説明

配電機器

【課題】配電機器本体への損傷を抑制できる保護枠の取り付け構造を採用した配電機器を提供する。
【解決手段】配電機器としての開閉器1は、開閉器1本体の正面1aに設けられた操作ハンドル10の回動操作を規制するハンドル規制部材9と、開閉器1本体の正面1aと反対側の背面1cに設けられた電柱に装柱可能な装柱部材7と、開閉器1本体の側面1d(1e)に突設されるブッシング11(12)を保護する保護枠100a(100b)とを備えている。保護枠100a(100b)は、正面側端部材104a(104b)をハンドル規制部材9に取付固定し、背面側端部材105a(105b)を装柱部材7に取付固定する。保護枠100a(100b)が衝撃を受けた場合、保護枠100a(100b)及びハンドル規制部材9又は装柱部材7が受けるので、開閉器1本体への衝撃は回避される。よって、開閉器1本体への損傷を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、開閉器等の配電機器に取り付けられる保護枠に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉器等の配電機器には、本体側面から引き出されたブッシングを保護する保護枠が取り付けられている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の配電機器の保護枠は、各側面のブッシングを囲繞するように設けられた枠組を設けて、配電機器の本体側面に設けられた螺子に締め付け固定されている。
【特許文献1】特開2002−343201号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1に記載の配電機器の保護枠は、配電機器の本体側面に溶接により固定された螺子に締結固定されている。通常、電柱もしくは電柱上の腕金に取り付けるため、クレーン等のフックを配電機器の吊金具に引っ掛け、吊り上げた際、配電機器本体が前後、左右に揺れるので不安定である。このような構造の配電機器では、この吊上げ状態で万一何かに衝突し、衝撃が保護枠に加わった場合、保護枠の損傷だけでなく、配電機器の本体側面も損傷する虞があった。そこで、衝撃が保護枠に加わった場合にも、配電機器本体への損傷を抑制できる保護枠の取り付け構造を採用した配電機器が求められていた。
【0004】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、衝撃が保護枠に加わった場合にも、配電機器本体への損傷を抑制できる保護枠の取り付け構造を採用した配電機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、配電機器本体の正面に設けられた操作ハンドルの回動操作を規制するハンドル規制部材と、配電機器本体の正面と反対側の背面に設けられた電柱に装柱可能な装柱部材と、配電機器本体の側面に突設されたブッシングを保護する保護枠とを備え、前記保護枠を前記ハンドル規制部材及び前記装柱部材に取付固定したことを特徴とする配電機器であることを要旨としている。
【0006】
同構成によれば、ブッシングを保護する保護枠が配電機器本体の正面に設けられたハンドル規制部材と、配電機器本体の背面に設けられた装柱部材に取付固定される。このため、ブッシングが設けられる側面には、配電機器本体を取付固定されるための溶接箇所がなく、同側面には溶接歪が生じず、ブッシングの取付面の精度を出すための補正が必要ない。その結果、保護枠の取付作業の手間を抑制することができる。また、保護枠の取付部位がハンドル規制部材と装柱部材とであるため、保護枠の取付部位がブッシング等が設けられる配電機器本体の側面と比較して、配電機器本体への保護枠の取付作業が容易である。
【0007】
衝撃が保護枠に加わった場合にも、配電機器本体への損傷を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配電機器において、前記保護枠を配電機器本体の正面、側面、及び背面を囲むように形成したことをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、保護枠を配電機器本体の正面、側面、及び背面を囲むように形成したため、配電機器本体の側面、具体的にはブッシングへの衝撃が加わらないように保護することができるとともに、配電機器本体の正面及び背面への衝撃も保護することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の配電機器において、配電機器本体の上面に腕金取付部材を設け、前記装柱部材と同腕金取付部材とを連結したことをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、配電機器本体の上面に腕金取付部材を設け、装柱部材と同腕金取付部材とを連結したため、配電機器の背面と上面と保護枠との3箇所で配電機器を支持することができる。よって、配電機器の背面部分や装柱部材に掛かる荷重を抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、保護枠を備えた配電機器において、衝撃が保護枠に加わった場合にも、配電機器本体への損傷を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に掛かる配電機器を開閉器に具体化した一実施形態について図1〜図4を参照して説明する。なお、図1及び図2は、開閉器を電柱上の腕金に取り付けた状態を示している。
【0013】
図1に示されるように、開閉器1の内部には図示しない固定電極と可動電極とが備えられるとともに、開閉器1の正面1aには前記固定電極に対して前記可動電極を接離させるべく操作される操作ハンドル10が設けられている。操作ハンドル10には、開閉器1の正面1a下部に表記された前記可動電極の接離状態を示す「入」、「切」表示を指す下方に突出した指針が設けられている。開閉器1の操作ハンドル10が設けられている正面1aに対して垂直方向の両側面1d,1eには、ブッシング11,12が3本ずつそれぞれ突設され、これらブッシング11,12を保護する保護枠100a,100bが配置されている。
【0014】
開閉器1本体の正面1aには、ハンドル規制部材9が正面1aに沿って開閉器1本体と操作ハンドル10の間に配置されて、開閉器1本体に固定された4本のボルト96と4つのナット97とにより固定されている。
【0015】
図4に示されるように、ハンドル規制部材9は、ハンドル規制部材本体90と、操作ハンドル10の回動操作を規制するための棒状の突出部93とを備えている。ハンドル規制部材本体90は、長方形板材よりなる取付壁94と、その左右両端部が側方へ折り曲げられた両側壁91とから断面コ字状に形成されている。ハンドル規制部材9は、取付壁94の背面側が開閉器1本体に取り付けられた4本のボルト96と4つのナット97とにより固定されている。突出部93は、ハンドル規制部材本体90の取付壁94から操作ハンドル10側に向けて2箇所突出されている。両突出部93は、操作ハンドル10により前記固定電極に対して前記可動電極を接離させるため回動操作した際、操作ハンドル10の上面側に当接し回動範囲を制限する。
【0016】
図1に示されるように、ハンドル規制部材本体90の両側壁91には、上側及び下側に孔部92がそれぞれ形成されている。ハンドル規制部材9の取付壁94の中央には、開口部が形成されており、その開口部の内側には、開閉器1本体から突出したハンドル取付軸が挿通されている。ハンドル取付軸には、操作ハンドル10が固定されている。
【0017】
図4に示されるように、開閉器1本体の上面1bには、同開閉器1をクレーン等により吊り上げられる際に用いるとともに、電柱上の腕金に取り付けられる際に用いる腕金取付部材2が上面1bに沿って配置されて、開閉器1本体に取り付けられた4本のボルト27と4つのナット28により開閉器1本体に固定されている。
【0018】
図1に示されるように、腕金取付部材2は、開閉器1の上面1bに固定された本体取付部材20、吊部材32、本体取付部材20に回動可能に軸支される2本の吊下げボルト22、両吊下げボルト22の間に架設される板状の支え部材23、円筒状のスペーサ25、座金24a、ナット24を備えている。右側の吊下げボルト22の支え部材23とスペーサ25との間には、固定金具29が取り付けられている。
【0019】
本体取付部材20は、両側部としての両側壁20aが長方形板材の両端部が上方へ折り曲げられることにより形成され、両側壁20aに軸受孔20bがそれぞれ形成されている。本体取付部材20の上面において前端寄りの部位には、電柱上の腕金15を保持する凹部20dが形成された前側腕金保持部材20cが立設されている。本体取付部材20の前端には、前方、すなわち正面1a側へ延出した規制片20eが形成されている。規制片20eは、吊下げボルト22を前側へ吊部材32の軸部31を中心として回動させた際に支え部材23が当接し、吊下げボルト22の回動を規制する。
【0020】
図2に示されるように、本体取付部材20の上面1bにおいて後端寄りの部位には、電柱上の腕金15を保持する凹部20gが形成された後側腕金保持部材20fが立設されている。なお、後側腕金保持部材20fは、腕金取付部材2の開閉器1の背面側端部を構成している。腕金取付部材2の背面側端部は、後述する装柱部材7の背面と同じ位置まで延出して形成されている。すなわち、腕金取付部材2の開閉器1の背面側端部は、開閉器1本体の正面1aの反対側にあたる開閉器1本体の電柱に取り付けられた際に電柱側となる面である背面1cよりも後方へ延出して形成されている。
【0021】
左側の吊下げボルト22と右側の吊下げボルト22との間には、支え部材23が両吊下げボルト22に沿って上下動可能に架設されている。支え部材23には、左側の吊下げボルト22を挿通する孔23aと右側の吊下げボルト22を挿入する溝23bとが形成されている。支え部材23の左側の吊下げボルト22の上方には、円筒状のスペーサ25、座金24a、ナット24が取り付けられている。支え部材23の右側の吊下げボルト22の上方には、固定金具29、円筒状のスペーサ25、座金24a、ナット24が取り付けられている。すなわち、吊下げボルト22の支え部材23とナット24との間にスペーサ25が環装されている。
【0022】
開閉器1が電柱上の腕金15に取り付けられる際には、本体取付部材20の前側腕金保持部材20c、後側腕金保持部材20fの各凹部20d,20gに腕金15を位置させ、左側の吊下げボルト22を中心に支え部材23を回動させ、支え部材23の溝23b内に右側の吊下げボルト22を挿入し、固定金具29を支え部材23に係合させる。そして、両吊下げボルト22に環装されたスペーサ25を介してナット24を締め付けることにより、支え部材23が開閉器1の本体側へ変位され、吊下げ状態で電柱上の腕金15に取り付けられる。
【0023】
図3に二点鎖線で示されるように、収納される際には、支え部材23は規制片20eに当接されるとともに、スペーサ25を介してナット24を締め付けることにより、前側腕金保持部材20cに当接固定されている。なお、両側壁20a、前側腕金保持部材20c、後側腕金保持部材20fの高さ寸法は、支え部材23の幅寸法と同一寸法に形成されている。
【0024】
図1に示されるように、吊部材32は、本体取付部材20の両軸受孔20bに吊下げボルト22を回動可能に軸支する軸部31と、その右端部に連結される接続部34と、接続部34に連結されて吊下げボルト22の先端面よりも下方に位置する環状の吊部33とから構成され、単一の棒材が湾曲されることにより一体に形成されている。
【0025】
具体的には、吊部材32の軸部31は、本体取付部材20の両側壁20aの両軸受孔20bに挿通するとともに、両側壁20aの内側に両吊下げボルト22は回動可能に軸支されている。吊部材32の吊部33は、両吊下げボルト22の間隙の中央、且つ支え部材23の上方に位置している。また、吊部材32の頂部、すなわち吊部33の上部は、両吊下げボルト22の上方先端以下の高さに設定されている。
【0026】
吊部材32の接続部34は、軸部31の右側端部に連結し、同右側端部から右側の吊下げボルト22に沿って支え部材23より上方へ延びる鉛直部34aと、鉛直部34aの上端から支え部材23より上部で、且つナット24より下部の間で左側へ水平に延び、両吊下げボルト22の中間位置で吊部33へ連結する水平部34bとから構成されている。接続部34の鉛直部34aは、吊下げボルト22と接触しないように吊下げボルト22に対して開閉器1の後方へ傾いている。本体取付部材20の両側壁20aの両軸受孔20bに挿通された軸部31は、両側壁20aの外側にピン等を設けて抜け防止されている。
【0027】
ここで、前側腕金保持部材20cの凹部20d及び後側腕金保持部材20fの凹部20gに腕金15を位置させ、両吊下げボルト22の間に支え部材23を架設し、ナット24を締め付けることにより、支え部材23が開閉器1の本体側へ変位され、開閉器1が吊下げ状態で電柱上の腕金15に取り付けられる。
【0028】
図2に示されるように、開閉器1本体の背面1cには、開閉器1を電柱に取り付ける際に用いる装柱部材7が背面1cに沿って配置されている。装柱部材7は、開閉器1本体に固定された2本のボルト76と2つのナット77とにより開閉器1本体に固定されている。
【0029】
図4に示されるように、装柱部材7の装柱部材本体70は、長方形板材よりなる取付壁74と、その左右両端部が側方へ折り曲げられた両側壁71と、両側壁71から内側へ折り曲げられた両折曲部71aとから断面C字状に形成されている。装柱部材7は、取付壁74の背面側が開閉器1本体に固定されている。図3に示されるように、装柱部材7の上側端部は、腕金取付部材2の後側腕金保持部材20fの凹部20gの底辺と同じ位置まで延出して形成されている。すなわち、装柱部材7の上側端部は、開閉器1本体の上面1bよりも上方へ延出して形成されている。両側壁71の上側端部の角には両軸孔72がそれぞれ形成され、両軸孔72には棒状の掛止部材73が挿通固定されている。両側壁71の下側端部には、板状の規制部材75が架設固定されている。装柱部材7の上側端部の底面と腕金取付部材2の後側腕金保持部材20fの側面とが当接され、ボルト78とナット79とにより締付固定されて、腕金取付部材2と装柱部材7とが連結されている。すなわち、装柱部材7と腕金取付部材2とは、開閉器1本体の背面1cから上面1bに亘りL字状の一体構造となっている。なお、図2に示されるように、両側壁71には、上側及び下側に孔部71bがそれぞれ形成されている。
【0030】
電柱取付部材8の両側壁81は、長方形板材の左右両端部が側方へ折り曲げられた断面コ字状に形成され、その両側壁20aには電柱14の外周に沿って巻装固定するための鎖83が取り付けされている。
【0031】
ここで、図3に矢印で示されるように、装柱部材7は、電柱14に巻装固定された電柱取付部材8に掛止されることにより電柱14に取り付けられる。詳しくは、電柱取付部材8の側壁81上部には、装柱部材7の掛止部材73が掛止される掛止部82としての凹部が形成されている。電柱取付部材8は、鎖83を電柱14の外周に沿って巻装固定される。装柱部材7は、掛止部材73が上方から電柱取付部材8の掛止部82に掛止されて、装柱部材7の両側壁71が電柱取付部材8の両側壁81を覆うように装着され、図示しない固定具により電柱14に取り付けられる。また、ブッシング11(側面1d)から見て、吊部33の円の中心Pは、開閉器1を水平にした状態において開閉器1の重心Gの鉛直上の位置より正面1a側に偏移されている。これにより、開閉器1を吊部材32の吊部33によって吊り上げると開閉器1本体は背面1c側が正面1a側よりも下がった状態、すなわち装柱部材7側に傾斜している。
【0032】
図1及び図2に示されるように、保護枠100aは、枠体101aと、脚部102aと、ハンドル規制部材9側の板材106aと、装柱部材7側の板材108aとから構成され、溶接により一体形成されている。保護枠100bは、枠体101bと、脚部102bと、ハンドル規制部材9側の板材106bと、装柱部材7側の板材108bとから構成され、溶接により一体形成されている。
【0033】
枠体101a,101bは、枠部材103a,103bと、J字状の正面側端部材104a,104bと、J字状の背面側端部材105a,105bとにより中実の棒体又は中空のパイプ体を屈曲及び溶接して略長方形状に形成されている。枠体101a,101bは、開閉器1本体の側面1d,1eに突設されるブッシング11,12を囲むように形成されており、ブッシング11,12に物体が直接衝突しないように保護する。
【0034】
脚部102a,102bは、同枠体101a,101bから地面方向へ開閉器1本体の底面1fよりも突出するとともに、開閉器1の正面1a側から背面1c側へ延伸するようにL字状且つU字状に中実の棒体又は中空のパイプ体を屈曲して形成されている。脚部102a,102bは、開閉器1本体を接地させる際に、開閉器1本体の底面1fを地面から離間させることができる。
【0035】
枠体101a,101bと脚部102a,102bとは、ブッシング11,12の下部で溶接固定されている。板材106a,106bには、枠体101a,101bの正面側端部材104a,104bと脚部102a,102bの一方の端部とが溶接固定され、ハンドル規制部材本体90の側壁91に形成された孔部92と一致する位置に上側及び下側に孔部107a,107bがそれぞれ形成されている。
【0036】
板材108a,108bには、枠体101a,101bの背面側端部材105a,105bと脚部102a,102bの他方の端部とが溶接固定され、装柱部材7の側壁71に形成された孔部71bと一致する位置に上側及び下側に孔部109a,109bがそれぞれ形成されている。そして、保護枠100a,100bの板材106a,106bの孔部107a,107bをハンドル規制部材9の側壁91の孔部92にそれぞれが一致するように接触させ、ハンドル規制部材9の孔部92側からナット99を挿通し、同ナット99にボルト98が締め付けられることにより保護枠100a,100bの正面側端部材104a,104bが固定される。
【0037】
また、保護枠100a,100bの板材108a,108bの孔部109a,109bを装柱部材7の側壁71の孔部71bにそれぞれが一致するように接触させ、装柱部材7の孔部71b側からボルト78を挿通し、同ボルト78にナット79を締め付けることにより保護枠100a,100bの背面側端部材105a,105bが固定される。
【0038】
上記のように、保護枠100a,100bは、開閉器1本体の正面1a、側面1d,1e、背面1cを囲むように形成されている。また、図1に示されるように、保護枠100a,100bの脚部102a,102bの間隙は、開閉器1本体の左右両側の側面1d,1e間の幅より広く形成されている。そして、操作ハンドル10は、脚部102a,102bの間隙よりも全長が短く形成されており、回動操作時常にハンドル規制部材9の形状範囲及び保護枠100a,100bの外形範囲内に位置されている。
【0039】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)開閉器1本体の正面1aにハンドル規制部材9が固定され、開閉器1本体の背面1cに装柱部材7が固定され、ハンドル規制部材9及び装柱部材7に保護枠100a,100bをそれぞれ固定するようにした。このような構造にしたことにより、衝撃を保護枠100aからハンドル規制部材9、又は保護枠100bから装柱部材7の順に受けるので、開閉器1本体への衝撃は回避される。したがって、このような構造にすれば、開閉器1本体への損傷を抑制できる。また、例えば衝撃が保護枠100aに加わった場合、保護枠100aのみの損傷であればその保護枠100aのみ交換し、保護枠100a及びハンドル規制部材9の損傷であればその保護枠100a及びハンドル規制部材9を交換すれば良い。よって、損傷した際に開閉器1本体を新しいものに交換する必要がなくなり、損傷した部材を適宜交換すればよい。したがって、修理で済むので安価となる。
【0040】
(2)保護枠100a,100bを開閉器1本体の正面1aに突設固定されたハンドル規制部材9、開閉器1本体の背面1cに突設固定された装柱部材7に固定するようにした。すなわち、保護枠100a,100bは、開閉器1本体の正面1a、側面1d,1e、背面1cを囲むように形成するようにした。このため、開閉器1本体の側面1d,1eへの衝撃、具体的にはブッシング11,12への衝撃が加わらないように保護することができるとともに、開閉器1本体の正面1a、背面1cへの衝撃も保護することができる。
【0041】
(3)保護枠100a,100bを開閉器1本体の正面1aのハンドル規制部材9、開閉器1本体の背面1cの装柱部材7を連結固定して一体構造にするようにした。このため、電柱に開閉器1を取り付ける場合に装柱部材7が開閉器1の背面1cのみで開閉器1を片持ち支持することと比較して、保護枠100a,100bにも荷重を負担させることができるので、開閉器1の背面1c部分や装柱部材7に掛かる荷重を抑制することができる。また、開閉器1本体の背面1cの装柱部材7と上面1bの腕金取付部材2とを連結して一体構造としたため、開閉器1の背面1cと上面1bと保護枠100a,100bとの3箇所で開閉器1を支持することができる。よって、更に開閉器1の背面1c部分や装柱部材7に掛かる荷重を抑制することができる。
【0042】
(4)ブッシング11,12を保護する保護枠100a,100bの正面側端部材104a,104bが開閉器1本体の正面1aに設けられるハンドル規制部材9に取付固定し、保護枠100a,100bの背面側端部材105a,105bが開閉器1本体の背面1cに設けられる装柱部材7に取付固定するようにした。このため、ブッシング11,12が設けられる側面1d,1eには、保護枠100a,100bを取付固定するための溶接部品がなく、側面1d,1eには溶接歪が生じず、製造時におけるブッシング11,12の取付面の精度を出すための補正が必要なくなる。よって、製造コストが抑制できる。
【0043】
(5)開閉器1本体の正面1aに突設固定されたハンドル規制部材9、開閉器1本体の背面1cに突設固定された装柱部材7に保護枠100a,100bをそれぞれボルト78,98及びナット79,99により締付固定するようにした。このため、開閉器1本体の側面1d,1eに締付時の歪が生じることはない。
【0044】
(6)保護枠100a,100bの正面側端部材104a,104bに連結された板材106a,106bがハンドル規制部材9にそれぞれボルト98及びナット99により固定される。また、保護枠100a、100bの背面側端部材105a,105bに連結された板材108a,108bが装柱部材7にそれぞれボルト98及びナット99により固定される。このため、保護枠100a,100bを開閉器1本体に取り付ける際には板材106a,106b,108a,108bを固定すればよく、保護枠100a,100bの取付部位がブッシング11,12等が設けられる開閉器1本体の側面1d,1eの場合と比較して、開閉器1本体への保護枠100a,100bの取付作業が容易である。
【0045】
(7)ハンドル規制部材9の取付壁94の背面側を開閉器1本体に固定するようにし、その取付壁94の開口部に挿通されたハンドル取付軸の外側に操作ハンドル10を固定するようにした。すなわち、開閉器1本体の正面1aにおいて、ハンドル規制部材9を開閉器1本体と操作ハンドル10との間に配置固定するようにした。これにより、操作ハンドル10の回動操作を容易に行うことができる。
【0046】
(8)操作ハンドル10を脚部102a,102bの間隙よりも全長が短く形成し、回動操作時常にハンドル規制部材9の形状範囲に位置するようにした。このため、開閉器1本体の正面1aから操作ハンドル10に衝撃を受けた場合、操作ハンドル10はハンドル規制部材9に当接するので、変形を最小限に抑制できる。また、保護枠100a,100bの外形範囲内に位置するようにしたため、衝撃を受け難くい。
【0047】
(9)保護枠100a,100bの脚部102a,102bの間隙を開閉器1本体の左右両側の側面1d,1e間の幅より広く形成するようにした。このため、開閉器1本体を接地させた際に、安定して接地させることができる。また、開閉器1の正面1a下部に表記された「入」、「切」の視認性がよい。更には、脚部102a,102bの間隙を、操作ハンドル10の全長よりも広く形成するようにした。このため、操作ハンドル10を衝撃から保護することができる。
【0048】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、保護枠100a,100bの枠体101a,101bを長方形としたが、枠体101a,101bの形状は任意に変更してもよい。
【0049】
・上記実施形態では、開閉器1本体の背面1cの装柱部材7と上面1bの腕金取付部材2とを連結して一体構造としたが、更に腕金取付部材2とハンドル規制部材9とを連結して一体構造としてもよい。このようにすると、開閉器1の背面1c部分や装柱部材7に掛かる荷重を更に抑制することができる。
【0050】
・上記実施形態では、開閉器に具体化したが、遮断器等の配電機器に適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】開閉器の正面図。
【図2】開閉器の背面図。
【図3】開閉器の側面図。
【図4】開閉器の上面図。
【符号の説明】
【0052】
1…開閉器、1a…正面、1b…上面、1c…背面、1d,1e…側面、1f…底面、2…腕金取付部材、7…装柱部材、8…電柱取付部材、9…ハンドル規制部材、10…操作ハンドル、11,12…ブッシング、14…電柱、15…腕金、20…本体取付部材、20a…側壁、20b…軸受孔、20c…前側腕金保持部材、20d…凹部、20e…規制片、20f…後側腕金保持部材、20g…凹部、22…吊下げボルト、23…支え部材、24…ナット、27…ボルト、28…ナット、31…軸部材、32…吊部材、33…吊部、34…接続部、34a…鉛直部、34b…水平部、70…装柱部材本体、71…側壁、71a…折曲部、72…軸孔、73…軸部材、74…取付壁、75…規制部材、76…ボルト、77…ナット、78…ボルト、79…ナット、81…側壁、82…掛止部、83…鎖、90…ハンドル規制部材、91…側壁、92…孔部、93…突出部、94…取付壁、96…ボルト、97…ナット、98…ボルト、99…ナット、100a,100b…保護枠、101a,101b…枠体、102a,102b…脚部、103a,103b…枠部材、104a,104b…正面側端部材、105a,105b…背面側端部材、106a,106b…板材、107a,107b…孔部、108a,108b…板材、109a,109b…孔部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電機器本体の正面に設けられた操作ハンドルの回動操作を規制するハンドル規制部材と、配電機器本体の正面と反対側の背面に設けられた電柱に装柱可能な装柱部材と、配電機器本体の側面に突設されたブッシングを保護する保護枠とを備え、
前記保護枠を前記ハンドル規制部材及び前記装柱部材に取付固定した
ことを特徴とする配電機器。
【請求項2】
請求項1に記載の配電機器において、
前記保護枠を配電機器本体の正面、側面、及び背面を囲むように形成した
ことを特徴とする配電機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の配電機器において、
配電機器本体の上面に腕金取付部材を設け、前記装柱部材と同腕金取付部材とを連結した
ことを特徴とする配電機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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