説明

郵便受け用ポスト

【課題】従来の前入れ後出し方式による問題点を解消し、奥行き寸法を大きくしなくても、容易に郵便物、新聞等を収容することができる郵便受け用ポストを提供することをその課題とする。
【解決手段】内部に収納空間を有するポスト本体1aの上面と正面とにそれぞれ投入口5と取り出し口6とを形成し、上記投入口5と取り出し口6にそれぞれ開閉自在な上蓋7と取り出し蓋8を取り付けたことを特徴とする。
なお、上記ポスト本体1aの背面にフック4を形成するのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅などに設けられる郵便受け用ポストに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のポストは、専用支柱、門柱あるいは玄関などに配置されているが、従来のポストは前入れ後出し方式のものがほとんどである。すなわち、ポストの投入口と取り出し口とはそれぞれ正面(前面)と背面(後面)とに形成されている。
【特許文献1】実開平2−150394号公報
【特許文献2】特開平10−205256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前入れ後出し方式では、ポストの内部空間の奥行きを大きくせざるを得ない。なぜならば、投入口は風雨の侵入や盗難を防止するために幅は狭く形成されているので、投入口から大型郵便物や新聞を投入するときに奥行きが小さいと、円滑に大型郵便物や新聞を投入することができない。狭い投入口から新聞や大型郵便物を投入するときに、上または下に斜めに傾けてこじ入れなければならないので、特に折り曲げできないようなものが内封されているときは、非常に投入しにくい。さらに、斜めに入れる構造では、内部空間に新聞や郵便物等が詰まってしまいやすく、この場合は後から投入したものが投入口から露出してしまい、安全上問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解消し、特に奥行き寸法を大きくしなくても、容易に郵便物等を収容することができる郵便受け用ポストを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、内部に収納空間を有するポスト本体の上面に投入口を形成し、上記投入口に開閉自在な上蓋を取り付けたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、上記ポスト本体の正面にフックを形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る発明によれば、郵便物等の投入口は上面に配置されているから、直接に投入口から内部に落とし込めばよく、斜めに差し入れる必要がないので、投入作業が容易である。また、奥行きを特に大きくするような必要はないから、全体を薄く形成することができる。
【0008】
請求項2に係る発明によれば、正面のフックを利用して門扉の敷地内側からポストを例えば門扉の上框に係止して取り付けることができる。この場合、門扉にポスト機能を付加することができるとともに、門扉の敷地外側(道路側)からはポストの上部が一部見えるだけであるから、門扉の外観が損なわれることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は本発明のポストを門扉に取り付けた状態を敷地側からみた図、図2は図1の要部の拡大断面図であり、図3は投入口の上蓋と取り出し口の取り出し蓋の開き状態を示す拡大断面図である。
【0010】
上図において符号1は郵便受け用ポスト、2は門扉、3は門柱を示す。門扉2は門柱3に対して回動開閉可能に取り付けられている。
【0011】
ポスト1は、内部に郵便物等の収納空間を有し、その下面の一部が傾斜した略直方体形のポスト本体1aの正面にフック4が設けられ、また上面には投入口5が、背面には取り出し口6がそれぞれ開口形成され、さらに投入口5と取り出し口6には上蓋7と取り出し蓋8が設けられているものである。
【0012】
フック4は断面L字形に形成され、門扉2の上框2aの幅よりやや大きくなるように形成されている。
【0013】
投入口5はポスト本体1aの上面の略全面に形成され、その正面側には、水平の受け面10と受け面10の先端に郵便物等の案内面11が形成されている。投入口5の背面側には回動軸12の取付用凹部13が形成されている。受け面10の中央には鉄片などの磁性体14が設けられている。
【0014】
投入口5には上蓋7が開閉可能に設けられている。上蓋7はポスト本体1aの上面よりも一回り程度大きい上面板15の四周に側面片16を下方に折り曲げ形成するとともに、背面側は、ポスト本体1aの投入口5の取付用凹部13に設けられた回動軸12を介して回動自在に連結されている。
【0015】
なお、上面板15の正面側中央には摘み17が取り付けられ、その裏面側には永久磁石18が取り付けられている。また、上記投入用上蓋7の両側には回動案内片19が形成され、その先端には上記案内面11の裏側に係合可能な係合部20が形成されている。
【0016】
上記投入部構成によれば、投入口5を閉じている状態では、上蓋7の永久磁石18が投入口5の磁性体14に磁着して簡単には回動できないようになっている。その吸引力に抗して上蓋7を上げれば投入口5を開口することができる。なお、上蓋7の回動端では回動案内片19の先端係合部20が案内面11の裏側に係合してそれ以上の回動が規制される。
【0017】
次に、取り出し口6はポスト本体1aの正面の略3分の2を占めるほど大きく形成されている。
【0018】
取り出し口6には取り出し蓋8が開閉可能に設けられている。取り出し蓋8の下部中央にはつまみ7が取り付けられ、中間部にはポスト本体1aの内部を透視するための透視窓21が形成されている。取り出し蓋8の上端は内方斜め上に屈曲して水切部22が形成され、上部裏面は回動軸23を介してポスト本体1aに連結されている。
【0019】
上記取り出し部構成によれば、取り出し蓋8の上端には水切部22が延長形成されているので、取り出し口6の上端の隙間から入り込んだ雨水は上記水切部22によって外に排出されるから、内部に雨水が進入するのを有効に防止することができる。
【0020】
上述のように、ポスト1は、正面側のフック4を門扉2の上框2aに係止してネジ止めすることにより門扉2に取り付けられているため、敷地外から見たとき、上部の上蓋7だけが門扉2の上部に突出し、ポスト1の大部分は敷地外からは見えない。配達人が郵便物、新聞等aをポスト1に投入するときは、上部の上蓋7を回動軸12を中心に上方に回動して投入口5を開き、中に落とし込んで投入すればよい。敷地内側から投入された郵便物、新聞等aを取り出すときは、取り出し口6の取り出し蓋8を回動軸23を中心に回動させて開き、中から取り出せばよい。
【0021】
上述のように、配達人が郵便物、新聞等aをポスト1に投入するときは、直接に上面の投入口5から内部に落とし込めばよいので、投入作業が容易である。また、郵便物、新聞等aを斜めにこじ入れる必要がないので、ポスト1の奥行きは特に大きくしなくても、郵便物や新聞が折れたり破損したりすることがなく、全体を薄く形成することができる。このため、門扉2の回動操作に特に支障はない。
【0022】
また、フック4を利用してポスト1を門扉2に取り付けることができるから、門扉2にポスト機能を付加することができるとともに、門扉2の敷地外側(道路側)からはポスト1の上部の上蓋7が見えるだけであるから、門扉2の外観が損なわれることがない。
【0023】
なお、上記ポスト1を門扉2に取り付けるにあたっては、必ずしもフック4を利用する例に限定されない。門扉側に係止部を設けておき、この係止部にポストに形成した係止手段(溝、穴等)を係止させる構成であってもよい。
【0024】
また、上記ポスト1は門扉2に取り付ける例に限定されない。例えば、玄関横の壁に取り付けることも可能である。もちろん、この場合は、壁側に適宜の取付部材を取り付けておき、この取付部材にポストの(フックに代えて他の)取付部を取り付けるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のポストを門扉に取り付けた状態を敷地側からみた図である。
【図2】図1の要部の拡大断面図である。
【図3】上蓋と取り出し蓋の開き状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1a ポスト本体
4 フック
5 投入口
7 上蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収納空間を有するポスト本体の上面に投入口を形成し、上記投入口に開閉自在な上蓋を取り付けたことを特徴とする郵便受け用ポスト。
【請求項2】
上記ポスト本体の正面にフックを形成したことを特徴とする、前記請求項1記載の郵便受け用ポスト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−288470(P2006−288470A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109837(P2005−109837)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】