説明

還元水の作製方法および還元水作製装置

【課題】
活性酸素が原因となる様々な病気に効果のある還元水(水素豊富水)を、金属マグネシウム等を水に入れることにより、従来よりも効率良く生成する方法等を提供する。
【解決手段】
マグネシウム等の金属を、酸化還元反応の陽極に含まれる固相と共に水に添加することにより、マグネシウムイオンの飽和量を増加させ、また金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウムが析出することによる劣化を改善する。この結果、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属マグネシウムを用いて水中で水素を発生させる還元水の作製方法、および還元水作製装置等を提供する。
【背景技術】
【0002】
金属マグネシウム等を用いて作製した還元水は、水素を豊富に含んでおり、水素豊富水とも呼ばれる。水素豊富水は、抗酸化作用があり細胞を保護する(非特許文献1)。実際に動物実験、ヒトでの実験で抗アレルギー、抗炎症、抗酸化作用があることが実証されており、いろいろな病気に効果が認められる。例えば、動脈硬化 (非特許文献2)、アルツハイマー(非特許文献3)、記憶力の改善(非特許文献4)、ll型糖尿病(非特許文献5)、パーキンソン病(非特許文献6)、肝障害(非特許文献7)、心筋梗塞(非特許文献8)、アレルギー(非特許文献9)、メタボリックシンドローム(非特許文献10)に効果があるなど、動物やヒトを用いた実験の報告がある。代表的な還元剤であるビタミンCなどは、親水性のものや疎水性のものがあるが、必ずしも脳、細胞内まで到達することができない。これに比べて、水素は、疎水性の細胞膜や脳関門バリアーも超えて(非特許文献1)容易に体全体に到達する理想的な還元剤である。
【0003】
水素豊富水は種々の方法で提供されており、その代表的なものとして電気分解をあげることができる(特許文献1)。水溶液をイオン交換膜で隔てて、電極を用いて電圧をかけると、陽極では陰イオンが酸化され、陰極では陽イオンが還元される。水道水中には様々なイオンが溶解しているが、どのイオンが酸化および還元されるかは溶存するイオンの酸化還元電位(還元電位)とイオンの濃度とによる。成分としては、主に陰極では水素が発生し、溶液はアルカリ性となり、水素豊富水あるいはアルカリ還元水として使用される。この方式は、電気分解装置を内蔵する装置が必要で、その際、電極として白金などの貴金属を使用しているため、装置の値段が高いと言う問題がある。
【0004】
また、さらなる方法として、水素ガスの水への吹き込みがある。水素は飽和濃度である1.6ppmまで溶解できるが、工場で水素豊富水を容器に入れた後、保管し、流通にのせ、消費者に販売するまでに水素が抜けて濃度が減少する。また、水素の吹き込みと容器へのボトリングするための設備が必要で、設備のための値段が高いという問題がある(特許文献2) 。
【0005】
また、更に、化学的に飲料として適した水素豊富水を作製する方法としては、金属マグネシウムを水に浸し水素を発生させる方法があり、スティック状、または水差しの構造を持ったものが使用されている(特許文献3)。これらの方法では、金属マグネシウムを水に浸した状態で水素を発生させる。電気分解法に比べて特別な装置を必要としないので値段が安い。しかしながら、金属マグネシウムを添加した水溶液中のマグネシウムイオンの飽和により水素を発生する反応が起きなくなる問題と、金属マグネシウムの表面に水酸化マグネシウムが沈着して次第に劣化し、水素を発生しなくなると言う問題がある。このため、これらの水素発生能力を維持するために水を換えたり、定期的に穀物酢などを用いて金属マグネシウムの表面を化学研磨しなければならない。更に、水素の発生にともない水酸化物イオンが蓄積し、水素豊富水のpHが10を越えて飲用に適さなくなるという問題がある。
【0006】
【非特許文献1】NAT Med. 2007 Jun;13(6):688―94. Epub 2007 May 7.
【非特許文献2】Biochem Biophys Res Commun. 2008 Dec 26;377(4):1195―8.
【非特許文献3】Brain Res. 2010 Apr 30;1328:152―61. Epub 2010 Feb 19.
【非特許文献4】Neuropsychopharmacology. 2009 Jan;34(2):501―8. Epub 2008 Jun 18.
【非特許文献5】Nutr Res. 2008 Mar;28(3):137―43.
【非特許文献6】Neurosci Lett. 2009 Apr 3;453(2):81―5. Epub 2009 Feb 12.
【非特許文献7】Biochem Biophys Res Commun. 2007 Sep 28;361(3):670―4. Epub 2007 Jul 25.
【非特許文献8】Exp Biol Med (Maywood). 2009 Oct;234(10):1212―9. Epub 2009 Jul 13.
【非特許文献9】Biochem Biophys Res Commun. 2009 Nov 27;699(4):651―6. Epub 2009 Sep 17.
【非特許文献10】J.Clin.Biochem.Nutr.,46,140―9,March 2010
【特許文献1】特許第3349710号
【特許文献2】特許第3606466号
【特許文献3】特許第4252434号
【特許文献4】特開2006―232785号公報
【特許文献5】特開2008―201859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
化学的に金属マグネシウムを用いて還元水(水素豊富水)を作製する方法は、電気分解法と比較して、特別な装置を必要とせず電気代もかからず安価で、安全で、無駄が少ない。しかし、金属マグネシウムを添加した水溶液のマグネシウムイオンの飽和により水素を発生する反応が起きなくなる問題と、金属マグネシウムの表面が劣化し、マグネシウムが存在するにも関わらず水素を発生する反応が起きなくなる問題のため、還元水(水素豊富水)の製造効率が落ちると言う短所があった。本発明は、水素発生反応の効率を改善し、金属表面の劣化による性能の低下を抑制する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、水中で、例えばイオン交換作用を有する多孔性の固相を用いつつ、金属マグネシウムを使用して水素を発生させる、還元水(水素豊富水)の作製方法である。また、水中で、例えばイオン交換作用を有する固相と金属マグネシウムを混ぜて沈殿させた層に陽極を設置し、また、例えば水の上清に設けた陰極に電気をかけることを特徴とする還元水(水素豊富水)の作製方法である。次に、本願発明は、例えばイオン交換樹脂である固相の官能基がスルホン酸基やカルボン酸基であることを特徴とする。さらに本願発明では、固相におけるスルホン酸基、カルボン酸基等の官能基は、アルカリで中和し、塩にすることが好ましい。また、本願発明は、電気をかけて反応を促進する際に使用する陽極が炭素を含む材料でできていることを特徴とする。より詳細には、本願発明は、以下の還元水(水素豊富水)の作製方法、および還元水(水素豊富水)作製装置等を提供する。
【0009】
<1> 金属マグネシウムを用いて水中で水素を発生させる方法において、多孔性の固相を用いることを特徴とする還元水の作製方法。
<2> 固相が、イオン交換作用を有する、上記<1>に記載の還元水の作製方法。
<3> 固相が酸性の官能基を有する、上記<1>または<2>に記載の還元水の作製方法。
<4> 固相がスルホン酸基を有する、上記<1>〜<3>の何れかに記載の還元水の作製方法。
<5> 固相がカルボン酸基を有する、上記<1>〜<3>の何れかに記載の還元水の作製方法。
<6> 固相が樹脂である、上記<1>〜<5>の何れかに記載の還元水の作製方法。
<7> 固相がイオン交換樹脂である、上記<1>〜<6>の何れかに記載の還元水の作製方法。
<8> 固相が、金属マグネシウムの表面に生じる水酸化物を除去する、上記<1>〜<7>の何れかに記載の還元水の作製方法。
<9> 金属マグネシウムを酸化させて陰極で水素を発生させる、上記<1>〜<8>の何れかに記載の還元水の作製方法。
<10> 陽極が、炭素を含む材料で形成されている、上記<9>に記載の還元水の作製方法。
<11> 上記<1>〜<10>の何れかに記載の方法で作製した還元水を噴霧するスプレー装置。
<12> 上記<1>〜<10>の何れかに記載の方法で作製した還元水を、液体状、固体状、粉体状、またはペースト状にして添加した食品、または化粧品。
<13> 金属マグネシウムを用いて水中で水素を発生させる還元水作製装置であって、多孔性の固相を用いることを特徴とする還元水作製装置。
<14> 電極を備え、金属マグネシウムを酸化させて陰極で水素を発生させ、還元水を作製する還元水作製装置であって、金属マグネシウム表面に生じる水酸化物を除去する固相をさらに備えることを特徴とする、還元水作製装置。
<15> 炭素を含む材料で形成されている陽極をさらに有する、上記<13>または<14>に記載の還元水作製装置。
<16> 陽極の表面を覆う被覆部材をさらに有する、上記<13>〜<15>の何れかに記載の還元水作製装置。
<17> 陽極と陰極とをそれぞれ含む第1および第2の酸化還元システムを有する、上記<13>〜<16>の何れかに記載の還元水作製装置。
<18> 電極を用いて水中で水素を発生させる還元水作製装置であって、炭素を含む材料で形成されている陽極を備えることを特徴とする還元水作製装置。
<19> 金属マグネシウムを用いて水中で水素を発生させる還元水作製装置であって、炭素を含む材料で形成されている陽極を備えることを特徴とする還元水作製装置。
<20> 陽極の表面を覆う被覆部材をさらに有する、上記<18>または<19>に記載の還元水作製装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、例えば、イオン交換作用を有する多孔性の固相を、金属マグネシウム等と混ぜることにより、水中のマグネシウムイオンの飽和量を上げ、水素の発生効率と還元水(水素豊富水)の作製効率を改善し、また金属マグネシウム表面の劣化による水素発生の減少にともなう還元水中の水素含量量の低下による酸化還元電位の上昇を和らげ、反応の持続性を良好に維持することができる。また、例えばイオン交換作用を持つ固相は、金属マグネシウムと共にフィルターで容易に還元水(水素豊富水)と分離できるため飲用可能な水を得ることができる。更に、例えば、水中でイオン交換作用を持つ固相と金属マグネシウムを混ぜて沈殿した層に陽極を接触させ、また加えた水の上清に設けた陰極に電気をかけることにより、マグネシウムの溶出を促し、水酸化マグネシウムの金属マグネシウム表面への生成を抑制する。また陽極として炭素を含む材料を用いることにより、水素の発生と共に必然的に発生する水酸化物イオンを二酸化炭素に変換することにより、金属マグネシウム上に析出する水酸化マグネシウムを大幅に減らし、それにより金属マグネシウムの溶出の効率を長期間、良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】金属マグネシウムを陽極と混合させて電気をかける方法を示した概念図である。
【図2】還元水(水素豊富水)の連続2倍希釈による溶存水素濃度と酸化還元電位の変化を示した説明図である。
【図3】MR型とゲル型の担体としてのスルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂と、金属マグネシウムを水に添加したときの酸化還元電位の経日変化を示す図表である。
【図4】MR型の担体としてのスルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂の添加量を変えて金属マグネシウムと共に水に添加した時の酸化還元電位の経日変化を示す図表である。
【図5】スルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂を、金属マグネシウムと共に水に添加し、所定の日数使用した後のサンプルの酸化還元電位の経時変化を示した説明図である。
【図6】スルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂の添加量を変えて、金属マグネシウムと共に水に添加した時の酸化還元電位の経時変化を示した説明図である。
【図7】カルボン酸基を有するイオン交換樹脂を、金属マグネシウムと共に水に添加し、所定の日数使用した後のサンプルの酸化還元電位の経時変化を示した説明図である。
【図8】第四アンモニウム塩基を有するイオン交換樹脂を、金属マグネシウムと共に水に添加し、所定の日数使用した後のサンプルの酸化還元電位の経時変化を示した説明図である。
【図9】三級アミンを官能基として有するイオン交換樹脂を、金属マグネシウムと共に水に添加し、所定の日数使用した後のサンプルの酸化還元電位の経時変化を示した説明図である。
【図10】金属マグネシウムを添加しない時の陽極の材質と溶存水素濃度、pHの関係を示した図である。
【図11】金属マグネシウムを添加した時の陽極の材質と溶存水素濃度、pHの関係を示した図である。
【図12】陽極が炭素棒である時の溶存水素濃度、pH、二酸化炭素濃度を示した図表である。
【図13】金属マグネシウムの酸化反応と共に電気をかける方法において、イオン交換樹脂の添加時の溶存水素濃度とpHの変化を示した図である。
【図14】金属マグネシウムによる化学反応と、電極による電気分解の溶存水素濃度とpHに対する効果を示した図である。
【図15】金属マグネシウムを添加していない時における、陽極炭素棒の被覆物の溶存水素濃度とpHに対する効果を示した図である。
【図16】金属マグネシウムを添加した時における、陽極炭素棒の被覆物の溶存水素濃度とpHに対する効果を示した図である。
【図17】吸光度の測定による溶液中の微粒子の濃度(炭素粉による汚れの度合)を示す図である。
【図18】還元水(水素豊富水)を生成する装置の概要を説明する図である。
【図19】還元水(水素豊富水)を生成する装置の内部構造を詳細に説明する図である。
【図20】二つの回路(酸化還元システム)を有する、還元水(水素豊富水)を生成する装置の各回路に電気を流した時の溶存水素濃度とpHの変化を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.陽極
本願発明の還元水(水素豊富水)の作製方法、および還元水(水素豊富水)作製装置では、金属マグネシウムを用いて水中で水素を発生させる。好ましい実施形態では、水中での酸化還元反応により、特に限定されるものではないが、好ましくは陽極にてマグネシウム等の金属を酸化させ、陰極で水素を発生させる。金属マグネシウムにおいては特にその使用する材料の大きさや形は限定されないが、好ましくは、0.1mmから50mm、より好ましくは1mmから5mmの粒状またはフレーク状が望ましい。この酸化還元反応で用いられる陽極としては、特にその使用する材料の種類や装置の構造は限定されないが、好ましくは、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、鉄、金、白金、銀、チタンなどの金属や、炭素を含む材料で形成されたものである。炭素を含む材料で形成されている陽極は、水素の発生に伴い生成される水酸化物イオンを炭酸イオンに変換させ、水系内のpH値の極度の上昇を防止できる点で、特に優れている。炭素を含む材料で形成されている陽極の例として、炭素棒、炭素含有樹脂、樹脂浸透炭素などの炭素含有固相、などが使用できる。
陽極として使用される材料の重量は特に限定されないが、好ましくは重さ0.1gから1kg、より好ましくは1gから50gである。陽極として使用される材料の形状は特に限定されないが、好ましくは棒状、より好ましくは円柱である。
2.固相
本願発明の還元水(水素豊富水)の作製方法、および還元水(水素豊富水)作製装置では、多孔性の固相が用いられる。固相は、金属マグネシウムの表面に生じる水酸化物、すなわち水酸化マグネシウム等を除去することが好ましい。このような固相を用いることにより、特に、固相を陽極に接触させて用いることにより、水への溶解性の低い水酸化マグネシウム等が金属マグネシウムの表面を被覆することが防止され、より多くのマグネシウムイオンを水中に溶解させることができる。更に固相は、溶解したマグネシウムイオンとイオン結合することが好ましい。これにより水に対するマグネシウムの溶解度が上がる。このような固相を用いることにより、水素を発生させる反応が良好な状態のまま、長期間継続される。
2.(1)イオン交換作用を持つ固相の調製法
固相の材質や、固相に含まれる官能基の種類は特に限定されない。例えば、イオン交換樹脂を水中に金属マグネシウムとともに添加すると溶存水素が上昇する効果が認められるが、より好ましくは、陽イオン交換樹脂を用いる。陽イオン交換樹脂の官能基は、水中で負の電荷を有するものであれば特に限定されないが、好ましくは、スルホン酸基やカルボン酸基などが使用できる。より好ましくはスルホン酸基が使用できる。特に限定されないが、そのまま使用すると官能基の酸と金属マグネシウムとの反応により一時的に水素が過剰に発生するため、例えば、酸性官能基の塩を形成した陽イオン交換樹脂を使用することが望ましい。酸性官能基の塩を形成する中和方法としては、特に限定されないが、例えば水酸化ナトリウムを用いて塩にする。
以上のように、固相としては、多孔性のイオン交換樹脂、特に、スルホン酸基、カルボン酸基などの酸性官能基を有する陽イオン交換樹脂が好適に用いられる。特に、後述するように、2nm未満の多数の小さな穴(細孔)を有する「ミクロ多孔性」、あるいは、物質内部に50nmより大きな多数の小さな穴(細孔)を有する「マクロ多孔性」の樹脂の他にも、その中間の大きさの穴を持つ「メソ多孔性」の樹脂を使用することができる。また、非多孔性の固相であっても使用可能である。
【0013】
2.(2)固相の利用の形態
固相の総交換容量は特に限定されないが、好ましくは0.1eq(当量)/L―R(膨潤後の樹脂の体積(L))以上、より好ましくは1.0eq(当量)/L―R(膨潤後の樹脂の体積(L))以上である。固相として添加する樹脂の量は、特に限定されないが好ましくは膨潤した樹脂の体積換算で、金属マグネシウム1gあたり0.2ml/g〜500ml/g、より好ましくは2ml/g〜10ml/gである。
また、固相は、金属マグネシウムと混合して使用され得る。ここで、例えば陽イオン交換樹脂である固相(乾燥重量)と、金属マグネシウムとの混合比(重量比)は、1:10〜25:1であることが好ましく、より好ましくは、1:1〜5:1である。
【0014】
3.陰極
陰極については、特に材料の種類、形状は限定されない。陰極として、好ましくはステンレス鋼、銅、アルミニウム、鉄、金、白金、銀、チタンなどの金属や、炭素棒、炭素含有樹脂、樹脂浸透炭素などの炭素含有固相、より好ましくはステンレス鋼が使用できる。
【0015】
4.被覆部材
上述のように、陽極に炭素を含む材料を使用して水酸化物イオンを陽極で二酸化炭素に変換させる場合、炭素粉が生じて水が汚れることがある。これを防ぐために、炭素粉の通過を遮る被覆部材で、陽極の表面を覆うことが好ましい。被覆部材として、特に限定されるものではないが、好ましくは、フィルム、紙、布、膜により、より好ましくは樹脂性のメンブレンフィルター等の多孔質のフィルム状フィルター、ガラス繊維フィルター、セロファン、濾紙などにより、炭素を含む陽極のまわりを囲い、水の汚染を防ぐ。なお、被覆部材は、水、水酸化物イオン、二酸化炭素、および炭酸イオンを通過させられることが好ましい。
【0016】
5.酸化還元システム
還元水(水素豊富水)作製装置においては、電極をそれぞれ含む複数の酸化還元システムを有することが好ましい。電極としては、上述の陽極および陰極が使用可能である。酸化還元システムにおいては、例えば陽極と固相を外部から隔てるケースを設けても良い。このケースは、例えばプラスチックなどの不導体で形成される。ケースには、穴を形成し、水を選択的に通過させるシート状部材等により、穴を塞ぐことが好ましい。シート状部材としては、特に限定されないが、例えば、好ましくは布、濾紙、膜、紙、フィルムなどが、より好ましくはナイロンメッシュが使用できる。
単一の還元水作製装置にて複数の酸化還元システムを設けることにより、個々のシステム(回路)に通電する電流と電圧を各々別々に調整でき、還元水(水素豊富水)の溶存水素濃度とpHの微調整が可能になる。また、酸化還元システムの形状は、例えば筒状であるが、これには限定されない。
【0017】
6.水
本願発明において、酸化還元反応に用いる水の種類は、特に限定されないが、好ましくは水道水、井戸水、河川の水、湖沼の水、海水、ミネラル水、蒸留水、逆浸透水より好ましくは水道水、ミネラル水などが使用できる。添加する水の量は特に限定されないが、好ましくは、例えば金属マグネシウム1gあたり0.1ml/g〜1L/g、より好ましくは4ml/g〜20ml/gである。反応液のpHは特に限定されていないが、好ましくはpH3〜pH14、より好ましくはpH7〜pH12で使用する。反応進行後の酸化還元電位は、特に限定されないが、−800mV〜500mV、好ましくは−300mV〜−10mVである。反応進行後の溶存水素量は、特に限定されないが、0.001〜1.6重量ppm、好ましくは0.1〜1.2重量ppmである。なお、本明細書では、0.005重量ppm以上の水素を含む水を水素豊富水と定める。ただし、このことは、0.005重量ppm未満の水素を含む還元水の作製方法、作製装置を、本願発明から除外するものではない。
また、酸化還元反応用の水には、特にその種類は限定されないが、必要により緩衝剤、酸化剤、還元剤、酸、アルカリ、塩、糖、吸着剤等を混合して用いることができる。
【0018】
7.金属マグネシウムの反応
金属マグネシウムは、水と反応して水素と水酸化マグネシウムになる。この酸化還元反応の化学式を以下に示す。
【0019】
【化1】

【0020】
反応後の水から金属マグネシウム、固相を除くための濾過の方法は特に限定されないが不織布などのフィルターを使用できる。例えば、イオン交換作用を有する固相の利用により、水中におけるこれら材料の自然な化学反応だけでなく、電気をかけ化学反応を促進することができる。電流の種類は、特に限定されないが好ましくは直流を使用する。
【0021】
8.還元水の利用
上述の作製方法により作製される還元水(水素豊富水)は、例えば、スプレー装置内に充填され、噴霧されて使用される。また、還元水(水素豊富水)は、液体状のまま、あるいは、固体状、粉体状、またはペースト状に加工され、食品、または化粧品に添加される。
【0022】
本願発明の還元水(水素豊富水)作製装置の概念図を図1として示す。本願発明は、この概念図により限定されるものではないが、ビーカー1に、水2と、イオン交換作用を持つ固相および金属マグネシウムの混合物3を添加する。そして沈殿して層となったイオン交換作用を有する固相および金属マグネシウムの混合物3に陽極4を接触させ、陰極5は、イオン交換作用を持つ固相、金属マグネシウムの混合物3に接触しないように水中に設置する。直流電源6を用いて装置に電流を流す。
印加する電圧は特に限定されないが、好ましくは0.1Vから1000V、より好ましくは3Vから100Vが使用される。流す電流は特に限定されないが、好ましくは0.1mAから1000A、より好ましくは5mAから400mAが使用される。作製した還元水(水素豊富水)の形態は直接あるいはスプレーとして使用できる。反応容器は特に限定するものではないがスティック、コップ、タンク、ウォーターサーバー、交換用カセットなどが使用できる。できた水は直接飲料可能で、または、液体状、固体状、粉体状、ペースト状等の状態にして食品や化粧品として使用できる。
【0023】
前記「イオン」とは、電荷を帯びた原子、または原子団をイオンという。電離層などのプラズマ、電解質の水溶液、イオン結晶などのイオン結合性を持つ物質内などに存在する。
前記「イオン交換」とは、ある種の物質が示す、接触している電解質溶液に含まれるイオンを取り込み、代わりに自らの持つ別種のイオンを放出することで、イオン種の入れ換えを行う現象または能力を意味する。
前記「樹脂」とは、樹皮より分泌される不揮発性の固体または半固形体の物質のことである。
または、有機化学の発達により合成されるようになった、天然樹脂とよく似た性質を持つ物質のことである。
前記「イオン交換樹脂」とは、合成樹脂の一種で、分子構造の一部にイオン基として電離する構造を持つ。水などの溶媒中のイオンとイオン交換作用を示すが、その挙動はイオンに対する選択性に従う。イオン基の性質により、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂に大別され、またその解離性により強酸・弱酸、強塩基・弱塩基に分けられる。
前記「官能基」とは、物質の化学的属性や化学反応性に注目した原子団の分類で、それぞれ特有の物性や化学反応性を示す。化学的な性質を化合物に与える原子群のことである。
前記「総交換容量」とは、一定量の官能基を持つ樹脂が保持できるイオンの総量である。
前記「当量」とは、化学反応における量的な比例関係を表す概念である。代表的なもののひとつとして物質量の比を表すモル当量がある。単位としては、Eqを用いる。
前記「中和」とは、酸と塩基を混合して、双方の性質を打ち消しあわせ、水と塩をつくることである。
前記「膨潤」とは、イオン交換樹脂に水などを加え充分に吸わせて膨らませることである。イオン交換樹脂を使用する前に行う。
前記「酸化還元」とは、化学反応のうち、反応物から生成物が生ずる過程において、原子やイオンあるいは化合物間で電子の授受がある反応のことである。
前記「多孔性」とは、活性炭に代表される吸着剤など、分子を取り込み吸着する役割を果たす物質などが持つ、物質内部に多数の小さな穴(細孔)を有する状態を意味する。
前記「ミクロ多孔性」とは、一般に、物質内部に2nm未満の多数の小さな穴(細孔)を有する状態である。
前記「マクロ多孔性」とは、一般に、物質内部に50nmより大きな多数の小さな穴(細孔)を有する状態である。
前記「メソ多孔性」とは、一般に、物質内部に2nmより大きく、50nmより小さな多数の小さな穴(細孔)を有する状態である。
前記「酸化還元電位」とは、ある酸化還元反応系における電子のやり取りの際に発生する電位(正しくは電極電位)のことである。物質の電子の放出しやすさ、あるいは受け取りやすさを定量的に評価する尺度でもある。単位はボルトを用いる。
前記「緩衝剤」とは、緩衝作用のある溶液のことを言う。通常、単に緩衝液とだけいう場合は、水素イオン濃度に対する緩衝作用のある溶液を指す。
前記「不織布」とは、通常の布のように繊維を撚って糸にしたものを織ることなく、繊維を熱・機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせる事で布にしたものを指す。
前記「逆浸透水」とは、濾過膜の一種であり、水を通しイオンや塩類など水以外の不純物は透過しない性質を持つ膜を通した水のことである。
前記「炭素含有樹脂」とは、樹脂に炭素粉を練りこみ成形したものである。伝導性を持ち、且つ強度が優れているなどの特徴を持つ。
前記「樹脂浸透炭素」とは、炭素棒などの固相表面から樹脂を浸透させたものである。伝導性を持ち、且つ強度が優れているなどの特徴を持つ。
【実施例】
【0024】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。以下の実験で使用する用語を説明する。
「ゲル」とは、高分子の網が液体を閉じこめている材料である。高分子が寄り添うだけで結びつきが弱いのが物理ゲルで、ゼリーや寒天が代表的である。高分子を化学結合させたのが化学ゲルで、吸水材やコンタクトレンズなどがある。「重合体」とは、複数の単位構造(単量体)が重合する(結合して鎖状や網状になる)ことによってできた化合物のことである。このため、一般的には高分子の有機化合物である。「共重合体」とは、2種類以上の単位構造(単量体)からなる重合体のことを特に共重合体と言う。「担体」とは、吸着や触媒活性を示す物質を固定する土台となる物質のことである。担体自体は、化学的に安定したもので、目的操作を阻害しないものが望ましい。「水素豊富水」とは、水素分子(水素ガス)を多く含む水のことである。水素分子が水に溶けて水素イオンとなることは無い為、水素分子がpHに直接影響することは無い。「電気分解」とは、化合物に電圧をかけることにより電気化学的に酸化還元反応を引き起こし、化合物を化学分解する方法である。略して電解ともいう。「電解隔膜」とは、電気分解で、両極の反応生成物が混合して副反応をするのを防ぐために、両極間に置く多孔質の隔壁である。
【実施例1】
【0025】
金属マグネシウム(中央工産株式会社 CMクリンプ(登録商標))、アンバーライト200CT NA(登録商標) (オルガノ株式会社 イオン交換樹脂)とアンバーライトIR120B NA(登録商標) (オルガノ株式会社 イオン交換樹脂)を用いて、水中における水素発生量を調べた。通常のゲル型イオン交換樹脂の内部は、分子の架橋度によって決まる網目の構造(ミクロ多孔性)を持つが、MR型イオン交換樹脂はこれとは区別される物理的細孔(マクロ多孔性)とミクロ多孔性を併せて有する。
200CT NA(登録商標)は、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体のMR構造を担体として持つ強酸性イオン交換樹脂であり、官能基としてスルホン酸が結合している。
IR120B NA(登録商標)も類似の構造を持つが、ゲル構造を持つ担体である。
また、200CT NA(登録商標)とIR120B NA(登録商標)は使用する時点で、各々水酸化ナトリウムで塩として中和されている。
なお、マグネシウム以外の金属、例えば、鉄、亜鉛等も水素発生のために使用できるものの、反応性、水素発生の効率、および安全性の観点から、金属マグネシウムが特に適している。
【0026】
100mlのビーカーに、最大長さが約4mmほどのフレーク状の金属マグネシウムを5g添加し、水道水100mlを添加してアルミフォイルで蓋をして一晩置いた。できた還元水(水素豊富水)を水道水で連続2倍希釈して、溶存水素濃度と酸化還元電位の関係を調べた(図2参照)。溶存水素濃度の測定は溶存水素計(株式会社ユーピー 型番ENH―1000)を、酸化還元電位はデジタルORPメーター(株式会社マザーツール 型番YK―23RP)用いて、それぞれ測定した。その結果、水素溶存濃度と酸化還元電位は直線関係であることが確認された。金属マグネシウムと水を反応させて作製した還元水は水素豊富水であり、水素の発生は、酸化還元電位を測定することにより、間接的に検出することができる。
【0027】
各々のイオン交換樹脂を水道水で膨潤し洗浄した後、20mlを100mlのビーカーに入れ金属マグネシウム5gを添加し水道水で最終的に100mlに調製した。比較対照として、金属マグネシウムのみを5g添加したサンプルを用意した。反応開始の翌日以降は毎日約5回、およそ1時間ごとに水の交換を実施した。水の交換では、ビーカーの上清を捨て、100mlの水道水を新たに加え混合し、その上清を捨て、また水道水を新たに加えて最終的に100mlとした。また、毎朝最初の水の交換後30分〜1時間後に酸化還元電位を測定した。66日間のすべての測定で、担体の種類によることなく、スルホン酸を官能基として持つ強酸性陽イオン交換樹脂を入れたものでは、金属マグネシウムのみのサンプルに比べて酸化還元電位が有意に低く強い還元性を示した。結果を図3に示す。
【実施例2】
【0028】
実施例1と同様に金属マグネシウム、担体に、官能基としてスルホン酸が結合している陽イオン交換樹脂アンバーライト200CT NA(登録商標)を使用して、樹脂の量と酸化還元電位の関係を調べた。各々のイオン交換樹脂を水道水で膨潤し洗浄した後、10、20または30mlを100mlのビーカーに入れ金属マグネシウム5gを添加し、水道水で最終的に100mlに調製した。反応開始の翌日以降、毎日約5回、およそ1時間ごとに水の交換を実施した。また、毎朝最初の水の交換後30分〜1時間後に酸化還元電位を測定した。64日間のほとんどの測定で、イオン交換樹脂30mlを入れたものでは、その他のものに比べて酸化還元電位が有意に低く強い還元性を示した。同様にまた、イオン交換樹脂10mlを入れたものでは、その他のものに比べて酸化還元電位が有意に高く弱い還元性を示した。陽イオン交換樹脂の添加量を増やすことにより、水素発生の効率の改善が認められ、強い還元性を示した。結果を図4に示す。
【実施例3】
【0029】
実施例1と同様に金属マグネシウム、担体に、官能基としてスルホン酸が結合している陽イオン交換樹脂アンバーライト200CT NA(登録商標)を使用して実験を実施した。この陽イオン交換樹脂20mlを100mlのビーカーに入れ、金属マグネシウム5gを添加し、水道水で最終的に100mlに調製した。比較対照として、金属マグネシウムのみを添加したサンプルを用意した。反応開始の翌日以降毎日約5回、およそ1時間ごとに水の交換を実施した。反応初日、13日経過後、69日経過後に測定を実施した。測定は、指定の日数を経過した、金属マグネシウムのみ入ったサンプルと、金属マグネシウムとスルホン酸を官能基として持つ陽イオン交換樹脂の入ったサンプルで行い、ビーカーの上清を捨て、100mlの水道水を新たに加え混合し、その上清を捨てまた水道水を新たに加え最終的に100mlとして開始した。10分〜180分までの間の酸化還元電位を測定した。結果を図5に示す。
【0030】
反応初日のサンプルを使用した実験では、金属マグネシウムのみのサンプルでは酸化還元電位がおよそ−140mVまで下がったが、スルホン酸基を持つイオン交換樹脂を添加したものでは、−210mVまで低下した。13日経過後のサンプルを使用した実験では、金属マグネシウムのみのサンプルでは酸化還元電位がおよそ−200mVまで下がったが、スルホン酸基を持つ陽イオン交換樹脂をでは−260mVまで低下した。69日経過後のサンプルを使用した実験では、金属マグネシウムのみのサンプルでもスルホン酸基を持つイオン交換樹脂でも同様に、およそ−70mV程度に低下した。反応初日から、スルホン酸を官能基として有する陽イオン交換樹脂による水素発生効率の改善効果の持続が認められたが、69日経過後には、その効果がほぼ消失した。
【実施例4】
【0031】
実施例1と同様に、金属マグネシウム、担体に官能基としてスルホン酸が結合している陽イオン交換樹脂アンバーライト200CT NA(登録商標)を使用して、樹脂の量と酸化還元電位の関係を調べた。新品の陽イオン交換樹脂10ml、20mlまたは30mlを100mlのビーカーに入れ金属マグネシウム5gをそれぞれ添加し水道水で最終的に100mlに調製した。比較対照として、金属マグネシウムのみを添加したサンプルを用意した。10分〜180分までのあいだ酸化還元電位を測定した。結果を図6に示す。金属マグネシウムのみのサンプルでは、およそ−140mVとなったが、スルホン酸基を持つ陽イオン交換樹脂の添加により、およそ−200mVとなった。また樹脂の添加量が多いほど酸化還元電位は低下した。スルホン酸基を持つ陽イオン交換樹脂の添加により酸化還元電位が大きく低下し、水素の発生効率の改善が認められた。
【実施例5】
【0032】
実施例1と同様に、金属マグネシウム、アンバーライト200CT NA(登録商標)を使用した。また新たに、アンバーライトIRC76(登録商標) (オルガノ株式会社 弱酸性陽イオン交換樹脂)、アンバーライトIRA400J Cl(登録商標) (オルガノ株式会社 強塩基性陰イオン交換樹脂)とアンバーライトIRA67(登録商標) (オルガノ株式会社 弱塩基性陰イオン交換樹脂)を使用し、酸化還元電位を調べた。
200CT NA(登録商標)は、担体に官能基としてスルホン酸が、IRC76(登録商標)は、担体に官能基としてカルボン酸が、IRA400J Cl(登録商標)は、担体に官能基として第4アンモニウム塩基が、そしてIRA67(登録商標)は、担体に官能基として3級アミンが結合している。200CT NA(登録商標)はスチレン・ジビニルベンゼン共重合体を担体として有し、IRC76(登録商標)はポリアクリル共重合体を担体として有し、IRA400J Cl(登録商標)はスチレン・ジビニルベンゼン共重合体を担体として有し、IRA67(登録商標)はアクリル・ジビニルベンゼン共重合体を担体として有する。また、200CT NA(登録商標)とIRA400JCl(登録商標)は、使用する時点で、各々水酸化ナトリウムと塩酸で塩として中和されている。IRC76(登録商標)とIRA67(登録商標)は、100mlのビーカーに膨潤した樹脂20mlをとり、100mlの水道水を入れ各々1規定になるように水酸化ナトリウムと塩酸を添加し、一晩、中和操作を実施した。これらのサンプルを水道水で良く洗浄して、pHを、塩酸や水酸化ナトリウムで中性から弱アルカリとし、最後に各々金属マグネシウム5gと水道水を加え最終的に100mlとして実験を開始した。
【0033】
反応開始の翌日以降、毎日約5回、およそ1時間ごとに水の交換を実施した。カルボン酸を官能基として持つイオン交換樹脂の測定は、反応開始日と反応開始後33日経過後のサンプルを、第4アンモニウム塩基を官能基として持つイオン交換樹脂は、反応開始日と27日経過後のサンプルを、3級アミンを官能基として持つイオン交換樹脂は、反応開始日と20日経過後のものをそれぞれ用いて、10分〜180分までの間、酸化還元電位を測定した。結果を図7〜9にそれぞれ示す。第4アンモニウム塩基を官能基として持つイオン交換樹脂と、3級アミンを官能基として持つイオン交換樹脂では、反応開始日においては、スルホン酸を官能基として持つイオン交換樹脂と同等の酸化還元電位を示したが、反応開始後、およそ一月経過後には、金属マグネシウム単独と同等の酸化還元電位と同じになった。カルボン酸を官能基として持つイオン交換樹脂では、反応開始日においては、スルホン酸基を官能基として持つイオン交換樹脂より低い酸化還元電位を示したが、反応開始後、およそ一月経過後にはスルホン酸基を官能基として持つイオン交換樹脂と金属マグネシウム単独の中間の酸化還元電位が得られた。カルボン酸を官能基として持つイオン交換樹脂では、高い還元作用が認められた。
【実施例6】
【0034】
100mlのビーカーに水道水100mlを添加した。陰極は、2cm x 5cmで厚さ0.3mmのステンレス鋼(株式会社久宝金属製作所 sus430)に固定し、陽極として、2cm x 5cmで厚さ0.3mmのステンレス鋼(株式会社久宝金属製作所 sus430)、銅(株式会社久宝金属製作所)、アルミニウム(株式会社久宝金属製作所)、および直径9.5mmで長さ10cmの炭素棒(株式会社シータスク)をそれぞれ使用し、比較実験をした。電源(アマシャムバイオサイエンス株式会社 Power Supply EPS301)を用いて、直流電流を流し電気分解を実施した。電圧を家電で頻繁に使用される24Vに固定した。1時間通電後に、溶存水素濃度とpHを測定した。溶存水素濃度の測定は、溶存水素計(株式会社ユーピー 型番ENH―1000)を用いて実施した。pHの測定にはpHメーター(株式会社佐藤計量器製作所 SK−620PH)を使用した。結果を図10に示す。
【0035】
1時間の反応後、ステンレス鋼を陽極として用いた実験では、生成した水素の濃度が最も低く0.190ppmであったが、炭素棒を陽極として用いた実験では0.440ppmとなり、アルミニウムでは0.570ppmと最も高かった。pHは、炭素棒を陽極として用いた実験が最も低くて5.79であり、最も高い、銅を陽極として用いた実験では10.07となった。また、電気分解後の水の汚れは銅、アルミニウム、ステンレス鋼を陽極として用いた実験において、強い水の着色や、白色浮遊物、白色沈殿物が認められた。更に、電流を60mAに固定して1時間通電後に溶存水素濃度とpHを測定したところ、同様の結果を得た。
【0036】
次に、100mlのビーカーに実施例1で使用したのと同じ金属マグネシウムを実験装置に加え、水道水100mlを添加した。陰極はステンレス鋼に固定し、陽極として、ステンレス鋼、銅、アルミニウムそして炭素棒をそれぞれ用いて、比較実験を実施した。この実験の概略図を図1として示す。ビーカー1に10gの金属マグネシウム3を添加し、水道水2を加え100mlとした。沈殿して層となった金属マグネシウム3に陽極4を接触させ、陰極5は、金属マグネシウム3に接触しないように水中に設置する。直流電源6を用いて装置に電流をながした。電圧を、家電で頻繁に使用される24Vに固定した。1時間通電後に溶存水素濃度とpHを測定した。結果を図11に示す。
【0037】
ステンレス鋼を陽極として用いた実験では、最も溶存水素濃度が低く0.383ppmで、炭素棒を陽極として用いた実験では最も高く0.699ppmとなった。pHは銅を陽極として用いた実験で最も高く10.24、炭素棒を用いた実験では最も低く、9.38となった。また電気分解後の水の汚れは銅、アルミニウム、ステンレス鋼において強い水の着色や、白色浮遊物、白色沈殿物が認められた。金属マグネシウムを陽極の炭素棒と接触させた状態で24Vの定電圧で電気分解を行なった場合に、溶存水素濃度が高く、水の着色や、白色浮遊物、白色沈殿物の少ないpH10を下回る飲用可能な水を得ることができた。
【実施例7】
【0038】
100mlのビーカーに水道水100mlを添加した。陰極は2cm x 5cmで厚さ0.3mmのステンレス鋼に固定して、陽極として、2cm x 5cmで厚さ0.3mmのステンレス鋼、そして直径9.5mmで長さ10cmの炭素棒をそれぞれ使用し、比較実験を実施した。いずれの実験でも、電源を用いて、直流電流を流し電気分解を実施した。電圧は家電で頻繁に使用される24Vに固定した。1時間通電後に、溶存水素濃度、二酸化炭素濃度とpHを測定した。溶存水素濃度の測定は溶存水素計(株式会社ユーピー 型番ENH―1000)を用いて実施した。pHの測定はpHメーターを使用した。二酸化炭素濃度の測定は、溶存二酸化炭素検出キット(テトラジャパン株式会社 テトラテスト(登録商標))を用いて実施した。結果を図12に示す。溶存水素濃度はステンレス鋼を陽極として用いた実験では0.190ppmで、炭素棒を陽極として用いた実験では0.446ppmであり、炭素棒を用いた実験のほうが、溶存水素濃度が高かった。また、ステンレス鋼を用いた実験では二酸化炭素の水への溶解は8g/mlと低くpHも7.58と高かった。これに対し炭素棒を用いた実験では、水に対して40mg/ml以上の二酸化炭素の溶解が認められ、pHは5.79と大きな低下が認められた。
【実施例8】
【0039】
陽極として直径9.5mmで長さ10cmの炭素棒、陰極として2cm x 5cmで厚さ0.3mmのステンレス鋼を使用した。実施例1で使用したものと同じ金属マグネシウム10gとスルホン酸基を官能基として持つイオン交換樹脂であるアンバーライト200CT NA(登録商標)20mlを用いて実験を実施した。概略図を図1として示す。ビーカー1にイオン交換樹脂と金属マグネシウムの混合物3を添加し、水道水2を加え100mlとした。沈殿して層となったイオン交換樹脂と金属マグネシウムの混合物3に陽極4を接触させ、陰極5は、イオン交換樹脂、金属マグネシウムの混合物3に接触しないように水中に設置した。直流電源6を用いて装置に直流電流を流した。電圧は家電で頻繁に使用される24Vに固定した。1時間通電後に溶存水素濃度とpHを測定した。溶存水素濃度の測定は溶存水素計(株式会社ユーピー 型番ENH―1000)を用いて実施した。pHの測定はpHメーターを使用した。更に比較対照として、イオン交換樹脂を加えず金属マグネシウム10gのみを添加したものを用いて、同様の実験を実施した。結果を図13に示す。1時間後の溶存水素濃度は金属マグネシウムの添加、無添加に係らずイオン交換樹脂を添加した場合において高い溶存水素濃度が得られた。
【実施例9】
【0040】
100mlのビーカーに水道水100mlを添加した。陰極は2cm x 5cmで厚さ0.3mmのステンレス鋼を、陽極として、直径9.5mmで長さ10cmの炭素棒を使用した。電源を用いて、直流電流を流し電気分解を実施した。電圧は家電で頻繁に使用される24Vに固定した。1時間通電後に、溶存水素濃度とpHを測定した。次に同様に、100mlのビーカーに実施例1で使用したのと同じ金属マグネシウムを実験装置に加えた。陰極はステンレス鋼を、陽極として、炭素棒を使用した。この実験の概略を図1に示す。ビーカー1に10gの金属マグネシウム3を添加し、水道水2を加え100mlとした。沈殿して層となった金属マグネシウム3に陽極4を接触させ、陰極5は、金属マグネシウム3に接触しないように水中に設置した。直流電源6を用いて装置に24Vの直流電流をながした。1時間通電後に溶存水素濃度とpHを測定した。更に同上の装置で電流を流さずに1時間自然な化学反応をさせた後に溶存水素濃度とpHを測定した。なお、溶存水素濃度の測定は、溶存水素計(株式会社ユーピー 型番ENH―1000)を用いて実施した。pHの測定はpHメーターを使用した。測定の結果を図14に示す。金属マグネシウムを添加せずに装置に電気を流した場合、装置に金属マグネシウムがないものの、1時間の反応で溶存水素濃度が0.468ppm,pHが6.78となった。金属マグネシウムを添加し、かつ装置に電気を流さなかった場合、1時間の反応で溶存水素濃度が0.775ppm,pHが10.53となった。更に金属マグネシウムを添加した上で装置に電気を流した場合、1時間の反応で溶存水素濃度が0.715ppm,pHが9.67となり、飲用に適したpH10以下の還元水(水素豊富水)が得られた。金属マグネシウムを添加した装置に電気を流した場合、電気を流さない場合と比較して、溶存水素濃度に大きな差は認められなかったが、pHの低下が認められた。金属マグネシウムの反応が進行すると共に長期的に、その化学的水素生成能力は低下するが、本装置の電極に電気を流した場合には、電気分解により発生する水素による溶存水素濃度は、金属マグネシウムの反応とは個別に維持されると考えられる。
【実施例10】
【0041】
100mlのビーカーに水道水100mlを添加した。陰極は2cm x 5cmで厚さ0.3mmのステンレス鋼を、陽極として、直径9.5mmで長さ10cmの炭素棒を使用した。いずれの実験でも、電源を用いて、直流電流を流し電気分解を実施した。陽極の炭素棒には、被覆部材として各種のフィルム、濾紙を巻いた。使用したフィルムは超高分子量ポリエチレン多孔質フィルム サンマップ(登録商標)(日東電工株式会社)、微孔性薄膜ユミクロン(登録商標)電界隔膜(株式会社ユアサメンブレン MF−90B)とセロファン(株式会社レンゴー)を使用した。電圧は家電で頻繁に使用される24Vに固定した。次に同様に、100mlのビーカーに実施例1で使用したのと同じ金属マグネシウムを実験装置に加えた。この実験の概略図を図1として示す。ビーカー1に10gの金属マグネシウム3を添加し、水道水2を加え100mlとした。沈殿して層となった金属マグネシウム3に陽極4を接触させ、陰極5は、金属マグネシウム3に接触しないように水中に設置する。直流電源6を用いて装置に電流をながした。1時間通電後に溶存水素濃度とpHを測定した。なお、溶存水素濃度の測定は、溶存水素計(株式会社ユーピー 型番ENH―1000)を用いて実施した。pHの測定はpHメーターを使用した。結果を図15、図16に示す。
【0042】
金属マグネシウムを添加しない装置では、炭素棒になにも巻かない場合、1時間後の溶存水素濃度が0.478ppmとなったが、セロファンと微孔性薄膜ユミクロン(登録商標)電界隔膜を用いた場合、0.52〜0.53ppmとなった。pHについては、1時間後に、炭素棒になにも巻かない場合にはpH6.0となり、セロファンと微孔性薄膜ユミクロン(登録商標)電界隔膜を用いた場合では約pH6.5となった。金属マグネシウムを添加した装置では、炭素棒になにも巻かない場合は0.719ppmで、セロファンと微孔性薄膜ユミクロン(登録商標)電界隔膜を用いた場合では0.762ppmと0.736ppmとなった。pHについては、炭素棒になにも巻かない場合は9.88で、セロファンでは10.23となった。
【0043】
更に金属マグネシウムを添加しない装置で、陽極の炭素棒に、同様にセロファン、微孔性薄膜ユミクロン(登録商標)電界隔膜、また新たに超高分子量ポリエチレン多孔質フィルム サンマップ(登録商標)(日東電工株式会社)を巻いた。電圧を、24Vに固定し、1時間通電して溶液の吸光度(波長600nm)を測定した。吸光度は紫外可視分光高度計(島津製作所 UV−160A)を用いて測定した。この波長の吸光度を測定することにより、微粒子の濃度を知ることができることが知られている。結果を図17に示す。反応1時間後に、何も巻かない炭素棒では多くの炭素微粒子が認められたが、微孔性薄膜ユミクロン(登録商標)電界隔膜やセロファンを用いたでは、炭素微粒子がほとんど存在しないことがわかった。このように、微孔性薄膜ユミクロン(登録商標)電界隔膜やセロファンを用いると、水酸化物イオンが炭素棒と反応して二酸化炭素ができる反応で生じる炭素微粒子の発生、もしくは水中への移動が抑制され、また実用上問題となるようなpHや溶存水素濃度の変化もなく、これらの膜部材は、飲料水としての還元水(水素豊富水)の作製に好適であることがわかった。
【実施例11】
【0044】
次に、図18、図19に示した装置を用いて、還元水(水素豊富水)の作製を試みた。この還元水(水素豊富水)作製装置では、陽極と陰極とをそれぞれ含む、いずれも筒状の第1および第2の酸化還元システムが設けられている点で、これまでの実施例と異なる。図18は装置の概略を示す図であり、図18Aは還元水作製装置の内部構造を示し、後述するように、この中に陽極となる炭素棒2本、陰極のステンレス2枚などが含まれる。この還元水作製装置においては、図18Aの内部構造体が内部プラスチックケースに包まれていて、内部構造体および内部プラスチックケースのケース内部構造体は、図18Bに示される外観となる。このケース内部構造体は、さらに外部プラスチックケースに包まれていて、外部プラスチックケースを含む装置全体は、図18Cの様な外観となる。
【0045】
本装置の水素生成に係る内部構造体(図18A)を図19に詳細に示す。炭素棒4は、穴7の開いたプラスチックケース13のなかに設置される。すべての穴7はナイロンメッシュにより塞がれていて、水は通すが、内容物が外部に漏れでないように構成されている。さらに、外周に穴8のあいたステンレス鋼5が設置されている。第1の炭素棒4は陽極であり、陰極のステンレス鋼5とともに、第1の酸化還元システム10(第一の回路)を構成する。また、第2の炭素棒14は、穴17の開いた第2のプラスチックケース16の中に設置される。すべての穴17は、ナイロンメッシュにより塞がれていて、水は通すが内容物が外に漏れでないように、構成されている。その外部において、第2のプラスチックケース16に接するように、穴のない短冊形のステンレス鋼15が設置されている。第2の炭素棒14は陽極であり、陰極のステンレス鋼15とともに、第2の酸化還元システム20(第二の回路)を構成する。第1の酸化還元システム10においては、中央に設置した第1の炭素棒4の周囲には金属マグネシウム13.1g、イオン交換樹脂6.6gと活性炭10.85gが詰められている。第1の酸化還元システム10(第一回路)の隣に並んで存在するもう一本別の第2の酸化還元システム20は、第二回路を構成する。なお、図18Aおよび図19では、酸化還元システム10および20を図示するためにステンレス鋼5の一部が切り欠かれているものの、実際の還元水(水素豊富水)作製装置では、ステンレス鋼5は、一対の酸化還元システム10および20の周囲に、それらの外周を取り巻くように配置されている。還元水作製装置のカセット内、すなわち内部プラスチックケースのケース(図18B)の内側を水道水で満たした後、電圧を家電で頻繁に使用される24Vに固定して、第1および第2の酸化還元システム10および20(第一回路と第二回路)の両方に、それぞれ50mAと200mAの直流を通電した後に、溶存水素濃度とpHを測定した。
【0046】
次にカセット内を水道水で満たした後、電圧を24Vに固定して第1の酸化還元システム10(第一回路)のみに50mAを通電した後に、溶存水素濃度とpHを測定した。更にカセット内を水道水で満たした後、電圧を24Vに固定して第2の酸化還元システム20(第二回路)のみに200mAを通電した後に、溶存水素濃度とpHを測定した。溶存水素濃度の測定は、溶存水素計(株式会社ユーピー 型番ENH―1000)を用いて実施した。pHの測定はpHメーターを使用した。測定の結果を図20に示す。第1および第2の酸化還元システム10および20(第一回路と第二回路)を併用した場合に比べ、第1の酸化還元システム10(第一回路)のみ通電した場合においては、水の溶存水素濃度の上昇とともに、pHの上昇が起こる。一方、第2の酸化還元システム20(第二回路)のみ通電した場合においては、水の溶存水素濃度の上昇とともに、pHの下降が起こる。このように、少なくとも2対の酸化還元システムを設け、第一回路と第二回路に通電する電流と電圧を各々別々に調整することにより、還元水(水素豊富水)の溶存水素濃度とpHの微調整が可能になる。
【0047】
第一の酸化還元システム10を構成する第一のプラスチックケース13と、第二の酸化還元システムを構成する第二のプラスチックケース16に設けられた穴7、17はナイロンメッシュで塞がれており水の出入りはできるが、内部の材料が外にでることはできない。これにより炭素棒から発生した二酸化炭素が水に溶けて炭酸となり、速やかにカセット内に拡散するため、二酸化炭素のカセット内での溶解度を上げることができる。
【0048】
本願発明の還元水(水素豊富水)作製装置は、例えば、スティック、コップ、タンク、ウォーターサーバー、または交換用カセット等の容器、または装置等に組み込まれ、使用されても良い。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属マグネシウムを用いて水中で水素を発生させる方法において、多孔性の固相を用いることを特徴とする還元水の作製方法。
【請求項2】
固相が、イオン交換作用を有する、請求項1に記載の還元水の作製方法。
【請求項3】
固相が酸性の官能基を有する、請求項1または請求項2に記載の還元水の作製方法。
【請求項4】
固相がスルホン酸基を有する、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の還元水の作製方法。
【請求項5】
固相がカルボン酸基を有する、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の還元水の作製方法。
【請求項6】
固相が樹脂である、請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の還元水の作製方法。
【請求項7】
固相がイオン交換樹脂である、請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の還元水の作製方法。
【請求項8】
固相が、金属マグネシウムの表面に生じる水酸化物を除去する、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の還元水の作製方法。
【請求項9】
金属マグネシウムを酸化させて陰極で水素を発生させる、請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の還元水の作製方法。
【請求項10】
陽極が、炭素を含む材料で形成されている、請求項9に記載の還元水の作製方法。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の方法で作製した還元水を噴霧するスプレー装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項10の何れか一項に記載の方法で作製した還元水を、液体状、固体状、粉体状、またはペースト状にして添加した食品、または化粧品。
【請求項13】
金属マグネシウムを用いて水中で水素を発生させる還元水作製装置であって、多孔性の固相を用いることを特徴とする還元水作製装置。
【請求項14】
電極を備え、金属マグネシウムを酸化させて陰極で水素を発生させ、還元水を作製する還元水作製装置であって、金属マグネシウム表面に生じる水酸化物を除去する固相をさらに備えることを特徴とする、還元水作製装置。
【請求項15】
炭素を含む材料で形成されている陽極を有する、請求項13または請求項14に記載の還元水作製装置。
【請求項16】
陽極の表面を覆う被覆部材をさらに有する、請求項13〜請求項15の何れか一項に記載の還元水作製装置。
【請求項17】
陽極と陰極とをそれぞれ含む第1および第2の酸化還元システムを有する、請求項13〜請求項16の何れか一項に記載の還元水作製装置。
【請求項18】
電極を用いて水中で水素を発生させる還元水作製装置であって、炭素を含む材料で形成されている陽極を備えることを特徴とする還元水作製装置。
【請求項19】
金属マグネシウムを用いて水中で水素を発生させる還元水作製装置であって、炭素を含む材料で形成されている陽極を備えることを特徴とする還元水作製装置。
【請求項20】
陽極の表面を覆う被覆部材をさらに有する、請求項18または請求項19に記載の還元水作製装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−206105(P2012−206105A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190886(P2011−190886)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(506072996)株式会社NTCドリームマックス (1)
【Fターム(参考)】