0023】
特定の局面において、本発明は、重鎖および軽鎖を含む抗体を提供し、(a)ここで、この重鎖は、第一の可変領域を含み、そしてこの第一の可変領域は、配列番号26に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(b)ここで、この軽鎖は、第二の可変領域を含み、この第二の可変領域は、配列番号28に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(c)ここで、この抗体は、OPGLと相互作用する。
【0024】
他の局面において、第一の可変領域は、配列番号26に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号28に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む。
【0025】
さらなる局面において、第一の可変領域は、配列番号26に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号28に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含む。
【0026】
本発明は、OPGLに特異的に結合する抗体を提供し、ここで、その重鎖は、配列番号30に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてその軽鎖は、配列番号32に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0027】
本発明は、OPGLに特異的に結合する抗体を提供し、ここで、その重鎖は、配列番号38に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてその軽鎖は、配列番号40に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0028】
本発明は、さらに、OPGLに特異的に結合する抗体を提供し、ここで、その重鎖は、配列番号46に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてその軽鎖は、配列番号48に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0029】
本発明は、さらに、OPGLに特異的に結合する抗体を提供し、ここで、その重鎖は、配列番号50に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そしてその軽鎖は、配列番号52に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0030】
特定の局面において、本発明は、OPGLを特異的に結合し、そして重鎖および軽鎖を含む抗体を提供し、ここで、この重鎖可変領域は、配列番号10または配列番号18に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。他の局面において、この軽鎖可変領域は、配列番号12または配列番号20に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0031】
本発明はまた、OPGLを特異的に結合する抗体を提供し、ここで、重鎖可変領域は、配列番号34または配列番号42に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。他の局面において、軽鎖可変領域は、配列番号36または配列番号44に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0032】
本発明は、さらに、OPGLを特異的に結合する抗体を提供し、ここで、重鎖は、配列番号10に記載される重鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そして軽鎖可変領域は、配列番号12に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0033】
特定の局面において、本発明は、重鎖および軽鎖を含む抗体を提供し(a)ここで、この重鎖は、第一の可変領域を含み、そしてこの第一の可変領域は、配列番号10に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(b)この軽鎖は、第二の可変領域を含み、この第二の可変領域は、配列番号12に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(c)この抗体は、OPGLと相互作用する。
【0034】
さらなる局面において、第一の可変領域は、配列番号10に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号12に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む。
【0035】
他の局面において、第一の可変領域は、配列番号10に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号12に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含む。
【0036】
本発明はまた、特異的に結合する抗体を提供し、ここで、重鎖は、配列番号18に記載される重鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そして軽鎖は、配列番号20に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0037】
特定の局面において、本発明は、重鎖および軽鎖を含む抗体を提供し(a)ここで、この重鎖は、第一の可変領域を含み、そしてこの第一の可変領域は、配列番号18に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(b)この軽鎖は、第二の可変領域を含み、この第二の可変領域は、配列番号20に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、そして(c)この抗体は、OPGLと相互作用する。
【0038】
他の局面において、第一の可変領域は、配列番号18に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号20に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の同一性を有する配列を含む。
【0039】
さらに他の局面において、第一の可変領域は、配列番号18に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含み、そして第二の可変領域は、配列番号20に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも99%の同一性を有する配列を含む。
【0040】
本発明はまた、OPGLを特異的に結合する抗体を提供し、ここで、重鎖は、配列番号34に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そして軽鎖は、配列番号36に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0041】
本発明は、OPGLを特異的に結合する抗体を提供し、ここで、重鎖は、配列番号42に記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含み、そして軽鎖は、配列番号44に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0042】
本発明はまた、単鎖抗体、単鎖Fv抗体、Fab抗体、Fab’抗体、および(Fab’)を提供する。
【0043】
特定の局面において、本発明は、可変領域および定常領域を含む重鎖を提供し、この可変領域は、配列番号6、配列番号10、配列番号14、配列番号18、配列番号22、または配列番号26のいずれかに記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0044】
さらに、本発明はまた、配列番号30、配列番号34、配列番号38、配列番号42、配列番号46、または配列番号50のいずれかに記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖を提供する。
【0045】
特定の局面において、本発明は、可変領域および定常領域を含む軽鎖を提供し、この可変領域は、配列番号8、配列番号12、配列番号16、配列番号20、配列番号24、または配列番号28のいずれかに記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0046】
他の局面において、本発明はまた、配列番号32、配列番号36、配列番号40、配列番号44、配列番号48、または配列番号52のいずれかに記載されるアミノ酸配列、またはその抗原結合フラグメントもしくは免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖を提供する。
【0047】
本発明はまた、OPGLを特異的に結合する単離されたヒト抗体に関し、ここで、この抗体は、以下を含む:(a)ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域、およびヒト重鎖CDR3領域;ならびに(b)ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域、およびヒト軽鎖CDR3領域。特定の局面において、ヒト重鎖CDR1領域は、図15に示されるような、16E1、2D8、22B3、または9H7の重鎖CDR1領域であり得、そしてヒト軽鎖CDR1領域は、図16に示されるような、16E1、2D8、22B3、または9H7の軽鎖CDR1領域であり得る。他の局面において、ヒト重鎖CDR2領域は、図15に示されるような、16E1、2D8、22B3、または9H7の重鎖CDR2領域であり得、そしてヒト軽鎖CDR2領域は、図16に示されるような、16E1、2D8、22B3、または9H7の軽鎖CDR2領域であり得る。なお他の局面において、ヒト重鎖CDR3領域は、図15に示されるような、16E1、2D8、22B3、または9H7の重鎖CDR3領域であり、そしてヒト軽鎖CDR3領域は、図16に示されるような、16E1、2D8、22B3、または9H7の軽鎖CDR3領域である。
【0048】
本発明はまた、OPGLを特異的に結合する単離されたヒト抗体に関し、ここで、この抗体は、以下を含む:(a)ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域、およびヒト重鎖CDR3領域;ならびに(b)ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域、およびヒト軽鎖CDR3領域。特定の局面において、ヒト重鎖CDR1領域は、図15に示されるような、2E11または18B2の重鎖CDR1領域であり得、そしてヒト軽鎖CDR1領域は、図16に示されるような、2E11または18B2の軽鎖CDR1領域であり得る。他の局面において、ヒト重鎖CDR2領域は、図15に示されるような、2E11または18B2の重鎖CDR2領域であり得、そしてヒト軽鎖CDR2領域は、図16に示されるような、2E11または18B2の軽鎖CDR2領域であり得る。なお他の局面において、ヒト重鎖CDR3領域は、図15に示されるような、2E11または18B2の重鎖CDR3領域であり、そしてヒト軽鎖CDR3領域は、図16に示されるような、2E11または18B2の軽鎖CDR3領域である。
【0049】
さらに、本発明は、骨減少障害を処置するための方法を提供し、この方法は、薬学的に有効な量の本発明のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを、その必要がある個体に投与する工程を包含する。
【0050】
本発明は、さらに、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の、D−Eループ領域の外側、またはOPGLのD−Eループ領域の外側とD−Eループ領域の全てまたは一部との両方に結合し得る、融合タンパク質または他の分子に関し、ここで、結合は、連続的または同時(上記抗体と一緒であり、包括的に、本明細書中で「特異的結合パートナー」と称される)である。これらの分子は例えば、WO 00/24782(これは、本明細書中に参考として援用される)に記載される方法を使用して調製され得るようなものである。このような分子は、例えば、哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞)または細菌細胞(例えば、E.coli細胞)において発現され得る。
【0051】
本発明はまた、生物学的サンプル中のOPGLのレベルを検出するための方法を提供する。この方法は、本発明のモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントにサンプルを接触させる工程を包含する。本発明の抗OPGL抗体は、OPGLの検出および定量のための任意の公知のアッセイ方法(例えば、競合的結合アッセイ、直接的および間接的サンドイッチアッセイ、免疫沈降アッセイならびに酵素結合免疫吸着剤アッセイ(ELISA)(Sola、1987、Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques、147−158ページ、CRC Press,Inc.を参照のこと)において使用され得る。この抗体は、使用されるアッセイ方法に適切な親和性でOPGLと結合し得る。
【0052】
本発明における1つの局面において、抗体はオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が、配列番号6、配列番号14、配列番号22、もしくは配列番号26のいずれかに示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む。
【0053】
1つの実施形態において、この抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)のD−Eループ領域に特異的に結合する。
【0054】
本発明における1つの局面において、抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPG
L)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が、配列番号10もしくは配列番号18に示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む。
【0055】
1つの実施形態において、この抗体は、以下:
a.D−Eループ領域の外側にあるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の領域;または
b.該D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方と特異的に結合する。
【0056】
好ましい実施形態において、この抗体は、前記D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方と特異的に結合し、この結合が、連続的または同時である。
【0057】
本発明における1つの局面において、抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖が、配列番号8、配列番号16、配列番号24、もしくは配列番号28のいずれかに示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む。
【0058】
1つの実施形態において、この抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)のD−Eループ領域に特異的に結合する。
【0059】
本発明の1つの局面において、抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖が、配列番号12もしくは配列番号20に示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む。
【0060】
1つの実施形態において、この抗体は、以下:
a.D−Eループ領域の外側にあるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の領域;または
b.該D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方と特異的に結合する。
【0061】
1つの好ましい実施形態において、前記D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方との結合が、連続的または同時である。
【0062】
1つの局面において、抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が、配列番号30、配列番号38、配列番号46、もしくは配列番号50のいずれかに示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0063】
1つの実施形態において、この抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)のD−Eループ領域に特異的に結合する。
【0064】
1つの局面において、抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該重鎖が、配列番号34もしくは配列番号42に示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含む。
【0065】
1つの実施形態において、この抗体は、以下:
a.D−Eループ領域の外側にあるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の領域;または
b.該D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方
と特異的に結合する。
【0066】
1つの好ましい実施形態において、前記D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方との結合が、連続的または同時である。
【0067】
1つの局面において、抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、この抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖が、配列番号32、配列番号40、配列番号48、もしくは配列番号52のいずれかに示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0068】
1つの好ましい実施形態において、この抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)のD−Eループ領域に特異的に結合する。
【0069】
1つの局面において、抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖が、配列番号36もしくは配列番号44に示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を含む。
【0070】
1つの実施形態において、この抗体は、以下:
a.D−Eループ領域の外側にあるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の領域;または
b.該D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方と特異的に結合する。
【0071】
1つの好ましい実施形態において、前記D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方との結合が、連続的または同時である。
【0072】
1つの局面において、抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、以下:
a.配列番号6に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号8に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
b.配列番号14に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号16に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖;
c.配列番号22に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号24に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
d.配列番号26に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号28に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
e.配列番号30に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖、および配列番号32に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖;
f.配列番号38に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖、および配列番号40に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖;
g.配列番号46に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖、および配列番号48に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖;または
h.配列番号50に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖、および配列番号52に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖;
を含む。
【0073】
1つの実施形態において、この抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)のD−Eループ領域と特異的に結合する。
【0074】
別の実施形態において、前記重鎖が、配列番号6に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する重鎖可変領域を含み、そして前記軽鎖が、配列番号8に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する軽鎖可変領域を含む。
【0075】
この好ましい実施形態において、前記重鎖可変領域が、配列番号6に示されるようなアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、そして前記軽鎖可変領域が、配列番号8に示されるようなアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する。
【0076】
なお別の実施形態において、前記重鎖が、配列番号14に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する重鎖可変領域を含み、そして前記軽鎖が、配列番号16に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する軽鎖可変領域を含む。
【0077】
この好ましい実施形態において、前記重鎖可変領域が、配列番号14に示されるようなアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、そして前記軽鎖可変領域が、配列番号16に示されるようなアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する。
【0078】
なお別の実施形態において、前記重鎖が、配列番号22に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する重鎖可変領域を含み、そして前記軽鎖が、配列番号24に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する軽鎖可変領域を含む。
【0079】
この好ましい実施形態において、前記重鎖可変領域が、配列番号22に示されるようなアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、そして前記軽鎖可変領域が、配列番号24に示されるようなアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する。
【0080】
なお別の実施形態において、前記重鎖が、配列番号26に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する重鎖可変領域を含み、そして前記軽鎖が、配列番号28に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する軽鎖可変領域を含む。
【0081】
この好ましい実施形態において、前記重鎖可変領域が、配列番号26に示されるようなアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、そして前記軽鎖可変領域が、配列番号28に示されるようなアミノ酸配列に対する少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する。
【0082】
なお別の実施形態において、前記重鎖が、配列番号30に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含み、そして前記軽鎖が、配列番号32に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0083】
なお別の実施形態において、前記重鎖が、配列番号38に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含み、そして前記軽鎖が、配列番号40に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0084】
なお別の実施形態において、前記重鎖が、配列番号46に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含み、そして前記軽鎖が、配列番号48に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0085】
なお別の実施形態において、前記重鎖が、配列番号50に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含み、そして前記軽鎖が、配列番号52に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0086】
1つの局面において、この抗体は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する単離されたヒト抗体であって、該抗体が、以下:
a.配列番号10に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖、および配列番号12に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
b.配列番号18に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を有する重鎖および配列番号20に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖可変領域を有する軽鎖;
c.配列番号34に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖、および配列番号36に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖;あるいは
d.配列番号42に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖および配列番号44に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む軽鎖;
を含む。
【0087】
1つの実施形態において、この抗体が、以下:
a.D−Eループ領域の外側にあるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の領域;または
b.該D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方
と特異的に結合する。
【0088】
1つの好ましい実施形態において、前記D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方との結合が、連続的または同時である。
【0089】
1つの実施形態において、前記重鎖が、配列番号10に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する重鎖可変領域を含み、そして前記軽鎖が、配列番号12に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する軽鎖可変領域を含む。
【0090】
1つの好ましい実施形態において、前記重鎖可変領域が、前記配列番号10に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、そして前記軽鎖可変領域が、前記配列番号12に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する。
【0091】
1つの実施形態において、前記重鎖が、配列番号18に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む重鎖可変領域を含み、そして前記軽鎖が、配列番号20に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを有する軽鎖可変領域を含む。
【0092】
1つの好ましい実施形態において、前記重鎖可変領域が、前記配列番号18に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、そして前記軽鎖可変領域が、前記配列番号20に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する。
【0093】
1つの実施形態において、前記重鎖が、配列番号34に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含み、そして前記軽鎖が、配列番号36に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0094】
1つの実施形態において、前記重鎖が、配列番号42に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメントまたはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含み、そして前記軽鎖が、配列番号44に示されるようなアミノ酸配列、その抗原結合フラグメント、またはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0095】
1つの実施形態において、前記重鎖および軽鎖が、融通性のリンカーにより結合されて単鎖抗体を形成する。
【0096】
1つの好ましい実施形態において、この抗体は、単鎖Fv抗体である。
【0097】
1つの実施形態において、抗体は、Fab抗体である。
【0098】
1つの実施形態において、抗体は、Fab’抗体である。
【0099】
1つの実施形態において、抗体は、(Fab’)抗体である。
【0100】
1つの実施形態において、抗体は、完全にヒトである。
【0101】
1つの実施形態において、抗体は、OPGLの破骨細胞の分化および活性化レセプター(ODAR)への結合を阻害する。
【0102】
本発明は、1つの局面において、患者における骨減少障害を処置するための方法であって、該方法が、患者にこの抗体の薬学的有効量を投与する工程を包含する。
【0103】
本発明は、1つの好ましい実施形態において、薬学的に受容可能なキャリアおよびこの抗体の治療的有効量を含む、薬学的組成物である。
【0104】
本発明は、1つの局面において、患者における骨減少障害を処置するための方法であって、該方法が、患者にこの薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0105】
本発明は、1つの局面において、生物学的サンプル中のOPGLを検出するための方法であって、該方法が、以下:
a.該サンプルを抗体と、該抗体のOPGLへの結合を可能にする条件下で、接触させる工程;および
b.該サンプル中の結合した抗体のレベルを測定する工程
を包含する。
【0106】
本発明は、1つの局面において、可変領域および定常領域を含む重鎖であって、該可変領域が、配列番号6、配列番号10、配列番号14、配列番号18、配列番号22もしくは配列番号26のいずれかにおいて示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0107】
本発明は、1つの局面において、配列番号30、配列番号34、配列番号38、配列番号42、配列番号46もしくは配列番号50のいずれかにおいて示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む、重鎖である。
【0108】
本発明は、1つの局面において、可変領域および定常領域を含む軽鎖であって、該可変領域が、配列番号8、配列番号12、配列番号16、配列番号20、配列番号24もしくは配列番号28のいずれかにおいて示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む。
【0109】
本発明は、1つの局面において、配列番号32、配列番号36、配列番号40、配列番号44、配列番号48もしくは配列番号52のいずれかにおいて示されるようなアミノ酸配列またはその抗原結合フラグメントもしくはその免疫学的機能的免疫グロブリンフラグメントを含む、軽鎖である。
【0110】
本発明は、1つの局面において、単離されたヒト抗体であって、以下:
a.ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域およびヒト重鎖CDR3領域であって、該ヒト重鎖CDR3領域が、図15に示されるような16E1、2D8、22B3または9H7の重鎖CDR3領域である、ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域およびヒト重鎖CDR3領域;ならびに
b.ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域およびヒト軽鎖CDR3領域であって、該ヒト軽鎖CDR3領域が、図16に示されるような16E1、2D8、22B3または9H7の軽鎖CDR3領域である、ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域およびヒト軽鎖CDR3領域;を含み、該抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する。
【0111】
1つの実施形態において、この抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)のD−Eループ領域と特異的に結合する。
【0112】
1つの実施形態において、この単離されたヒト抗体であって、前記ヒト重鎖CDR2領域が、図15で示されるような16E1、2D8、22B3、または9H7の該重鎖CDR2領域であり、そして前記ヒト軽鎖CDR2領域が、図16で示されるような16E1、2D8、22B3、または9H7の軽鎖CDR2領域である。
【0113】
1つの好ましい実施形態において、この抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)のD−Eループ領域と特異的に結合する。
【0114】
1つの実施形態において、この単離されたヒト抗体であって、前記ヒト重鎖CDR1領域が、図15で示されるような16E1、2D8、22B3、または9H7の該重鎖CDR1領域であり、そして前記ヒト軽鎖CDR1領域が、図16で示されるような16E1、2D8、22B3、または9H7の軽鎖CDR1領域である。
【0115】
1つの好ましい実施形態において、この抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)のD−Eループ領域と特異的に結合する、抗体。
【0116】
本発明の1つの局面において、単離されたヒト抗体であって、以下:
a.ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域およびヒト重鎖CDR3領域であって、該ヒト重鎖CDR3領域が、図15に示されるような2E11または18B2の重鎖CDR3領域である、ヒト重鎖フレームワーク領域、ヒト重鎖CDR1領域、ヒト重鎖CDR2領域およびヒト重鎖CDR3領域;ならびに
b.ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域およびヒト軽鎖CDR3領域であって、該ヒト軽鎖CDR3領域が、図16に示されるような2E11または18B2の軽鎖CDR3領域である、ヒト軽鎖フレームワーク領域、ヒト軽鎖CDR1領域、ヒト軽鎖CDR2領域およびヒト軽鎖CDR3領域;
を含み、該抗体が、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)と特異的に結合する。
【0117】
1つの実施形態において、この抗体は、以下:
a.D−Eループ領域の外側にあるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の領域;あるいは
b.該D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方
と特異的に結合し、結合が、連続的または同時である。
【0118】
1つの好ましい実施形態において、前記D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方との結合が、連続的または同時である。
【0119】
1つの実施形態において、この単離されたヒト抗体であって、前記ヒト重鎖CDR2領域が、図15に示されるような2E11または18B2の重鎖CDR2領域であり、そして前記ヒト軽鎖CDR2領域が、図16に示されるような2E11または18B2の軽鎖CDR2領域である。
【0120】
1つの好ましい実施形態において、この抗体が、以下:
a.D−Eループ領域の外側にあるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の領域;あるいは
b.該D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方
と特異的に結合し、結合が連続的または同時である。
【0121】
1つのより好ましい実施形態において、前記D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方との結合が、連続的または同時である。
【0122】
1つの実施形態において、前記ヒト重鎖CDR1領域が、図15に示されるような2E11または18B2の重鎖CDR1領域であり、そして前記ヒト軽鎖CDR1領域が、図16に示されるような2E11または18B2の軽鎖CDR1領域である。
【0123】
1つの好ましい実施形態において、この抗体が、以下:
a.D−Eループ領域の外側にあるオステオプロテゲリンリガンド(OPGL)の領域;あるいは
b.該D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方
と特異的に結合し、結合が連続的または同時である。
【0124】
1つのより好ましい実施形態において、前記D−Eループ領域の外側にあるOPGLの領域および該D−Eループ領域の全てまたは一部の両方との結合が、連続的または同時である。
【0125】
本発明の特定の好ましい実施形態が、以下の特定の好ましい実施形態のより詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1A】図1A〜1Bは、抗OPGL抗体の重鎖定常領域をコードするcDNA配列(配列番号1)(図1A)および抗OPGL抗体の重鎖定常領域のアミノ酸配列(配列番号2)(図1B)を示す。
【図1B】図1A〜1Bは、抗OPGL抗体の重鎖定常領域をコードするcDNA配列(配列番号1)(図1A)および抗OPGL抗体の重鎖定常領域のアミノ酸配列(配列番号2)(図1B)を示す。
【図2】図2A〜2Bは、抗OPGL抗体のκ鎖定常領域をコードするcDNA配列(配列番号3)(図2A)および抗OPGL抗体のκ鎖定常領域のアミノ酸配列(配列番号4)(図2B)を示す。
【図3】図3A〜3Bは、22B3抗OPGL抗体の重鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号5)(図3A)および22B3抗OPGL抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号6)(図3B)を示す。
【図4】図4A〜4Bは、22B3抗OPGL抗体のκ鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号7)(図4A)および22B3抗OPGL抗体のκ鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号8)(図4B)を示す。
【図5】図5A〜5Bは、2E11抗OPGL抗体の重鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号9)(図5A)および2E11抗OPGL抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号10)(図5B)を示す。
【図6】図6A〜6Bは、2E11抗OPGL抗体のκ鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号11)(図6A)および2E11抗OPGL抗体のκ鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号12)(図6B)を示す。
【図7】図7A〜7Bは、2D8抗OPGL抗体の重鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号13)(図7A)および2D8抗OPGL抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号14)(図7B)を示す。
【図8】図8A〜8Bは、2D8抗OPGL抗体のκ鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号15)(図8A)および2D8抗OPGL抗体のκ鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号16)(図8B)を示す。
【図9】図9A〜9Bは、18B2抗OPGL抗体の重鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号17)(図9A)および18B2抗OPGL抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号18)(図9B)を示す。
【図10】図10A〜10Bは、18B2抗OPGL抗体のκ鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号19)(図10A)および18B2抗OPGL抗体のκ鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号20)(図10B)を示す。
【図11】図11A〜11Bは、16E1抗OPGL抗体の重鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号21)(図11A)および16E1抗OPGL抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号22)(図11B)を示す。
【図12】図12A〜12Bは、16E1抗OPGL抗体のκ鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号23)(図12A)および16E1抗OPGL抗体のκ鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号24)(図12B)を示す。
【図13】図13A〜13Bは、9H7抗OPGL抗体の重鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号25)(図13A)および9H7抗OPGL抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号26)(図13B)を示す。
【図14】図14A〜14Bは、9H7抗OPGL抗体のκ鎖可変領域をコードするcDNA配列(配列番号27)(図14A)および9H7抗OPGL抗体のκ鎖可変領域のアミノ酸配列(配列番号28)(図14B)を示す。
【図15】図15は、16E1、2E11、18B2、2D8、22B3、および9H7と名付けた抗OPGL抗体についての重鎖のアラインメントを示す。CDRは下線が引かれており、非コンセンサスアミノ酸は影をつけてボールド体にしてある。
【図16】図16は、16E1、2E11、18B2、2D8、22B3、および9H7と名付けた抗OPGL抗体についての軽鎖のアラインメントを示す。CDRは下線が引かれており、非コンセンサスアミノ酸は影をつけてボールド体にしてある。
【図17】図17は、pDSRα19:9H7κ鎖発現ベクターの環状プラスミドの図を示す。
【図18】図18は、pDSRα19:9H7重鎖発現ベクターの環状プラスミドの図を示す。
【図19】図19は、抗OPGL抗体を産生するための例示的細胞培養プロセスを示す。
【図20】図20は、光学密度対抗OPGL抗体濃度を示すグラフであり、OPGL抗体媒介性の破骨細胞の阻害を実証する。
【図21】図21は、カニクイザルにおける、1.0mg/kgでの皮下投与の後の抗OPGL抗体の血清濃度のグラフを示す。
【図22】図22は、カニクイザルにおける、抗OPGL抗体の1.0mg/kgでの皮下投与の後の血清NTxの基線からの%変化を表すグラフを示す。
【図23】図23は、D領域とE領域との間のOPGL領域における、マウス(配列番号70)、ヒト(配列番号71)、およびマウスDE改変体(配列番号72)のアミノ酸配列の比較を示す。
【図24】図24は、酵素免疫アッセイの結果を示し、本発明の6つの抗OPGL抗体がマウスOPGL(143〜317)に結合することを示す。
【図25】図25は、酵素免疫アッセイの結果を示し、本発明の4つの抗OPGL抗体がFLAG−マウスOPGL/DE(158〜316)に結合することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0127】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本明細書に使用される節の題字は、組織化するための目的のみであり、記載する主題の限定として解釈されるべきではない。本出願に引用される全ての参考文献は、任意の目的のために、本明細書に参考として明示的に援用される。
【0128】
(定義)
標準的な技術を組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに、組織培養および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)のために使用した。酵素反応および精製技術は、製造者の記載に従って、あるいは、当該分野で一般的になされているように、または本明細書に記載するように実行した。上述の技術および手順は、一般的に、当該分野で周知の従来の方法に従って、ならびに、本明細書にわたって引用され、考察される種々の一般的な参考文献およびより詳細な参考文献に記載されるように行った。例えば、Sambrookら,2001,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,第3版,Cold Spirng Harbor
Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(任意の目的のために、本明細書に参考として援用される)を参照のこと。特定の定義を提供しない限り、本明細書に記載される、分析化学、合成有機化学、および医化学および薬化学に関連して利用される命名法、およびそれらの実験室手順および技術は、当該分野で周知かつ一般的であるものである。標準的技術は、化学合成、化学分析、薬学的調製、処方、および送達、ならびに患者の処置のために使用され得る。
【0129】
本開示に従って利用されるように、以下の用語は、他に示さない限り、以下の意味を有すると理解される:
用語「単離したポリヌクレオチド」とは、本明細書で使用する場合、ゲノム起源、cDNA起源、または合成的起源、あるいはそれらのいくつかの組合せのポリヌクレオチドを意味し、その起源によって、単離したポリヌクレオチドは、(1)天然に見出された単離したポリヌクレオチドの全てまたは一部と関連しない、(2)天然では結合しないポリヌクレオチドに結合している、あるいは(3)より大きな配列の部分としては天然では存在しない。
【0130】
本明細書でいう、用語「単離したタンパク質」とは、主題のタンパク質が以下の特徴を有することを言う。(1)普通は一緒に見出される少なくともいくつかの他のタンパク質を有さない、(2)同じ供給源(例えば、同じ種)に由来する他のタンパク質を実質的に有さない、(3)異なる種に由来する細胞によって発現される、(4)天然では結合しているポリヌクレオチド、脂質、炭水化物、または他の材料の少なくとも約50%から分離されている、(5)天然では「単離したタンパク質」と結合しているタンパク質の一部と(共有結合性相互作用または非共有結合性相互作用によって)結合していない、(6)天然では結合していないポリペプチドと(共有結合性相互作用または非共有結合性相互作用によって)作動可能に結合している、あるいは(7)天然には存在しない。このような単離したタンパク質は、ゲノムDNA、cDNA、mRNAまたは他のRNA、合成的な起源を有するもの、あるいはそれらの任意の組合せによってコードされ得る。好ましくは、単離したタンパク質は、天然環境において見出される、その使用(治療、診断、予防、研究など)を妨害する、タンパク質またはポリペプチド、あるいは他の夾雑物を実質的に含まない。
【0131】
用語「ポリペプチド」または「タンパク質」とは、ネイティブのタンパク質、つまり天然に存在する細胞および特定の非組換え細胞、あるいは遺伝学的に操作した細胞または組換え細胞によって生産されるタンパク質の配列を有する分子、ならびにネイティブのタンパク質のアミノ酸配列を有する分子、またはネイティブ配列の1つ以上のアミノ酸の欠失
、付加、および/または置換を有する分子を意味する。用語「ポリペプチド」または「タンパク質」は、詳細には、抗OPGL抗体、あるいは抗OPGL抗体の1つ以上のアミノ
酸の欠失、付加、および/または置換を有する配列を含む。
【0132】
用語「ポリペプチドフラグメント」とは、アミノ末端欠失、カルボキシル末端欠失、および/または内部欠失を有するポリペプチドをいう。特定の実施形態において、フラグメントは、少なくとも5〜約500アミノ酸の長さである。特定の実施形態において、フラグメントは、少なくとも5,6、8、10、14、20、50、70、100、110、150、200、250、300、350、400、または450アミノ酸の長さであるっことが理解される。特に有用なポリペプチドフラグメントとしては、機能的ドメイン(結合ドメインを含む)が挙げられる。抗OPGL抗体の場合、有用なフラグメントとしては、CDR領域、重鎖または軽鎖の可変ドメイン、抗体鎖または2つのCDRを含む可変領域の一部などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0133】
用語「免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメント」とは、本明細書で使用する場合、免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の少なくともCDRを含むポリペプチドフラグメントをいう。本発明の免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントは、抗原に結合し得る。好ましい実施形態において、抗原は、レセプターに特異的に結合するリガンドである。これらの実施形態において、本発明の免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントの結合は、リガンドのレセプターへの結合を防止し、レセプターに結合したリガンドによって生じる生物学的応答を妨害する。好ましくは、本発明の免疫学的に機能的な免疫グロブリンフラグメントは、OPGLに特異的に結合する。最も好ましくは、このフラグメントは、ヒトOPGLに特異的に結合する。
【0134】
用語「天然に存在する」とは、本明細書で使用し、対象に適用する場合、対象が天然に見出され得るという事実をいう。例えば、天然の供給源から単離され得る生物(ウイルスを含む)に存在し、かつヒトによって意図的に改変されていないポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列が、天然に存在する。
【0135】
用語「作動可能に結合した」とは、用語が適用される成分が、適切な条件下でそれらが本来の機能を実行することを可能とする関係にあることを意味する。例えば、制御配列は、それに結合するコード配列に「作動可能に結合し」、それによって、制御配列の転写活性に適合する条件下でタンパク質コード配列の発現が達成される。
【0136】
用語「制御配列」とは、本明細書で使用する場合、それらがライゲーションされたコード配列の発現、プロセッシングまたは細胞内局在をもたらし得るポリヌクレオチド配列をいう。このような制御配列の性質は、宿主生物に依存して異なり得る。特定の実施形態において、原核生物のための制御配列としては、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終結配列が挙げられ得る。別の特定の実施形態において、真核生物のための制御配列としては、転写因子のための1つ以上の認識部位を有するプロモーター、転写エンハンサー配列、転写終結配列およびポリアデニル化配列が挙げられ得る。特定の実施形態において、「制御配列」は、リーダー配列および/または融合パートナー配列が挙げられ得る。
【0137】
用語「ポリヌクレオチド」とは、本明細書でいう場合、少なくとも10塩基の長さの一本鎖または二本鎖の核酸ポリマーを意味する。特定の実施形態において、ポリヌクレオチドを構成するヌクレオチドは、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド、あるいはいずれかの型のヌクレオチドの改変形態であり得る。前記改変体としては、塩基改変体(例えば、ブロモウリジン)、リボース改変体(例えば、アラビノシドおよび2’,3’−ジデオキシリボース)およびヌクレオチド間結合改変体(例えば、ホスホロチオエート(phosphorothioate)、ホスホロジチオエート(phosphorodithioate)、ホスホロセレノエート(phosphoroselenoate)、ホスホロジセレノエート(phosphorodiselenoate)、ホスホロアニロチオエート(phoshoroanilothioate)、ホスホルアニラデート(phosphoraniladate)およびホスホロアミデート(phosphoroamidate))が挙げられる。用語「ポリヌクレオチド」は、詳細には、一本鎖および二本鎖の形態のDNAを含む。
【0138】
用語「オリゴヌクレオチド」としては、本明細書で使用する場合、天然に存在するオリゴヌクレオチド結合および/または天然には存在しないオリゴヌクレオチド結合によって、一つに結合した天然に存在するヌクレオチドおよび改変ヌクレオチドが挙げら得る。オリゴヌクレオチドは、一般的に、一本鎖であり、200塩基以下の長さを有するメンバーを含む、ポリヌクレオチドのサブセットである。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、10〜60ヌクレオチドの長さである。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、12、13、14、15、16、17、18、19、または20〜40ヌクレオチドの長さである。オリゴヌクレオチドは、例えば、遺伝異変体の構築における使用のために、一本鎖または二本鎖であり得る。本発明のオリゴヌクレオチドは、タンパク質コード配列を基準として、センスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドであり得る。
【0139】
用語「天然に存在するヌクレオチド」としては、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドが挙げられる。用語「改変ヌクレオチド」としては、改変されているか、または置換されている糖基などを有するヌクレオチドが挙げられる。用語「オリゴヌクレオチド結合」としては、オリゴヌクレオチド結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート、ホスホルアニラデート、ホスホロアミデートなど)が挙げられる。例えば、LaPlancheら,1986,Nucl.Acids Res.14:9081;Stecら,1984,J.Am.Chem.Soc.106:6077;Steinら,1988,Nucl.Acids Res.16:3209;Zonら,1991,Anti−Cancer Drug Design 6:539;Zonら,1991,OLIGONUCLEOTIDES AND ANALOGUES:A PRACTICAL APPROACH,(F.Eckstein編),Oxford University Press,Oxford England,87−108ページ;Stecら,米国特許第5,151,510号;UhlmannおよびPeyman,1990,Chemical Reviews 90:543(これらのそれぞれの開示は、任意の目的のために本明細書に参考として援用される)を参照のこと。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドまたはそのハイブリダイゼーションの検出を可能とするために検出可能な標識を含み得る。
【0140】
用語「ベクター」は、コード情報を宿主細胞に移すために使用される任意の分子(例えば、核酸、プラスミド、またはウイルス)をいうために使用される。
【0141】
用語「発現ベクター」とは、宿主細胞の形質転換のために適切であり、挿入した異種の核酸配列の発現を指示および/または制御する核酸配列を有するベクターをいう。発現としては、例えば、転写、翻訳、およびRNAスプライシング(イントロンが存在する場合)といったプロセスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
用語「宿主細胞」は、形質転換されているか、または核酸配列で形質転換され、次いで、選択した目的の遺伝子を発現させ得る細胞をいうために使用される。選択した遺伝子が存在している限り、その子孫が、起源である親細胞に対して、形態学または遺伝子組成において同一であるか否かを問わず、この用語は親細胞の子孫を含む。
【0143】
用語「形質導入」は、通常はファージによる1つの細菌から別の細菌への遺伝子の移転をいうために使用される。「形質導入」はまた、レトロウイルスによる真核生物の細胞内配列の獲得および転移もいう。
【0144】
用語「トランスフェクション」は、細胞による外来性または外因性のDNAの取り込みをいうために使用され、外因性DNAをその細胞膜の内側に導入した場合に、細胞は「トランスフェクト」されている。多くのトランスフェクション技術が、当該分野において周知であり、本明細書において開示される。例えば、Grahamら,1973,Virology 52:456;Sambrookら,2001,前出;Davisら,1986,BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(Elsevier);およびChuら,1981,Gene 13:197を参照のこと。このような技術は、適切な宿主細胞に1つ以上の外因性DNA部分を導入するために使用され
得る。
【0145】
用語「形質転換」とは、本明細書で使用する場合、細胞の遺伝的特徴における変化をいい、新しいDNAを含むように改変されている場合、細胞は形質転換されている。例えば、細胞は形質転換されて、ネイティブの状態から遺伝学的に改変される。トランスフェクションまたは形質導入の後で、形質転換されているDNAは、物理的に細胞の染色体に統合することで細胞中のDNAと再結合し得るし、複製されることなくエピソーム要素として一過的に維持され得るし、またはプラスミドとして独立的に複製し得る。DNAが細胞の分裂と共に複製される場合、細胞は安定的に形質転換されていると考えられる。
【0146】
用語「天然に存在する」または「ネイティブ」とは、生物学的材料(例えば、核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞など)に関連して使用する場合、天然に見出され、ヒトによって操作されていない材料をいう。同様に、「天然に存在しない」または「非ネイティブ」とは、本明細書で使用する場合、天然には見出されないか、あるいはヒトによって構造的に改変されているか、または合成されている材料をいう。
【0147】
用語「抗原」とは、選択的な結合因子(例えば、抗体)によって結合され得る分子またはその一部、および抗原のエピトープに結合し得る抗体を産生するために動物においてさらに使用され得る分子またはその一部をいう。抗原は、1つ以上のエピトープを有し得る

【0148】
用語「同一性」とは、当該分野で公知のように、2つ以上のポリペプチド分子または2つ以上の核酸分子の配列の間の関係性をいい、これらはその配列を比較することで決定される。当該分野において、「同一性」はまた、核酸分子またはポリペプチドの間の配列関連性の程度も意味し、場合によっては、2つ以上のヌクレオチド配列または2つ以上のアミノ酸配列の間の適合によって決定される。「同一性」は、特定の数学的モデルまたはコンピュータープログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって得られるギャップアラインメント(ある場合)を有する2つ以上の配列のより小さいほうの間の同一的適合の%の単位である。
【0149】
用語「類似性」は、当該分野において関連する概念について使用されるが、「同一性」とは対照的に、「類似性」とは、同一的適合および保存的な置換の適合の両方を含む関連性の尺度をいう。2つのポリペプチド配列が、例えば、10/20が同一のアミノ酸であり、残りが全て非保存的置換である場合、その%同一性および%類似性は両方とも50%である。同じ例において、保存的な置換が存在する5以上の位置が存在する場合、%同一性は50%のままであるが、%類似性は75(15/20)である。そのために、保存的置換が存在する場合において、2つのポリペプチドの間の%類似性は、この2つのポリペプチドの間の%同一性よりも高い。
【0150】
関連するポリペプチドの同一性および類似性は、公知の方法によって容易に計算され得る。このような方法としては、COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY,(Lesk,A.M.編),1988,New York:Oxford University Press;BIOCOMPUTING:INFORMATICS AND GENOME PROJECTS,(Smith,D.W.編),1993,New York:Academic Press;COMPUTER ANALYSIS OF SEQUENCE DATA,PART 1,(Griffin,A.M.およびGriffin,H.G.編),1994、New Jersey:Humana
Press;von Heinje,G.,1987,SEQUENCE ANALYSIS IN MOLECULAR BIOLOGY,New York:Academic Press;SEQUENCE ANALYSIS PRIMER,(Gribskov,M.およびDevereux,J.編),1991,New York:M.Stockton Press;およびCarilloら,1988,SIAM J.Applied Math.48:1073;およびDurbinら,1998,BIOLOGICAL SEQUENCE ANALYSIS,Cambridge University Pressに記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0151】
同一性を決定するための好ましい方法は、試験する配列の間の最大の適合を与えるように設計されている。同一性を決定するための方法は、公共的に利用可能なコンピュータープログラムに記載されている。2つの配列の間の同一性を決定するための好ましいコンピュータープログラム方法としては、GAPを含むGCGプログラムパッケージ(Devereuxら,1984,Nucl.Acid.Res.12:387;Genetics
Computer Group,University of Wisconsin,Madison,WI,BLASTP,BLASTNおよびFASTA,Altschulら,1990,J.Mol.Biol.215:403−410)が挙げられるが、これに限定されない。BLASTXプログラムは、National Center for Biotechnology Information(NCBI)および他の供給源(BLAST Manual,Altschulら,NCB/NLM/NIH Bethesda,MD 20894;Altschulら,1990,前出)から公共的に利用可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムもまた、同一性を決定するために使用され得る。
【0152】
2つのアミノ酸配列をアラインメントするための特定のアラインメントのスキームは、個の2つの配列の短い領域のみの適合を生じ得、この小さなアラインメント領域は、たとえこの2つの全長配列の間に十分な関係がない場合であっても、非常に高い配列同一性を有し得る。従って、特定の実施形態において、選択したアラインメント方法(GAPプログラム)は、標的ポリペプチドの少なくとも50個の連続的アミノ酸を含むアラインメントを生じ得る。
【0153】
例えば、コンピューターアルゴリズムGAP(Genetics Computer Group,University of Wisconsin,Madison,WI)を使用する場合、%配列同一性が決定されるべき2つのポリペプチドは、それぞれのアミノ酸の最適にな適合(「適合スパン」、アルゴリズムによって決定される)についてアラインメントされる。特定の実施形態において、ギャップ開始ペナルティ(3回の平均ディアゴナルとして計算される。ここで、「平均ディアゴナル」は、使用されている比較マトリクスのディアゴナルの平均値であり、「ディアゴナル」は、特定の比較マトリクスによる各完全なアミノ酸の適合に対して割り当てられたスコアまたは数である)およびギャップ伸長ペナルティ(通常は、ギャップ開始ペナルティの1/10である)、ならびに比較マトリクス(例えば、PAM250またはBLOSUM62)が、アルゴリズムと組合わせて使用される。特定の実施形態において、標準比較マトリクス(PAM250の比較マトリクスについては、Dayhoffら,1978,Atlas of Protein Sequence and Structure 5:345−352;BLOSUM62の比較マトリクスについては、Henikoffら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919を参照のこと)もまた、アルゴリズムによって使用される。
【0154】
特定の実施形態において、ポリペプチド配列比較のためのパラメーターとしては、以下が挙げられる:
アルゴリズム:Needlemanら,1970,J.Mol.Biol.48:443−453;
比較マトリクス:Henikoffら,1992,前出からのBLOSUM 62
ギャップペナルティー:12
ギャップ長ペナルティー:4
類似性の閾値:0
GAPプログラムは、上記のパラメーターとともに有用であり得る。特定の実施形態において、前述のパラメーターは、GAPアルゴリズムを用いるポリペプチド比較のためのデフォルトパラメーターである(末端ギャップのペナルティーはない)。
【0155】
本明細書中で使用される場合、20の従来形アミノ酸およびその略語は、従来の使用法に従う。IMMUNOLOGY−A SYNTHESIS,第2版(E.S.GolubおよびD.R.Gren,編),1991,Sinauer Associates,Sunderland,Mass.,(これらは、全ての目的のために本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。20の従来のアミノ酸の立体異性体(例えば、D−アミノ酸)、非天然のアミノ酸(例えば、α−,α−二置換アミノ酸)、N−アルキルアミノ酸、乳酸、および他の非従来型アミノ酸はまた、本発明のポリペプチドの適切な成分であり得る。非従来型アミノ酸の例としては、以下が挙げられる:4−ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、ε−N,N,N−トリメチルリジン、ε−N−アセチルリジン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジン、σ−N−メチルアルギニン、および他の類似のアミノ酸ならびにイミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン)。本明細書中で使用されるポリペプチド表記法において、標準的な使用法および慣習に従って、左側がアミノ末端方向であり、右側がカルボキシ末端方向である。
【0156】
同様に、別段記載されなければ、一本鎖ポリヌクレオチド配列の左側末端は、5’末端である;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左側は、5’方向といわれる。伸長中のRNA転写物の5’から3’への付加の方向は、転写方向といわれる;RNAと同じ配列を有し、RNA転写物の5’末端に対して5’側にあるDNA鎖上の配列領域は、「上流配列」といわれる;RNAと同じ配列を有し、RNA転写物の3’末端に対して3’側にあるDNA鎖上の配列領域は、「下流配列」といわれる。
【0157】
天然に存在する残基は、一般的な側鎖の特性に基づいたクラスに分類され得る:
1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
3)酸性:Asp、Glu;
4)塩基性:His、Lys、Arg;
5)鎖の配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;および
6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0158】
保存的アミノ酸置換は、天然に存在しないアミノ酸残基を包含し得、このアミノ酸残基は、代表的には、生物学的系における合成よりむしろ、化学的ペプチド合成によって組み込まれる。これらとしては、ペプチド模倣物、およびアミノ酸部分の他の逆形態または反転形態が挙げられる。
【0159】
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのクラスのメンバーを別のクラスのメンバーと交換することを包含し得る。このような置換された残基は、非ヒト抗体と相同なヒト抗体の領域に、または分子の非相同な領域に導入され得る。
【0160】
このような変更を行う際に、特定の実施形態に従って、アミノ酸のヒドロパシー指数が考慮され得る。各アミノ酸は、その疎水性および電荷特性に基づいて、ヒドロパシー指数を割り当てられている。ヒドロパシー指数は、以下である:イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(−0.4);スレオニン(−0.7);セリン(−0.8);トリプトファン(−0.9);チロシン(−1.3);プロリン(−1.6);ヒスチジン(−3.2);グルタミン酸(−3.5);グルタミン(−3.5);アスパラギン酸(−3.5);アスパラギン(−3.5);リジン(−3.9);およびアルギニン(−4.5)。
【0161】
タンパク質に対する相互作用的な生物学的機能を確認する際の、ヒドロパシーアミノ酸指数の重要性は、当該分野において理解されている(Kyteら、1982,J.Mol.Biol.157:105−131)。特定のアミノ酸が類似のヒドロパシー指数またはスコアを有する他のアミノ酸の代わりに使用され得、そして依然として類似の生物学的活性を維持し得ることが、公知である。ヒドロパシー指数に基づいて変化を起こす際に、ヒドロパシー指数が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものが特に好ましく、そして±0.5以内であるものが、なおより特に好ましい。
【0162】
類似のアミノ酸の置換が親水性に基づいて効果的になされ得る(特に、これによって作製された生物学的に機能的なタンパク質またはペプチドが、この場合においてと同様に、免疫学的実施形態における使用に関して考慮される場合)こともまた、当該分野において理解されている。特定の実施形態において、タンパク質の最も大きな局所的平均親水性が、その隣接するアミノ酸の親水性によって支配されるように、免疫原性および抗原結合または免疫原性と(すなわち、タンパク質の生物学的特性と)相関する。
【0163】
以下の親水性の値が、これらのアミノ酸残基に割り当てられた:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0±1);グルタミン酸(+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);スレオニン(−0.4);プロリン(−0.5±1);アラニン(−0.5);ヒスチジン(−0.5);システイン(−1.0);メチオニン(−1.3);バリン(−1.5);ロイシン(−1.8);イソロイシン(−1.8);チロシン(−2.3);フェニルアラニン(−2.5);およびトリプトファン(−3.4)。類似の親水性の値に基づいて変化を行う際に、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±l以内であるものが特に好ましく、そして±0.5以内であるものが、なおより特に好ましい。一次アミノ酸配列から、エピトープをまた、親水性に基づいて同定し得る。これらの領域はまた、「エピトープコア領域」と呼ばれる。
【0164】
例示的なアミノ酸置換は、表1に示される。
【0165】
(表1)
【0166】
【表1】

当業者は、周知の技術を用いて、本明細書中に記載されるポリペプチドの適切な改変体を決定し得る。特定の実施形態において、当業者は、活性のために重要であるとは考えられない領域を標的化し得ることによって、活性を破壊することなく変化され得るその分子の適切な領域を同定し得る。他の実施形態において、当業者は、類似のポリペプチド間で保存される分子の残基および部分を同定し得る。さらなる実施形態において、生物学的活性または構造に重要な領域さえ、生物学的活性を破壊することなく、またはポリペプチド構造に有害な影響を及ぼすことなく、保存的アミノ酸置換に供され得る。
【0167】
さらに、当業者は、活性または構造のために重要である、類似のポリペプチドにおける残基を同定する、構造−機能研究を再調査し得る。このような比較の観点において、当業者は、類似のタンパク質における活性または構造のために重要なアミノ酸残基に対応するタンパク質における、アミノ酸残基の重要性を予測し得る。当業者は、このような予測された重要なアミノ酸残基に対する化学的に類似のアミノ酸置換を、選択し得る。
【0168】
当業者はまた、類似のポリペプチドにおける三次元構造に関して、三次元構造およびアミノ酸配列を分析し得る。このような情報の観点において、当業者は、抗体のアミノ酸残基のアライメントを、その三次元構造に関して予測し得る。特定の実施形態において、当業者は、そのタンパク質の表面に存在すると予測されるアミノ酸残基に対する急激な変化を起こさないように、選択し得る。なぜなら、このような残基は、他の分子との重要な相互作用に関与し得るからである。さらに、当業者は、単一のアミノ酸置換をそれぞれの所望されるアミノ酸残基に含む、試験改変体を生成し得る。次いで、これらの改変体は、当業者に公知の活性アッセイを使用して、スクリーニングされ得る。このような改変体は、適切な改変体に関する情報を集めるために使用され得る。例えば、特定のアミノ酸残基に対する変化が破壊を生じるか、所望でなく減少するか、または所望でない活性であることを発見した場合には、このような変化を有する改変体は、回避され得る。換言すれば、このような慣用的な実験から集めた情報に基づいて、当業者は、さらなる置換が、単独でかまたは他の変異と組み合わせてかのいずれかで回避されるべきであるアミノ酸を、容易に決定し得る。
【0169】
多数の科学刊行物が、二次構造の推定に充てられてきた。Molt,1996,Curr.Op. inBiotech.7:422−427;Chouら、Biochemistry 13:222−245(1974);Chouら、Biochemistry
113:211−222(1974);Chouら、Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol.47:45−148(1978);Chouら、Ann.Rev.Biochem.47:251−276(1978);およびChouら、Biophys.J.26:367−384(1979)を参照のこと。さらに、二次構造を推定するのを補助するために、コンピュータープログラムが現在利用可能である。二次構造を推定する1つの方法は、相同性モデリングに基づく。例えば、30%より大きな配列同一性または40%より大きな類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質は、しばしば、類似の構造トポロジーを有する。タンパク質構造データベース(PDB)の近年の成長は、二次構造(ポリペプチドまたはタンパク質の構造における可能な折り畳みの数を含む)の増強された推定性を提供してきた。Holmら、1999,Nucl.Acids Res.27:244−247を参照のこと。所定のポリペプチドまたはタンパク質において制限された数の折り畳みが存在すること、および一旦、重要な数の構造が解析されると、構造推定は劇的により正確となることが、示唆されてきた(Brennerら、1997,Curr.Opin.Struct.Biol.7:369−376)。
【0170】
二次構造を推定するさらなる方法は、「スレッディング(threading)」(Jones,1997,Curr.Op.Struct.Biol.7:377−87;Sipplら、1996,Structure 4:15−19)、「プロフィール分析」(Bowieら、1991,Science,253:164−70;Gribskovら、1990,Meth.Enzym.183:146−159;Gribskovら、1987,Proc.Nat.Acad.Sci.USA 84:4355−4358)、および「evolutionary linkage」(Holmら、1999、前出、およびBrennerら、1997、前出を参照のこと)を包含する。
【0171】
特定の実施形態において、抗体改変体は、グリコシル化改変体を含み、ここでグリコシル化部位の数および/またはタイプは、親ポリペプチドのアミノ酸配列と比較して変更されている。特定の実施形態において、タンパク質改変体は、ネイティブタンパク質より多いまたは少ないN結合型グリコシル化部位を含む。N結合型グリコシル化部位は、配列:Asn−X−SerまたはAsn−X−Thrによって特徴づけられ、ここでXと示されるアミノ酸残基は、プロリンを除く任意のアミノ酸残基であり得る。この配列を作り出すためのアミノ酸残基の置換は、N結合型の炭水化物鎖の付加のために可能な新たな部位を提供する。あるいは、この配列を排除または変化させる置換は、ネイティブポリペプチドに存在するN結合型炭水化物鎖の付加を防止する。また、N結合型炭水化物鎖の再配置が提供される。ここで1以上のN結合型グリコシル化部位(代表的には、天然に存在するもの)が排除され、1以上の新しいN結合型部位が作り出される。さらに好ましい抗体改変体は、システイン改変体を含み、ここで親またはネイティブのアミノ酸配列中の1以上のシステイン残基が欠失されるか、または別のアミノ酸で置換される(例えば、セリン)。システイン改変体は、特に、抗体が生物学的に活性なコンホメーションに再折りたたみされなければならない場合、例えば、不溶性封入体の単離の後に、有用である。システイン改変体は、一般に、ネイティブタンパク質より少ないシステイン残基を有し、代表的には、不対システインから生じる相互作用を最小限にするために偶数である。
【0172】
さらなる実施形態において、抗体改変体は、改変Fcフラグメントまたは改変重鎖定常領域を含む抗体を含み得る。Fcフラグメント(これは、「結晶化するフラグメント」を表す)または重鎖定常領域は、変異によって改変されて、変化した結合特性を抗体に与え得る(例えば、BurtonおよびWoof,1992,Advances in Immunology 51:1−84;RavetchおよびBolland,2001,Annu.Rev.Immunol 19:275−90;Shieldsら,2001,Journal of Biol.Chem 276:6591−6604,TellemanおよびJunghans,2000,Immunology 100:245−251;Medesanら,1998,Eur.J.Immunol.28:2092−2100;これらの全ては、本明細書中に参考として援用される、を参照のこと)。このような変異は、置換、付加、欠失、またはこれらの任意の組み合わせを含み得、代表的には、本明細書中に記載の方法に従って、そして当該分野で公知の方法に従って(例えば、Maniatisら,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY
MANUAL,第3版,2001,Cold Spring Harbor,N.Y.ならびにBergerおよびKimmel,METHODS IN ENZYMOLOGY,Volume 152,Guide to Molecular Cloning Techniques,1987,Academic Press,Inc.,San Diego,CA.,本明細書中に参考として援用される、を参照のこと)、1以上の変異原性オリゴヌクレオチドを使用して、部位指向性変異誘発によって生成される。
【0173】
特定の実施形態に従って、アミノ酸置換は、(1)タンパク質分解性に対する感受性を減少させ、(2)酸化に対する感受性を減少させ、(3)タンパク質複合体の形成に対する結合親和性を変化させ、(4)リガンドまたは抗原の結合親和性を変化させ、そして/または(5)このようなポリペプチドに対して他の物理化学的特性または機能的特性を付与するか、またはこれらの特性を改変するものである。特定の実施形態に従って、単一または複数のアミノ酸置換(特定の実施形態において、保存的アミノ酸置換)は、天然に存在する配列において(特定の実施形態においては、分子間接触を形成するドメイン外のポリペプチドの部分において)行われ得る。特定の実施形態において、保存的アミノ酸置換は、代表的には、親配列の構造的特性を実質的に変化させない(例えば、置換アミノ酸は、親配列に存在するヘリックスを壊すか、または親配列を特徴づける二次構造の他の型を破壊する傾向がないはずである)。当該分野で認識されているポリペプチド二次構造および三次構造の例は、PROTEINS,STRUCTURES AND MOLECULAR PRINCIPLES (Creighton編),1984,W.H.New York:Freeman and Company;INTRODUCTION TO
PROTEIN STRUCTURE (BrandenおよびTooze,編),1991,New York:Garland Publishing;ならびにThorntonら,1991,Nature 354:105(その各々は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。
【0174】
ペプチドアナログは、テンプレートペプチドの特性に類似した特性を有する非ペプチド薬物として製薬産業において一般的に使用される。これらの型の非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣物(peptide mimetics)」または「ペプチド模倣物(peptidomimetics)」と呼ばれる。Fauchere,1986,Adv.Drug Res.15:29;VeberおよびFreidinger,1985,TINS p.392;ならびにEvansら,1987,J.Med.Chem.30:1229(これらは、全ての目的のために本明細書中に参考として援用される)。このような化合物は、しばしば、コンピューター化分子モデリングの補助により開発されている。治療的に有用なペプチドに構造的に類似するペプチド模倣物は、類似の治療的効果または予防的効果を生成するために使用され得る。一般的に、ペプチド模倣物は、ヒト抗体のようなパラダイムポリペプチド(すなわち、生化学的特性または薬理学的活性を有するポリペプチド)に構造的に類似するが、当該分野で周知の方法によって、以下から選択される連結によって必要に応じて置換される1以上のペプチド結合を有する:−−CHNH−−、−−CHS−−、−−CH−CH−−、−−CH=CH−(シスおよびトランス)、−−COCH−−、−−CH(OH)CH−−、および−−CHSO−−。同じ型のD−アミノ酸を有するコンセンサス配列の1以上のアミノ酸の体系的置換(例えば、L−リジンの代わりにD−リジン)は、特定の実施形態において、より安定なペプチドを生成するために使用され得る。さらに、コンセンサス配列または実質的に同一なコンセンサス配列バリエーションを含む拘束されたペプチドは、例えば、ペプチドを環化する分子内ジスルフィド架橋を形成し得る内部システイン残基を付加することによって、当該分野で公知の方法によって生成され得る(全ての目的のために本明細書中に参考として援用されるRizoおよびGierasch,1992,Ann.Rev.Biochem.61:387)。
【0175】
「抗体」または「抗体ペプチド」とは、特異的結合について、インタクトな抗体と競合する、インタクトな抗体またはその結合フラグメントをいう。特定の実施形態において、結合フラグメントは組換えDNA技術によって生成される。特定の実施形態において、結合フラグメントは、インタクトな抗体の酵素的切断または化学的切断によって生成される。結合フラグメントとしては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、および単鎖抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0176】
用語「重鎖」は、重鎖定常領域およびOPGLに対する特異性を付与するために十分な可変領域配列を有する任意の免疫グロブリンポリペプチドを含む。用語「軽鎖」は、軽鎖定常領域およびOPGLに対する特異性を付与するために十分な可変領域配列を有する免疫グロブリンポリペプチドを含む。全長重鎖は、可変領域ドメインV、および3つの定常領域ドメインC1、C2、およびC3を含む。このVドメインは、ポリペプチドのアミノ末端にあり、C3ドメインは、カルボキシル末端にある。用語「重鎖」は、本明細書中で使用される場合、全長重鎖およびそのフラグメントを含む。全長軽鎖は、可変領域ドメインV、および定常領域ドメインCを含む。重鎖のように、軽鎖の可変領域ドメインは、ポリペプチドのアミノ末端にある。用語「軽鎖」は、本明細書中で使用される場合、全長軽鎖およびそのフラグメントを含む。F(ab)フラグメントは、1つの軽鎖およびC1ならびに1つの重鎖の可変領域から構成される。F(ab)分子の重鎖は、別の重鎖分子とジスルフィド結合を形成することができない。F(ab’)フラグメントは、1つの軽鎖およびC1ドメインとC2ドメインとの間に多くの定常領域を含む1つの重鎖を含む。その結果、鎖間ジスルフィド結合は、F(ab’)分子を形成するために2つの重鎖の間で形成され得る。Fv領域は、重鎖および軽鎖の両方に由来する可変領域を含むが、定常領域を欠く。単鎖抗体は、重鎖および軽鎖の可変領域が可撓性のリンカーによって接合されて、抗原結合領域を形成する単一ポリペプチド鎖を形成するFv分子である。単鎖抗体は、WO88/01649ならびに米国特許第4,946,778号および同第5,260,203号(参考として援用される)に詳細に議論されている。
【0177】
「多特異的」または「多機能的」抗体以外の二価抗体は、特定の実施形態において、同一の抗原性特異性を有する結合部位を含むことが理解される。
【0178】
本発明に従う抗体結合性および特異性を評価するにあたって、抗体は、過剰な抗体が、少なくとも約20%、40%、60%、80%、85%、またはそれ以上(インビトロ競合結合アッセイにおいて測定される)、レセプターに結合したリガンドの量を減少させる場合、リガンドがレセプターに結合することを実質的に阻害する。
【0179】
用語「エピトープ」は、任意のポリペプチド決定基、好ましくは、免疫グロブリンまたはT細胞レセプターに特異的に結合し得るポリペプチド決定基を含む。特定の実施形態において、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、またはスルホニルのような分子の化学的に活性な表面の基を含み、特定の実施形態においては、特定の三次元構造特性、および/または特異的な電荷特性を有し得る。エピトープは、抗体によって結合される抗原の領域である。特定の実施形態において、抗体は、タンパク質および/または高分子の複雑な混合物中のその標的抗原を優先的に認識する場合、抗原に特異的に結合する。特定の実施形態において、抗体は、解離定数が10−8M以下である場合、特定の実施形態において、解離定数が10−9M以下である場合、特定の実施形態において、解離定数が10−10M以下である場合、抗原を特異的に結合するという。
【0180】
用語「薬剤」は、化合物、化合物の混合物、生物学的高分子、または生物学的物質から作製された抽出物を示すために、本明細書中で使用される。
【0181】
本明細書中で使用される場合、用語「標識」または「標識される」とは、検出可能なマーカーの、例えば、放射性標識されたアミノ酸の組み込みまたはポリペプチドへの、標識されたアビジン(例えば、好ましくは、光学的方法もしくは比色法により検出され得る蛍光マーカー、化学発光マーカー、または酵素活性のような検出可能なマーカーを含むストレプトアビジン)によって検出され得るビオチン部分の結合による組み込みをいう。特定の実施形態において、標識はまた、治療剤であり得る。ポリペプチドおよび糖タンパク質を標識する種々の方法は、当該分野で公知であり、本明細書中に開示される方法において有利に使用され得る。ポリペプチドのための標識の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:放射性同位体または放射性核種(例えば、H、14C、15N、35S、90Y、99mTc、111In、125I、131I)、蛍光標識(例えば、フルオレセインイソチオシアネートまたはFITC、ローダミン、またはランタニド蛍光体(lanthanide phosphor))、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光標識、ハプテン標識(例えば、ビオチン基)および二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメインまたはエピトープタグ)。特定の実施形態において、標識は、種々の長さのスペーサーアーム(例えば、(CH、約20未満のn)によって結合されて、潜在的な立体障害が減少される。
【0182】
用語「生物学的サンプル」とは、本明細書中で使用される場合、生きているものまたは以前に生きていたものに由来する任意の量の物質を含むが、これらに限定されない。このような、生きているものとしては、ヒト、マウス、サル、ラット、ウサギ、および他の動物が挙げられるが、これらに限定されない。このような物質としては、血液、血清、尿、細胞、器官、組織、骨、骨髄、リンパ節、および皮膚が挙げられるが、これらに限定されない。
【0183】
用語「骨減少障害」は、骨粗鬆症、骨減少症、パジェット病、溶解性骨転移、歯周炎、慢性関節リウマチ、および固定に起因する骨の喪失を含むが、これらに限定されない。これらの骨障害に加えて、乳癌および前立腺癌ならびに多発性骨髄腫のような特定のガンは、破骨細胞活性を増大させ、骨の再吸収を誘導することが公知である。これらの癌は、現在、骨中のOPGLの過剰発現を生じる因子を生成し、増大した破骨細胞数および活性をもたらすことが公知である。
【0184】
用語「薬学的因子または薬物」とは、本明細書中で使用される場合、適切に患者に投与された場合、所望の治療的効果を誘導し得る化合物または組成物をいう。
【0185】
本明細書中で使用される場合、「実質的に純粋」または「実質的に精製される」とは、存在する主な種である(すなわち、モルベースで組成物中に任意の他の個々の種より量が多い)化合物または種を意味する。特定の実施形態において、実質的に精製された画分は、目的の種が、存在する全ての高分子種の少なくとも約50%(モルベースで)を含む組成物である。特定の実施形態において、実質的に純粋な組成物は、組成物中に存在する全ての高分子種の約80%、85%、90%、95%、または99%より多くを含む。特定の実施形態において、この種は、本質的に均一になるまで精製される(夾雑種は、従来の検出法によって組成物中で検出できない)。ここでこの組成物は、単一の高分子種から本質的になる。
【0186】
用語「患者」は、ヒトおよび動物の被験体を含む。
【0187】
文脈が別段必要としなければ、単数形は、複数形を含むこととし、複数形もまた単数形を含むこととする。
【0188】
本発明は、オステオプロテゲリンリガンド(OPGL)(破骨細胞の形成に関与するサイトカインの腫瘍壊死因子(TNF)ファミリーのメンバー)に免疫学的に特異的な、抗体、好ましくは、モノクローナル抗体、最も好ましくは、ヒト抗体を提供する。増大した破骨細胞活性は、多くの骨減少障害(閉経後の骨粗鬆症、パジェット病、溶解性骨転位および慢性関節リウマチを含む)と相関する。従って、OPGL活性の減少は、破骨細胞活性の減少を生じ得、骨減少障害の重篤度を低下させ得る。本発明の特定の実施形態に従って、OPGLに対する抗体は、骨減少障害(上記の障害が挙げられるが、これらに限定されない)を検出し、診断し、予防し、そして処置するために使用され得る。
【0189】
本発明の特定の実施形態において、ヒトOPGLに対する完全ヒトモノクローナル抗体が提供される。特定の実施形態において、重鎖および軽鎖免疫グロブリン分子(特に、可変領域に対応する配列)をコードするヌクレオチド配列およびこれらを含むアミノ酸が提供される。特定の実施形態において、相補性決定領域(CDR)(特に、CDR1〜CDR3)に対応する配列が提供される。特定の実施形態に従って、例えば、免疫グロブリン分子およびモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマ細胞株がまた提供される。特定の実施形態において、本発明は、ヒトOPGLに対する精製されたヒトモノクローナル抗体を提供する。
【0190】
酵母人工染色体(YAC)におけるメガベースサイズのヒト遺伝子座をクローン化および再構築する能力ならびにそれらをマウス生殖細胞系内に導入する能力は、非常に大きなまたはおおまかにマッピングされた遺伝子座の機能的成分の解明およびヒト疾患の有用なモデルの作製に対するアプローチを提供する。さらに、マウス遺伝子座をそれらのヒト等価物で置換するためのこのような技術の利用は、発生の間のヒト遺伝子産物の発現および調節、他の系とそれらの連絡、ならびに疾患の誘導および進行のそれらの関連に対する独特の観察を提供する。
【0191】
このような戦略の重要な実用的な適用は、マウス体液性免疫系の「ヒト化」である。内因性Ig遺伝子が不活性化されたマウス内へのヒト免疫グロブリン(Ig)遺伝子の導入は、抗体の機構の元にあるプログラム化された発現および構築ならびにB細胞発生におけるそれらの役割を研究するための機会を提供する。さらに、このような戦略は、完全ヒトモノクローナル抗体(MAb)の産生のための供給源を提供する。完全ヒト抗体は、マウスまたはマウス由来のMAbに特有の免疫原応答およびアレルギー応答を最小化し、そしてそれによって、投与された抗体の効力および安全性を増加することを予期される。完全ヒト抗体は、骨粗鬆症、炎症、自己免疫、および癌のような慢性ヒト疾患および繰り返すヒト疾患(その処置が、繰り返された抗体投与を必要とする)の処置に使用され得る。従って、本発明の抗OPGL抗体の1つの特定の利点は、抗体が完全ヒトであり、そしてヒト抗マウス抗体または非ヒト種由来の他の以前に記載された非完全ヒト抗体と通常関連する有害な反応を最小にしながら、非急性の様式で患者に投与され得る。
【0192】
当業者は、マウス抗体産生において欠損したマウス株をヒトIg遺伝子座の大きなフラグメントで操作し得、その結果、マウスは、ヒト抗体を産生するが、マウス抗体を産生しない。マウス生殖系の大きなヒトIgフラグメントは、可変遺伝子の多様性ならびに抗体産生および発現の適切な調節を保存する。抗体の多様性のためのマウスの機構ならびにヒトタンパク質に対する免疫学的寛容の選択および欠如を利用することによって、これらのマウス株における再生されたヒト抗体レパートリーは、目的の任意の抗原(ヒト抗原を含む)に対する高い親和性抗体を生じる。ハイブリドーマ技術を使用して、所望の特異性を有する抗原特異的ヒトmAbは、産生および選択され得る。
【0193】
特定の実施形態において、当業者は、ヒト可変領域とともにヒト以外の種由来の領域を構築して、キメラ抗体を産生し得る。
【0194】
(天然に存在する抗体構造)
天然に存在する抗体の構造的単位は、代表的に、テトラマーを含む。各々のこのようなテトラマーは、代表的に、ポリペプチド鎖の2つの同一の対から構成され、各々の対は、1つの完全長「軽」鎖(特定の実施形態において、約25kDa)および1つの完全長「重」鎖(特定の実施形態において、約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、代表的に抗原認識を担う約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、代表的に、エフェクター機能を担い得る定常領域を規定する。ヒト軽鎖は、代表的に、κ鎖およびλ鎖として分類される。重鎖は、代表的に、μ、δ、、γ、またはεとして分類され、それぞれ、IgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEとして抗体のアイソタイプを規定する。IgGは、いくつかのサブクラス(IgG、IgG、IgG、およびIgGを含むがこれらに限定されない)を有する。IgMは、サブクラス(IgMおよびIgMを含むがこれらに限定されない)を有する。IgAは、同様に、サブクラス(IgAおよびIgAを含むがこれらに限定されない)に分割される。全長軽鎖および重鎖内において、代表的に、可変領域および定常領域は、約12以上のアミノ酸の「J」領域によって結合され、重鎖はまた、約10以上のアミノ酸の「D」領域を含む。例えば、FUNDAMENTAL IMMNOLOGY,2nd ed.,Ch.7(Pau1,W.,ed,)1989,New York:Raven Press(全ての目的のためにその全体が参考として援用される)を参照のこと。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、代表的に、抗原結合部位を形成する。
【0195】
可変領域は、代表的に、相補性決定領域またはCDRと呼ばれる3つの超可変領域によって結合される比較的保存されるフレームワーク領域(FR)の同じ一般的な構造を示す。各対の2つの鎖由来のCDRは、代表的に特定のエピトープへの結合を可能にし得るフレームワーク領域によって整列される。N末端からC末端へ、軽鎖可変領域および重鎖可変領域の両方が、代表的に、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。各ドメインに対するアミノ酸の割り当ては、代表的に、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest (1987および1991,National Institutes of Health,Bethesda,Md.)、またはChothia & Lesk.1987,J.Mol.Biol,196:901−917;Chothia et al.,1989.Nature342:878−883の定義に従った。
【0196】
(二重特異的抗体または二機能性抗体)
二重特異性抗体または二機能性抗体は、代表的に、2つの異なる重鎖/軽鎖対および2つの異なる結合部位を有する人工ハイブリッド抗体である。二重特異的抗体は、ハイブリドーマの融合またはFab’フラグメントの連結を含むがこれらに限定されない種々の方法によって産生され得る。例えば、Songsivilai & Lackmann,1990,Clin.Exp.Immunol.79:315−321;Kostelny
et al.,1992,J.Immunol.148:1547−1553を参照のこと。
【0197】
(抗体の調製)
本発明は、ヒトOPGLに特異的に結合する抗体を提供する。特定の実施形態において、抗体は、全長OPGLまたはそのフラグメントでの免疫化によって産生され得る。本発明の抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、および/または組換え抗体であり得る。好ましい実施形態において、本発明の抗体は、例えば、ヒト抗体を産生し得るトランスジェニック動物の免疫化によって調製されるヒト抗体である(例えば、PCT公開出願番号、WO93/12227を参照のこと)。
【0198】
抗OPGL抗体の軽鎖および重鎖の可変領域の相補性決定領域(CDR)は、同じかまたは別の種からの抗体由来のフレームワーク領域(FR)に移植され得る。特定の実施形態において、抗OPGL抗体の軽鎖および重鎖の可変領域のCDRは、コンセンサスヒトFRに移植され得る。コンセンサスヒトFRを作製するために、特定の実施形態において、いくつかのヒト重鎖または軽鎖のアミノ酸配列由来のFRは、コンセンサスアミノ酸配列を同定するために整列される。特定の実施形態において、抗OPGL抗体の重鎖または軽鎖のFRは、異なる重鎖または軽鎖由来のFRで置換される。特定の実施形態において、抗OPGL抗体の重鎖および軽鎖のFRのまれなアミノ酸は、置換されないが、一方、FRアミノ酸の残りは、置換される。まれなアミノ酸は、それらが通常FRにおいて見出されない位置にある特定のアミノ酸である。特定の実施形態において、抗OPGL抗体由来の移植された可変領域は、抗OPGL抗体の定常領域とは異なる定常領域とともに使用され得る。特定の実施形態において、移植された可変領域は、単鎖Fv抗体の一部である。CDR移植は、例えば、米国特許第6,180,370号、同第5,693,762号、同第5,693,761号、同第5,585,089号、および同第5,530,101号に記載される(これらは、本明細書によって、任意の目的で、参考として援用される)。
【0199】
本発明の抗体は、マウスの抗体産生細胞に挿入されるヒト抗体産生遺伝子座の実質的な部分を有し、そして内因性マウス抗体を産生する際に欠損するようにさらに操作されるトランスジェニックマウスを使用して調製される。このようなマウスは、ヒト免疫グロブリン分子および抗体を産生し得、そしてマウス免疫グロブリン分子および抗体を産生しないかまたは実質的に減少した量を産生する。この結果を達成するために使用される技術は、本明細書中に開示される特許、出願、および参考文献に開示される特許、出願、ならびに参考文献に開示される。特定の実施形態において、当業者は、国際特許出願公開番号WO98/24893(これは、任意の目的で参考として本明細書中で援用される)に開示される方法を使用し得る。Mendez et al.,1997.Nature Genetics 15:146−156(これは、任意の目的で本明細書によって参考として援用される)を参照のこと。
【0200】
本発明のモノクローナル抗体(mAb)は、従来のモノクローナル抗体方法論(例えば、Kohler and Milstein,1975,Nature 256:495の標準的な体細胞ハイブリダイゼーション技術)を含む種々の技術によって産生され得る。体細胞ハイブリダイゼーション手順が好ましいものの、原則として、モノクローナル抗体を産生するための他の技術(例えば、Bリンパ細胞のウイルスまたは腫瘍形成性形質転換)が使用され得る。
【0201】
ハイブリドーマを調製するための好ましい動物系は、マウスである。マウスのハイブリドーマ産生は、十分に確立されており、そして融合のための免疫化脾細胞の単離技術は、当該分野において周知である。融合パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞)および融合手順もまた公知である。
【0202】
好ましい実施形態において、OPGLに対するヒトモノクローナル抗体は、マウス系よりもヒト免疫系の一部を有するトランスジェニックマウスを使用して作製され得る。これらのトランスジェニックマウス(本明細書中において、「HuMab」マウスと呼ばれる)は、内因性μおよびκ鎖遺伝子座を不活化する標的化された変異とともに、非再配列ヒト重鎖免疫グロブリン配列(μおよびγ)ならびにκ軽鎖免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子ミニ遺伝子座(minilocus)を含む(Lollberg et ed,1994,Nature 368: 856−859)。従って、このマウスは、IgMまたはκの減少した発現を示し、そして免疫化に応答して、導入されるヒト重鎖および軽鎖トランスジェニックは、抗親和性ヒトIgG κモノクローナル抗体を作製するためにクラススイッチおよび体細胞変異を受ける(Lonberg et al.,上記;Lonberg and Huszar,1995,Inttern.Rev.Immunol.,13:65−93;Harding and Lonberg,1995,Ann.N,Y.Acad.Sci 764:536−546)。HuMabマウスの調製は、Taylor et al.,1992,Nucleic Acids Research.20:6287−6295;Chen et al.,1993.International Immunology 5:647−656;Tuaillon et al.,1994,J.Immunol,152:2912−2920;Lonberg et al.,1994.Nature 368:856−859;Lonberg,1994.Handbook of Exp.Pharmacology 113:49−101;Taylor et al.,1994.International Immunology 6:579−591;Lonberg and Huszar,1995.Intern.Rev.Immunol.13:65−93;Harding and Lonberg,1995,Ann.N.Y.Acad.Sci.764:536−546;Fishwild et al.,1996,Nature
Biotechnology 14:845−851(これらの全ての内容が、その全体で参考として本明細書によって援用される)に詳細に記載される。さらに、米国特許第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,789,650号;同第5,877,397号;同第5,661.016号;同第5,814.318号;同第5,874,299号;および同第5,770,429号;(全て、LonbergおよびKayに対する)、ならびに米国特許第5,545,807(Suraniらに対する);国際公開番号WO 93/1227,1993年6月24日に公開;WO 92/22646,1992年12月23日に公開;WO 92/03918、1992年3月19日に公開(これらの全ての開示が、その全体で本明細書によって援用される)をさらに参照のこと。あるいは、以下の実施例に記載されるHCo7トランスジェニックマウス株およびHCo7トランスジェニックマウス株を、ヒト抗OPGL抗体を作製するために使用され得る。
【0203】
特定の実施形態に従って、OPGLに特異的な完全ヒトモノクローナル抗体は、以下のように産生される。ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニックマウスは、目的の抗原で免疫化される。抗体を発現するマウス由来のリンパ細胞(例えば、B細胞)が得られる。このように回復される細胞を骨髄腫型細胞株と融合されて、不死化ハイブリドーマ細胞株を調製し、そしてこのようなハイブリドーマ細胞株をスクリーニングし、そして目的の抗原に特異的な抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を同定するために選択される。特定の実施形態において、OPGLに特異的な抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の産生が提供される。
【0204】
本発明の特定の実施形態において、この抗体は、10−8M未満の解離定数(K)でOPGLに結合する。特定の実施形態において、本発明の抗体は、約10−8Mと10−10Mとの間のKで、OPGLに結合する。
【0205】
特定の実施形態において、本発明の抗体は、IgGアイソタイプである。本発明の特定の実施形態において、抗体は、ヒトκ軽鎖およびヒトIgG重鎖を含む。特定の実施形態において、本発明の抗体を含む重鎖および軽鎖をコードする核酸は、哺乳動物細胞での発現のためにクローニングされた。特定の実施形態において、抗体の可変領域は、IgGアイソタイプについての定常領域以外の定常領域に連結される。
【0206】
特定の実施形態において、抗OPGL抗体の重鎖および軽鎖に対する保存的改変(およびコードする核酸に対する対応する改変)は、抗OPGL抗体と類似の機能および生化学特徴を有する抗OPGL抗体を産生する。対照的に、抗OPGL抗体の機能的および/または生化学的特徴における実質的な改変は、(a)例えば、シートまたは螺旋コンフォメーションのような置換の領域の分子骨格の構造、(b)標的部位における分子の電荷または疎水性、または(c)側鎖の嵩高さを維持することに対するそれらの効果において有意に異なる重鎖および軽鎖のアミノ酸配列中の置換を作製することによって達成され得る。
【0207】
例えば、「保存的アミノ酸置換」は、その位置でのアミノ酸残基の極性にも電荷にもほとんどまたは全く影響がないような、非ネイティブ残基によるネイティブアミノ酸残基の置換をいう。さらに、ポリペプチド中の任意のネイティブな残基はまた、「アラニンスキャニング変異誘発」について以前に記載されたように、アラニンによって置換され得る。

所望のアミノ酸置換(保存的であれ非保存的であれ)は、当業者によって、このような置換が所望される時点で決定され得る。特定の実施形態において、アミノ酸置換は、抗OPGL抗体の重要な残基を同定するために、または本明細書中に記載される抗OPGL抗体の親和性を増加または減少するために使用され得る。
【0208】
代替の実施形態において、本発明の抗体は、ハイブリドーマ細胞株以外の細胞株において発現され得る。これらの実施形態において、特定の抗体をコードする配列は、適切な哺乳動物宿主細胞の形質転換のために使用され得る。これらの実施形態において、形質転換は、宿主細胞内にポリヌクレオチドを導入する(例えば、ポリヌクレオチドをウイルスに(またはウイルスベクター内に)パッケージし、そして宿主細胞にウイルス(またはベクター)を形質導入することを含む)ための任意の公知の方法によって、または当該分野で公知のトランスフェクション手順によってであり得る(米国特許第4,399,216号、同第4,912,040号、同第4,740,461号、および同第4,959,455号(これらの特許は、任意の目的で本明細書中で参考として適用される)によって例示される)。一般的に、使用される形質転換手順は、形質転換される宿主に依存し得る。異種ポリヌクレオチドを哺乳動物細胞に導入するための方法は、当該分野で周知であり、これには、デキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈降、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソーム内のポリヌクレオチドのカプセル化、核酸と正電荷脂質の混合、および核酸内へのDNAの直接的マイクロインジェクションが挙げられるが、これらに限定されない。
【0209】
本発明のOPGL抗体の重鎖定常領域、重鎖可変領域、軽鎖定常領域、または軽鎖領域のアミノ酸配列をコードする核酸分子は、標準的連結技術を使用して適切な発現ベクター内に挿入される。好ましい実施形態において、抗OPGL抗体重鎖または軽鎖定常領域は、適切な可変領域のC末端に付加され、そして発現ベクター内に連結される。ベクターは、代表的に、使用される特定の宿主細胞において機能的であるように選択される(すなわち、ベクターは、遺伝子の増幅および/または遺伝子の発現が存在し得るように、宿主細胞機構と適合する)。発現ベクターの概説について、METH.ENZ.185(Goeddel,ed.),1990,Academic Pressを参照のこと。代表的に、宿主細胞のいずれかに使用される発現ベクターは、プラスミド維持のため、および外部ヌクレオチド配列のクローニングおよび発現のための配列を含む。このような配列(集合的に、「隣接配列」と呼ばれる)は、特定の実施形態において、代表的に、以下のヌクレオチド配列の1つ以上を含む:プロモーター、1つ以上のエンハンサー配列、複製起点、転写終結配列、ドナーおよびアクセプタースプライス部位を含む完全なイントロン配列、ポリペプチド分泌のためのリーダー配列をコードする配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現されるポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、ならびに選択マーカーエレメント。これらの配列のそれぞれが、以下に議論される。
【0210】
必要に応じて、ベクターは、「タグ」コード配列(すなわち、OPGLポリペプチドコード配列の5’末端または3’末端に配置されるオリゴヌクレオチド分子)を含み得;オリゴヌクレオチド配列は、polyHis(例えば、hexaHis)、別の「タグ」(例えば、FLAG、HA(赤血球凝集素インフルエンザウイルス))または市販の抗体が存在するmycをコードする。このタグは、代表的には、ポリペプチドの発現の際にポリペプチドに融合され、宿主細胞からの、OPGLポリペプチドのアフィニティー精製のための手段として役立ち得る。アフィニティー精製は、例えば、アフィニティーマトリクスとしてタグに対して抗体を使用するカラムクロマトグラフィーによって達成され得る。必要に応じて、タグは、続いて、切断のために特定のペプチダーゼを使用するような種々の手段によって、精製されたOPGLポリペプチドから除去される。
【0211】
隣接配列は、同種(すなわち、宿主細胞と同じ種および/または系統由来)であり得るか、異種(すなわち、宿主細胞種または系統以外の種由来)であり得るか、ハイブリッド(すなわち、1つより多くの供給源由来の隣接配列の組み合わせ)であり得るか、ハイブリッド(すなわち、1つより多くの供給源由来の隣接配列の組み合わせ)、合成またはネイティブであり得る。このように、隣接配列の供給源は、任意の原核生物または真核生物、任意の脊椎生物または無脊椎生物、あるいは任意の植物であり得、但し、隣接配列は、宿主細胞の機構において機能的であり、そして宿主細胞の機構によって活性化され得る。
【0212】
本発明のベクターに有用な隣接配列は、当該分野において周知である任意のいくつかの方法によって得られ得る。代表的には、本明細書中で有用な隣接配列は、マッピングおよび/または制限エンドヌクレアーゼ消化によって以前に同定されており、従って、適切な制限エンドヌクレアーゼを使用して、適切な組織供給源から単離され得る。いくつかの場合において、隣接配列の全長ヌクレオチド配列は公知であり得る。ここで、隣接配列は、核酸合成またはクローニングのために本明細書中で記載される方法を使用して合成され得る。
【0213】
隣接配列の全てまたは一部のみが公知である否かに関わらず、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、そして/あるいは適切なオリゴヌクレオチドならびに/または同じもしくは別の種由来の隣接配列フラグメントを用いてゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得られ得る。隣接配列が公知でない場合、隣接配列を含むDNAのフラグメントは、例えば、コード配列または別の遺伝子を含み得る大きな片のDNAから単離され得る。単離は、適切なDNAフラグメントを生成するための制限エンドヌクレアーゼ消化、続くアガロースゲル精製を使用する単離、Qiagen(登録商標)カラムクロマトグラフィー(Chatsworth、CA)、または当業者に公知の他の方法によって達成され得る。この目的を達成するための適切な酵素の選択は、当業者に容易に明かである。
【0214】
複製起点は、代表的に、市販から購入された原核生物発現ベクターの一部であり、この起点は、宿主細胞においてベクターの増幅に役立つ。選択されたベクターが複製起点部位を含まない場合、公知の配列に基づいて化学的に合成され得、そしてベクターに連結され得る。例えば、プラスミドpBR322(New England Biolabs,Beverly,MA)からの複製起点は、大部分のグラム陰性細菌に適切であり、そして種々の起点(例えば、SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、またはHPVまたはBPVのようなパピローマウイルス)は、哺乳動物細胞におけるベクターのクローニングのために有用である。一般的に、複製起点の成分は、哺乳動物発現ベクター(例えば、SV40起点は、ただそれが初期プロモーターを含むので、しばしば、使用される)。
【0215】
転写終結配列は、代表的にポリペプチドコード領域の末端の3’側に配置され、そして転写を終結させるのに役立つ。通常、原核生物細胞における転写終結配列は、G−Cリッチフラグメント、続いてポリ−T配列である。この配列はライブラリーから容易にクローン化され得るか、またはベクターの一部として市販で購入され、これは、本明細書中上記のような核酸合成のための方法を使用して容易に合成され得る。
【0216】
選択マーカー遺伝子エレメントは、選択培養培地において増殖される宿主細胞の生存および増殖に必要なタンパク質をコードする。代表的な選択マーカー遺伝子は、(a)原核生物細胞に対して、抗生物質または他の毒素(例えば、アンピシリン、テトラサイクリン、またはカナマイシン)に対する耐性を与えるか;(b)細胞の栄養要求性の欠損を補うか;あるいは(c)複合培地から入手可能でない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードする。好ましい選択マーカーは、カナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、およびテトラサイクリン耐性遺伝子である。細菌ネオマイシン耐性遺伝子もまた、原核生物宿主細胞および真核生物宿主細胞の両方における選択のために使用され得る。
【0217】
他の選択遺伝子は、発現される遺伝子を増幅するために使用され得る。増幅は、特定の条件下で細胞の生存および増殖を可能にするのに十分な高いレベルで、単一のコピー数で発現され得ない遺伝子が組み換え細胞の連続的生成の染色体内でタンデムに反復されるプロセスである。哺乳動物細胞に対する適切な選択マーカーの例としては、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)およびプロモーターレスチミジンキナーゼが挙げられる。これらのプロモーターを使用すると、哺乳動物細胞形質転換体は、選択圧下に置かれ、ここで、形質転換体のみが、ベクターに存在する選択遺伝子によって生存するように独特に適合される。選択圧は、培地中の選択因子の濃度が連続的に変化し、それによって選択遺伝子とOPGLポリペプチドに結合する抗体のような別の遺伝子をコードするDNAの両方の増幅を導く条件下で、形質転換された細胞を培養することによって課される。結果として、増加した量の抗OPGL抗体のようなポリペプチドが、増幅されたDNAから合成される。リボソーム結合部位は、通常、mRNAの翻訳開始に必要であり、そしてShine−Dalgarno配列(原核性物)またはKozak配列(真核生物)によって特徴付けられる。このエレメントは、代表的に、発現されるポリペプチドのプロモーターの3’側およびコード配列の5’側に配置される。
【0218】
グリコシル化が真核生物宿主細胞発現系において望ましい、いくつかの場合において、グリコシル化または収量を改善するために種々のシグナルペプチド(presequence)が操作され得る。例えば、特定のシグナルペプチドのペプチダーゼ切断部位を変更し得るかまたはプロ配列(pro−sequence)を加え得、これはまた、グリコシル化に影響し得る。最後のタンパク質産物は、1位に(成熟タンパク質の最初のアミノ酸に対して)、発現に付随して1つ以上のさらなるアミノ酸を有し得、これは、完全に除去されないかもしれない。例えば、最終のタンパク質産物は、アミノ末端に結合される、ペプチダーゼ切断部位において見出される1つまたは2つのアミノ酸残基を有し得る。あるいは、いくつかの酵素切断部位は、酵素が成熟ポリペプチド内のこのような領域で切断される場合、所望のポリペプチドの少し短縮した形態を生じ得る。
【0219】
本発明の発現ベクターおよびクローニングベクターは、代表的には、宿主生物によって認識され、抗OPGL抗体をコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含む。プロモーターは、構造遺伝子の転写を制御する構造遺伝子(一般的に、約100〜1000bp)の開始コドンに対して上流(すなわち、5’側)に配置される非転写配列である。プロモーターは、通常、2つのクラス(誘導プロモーターおよび構成プロモーター)の1つにグループ化される。誘導プロモーターは、培養条件におけるいくらかの変化(例えば、栄養の存在または非存在、あるいは温度の変化)に応答してそれらの制御下で、DNAからの転写の増加したレベルを開始する。他方、構成プロモーターは、連続的な遺伝子産物の産生を開始する;すなわち、遺伝子発現に対して遺伝子をほとんど制御しないかまたは制御しない。多数のプロモーター(種々の潜在的な宿主細胞によって認識される)が周知である。適切なプロモーターは、供給源のDNAからプロモーターを制限酵素消化によって取り出すかまたはポリメラーゼ連鎖反応によってプロモーターを増幅し、そして所望のプロモーター配列をベクターに挿入することによって、抗OPGL抗体をコードするDNAに作動可能に連結される。
【0220】
酵母宿主との使用に適切なプロモーターはまた、当該分野において周知である。酵母エンハンサーは、酵母プロモーターとの使用に有利に使用される。哺乳動物宿主細胞との使用に適切なプロモーターは周知であり、限定されないが、以下のようなウイルスのゲノムから得られるプロモーターが挙げられる:ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、Adenovirus2)、ウシパピローマウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよび最も好ましいシミアンウイルス40(SV40)。他の適切な哺乳動物プロモーターとしては、異種哺乳動物プロモーター(例えば、熱ショックプロモーターおよびアクチンプロモーター)が挙げられる。
【0221】
関心があり得るさらなるプロモーターとしては、限定されないが、以下が挙げられる:SV40初期プロモータ領域(BernoistおよびChambon,1981,Nature 290:304−10);CMVプロモーター;ラウス肉腫ウイルスの3’側の長い末端反復に含まれるプロモーター(Yamamotoら、1980,Cell 22 :787−97);ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター(Wagnerら、1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:1444−45);メタロチオネイン遺伝子の調節配列(Brinsterら、1982,Nature 296:39−42);β−ラクタマーゼプロモーターのような原核生物発現ベクター(Villa−Kamaroffら、1978,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,75:3727−31);またはtacプロモーター(DeBoerら、1983,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,80:21−25)。組織特異性を示し、そしてトランスジェニック動物において利用されている以下の動物転写制御領域もまた関心がある:膵臓腺房細胞において活性なエラスターゼI遺伝子制御領域(Swiftら、1984,Cell 38:639−46;Ornitzら、1986,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.50:399−409;MacDonald,1987,Hepatology 7:425−515);膵臓β細胞において活性なインシュリン遺伝子制御領域(Hanahan,1985,Nature 315:115−22);精巣、乳房、リンパ球、および肥満細胞において活性なマウス哺乳動物腫瘍ウイルス制御領域(Lederら、1986,Cell 45:485−95);肝臓において活性なアルブミン遺伝子制御領域(Pinkertら、1987,Genes and Devel.1:268−76);肝臓において活性なα−フェトプロテイン遺伝子制御領域(Krumlaufら、1985,Mol.Cell.Biol.,5:1639−48;Hammerら、1987,Science 235:53−58);肝臓において活性なα1−抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelseyら、1987,Genes and Devel.1:161−71);骨髄性細胞において活性なβ−グロビン遺伝子制御領域(Mogramら、1985,Nature 315:338−40;Kolliasら、1986,Cell 46:89−94);脳の稀突起神経膠細胞において活性なミエリンベースのタンパク質遺伝子制御領域(Readheadら、1987,Cell 48:703−12);骨格筋において活性なミオシン軽鎖−2遺伝子制御領域(Sani,1985,Nature 314:283−86);視床下部において活性なゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子制御領域(Masonら、1986,Science 234:1372−78);ならびに最も特にリンパ球において活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedlら、1984,Cell 38:647−58;Adamesら、1985,Nature
318:533−38;Alexanderら、1987,Mol.Cell.Biol.,7:1436−44)。
【0222】
エンハンサー配列は、より高等な真核生物によって本発明の抗OPGL抗体をコードする核酸の転写を増加するように、ベクターに挿入され得る。エンハンサーは、転写を増加させるためにプロモーターに作用する、通常約10〜300bp長のDNAのシス作用エレメントである。エンハンサーは、相対的な方向および位置に独立する。これらは、転写ユニットに対して5’側および3’側に見出されている。哺乳動物遺伝子から入手可能ないくつかのエンハンサー配列が公知である(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α−フェトプロテインおよびインシュリン)。しかし、代表的には、ウイルス由来のエンハンサーが、使用される。SV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、ポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーは、真核生物プロモーターの活性化について例示的に増強するエレメントである。エンハンサーは、核酸分子に対して5’位または3’位でベクターにスプライシングされ得るが、代表的には、プロモーターから5’位側に配置される。
【0223】
本発明の発現ベクターは、市販のベクターのような簡便な開始ベクターから構築され得る。このようなベクターは、全ての所望な隣接配列を含んでも良いし、含まなくても良い。本明細書中に記載される隣接配列の1つ以上がすでにベクター内に存在しない場合、これらは、個々に得られ得、そしてベクターに連結され得る。隣接配列のそれぞれを得るために使用される方法は、当業者に周知である。
【0224】
ベクターが構築され、そして抗OPGL抗体をコードする核酸分子がベクターの適切な部位に挿入された後に、完全なベクターが増幅および/またはポリペプチド発現に適切な宿主細胞に挿入され得る。抗OPGL抗体に対する発現ベクターの選択された宿主細胞への形質転換は、例えば、トランスフェクション、感染、塩化カルシウム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクチン、DEAE−デキストラン法、または他の公知の技術のような方法を含む周知の方法によって達成され得る。選択される方法は、一部で、使用される宿主細胞の種類の機能である。これらの方法および他の適切な方法は、当業者に周知であり、例えば、Sambrookら(前出)に示される。
【0225】
適切な条件下で培養される場合、宿主は、(宿主細胞が抗OPGL抗体を培養液中に分泌する場合に)培養培地から引き続いて回収され得るか、または(抗OPGL抗体が分泌される場合に)抗OPGL抗体を産生する宿主細胞から直接回収され得る、抗OPGL抗体を合成する。適切な宿主細胞の選択は、種々の因子(例えば、所望の発現レベル、グリコシル化またはリン酸化のような所望の活性または必要な活性であるポリペプチドの改変、ならびに生物学的に活性な分子への折り畳みの容易さ)に依存する。
【0226】
発現の宿主として利用可能な哺乳動物細胞株は、当該分野で周知であり、そしてこれらとしては、限定されないが、以下が挙げられる:American Type Culture Collection(ATCC)から利用可能な多くの不死化細胞株(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えば、Hep G2)および多数の他の細胞株)。特定の実施形態において、細胞株が高い発現レベルを有し、そして構成的なOPGL結合特性を有する抗体を産生することを測定することによって、細胞株は、選択され得る。別の実施形態において、それ自体の抗体を作製しないが、異種抗体を産生し、そして分泌する能力を有するB細胞系統由来の細胞株が、選択され得る。
【0227】
本発明の抗体は、生物学的サンプル中のOPGLの検出、およびタンパク質を生成する細胞または組織の識別に関して、有用である。特定の実施形態において、OPGLに結合し、他のOPGLと結合する化合物との相互作用をブロックする抗体は、破骨細胞分化および骨吸収の調節における、治療上の用途を有し得る。特定の実施形態において、OPGLに対する抗体は、OPGLのODAR(RANK)への結合をブロックし得、その結果として、シグナル伝達カスケードの閉塞、およびNF−kB媒介性転写活性の損失となり得る。NF−kB媒介性転写活性の測定(例えば、ルシフェラーゼレポーターアッセイを用いる)に関するアッセイは、当業者に公知である。
【0228】
特定の実施形態において、OPGLに対する抗体は、骨の疾患(例えば、骨粗鬆症およびパジェット病)の処置において有用であり得る。特定の実施形態において、抗体は、OPGの存在下または非存在下における、OPGLへの結合に関して試験され得、OPGL媒介性破骨細胞生成の阻害能力および/または骨吸収の阻害能力を検査され得る。
【0229】
本発明の抗OPGL抗体は、単独でまたは他の治療薬と組み合わせて(特に、他の癌治療薬と組み合わせて)投与され得る。このような薬剤は、一般に、放射線療法または化学療法を含む。例えば、化学療法は、以下:アントラサイクリン、タキソール、タモキシフェン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、および当業者に公知の他の薬物のうち、1種以上の処置を含み得る。
【0230】
さらに、抗OPGL抗体は、腫瘍細胞に結合し、腫瘍の増殖への細胞傷害性効果および/または細胞増殖抑制性効果を誘導する抗体と組み合わせて、患者に投与され得る。このような抗体の例として、細胞表面のタンパク質 Her2、CDC20、CDC33、ムチン様糖タンパク質および腫瘍細胞上に存在する上皮成長因子レセプター(EGFR)に結合し、これらのタンパク質を提示する腫瘍細胞への細胞傷害性効果および/または細胞増殖抑制性効果を誘導する抗体が、挙げられる。このような抗体の例として、乳癌の処置のためのHERCEPTIN、および非ホジキンリンパ腫の処置のためのRITUXANが挙げられる。また、組み合わせ治療には、癌治療薬剤として、腫瘍細胞中で選択的にアポトーシスを誘導するポリペプチド(例えば、TNF関連ポリペプチド TRAIL)が挙げられる。本発明の抗OPGLまたは抗原結合フラグメントは、癌治療薬剤での処置の前に、癌治療薬剤での処置と共に、または癌治療薬剤での処置の後に投与され得る。抗OPGL抗体は、転移性の癌による骨重量の損失の発症を防ぐために、または和らげるために、予防的に投与され得、あるいは、転移に起因する骨重量の損失の現状の処置のために与えられ得る。
【0231】
本発明の抗OPGL抗体は、骨中の腫瘍細胞の増殖を防ぐためにおよび/または処置するために、使用され得る。骨に転移する癌は、内骨基質を再吸収するように腫瘍細胞が破骨細胞を刺激すると、直ちに広がり得る。抗OPGL抗体での処置は、再吸収を阻害し、腫瘍細胞が骨格全体に広がる可能性を減少させることにより、骨密度を維持する。骨に転移する任意の癌は、抗OPGL抗体で防がれ得るおよび/または処置され得る。
【0232】
1つの実施形態において、多発性骨髄腫は、抗OPGL抗体または抗OPGL抗体の抗原結合フラグメントで、防がれ得るおよび/または処置され得る。多発性骨髄腫は、骨に局在化する。罹患患者は、典型的に、局在化領域における破骨細胞の活性化の増大に起因する骨重量の損失を示す。骨髄腫細胞は、直接的かまたは間接的かのどちらかでOPGLを生成し、次いで、このことが破骨細胞を活性化し、結果として骨髄空間に埋め込まれた骨髄腫細胞を取り囲む、局所的な骨の溶解となる。骨髄腫細胞に隣接する標準的な破骨細胞は、次いで、骨髄腫細胞の増殖および拡散を導くIL−6を生成する。骨髄腫細胞は、クローン様式で拡張し、不適当な骨の再吸収により形成される骨の空間を占有する。抗OPGL抗体での動物の処置は、破骨細胞の活性化をブロックし、次いで、このことが破骨細胞によるIL−6生成の減少、ならびに骨髄腫すべての増殖および/または拡散の抑制を導く。
【0233】
抗OPGL抗体は、上記で引用した骨重量の損失の結果となる状態の処置に関して、単独で使用され得、あるいは、治療的に効果的な量の骨増殖促進性(同化促進性)薬剤または骨抗吸収性薬剤(例えば、BMP−1〜BMP−12の指定された骨形態形成因子、トランスホーミング増殖因子−βおよびTGF−βファミリーの構成要素、線維芽細胞増殖因子FGF−1〜FGF−10、インターロイキン−1 インヒビター、TNFαインヒビター、副甲状腺ホルモン、Eシリーズプロスタグランジン、ビスホスホネートおよび骨促進性ミネラル(例えば、フッ化物およびカルシウム)が挙げられるが、これに限らない)と組み合わせて使用され得る。同化作用性薬剤としては、副甲状腺ホルモンおよびインスリン様増殖因子(IGF)が挙げられ、ここで、後者の薬剤は、好ましくはIGF結合性タンパク質と複合化される。好ましい実施形態としてはまた、抗OPGL抗体とインターロイキン−1(IL−1)レセプターアンタゴニストとの組み合わせ、あるいは抗OPGL抗体と可溶性TNFレセプター(例えば、可溶性TNFレセプター−1または可溶性TNFレセプター−2)との組み合わせが挙げられる。例示的なIL−1レセプターアンタゴニストは、WO89/11540に、ならびに例示的な可溶性TNFレセプター−1はWO98/01555に記載される。
【0234】
好ましい実施形態において、本発明は、薬学的に受容可能な希釈剤、キャリア、可溶化剤、乳化剤、保存料および/またはアジュバントと共に、治療有効量の本発明の抗体を含む薬学的組成物を提供する。特定の実施形態において、治療有効量の抗OPGL抗体を含む薬学的組成物が、提供される。
【0235】
受容可能な処方物質は、好ましくは、使用される容量および濃度においてレシピエントに対して非毒性である。この薬学的組成物は、例えば、組成物のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、等張性、匂い、滅菌性、安定性、溶解速度または放出速度、吸収または浸透を改変、維持または保存するための処方物質を含み得る。適切な処方物質としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジン);抗菌剤;抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウム);緩衝液(例えば、ホウ酸塩、重炭酸塩、Tris−HCl、クエン酸塩、リン酸塩または他の有機酸);バルク剤(例えば、マンニトールまたはグリシン);キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA));複合体化剤(例えば、カフェイン、ポリビニルピロリドン、β−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン);充填剤;単糖類;二糖類;ならびに他の糖類(例えば、グルコース、マンノースまたはデキストリン);タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン);着色剤、香料および希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);低分子量ポリペプチド;塩形成対イオン(例えば、ナトリウム);保存料(例えば、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸または過酸化水素);溶媒(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール);糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール);懸濁剤;界面活性剤または湿潤剤(例えば、プルロニクス(pluronics)、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80)、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポール);安定性増強剤(例えば、スクロースまたはソルビトール);等張性増強剤(例えば、アルカリ金属ハライド(好ましくは、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)、マンニトール、ソルビトール);送達ビヒクル;希釈剤;賦形剤および/または薬学的アジュバント。(REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES,18th Edition,(A.R.Gennaro編),1990,Mack Publishing Company)。
【0236】
特定の実施形態において、最適な薬学的組成物は、例えば、投与の意図される経路、送達様式および所望の投薬に依存して、当業者によって決定される。例えば、REMINGTON’’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(前出)を参照のこと。このような組成物は、物理的状態、安定性、本発明の抗体のインビボ放出の速度および本発明の抗体のインビボクリアランスの速度に影響し得る。
【0237】
薬学的組成物中の主なビヒクルまたはキャリアは、その性質が水性または非水性のいずれかであり得る。例えば、適切なビヒクルまたはキャリアは、注射用水、生理的食塩水または人工脳脊髄液であり得、これらには、非経口投与のための組成物中に一般的な他の材料が補充されていてもよい。中性緩衝化生理食塩水または血清アルブミンと混合された生理食塩水は、さらなる例示的なビヒクルである。薬学的組成物は、約pH7.0〜8.5のTris緩衝剤、または約pH4.0〜5.5の酢酸緩衝剤を含み得る。これは、ソルビトールまたは適切なその代替物をさらに含み得る。抗OPGL抗体組成物は、凍結乾燥ケーキまたは水性溶液の形態で、任意の処方剤(REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES、前出)で所望の程度の純度を有する選択された組成物と混合することによって、保存用に調製され得る。さらに、抗OPGL抗体産物は、スクロースのような適切な賦型剤を用いた凍結乾燥物として処方され得る。
【0238】
処方成分は、投与の部位にアクセス可能な濃度で存在する。緩衝液は、生理的なpHまたはわずかに低いpH(代表的に、約5〜約8の範囲のpH)で組成物を維持するために有利に使用される。
【0239】
本発明の薬学的組成物は、非経口的に送達され得る。非経口投与が企図される場合、本発明に使用するための治療的組成物は、発熱物質を含まない形態(非経口的に受容可能な水溶液(薬学的に受容可能なビヒクル中の所望の抗OPGL抗体含む))であり得る。非経口的注射に特に適切なビヒクルは、抗OPGL抗体が、適切に保管された滅菌等張液として処方される滅菌蒸留水である。調製は、因子(例えば、注入可能なミクロスフェア、生体侵食性粒子、ポリマー化合物(例えば、ポリ乳酸またはポリグリコール酸)、ビーズまたはリポソーム)を用いる所望の分子の処方を含み得、この因子は、産物の制御放出または徐放を提供し得、デポ注入(depot injection)を介して送達され得る。ヒアルロン酸との処方は、循環において持続時間を促進する効果を有する。移植可能な薬物送達デバイスを使用して、所望の分子を導入し得る。
【0240】
この組成物は、吸入のために選択され得る。これらの実施形態において、抗OPGL抗体は、吸入のための乾燥粉末として処方され得るか、または抗OPGL抗体の吸入溶液はまた、エアゾール送達のためのプロペラント(例えば、ネブライザ)を用いて処方され得る。肺投与は、PCT出願番号PCT/US94/001875にさらに記載され、これは、化学的に改変されたタンパク質の肺送達を記載する。
【0241】
本発明の薬学的組成物は、消化管を通じて(例えば、経口)送達され得る。このような薬学的に受容可能な組成物の調製は、当該分野の範囲内である。この様式で投与される抗OPGL抗体は、錠剤およびカプセルのような固体投薬形態の調合において慣例的に使用されるそれらのキャリアとともにまたはそれを含まずに処方され得る。カプセルは、胃腸管において、バイオアベイラビリティーが最大化され、そして全身前分解が最小化される時点で処方物の活性部分が放出されるように設計され得る。さらなる薬剤が、抗OPL抗体の吸収を容易にするように含まれ得る。希釈剤、香料、低融点ろう、植物油、滑沢剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤、および結合因子もまた使用され得る。
【0242】
薬学的組成物は、抗OPGL抗体の有効量を、錠剤の製造のために適切な非毒性賦型剤と混合して含み得る。滅菌水または別の適切なビヒクル中にその錠剤を溶解することによって、溶液が単位用量形態で調製され得る。適切な賦型剤としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、ラクトース、またはリン酸カルシウム;あるいは結合因子(例えば、デンプン、ゼラチン、アラビアゴム);あるいは滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)。
【0243】
さらなる薬学的組成物は、当業者に明らかであり、これには、徐放処方物または制御送達処方物中の抗OPGL抗体を含む処方物が挙げられる。種々の他の徐放送達手段または制御送達手段(例えば、リポソームキャリア、生体侵食性微粒子または多孔性ビーズおよびデポ注射)を処方するための技術もまた、当業者に公知である。例えば、PCT出願番号PCT/US93/00829(これは、薬学的組成物の送達のための多孔性ポリマー微粒子の制御放出を記載する)を参照のこと。徐放調製物としては、以下が挙げられる:成型された物品の形態(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の半透過性ポリマーマトリクス、ポリエステル、ヒドロゲル、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919号、EP 58,481)、L−グルタミン酸およびγエチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidmanら、1983,Biopolymers,22:547−556)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)(Langerら、1981,J.Biomed.Mater.Res.,15:167−277およびLanger,1982,Chem.Tech.,12:98−105)、エチレンビニルアセテート(Langerら、前出)またはポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP 133,988)。徐放組成物はまた、リポソームを含み得る。このリポソームは、当該分野において公知のいくつかの方法のいずれかにより調製され得る。例えば、以下を参照のこと:Eppsteinら、1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:3688−3692;EP 36,676;EP 88,046;EP 143,949。
【0244】
インビボ投与のために使用される薬学的組成物は、代表的に、無菌である。特定の実施形態において、これは、滅菌濾過膜を通じた濾過によって達成され得る。特定の実施形態において、その組成物が凍結乾燥されている場合、これらの方法を用いた滅菌は、凍結乾燥および再構築の前またはその後のいずれかで行われ得る。特定の実施形態において、非経口的投与のための組成物は、凍結乾燥形態または溶液で保存され得る。特定の実施形態において、非経口的組成物は、一般的に、滅菌アクセスポートを有する容器(例えば、静脈内溶液バッグ)または皮下注射針によって穿孔可能なストッパーを有するバイアルに配置される。
【0245】
一旦、本発明の薬学的組成物が処方されると、それは、滅菌バイアル中に溶液、懸濁液、ゲル、エマルジョン、固体または脱水粉末もしくは凍結乾燥粉末として保存され得る。このような処方物は、直ぐ使用可能な(ready−to−use)形態または投与前に再構成を必要とする形態(例えば、凍結乾燥)のいずれかで保存され得る。
【0246】
本発明はまた、単回用量投与単位を産生するためのキットに関する。このキットは、各々、乾燥タンパク質を有する第一の容器および水性処方物を有する第二の容器の両方を備え得、このキットは、単回および複数のチャンバつきの予備充填されたシリンジ(例えば、液体シリンジおよびリオシジンジ(lyosyringe))を備えるキットである。
【0247】
治療に使用される、有効量の抗OPGL抗体薬学的組成物は、例えば、治療環境および治療観察に依存する。従って、特定の実施形態に従う処置の適切な投薬レベルが、部分的に、送達される分子、抗OPGL抗体は使用される適応症、投与経路および/または患者の状態(年齢および一般的な健康状態)に依存して変更されることが当業者に理解される。特定の実施形態において、臨床医は、投薬量を力価測定し、そして投与経路を変更して、最適な治療効果を得ることができる。代表的な投薬量は、上記の因子に依存して、約0.1μg/kgから約30mg/kgの範囲でる。特定の実施形態において、投薬量は、0.1μg/kg〜約30mg/kgまでの範囲であり得るか;または5μg/kgから約100mg/kgの範囲であり得るか;あるいは1μg/kgから約30μg/kgの範囲であり得るか;あるいは5μg/kgから約30mg/kgの範囲であり得る。
【0248】
投与の頻度は、使用される処方物における、抗OPGL抗体の薬物動態的パラメータに依存する。例えば、臨床医は、投薬量が所望の効果を達成するに達するまで、その組成物を投与する。従って、その組成物は、単回用量として、または2回を超える用量(これは、所望の分子の同じ量を含んでいても含んでいなくてもよい)として、あるいは移植可能なデバイスまたはカテーテルを介した連続注入として投与され得る。適切な投薬の精製は、当業者によって日常的になされ、そして当業者によって日常的に行われる職務の範囲内である。適切な投薬は、適切な用量応答データの使用によって確認され得る。
【0249】
本発明の薬学的組成物の投薬経路としては、以下が挙げられる:経口、吸入、静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内または創傷内経路への注射または注入;あるいは徐放系または移植デバイスによる投与。薬学的組成物は、注入により、ボーラス注射または注射あるいは移植デバイスにより連続的に投与され得る。薬学的組成物はまた、所望の分子が吸収またはカプセル化される膜、スポンジまたは別の適切な物質の移植を介して局所的に投与され得る。移植デバイスが使用される場合、デバイスは、適切な組織または器官へに移植され得、そして所望の分子の送達は、拡散、時限放出ボーラスまたは連続投与により得る。
【0250】
本発明のエキソビボに従う抗OPGL抗体薬学的組成物を使用することもまた所望され得る。そういった場合において、患者から取り出された細胞、組織または器官は、抗OPGL抗体薬学的組成物に暴露され、その後、その細胞、組織および/または器官は、続いてその患者に移植して戻される。
【0251】
特に、抗OPGL抗体は、本明細書において記載される方法のような方法を用いて遺伝子操作された特定の細胞を移植してそのポリペプチドを発現および分泌させることによって送達され得る。特定の実施形態において、このような細胞は、動物細胞またはヒト細胞であり得、そして自己、異種(heterologous)または異種(xenogeneic)であり得、そして不死化され得る。他の実施形態において、これらの細胞は、不死化され得る。他の実施形態において、免疫学的応答の機会を減少するために、それらの細胞は、周囲の組織の浸潤を回避するようにカプセル化され得る。さらなる実施形態において、カプセル化された材料は、代表的に、生体適合性で、半透過性のポリマー封入物または膜であり、これらは、タンパク質産物の放出を可能にするが、患者の免疫系によるかまたは周囲組織からの他の悪性因子による細胞の破壊を予防することを可能にする。
【実施例】
【0252】
以下の実施例は、実施された実験および達成された結果を含み、これは例示のみの目的のために提供され、そして本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【0253】
(実施例1)
(OPGLに対するヒトモノクローナル抗体の生成)
(トランスジェニックHuMabマウス)
OPGLに対する完全ヒトモノクローナル抗体を、トランスジェニックマウスのHCo7、HCo12、およびHCo7+CHo12株(これらの各々は、ヒト抗体遺伝子を発現する)を使用して調製した。これらのマウス株の各々において、内在性マウスκ軽鎖遺伝子が、ホモ接合性破壊され(Chenら.,1993,EMBO J.12:811−820に記載されるように)、そして外在性マウス重鎖遺伝子は、PCT公開WO01/09187(参考として援用される)の実施例1に記載されるように、ホモ接合性破壊されている。これらのマウス株の各々は、ヒトκ軽鎖導入遺伝子であるKCo5を有する(Fishwildら.,1996,Nature Biotechnology 14:845−851に記載されるように)。HCo7株は、米国特許第5,545,806号;同第5,625,825号;および同第5,545,807号(参考として援用される)に記載されるように、HCo7ヒト重鎖導入遺伝子を有する。HCo12株は、PCT公開WO01/09187(参考として援用される)の実施例2に記載されるように、HCo12ヒト重鎖導入遺伝子を有する。HCo7+CHo12株は、CHo7重鎖導入遺伝子およびHCo12重鎖導入遺伝子の両方を有し、かつ各導入遺伝子に対してヘミ接合性である。これらの株のすべては、本明細書中で、HuMabマウスと称される。
【0254】
(HuMab免疫)
OPGLに対する完全ヒトモノクローナル抗体を作製するために、HuMabマウスを、抗原としてのE.coliまたはCHO細胞由来の精製組換えOPGLで免疫した。HuMabマウスの一般的な免疫スキームは、Lonbergら、91994,Nature 368:856−859,Fishwildら.,同書およびPCT公開WO98/24884(これら各々の教示は参考として援用される)に記載される。マウスは、最初の抗原注射時に、6〜16週齢であった。OPGL抗原(例えば、OPGLを発現するトランスフェクトされたE.coliまたはCHO細胞から精製)の精製組換え調製物(5
0〜100μg)を使用して、HuMabマウスを腹腔内(IP)免疫または皮下免疫(Sc)した。
【0255】
HuMabトランスジェニックマウスの免疫を、完全フロイントアジュバント中の抗原を使用して2回実施し、2〜4週間後に、不完全フロイントアジュバント中の抗原を用いるIP免疫を実施(合計9回までの免疫)した。数ダースのマウスを、各抗原について免疫した。HCo7、HCo12およびHCo7+HCo12株のうち合計136匹のHuMabマウスを、OPGLで免疫した。免疫応答を、後眼窩採血によってモニタリングした。
【0256】
OPGLに結合する抗体を産生するHuMabマウスを選択するために、免疫したマウス由来の血清を、Fichwildら(前出)により記載されるようにして、ELISAによって試験した。簡単に述べると、マイクロタイタープレートを、CHO細胞またはE.coli由来の精製組換えOPGLで、PBS中1〜2μL/mLでコーティングし、
そして50μL/ウェルを4℃で一晩インキュベートし、次いで、PBS/Tween(0.05%)中5%のニワトリ血清で、200μL/ウェルでブロックした。OPGL免疫マウス由来の血漿の希釈物を、各ウェルに加え、そして周囲温度で1〜2時間インキュベートした。プレートをPBS/Tweenで洗浄し、次いで、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)に結合体化したヤギ抗ヒトIgG Fc特異的ポリクローナル試薬と共に、室温で1時間インキュベートした。洗浄後、これらのプレートをABTS基質(Sigma,A−1888,0.22mg/mL)で発色させて、415〜495のODで分析した。十分な力価の抗OPGLヒト免疫グロブリンを有するマウスを使用して、以下に記載されるようなモノクローナル抗体を生成した。
【0257】
(OPGLに対するヒトモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの作製)
抗原で静脈内にブーストし、その2日後に屠殺することによって、モノクローナル抗体産生のためのマウスを準備し、その後脾臓を取り出した。マウス脾細胞を、HuMabマウスから単離し、そして標準的なプロトコールに基づいて、PEGと融合させて、マウス骨髄腫細胞株にした。代表的には、各抗原について10〜20の融合を実施した。
【0258】
簡単に述べると、免疫したマウス由来の脾臓リンパ球の単一細胞懸濁物を、50% PEG(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を使用して、P3X63−Ag8.653非分泌型マウス骨髄腫細胞(ATCC,CRL 1580)の数の4分の1に融合した。細胞を、平底マイクロタイタープレート中に約1×10細胞/ウェルでプレーティングし、続いて、DMEM(Mediatech,CRL 10013、高グルコース、L−グルタミンおよびピルビン酸ナトリウムを含む)+5mM HEPES、0.055mM 2−メルカプトエタノール、50mg/mL ゲンタマイシンおよび1×HAT(Sigma,CRL P−7185)中の、選択培地(10% ウシ胎仔血清、10% P388D1(ATCC,CRL TIB−63)馴化培地、および3〜5% オリゲン(origen)(IGEN)を含む)中で約2週間インキュベートした。1〜2週間後、HATをHTで置き換えた培地中で、細胞を培養した。
【0259】
得られたハイブリドーマを、抗原特異的抗体の産生についてスクリーニングした。個々のウェルを、ヒト抗OPGLモノクローナルIgG抗体について、ELISA(上記)によってスクリーニングした。一旦、広範なハイブリドーマ増殖が生じると、通常は、培地を10〜14日後にモニタリングした。抗体分泌ハイブリドーマを置換し、そしてELISAによりまだ陽性である場合、再びヒトIgGについてスクリーニングし、抗OPGLモノクローナル抗体を、限界希釈によって少なくとも2回サブクリーニングした。安定なサブクローンをインビトロで培養して、特徴付けのために、組織培養培地中で少量の抗体を作製した。
【0260】
(OPGLに結合するヒトモノクローナル抗体の選択)
上記のようなELISAアッセイを使用して、OPGL免疫原とのポジティブな反応性を示したハイブリドーマについてスクリーニングした。高いアビディティでOPGLに結合するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマをサブクローニングし、そしてさらに特徴付けた。各ハイブリドーマ由来の1つのクローン(これは親細胞の反応性を維持した(ELISAにより決定))を、液体窒素中で貯蔵された5〜10バイアル細胞バンクを作製するために選択した。
【0261】
アイソタイプ特異的ELISAを実施して、本明細書中で開示されるように産生したモノクローナル抗体のアイソタイプを決定した。これらの実験において、マイクロタイタープレートウェルをPBS中1μg/mLのマウス抗ヒトκ軽鎖の溶液(50μL/ウェル)でコーティングし、そして4℃でインキュベートした。5%ニワトリ血清でブロックした後、プレートを、各試験したモノクローナル抗体由来の上清および精製アイソタイプコントロールと反応させた。プレートを周囲温度で1〜2時間インキュベートした。次いで、これらのウェルを、ヒトIgGまたはIgG特異的西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化ヤギ抗ヒトポリクローナル抗血清と反応させ、そしてプレートを発色させ、そして上記のようにして分析した。
【0262】
ELISAによって検出したところ、OPGLへの有意な結合を示した6種のハイブリドーマ上清から精製したモノクローナル抗体を、インビトロレセプター結合アッセイおよびヒトOPGL依存性インビトロ破骨細胞形成アッセイ(以下の実施例6に記載)を使用して、生物学的活性についてさらに試験した。選択された抗体を、16E1、2W11、18B2、2D8、22B3および9H7と命名した。これらの抗OPGL抗体の重鎖アライメントを、図15に示す。抗OPGL抗体の軽鎖アライメントを図16に示す。非コンセンサス配列を、太字で影つきで示し、そして相補性決定領域(CDR)を下線付きで示す。
【0263】
(実施例2)
(9H7抗OPGL重鎖および軽鎖のクローニング)
(9H7抗OPGL MAb軽鎖のクローニング)
3種の抗OPGLハイブリドーマ軽鎖cDNA(9H7、16E1および18E2)を、pDSR19哺乳動物細胞発現ベクターにクローニングした。9H7κ軽鎖をコードするプラスミドの構築物を明確に記載する;他の軽鎖種のクローニングを類似の手順を使用して実施した。抗OPGL−9H7κ軽鎖可変領域を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅法を使用して、ハイブリドーマ9H7総RNAから調製した第1鎖cDNAから得た。第1鎖cDNAを、伸長5’−アダプター(5’−GGCCGGATAGGCCTCACNNNNNNT−3’、配列番号53)を有するランダムプライマー、ならびに第1鎖cDNA合成キット(カタログNo.18089−011)用のGibco SuperScript IITM Preamplification Systemにより提供される材料および方法を使用して、9H7総RNAから調製した。以下のオリゴヌクレオチドをPCRのために使用した:
5’GeneRacerTM(Invitrogen)プライマー(配列番号54):
5’−GGA CAC TGA CAT GGA CTG AAG GAG TA−3’;
3’κRACEプライマー,2310−03(配列番号55)
5’−GGG GTC AGG CTG GAA CTG AGG−3’。
【0264】
増幅したDNAをpCRII−TOPO(Invitrogen)にクローニングし、そして得られたプラスミドを配列決定した。κ鎖コンセンサス配列を使用して、9H7κ鎖の可変領域のPCR増幅のためのプライマーを設計した。シグナル配列を作製するために、3工程PCRを実施した。第1に、プライマー3669−73および2708−53(以下に記載)を、9K7 cDNA軽鎖クローンテンプレートと共に使用した。この反応に使用した条件は以下のとおりである:94℃で1分間;94℃で20秒間、42℃で30秒間、74℃で150秒間を2サイクル;94℃で20秒間、56℃で30秒間、74℃で150秒間を25サイクル;および74℃で7分間、Pfuポリメラーゼならびに適切な緩衝液およびヌクレオチドを使用する。次いで、PCR産物を、プライマー2663−07および2708−53を使用して増幅し、その後、プライマー2663−08および2708−53を使用して増幅した。これらのプライマーを以下に示す:
【0265】
【化1】

PCR反応は、238アミノ酸残基(22アミノ酸シグナル配列を含む)をコードする741bpのフラグメントを生成し、このフラグメントをQIAquick PCR Purificationキット(QiagenカタログNo.28104)を使用して精製し、XbaIおよびSalIで切断し、そして再びQiagenで精製した。このフラグメントは、5’Kozak(転写開始)部位を有する完全軽鎖、および哺乳動物発現のための以下のシグナル配列:
MDMRVPAQLLGLLLLWLRGARC(配列番号60)
を含むが、このフラグメントを、pDSRα19に連結して、プラスミドpDSRα19:9H7κを作製した(図17)。pDSRα19は、以前に記載されている(国際出願公開番号WO90/14363を参照のこと。これは任意の目的のために、本明細書中に参考として援用される)。簡単に述べると、pDSRα29を作製するために、pDSRα2を以下の様式で改変した:ウシ下垂体糖タンパク質ホルモンα−FSH(卵胞刺激ホルモン)のαサブユニット由来の転写終結/ポリアデニル化シグナルを含む配列を、約1400塩基対短縮して、改変後に、885塩基対、およびNdeI部位における末端にした;ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)プロモーターは、209塩基対を含み、この塩基対は、5’末端から約1キロベース短縮された;DHFRポリA配列由来の約550塩基対のBglIIフラグメントが欠失した。
【0266】
9H7κ軽鎖発現クローンを配列決定して、これが9H7ハイブリドーマにおいて同定された同じペプチドをコードしたかを確認した。最終的な発現ベクターであるpDSRα19:9H7κは、5479bpであり、かつ表2で記載される7個の機能的領域を含む。
【0267】
【表2−1】

【0268】
【表2−2】

(pDSR19:hIgG1 Cの構築)
pDSR19:ラット可変領域/ヒト定常領域IgGプラスミドを、ラット可変領域配列、ヒト定常領域(CH1、ヒンジ、CH2およびCH3ドメイン)およびpDSR19の三成分リガンドを使用して構築した。直線状pDSRα19:hIgG1 Cプラスミドを、pDSR19:ラット可変領域/ヒト定常領域IgGプラスミドを制限酵素XbaIおよびBsmBIで消化して、ラット可変領域のコード部分を除去することによって調製した。得られた直線状プラスミド(1.0kbpのヒトIgG定常領域ドメイン(C1、ヒンジ、C2およびC3ドメイン)を含む)をゲル単離し、そしてハイブリドーマ由来αOPGL可変領域を許容するために使用した。
【0269】
(9H7抗OPGLMAb重鎖のクローニング)
3種の抗OPGLハイブリドーマIgG重鎖cDNA;9H7、16E1および18
B2を、pDSR19哺乳動物細胞発現ベクターにクローニングした。9H7 IgG重鎖をコードするプラスミドの構築を明示的に本明細書中に記載する;他のハイブリドーマ重鎖を、類似の手順を使用してクローニングした。抗OPGL−9H7重鎖可変領域を、PCR増幅法を使用して、ハイブリドーマ9H7総RNAから調製した第1鎖cDNAから得た。第1鎖cDNAを、伸長5’−アダプター(5’−GGCCGGATAGGCCTCACNNNNNNT−3’、配列番号53)を有するランダムプライマー、ならびに第1鎖cDNA合成キット(カタログNo.18089−011)用のGibco SuperScript IITM Preamplification Systemにより提供される材料および方法を使用して、9H7総RNAから調製した。以下のオリゴヌクレオチドをPCRのために選択した:
5’重鎖RACEプライマー、2508−02(配列番号61)
5’−(CG)AGGT(CG)CAG(CT)T(GT)GTG(CG)AGTC−3’;
3’重鎖RACEプライマー、2420−54(配列番号62):
5’−CTGAGTTCCACGACACC−3’。
【0270】
増幅したDNAをpCRII−TOPO(Invitrogen)にクローニングし、得られたプラスミドを配列決定した。重鎖コンセンサス配列を使用して、9H7重鎖の可変領域のPCR増幅のためのプライマーを設計した。シグナル配列を作製するために、三工程PCRを実施した。はじめに、プライマー2512−98および2673−14を、9H7重鎖cDNAクローンテンプレートと共に使用した。この反応に使用した条件は以下のとおりであった:94℃で1分間;94℃で20秒間、42℃で30秒間、74℃で150秒間を2サイクル;94℃で20秒間、56℃で30秒間、74℃で150秒間を25サイクル;および74℃で7分間、Pfuポリメラーゼならびに適切な緩衝液およびヌクレオチドを使用する。次いで、PCR産物を、プライマー2663−07および2673−14を使用して増幅し、その後、プライマー2663−08および2673−14を使用して増幅した。これらのプライマーを以下に示す:
【0271】
【化2】

PCR反応は、138アミノ酸残基(22アミノ酸シグナル配列を含む)をコードする443bpのフラグメントを生成し、このフラグメントをQIAquick PCR Purificationキット(QiagenカタログNo.28104)を使用して精製し、XbaIおよびBsmBIで切断し、そして再びQiagenで精製した。このフラグメントは、5’Kozak(転写開始)部位を有する重鎖、および哺乳動物発現のための以下のシグナル配列:
MDMRVPAQLLGLLLLWLRGARC(配列番号60)
を含むが、このフラグメントを、pDSRα19:hIgG1Cに連結して、プラスミドpDSRα19:9H7 IgG1を作製した(図18)。
【0272】
9H7 IgG重鎖発現クローンを配列決定し、9H7ハイブリドーマにおいて同定された同じペプチドをコードすることを確認した。最終発現ベクターである、pDSRα19:ラット可変領域/ヒト定常領域IgGは、6158bpであり、表3に記載される7つの機能的領域を含む。
【0273】
【表3−1】

【0274】
【表3−2】

(実施例3)
(CHO細胞における9H7 抗OPGL MAb発現)
組換え抗OPGL抗体をチャイニーズハムスター卵巣細胞、特に、CHO AM−1/D(米国特許第6,210,924号(参考として援用される)に開示される)により産生する。本発明の各抗OPGL抗体の完全重鎖または完全軽鎖をコードするDNA配列を発現ベクター(例えば、上記のベクター)へクローニングする。完全重鎖を発現し得る発現ベクターおよび適切な抗OPGL抗体の完全軽鎖を発現する発現ベクターにより、CHO AM−1/D細胞を同時トランスフェクションする。例えば、22B3抗体を産生するために、配列番号30に示されるアミノ酸配列を含む完全重鎖を発現し得るベクターおよび配列番号32に示されるアミノ酸配列を含む完全軽鎖を発現し得るベクターにより、細胞を同時トランスフェクションする。2E11抗体を産生するために、配列番号34に示されるアミノ酸配列を含む完全重鎖を発現し得るベクターおよび配列番号36に示されるアミノ酸配列を含む完全軽鎖を発現し得るベクターにより、細胞を同時トランスフェクションする。2D8抗体を産生するために、配列番号38に示されるアミノ酸配列を含む完全重鎖を発現し得るベクターおよび配列番号40に示されるアミノ酸配列を含む完全軽鎖を発現し得るベクターにより、細胞を同時トランスフェクションする。18B2抗体を産生するために、配列番号42に示されるアミノ酸配列を含む完全重鎖を発現し得るベクターおよび配列番号44に示されるアミノ酸配列を含む完全軽鎖を発現し得るベクターにより、細胞を同時トランスフェクションする。16E1抗体を産生するために、配列番号46に示されるアミノ酸配列を含む完全重鎖を発現し得るベクターおよび配列番号48に示されるアミノ酸配列を含む完全軽鎖を発現し得るベクターにより、細胞を同時トランスフェクションする。9H7抗体を産生するために、配列番号50に示されるアミノ酸配列を含む完全重鎖を発現し得るベクターおよび配列番号52に示されるアミノ酸配列を含む完全軽鎖を発現し得るベクターにより、細胞を同時トランスフェクションする。表4は、種々のOPGL抗体についての完全重鎖および完全軽鎖を要約する。
【0275】
【表4】

当該分野で認識されているリン酸カルシウム法を使用して、pDSRα19:9H7 IgGおよびpDSRα19:9H7 κプラスミドをジヒドロ葉酸還元酵素欠損(DHFR)無血清適合化チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO AM−1/D、米国特許第6,210,924号)へ同時トランスフェクションすることにより、9H7抗OPGL MAbの安定な発現を達成した。トランスフェクトした細胞を、透析した血清を含むがヒポキサンチン−チミジンを含まない倍地中の96ウェルプレートにおいて選択し、DHFR酵素を発現する細胞の増殖を確認した。5000を超えるトランスフェクトしたクローンをアッセイ(例えば、HTRF(均一時間分解蛍光)およびELISA)を用いてスクリーニングし、馴化倍地中での9H7抗OPGL MAbの発現を検出した。最も高く発現しているクローンを単一細胞クローニングおよび細胞バンクの作製のために選択した。
【0276】
(実施例4)
(抗OPGL抗体の産生)
抗OPGL抗体をCHO細胞のクローン株における発現によって産生する。各産生を実行するために、単一のバイアルからの細胞を無血清細胞培養培地へと融解させる。これらの細胞をまずTフラスコ中で増殖させ、続いて、播種するために十分な種菌を20Lバイオリアクター中で生成されるまで、一連のスピナーフラスコを介して連続して増殖させる。5〜10日増殖させた後、次いで、培養物を使用して、300Lバイオリアクターに植え付ける。さらに5〜10日増殖させた後、培養物を使用して、2000Lバイオリアクターに植え付ける。供給バッチ培養を使用して、産生を2000Lバイオリアクター中で実行し、ここで、濃縮培地成分を含む栄養供給を加えて、細胞増殖および培養物のバイオアベイラビリティを維持する。産生を約2週間続け、この間、抗OPGL抗体を細胞によって構成的に産生し、そして細胞培養培地に分泌させる。
【0277】
産生リアクターを一定のpH、温度、および溶存酸素レベルに制御する:pHは二酸化炭素ガスおよび炭酸ナトリウムの添加によって制御する;溶存酸素は、空気、窒素、および酸素ガスの流入によって制御する。
【0278】
産生の終わりに、細胞ブロスをディスク立て管遠心分離に送り、培養上清を細胞から分離する。濃縮物をデプスフィルター、続いて0.2μmフィルターによりさらに清澄化する。次いで、清澄化した馴化培地を接線流濾過によって濃縮する。馴化培地を15倍〜30倍に濃縮する。次いで、得られる濃縮した馴化培地を精製により処理するか、または後日の精製のために凍結させる。図19は、抗OPGL抗体を産生するための例示的な細胞培養プロセスを示す。
【0279】
(実施例5)
(BLAcoreによるOPGLに結合する抗体のスクリーニング)
全ての実験を製造者の指示書に従い、以下の改変を行ってBIAcore 2000上で実施した。10mM Hepes(pH7.4)、0.15M NaCl、3mM EDTA、および0.005% Tween20を含む実行緩衝液を使用して、実験を室温で実施した。pH4.5の10mM 酢酸塩中、50μg/mLのProtein Gを、1,600応答単位(RU)のレベルまで、CM5 Research等級センサチップ(BIOcore,Inc.)上に固定化した。抗体(8〜20μg/mL)をProtein Gチップ上に300〜400RUのレベルで捕捉した。CHOヒトOPGL(hoPGL)140またはE.coliマウスOPGL(mOPGL)158を、0.25〜62nMの濃度で固定化された抗体上を通過させた。Langmuir 1:1モデルを使用して、結合速度論を決定した。1600RUまで固定化されたProtein Gを、ブランク表面として使用した。マウスモノクローナル抗体をポジティブコントロールとして使用して、hOPGL 140への結合を示し、そして表面安定性をモニタリングした。
【0280】
全ての抗OPGL抗体は、CHO hOPGL 140への強い結合を示した。22B3は、試験した他の抗体より遅い解離速度を有するようである。E.coli mOPGL 158の結合は検出されなかった。これらの結果を表5に要約する。
【0281】
【表5】

(実施例6)
(抗OPGL抗体中和活性)
(破骨細胞形成の阻害)
RAW 264.7(受託番号TIB−71、American Type Culture Collection、Manassas、VA)は、マウスマクロファージ細胞株であり、これは、Abelsonマウス白血球ウイルス誘導性腫瘍由来であった。RAW 264.7細胞は、OPGLの存在下で、破骨細胞様細胞に分化する。OPGLの存在下でのRAW細胞からの培養物における破骨細胞の生成についてのアッセイは、Hsuら,1999,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.96:3540−3545(本明細書中で参考として援用される)によって詳細に記載されている。
【0282】
RAW細胞をOPGLリガンドにより刺激して、破骨細胞様細胞へと分化させ得、この分化を、破骨細胞の特性である、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性によって測定し得る。この活性は、破骨細胞形成に対する抗体の効果をアッセイすることによって、本発明に従って産生される抗OPGL抗体を特徴付けるための基礎を提供する。
【0283】
RAW細胞を、一定量のOPGL(40ng/mL)および可変量の抗OPGL抗体(6.3ng/mL〜200ng/mL)の存在下で、細胞培養培地(DMEM、10% FBS、0.3mg/mL L−グルタミン、100単位/mL ペニシリンG、100μg/mL 硫酸ストレプトマイシン)中で4日間インキュベートした。4日後、この細胞を、透過化処理および酸性化によって、次いで、5分間p−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)で処理し、酒石酸塩耐性酸性ホスファターゼ(tartrate−resistant acid phosphatase:TRAP)活性について染色した。手短に言えば、この培地を、細胞から吸引し、そして100μLのクエン酸緩衝液(410mL 0.1Mクエン酸、590mL 0.1M クエン酸塩、三ナトリウム塩、および1mL Triton X−100の処方を有する)を、各ウェルに添加し、そしてこのプレートを室温にて3〜5分間インキュベートした。次いで、100μLのPNPP溶液(157.8mg 酸性ホスファターゼ試薬(Sigma 104−100)、7.2mL 酒石酸塩溶液(Sigmaカタログ番号387−3)および22.8mL クエン酸緩衝液の処方を有する)を添加し、そしてプレートを、室温にて3〜5分間インキュベートした。この反応を、50μL0.5M NaOH溶液の添加によって終了した。
【0284】
TRAPは、p−ニトロフェニルホスフェートからp−ニトロフェノールに変換し、これを、405nmでの光学密度測定によって定量し得る。従って、TRAP活性(これは、破骨細胞発達の代理のマーカーである)は、405nmでの光学密度に相関する。光学密度対抗OPGL抗体濃度のプロットを、図20に示し、そして抗OPGL抗体が、用量依存様式において、このアッセイで破骨細胞形成を阻害したことを証明する。IC50値を、予測機能を使用して計算し、そして表6に示す。OPGL中和活性を有するアルカリ性ホスファターゼ連結ラットポリクローナル抗ヒトOPGL抗体(AP Ra−抗HuOPGL Ab)を、抗huOPGL抗体中和活性アッセイのポジティブコントロールとして使用した。
【0285】
(表6)
【0286】
【表6】

(実施例7:カニクイザルの薬物速度論)
本発明の抗OPGL抗体のインビボ活性および薬物速度論を、カニクイザルを使用してアッセイした。各々5年齢を超えず、かつ2〜5kgの体重を有する3匹の雌のカニクイザルは、1mg/kg抗OPGL抗体の単一皮下(SC)用量を受けた。
【0287】
動物に、トランスフェクトしたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から発現した抗OPGL抗体を服用させ、そして血清サンプルを、抗OPGL抗体レベル、抗治療抗体分析ならびに骨代謝回転マーカー(bone turnover marker)の血清N−テロペプチド(血清N−Tx)、アルカリ性ホスファターゼ(ALP)および血清カルシウム(血清Ca)の分析の決定のために回収した。
【0288】
SC投与に続く血清濃度−時間プロフィールを、図21に示す。SC投与に従う血清N−Tx濃度−時間プロフィールを、図22に示す。
【0289】
(実施例8:OPGLに対する抗体のエピトープの同定)
(改変体マウスOPGLの生成)
ヒトOPGL[143−317]を、WO 01/62932(2001年8月30日に公開され、これは、その全体が本明細書中で参考として援用される)の実施例1に記載されるように生成した。導入されたN末端メチオニン残基によって先行されたマウスOGPL(国際出願公開番号W098/46751(参考として援用される)の図1に示されるように)のアミノ酸残基158〜316を含むマウスOPGL[158−316]を、E.coli中で生成した。マウスOPGL[158−316]を、以前に記載したように細菌の可溶性画分から精製した(Laceyら、1998,Cell 93:165−176)。FLAG−タグ化マウスOPGL[158−316]を、国際出願公開番号W098/46751の図1に示されるように、簡便な遺伝子操作技術を使用して、残基158〜316のN末端に融合されたFLAG−タグ配列が続くN末端メチオニンをコードする核酸を導入することによって生成される。FLAG−タグ化OPGL[158−316]分子を、細菌発現ベクターpAMG21(pAMG21は、American Type Culture Collectionに寄託され、受託番号98113を有する)にクローン化した。
【0290】
FLAG−タグ化マウスOPGL[158−316]ポリペプチド改変体が構築され、この改変体において、229〜233位でアミノ酸残基SVPTD(配列番号68)(国際出願公開番号WO98/46751の図1に示されるような)は、230〜234位で対応するアミノ酸残基DLATE(配列番号69)(国際出願公開番号WO98/46751の図4で示されるように)で置換された。「FLAG−マウス」OPGL[158−316]/DE」といわれる得られた構築物は、図23(変異が位置される場合のみを示す)に示されるような核酸配列およびタンパク質配列(配列番号72)を有する。アミノ酸配列変化は、D領域とE領域との間のOPGLの領域に位置される。図23は、この領域におけるアミノ酸配列のマウス(配列番号70)、ヒト(配列番号71)およびマウスDE改変体(配列番号72)の比較を示す。マウス改変体の配列変化は、未変化の234位でTを有するS231D、V232L、P233AおよびD235Eである。この領域における隣接配列は、マウスOPGLとヒトOPGLとの間で実質的に同一である。
【0291】
この分子を、2工程PCR反応を使用して構築し、第1の工程は、2分離PCR反応(設計された反応Aおよび反応B)を含んだ。反応Aおよび反応Bの両方について、pAMG21−FLAG−マウスOPGL[158−316]DNAを、PCRの鋳型として使用した。反応Aは、PCRにオリゴヌクレオチド番号2640−90および番号2640−91を使用し、一方反応Bは、オリゴヌクレオチド番号2640−92および番号2640−93を使用した。
【0292】
【化3】

反応Aおよび反応Bについての条件は以下であった:1分間95℃;20秒間95℃、30秒間44℃、45秒間72℃を5サイクル;20秒間95℃、30秒間60℃、45秒間72℃を25サイクル;およびPfu Turboポリメラーゼ(Stratagene)および適切な緩衝液およびヌクレオチドと共に10分間72℃。熱サイクルを行った後、反応AおよびBからのPCR産物を、簡便な方法を使用して、アガロースゲルから精製した。第2の工程PCR反応(設計された反応C)は、鋳型として精製された反応A産物および反応B産物ならびにプライマーとしてオリゴヌクレオチド番号2640−90および番号2640−93を使用した。反応Cについての条件は以下であった:1分間95℃;20秒間95℃、30秒間37℃、1分間72℃を25サイクル;およびPfu Turboポリメラーゼおよび適切な緩衝液およびヌクレオチドと共に10分間72℃。熱サイクルに続いて、反応Cからの産物を、製造者によって提供される方法を使用して、pCRII−TOPOクローニングベクター(Invitrogen)にクローン化し、そしてDH10b(Gibco)細胞にエレクトロポレーションした。クローンを選択し、そして配列決定し、DLATE(配列番号69)に変更されたマウスOPGL[158−316]中のアミノ酸配列SVPTD(配列番号68)を確認した。次いで、配列確認DNAを、NdeIおよびXhoIを用いて消化し、精製し、そして細菌発現ベクターpAMG21にサブクローン化し、プラスミドpAMG21−FLAG−マウスOPGL[158−316]/DEを得た。
【0293】
プラスミドpAMG21−FLAG−マウスOPGL[158−316]/DEを含むE.coli宿主GM94(American Type Culture Collection下受託番号202173で寄託された)を、2XYT培地中で指数関数増殖相まで増殖させ、そして100ng/mLまでのV fischeri合成自己誘導因子の添加によってFLAG−タグ化マウスOPGL[158−316]/DEタンパク質を発現するように導入した。導入の約3〜6時間後、この細胞をペレット化し、そして組換えFLAG−マウスOPGL[158−316]/DEタンパク質を、Laceyら、ibidに記載される方法を使用して、E.coliの可溶性画分から精製した。
【0294】
(ヒトOPGL[143−317]、マウスOPGL[158−316]およびFLAG−マウスOPGL[158−316]/DEへの抗ヒトOPGL抗体の結合)
Costar E.I.A./R.I.A.Plates(Flat Bottom High Binding,Cat番号;3590)を、100μL/ウェルで3μg/mLのヒトOPGL[143−317]タンパク質、マウスOPGL[158−316]タンパク質、またはFLAG−タグ化マウスOPGL[158−316]/DEタンパク質のいずれかで、撹拌しながら4℃にて一晩、コートした。一晩のインキュベーションの後、タンパク質溶液を、プレートから取りだし、そしてPBST(PBS+0.05% Tween 20)中の200μLの5%ニワトリ血清(Gibco/BRLカタログ番号;16110−082)を、プレートの各ウェルに添加し、そしてプレートを、室温(RT)にて3時間、撹拌しながらインキュベートした。インキュベーションおよびブロッキングの後、プレートを、dHO中の1×K−P洗浄溶液(カタログ番号;50−63−00,Kirkegaard & Perry Laboratories)で4回洗浄し、そして乾燥した。精製した抗OPGL抗体またはヒトOPGL[22−194]−Fcタンパク質を、2μg/mL〜1.953ng/mLのPBST中の5%ニワトリ血清から1:1で連続希釈し、そして100μL/ウェルを、ヒトOPGL[143−317]、マウスOPGL[158−316]またはFLAG−タグ化マウスOPGL[158−316]/DEタンパク質のいずれかでコートしたマイクロタイタープレートの適切なウェルに添加した。プレートを、撹拌しながら室温にて2.25時間インキュベートし、1×K−P洗浄溶液で4回洗浄し、そして乾燥した。ヤギ抗ヒトIgG(Fc)(Jackson ImmunoResearch,Cat番号;109−036−098)を、PBST中5%ニワトリ血清中に1:3000に希釈し、そして100μLを各ウェルに添加した。プレートを、1.25時間、室温にて撹拌しながらインキュベートし、1×
K−P洗浄溶液で6回洗浄し、そして乾燥した。100μLの未希釈ABTS基質(Kirkegaard & Perry;Cat番号;50−66−00)を、各ウェルに添加し、そしてこの皿を室温にて、十分に青緑色に着色するまでインキュベートした。着色を、100μL 1% SDSの添加によって停止した。着色の定量を、405nmでの検出を用いてマイクロタイタープレートを使用して行った。
【0295】
酵素免疫アッセイの結果を、図24および25に示す。本発明の6つ全ての抗OPGL抗体は、ヒトOPGL[143−317]ひ結合する。しかし、22B3抗体のみが、試験された濃度範囲にわたってマウスOPGL[158−316]に検出可能に結合することを示す。マウスOPGL[158−316]に対する22B3抗体の結合が、ヒトOPGL[143−317]に対して非常に低い親和性で生じるが、2D8抗体、9H7抗体、16E1抗体および22B3抗体は、FLAG−タグ化マウスOPGL[158−316]/DE(図25)に結合し、ならびにおそらく上記のアッセイ条件下でヒトOPGL[143−317]にも結合する。従って、マウスOPGL[158−316]と比較して、マウスOPGL[158−316]/DEのアミノ酸変化は、抗体2D8、抗体9H7、抗体16E1および抗体22B3の結合活性に対して重要である。抗体2E11および抗体18B2は、マウスOPGL[158−316]またはマウスOPGL[158−316]/DEのいずれかへの検出可能な結合を示さない。
【0296】
FLAG−マウスOPGL[158−316]/DEは、実施例6に記載されるようなRAW細胞アッセイにおける活性についてのアッセイされ、そして破骨細胞の形成についてヒトOPGL[143−317]の場合と同じED50を有することが観察され、DE改変体が、インビトロで破骨細胞活性の促進において活性である。従って、マウスOPGL[158−316]/DEに対する抗OPGL抗体の結合は、破骨細胞形成を阻害するようである。
【0297】
2D8、9H7、16E1および22B3抗ヒトOPGL抗体のエピトープは、少なくともアミノ酸残基DLATE(国際出願公開番号W098/46751の図4に示されるようなヒトOPGLの残基230〜234)(D−Eループと呼ばれる)を含むヒトOPGLの領域に局在する。2E11および18B2抗ヒトOPGL抗体は、それ自体でD−Eループ領域に対応するペプチドフラグメントに結合しない。しかし、ネイティブな分子において、これらの抗体は、D−Eループ領域の外側のエピトープに結合し得るか、またはこれらの抗体は、分子の他の部分と共にD−Eループ領域の全てまたは一部に結合し得ることが理解される。
【0298】
上記の開示は、本発明の特定の実施形態を強調し、そしてそれらに対する全ての改変または代替等価物は、添付の特許請求の範囲に示されるような本発明の精神および範囲内にあることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−188451(P2012−188451A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−134880(P2012−134880)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2009−122593(P2009−122593)の分割
【原出願日】平成15年4月7日(2003.4.7)
【出願人】(500203709)アムジェン インコーポレイテッド (76)
【出願人】(506199879)メダレックス インコーポレーティッド (30)
【氏名又は名称原語表記】MEDAREX, INC.
【Fターム(参考)】