説明

金属めっき繊維構造物及びそれを焼成してなる金属構造物

【課題】めっきが剥離し難く、かつめっきムラが少ない金属めっき繊維構造物を提供する。
【解決手段】本発明の金属めっき繊維構造物は、繊維表面に金属がめっきされてなる繊維構造物であって、前記繊維構造物を構成する繊維は繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維に金属をめっきした金属めっき繊維構造物に関し、詳細にはエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む繊維に金属をめっきした金属めっき繊維構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂からなる材料に金属がメッキされた材料としては、ウレタン多孔体、ポリオレフィンやポリエステル繊維を含む不織布等の被メッキ材に金属メッキが施されたものが知られている。
【0003】
特許文献1は、低融点繊維を高融点繊維の外側に配した熱融着性複合繊維を主成分とする不織布ウェブにニッケルめっきを施したニッケルめっき不織布電極基板を開示している。しかし、絶縁性かつ多孔質である不織布に金属メッキを施しているため、金属メッキが剥離しやすいという問題があった。特許文献2は、不織布と不織布の表面に形成されためっき膜とを備える電池用集電材を開示している。しかし、特許文献2のように、被めっき材である不織布にスルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合、界面活性剤処理、放電処理或いは、親水性樹脂付与処理等の親水化処理を施し、その後、めっき処理を行ったものは、いずれの親水化処理の場合も、不織布全体に均一に親水基を導入することができず、親水基の導入ムラが生じ、結果として、めっきムラが生じたり、めっきされない部分が生じるという問題があった。また、親水化処理を行わない場合は、金属めっきが剥離しやすいという問題があった。
【0004】
特許文献3は、導電性を有する有機繊維を主成分とするウェブに水流交絡処理を施した後、電気めっきを施した金属めっき不織布電極基板の製造方法を開示している。しかし、特許文献3は、有機繊維に導電性のポリマーを付着させる方法、導電性カーボンを結着材ポリマーとともに付着させる方法、或いは繊維自体導電性を有する炭素繊維を使用する方法等により有機繊維に導電性を与え、水流交絡処理を施した後に、めっきを施すので、導電性の付与にムラが生じ、結果として、めっきムラが生じたり、めっきされない部分が生じるという問題があった。
【特許文献1】特開平8−250125号公報
【特許文献2】特開2003−109600号公報
【特許文献3】特開平6−275281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、めっきが剥離し難く、かつめっきムラが少ない金属めっき繊維構造物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の金属めっき繊維構造物は、繊維表面に金属がめっきされてなる繊維構造物であって、前記繊維構造物を構成する繊維は繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を含むため、めっきが剥離し難く、かつめっきムラが少ない金属めっき繊維構造物を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明者は、繊維構造物の金属めっきについて検討し、従来の問題点であるめっきムラに着目した。詳細には、通常のポリオレフィン系繊維は特に繊維同士の交点や接点において、金属めっきされない部分が生じやすく、金属めっきにムラが生じることに着目し、エチレン−ビニルアルコール共重合体が繊維表面に存在するとめっきムラの少ない金属めっき繊維構造物及び不織布を得られることを見出した。即ち、本発明の金属めっき繊維構造物は、繊維構造物を構成する繊維として繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を含むため、めっきが剥離し難く、かつめっきムラが少ない。
【0009】
本発明の繊維構造物を構成する繊維(以下、被めっき繊維ともいう)は、繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維(以下、EVOH繊維ともいう)を含む。かかる構成であると、繊維表面に露出したエチレン−ビニルアルコール共重合体のヒドロキシル基の陽イオンを引きつける作用に起因して、金属めっきが固定されやすくなり、金属めっきが剥離し難くなり、めっきムラが少なくなる。
【0010】
本発明は、被めっき繊維の繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を含む構成である。かかる構成であると、被めっき繊維が、繊維表面自体にヒドロキシル基を有するEVOH繊維を含むので、特にビニルアルコール単位のヒドロキシル基に起因して、めっき金属が固定されやすく、めっきムラが少なくなる。また、被めっき繊維に親水化処理及び/又は導電性処理を行い、その後めっき処理を行う場合であっても、繊維表面のヒドロキシル基に起因して、親水化処理及び/又は導電性処理により親水性や導電性を均一に付与することができ、めっきムラが少なくなる。さらに、親水化処理及び/又は導電性処理の難しい繊維交点や繊維接点は、親水性や導電性を均一に付与できていない場合もあるが、その場合でもEVOH繊維の持つヒドロキシル基に起因して、めっきムラが少なくなる。
また、本発明はエチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン単位に起因して、耐薬品性に優れる。耐薬品性とは、例えば、耐酸性、耐アルカリ性や、酸化・還元による主鎖分解が起こりにくいという性質である。
【0011】
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン酢酸ビニル共重合体を鹸化して得られる。市販品としては、クラレ社製商品名“エバール”、日本合成化学工業社製商品名“ソアノール”等があり、本発明ではこれらの市販品を使用できる。
【0012】
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体の融点は100℃〜190℃であることが好ましく、より好ましくは120℃〜175℃であり、さらに好ましくは130℃〜155℃である。融点が100℃以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いると、繊維化しやすく、融点が190℃以下のエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いると、繊維同士の交点を熱接着する場合に比較的低温で熱処理することができる。
また、上記範囲の融点のエチレン−ビニルアルコール共重合体を得るには、例えば、後述するエチレン含有量のエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いるとよい。エチレン−ビニルアルコール共重合体の融点は、それに含まれるエチレン単位とビニルアルコール単位の含有量により異なり、エチレン含有量が多くなるとエチレン−ビニルアルコール共重合体の融点は低くなる傾向にあり、エチレン含有量が少なくなるとエチレン−ビニルアルコール共重合体の融点は高くなる傾向にある。
【0013】
エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量は25mol%以上80mol%未満であることが好ましく、より好ましくは30mol%以上70mol%未満であり、さらに好ましくは45mol%以上65mol%未満である。エチレン含有量が25mol%以上であると、熱安定性がよく、繊維化し易い。エチレン含有量が80mol%未満であると、十分な親水性を得ることができ、めっきムラが生じ難い。また、エチレン含有量は少なくすると、親水性を得やすいが、水への溶解性が高まり形態安定性が悪くなる傾向にある。
【0014】
また、後述する繊維同士の交点及び/又は接点を接着する場合には、エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量は25mol%以上80mol%未満であることが好ましい。より好ましい範囲は上述のとおりである。エチレン含有量が25mol%以上80mol%未満の範囲であると、EVOH繊維を湿潤状態又は、水分或いは水蒸気の存在下で熱処理を施すと、エチレン−ビニルアルコール共重合体が膨潤し、見かけ上軟化して、常温まで冷めると固まる現象(以下、ゲル化ともいう)を利用して繊維同士の交点や接点を接着できる。
【0015】
本発明のEVOH繊維は、繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維であり、めっきを剥離し難くする観点からEVOH繊維は繊維断面からみて繊維表面の10%以上にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出していることが好ましい。ここで、繊維表面の少なくとも一部に露出しているという用語は、繊維断面からみて繊維の表面の少なくとも一部に露出しているという意味である。例えば、単一繊維、サイドバイサイド型複合繊維、芯鞘型複合繊維、海島型複合繊維、分割型複合繊維等の複合繊維、ポリマーアロイ等の成分ランダム分散型繊維等が挙げられる。
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体の露出部は、繊維の長さ方向に連続している構成であることがさらに好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体の露出部が繊維の長さ方向に連続していると、ヒドロキシル基が繊維の長さ方向全体にわたって存在するため、よりめっきムラが少なくなる。
【0016】
本発明のEVOH繊維は、鞘成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体である芯鞘型複合繊維であることが好ましい。なお、鞘成分はエチレン−ビニルアルコール共重合体を70質量%以上含むことが好ましく、鞘成分はエチレン−ビニルアルコール共重合体のみから成ることが最も好ましい。EVOH繊維が、鞘成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体である芯鞘型複合繊維であると、繊維表面にわたりエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出した構成となり、ヒドロキシル基が繊維表面にわたり存在し、繊維の長さ方向にもエチレン−ビニルアルコール共重合体の露出部が連続しているので、さらに金属めっきが固定されやすく、めっきムラが少なくなる。また、EVOH繊維が芯鞘型複合繊維の形態であると金属めっき処理を施す不織布に用いる熱融着繊維として特に好適に用いることができる。
【0017】
EVOH繊維が芯鞘型複合繊維である場合、芯鞘型複合繊維の芯成分の融点は鞘成分の融点より10℃以上高いことが好ましく、芯成分の融点は鞘成分の融点より20℃以上高いことがより好ましい。芯成分の融点が鞘成分の融点より10℃以上高いと、鞘成分のみが融着する温度で熱処理すれば鞘成分のみを融着させ、適度な空隙を有する金属めっき繊維構造物を得ることができる。
【0018】
EVOH繊維が芯鞘型複合繊維である場合、芯成分は特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系成分、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等のポリエステル系成分、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系成分のうち1種又は2種以上を組み合わせて用いて良い。なかでも、耐薬品性の観点から、芯成分はポリオレフィン系成分であることが好ましく、芯成分はポリプロピレンであることが最も好ましい。耐薬品性とは、例えば、耐酸性、耐アルカリ性や、酸化・還元による主鎖分解が起こりにくいという性質である。
【0019】
EVOH繊維が芯鞘型複合繊維である場合、鞘成分は、エチレン−ビニルアルコール共重合体以外の他の成分を30質量%未満で含んでよい。他の成分は、上述の芯成分として挙げた成分を用いることができる。また、他の成分を含む場合は、繊維化の前に、鞘成分をマスターバッチにすると好都合である。
【0020】
EVOH繊維が芯鞘型複合繊維である場合、芯鞘型複合繊維を構成する各成分の容積比は、特に限定されず、各成分を構成できるだけの量があればよいが、芯/鞘の容積比は、2/8〜8/2であることが好ましく、4/6〜6/4であることがより好ましく、4.5/5.5〜5.5/4.5であることが最も好ましい。複合繊維の容積比が2/8〜8/2の範囲であると、繊維の紡糸性が良好であり、めっき性も良好である。
【0021】
本発明の繊維構造物を構成する繊維は、繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を含む。繊維構造物を構成する繊維中にEVOH繊維が多く存在するほど、めっきが剥離し難く、かつめっきムラが少ない効果が顕著になり、特に顕著な効果を得られる観点から、繊維構造物を構成する繊維は、繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を25質量%以上含むことがより好ましい。
【0022】
被めっき繊維は、EVOH繊維と他の繊維を混合して用いてよい。この場合、繊維構造物を構成する繊維が、繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を25質量%以上90質量%以下含み、他の繊維を10質量%以上75質量%以下含むことが好ましい。また、EVOH繊維が上述の芯鞘型複合繊維の形態である場合には、繊維同士の交点をめっきされ易くする観点から、繊維同士の交点の接着にEVOH繊維を用いることが好ましい。また、繊維構造物を構成する繊維は、繊維交点以外の繊維同士の過度な融着を少なくする観点から、EVOH繊維を30質量%以上90質量%以下含み他の繊維を10質量%以上70質量%以下含むことがより好ましく、EVOH繊維を40質量%以上80質量%以下含み、他の繊維を20質量%以上60質量%以下含むことが特に好ましい。
【0023】
EVOH繊維と混合して用いられる他の繊維は、EVOH繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、融点が100℃以上300℃以下である繊維を用いてよく、繊維同士の交点や接点を確実に接着したい場合には、他の繊維は融点が100℃以上160℃以下の繊維を用いることができる。例えば、鞘成分の融点が100℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維である。また、繊維同士の過度な融着や繊維の収縮を避けたい場合には、他の繊維は融点が160℃以上300℃以下の繊維を用いることができる。例えば、融点が160℃以上300℃以下の単一繊維である。
【0024】
また、EVOH繊維と混合して用いられる他の繊維は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系成分、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等のポリエステル系成分、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系成分の群から選ばれる単一繊維又は2種以上を組み合わせた複合繊維繊維のうち、1種又は2種以上を混合して用いてよい。中でも、耐薬品性に優れる観点から、ポリオレフィン系成分からなる繊維が好ましく、なかでも、ポリプロピレンを含む繊維がより好ましい。
【0025】
次に、本発明のEVOH繊維の製造方法を芯鞘型複合繊維を例に挙げて説明する。まず、鞘成分と芯成分を準備する。ここで鞘成分及び/又は芯成分が複数の構成成分からなる場合は、マスターバッチの形態で提供されてよい。次いで、鞘成分と芯成分とを所望の繊維断面構造が得られるように適切な複合紡糸ノズルを用いて、常套の溶融紡糸機を用いて、複合紡糸する。なお、紡糸温度(ノズル温度)は、220℃以上320℃以下とするとよい。
【0026】
本発明で用いるEVOH繊維は、単繊維繊度が0.01dtex〜100dtexであることが好ましく、より好ましくは単繊維繊度が0.1dtex〜10dtexである。単繊維繊度が100dtex以上であると、安定した繊維化又は不織布化が困難となる場合があり、単繊維繊度が0.01dtex以下であると、繊維に金属めっきが固定され難くなる場合がある。
【0027】
被めっき繊維からなる繊維構造物の形態は、特に限定されないが、例えば、短繊維、長繊維等のフィラメント、織物、編物、不織布等であってよい。なかでも、被めっき繊維からなる繊維構造物の形態は不織布であることが好ましい。不織布の形態としては、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ケミカルボンド不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、水流交絡不織布等が挙げられる。
【0028】
繊維構造物が不織布からなる場合、繊維同士の交点及び/又は接点における金属めっきの剥離を少なくする観点から、被めっき繊維からなる不織布の繊維同士の交点及び/又は接点は接着されていることが好ましい。接着方法は繊維同士が固定されていればよく、特に限定されないが、例えば、繊維表面に露出している成分の融点以上の温度で熱処理を施すことにより熱接着する方法、或いは、繊維表面に露出しているエチレン−ビニルアルコール共重合体をゲル化させてゲル固着する方法が挙げられる。なお、ゲル化処理における熱処理温度は、エチレン−ビニルアルコール共重合体の融点以下であってよく、又は融点以上であってよい。中でも、ゲル化処理における熱処理温度がエチレン−ビニルアルコール共重合体の融点以上であると、ゲル固着と熱接着を同時に行うことができ、好都合である。
【0029】
被めっき不織布の不織布密度は0.001〜0.8g/cm3の範囲であることが好ましく、0.01〜0.5g/cm3の範囲であることがさらに好ましい。かかる構成であると、後述する金属構造物の通気度を得やすい。
【0030】
本発明の金属めっき繊維構造物の形態は、短繊維、長繊維等のフィラメント、織物、編物、不織布等であってよい。なかでも、金属めっき繊維構造物の形態は不織布であることが好ましい。不織布の形態としては、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ケミカルボンド不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、水流交絡不織布等が挙げられる。
【0031】
本発明の金属めっき繊維構造物が金属めっき不織布である場合は、被めっき繊維として不織布を用い(以下、被めっき不織布ともいう)、被めっき不織布に金属めっき処理を施したものであってよく、又は、本発明の金属めっき繊維と他の繊維の混綿不織布であってよい。
【0032】
本発明で用いる被めっき繊維は、必要に応じて親水化処理を施してよい。親水化処理としては、スルホン化処理、フッ素ガス処理、コロナ処理、プラズマ処理、界面活性剤処理、グラフト重合処理、親水性樹脂処理等がある。本発明の被めっき繊維は、EVOH繊維に起因して、これらの親水化処理の際に親水化されやすい或いは親水基が導入されやすい。
また、本発明の被めっき繊維は、繊維表面にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出しているので、親水化処理なしでも、めっき処理を行うことができる。
【0033】
次にめっき処理工程について説明する。本発明の被めっき繊維にめっきする金属は、特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、ロジウム、ニッケル、クロム、コバルト、スズ、亜鉛、カドミウム等が挙げられる。めっき処理は、被めっき繊維に金属膜を形成する方法であればよく、例えば、無電解めっき法、電解めっき法、溶融金属めっき法、真空蒸着法、化学蒸着法、物理蒸着法、溶射法等が挙げられる。中でも、初めに無電解めっき法、次いで電解めっき法の2段階工程で金属膜を形成することが好ましい。この2段階工程でめっき処理を施すと、非金属材料でも均一な厚さにめっきしやすく、金属の定着速度も速い。
【0034】
無電解めっき法について説明する。無電解めっき法は、初めに触媒化工程、次に無電解めっき工程の順で行うとよい。触媒化工程は、被めっき繊維の表面に触媒を付与する工程である。触媒付与の方法は、例えば、被めっき繊維を塩化第一スズの塩酸水溶液で処理した後に塩化パラジウムの塩酸水溶液で触媒化する方法、又は硬化剤のアミノ基を含む塩化パラジウムの塩酸溶液のみで固定化する方法等が挙げられる。なかでも、めっき膜厚を均一にできる観点から前者の方法が好ましい。
無電解めっき工程は、析出させる金属を含む溶剤と還元剤とを含む無電解めっき液を使用し、金属膜を形成する工程である。なお、無電解めっき液には、必要に応じて、錯化剤、pH調整剤、緩衝剤、促進剤、安定剤、改良剤等を加えても良い。析出させる金属を含む溶剤は、金属塩であれば特に限定されないが、例えば、ニッケルを膜を形成する場合は、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等が挙げられ、還元剤は、例えば、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、水和ヒドラジン等のヒドラジン誘導体又はヒドラジン、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン等が挙げられる。
【0035】
電解めっき法について説明する。電解めっきは、金属塩を溶解させためっき浴を用いて、電気分解により、カソード上に金属を析出させる方法である。ここで、カソードは被めっき繊維で構成される。また、アノードは、めっき浴や析出させる金属によって、適時選択される。
【0036】
電解めっきに用いられるめっき浴について説明する。例えば、電解ニッケルめっきの場合には、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸が主組成であるワット浴、塩化ニッケル、ホウ酸が主組成である塩化浴、塩化ニッケル、スルファミン酸ニッケル、ホウ酸が主組成であるスルファミン酸浴、ホウフッ化ニッケル、ホウ酸が主組成であるホウフッ化浴等を用いてよい。なかでも、電解ニッケルめっきは、反応速度が速く生産性に優れる観点からワット浴を用いて行うことが好ましい。
また、上述の電解めっき浴は必要に応じて、1,5−ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、サッカリン、p−トルエンスルホンアミド等の一次光沢剤、1,4−ブチンジオール、プロパギルアルコール、クマリン、エチレンシアンヒドリン等の二次光沢剤、ドデシル硫酸ナトリウム等の界面活性剤を加えてもよい。
【0037】
電解銅めっきの場合には、硫酸銅、硫酸が主組成である硫酸銅浴、ホウフッ化銅、テトラフルオロホウ酸が主組成であるホウフッ化銅浴、シアン化銅、シアン化ナトリウム、水酸化ナトリウムが主組成であるシアン化銅浴、ピロリン酸第二銅、ピロリン酸カリウム、アンモニアが主組成であるピロリン酸銅浴を用いてよい。
【0038】
電解クロムめっきの場合は、酸化クロム(VI)、硫酸が主組成であるサージェント浴、酸化クロム(VI)、硫酸、ケイフッ酸がを主組成であるケイフッ酸浴を用いてよい。
【0039】
電解亜鉛めっきの場合は、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、塩化ナトリウム、ホウ酸が主成分である硫酸亜鉛浴、塩化亜鉛、塩化アンモニウムが主組成である塩化亜鉛浴、シアン化亜鉛、シアン化ナトリウム、水酸化ナトリウムが主組成であるシアン浴、酸化亜鉛、水酸化ナトリウムが主組成であるジンケート浴を用いてよい。
【0040】
電解スズめっきの場合は、硫酸スズ、硫酸、クレゾールスルホン酸、ホルマリンが主組成である硫酸浴、ホウフッ化スズ、テトラフルオロホウ酸、ホルマリンが主組成であるホウフッ化浴、スズ酸カリウム、水酸化カリウムが主組成である塩基性スズめっき浴を用いてよい。
【0041】
電解金めっきの場合は、シアン化第一金カリウム、シアン化カリウムが主組成であるシアン浴、シアン化第一金カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムが主組成である中性浴、シアン化第一金カリウム、クエン酸が主組成である酸性浴を用いてよい。
【0042】
電解銀めっきの場合は、シアン化銀、シアン化カリウム、炭酸カリウムが主組成であるストライク浴を用いてよい。
【0043】
電解ロジウムめっきの場合は、金属ロジウム、硫酸が主組成である硫酸めっき浴、金属ロジウム、リン酸が主組成であるリン酸めっき浴を用いてよい。
【0044】
電解白金めっきの場合は、塩化白金(IV)、リン酸水素アミン、リン酸水素アンモニウムが主組成であるリン酸塩浴、ジアミノ亜硝酸白金、亜硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、アンモニア水が主成分であるジアミノ亜硝酸塩浴を用いてよい。
【0045】
真空蒸着法について説明する。真空蒸着法は、10-5〜10-6Torrで加熱蒸発させた金属又は金属化合物を被めっき繊維に付着させて金属めっき膜を形成する方法である。また、真空蒸発法は、蒸発物質を放電プラズマ、電子ビーム等により、その一部又は全部をイオン化させ、負の電荷が印加された基板上に堆積させる方法であってよい。
【0046】
溶射法について説明する。溶射法は、金属を溶かして微粒とし、吹き付けて皮膜を形成させる方法である。具体的には、例えば、アルゴン、水素、窒素などのガス雰囲気中の陽極と陰極の間に直流大電流低電圧によりアークを生じさせ、プラズマ状態にし、この雰囲気中に金属を入れ、溶かして吹き付けるプラズマ溶射法等が挙げられる。
【0047】
本発明の金属構造物は、本発明の金属めっき繊維構造物を焼成することにより形成され、通気度が1〜200cm3/cm2/secである。金属構造物の通気度は、20〜100cm3/cm2/secであることが好ましい。金属構造物の通気度が1cm3/cm2/secより小さいと、粒子、粉体、液体等の充填量が少なくなる、又は、液体や気体に対する圧力損失が高くなる。また、金属構造物の通気度が200cm3/cm2/secより大きいと、粒子、粉体、液体等の充填ムラや脱落が発生しやすくなる、又は、液体や気体に対する接触面積が少なくなる傾向にある。
本発明の金属構造物は、焼成され繊維を構成する成分が炭化されてなることが好ましい。かかる構成であると、耐熱性や導電性を必要とする用途に特に好適に用いることができる。
【0048】
焼成工程は特に限定されないが、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気中で、700〜2000℃で、30秒〜30分間処理して行うことができる。
【0049】
本発明の金属めっき繊維は、被めっき繊維にめっきされる金属、めっき方法によって、装飾性、耐劣化性、耐熱性、耐摩耗性、導電性、電磁波シール特性等の機能を生じる。そして、本発明の金属めっき繊維は、アクセサリー、フィルター、電子部品、電磁波シール材等に利用することができる。
【実施例】
【0050】
[単位面積あたりのめっき量]
めっき処理前の不織布の質量をW、無電解めっき処理後のめっき不織布の質量をW1、無電解めっき処理後のめっき不織布の面積をA1、電解めっき処理後のめっき不織布の質量をW2、電解めっき処理後のめっき不織布の面積をA2としたとき、下記の式より算出した。
無電解めっき量=(W1−W)/A1
電解めっき量=(W2−W)/A2
【0051】
[電気抵抗]
無電解めっき処理後のめっき不織布、及び電解めっき処理後のめっき不織布を日置電機株式会社製HITESTER(3531)を使用し、ランダムな10箇所における抵抗値を測定し、平均値を算出して、抵抗値とした。なお、周波数は10kHz、電圧は1.0vの条件で測定した。
【0052】
[めっきムラ]
無電解めっき処理後のめっき不織布について、ランダムな10箇所における抵抗値を測定した。
A:10箇所の測定値の最大値と最小値との差が10Ω未満であった。
B:10箇所の測定値の最大値と最小値との差が10以上50Ω未満であった。
C:10箇所の測定値の最大値と最小値との差が50Ω以上であった。
【0053】
[通気度]
金属めっき繊維構造物を焼成してなる金属めっき構造物の通気度を、JIS L−1096−6.27.1 A法に従って測定した。
【0054】
(繊維1)
鞘成分が融点142℃、エチレン含有量55mol%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業社製、商品名“ソアノールSG649”)、芯成分が融点165℃のポリプロピレン(日本ポリプロ社製、商品名“SA03”)の芯鞘型複合繊維(芯鞘比5:5)を用意した。繊維1は、繊度2.2dtex、繊維長51mmであった。
【0055】
(繊維2)
鞘成分が融点173℃、エチレン含有量38mol%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業社製、商品名“ソアノールK3835BN”)、芯成分が融点165℃のポリプロピレン(日本ポリプロ社製、商品名“SA03”)の芯鞘型複合繊維(芯鞘比5:5)を用意した。繊維2は、繊度2.2dtex、繊維長51mmであった。
【0056】
(繊維3)
鞘成分が融点136℃の高密度ポリエチレン、芯成分が融点165℃のポリプロピレンである芯鞘型複合繊維(ダイワボウポリテック社製、商品名“NBF(H)”)を用意した。繊維3は、繊度2.2dtex、繊維長51mmであった。
【0057】
(繊維4)
鞘成分が融点126℃の共重合ポリエステル、芯成分が融点260℃のポリエチレンテレフタレートである芯鞘型複合繊維(ユニチカ社製、商品名“メルティ”)を用意した。繊維4は、繊度2.2dtex、繊維長51mmであった。
【0058】
(実施例1)
被めっき繊維として、繊維1のみからなる目付が50g/m2のカードウェブを作成し、水圧3MPaにて水流交絡処理を施した後、エアースルー乾燥機を用いて、145℃で12秒間乾燥させて、不織布からなる被めっき不織布を得た。なお、実施例1の被めっき不織布は繊維の交点がゲル固着と熱接着により接着された不織布であった。
【0059】
次に、塩化第一スズ1質量%、10mol/Lの塩酸20質量%、塩化パラジウム0.1質量%の水溶液を用いて、被めっき不織布を触媒化させた。
【0060】
硫酸ニッケル20質量%、還元剤として20mol/Lのヒドラジン3質量%、錯化剤としてクエン酸ナトリウム30質量%、pH調整剤として水酸化ナトリウム2質量%を含む水溶液に、触媒化させた被めっき不織布を含浸させ、無電解めっきを行った。なお、無電解めっきは60℃で行った。
【0061】
続いて、硫酸ニッケル300質量%、塩化ニッケル50質量%、ホウ酸50質量%を使用した水溶液(ワット浴)に、無電解めっきを施した被めっき不織布を含浸させ、電解めっきを行い、ニッケルめっき不織布を得た。なお、電解めっきは、60℃で、5Aの電流を流して行った。
【0062】
図1は得られためっき繊維で構成された不織布の表面の電子顕微鏡(SEM)写真(倍率300)である。
【0063】
また、得られたニッケルめっき不織布を焼成して、ニッケル不織布を得た。
【0064】
(実施例2)
繊維2のみからなる目付が50g/m2のカードウェブを用いたこと以外は、実施例1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従って被めっき不織布を得た。なお、実施例2の被めっき不織布は繊維の交点がゲル固着により接着された不織布であった。
その後、実施例1を製造するときに採用した手順に従って、同様にニッケルめっき処理を施し、ニッケルめっき不織布を得た。
【0065】
また、得られたニッケルめっき不織布を焼成して、ニッケル不織布を得た。
【0066】
(実施例3)
繊維1を70質量%と繊維3を30質量%含む目付が50g/m2のカードウェブを用いたこと以外は、実施例1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従って被めっき不織布を得た。なお、実施例3の被めっき不織布は繊維の交点がゲル固着と熱接着により接着された不織布であった。
その後、実施例1を製造するときに採用した手順に従って、同様にニッケルめっき処理を施し、ニッケルめっき不織布を得た。
【0067】
また、得られたニッケルめっき不織布を焼成して、ニッケル不織布を得た。
【0068】
(実施例4)
繊維1を50質量%と繊維3を50質量%含む目付が50g/m2のカードウェブを用いたこと以外は、実施例1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従って被めっき不織布を得た。なお、実施例4の被めっき不織布は繊維の交点がゲル固着と熱接着により接着された不織布であった。
その後、実施例1を製造するときに採用した手順に従って、同様にニッケルめっき処理を施し、ニッケルめっき不織布を得た。
【0069】
また、得られたニッケルめっき不織布を焼成して、ニッケル不織布を得た。
【0070】
(実施例5)
繊維1を20質量%と繊維3を80質量%含む目付が50g/m2のカードウェブを用いたこと以外は、実施例1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従って被めっき不織布を得た。なお、実施例5の被めっき不織布は繊維の交点がゲル固着と熱接着により接着された不織布であった。
その後、実施例1を製造するときに採用した手順に従って、同様にニッケルめっき処理を施し、ニッケルめっき不織布を得た。
【0071】
また、得られたニッケルめっき不織布を焼成して、ニッケル不織布を得た。
【0072】
(比較例1)
繊維3のみからなる目付が50g/m2のカードウェブを用いたこと以外は、実施例1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従ってニッケルめっき不織布を得た。
【0073】
図2は得られためっき繊維で構成された不織布の表面の電子顕微鏡(SEM)写真(倍率300)である。
【0074】
また、得られたニッケルめっき不織布を焼成して、ニッケル不織布を得た。
【0075】
(比較例2)
繊維4のみからなる目付が50g/m2のカードウェブを用いたこと以外は、実施例1を製造するときに採用した手順と同様の手順に従ってニッケルめっき不織布を得た。
【0076】
また、得られたニッケルめっき不織布を焼成して、ニッケル不織布を得た。
【0077】
以上の実施例1〜5と比較例1〜2の条件と結果を表1にまとめて示す。
【0078】
【表1】

【0079】
実施例1〜5は、被めっき繊維の繊維表面にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している構成であり、無電解めっき後の電気抵抗値及び電解めっき後の電気抵抗値は、比較例1に比べて低い。絶縁性の構造物に導電性金属をめっきした場合、均一にめっきされている場合は電気抵抗値が低くなり、めっきムラがある場合は、電気抵抗値が高くなることから、実施例1〜5の金属めっき不織布は、めっきムラの少ないものであることが理解できる。また、比較例2はオレフィン系に比べるとめっきされ易いエステル系の樹脂が繊維表面に露出している構成であり、めっきムラは少し良い結果であったが、耐薬品性は弱いものであった。
【0080】
実施例1と実施例2は、共に鞘成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体、芯成分がポリプロピレンである芯鞘型複合繊維のみからなる不織布にニッケルめっき処理を施したニッケルめっき不織布であるが、実施例1が実施例2に比べて、無電解めっき後の電気抵抗値及び電解めっき後の電気抵抗値が低い。これは、繊維1が繊維2と比較して、エチレン−ビニルアルコールの融点が低く、エチレン含有量が多いことに起因して、実施例1は被めっき不織布の繊維の交点がゲル固着と熱接着の2種で接着された不織布であり、対して、実施例2は被めっき不織布の繊維の交点がゲル固着のみで接着された不織布であり、その結果、実施例1が実施例2と比較して繊維同士の交点におけるめっきムラが少なくなり、電気抵抗が低くなったと予想される。
【0081】
実施例1〜5、及び比較例1〜2の金属めっき繊維構造物を焼成してなる金属めっき構造物は、適度な通気度を有しており、気体に対する圧力損失が低いものであった。実施例1〜5からなる金属めっき構造物は、金属めっきが剥離した箇所が少なく、見た目もよいものであった。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の金属めっき繊維は、被めっき繊維にめっきされる金属、そのめっき方法によって、装飾性、耐劣化性、耐熱性、耐摩耗性、導電性、電磁波シール特性等の機能を生じる。そして、本発明の金属めっき繊維は、アクセサリー、フィルター、電子部品、電磁波シール材等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は実施例1で得られためっき繊維で構成された不織布の表面の電子顕微鏡(SEM)写真(倍率300)である。
【図2】図2は比較例1で得られためっき繊維で構成された不織布の表面の電子顕微鏡(SEM)写真(倍率300)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維表面に金属がめっきされてなる繊維構造物であって、前記繊維構造物を構成する繊維は繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を含む金属めっき繊維構造物。
【請求項2】
前記エチレン−ビニルアルコール共重合体の融点が100℃〜190℃である請求項1に記載の金属めっき繊維構造物。
【請求項3】
前記繊維構造物を構成する繊維は鞘成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体である芯鞘型複合繊維を含む請求項1又は2に記載の金属めっき繊維構造物。
【請求項4】
前記芯成分の融点が鞘成分の融点より10℃以上高い請求項3に記載の金属めっき繊維構造物。
【請求項5】
前記芯成分がポリプロピレンからなる請求項3又は4に記載の金属めっき繊維構造物。
【請求項6】
前記繊維構造物を構成する繊維が、繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール共重合体が露出している繊維を25質量%以上90質量%以下含み、他の繊維を10質量%以上75質量%以下含む請求項1〜5のいずれかに記載の金属めっき繊維構造物。
【請求項7】
他の繊維がポリオレフィン系成分からなる繊維である請求項6に記載の金属めっき繊維構造物。
【請求項8】
前記金属めっき繊維構造物が不織布である請求項1〜7のいずれかに記載の金属めっき繊維構造物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の金属めっき繊維構造物を焼成してなる通気度が1〜200cm3/cm2/secの金属構造物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−106391(P2010−106391A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278944(P2008−278944)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000002923)ダイワボウホールディングス株式会社 (173)
【出願人】(300049578)ダイワボウポリテック株式会社 (120)
【Fターム(参考)】