醤油の製造法
【課題】 グルコース量が多く、香味が良好で、かつ醤油粕重量の少ない醤油の製造法を提供する。
【解決手段】α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して仕込みを行い、発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法に関する。また、α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌の2種類の麹菌の混合物(複菌)により調製し得られた麹を発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法に関する。
【解決手段】α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して仕込みを行い、発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法に関する。また、α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌の2種類の麹菌の混合物(複菌)により調製し得られた麹を発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−アミラーゼ活性が低い麹菌を用いて醤油を醸造する際に、諸味中での澱粉の分解を低下させることなく、醤油粕重量の少なくし、かつグルコース量が多く、香味の良好な醤油の製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
醤油醸造において、麹菌としては主としてアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)とアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)が用いられている。両者は加水分解酵素の生産性、醸造特性等の点で異なり、特に、アスペルギルス・オリゼはアスペルギルス・ソーヤと比べてα−アミラーゼの生産性が高く、製麹中の原料炭水化物消費量が多いことが報告されている(例えば、日本醤油研究所雑誌、第6巻、第3号、第75頁(1980)、同誌、第7巻、第4号、第166頁(1981)など参照)。
【0003】
製麹中の炭水化物消費量が減少すれば、諸味に移行する炭水化物量が増加し、発酵過程で微生物の作用により炭水化物が糖、アルコール、有機酸、エステル等に変換され、醤油の香味に重大な影響を及ぼすことから、如何に製麹中の炭水化物の消費量を減少させ、効率よく諸味に移行させるかが、醤油製造の重要な要点の1つとされていた。
【0004】
従来、アスペルギルス・オリゼの製麹中の炭水化物消費量を減少させる手段としては、α−アミラーゼ活性と製麹中の炭水化物消費量が正の相関を示すことから、α−アミラーゼ活性の低いアスペルギルス・オリゼの造成が知られている(例えば、日本醤油研究所雑誌、第11巻、第5号、第200頁(1985)、日本農芸化学会誌、第59巻、第6号、第605頁(1985)など参照)。すなわち、得られた麹菌は、α−アミラーゼ生産性が親株の約1/3〜1/150に減少し、これにより製麹中の炭水化物消費量が約7%程度増加することが報告されている。
【0005】
【非特許文献1】日本醤油研究所雑誌、第6巻、第3号、第75頁(1980)
【非特許文献2】日本醤油研究所雑誌、第7巻、第4号、第166頁(1981)
【非特許文献3】日本醤油研究所雑誌、第11巻、第5号、第200頁(1985)
【非特許文献4】日本農芸化学会誌、第59巻、第6号、第605頁(1985)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようにして造成されたα−アミラーゼ活性の低いアスペルギルス・オリゼやα−アミラーゼ活性が元々低いアスペルギルス・ソーヤは、製麹中の炭水化物消費量を減少させ、もって諸味に移行する炭水化物量を増加させることができるものの、α−アミラーゼ活性が過度に低い麹菌においては、醤油の熟成期間中に諸味中の澱粉を分解するのに十分な量のα−アミラーゼが生産されず、結果として諸味中に澱粉が分解されずに残存する可能性も指摘されていた。また、α−アミラーゼ活性の低い麹菌を用いて麹を調製し、醤油を醸造した場合、通常の醤油醸造の場合と比較して、極端に醤油粕重量が増加するため、この点においてもα−アミラーゼの活性の低い麹菌の醤油醸造への応用は問題とされていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、α−アミラーゼ活性の低い麹菌と通常の麹菌を併用することで、醤油の熟成期間中に諸味中の澱粉を分解させグルコースの溶出を増加させることができるのではないかという考えに至り、鋭意工夫を重ねた結果、α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して混合仕込みを行うか、もしくはα−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα―アミラーゼ活性を有する麹菌の混合物(複菌)を用いて麹を調製し得られた麹を仕込み、発酵・熟成させて醤油を醸造することで、諸味中での澱粉の分解を低下させることなく、醤油粕重量の少なく、かつグルコース量が多く、香味の良好な醤油の製造法が可能であることを見いだし、本発明を完成させた。したがって、本発明は、以下の通りである。
【0008】
[1]α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して仕込みを行い、発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法。
【0009】
[2]α−アミラーゼ活性が低い麹菌で製造した麹と通常の麹菌で製造した麹を併用して仕込む場合の各麹の重量比率が9:1〜5:5である、上記[1]記載の製造法。
【0010】
[3]α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌の混合物(複菌)により麹を調製し、得られた麹を発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法。
【0011】
[4]α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を併用する場合の各種麹の重量比率が9:1〜5:5である、上記[3]記載の製造法。
【0012】
[5]α−アミラーゼ活性が低い麹菌として、製麹後のα−アミラーゼ活性が150,000単位/g乾燥麹以下である麹菌を使用する、上記[1]〜[4]いずれか1項に記載の製造法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の方法により、α−アミラーゼ活性が低い麹菌を用いて醤油を醸造する際の問題点を一挙に解決でき、諸味中での澱粉の分解を低下させることなく、炭水化物に由来の各種成分を増加させ、香味良好な醤油を製造することができる。また、α−アミラーゼ活性が低い麹菌を用いて醤油を醸造する際の他方の問題であった醤油粕重量を少なくすることが可能で、α−アミラーゼ活性が低い麹菌を用いても原料利用率の高い醤油の製造法を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、上述したように、α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して混合仕込みを行うか、もしくはα−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いて複菌により麹を調製し得られた麹を仕込み、発酵・熟成させて醤油を醸造することで、諸味中での澱粉の分解を低下させることなく、醤油粕重量の少なく、かつグルコース量が多く、香味の良好な醤油の製造法に関するものである。
【0015】
本明細書で使用する「α−アミラーゼ活性が低い麹菌」とは、α−アミラーゼの生産性が低い麹菌、α−アミラーゼの比活性が低い麹菌、α−アミラーゼの生産性と比活性の両方が低い麹菌のいずれも包含するものである。
【0016】
本発明で使用するα−アミラーゼ活性が低い麹菌としては、製麹後の麹中のα−アミラーゼ活性が150,000単位/g乾燥麹以下、好ましくは100,000〜100単位/g乾燥麹以下となるような麹菌(アスペルギルス・オリゼ又はアスペルギルス・ソーヤ)を例示することができる。
【0017】
このような性質を有する菌株であれば、いずれの菌株も本発明で使用することができ、具体的には、アスペルギルス・オリゼーAB.421(FERM AP−20487)株を挙げることができる。
【0018】
このようなα−アミラーゼ活性の低い麹菌は、市販の醸造用麹菌から選択するか、市販の醸造用麹菌を親株として、これに対して変異誘導処理を施し、得られた菌株を用いて定法により麹を調製し、麹中のα−アミラーゼ活性を測定することで、α−アミラーゼ活性の低い菌株を取得することができる。
【0019】
変異誘導処理方法は、紫外線照射、X線照射、γ線照射などの物理的方法、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、4−ニトロキノリン−N−オキサイド、エチルメタンスルホネートなどの突然変異誘起剤処理による化学的方法のいずれも採用することができる。
【0020】
なお、本明細書におけるα−アミラーゼ活性は、たとえば、三角フラスコに脱脂大豆5gに7ml撤水したものと炒熬小麦5gとを混合して入れ、120℃、40分間加圧殺菌し、冷却後、麹菌株を接種し、28℃で48時間培養して麹を得、この麹中のα−アミラーゼ活性を下記の方法で測定・算出した。
【0021】
<活性測定法>
Blue Value法(実験化学講座、第24巻、第272頁、日本化学会編(1958))を一部改変した方法で測定した。すなわち、可溶性デンプンを基質(反応液中0.5%)とし、pH5.0,30℃で20分間反応させたときのヨウ素デンプン呈色の低下をOD700nmで測定し、1mgに相当する青色ヨウ素呈色を低下させる酵素量1単位(Unit)とした。
【0022】
一方、「通常のα−アミラーゼ活性を示す麹菌」あるいは「通常の麹菌」とは、醤油の醸造に通常使用されている麹菌を意味し、従来公知のアスペルギルス・オリゼに属する微生物(例えば、ATCC20386、市販の醤油用種麹菌等)、アスペルギルス・ソーヤに属する微生物(例えばATCC20387、市販の醤油用種麹菌等)などが使用することができる。
【0023】
本発明では、麹としてα−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた2種類の麹を混合したものを用いるか、もしくはα−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いて複菌により麹を調製し得られた麹を用いることが重要で、それ以外の原料処理、製麹、発酵、熟成の各工程は常法に従えばよく、特に特別な方法手段は要求されない。例えば、醤油麹の製造においては、通常の麹原料、例えば撒水して蒸煮した大豆原料と炒熬割砕した小麦原料の混合物に、上記α−アミラーゼ活性の低い麹菌と通常の麹菌を接種混合して麹を調製し、得られた麹を通常の仕込みタンクに適当な濃度の食塩水で仕込み、適宜撹拌しつつ3〜6ヶ月間程度発酵熟成させて醤油諸味を得、常法により圧搾、製成、必要により火入を行い、製品醤油(生醤油あるいは火入醤油)とする。
【0024】
また、上記α−アミラーゼ活性の低い麹菌と通常の麹菌を用いてそれぞれ単独で麹を調製後、それぞれの麹を混合して通常の仕込みタンクに適当な濃度の食塩水で仕込み、適宜撹拌しつつ3〜6ヶ月間程度発酵熟成させて醤油諸味を得、常法により圧搾、製成、必要により火入を行い、製品醤油(生醤油あるいは火入醤油)としてもよい。
【0025】
α−アミラーゼ活性の低い麹菌と通常の麹菌を併用する場合、その種麹の重量比率は9:1〜5:5、好ましくは8:2〜5:5の比率から適宜選択すればよい。また、α−アミラーゼ活性の低い麹菌で製造した麹と通常の麹菌で製造した麹を併用して仕込む場合、各麹の重量比率も9:1〜5:5、好ましくは8:2〜5:5の比率から適宜選択すればよい。なお、淡口醤油、溜醤油、再仕込み醤油の製造にも本発明が適用可能であることは明白である。
【実施例】
【0026】
以下、実施例に基づき、詳細に説明するが、本発明がこれに限定されないことは明らかである。
【0027】
実施例1
α−アミラーゼ活性測定により、出麹時のα−アミラーゼ活性が28,510単位/g乾燥麹程度のα−アミラーゼ低生産性麹菌アスペルギルス・オリゼーAB.421(FERM P−20487)と出麹時のα−アミラーゼ活性が206,410単位/g乾燥麹程度の通常のα−アミラーゼ活性を示す麹菌アスペルギルス・オリゼーOR.101(アスペルギルス・オリゼーAB.421の親株)を種麹として用いた。
【0028】
脱脂大豆5kgに7Lの水を加え1時間混合後、高圧蒸煮缶にて蒸煮圧力4kg/cm2で10分蒸煮を行った。この蒸煮脱脂大豆に、加熱変性後割砕した小麦5.2kgを加え、種麹と共に混合して製麹を行った。
【0029】
得られた麹中のグルコース量を常法により測定した。表1に示すように、種麹としてアスペルギルス・オリゼーAB.421を用いて調製した麹中のグルコースは、その親株であるアスペルギルス・オリゼーOR.101を用いて調製した麹中のグルコース含量に比べ、約130mg/g乾燥麹も高い値を示した。
【0030】
【表1】
【0031】
次ぎに、アスペルギルス・オリゼーAB.421叉はアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独で製麹した2種類の麹を5:5、7:3及び9:1の重量比で混合して得られた麹を冷塩水と共に仕込み、仕込み直後10〜15℃、1ヶ月後に25℃〜30℃まで温度を上げ、トータル3ヶ月間醸造し、標準的な淡口醤油の諸味を得た。
【0032】
得られた諸味を圧搾して生醤油とし、これを定法により分析した。その結果、表2に示すように、アスペルギルス・オリゼーAB.421叉はアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独で製麹した2種類の麹を5:5、7:3及び9:1の重量比で混合した麹を仕込んだ場合(本発明方法)、対照としてアスペルギルス・オリゼーAB.421叉はアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独の種麹として製麹した麹を仕込んだものと比較して、顕著にグルコース量および全グルコース量の多い醤油が得られることが明らかとなった。
【0033】
さらに、本発明方法で得られた醤油は、対照であるアスペルギルス・オリゼーAB.421単独の種麹として製麹した麹を仕込んだものに比較して顕著にアルコール量の多い醤油であることが明らかとなった。なお、表3における全グルコースとは、グルコース+(エタノール×2)+乳酸の式で算出した成分量のことである。
【0034】
【表2】
【0035】
また、圧搾した粕の重量を測定した結果、表3に示すようにアスペルギルス・オリゼーAB.421およびアスペルギルス・オリゼーOR.101それぞれを単独で製麹した2種類の麹を5:5及び7:3の重量比で混合した麹を仕込んだもの(本発明方法)は、対照であるアスペルギルス・オリゼーAB.421を単独の種麹として製麹した麹を仕込んだものに比較して粕重量が顕著に低いことが明らかとなった。
【0036】
【表3】
【0037】
得られた生醤油を火入れし、官能評価を実施した結果、表4に示したように、アスペルギルス・オリゼーAB.421およびアスペルギルス・オリゼーOR.101それぞれを単独で製麹した2種類の麹を7:3の重量比で混合した麹を仕込んだもの(本発明法)は、対照であるアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独の種麹として製麹した麹を仕込んだものに比較して顕著に香りが好まれ、甘味が増し、官能的に好まれる醤油であることが明らかとなった。
【0038】
【表4】
【0039】
なお、本実施例で使用したアスペルギルス・オリゼーAB.421は、α−アミラーゼ活性が低いだけでなく、ヘミセルラーゼ活性が高く、ヘミセルロース構成糖高資化性の麹菌であるため、実施例2で実証されているように、通常の麹菌を用いて醸造した醤油と比較して、色が淡く、加熱増色速度および酸化褐変増色速度が遅い醤油を得ることが可能である。
【0040】
実施例2
脱脂大豆5kgに7Lの水を加え1時間混合後、高圧蒸煮缶にて蒸煮圧力4kg/cm2で10分蒸煮を行った。この蒸煮脱脂大豆に、加熱変性後割砕した小麦を5.2kgを加え、種麹と共に混合し、製麹を行った。なお、種麹としてはアスペルギルス・オリゼーAB.421およびその親株であるアスペルギルス・オリゼーOR.101を、5:5もしくは8:2の重量比で混合したものを使用した。また、対照としてアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独で混合したものの3種類で行った。
【0041】
得られた麹を冷塩水と共に仕込み、仕込み直後10〜15℃、1ヶ月後に25℃〜30℃まで温度を上げ、トータル3ヶ月間醸造し、標準的な淡口醤油を得た。得られた諸味を、濾紙濾過により液汁と固形分に分け諸味液汁を得、諸味液汁を分析した。その結果を表5に示す。
【0042】
表5に示すように、種麹としてアスペルギルス・オリゼーAB.421およびアスペルギルス・オリゼーOR.101を5:5もしくは8:2の重量比で混合して使用した場合(本発明法)、対照であるアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独の種麹として製麹した麹を仕込んだ場合と比較して、顕著にグルコース量および全グルコース量の多い醤油であることが明らかとなった。
【0043】
【表5】
【0044】
また、表6に示すように、本発明法により得られる醤油は、色の淡い醤油であることが明らかとなった。
【0045】
【表6】
【0046】
また、得られた醤油を火入れし加熱増色速度および酸化褐変増色速度を比較した結果、表7に示したように、本発明法により得られる醤油は、加熱増色速度および酸化褐変増色速度が遅い醤油であることも明らかとなった。
【0047】
【表7】
加熱増色増色速度:OD560nmの増加量/分
酸化褐変増色速度:OD560nmの増加量/日
【0048】
<受託書>
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−アミラーゼ活性が低い麹菌を用いて醤油を醸造する際に、諸味中での澱粉の分解を低下させることなく、醤油粕重量の少なくし、かつグルコース量が多く、香味の良好な醤油の製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
醤油醸造において、麹菌としては主としてアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)とアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)が用いられている。両者は加水分解酵素の生産性、醸造特性等の点で異なり、特に、アスペルギルス・オリゼはアスペルギルス・ソーヤと比べてα−アミラーゼの生産性が高く、製麹中の原料炭水化物消費量が多いことが報告されている(例えば、日本醤油研究所雑誌、第6巻、第3号、第75頁(1980)、同誌、第7巻、第4号、第166頁(1981)など参照)。
【0003】
製麹中の炭水化物消費量が減少すれば、諸味に移行する炭水化物量が増加し、発酵過程で微生物の作用により炭水化物が糖、アルコール、有機酸、エステル等に変換され、醤油の香味に重大な影響を及ぼすことから、如何に製麹中の炭水化物の消費量を減少させ、効率よく諸味に移行させるかが、醤油製造の重要な要点の1つとされていた。
【0004】
従来、アスペルギルス・オリゼの製麹中の炭水化物消費量を減少させる手段としては、α−アミラーゼ活性と製麹中の炭水化物消費量が正の相関を示すことから、α−アミラーゼ活性の低いアスペルギルス・オリゼの造成が知られている(例えば、日本醤油研究所雑誌、第11巻、第5号、第200頁(1985)、日本農芸化学会誌、第59巻、第6号、第605頁(1985)など参照)。すなわち、得られた麹菌は、α−アミラーゼ生産性が親株の約1/3〜1/150に減少し、これにより製麹中の炭水化物消費量が約7%程度増加することが報告されている。
【0005】
【非特許文献1】日本醤油研究所雑誌、第6巻、第3号、第75頁(1980)
【非特許文献2】日本醤油研究所雑誌、第7巻、第4号、第166頁(1981)
【非特許文献3】日本醤油研究所雑誌、第11巻、第5号、第200頁(1985)
【非特許文献4】日本農芸化学会誌、第59巻、第6号、第605頁(1985)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようにして造成されたα−アミラーゼ活性の低いアスペルギルス・オリゼやα−アミラーゼ活性が元々低いアスペルギルス・ソーヤは、製麹中の炭水化物消費量を減少させ、もって諸味に移行する炭水化物量を増加させることができるものの、α−アミラーゼ活性が過度に低い麹菌においては、醤油の熟成期間中に諸味中の澱粉を分解するのに十分な量のα−アミラーゼが生産されず、結果として諸味中に澱粉が分解されずに残存する可能性も指摘されていた。また、α−アミラーゼ活性の低い麹菌を用いて麹を調製し、醤油を醸造した場合、通常の醤油醸造の場合と比較して、極端に醤油粕重量が増加するため、この点においてもα−アミラーゼの活性の低い麹菌の醤油醸造への応用は問題とされていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、α−アミラーゼ活性の低い麹菌と通常の麹菌を併用することで、醤油の熟成期間中に諸味中の澱粉を分解させグルコースの溶出を増加させることができるのではないかという考えに至り、鋭意工夫を重ねた結果、α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して混合仕込みを行うか、もしくはα−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα―アミラーゼ活性を有する麹菌の混合物(複菌)を用いて麹を調製し得られた麹を仕込み、発酵・熟成させて醤油を醸造することで、諸味中での澱粉の分解を低下させることなく、醤油粕重量の少なく、かつグルコース量が多く、香味の良好な醤油の製造法が可能であることを見いだし、本発明を完成させた。したがって、本発明は、以下の通りである。
【0008】
[1]α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して仕込みを行い、発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法。
【0009】
[2]α−アミラーゼ活性が低い麹菌で製造した麹と通常の麹菌で製造した麹を併用して仕込む場合の各麹の重量比率が9:1〜5:5である、上記[1]記載の製造法。
【0010】
[3]α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌の混合物(複菌)により麹を調製し、得られた麹を発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法。
【0011】
[4]α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を併用する場合の各種麹の重量比率が9:1〜5:5である、上記[3]記載の製造法。
【0012】
[5]α−アミラーゼ活性が低い麹菌として、製麹後のα−アミラーゼ活性が150,000単位/g乾燥麹以下である麹菌を使用する、上記[1]〜[4]いずれか1項に記載の製造法。
【発明の効果】
【0013】
本発明の方法により、α−アミラーゼ活性が低い麹菌を用いて醤油を醸造する際の問題点を一挙に解決でき、諸味中での澱粉の分解を低下させることなく、炭水化物に由来の各種成分を増加させ、香味良好な醤油を製造することができる。また、α−アミラーゼ活性が低い麹菌を用いて醤油を醸造する際の他方の問題であった醤油粕重量を少なくすることが可能で、α−アミラーゼ活性が低い麹菌を用いても原料利用率の高い醤油の製造法を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、上述したように、α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して混合仕込みを行うか、もしくはα−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いて複菌により麹を調製し得られた麹を仕込み、発酵・熟成させて醤油を醸造することで、諸味中での澱粉の分解を低下させることなく、醤油粕重量の少なく、かつグルコース量が多く、香味の良好な醤油の製造法に関するものである。
【0015】
本明細書で使用する「α−アミラーゼ活性が低い麹菌」とは、α−アミラーゼの生産性が低い麹菌、α−アミラーゼの比活性が低い麹菌、α−アミラーゼの生産性と比活性の両方が低い麹菌のいずれも包含するものである。
【0016】
本発明で使用するα−アミラーゼ活性が低い麹菌としては、製麹後の麹中のα−アミラーゼ活性が150,000単位/g乾燥麹以下、好ましくは100,000〜100単位/g乾燥麹以下となるような麹菌(アスペルギルス・オリゼ又はアスペルギルス・ソーヤ)を例示することができる。
【0017】
このような性質を有する菌株であれば、いずれの菌株も本発明で使用することができ、具体的には、アスペルギルス・オリゼーAB.421(FERM AP−20487)株を挙げることができる。
【0018】
このようなα−アミラーゼ活性の低い麹菌は、市販の醸造用麹菌から選択するか、市販の醸造用麹菌を親株として、これに対して変異誘導処理を施し、得られた菌株を用いて定法により麹を調製し、麹中のα−アミラーゼ活性を測定することで、α−アミラーゼ活性の低い菌株を取得することができる。
【0019】
変異誘導処理方法は、紫外線照射、X線照射、γ線照射などの物理的方法、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、4−ニトロキノリン−N−オキサイド、エチルメタンスルホネートなどの突然変異誘起剤処理による化学的方法のいずれも採用することができる。
【0020】
なお、本明細書におけるα−アミラーゼ活性は、たとえば、三角フラスコに脱脂大豆5gに7ml撤水したものと炒熬小麦5gとを混合して入れ、120℃、40分間加圧殺菌し、冷却後、麹菌株を接種し、28℃で48時間培養して麹を得、この麹中のα−アミラーゼ活性を下記の方法で測定・算出した。
【0021】
<活性測定法>
Blue Value法(実験化学講座、第24巻、第272頁、日本化学会編(1958))を一部改変した方法で測定した。すなわち、可溶性デンプンを基質(反応液中0.5%)とし、pH5.0,30℃で20分間反応させたときのヨウ素デンプン呈色の低下をOD700nmで測定し、1mgに相当する青色ヨウ素呈色を低下させる酵素量1単位(Unit)とした。
【0022】
一方、「通常のα−アミラーゼ活性を示す麹菌」あるいは「通常の麹菌」とは、醤油の醸造に通常使用されている麹菌を意味し、従来公知のアスペルギルス・オリゼに属する微生物(例えば、ATCC20386、市販の醤油用種麹菌等)、アスペルギルス・ソーヤに属する微生物(例えばATCC20387、市販の醤油用種麹菌等)などが使用することができる。
【0023】
本発明では、麹としてα−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた2種類の麹を混合したものを用いるか、もしくはα−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常のα−アミラーゼ活性を有する麹菌を用いて複菌により麹を調製し得られた麹を用いることが重要で、それ以外の原料処理、製麹、発酵、熟成の各工程は常法に従えばよく、特に特別な方法手段は要求されない。例えば、醤油麹の製造においては、通常の麹原料、例えば撒水して蒸煮した大豆原料と炒熬割砕した小麦原料の混合物に、上記α−アミラーゼ活性の低い麹菌と通常の麹菌を接種混合して麹を調製し、得られた麹を通常の仕込みタンクに適当な濃度の食塩水で仕込み、適宜撹拌しつつ3〜6ヶ月間程度発酵熟成させて醤油諸味を得、常法により圧搾、製成、必要により火入を行い、製品醤油(生醤油あるいは火入醤油)とする。
【0024】
また、上記α−アミラーゼ活性の低い麹菌と通常の麹菌を用いてそれぞれ単独で麹を調製後、それぞれの麹を混合して通常の仕込みタンクに適当な濃度の食塩水で仕込み、適宜撹拌しつつ3〜6ヶ月間程度発酵熟成させて醤油諸味を得、常法により圧搾、製成、必要により火入を行い、製品醤油(生醤油あるいは火入醤油)としてもよい。
【0025】
α−アミラーゼ活性の低い麹菌と通常の麹菌を併用する場合、その種麹の重量比率は9:1〜5:5、好ましくは8:2〜5:5の比率から適宜選択すればよい。また、α−アミラーゼ活性の低い麹菌で製造した麹と通常の麹菌で製造した麹を併用して仕込む場合、各麹の重量比率も9:1〜5:5、好ましくは8:2〜5:5の比率から適宜選択すればよい。なお、淡口醤油、溜醤油、再仕込み醤油の製造にも本発明が適用可能であることは明白である。
【実施例】
【0026】
以下、実施例に基づき、詳細に説明するが、本発明がこれに限定されないことは明らかである。
【0027】
実施例1
α−アミラーゼ活性測定により、出麹時のα−アミラーゼ活性が28,510単位/g乾燥麹程度のα−アミラーゼ低生産性麹菌アスペルギルス・オリゼーAB.421(FERM P−20487)と出麹時のα−アミラーゼ活性が206,410単位/g乾燥麹程度の通常のα−アミラーゼ活性を示す麹菌アスペルギルス・オリゼーOR.101(アスペルギルス・オリゼーAB.421の親株)を種麹として用いた。
【0028】
脱脂大豆5kgに7Lの水を加え1時間混合後、高圧蒸煮缶にて蒸煮圧力4kg/cm2で10分蒸煮を行った。この蒸煮脱脂大豆に、加熱変性後割砕した小麦5.2kgを加え、種麹と共に混合して製麹を行った。
【0029】
得られた麹中のグルコース量を常法により測定した。表1に示すように、種麹としてアスペルギルス・オリゼーAB.421を用いて調製した麹中のグルコースは、その親株であるアスペルギルス・オリゼーOR.101を用いて調製した麹中のグルコース含量に比べ、約130mg/g乾燥麹も高い値を示した。
【0030】
【表1】
【0031】
次ぎに、アスペルギルス・オリゼーAB.421叉はアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独で製麹した2種類の麹を5:5、7:3及び9:1の重量比で混合して得られた麹を冷塩水と共に仕込み、仕込み直後10〜15℃、1ヶ月後に25℃〜30℃まで温度を上げ、トータル3ヶ月間醸造し、標準的な淡口醤油の諸味を得た。
【0032】
得られた諸味を圧搾して生醤油とし、これを定法により分析した。その結果、表2に示すように、アスペルギルス・オリゼーAB.421叉はアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独で製麹した2種類の麹を5:5、7:3及び9:1の重量比で混合した麹を仕込んだ場合(本発明方法)、対照としてアスペルギルス・オリゼーAB.421叉はアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独の種麹として製麹した麹を仕込んだものと比較して、顕著にグルコース量および全グルコース量の多い醤油が得られることが明らかとなった。
【0033】
さらに、本発明方法で得られた醤油は、対照であるアスペルギルス・オリゼーAB.421単独の種麹として製麹した麹を仕込んだものに比較して顕著にアルコール量の多い醤油であることが明らかとなった。なお、表3における全グルコースとは、グルコース+(エタノール×2)+乳酸の式で算出した成分量のことである。
【0034】
【表2】
【0035】
また、圧搾した粕の重量を測定した結果、表3に示すようにアスペルギルス・オリゼーAB.421およびアスペルギルス・オリゼーOR.101それぞれを単独で製麹した2種類の麹を5:5及び7:3の重量比で混合した麹を仕込んだもの(本発明方法)は、対照であるアスペルギルス・オリゼーAB.421を単独の種麹として製麹した麹を仕込んだものに比較して粕重量が顕著に低いことが明らかとなった。
【0036】
【表3】
【0037】
得られた生醤油を火入れし、官能評価を実施した結果、表4に示したように、アスペルギルス・オリゼーAB.421およびアスペルギルス・オリゼーOR.101それぞれを単独で製麹した2種類の麹を7:3の重量比で混合した麹を仕込んだもの(本発明法)は、対照であるアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独の種麹として製麹した麹を仕込んだものに比較して顕著に香りが好まれ、甘味が増し、官能的に好まれる醤油であることが明らかとなった。
【0038】
【表4】
【0039】
なお、本実施例で使用したアスペルギルス・オリゼーAB.421は、α−アミラーゼ活性が低いだけでなく、ヘミセルラーゼ活性が高く、ヘミセルロース構成糖高資化性の麹菌であるため、実施例2で実証されているように、通常の麹菌を用いて醸造した醤油と比較して、色が淡く、加熱増色速度および酸化褐変増色速度が遅い醤油を得ることが可能である。
【0040】
実施例2
脱脂大豆5kgに7Lの水を加え1時間混合後、高圧蒸煮缶にて蒸煮圧力4kg/cm2で10分蒸煮を行った。この蒸煮脱脂大豆に、加熱変性後割砕した小麦を5.2kgを加え、種麹と共に混合し、製麹を行った。なお、種麹としてはアスペルギルス・オリゼーAB.421およびその親株であるアスペルギルス・オリゼーOR.101を、5:5もしくは8:2の重量比で混合したものを使用した。また、対照としてアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独で混合したものの3種類で行った。
【0041】
得られた麹を冷塩水と共に仕込み、仕込み直後10〜15℃、1ヶ月後に25℃〜30℃まで温度を上げ、トータル3ヶ月間醸造し、標準的な淡口醤油を得た。得られた諸味を、濾紙濾過により液汁と固形分に分け諸味液汁を得、諸味液汁を分析した。その結果を表5に示す。
【0042】
表5に示すように、種麹としてアスペルギルス・オリゼーAB.421およびアスペルギルス・オリゼーOR.101を5:5もしくは8:2の重量比で混合して使用した場合(本発明法)、対照であるアスペルギルス・オリゼーOR.101を単独の種麹として製麹した麹を仕込んだ場合と比較して、顕著にグルコース量および全グルコース量の多い醤油であることが明らかとなった。
【0043】
【表5】
【0044】
また、表6に示すように、本発明法により得られる醤油は、色の淡い醤油であることが明らかとなった。
【0045】
【表6】
【0046】
また、得られた醤油を火入れし加熱増色速度および酸化褐変増色速度を比較した結果、表7に示したように、本発明法により得られる醤油は、加熱増色速度および酸化褐変増色速度が遅い醤油であることも明らかとなった。
【0047】
【表7】
加熱増色増色速度:OD560nmの増加量/分
酸化褐変増色速度:OD560nmの増加量/日
【0048】
<受託書>
【特許請求の範囲】
【請求項1】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して仕込みを行い、発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法。
【請求項2】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌で製造した麹と通常の麹菌で製造した麹を併用して仕込む場合の各麹の重量比率が9:1〜5:5である、請求項1記載の製造法。
【請求項3】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌の混合物(複菌)により麹を調製し、得られた麹を発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法。
【請求項4】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を併用する場合の各種麹の重量比率が9:1〜5:5である、請求項3記載の製造法。
【請求項5】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌として、製麹後のα−アミラーゼ活性が150,000単位/g乾燥麹以下である麹菌を使用する、請求項1〜4いずれか1項に記載の製造法。
【請求項1】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を用いてそれぞれ麹を調製し、得られた麹を混合して仕込みを行い、発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法。
【請求項2】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌で製造した麹と通常の麹菌で製造した麹を併用して仕込む場合の各麹の重量比率が9:1〜5:5である、請求項1記載の製造法。
【請求項3】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌の混合物(複菌)により麹を調製し、得られた麹を発酵、熟成させて醤油を醸造することを特徴とする醤油の製造法。
【請求項4】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌と通常の麹菌を併用する場合の各種麹の重量比率が9:1〜5:5である、請求項3記載の製造法。
【請求項5】
α−アミラーゼ活性が低い麹菌として、製麹後のα−アミラーゼ活性が150,000単位/g乾燥麹以下である麹菌を使用する、請求項1〜4いずれか1項に記載の製造法。
【公開番号】特開2006−311851(P2006−311851A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286013(P2005−286013)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年10月6日 財団法人日本醤油研究所発行の「日本醤油研究所主催 第60回 研究発表会講演要旨集 平成16年度(北海道千歳大会)」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年11月25日 財団法人日本醤油研究所発行の「日本醤油研究所雑誌 第30巻 第6号(通巻178号)」に発表
【出願人】(000006770)ヤマサ醤油株式会社 (56)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年10月6日 財団法人日本醤油研究所発行の「日本醤油研究所主催 第60回 研究発表会講演要旨集 平成16年度(北海道千歳大会)」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年11月25日 財団法人日本醤油研究所発行の「日本醤油研究所雑誌 第30巻 第6号(通巻178号)」に発表
【出願人】(000006770)ヤマサ醤油株式会社 (56)
【Fターム(参考)】
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