説明

鉄筋コンクリート部材の設計支援装置、設計支援方法及びプログラム

【課題】膨張コンクリートの限界状態設計を容易に行うことができる鉄筋コンクリート部材の設計支援装置を提供する。
【解決手段】設計支援装置上では、設計支援プログラム200が動作する。設計支援プログラム200は、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定及び鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定を受け付ける入力受付部206と、この入力受付部206により受け付けられた設定に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内の力の釣合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析部208とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート部材の設計支援装置、設計支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋コンクリート部材の設計は、許容応力度設計法が中心的な位置を占めてきた。近年、土木学会発刊の「コンクリート標準示方書」の改訂が行われ、鉄筋コンクリート部材の設計は、鉄筋コンクリート構造物の性能を照査することを原則とした設計形態に移行した。その一つの手段である限界状態設計法は、通常のコンクリートを対象とする。
一方、建築分野では「住宅の品質確保の促進などに関する法律」が制定されたことなどから、コンクリートのひび割れ制御に対する関心が高まっており、コンクリート構造物のひび割れ抑制を目的とした膨張コンクリートが注目されている。
コンクリート用膨張材又は膨張コンクリートに関する研究は、精力的に行われている。例えば、非特許文献1では、膨張コンクリートを用いた部材における膨張分布の推定方法が開示されている。
近年では、例えば、膨張コンクリートを用いた鉄筋コンクリート構造物の適用用途として、場所打ちコンクリートでは、建築の基礎、スラブ、土間、橋脚、壁高欄、床版、覆工コンクリート、海洋構造物、マスコンクリートなどが挙げられる。また、例えば、コンクリート製品用途では、ボックスカルバート、ヒューム管、よう壁、U字溝などが挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】辻幸和、前山光宏、「膨張コンクリートを用いた部材における膨張分布の推定方法」、セメント技術年報、1977年、XXXI、p.231−233
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に開示された推定方法は、理論的なものであり、この推定方法を現実の断面設計に適用することは、計算が煩雑であることから困難であった。
本発明は、膨張コンクリートの限界状態設計を容易に行うことができる鉄筋コンクリート部材の設計支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る鉄筋コンクリート部材の設計支援装置は、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材の曲げ耐力及び軸方向耐力の少なくともいずれかを算出する曲げ耐力/軸方向耐力算出手段とを有する。
また、本発明に係る鉄筋コンクリート部材の設計支援装置は、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材の断面応力度を算出する断面応力度算出手段とを有する。
また、本発明に係る鉄筋コンクリート部材の設計支援装置は、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材のひび割れ幅を算出するひび割れ幅算出手段とを有する。
【0006】
好適には、鉄筋コンクリート部材のせん断耐力を算出するせん断耐力算出手段をさらに有する。
【0007】
また、本発明に係る鉄筋コンクリート部材の設計支援方法は、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付け、前記受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析し、前記解析の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材の曲げ耐力及び軸方向耐力の少なくともいずれかを算出する。
好適には、前記解析結果に基づいて、試験用部材の長さ変化率を推定する。
好適には、前記推定された長さ変化率に基づいて、膨張材の混和量を算出する。
【0008】
さらに、本発明に係るプログラムは、コンピュータを含む鉄筋コンクリート部材の設計支援装置において、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付ける受付ステップと、前記受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析ステップと、前記解析手段の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材の曲げ耐力及び軸方向耐力の少なくともいずれかを算出する曲げ耐力/軸方向耐力算出ステップとを前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、膨張コンクリートの限界状態設計を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る鉄筋コンクリート部材の設計支援装置10のハードウェア構成を示す図である。
【図2】設計支援装置10の表示装置20に表示されるメイン画面100を示す図である。
【図3】断面設定処理において表示される断面入力画面120を示す図である。
【図4】膨張材タブが選択された場合における断面設定処理において表示される断面入力画面120を示す図である。
【図5】照査設定処理において表示される照査条件の設定画面130を示す図である。
【図6】断面入力画面120において、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定及び鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定が入力され、解析されたひずみの分布表示画面140である。
【図7】安全性の判定処理において表示される検討結果画面150を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る設計支援装置10上で動作する断面設計支援プログラム200の機能構成を示す図である。
【図9】JIS A 6202 B法により測定された膨張材の単位量と長さ変化率との関係を例示する図である。
【図10】仕事量一定則に基づいて、鉄筋が断面に対して高さ方向に非対称に配置される場合における鉄筋コンクリート部材に導入されたケミカルプレストレスの推定手法を説明する図であって、図10(A)は断面を示し、図10(B)は、ケミカルプレストレインの分布を示し、図10(C)は、ケミカルプレストレスの分布及び鋼材の応力分布を示す。
【図11】解析部208による内部ひずみの解析処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態に係る設計支援装置10により用いられる積層モデルの概念を示す図である。
【図13】本発明の実施形態における積層モデルに適用される部材の応力ひずみモデルを示し、図13(A)はコンクリートの応力ひずみモデルを示し、図13(B)は鉄筋の応力ひずみモデルを示す。
【図14】デコンプレッションモーメントを説明する図である。
【図15】本発明の実施形態に係る設計支援装置10の全体動作(S20)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る鉄筋コンクリート部材の設計支援装置10のハードウェア構成を示す図である。
図1に示すように、設計支援装置10は、CPU12、メモリ14、ハードディスク駆動装置等の記憶装置16、ネットワークを介して外部のコンピュータ等(不図示)とデータの通信を行う通信装置18、液晶ディスプレイ等の表示装置20、及びキーボードやマウス等の入力装置22を有する。これらの構成要素は、バス24を介して互いに接続されている。
【0012】
次に、図2乃至図7を用いて、設計支援装置10のCPU12により表示装置20に表示される操作画面を説明する。
図2は、設計支援装置10の表示装置20に表示されるメイン画面100を示す図である。
図2に示すように、メイン画面100には、断面設定ボタン102、照査設定ボタン104、解析ボタン106、安全性の検討ボタン108、使用性の検討ボタン110及び体積変化分布ボタン112が含まれる。なお、本実施形態では、これらの構成要素はボタンとして実現されているが、実行される機能を指示する手段であればよく、ボタンに限定されない。
【0013】
鉄筋コンクリート部材の設計支援は、プリ処理、解析及びポスト処理から構成される。プリ処理には、断面設定処理及び照査設定処理が含まれ、ポスト処理には、安全性の判定処理及び使用性の判定処理が含まれる。
【0014】
メイン画面100において、断面設定ボタン102が押下されると、断面設定処理が実行される。照査設定ボタン104が押下されると、照査設定処理が実行される。同様にして、解析ボタン106、安全性の検討ボタン108、使用性の検討ボタン110が押下されると、それぞれ解析処理、安全性の判定処理、使用性の判定処理が実行される。また、体積変化分布ボタン112が押下されると、コンクリートの膨張特性及び収縮特性の少なくともいずれかに起因する断面応力度の分布が表示される。
【0015】
図3は、断面設定処理において表示される断面入力画面120を示す図である。
図3に示すように、断面入力画面120には、断面選択部122、設定内容選択部124、設定値入力部126及びプレビュー部128が含まれる。断面入力画面120は、メイン画面100において断面設定ボタン102が押下されると表示装置20に表示される。
【0016】
断面選択部122は、設定する断面を選択するための選択手段であり、例えばボタンにより実現される。本実施形態では、断面選択部122により、断面1〜断面5から1の断面が選択される。したがって、本実施形態に係る設計支援装置10は、設定された5断面を同時に判定することができる。
【0017】
設定内容選択部124は、断面形状、主筋、コンクリート、膨張材、せん断補強筋及び材料係数のいずれかを選択するための手段であり、例えばタブにより実現される。設定値入力部126は、設定内容選択部124において選択された項目に関する設定値を入力するための手段である。例えば、設定内容選択部124において「主筋」が選択されると、鉄筋1及び鉄筋2に関する設定値が入力可能となる。プレビュー部128には、設定値入力部126において入力された設定値を反映する断面が模式的に表示される。
【0018】
なお、選択可能な断面数、設定可能な鉄筋数及び設定項目は、本例に限定されない。また、画面構成も本例に限定されない。
【0019】
図4は、膨張材タブが選択された場合における断面設定処理において表示される断面入力画面120を示す図である。
図4に示すように、断面入力画面120の設定内容選択部124において膨張材タブが選択された場合、膨張材に関する設定、より具体的には、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定が入力可能となる。本実施形態では、基準となる膨張ひずみの値(JIS A6202 A法又はB法の値)が入力される。なお、この値は、後述する試験用部材の拘束鋼材の長さ変化率εsである。また、入力される値は、本例に限定されず、例えばJISデータに準拠して得られた値であってもよい。
【0020】
図5は、照査設定処理において表示される照査条件の設定画面130を示す図である。
図5に示すように、照査条件の設定画面130には、終局限界条件入力部132及び使用限界条件入力部134が含まれる。照査条件の設定画面130は、メイン画面100において照査設定ボタン104が押下されると表示装置20に表示される。
【0021】
終局限界条件入力部132は、終局限界の状態における設計曲げモーメント、設計軸力及び設計せん断力などの設計断面力を入力するための手段である。使用限界条件入力部134は、使用限界における設計断面力を入力するための手段である。このような入力手段を介して、照査条件が入力される。
【0022】
照査条件として、例えば5ケースが入力可能である。したがって、本実施形態に係る設計支援装置10は、断面入力画面120において入力される5断面と組み合わせることにより、25パターンの照査を同時に行うことができる。なお、照査条件で入力する各設計断面力は、各限界状態に限定されるものではない。
【0023】
図6は、断面入力画面120において、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定及び鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定が入力され、解析されたひずみの分布表示画面140である。
分布表示画面140は、解析処理が実行された後、メイン画面100において体積変化分布ボタン112が押下されると表示装置20に表示される。図6に示すように、分布表示画面140には、検討断面選択部142、計算結果表示部144、コンクリートの特性に基づく応力分布を表示する応力分布表示部146及びコンクリートの特性に基づくひずみ分布を表示するひずみ分布表示部148が含まれる。
【0024】
コンクリートの特性には、例えば、膨張コンクリートによる膨張ひずみ、自己収縮ひずみなどがある。膨張ひずみは、例えば、膨張材の種類、混和量、コンクリート配合、養生などの条件により変動する。なお、当該条件は、これらに限定されず、例えば、JIS A 6202に準じて計測される値が用いられてもよい。また、コンクリートの特性により導入された応力は、膨張コンクリートの場合には「ケミカルプレストレス」となり、コンクリートの特性により導入されたひずみは「ケミカルプレストレイン」となる。
【0025】
検討断面選択部142は、断面入力画面120において設定された断面のいずれかを選択するための選択手段である。検討断面選択部142において断面が選択されると、この断面に関する計算結果等が、計算結果表示部144、応力分布表示部146及びひずみ分布表示部148に表示される。なお、解析方法については、後で詳述する。
【0026】
図7は、安全性の判定処理において表示される検討結果画面150を示す図である。
図7に示すように、検討結果画面150には、条件選択部152及び結果表示部154が含まれる。検討結果画面150は、解析処理が実行された後、メイン画面100において安全性の検討ボタン108が押下されると表示装置20に表示される。
【0027】
条件選択部152は、断面入力画面120において入力される断面及び照査条件の設定画面において設定されたケースを選択するための選択手段である。結果表示部154には、条件選択部152において選択された条件の下における計算結果及び安全性の判定結果が表示される。
【0028】
なお、図7に示される検討結果画面150には、曲げモーメントと軸方向力とを受ける場合に関する結果が表示されているが、せん断力に関する計算結果及び安全性の判定結果も同様にして表示される。また、使用性に関する計算結果及び判定結果(例えば、ひび割れ幅や変形量)は、メイン画面100において使用性の検討ボタン110が押下されると表示される。
【0029】
次に、上述した鉄筋コンクリート部材の設計支援方法及び画面遷移を実現するプログラムを説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る設計支援装置10上で動作する断面設計支援プログラム200の機能構成を示す図である。なお、以降、断面設計支援プログラム200を単に設計支援プログラム200ともいう。
図8に示すように、設計支援プログラム200は、制御部202、表示部204、入力受付部206、解析部208、結果記憶部210、曲げ耐力/軸方向耐力算出部212、せん断耐力算出部214及びひび割れ幅算出部216を有する。設計支援プログラム200は、設計支援装置10のメモリ14にロードされ、CPU12により実行される。
【0030】
設計支援プログラム200において、制御部202は、他の構成要素を制御する。また、制御部202は、他の構成要素との間でデータの入出力を行う。表示部204は、制御部202から画面データを受け付けて表示装置20に図2乃至図7に示される画面を表示する。
【0031】
入力受付部206は、入力装置22を介して入力される設定を受け付けて制御部202に対して出力する。より具体的には、入力受付部206は、断面入力画面120及び照査条件の設定画面130を介して、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定及び鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定を受け付ける。
【0032】
解析部208は、入力受付部206により受け付けられた設定に基づいて、断面内の力の釣合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する。また、解析部208は、鉄筋コンクリート部材の断面応力度をさらに解析する。
【0033】
結果記憶部210は、後述する曲げ耐力/軸方向耐力算出部212、せん断耐力算出部214及びひび割れ幅算出部216による算出結果並びに解析部208による解析結果を記憶する。これらの解析結果等は、制御部202により書き込まれ、読み出される。結果記憶部210は、メモリ14及び記憶装置16の少なくともいずれかにより実現される。
【0034】
曲げ耐力/軸方向耐力算出部212は、解析部208による解析結果に基づいて部材の曲げ耐力及び軸方向耐力の少なくともいずれかを算出し、算出結果に基づいて安全性を判定する。せん断耐力算出部214は、解析部208による解析結果に基づいて部材のせん断耐力を算出し、算出結果に基づいて安全性を判定する。ひび割れ幅算出部216は、解析部208による解析結果に基づいてひび割れ幅を算出し、算出結果に基づいて使用性を判定する。
【0035】
設計支援プログラム200は、このような構成要素により、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定及び鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定を受け付け、前記受け付けられた設定に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内の力の釣合い条件から断面のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する。また、設計支援プログラム200は、この解析結果に基づいて、断面耐力(曲げ耐力、軸方向耐力及びせん断耐力)、断面応力度、ひび割れ幅及び変形量を算出する。
【0036】
次に、設計支援プログラム200の解析部208によるコンクリートの特性に起因する断面の応力分布及びひずみ分布の解析手法を詳細に説明する。なお、以下の説明では、簡略化のため膨張コンクリートを対象とする。また、コンクリートの特性は、膨張コンクリートの膨張に限定されるものではない。
【0037】
膨張コンクリートの膨張が、鉄筋などの拘束体により拘束されると、コンクリートには圧縮応力が、拘束体には引張応力が導入される。なお、自己収縮などでは、コンクリートには引張応力が、拘束体には圧縮応力が導入される。
膨張コンクリートの場合、コンクリートに導入されたケミカルプレストレスは、コンクリートと鉄筋との力の釣合い条件から、次式で表される。
【0038】
【数1】

【0039】
ここで、σcはケミカルプレストレス(N/mm)、pは拘束鋼材比、Esは拘束鋼材の弾性係数(N/mm)、εsは拘束鋼材の長さ変化率を示す。
【0040】
図9は、JIS A 6202 B法により測定された膨張材の単位量と長さ変化率との関係を例示する図である。なお、図9において、膨張材Aは、石灰−エトリンガイト複合系膨張材であり、膨張材Bは、エトリンガイト系膨張材である。
図9に例示するように、膨張材の単位量が増加するほど、長さ変化率は増加する。このような長さ変化率εsは、図4に示される断面入力画面120において、膨張材に関する設定として入力される。
【0041】
このため、解析結果に基づいて、入力された長さ変化率が適切であるか否かが、判定されることができる。したがって、ユーザは、解析結果に基づいて、例えばJIS A 6202 B法などの管理用供試体(試験用部材)の長さ変化率を推定し、この推定された長さ変化率に基づいて、膨張材の混和量を算出することができる。
【0042】
解析部208は、仕事量一定則に基づいて内部ひずみの分布を推定する。仕事量一定則は、「膨張コンクリートが拘束に対してなす仕事量は拘束の程度によらず一定である」とするもので、次式で表される。
【0043】
【数2】

【0044】
ここで、Uは、膨張コンクリートが拘束鋼材に対してなす仕事量(N/mm)を示す。
【0045】
図10は、仕事量一定則に基づいて、鉄筋が断面に対して高さ方向に非対称に配置される場合における鉄筋コンクリート部材に導入されたケミカルプレストレスの推定手法を説明する図であって、図10(A)は断面を示し、図10(B)は、ケミカルプレストレインの分布を示し、図10(C)は、ケミカルプレストレスの分布及び鋼材の応力分布を示す。
図10(A)及び図10(B)より、膨張コンクリート部材の下縁からの距離xの位置における膨張ひずみεxは、次式で表される。
【0046】
【数3】

【0047】
ここで、hは、断面の高さ(m)、εbは、下縁の膨張ひずみ、εuは、上縁の膨張ひずみを示す。ケミカルプレストレインの分布を得る基礎式は、式(3)で得られた膨張ひずみを式(2)に代入することにより求められる。
【0048】
また、図10(C)に示すように、鉄筋の引張力と膨張コンクリートの圧縮力との力の釣合い条件より式(4)が、下縁のモーメントの釣合い条件より式(5)がそれぞれ成立する。
【0049】
【数4】

【0050】
ここで、bは、部材断面の幅(m)、Asiは、鉄筋iの鉄筋量(m)、Esは、鉄筋の弾性係数(N/m)を示す。ケミカルプレストレス及びケミカルプレストレインは、式(3)においてεb及びεuを仮定して式(4)及び式(5)を満足させるεb及びεuを求めることにより算出される。なお、矩形以外の断面では、式(4)及び式(5)の幅bを修正すればよい。
【0051】
図11は、解析部208による内部ひずみの解析処理を示すフローチャートである。
図11に示すように、ステップ100(S100)において、解析部208は、εb及びεuを仮定する。
ステップ102(S102)において、解析部208は、式(3)に基づいて、膨張ひずみの分布を算出する。
【0052】
ステップ104(S104)において、解析部208は、式(4)の左辺第1項に基づいてコンクリートの膨張力の合計(A)を算出し、式(4)の左辺第2項に基づいて鉄筋の引張力の合計(B)を算出する。
ステップ106(S106)において、解析部208は、式(5)の左辺第1項に基づいて(A)の下縁におけるモーメント(C)を算出し、式(5)の左辺第2項に基づいて(B)の下縁におけるモーメント(D)を算出する。
【0053】
ステップ108(S108)において、解析部208は、(A)−(B)が予め決められた許容誤差より小さいか否か及び(C)−(D)が同様の許容誤差より小さいか否かを判定する。解析部208は、(A)−(B)が許容誤差より小さく、かつ、(C)−(D)が許容誤差より小さい場合にはS110の処理に進み、そうでない場合にはS100に戻る。
【0054】
ステップ110(S110)において、解析部208は、S100の処理で仮定されたεb及びεuを採用する。
このようにして、εb及びεuが決定され、内部ひずみの分布が求められる。
【0055】
次に、本発明の実施形態に係る設計支援装置10により用いられる積層モデルを説明する。
本発明の実施形態に係る設計支援装置10は、対象とする鉄筋コンクリート部材の断面の高さ方向に対して微小要素に分割した積層モデルを用いて、断面内の力の釣り合い条件から、断面耐力及び断面応力度のいずれかを算出する。
【0056】
図12は、本発明の実施形態に係る設計支援装置10により用いられる積層モデルの概念を示す図である。
図12(A)〜図12(C)に示すように、積層モデルは、部材断面を有限の微小要素に分割し、微小要素の力の釣合いから断面設計を行うモデルである。
【0057】
積層モデルにおいて、曲げモーメントを考慮すると、断面に作用する力の釣合い条件から式(6)が、モーメントの釣合い条件から式(7)が成立する。
【0058】
【数5】

【0059】
ここで、C'cは、コンクリートの圧縮力(N)、C'sは圧縮鉄筋の圧縮力(N)、Tcは、コンクリートの引張力(N)、Tsは、引張鉄筋の引張力(N)、Mは、曲げモーメント(Nm)、dは、引張鉄筋の有効高さ(m)、ycは、部材の圧縮縁からコンクリートの圧縮合力の作用位置までの距離(m)、d'は、圧縮鉄筋の有効高さ(m)、ytは、部材の圧縮縁からコンクリートの引張合力の作用位置までの距離(m)、xは、中立軸の位置(m)を示す。
【0060】
本発明の実施形態に係る設計支援装置10は、式(6)及び式(7)に基づいてコンクリートの圧縮縁のひずみを設定することにより、断面耐力又は任意の応力状態における断面応力度を算出する。より具体的には、設計支援装置10は、コンクリートの圧縮縁のひずみとしてコンクリートの終局ひずみが設定された場合、断面耐力を算出し、コンクリートの終局ひずみよりも小さいひずみが設定された場合、断面応力度を算出する。
【0061】
また、曲げモーメント及び軸方向力を同時に受ける場合、断面に作用する力の釣合い条件から式(8)が成立し、モーメントの釣合い条件から式(9)が成立する。
【0062】
【数6】

【0063】
ここで、Nは、軸力(N)、eは、偏心量(m)、yは、断面の図心高さ(m)を示す。
【0064】
図13は、本発明の実施形態における積層モデルに適用される部材の応力ひずみモデルを示し、図13(A)はコンクリートの応力ひずみモデルを示し、図13(B)は鉄筋の応力ひずみモデルを示す。なお、本発明の実施形態における積層モデルに適用される部材の応力とひずみとの関係は、1つ以上の数式で表されていれば良く、図13に示される応力ひずみモデルに限定されるものではない。
【0065】
膨張コンクリートは、外力が作用する前には、コンクリートのケミカルプレストレスと鋼材のケミカルプレストレインに応じた応力とが釣り合った状態にある。したがって、図13に示される応力ひずみモデルにおいては、膨張コンクリートは、普通コンクリートの応力ひずみモデルの原点を移動させた状態で釣り合っている。本発明の実施形態に係る設計支援装置10は、このような釣合い条件を初期条件として与えられることにより、膨張コンクリートにおける断面耐力又は断面応力度を算出する。
【0066】
次に、設計支援プログラム200の曲げ耐力/軸方向耐力算出部212による曲げ耐力算出手法、せん断耐力算出部214によるせん断耐力算出手法及びひび割れ幅算出部216によるひび割れ幅算出手法を説明する。
設計支援プログラム200の曲げ耐力/軸方向耐力算出部212は、コンクリートの圧縮縁のひずみをコンクリートの終局ひずみとして、断面耐力を算出する。また、コンクリートの終局ひずみよりも小さいひずみが設定された場合、曲げ耐力/軸方向耐力算出部212は、断面応力度を算出する。
【0067】
せん断耐力算出部214は、解析部208により解析された内部ひずみ又は内部応力により、後述するデコンプレッションモーメントを算出する。また、膨張コンクリートの場合も同様に、せん断耐力算出部214は、解析部208により算定されたケミカルプレストレスをデコンプレッションモーメントとして考慮することで算定する。せん断耐力算出部214は、例えば、土木学会コンクリート標準示方書に記載されている次式を用いて算出する。
【0068】
【数7】

【0069】
ここで、Vydは、鉄筋コンクリート部材のせん断耐力、Vcdは、コンクリートが受け持つせん断耐力、Vsdは、せん断補強筋が受け持つせん断耐力、Asは、引張側鋼材の断面積(mm)、bwは、腹部の幅(mm)、Awは、せん断補強筋の配置間隔ssにおけるせん断補強筋の断面積(mm)、M0は、設計曲げモーメントMdに対する引張縁において、軸方向力Ndによって発生する応力を打ち消すのに必要な曲げモーメント(デコンプレッションモーメント)、fwydは、せん断補強筋の設計降伏強度(N/mm)、αsは、せん断補強筋が部材軸となす角度、zは、圧縮応力の合力の作用位置から引張鋼材図心までの距離(mm)を示す。
【0070】
図14は、デコンプレッションモーメントを説明する図である。
図14に示すように、膨張コンクリート部材の場合、設計軸方向力による圧縮応力にケミカルプレストレスが加わるため、デコンプレッションモーメントM0は、鉄筋コンクリート部材に比べて大きくなる。したがって、部材の軸方向にケミカルプレストレスを考慮することにより、デコンプレッションモーメントが増加し、部材のせん断耐力が大きくなる。
【0071】
ひび割れ幅算出部216は、次式を用いてひび割れ幅を算出する。
【0072】
【数8】

【0073】
ここで、wは、ひび割れ幅(mm)、k1は、鋼材の表面形状がひび割れ幅に及ぼす影響を表す係数、k2は、コンクリートの品質がひび割れ幅に及ぼす影響を表す係数、k3は、引張鋼材の段数を表す係数、cは、かぶり(mm)、csは、鋼材の中心間隔(mm)、φは、鋼材径(mm)、ε'csdは、コンクリートの収縮及びクリープ等によるひび割れ幅の増加を考慮するための数値、σseは、鋼材位置のコンクリートの応力度が零の状態からの鉄筋応力度の増加量(N/mm)を示す。
【0074】
次に、本発明の実施形態に係る設計支援装置10の全体動作を説明する。
図15は、本発明の実施形態に係る設計支援装置10の全体動作(S20)を示すフローチャートである。
図15に示すように、ステップ200(S200)において、設計支援装置10は、メイン画面100を表示装置20に表示する。ユーザが、入力装置22を用いて断面設定ボタン102を押下すると、設計支援装置10は、断面入力画面120を表示し、膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定及び鉄筋コンクリートの断面に関する設定を受け付ける。また、ユーザが、照査設定ボタン104を押下すると、設計支援装置10は、照査条件の設定画面130を表示し、照査条件を受け付ける。
【0075】
その後、ユーザによりメイン画面100の解析ボタン106が押下されると、設計支援装置10は、膨張コンクリートの内部ひずみの分布の解析処理(S10)を実行する。
【0076】
解析処理後、ステップ202(S202)において、ユーザによりメイン画面100の安全性の検討ボタン108が押下されると、設計支援装置10は、曲げ耐力及び軸方向耐力を算出し、算出結果及び判定結果を含む検討結果画面150を表示する。
【0077】
また、ステップ204(S204)において、設計支援装置10は、せん断耐力を算出し、算出結果及び判定結果を含む検討結果画面(不図示)を表示装置20に表示する。
さらに、ステップ206(S206)において、ユーザによりメイン画面100の使用性の検討ボタン110が押下されると、設計支援装置10は、ひび割れ幅を算出し、算出結果及び判定結果を含む検討結果画面(不図示)を表示装置20に表示する。
なお、S202〜S206の処理の順序は、本例に限定されず、いかなる順序であってもよい。また、せん断耐力及びひび割れ幅に関する検討結果画面には、曲げ耐力及び軸方向耐力に関する検討結果画面と実質的に同様の内容が含まれている。
【符号の説明】
【0078】
10 設計支援装置
12 CPU
14 メモリ
16 記憶装置
18 通信装置
20 表示装置
22 入力装置
200 断面設計支援プログラム
202 制御部
204 表示部
206 入力受付部
208 解析部
210 結果記憶部
212 曲げ耐力算出部
214 せん断耐力算出部
216 ひび割れ幅算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材の曲げ耐力及び軸方向耐力の少なくともいずれかを算出する曲げ耐力/軸方向耐力算出手段と
を有する鉄筋コンクリート部材の設計支援装置。
【請求項2】
膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材の断面応力度を算出する断面応力度算出手段と
を有する鉄筋コンクリート部材の設計支援装置。
【請求項3】
膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材のひび割れ幅を算出するひび割れ幅算出手段と
を有する鉄筋コンクリート部材の設計支援装置。
【請求項4】
鉄筋コンクリート部材のせん断耐力を算出するせん断耐力算出手段
をさらに有する請求項1から3のいずれかに記載の鉄筋コンクリート部材の設計支援装置。
【請求項5】
膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付け、
前記受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析し、
前記解析の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材の曲げ耐力及び軸方向耐力の少なくともいずれかを算出する
鉄筋コンクリート部材の設計支援方法。
【請求項6】
前記解析結果に基づいて、試験用部材の長さ変化率を推定する
請求項5に記載の鉄筋コンクリート部材の設計支援方法。
【請求項7】
前記推定された長さ変化率に基づいて、膨張材の混和量を算出する
請求項6に記載の鉄筋コンクリート部材の設計支援方法。
【請求項8】
コンピュータを含む鉄筋コンクリート部材の設計支援装置において、
膨張材を混和したコンクリートの特性に関する設定であって、少なくとも膨張材の種類及び混和量に応じた膨張ひずみ値であって拘束体の長さ変化率を示す膨張ひずみ値を含む設定と鉄筋コンクリート部材の断面に関する設定とを受け付ける受付ステップと、
前記受け付けられた設定の膨張ひずみ値に基づいて、部材断面を所定の方向に対して分割し、断面内のコンクリートの膨張力と拘束体の引張力との釣り合い条件から断面内のひずみ分布及び応力分布の少なくともいずれかを解析する解析ステップと、
前記解析手段の解析結果による、部材断面内のコンクリートの膨張力によるひずみ分布及び応力分布を受け付けて解析する積層モデルを用いて、鉄筋コンクリート部材の曲げ耐力及び軸方向耐力の少なくともいずれかを算出する曲げ耐力/軸方向耐力算出ステップと
を前記コンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−216235(P2012−216235A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−141867(P2012−141867)
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【分割の表示】特願2007−257597(P2007−257597)の分割
【原出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【Fターム(参考)】