説明

金属製ざる及びざるの製造法

【課題】 従来から存する金属製ざるの欠点を改良し、強度性とデザイン性を兼ね具えた製品とそれを製作するための製造法を提供する。
【解決手段】 適当巾寸法を有する帯板を任意寸法の口径に曲折して縁枠材1を設ける工程、縁枠材の一側部に円弧状に曲折した内縁部2を形成し、この反対の他側部に垂直状の外縁部3を形成する工程、縁枠材の内縁部を円弧形状から水平面4および垂直面5の形状に形成する工程、前記縁枠材の内縁部2と外縁部3との間に網体6の外周縁部6'を配置する工程、この配置状態で前記縁枠材を加圧縮し、外縁部は弯曲部7内に網体の外周縁部を食い込ませ、内縁部は水平面から形成した垂直面部5の先端部5'を網体の外周面に密着させる工程、から成る金属製ざるの製造法で、網体の内周縁部には縁枠材の平面周縁部に水平面の傾斜部を形成し、網体の外周縁部には縁枠材の弯曲部を形成して成る金属製ざるである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製ざる及びざるの製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から存する金属製ざるにおいてその上周縁部に固着する縁部材は、その内側部も外側部もともに円弧形状に形成することによって網体周縁部を固定する部材の強度を上げることを目的としていたため、単純な物品におけるデザイン性に欠ける弱みがあった。
【0003】
また、金属製ざるには、網体周縁部に固定する縁部材の内側両側部を加圧して扁平形状に構成したものも普及しているが、これは強度性に難点はあるが、デザイン性に優れたものとなっていた。
【0004】
金属製ざるに関する公知技術としては、例えば実開平5−91535号や実公平7−14193号のごときものが存するが、要部の構成としてはかなり複雑で製作コストのかかるものであった。
【0005】
【特許文献1】実開平5−91535号公報
【特許文献1】実公平7−14193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、従来から存する金属製ざるの欠点を改良し、強度性とデザイン性を兼ね具えて商品価値の優れた製品とそれを製作するための製造法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、適当巾寸法を有する帯板を任意寸法の口径に曲折して縁枠材を設ける工程、前記縁枠材の一側部に円弧状に曲折した内縁部を形成し、この反対の縁枠材の他側部に垂直状に曲折した外縁部を形成する工程、前記縁枠材の内縁部を円弧形状から水平面および垂直面に成る形状に形成する工程、前記形状の縁枠材の内縁部と外縁部との間に網体の外周縁部を配置する工程、かかる配置状態において前記縁枠材を加圧縮し、縁枠材の外縁部は円弧状に曲折した弯曲部内に前記網体の外周縁部を食い込ませ、縁枠材の内縁部は水平面の傾斜方向に形成した垂直面部の先端部を網体の外周面に密着させる工程、から成る金属製ざるの製造法である。
【0008】
本発明はまた、網体の内周縁部において縁枠材の平面周縁部に水平面の傾斜部を形成し、網体の外周縁部において円弧状の弯曲面部を形成して成る金属製ざるである。
【発明の効果】
【0009】
網体の周縁部において、縁枠材が、その内周縁部には水平の傾斜面部が、外周縁部には弯曲面部がそれぞれ形成されることにより、金網製ざるの全体においてその強度が十分発揮されるとともにデザイン性が優れたものとなり、両長所を採り入れたざる製品となる。
【0010】
また、その製造コストは従来製品の製造コストと殆んど変わりがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る金属製ざるは、網体の内周縁部においては、縁枠材の平面周縁部に水平面の傾斜部が形成され、網体の外周縁部においては、円弧状の弯曲部が形成されるように成るものである。
【実施例】
【0012】
第1工程
適当巾寸法を有する1枚の帯板を任意口径に曲折しかつ当接端面部を溶着して縁枠材1を用意する。(図1)
【0013】
この帯板による縁枠材は、その全体を継目なしにプレス成形して用意してもよい。
【0014】
第2工程
前記縁枠材1の一側部を円弧状に曲折した内縁部2を形成し、この反対側の縁枠材の他側部には垂直状に曲折した外縁部3を形成する。(図2)
【0015】
第3工程
前記縁枠材1の内縁部2の形状を、円弧形状から水平面4および垂直面5から成る形状に形成する。(図3)
【0016】
第4工程
前記縁枠材1の内縁部2と外縁部3との間に網体6の外周縁部6'を配置する。(図4)
【0017】
拡大状態にある前記網体6は、それ自体の弾性力によって縁枠材1の内部に当接される。
【0018】
第5工程
かかる配置状態において前記縁枠材1を加圧縮し、その外縁部3は円弧状に曲折することによってその弯曲部7内部に網体6の外周縁部6'を食い込ませ、またその内縁部2は水平面4を傾斜方向に形成するとともに垂直面部5の先端部5'を網体6の外周面に密着させる。(図5・図6)
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本工程で使用する一部品の斜視図。
【図2】製造工程上の一部分の斜視図。
【図3】製造工程上の一部分の斜視図。
【図4】製造工程上の一部分の斜視図。
【図5】製造工程上の一部分の斜視図。
【図6】完成品の正断面図。
【符号の説明】
【0020】
1 縁枠材
2 内縁部
3 外縁部
4 水平面部
5 垂直面部
5' 先端部
6 網体
6' 外周縁部
7 弯曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適当巾寸法を有する帯板を任意寸法の口径に曲折して縁枠材を設ける工程、前記縁枠材の一側部に円弧状に曲折した内縁部を形成し、この反対の縁枠材の他側部に垂直状に曲折した外縁部を形成する工程、前記縁枠材の内縁部を円弧形状から水平面および垂直面に成る形状に形成する工程、前記形状の縁枠材の内縁部と外縁部との間に網体の外周縁部を配置する工程、かかる配置状態において前記縁枠材を加圧縮し、縁枠材の外縁部は曲折した弯曲部内に前記網体の外周縁部を食い込ませ、縁枠材の内縁部は水平面を傾斜方向に形成し垂直面部の先端部を網体の外周面に密着させる工程、から成る金属製ざるの製造法。
【請求項2】
適当巾寸法を有する帯板を任意寸法の口径に曲折しかつ溶着して縁枠材を設ける工程、前記縁枠材の一側部に円弧状に曲折した内縁部を形成し、この反対の縁枠材の他側部に垂直状に曲折した外縁部を形成する工程、前記縁枠材の内縁部を円弧形状から水平面および垂直面に成る形状に形成する工程、前記形状の縁枠材の内縁部と外縁部との間に網体の外周縁部を配置する工程、かかる配置状態において前記縁枠材を加圧縮し、縁枠材の外縁部は曲折した弯曲部内に前記網体の外周縁部を食い込ませ、縁枠材の内縁部は水平面を傾斜方向に形成した垂直面部の先端部を網体の外周面に密着させる工程、から成る金属製ざるの製造法。
【請求項3】
網体の内周縁部においては縁枠材の平面周縁部に水平面の傾斜部を形成し、網体の外周縁部においては縁枠材の弯曲部を形成して成ることを特徴とする金属製ざる。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−240641(P2006−240641A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−55940(P2005−55940)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(301018968)株式会社リトルウツド (1)
【Fターム(参考)】