説明

鉛文字板、放射線変換器、放射線画像撮影システム、鉛文字用ケース、保管設備及び画像読取装置

【課題】例えば左手を撮影する場合に、右を示す鉛文字を貼り付けてしまうという間違いを簡単に防止することができ、撮影のトータル時間の短縮化、無駄な撮影の回避を実現する。
【解決手段】基材302と、該基材302に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字304とを有する鉛文字板300において、基材302の一部に無線通信手段を有する。無線通信手段として、無線ICタグ306(RFIDタグあるいは電子タグ等とも称される)を用いることができる。そして、電子カセッテは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される。筐体内には、鉛文字板300の無線ICタグ306からの送信情報を受信する受信部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体に放射線を照射して放射線画像の撮影を行う際に使用される鉛文字板、放射線画像の撮影を行うための放射線変換器、それを利用した放射線画像撮影システム、鉛文字板を収容するための鉛文字用ケース、鉛文字板を保管するための保管設備、並びに放射線変換器の放射線変換パネルから画像を読み取るための画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、被写体に放射線を照射し、被写体を透過した放射線を放射線変換パネルに導いて放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置が広汎に使用されている。
【0003】
この場合、放射線変換パネルとしては、放射線画像が露光記録される従来からの放射線フイルムや、蛍光体に放射線画像としての放射線エネルギを蓄積し、励起光を照射することで放射線画像を輝尽発光光として取り出すことのできる蓄積性蛍光体パネルが知られている。これらの放射線変換パネルは、放射線画像が記録された放射線フイルムを現像装置に供給して現像処理を行い、あるいは、蓄積性蛍光体パネルを読取装置に供給して読取処理を行うことで、可視画像としての放射線画像が得られる。
【0004】
一方、手術室等の医療現場においては、患者に対して迅速且つ的確な処置を施すため、放射線変換パネルから直ちに放射線画像を読み出して表示できることが要求される。このような要求に対応可能な放射線変換パネルとして、放射線を直接電気信号に変換し、あるいは、放射線をシンチレータで可視光に変換した後、電気信号に変換して読み出す固体検出素子を用いた放射線変換パネルが開発されている。
【0005】
放射線撮影においては、撮影条件や手技などのX線撮影に必要な情報の入力や調整を簡単にかつ速やかに行えるようにするために、特許文献1記載の方法が提案されている。この方法は、コンソールの表示画面に、撮影メニューと手技の詳細画面を表示して確認できるようにしたものである。
【0006】
また、放射線撮影においては、多くの場合、被写体のごく一部分のみが撮影される。このため、従来のX線写真法においては、撮影時の患者の向きやX線の入射方向等の撮影条件をX線画像内に表示するために、撮影時に鉛でできた文字型を被写体と一緒に写し込んでいる。すなわち、右を示す「R」や左を示す「L」等の文字型を被写体と一緒に撮影することにより、フイルム上に文字型の影が撮影されるので、診断者やオペレータは、撮影部位や撮影方向等を容易に判別することができる。このようにしてX線画像に写し込まれる文字は、鉛文字と呼ばれている。
【0007】
このような鉛文字を使用した場合、鉛文字を付着した状態で、例えば画像読取装置に間違って装填してしまった場合、画像読取装置内において鉛文字が落下する等、不測の事態を引き起こし、画像読取装置の故障を招来させるという問題がある。
【0008】
そこで、特許文献2では、簡単な構成で、カセッテから鉛文字を容易かつ確実に除去し回収することを可能にする方法を提案している。この方法は、カセッテ装填部に回転可能なローラ部材を設け、ローラ部材を回転駆動機構を介してカセッテに対し、該カセッテの装填方向とは反対方向に相対的に回転させることで、鉛文字を回収除去するというものである。
【0009】
【特許文献1】特開2006−81761号公報
【特許文献2】特開2000−89396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1記載の方法は、詳細画面の内容が緻密であり、一目で確認することができない。技師は詳細画面を確認し、記憶した手技内容に基づいて鉛文字を設置することになるが、記憶違いや画面内容の見間違いによって間違った鉛文字を設置するおそれがある。このように、間違いの客観的な事前検出ができないという問題がある。
【0011】
一方、特許文献2記載の装置は、鉛文字を除去回収するための装置であり、例えば左手を撮影する場合に、右を示す鉛文字を貼り付けてしまうという間違いを防止することはできない。また、装置内に、鉛文字が除去されたかどうかを確認する手段がない。カセッテを装置内に挿入してから鉛文字を除去回収することから、除去操作が行われる前に鉛文字が自然落下あるいは他の要因で外れた場合に、装置の各機構への不具合を引き起こすおそれがある。
【0012】
本発明は、前記の課題に鑑みなされたものであり、例えば左手を撮影する場合に、右を示す鉛文字を貼り付けてしまうという間違いを簡単に防止することができ、撮影のトータル時間の短縮化、無駄な撮影の回避を実現することができる鉛文字板、放射線変換器、放射線画像撮影システム、鉛文字用ケース及び保管設備を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明の他の目的は、蓄積性蛍光体パネルを有する放射線変換器に鉛文字が貼着されたまま画像読取装置に挿入してしまうという間違いを簡単に防止することができ、画像読取装置の故障誘発を回避することができる鉛文字板及び画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の本発明に係る鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有する鉛文字板において、前記基材の一部に無線通信手段を有することを特徴とする。
【0015】
第2の本発明に係る放射線変換器は、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器であって、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記筐体内に、前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部を有することを特徴とする。
第2の本発明において、入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有するようにしてもよい。この場合、前記報知手段は、前記筐体に表示部を有し、前記比較部での比較結果に対応した内容の表示を行う表示制御部を有するようにしてもよい。また、前記報知手段は、前記筐体に音声出力部を有し、前記比較部での比較結果に対応した内容を前記音声出力部を介して音声出力するようにしてもよい。
【0016】
第3の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記放射線変換器は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記クレードルは、
前記放射線変換器の前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0017】
第4の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記放射線変換器は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記クレードルは、
前記放射線変換器から送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0018】
第5の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線変換器は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記制御装置は、
前記放射線変換器の前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0019】
第6の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線変換器は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記制御装置は、
前記放射線変換器から送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0020】
第7の本発明に係る鉛文字用ケースは、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有する1以上の鉛文字板を収容するためのケース本体を有する鉛文字用ケースにおいて、
前記鉛文字板は、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記ケース本体は、前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部を有することを特徴とする。
【0021】
第8の本発明に係る保管設備は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有する1以上の鉛文字板が収容された鉛文字用ケースが載置される載置台を有し、少なくとも前記鉛文字用ケースを保管するための保管設備において、
前記鉛文字板は、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部を有することを特徴とする。
【0022】
第9の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルと、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記鉛文字用ケースは、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記クレードルは、
前記鉛文字用ケースの前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0023】
第10の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルと、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記鉛文字用ケースは、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記クレードルは、
前記入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記鉛文字用ケースから送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0024】
第11の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置と、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記鉛文字用ケースは、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記制御装置は、
前記鉛文字用ケースの前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0025】
第12の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置と、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記鉛文字用ケースは、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記制御装置は、
前記入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記鉛文字用ケースから送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0026】
第13の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルと、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースが載置される載置台とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記クレードルは、
前記載置台の前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0027】
第14の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルと、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースが載置される載置台とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記クレードルは、
前記入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記載置台から送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0028】
第15の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置と、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースが載置される載置台とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記制御装置は、
前記載置台の前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0029】
第16の本発明に係る放射線画像撮影システムは、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置と、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースが載置される載置台とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記制御装置は、
前記入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記載置台から送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0030】
第17の本発明に係る画像読取装置は、筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器が装填される装填部と、
放射線画像情報が記録された放射線変換パネルを搬送する搬送機構と、
前記放射線変換パネルに記録された前記放射線画像情報を、前記放射線変換パネルの搬送速度に同期して読み取る画像読取部と、
少なくとも前記搬送機構と前記画像読取部を制御する制御部とを有する放射線画像読取装置において、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記装填部に、前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
【0032】
(1)例えば左手を撮影する場合に、右を示す鉛文字を貼り付けてしまうという間違いを簡単に防止することができ、撮影のトータル時間の短縮化、無駄な撮影の回避を実現することができる。
【0033】
(2)蓄積性蛍光体パネルを有する放射線変換器に鉛文字が貼着されたまま画像読取装置に挿入してしまうという間違いを簡単に防止することができ、画像読取装置の故障誘発を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る鉛文字板、放射線変換器、放射線画像撮影システム、鉛文字用ケース、保管設備及び画像読取装置の実施の形態例を図1〜図18を参照しながら説明する。以下の内容において、「報知」とは正常であることを示す報告と、異常であることを示す警告を含む。
【0035】
先ず、本実施の形態に係る鉛文字板300は、図1に示すように、基材302と、該基材302に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字304とを有する。特に、本実施の形態においては、基材302の一部に無線ICタグ306(RFIDタグあるいは電子タグ等とも称される:無線通信手段)を有する。この無線ICタグ306は、図2Aに示すように、基材302の裏面に貼着するようにしてもよいし、図2Bに示すように、基材302に埋め込むようにしてもよい。
【0036】
鉛文字304は、右を示す「R」や左を示す「L」等の文字型で構成されている。従って、無線ICタグ306から送信される情報(タグ情報)は、少なくとも文字型が示す「R」や「L」を示す文字データである。
【0037】
鉛文字板300に設けられた無線ICタグ306は、パッシブタグ、アクティブタグのどちらでも使用可能であるが、鉛文字板300の小型化、軽量化を考慮した場合、パッシブタグが好ましい。
【0038】
そして、第1の実施の形態に係る放射線画像撮影システム(以下、第1放射線画像撮影システム10Aと記す)は、図3に示すように、撮影条件に従った線量からなる放射線Xを患者22(被写体)の例えば右手22aに照射する放射線源24と、放射線源24を制御する線源制御装置26と、右手22aを透過した放射線Xを検出する放射線検出器(放射線変換パネル)を内蔵した放射線変換器(以下、電子カセッテ28と記す)と、電子カセッテ28の充電処理を行うクレードル30と、放射線源24の撮影スイッチを有し、撮影作業を含む状態確認のために技師が所持する携帯情報端末32と、線源制御装置26、電子カセッテ28、クレードル30及び携帯情報端末32を制御すると共に、必要な情報の授受を行うコンソール34(制御装置)とを備える。
【0039】
放射線源24、線源制御装置26及びクレードル30は、撮影室36内に配置され、コンソール34は、撮影室36外の操作室38に配置される。また、線源制御装置26、電子カセッテ28、クレードル30、携帯情報端末32及びコンソール34の間では、無線通信による必要な情報の送受信が行われる。
【0040】
電子カセッテ28は、図4に示すように、放射線Xを透過させる材料からなる筐体40を備える。筐体40の内部には、放射線Xが照射される照射面側から、患者22による放射線Xの散乱線を除去するグリッド42、患者22を透過した放射線Xを検出する放射線検出器44(固体検出器)、及び、放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板46が順に配設される。
【0041】
また、筐体40の内部には、図4及び図5に示すように、電子カセッテ28の電源であるバッテリ48と、放射線検出器44を駆動制御するカセッテ制御部52と、放射線検出器44によって検出した放射線Xの画像情報を含む信号を、クレードル30、携帯情報端末32及びコンソール34との間で送受信する送受信部54とが収容される。なお、カセッテ制御部52及び送受信部54には、放射線Xが照射されることによる損傷を回避するため、筐体40の照射面側に鉛板等を配設しておくことが好ましい。
【0042】
また、図4に示すように、筐体40の側面には、液晶画面やLED等の表示部62が設けられている。表示部62が液晶画面であれば、少なくとも鉛文字が間違っている旨のエラーメッセージ等が表示されるようになっている。表示部62がLEDであれば、鉛文字が間違っていることを示すための例えば赤色のLEDが設置される。もちろん、鉛文字が正しいことを示すための緑色のLEDを設置するようにしてもよい。なお、図4には、表示部62として液晶画面を設置した例を示している。
【0043】
放射線検出器44は、図5に示すように、放射線Xを感知して電荷を発生させるアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる光電変換層64を行列状の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)66のアレイの上に配置した構造を有し、発生した電荷を蓄積容量68に蓄積した後、各行毎にTFT66を順次オンにして、電荷を画像信号として読み出す。図5では、光電変換層64及び蓄積容量68からなる1つの画素70と1つのTFT66との接続関係のみを示し、その他の画素70の構成については省略している。なお、アモルファスセレンは、高温になると構造が変化して機能が低下してしまうため、所定の温度範囲内で使用する必要がある。従って、電子カセッテ28内に放射線検出器44を冷却する手段を配設することが好ましい。
【0044】
各画素70に接続されるTFT66には、行方向と平行に延びるゲート線72と、列方向と平行に延びる信号線74とが接続される。各ゲート線72は、ライン走査駆動部76に接続され、各信号線74は、読取回路を構成するマルチプレクサ78に接続される。
【0045】
ゲート線72には、行方向に配列されたTFT66をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部76から供給される。この場合、ライン走査駆動部76は、ゲート線72を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力する第1アドレスデコーダ80とを備える。第1アドレスデコーダ80には、カセッテ制御部52からアドレス信号が供給される。
【0046】
また、信号線74には、列方向に配列されたTFT66を介して各画素70の蓄積容量68に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器82によって増幅される。増幅器82には、サンプルホールド回路84を介してマルチプレクサ78が接続される。マルチプレクサ78は、信号線74を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力する第2アドレスデコーダ86とを備える。第2アドレスデコーダ86には、カセッテ制御部52からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ78には、A/D変換器88が接続され、A/D変換器88によってデジタル信号に変換された放射線画像情報がカセッテ制御部52に供給される。
【0047】
また、電子カセッテ28の筐体40内には、放射線検出器44によって検出した放射線画像情報を記憶する画像メモリ89が設置されている。放射線画像情報は、送受信部54を介してクレードル30、携帯情報端末32及びコンソール34に送信される。なお、放射線画像情報は、必要に応じて、データ圧縮された状態で送信される。
【0048】
図6は、第1放射線画像撮影システム10Aの構成ブロック図である。コンソール34には、病院内の放射線科において取り扱われる放射線画像情報やその他の情報を統括的に管理する放射線科情報システム(RIS)90が接続され、また、RIS90には、病院内の医事情報を統括的に管理する医事情報システム(HIS)92が接続される。
【0049】
そして、電子カセッテ28は、鉛文字板300の無線ICタグ306から送信される送信情報(タグ情報St)を受信するタグ情報受信部94を有し、電子カセッテ28のカセッテ制御部52は、図7に示すように、撮影可能判別部96を有する。
【0050】
撮影可能判別部96は、タグ情報受信部94にて受信されたタグ情報Stと、送受信部54を通じて受信された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部98を有する。
【0051】
鉛文字板300の無線ICタグ306からタグ情報受信部94へのタグ情報Stの送信は、電磁誘導方式や電波方式を好ましく採用することができる。
【0052】
そして、比較部98においてタグ情報Stが撮影部位情報と対応していると判別された場合は、撮影可能判別部96から許可信号Scが出力され、比較部98においてタグ情報Stが撮影部位情報と対応していないと判別された場合は、撮影可能判別部96から不許可信号Sdが出力される。
【0053】
カセッテ制御部52は、さらに、警告信号出力部104と、禁止信号出力部106と、表示制御部108とを有する。
【0054】
警告信号出力部104は、撮影可能判別部96からの不許可信号Sdの出力に基づいて、警告を発するための警告信号Seを出力する。禁止信号出力部106は、不許可信号Sdの出力に基づいて、放射線源24からの放射線Xの出力を禁止するための曝射禁止信号Sfを出力する。
【0055】
上述した許可信号Sc、警告信号Se及び曝射禁止信号Sfは、送受信部54を通じて外部(例えば携帯情報端末32、クレードル30、コンソール34等)にも送信されるようになっている。
【0056】
表示制御部108は、撮影可能判別部96からの許可信号Scの出力に基づいて、筐体40の側面に設置された表示部62に、鉛文字が正しい旨のメッセージやマーク(○マーク等)を表示するように制御し、警告信号出力部104からの警告信号Seの出力に基づいて、表示部62に、鉛文字が違っている旨のメッセージやマーク(×マーク等)を表示するように制御する。なお、表示部62としてLEDを設置している場合は、撮影可能判別部96からの許可信号Scの出力に基づいて、例えば緑色のLEDのみを点灯するように制御し、警告信号出力部104からの警告信号Seの出力に基づいて、赤色のLEDのみを点灯するように制御する。つまり、表示部62及び表示制御部108は、鉛文字が間違っているか、正しいかを報知する報知手段として機能する。
【0057】
上述の例では、鉛文字板300を電子カセッテ28に設置した場合に、電子カセッテ28の表示部62から鉛文字に関する情報を報知するようにしたが、電子カセッテ28を振動させて報知させるようにしてもよい。例えば、警告信号出力部104からの警告信号Seの出力に基づいて、長い時間(最大1分程度)振動させて、鉛文字が間違っていることを注意喚起させるようにしてもよい。撮影可能判別部96からの許可信号Scが出力された場合は、短い時間(2秒〜3秒)だけ振動させて鉛文字が正しいことを知らせるようにしてもよい。この振動発生源としては、電気信号の特性(電圧レベル、電流レベル、周波数等)に応じて様々な振動パターンを発生することができる圧電スピーカが好ましく採用することができる。また、圧電スピーカを用いた場合、振動と共に音声を出力させるようにしてもよい。音声出力の場合は、撮影可能判別部96からの許可信号Scの出力に基づいて、例えば「OK」という単語の短い音声を出力するように制御し、警告信号出力部104からの警告信号Seの出力に基づいて、「NO GO」という比較的単語の長い音声を出力するように制御する。
【0058】
一方、図6に示すように、クレードル30の第1制御部110は、電子カセッテ28のバッテリ48の充電処理を行う充電処理部112を制御する一方、第1送受信部114を介してコンソール34から受信した情報を第1表示部116に表示するとともに、必要に応じて第1スピーカ118を鳴動させる。なお、第1表示部116には、電子カセッテ28によって取得した放射線画像情報をプレビュー画像として表示させるようにしてもよい。
【0059】
また、クレードル30の第1制御部110は、図7に示すように、第1表示制御部120と第1音声出力制御部122とを有する。第1表示制御部120は、電子カセッテ28から出力された許可信号Scの入力に基づいて、第1表示部116に、鉛文字が正しい旨のメッセージやマーク(○マーク等)を表示するように制御し、警告信号Seの入力に基づいて、鉛文字が違っている旨のメッセージやマーク(×マーク等)を表示するように制御する。第1音声出力制御部122は、許可信号Scの入力に基づいて、第1スピーカ118を介して鉛文字が正しい旨のメッセージを音声出力するように制御し、警告信号Seの入力に基づいて、第1スピーカ118を介して警告を音声出力するように制御する。つまり、第1表示部116及び第1表示制御部120、並びに第1スピーカ118及び第1音声出力制御部122は、鉛文字が間違っているか、正しいかを報知する報知手段として機能する。
【0060】
図6に示すように、携帯情報端末32の第2制御部124は、放射線源24を駆動する撮影スイッチ126によって生成された撮影信号を第2送受信部128を介して線源制御装置26に供給する。また、第2制御部124は、第2送受信部128を介してコンソール34から受信した情報を第2表示部130に表示すると共に、必要に応じて第2スピーカ132を鳴動させる。第2表示部130には、電子カセッテ28によって取得した放射線画像情報をプレビュー画像として表示させるようにしてもよい。なお、携帯情報端末32は、必要な情報を設定することのできる操作部134を有する。
【0061】
携帯情報端末32の第2制御部124は、図7に示すように、第2表示制御部136と第2音声出力制御部138と撮影スイッチ制御部140とを有する。第2表示制御部136は、電子カセッテ28から出力された許可信号Scの入力に基づいて、第2表示部130に、鉛文字が正しい旨のメッセージやマーク(○マーク等)を表示するように制御し、警告信号Seの入力に基づいて、鉛文字が違っている旨のメッセージやマーク(×マーク等)を表示するように制御する。第2音声出力制御部138は、許可信号Scの入力に基づいて、第2スピーカ132を介して鉛文字が正しい旨のメッセージを音声出力するように制御し、警告信号Seの入力に基づいて、第2スピーカ132を介して警告を音声出力するように制御する。つまり、第2表示部130及び第2表示制御部136、並びに第2スピーカ132及び第2音声出力制御部138は、鉛文字が間違っているか、正しいかを報知する報知手段として機能する。一方、撮影スイッチ制御部140は、電子カセッテ28から出力された曝射禁止信号Sfの入力に基づいて、撮影スイッチ126の操作を一時的に、例えば次の許可信号Scの到来時まで無効にするように制御する。
【0062】
図6に示すように、コンソール34は、第3制御部142と、線源制御装置26、電子カセッテ28、クレードル30及び携帯情報端末32に対して、必要な情報を無線通信により送受信する第3送受信部144と、患者情報を設定する患者情報設定部146と、患者22の撮影部位を撮影メニューから選択して設定する撮影メニュー設定部147と、線源制御装置26による撮影に必要な撮影条件を設定する撮影条件設定部148と、電子カセッテ28から送信された放射線画像情報に対する画像処理を行う画像処理部150と、処理した放射線画像情報を記憶する画像メモリ152と、放射線画像情報や患者情報、撮影メニュー等を表示する第3表示部154と、必要に応じた警報を鳴動させる第3スピーカ156とを備える。
【0063】
なお、患者情報とは、患者22の氏名、性別、患者ID番号等、患者22を特定するための情報である。撮影メニューは、患者22の撮影部位を選択するためのメニューであり、撮影部位としては、例えば、患者22の頭部、胸部、四肢等を上げることができる。撮影条件とは、患者22の撮影部位に対して、適切な線量からなる放射線Xを照射するための管電圧、管電流、照射時間等を決定するための条件である。患者情報、撮影メニュー及び撮影条件を含む撮影のオーダリング情報は、コンソール34で直接設定し、あるいは、RIS90を介してコンソール34に外部から供給することができる。
【0064】
また、コンソール34の第3制御部142は、図7に示すように、第3表示制御部158と第3音声出力制御部160と無効信号出力部162とを有する。第3表示制御部158は、電子カセッテ28から出力された許可信号Scの入力に基づいて、第3表示部154に、鉛文字が正しい旨のメッセージやマーク(○マーク等)を表示するように制御し、警告信号Seの入力に基づいて、鉛文字が違っている旨のメッセージやマーク(×マーク等)を表示するように制御する。第3音声出力制御部160は、許可信号Scの入力に基づいて、第3スピーカ156を介して鉛文字が正しい旨のメッセージを音声出力するように制御し、警告信号Seの入力に基づいて、第3スピーカ156を介して警告を音声出力するように制御する。つまり、第3表示部154及び第3表示制御部158、並びに第3スピーカ156及び第3音声出力制御部160は、鉛文字が間違っているか、正しいかを報知する報知手段として機能する。一方、無効信号出力部162は、電子カセッテ28から出力された曝射禁止信号Sfの入力に基づいて、線源制御装置26に無効信号Sgを出力する。この無効信号Sgが線源制御装置26に入力されることによって、線源制御装置26に対する携帯情報端末32からの入力割り込みが一時的に禁止される。
【0065】
第1放射線画像撮影システム10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【0066】
患者22の放射線画像を撮影する際、コンソール34の患者情報設定部146を用いて当該患者22の患者情報を設定するとともに、撮影条件設定部148を用いて必要な撮影条件を設定する。また、撮影メニュー設定部147を用いて、第3表示部154に表示させた撮影メニューから所望の撮影部位、例えば、胸部、頭部、四肢等を選択して設定する。
【0067】
設定された患者情報、撮影条件及び撮影部位は、技師が所持する携帯情報端末32に送信され、その第2表示部130に表示される。この場合、技師は、携帯情報端末32の第2表示部130に表示された患者情報、撮影条件及び撮影部位を確認して、所望の撮影準備を行うことができる。
【0068】
従って、電子カセッテ28を使用して例えば右手22aや右足等の放射線撮影を行う場合、コンソール34から電子カセッテ28に対して患者情報、撮影条件、撮影部位等の情報が送信され、これらの情報は電子カセッテ28の送受信部54を介して電子カセッテ28に確保される(データメモリ等に記録される)。
【0069】
続いて、技師は、撮影メニューから選択した患者22の所望の撮影部位(例えば右手22a)に電子カセッテ28を設置すると共に、鉛文字板300も一緒に撮影するべく、鉛文字板300を電子カセッテ28の表面に設置する。鉛文字板300の無線ICタグ306からは電子カセッテ28に向かってタグ情報Stが送信され、該タグ情報Stは、電子カセッテ28のタグ情報受信部94において受信される。
【0070】
タグ情報受信部94にて受信されたタグ情報Stは、比較部98において撮影部位情報と比較される。比較部98において、タグ情報Stと撮影部位情報とが対応していると判別された場合(撮影部位情報が例えば「右」であり、鉛文字板300の文字も「右」を示す場合)、撮影可能判別部96から許可信号Scが出力される。
【0071】
反対に、比較部98において、タグ情報Stと撮影部位情報とが対応していないと判別された場合(撮影部位情報が例えば「右」であり、鉛文字板300の文字が「左」を示す場合)、撮影可能判別部96から不許可信号Sdが出力される。この場合、カセッテ制御部52の警告信号出力部104から警告信号Seが出力され、禁止信号出力部106から曝射禁止信号Sfが出力される。許可信号Sc、又は、警告信号Se及び曝射禁止信号Sfは、送受信部54を通じて携帯情報端末32、クレードル30、コンソール34に送信される。
【0072】
併せて、カセッテ制御部52の表示制御部108によって、筐体40の側面に設置された表示部62に、鉛文字が正しいか、あるいは間違っているかを示すメッセージやマークあるいはLEDが表示される。
【0073】
従って、技師は、鉛文字板300を電子カセッテ28の表面に設置した段階で、筐体40の側面の表示部62を見ることによって、正しい鉛文字板300を設置したかどうかを容易に確認できる。もし、鉛文字が間違っているのであれば、正しい鉛文字板300に迅速に取り替えることができる。なお、電子カセッテ28に圧電スピーカ等の振動発生源を設置した場合は、その振動の態様や音声出力の内容によって正しい鉛文字板を設置したかどうかを容易に確認できる。
【0074】
上述したように、電子カセッテ28から出力された許可信号Sc、又は、警告信号Se及び曝射禁止信号Sfは携帯情報端末32に入力されることになる。この場合、携帯情報端末32に設けられた第2表示部130に、鉛文字が正しいか、あるいは間違っているかを示すメッセージやマークが表示され、第2スピーカ132を介して鉛文字が正しいか、あるいは間違っているかを示すメッセージが音声出力されることになる。さらに、曝射禁止信号Sfが入力されることによって、撮影スイッチ126の操作が一時的に無効となる。携帯情報端末32を操作する技師(電子カセッテ28を設置する技師と異なる技師でもよい)が、第2表示部130に表示されたメッセージや音声出力された警告を確認することによって、撮影スイッチ126の操作を止めることになる。もし、間違って撮影スイッチ126を操作したとしても、一時的に無効となっているため、X線は照射されない。
【0075】
同様に、電子カセッテ28から出力された許可信号Sc、又は警告信号Seはクレードル30にも入力されることになる。この場合、クレードル30に設けられた第1表示部116にも、鉛文字が正しいか、あるいは間違っているかを示すメッセージやマークが表示され、第1スピーカ118を介して鉛文字が正しいか、あるいは間違っているかを示すメッセージが音声出力されることになる。これにより、クレードル30の近くにいる技師も、正しい鉛文字板を設置したかどうかを容易に認識することができる。
【0076】
また、電子カセッテ28から出力された許可信号Sc、又は警告信号Se及び曝射禁止信号Sfはコンソール34にも入力されることになる。この場合、コンソール34の第3表示部154に、鉛文字が正しいか、あるいは間違っているかを示すメッセージやマークが表示され、第3スピーカ156を介して鉛文字が正しいか、あるいは間違っているかを示すメッセージが音声出力されることになる。さらに、曝射禁止信号Sfが入力されることによって、線源制御装置26に無効信号Sgを出力する。この無効信号Sgが線源制御装置26に入力されることによって、線源制御装置26に対する携帯情報端末32からの入力割り込みが一時的に禁止される。これにより、確実に、X線の照射を一時的に停止させることができる。これは、曝射禁止信号Sfを携帯情報端末32に送信しない仕様において、電子カセッテ28が撮影可能モードに移行できない場合に有効となる。
【0077】
そして、正しい鉛文字板300を設置した場合、あるいは正しい鉛文字板300に取り替えた場合は、該電子カセッテ28から許可信号Scが出力されることから、該電子カセッテ28に対する通常の操作が行われる。
【0078】
すなわち、技師は、携帯情報端末32の撮影スイッチ126を操作し、放射線画像の撮影を行う。撮影スイッチ126が操作されると、携帯情報端末32の第2制御部124は、第2送受信部128を介して撮影開始信号を線源制御装置26に送信する。撮影開始信号を受信した線源制御装置26は、予めコンソール34から供給されている撮影条件に従って放射線源24を制御し、放射線Xを患者22の右手22a及び鉛文字板300に照射する。
【0079】
患者22の右手22a及び鉛文字板300を透過した放射線Xは、電子カセッテ28のグリッド42によって散乱線が除去された後、放射線検出器44に照射され、放射線検出器44を構成する各画素70の光電変換層64によって電気信号に変換され、蓄積容量68に電荷として保持される(図5参照)。次いで、各蓄積容量68に保持された患者22の放射線画像情報である電荷情報は、カセッテ制御部52からライン走査駆動部76及びマルチプレクサ78に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
【0080】
すなわち、ライン走査駆動部76の第1アドレスデコーダ80は、カセッテ制御部52から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線72に接続されたTFT66のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ78の第2アドレスデコーダ86は、カセッテ制御部52から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部76によって選択されたゲート線72に接続された各画素70の蓄積容量68に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線74を介して順次読み出す。
【0081】
放射線検出器44の選択されたゲート線72に接続された各画素70の蓄積容量68から読み出された放射線画像情報は、各増幅器82によって増幅された後、各サンプルホールド回路84によってサンプリングされ、マルチプレクサ78を介してA/D変換器88に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像情報は、カセッテ制御部52の画像メモリ89に一旦記憶される。
【0082】
同様にして、ライン走査駆動部76の第1アドレスデコーダ80は、カセッテ制御部52から供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線72に接続されている各画素70の蓄積容量68に保持された電荷情報である放射線画像情報を信号線74を介して読み出し、マルチプレクサ78及びA/D変換器88を介してカセッテ制御部52の画像メモリ89に記憶させる。
【0083】
画像メモリ89に記憶された放射線画像情報は、送受信部54を介して無線通信によりコンソール34に送信され、画像処理部150により画像処理が施された後、患者情報と関連付けられた状態で画像メモリ152に記憶される。次いで、画像メモリ152に記憶された放射線画像情報は、第3表示部154に表示される。
【0084】
一方、電子カセッテ28の画像メモリ89に記憶された放射線画像情報は、カセッテ制御部52によってデータ圧縮処理された後、クレードル30又は携帯情報端末32に送信され、圧縮画像として第1表示部116又は第2表示部130に表示させることができる。技師は、第1表示部116又は第2表示部130に表示された圧縮画像を確認し、再撮影の要否等の判断を行うことができる。なお、放射線画像情報は、データ圧縮されることで情報量が削減されているため、速やかに表示することができる。
【0085】
放射線画像情報の撮影処理が行われた電子カセッテ28は、バッテリ48が消耗する。この場合、電子カセッテ28は、クレードル30に装着することで充電処理が行われる。
【0086】
このように、第1放射線画像撮影システム10Aにおいては、例えば右手22aを撮影する場合に、左を示す鉛文字板300を貼り付けてしまうという間違いを簡単に防止することができ、撮影のトータル時間の短縮化、無駄な撮影の回避を実現することができる。
【0087】
特に、間違った鉛文字板300を設置した場合に、電子カセッテ28の表示部62、クレードル30の第1表示部116、携帯情報端末32の第2表示部130、コンソール34の第3表示部154を通じて、鉛文字が間違っている旨が表示され、しかも、クレードル30の第1スピーカ118、携帯情報端末32の第2スピーカ132、コンソール34の第3スピーカ156を通じて、鉛文字が間違っている旨が音声出力されることから、鉛文字が間違っていることを撮影室36全体に知らせることができ、鉛文字に対する注意喚起が徹底されることとなる。これは、無駄な放射線の曝射を事前に回避することができることにつながる。
【0088】
しかも、間違った鉛文字板300が設置されたにも拘わらず、撮影スイッチ126が操作されたとしても、曝射を一時的に禁止することができるため、無駄な曝射を回避することができる。これは、患者への曝射に対する配慮も実現できると共に、電子カセッテ28の使用寿命も長くすることができる。曝射が一時的に停止されたとしても、技師が正しい鉛文字板300に取り替えるだけの時間で済むため、患者への精神的負担をなくすことが可能となる。
【0089】
次に、第1放射線画像撮影システム10Aのいくつかの変形例について説明する。
【0090】
先ず、第1変形例に係る放射線画像撮影システム10Aaは、上述した第1放射線画像撮影システム10Aとほぼ同様の構成を有するが、図8に示すように、撮影可能判別部96、警告信号出力部104及び禁止信号出力部106が電子カセッテ28のカセッテ制御部52ではなく、クレードル30の第1制御部110に組み込まれている点で異なる。
【0091】
従って、鉛文字板300の無線ICタグ306から送信されたタグ情報Stは、電子カセッテ28のタグ情報受信部94で受信され、カセッテ制御部52及び送受信部54を介してクレードル30に送信されることになる。
【0092】
この場合、クレードル30における撮影可能判別部96の比較部98において、第1送受信部114を介して受信されたタグ情報Stと、同じく第1送受信部114を通じて受信された少なくとも撮影部位情報とが比較される。
【0093】
そして、比較部98においてタグ情報Stが撮影部位情報と対応していると判別された場合は、撮影可能判別部96から許可信号Scが出力され、比較部98においてタグ情報Stが撮影部位情報と対応していないと判別された場合は、撮影可能判別部96から不許可信号Sdが出力される。
【0094】
警告信号出力部104、禁止信号出力部106、第1表示制御部120及び第1音声出力制御部122での動作は、上述した第1放射線画像撮影システム10Aと同様であるため、ここではその詳細説明を省略する。
【0095】
撮影可能判別部96からの許可信号Sc、又は警告信号出力部104からの警告信号Se及び禁止信号出力部106からの曝射禁止信号Sfは、第1送受信部114を通じて携帯情報端末32及びコンソール34に送信される。
【0096】
次に、第2変形例に係る放射線画像撮影システム10Abは、第1放射線画像撮影システム10Aとほぼ同様の構成を有するが、図9に示すように、撮影可能判別部96及び警告信号出力部104が電子カセッテ28のカセッテ制御部52ではなく、携帯情報端末32の第2制御部124に組み込まれている点で異なる。
【0097】
従って、鉛文字板300の無線ICタグ306から送信されたタグ情報Stは、電子カセッテ28のタグ情報受信部94で受信され、カセッテ制御部52及び送受信部54を介して携帯情報端末32に送信されることになる。
【0098】
この場合、携帯情報端末32における撮影可能判別部96の比較部98において、第2送受信部128を介して受信されたタグ情報Stと、同じく第2送受信部128を通じて受信された少なくとも撮影部位情報とが比較される。
【0099】
そして、比較部98においてタグ情報Stが撮影部位情報と対応していると判別された場合は、撮影可能判別部96から許可信号Scが出力され、比較部98においてタグ情報Stが撮影部位情報と対応していないと判別された場合は、撮影可能判別部96から不許可信号Sdが出力される。
【0100】
警告信号出力部104、第2表示制御部136及び第2音声出力制御部138での動作は、上述した第1放射線画像撮影システム10Aと同様であるため、ここではその詳細説明を省略する。
【0101】
撮影スイッチ制御部140は、警告信号出力部104から出力された警告信号Seの入力に基づいて、撮影スイッチ126の操作を一時的に、例えば次の許可信号Scの到来時まで無効にするように制御する。
【0102】
撮影可能判別部96からの許可信号Sc、又は警告信号出力部104からの警告信号Seは、第2送受信部128を通じてクレードル30及びコンソール34に送信される。なお、コンソール34の無効信号出力部162は、携帯情報端末32から出力された警告信号Seの入力に基づいて、線源制御装置26に無効信号Sgを出力する。
【0103】
次に、第3変形例に係る放射線画像撮影システム10Acは、第1放射線画像撮影システム10Aとほぼ同様の構成を有するが、図10に示すように、撮影可能判別部96、警告信号出力部104及び禁止信号出力部106が電子カセッテ28のカセッテ制御部52ではなく、コンソール34の第3制御部142に組み込まれている点で異なる。
【0104】
従って、鉛文字板300の無線ICタグ306から送信されたタグ情報Stは、電子カセッテ28のタグ情報受信部94で受信され、カセッテ制御部52及び送受信部54を介してコンソール34に送信されることになる。
【0105】
この場合、コンソール34における撮影可能判別部96の比較部98において、第3送受信部144を介して受信されたタグ情報Stと、同じく第3送受信部144を通じて受信された少なくとも撮影部位情報とが比較される。
【0106】
そして、比較部98においてタグ情報Stが撮影部位情報と対応していると判別された場合は、撮影可能判別部96から許可信号Scが出力され、比較部98においてタグ情報Stが撮影部位情報と対応していないと判別された場合は、撮影可能判別部96から不許可信号Sdが出力される。
【0107】
警告信号出力部104、禁止信号出力部106、第3表示制御部158及び第3音声出力制御部での動作は、上述した第1放射線画像撮影システム10Aと同様であるため、ここではその詳細説明を省略する。なお、無効信号出力部162は、警告信号出力部104から出力された警告信号Seの入力に基づいて、線源制御装置26に無効信号Sgを出力する。
【0108】
撮影可能判別部96からの許可信号Sc、又は警告信号出力部104からの警告信号Se、禁止信号出力部106からの曝射禁止信号Sf及び無効信号出力部162からの無効信号Sgは、第3送受信部144を通じてクレードル30及び携帯情報端末32に送信される。
【0109】
ところで、鉛文字板は、通常、保管設備に設置された鉛文字用ケースに収容されて保管される。この場合、タグ情報受信部は、上述したように、電子カセッテ内に設けるほか、鉛文字用ケースに設けることも可能である。
【0110】
すなわち、鉛文字用ケース310は、図11に示すように、1以上の鉛文字板(第1鉛文字板300a及び第2鉛文字板300b)を収容するためのケース本体312を有する。ここで、第1鉛文字板300aは、例えば「左」を示す「L」の鉛文字を有し、第2鉛文字板300bは、例えば「右」を示す「R」の鉛文字を有する。もちろん、この他の例もありうる。
【0111】
ケース本体312はタグ情報受信部94を有する。このタグ情報受信部94は、例えば図12Aに示すように、第1鉛文字板300aの第1無線ICタグ306a及び第2鉛文字板300bの第2無線ICタグ306bからの第1タグ情報St1及び第2タグ情報St2を受信するタグ情報受信部94を有する。このタグ情報受信部94は、図12Aに示すように、ケース本体312の裏面に設置するようにしてもよいし、図12Bに示すように、ケース本体312に埋め込むようにしてもよい。
【0112】
また、鉛文字用ケース310には、図11に示すように、技師が一目で確認できる位置に第4表示部316が設けられると共に、必要に応じて第4スピーカ318が設けられている。
【0113】
さらに、鉛文字用ケース310には、図13に示すように、タグ情報受信部94からのタグ情報等に基づいて第4表示部316や第4スピーカ318等を制御する制御部320と、情報をクレードル30、携帯情報端末32及びコンソール34との間で送受信する送受信部54とを有する。
【0114】
次に、上述した鉛文字用ケース310に対応した第2の実施の形態に係る放射線画像撮影システム(以下、第2放射線画像撮影システム10Bと記す)について図13及び図14を参照しながら説明する。
【0115】
この第2放射線画像撮影システム10Bは、図14に示すように、上述した第1放射線画像撮影システム10Aとほぼ同様の構成を有するが、以下の点で異なる。
【0116】
すなわち、制御部320は、第2比較部322を有する第2撮影可能判別部324と、警告信号出力部104と、禁止信号出力部106と、第4表示制御部326と、第4音声出力制御部328とを有する。
【0117】
第2撮影可能判別部324の第2比較部322は、上述した第1放射線画像撮影システム10Aにおける電子カセッテ28の比較部98と比較演算の仕方が異なる。具体的には、第2比較部322は、第1無線ICタグ306aからの第1タグ情報St1及び第2無線ICタグ306bからの第2タグ情報St2がタグ情報受信部94を介して第2比較部322に入力されている間は、技師が、第1鉛文字板300a及び第2鉛文字板300bのいずれも取り出していないものと判断し、第1タグ情報St1及び第2タグ情報St2を確保(データメモリ等に記録)して、待機状態となる。
【0118】
そして、技師が1つの鉛文字板、例えば第1鉛文字板300aを鉛文字用ケース310から取り出すと、取り出された第1鉛文字板300aの第1無線ICタグ306aからの第1タグ情報St1はタグ情報受信部94で受信されなくなる。
【0119】
そこで、第2比較部322は、受信されなくなった第1タグ情報St1と、送受信部54を通じて受信された少なくとも撮影部位情報とが比較される。第2比較部322において第1タグ情報St1が撮影部位情報と対応していると判別された場合は、技師が正しい鉛文字板を取り出したものと判断し、第2撮影可能判別部324から許可信号Scが出力され、第2比較部322において第1タグ情報St1が撮影部位情報と対応していないと判別された場合は、技師が間違った鉛文字板を取り出したものと判断し、第2撮影可能判別部324から不許可信号Sdが出力される。
【0120】
警告信号出力部104は、第2撮影可能判別部324からの不許可信号Sdの出力に基づいて、警告を発するための警告信号Seを出力する。禁止信号出力部106は、不許可信号Sdの出力に基づいて、放射線源24からの放射線Xの出力を禁止するための曝射禁止信号Sfを出力する。
【0121】
上述した許可信号Sc、又は警告信号Se及び曝射禁止信号Sfは、送受信部54を通じて外部(例えば携帯情報端末32、クレードル30、コンソール34等)にも送信される。
【0122】
第4表示制御部326は、第2撮影可能判別部324からの許可信号Scの出力に基づいて、鉛文字用ケース310に設置された第4表示部316に、鉛文字が正しい旨のメッセージやマーク(○マーク等)を表示するように制御し、警告信号出力部104からの警告信号Seの出力に基づいて、鉛文字が違っている旨のメッセージやマーク(×マーク等)を表示するように制御する。
【0123】
第4音声出力制御部328は、許可信号Scの入力に基づいて、第4スピーカ318を介して鉛文字が正しい旨のメッセージを音声出力するように制御し、警告信号Seの入力に基づいて、第4スピーカ318を介して警告を音声出力するように制御する。
【0124】
その他の動作は、第1放射線画像撮影システムと同様であるため、その説明を省略する。
【0125】
このように、第2放射線画像撮影システム10Bにおいては、例えば右手22aを撮影する場合に、左を示す鉛文字板300を貼り付けてしまうという間違いを簡単に防止することができ、撮影のトータル時間の短縮化、無駄な撮影の回避を実現することができる。
【0126】
特に、この第2放射線画像撮影システム10Bでは、電子カセッテ28にタグ情報受信部94を設ける必要がないため、上述した電子カセッテ28のほか、被写体を透過したX線が照射されることで放射線画像情報が記録される蓄積性蛍光体パネル(放射線変換パネル)を収容した放射線変換器(以下、IPカセッテと記す)にも適用することができる。
【0127】
しかも、鉛文字板を鉛文字用ケースから取り出した段階で、その正誤が判別されるため、鉛文字板を電子カセッテやIPカセッテに設置した段階では、正しい鉛文字板が設置されていることになり、撮影作業をより迅速に行うことができる。
【0128】
この第2放射線画像撮影システム10Bにおいても、上述した第1変形例に係る放射線画像撮影システム10Aa〜第3変形例に係る放射線画像撮影システム10Acと同様の構成を採用することができる。
【0129】
通常、上述した鉛文字用ケース310は、図15に示すように、保管設備330におけるキャビネットの棚板や机等に載置される。ここでは簡単に、キャビネットの棚板や机等を載置台332と記す。
【0130】
そして、タグ情報受信部94は、上述したように、電子カセッテ28内や鉛文字用ケース310のほか、載置台332に設けることも可能である。この場合、タグ情報受信部94は、載置台332の上面(鉛文字用ケース310が載置される部分)に貼着するようにしてもよいし、載置台332に埋め込むようにしてもよい。
【0131】
また、載置台332には、図15に示すように、技師が一目で確認できる位置に第5表示部334が設けられると共に、必要に応じて第5スピーカ336が設けられている。
【0132】
さらに、載置台332には、図16に示すように、タグ情報受信部94からのタグ情報等に基づいて第5表示部334や第5スピーカ336等を制御する制御部320と、情報をクレードル30、携帯情報端末32及びコンソール34との間で送受信する送受信部54とを有する。
【0133】
次に、上述した載置台332に対応した第3の実施の形態に係る放射線画像撮影システム(以下、第3放射線画像撮影システム10Cと記す)について図16及び図17を参照しながら説明する。
【0134】
この第3放射線画像撮影システム10Cは、図17に示すように、上述した第2放射線画像撮影システム10Bとほぼ同様の構成を有するが、以下の点で異なる。
【0135】
すなわち、制御部320は、第2比較部322を有する第2撮影可能判別部324と、警告信号出力部104と、禁止信号出力部106と、第5表示制御部338と、第5音声出力制御部340とを有する。
【0136】
そして、この場合も、技師が1つの鉛文字板、例えば第1鉛文字板300aを鉛文字用ケース310から取り出すと、取り出された第1鉛文字板300aの第1無線ICタグ306aからの第1タグ情報St1はタグ情報受信部94で受信されなくなる。
【0137】
そこで、第2比較部322は、受信されなくなった第1タグ情報St1と、送受信部54を通じて受信された少なくとも撮影部位情報とが比較される。第2比較部322において第1タグ情報St1が撮影部位情報と対応していると判別された場合は、技師が正しい鉛文字板を取り出したものと判断し、第2撮影可能判別部324から許可信号Scが出力され、第2比較部322において第1タグ情報St1が撮影部位情報と対応していないと判別された場合は、技師が間違った鉛文字板を取り出したものと判断し、第2撮影可能判別部324から不許可信号Sdが出力される。
【0138】
警告信号出力部104は、第2撮影可能判別部324からの不許可信号Sdの出力に基づいて、警告を発するための警告信号Seを出力する。禁止信号出力部106は、不許可信号Sdの出力に基づいて、放射線源24からの放射線Xの出力を禁止するための曝射禁止信号Sfを出力する。
【0139】
上述した許可信号Sc、又は警告信号Se及び曝射禁止信号Sfは、送受信部54を通じて外部(例えば携帯情報端末32、クレードル30、コンソール34等)にも送信される。
【0140】
第5表示制御部338は、第2撮影可能判別部324からの許可信号Scの出力に基づいて、載置台332に設置された第5表示部334に、鉛文字が正しい旨のメッセージやマーク(○マーク等)を表示するように制御し、警告信号出力部104からの警告信号Seの出力に基づいて、鉛文字が違っている旨のメッセージやマーク(×マーク等)を表示するように制御する。
【0141】
第5音声出力制御部340は、許可信号Scの入力に基づいて、第5スピーカ336を介して鉛文字が正しい旨のメッセージを音声出力するように制御し、警告信号Seの入力に基づいて、第5スピーカ336を介して警告を音声出力するように制御する。
【0142】
その他の動作は、第2放射線画像撮影システム10Bと同様であるため、その説明を省略する。
【0143】
このように、第3放射線画像撮影システム10Cにおいては、例えば右手22aを撮影する場合に、左を示す鉛文字板300を貼り付けてしまうという間違いを簡単に防止することができ、撮影のトータル時間の短縮化、無駄な撮影の回避を実現することができる。
【0144】
この第3放射線画像撮影システム10Cにおいても、放射線変換器にタグ情報受信部を設ける必要がないため、上述した電子カセッテのほか、IPカセッテにも適用することができる。
【0145】
しかも、鉛文字板を鉛文字用ケースから取り出した段階で、その正誤が判別されるため、鉛文字板を電子カセッテやIPカセッテに設置した段階では、正しい鉛文字板が設置されていることになり、撮影作業をより迅速に行うことができる。
【0146】
この第3放射線画像撮影システム10Cにおいても、上述した第1変形例に係る放射線画像撮影システム10Aa〜第3変形例に係る放射線画像撮影システム10Acと同様の構成を採用することができる。
【0147】
ところで、技師は、IPカセッテを使用して放射線撮影を行った場合、IPカセッテ内の蓄積性蛍光体パネルに記録された放射線画像情報を読み取るために、図18に示す画像読取装置400にセットする。
【0148】
この画像読取装置400は、蓄積性蛍光体パネル402を収容したIPカセッテ404を挿入するための挿入口406を有するカセッテ装填部408と、走査ユニット410及び消去ユニット412が具備された画像読取部414とを有する。
【0149】
走査ユニット410は、図示しないが、励起光であるレーザビームを導出して蓄積性蛍光体パネル402を搬送方向と直交する方向に走査する励起部と、レーザビームによって励起されることで放出される放射線画像情報に係る輝尽発光光を集光する集光ガイドと、集光ガイドによって集光された輝尽発光光を電気信号に変換するフォトマルチプライヤとを備える。なお、集光ガイドの一端部には、輝尽発光光の集光効率を高めるための集光ミラーが近接して配設される。
【0150】
消去ユニット412は、図示しないが、消去光を出力する冷陰極管からなる複数の消去光源を有する。
【0151】
また、この画像読取装置400は、放射線画像情報や患者情報、撮影メニュー等を表示する第6表示部416と、必要に応じて警報を鳴動させる第6スピーカ418とを備える。
【0152】
そして、この画像読取装置400は、カセッテ装填部408の挿入口406近傍に設置されたタグ情報受信部94と、タグ情報受信部94からの出力信号に基づいて各種制御信号を生成して出力する駆動制御部420と、カセッテ装填部408の挿入口406を開閉自在に移動するシャッタ422と、駆動制御部420からの制御信号に基づいてシャッタ422を開閉駆動するシャッタ機構424とを有する。
【0153】
ここで、IPカセッテ404に鉛文字板300が付着していれば、鉛文字板300に設けられている無線ICタグ306からのタグ情報がタグ情報受信部94にて受信されることになり、IPカセッテ404に鉛文字板300が付着していなければ、タグ情報受信部94でのタグ情報の受信はなされない。従って、タグ情報受信部94は、タグ情報を受信しない期間において正常信号(鉛文字板300が存在しないことを示す信号)を出力し、タグ情報を受信している期間において異常信号(鉛文字板300が存在することを示す信号)を出力する。正常信号及び異常信号は駆動制御部420に供給される。
【0154】
駆動制御部420は、正常信号が入力されている期間では、第6表示部416に正常を示すメッセージを出力するように制御し、異常信号が入力された時点で、第6表示部416に鉛文字が存在することを示すメッセージやマーク(×マーク等)を表示するように制御し、さらに、第6スピーカ418を介して警告を音声出力するように制御する。
【0155】
さらに、駆動制御部420は、正常信号が入力されている期間では、シャッタ機構424を、シャッタ422が挿入口406に対して開くように制御し、異常信号が入力された時点で、シャッタ422が閉じるように制御する。
【0156】
従って、画像読取装置400におけるカセッテ装填部408の挿入口406に、IPカセッテ404を挿入する際に、IPカセッテ404に鉛文字板300が付着されていなければ、シャッタ422は開いたままであるため、IPカセッテ404の一部又は全部を画像読取装置400内に挿入することができる。一方、IPカセッテ404に鉛文字板300が付着されていれば、第6表示部416に鉛文字が存在している旨のメッセージ等が表示され、第6スピーカ418から警告が音声出力することとなるため、技師は、IPカセッテ404に鉛文字板300が付着していることを認識することができる。しかも、挿入口406に対してシャッタ422が閉じることとなるため、鉛文字板300が付着した状態のIPカセッテ404を画像読取装置400内に挿入することが阻止される。もちろん、IPカセッテ404に付着している鉛文字板300を取り除けば、タグ情報受信部94から正常信号が出力されることから、上述したように、IPカセッテ404の一部又は全部を画像読取装置400内に挿入することができる。
【0157】
このように、蓄積性蛍光体パネル402を有するIPカセッテ404に鉛文字板300が付着されたまま画像読取装置400に挿入してしまうという間違いを簡単に防止することができ、画像読取装置400の故障誘発を回避することができる。
【0158】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0159】
例えば、電子カセッテ28に収容される放射線検出器44(放射線変換パネル)は、入射した放射線Xの線量を光電変換層64によって直接電気信号に変換するものであるが、これに代えて、入射した放射線Xをシンチレータによって一旦可視光に変換した後、この可視光をアモルファスシリコン(a−Si)等の固体検出素子を用いて電気信号に変換するように構成した放射線検出器を用いてもよい(特許第3494683号公報参照)。
【0160】
また、光変換方式の放射線検出器を利用して放射線画像情報を取得することもできる。この光変換方式の放射線検出器では、マトリクス状に配列された各固体検出素子に放射線が入射すると、その線量に応じた静電潜像が固体検出素子に蓄積記録される。静電潜像を読み取る際には、放射線検出器に読取光を照射し、発生した電流の値を放射線画像情報として取得する。なお、放射線検出器は、消去光を放射線検出器に照射することで、残存する静電潜像である放射線画像情報を消去して再使用することができる(特開2000−105297号公報参照)。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】鉛文字板を示す斜視図である。
【図2】図2Aは基材の裏面に無線ICタグを貼着した例を示す断面図であり、図2Bは基材内に無線ICタグを埋め込んだ例を示す断面図である。
【図3】第1放射線画像撮影システムを示す構成図である。
【図4】電子カセッテの内部構成図である。
【図5】電子カセッテに収納される放射線検出器の回路構成ブロック図である。
【図6】第1放射線画像撮影システムの構成ブロック図である。
【図7】第1放射線画像撮影システムの各制御部を主体に示す構成ブロック図である。
【図8】第1放射線画像撮影システムの第1変形例の各制御部を主体に示す構成ブロック図である。
【図9】第1放射線画像撮影システムの第2変形例の各制御部を主体に示す構成ブロック図である。
【図10】第1放射線画像撮影システムの第3変形例の各制御部を主体に示す構成ブロック図である。
【図11】鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースを示す斜視図である。
【図12】図12Aはケース本体の裏面にタグ情報受信部を設置した例を示す断面図であり、図12Bはケース本体内にタグ情報受信部を埋め込んだ例を示す断面図である。
【図13】第2放射線画像撮影システムの構成ブロック図である。
【図14】第2放射線画像撮影システムの各制御部を主体に示す構成ブロック図である。
【図15】鉛文字用ケースと該鉛文字用ケースが載置される載置台の一例を一部省略して示す斜視図である。
【図16】第3放射線画像撮影システムの構成ブロック図である。
【図17】第3放射線画像撮影システムの各制御部を主体に示す構成ブロック図である。
【図18】本実施の形態に係る画像読取装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0162】
10A、10Aa〜10Ac、10B、10C…放射線画像撮影システム
28…電子カセッテ
30…クレードル
32…携帯情報端末
34…コンソール
52…カセッテ制御部
54…送受信部
94…タグ情報受信部
96…撮影可能判別部
98…比較部
104…警告信号出力部
106…禁止信号出力部
108…表示制御部
110…第1制御部
114…第1送受信部
116…第1表示部
118…第1スピーカ
120…第1表示制御部
122…第1音声出力制御部
124…第2制御部
128…第2送受信部
130…第2表示部
132…第2スピーカ
136…第2表示制御部
138…第2音声出力制御部
142…第3制御部
144…第3送受信部
154…第3表示部
156…第3スピーカ
158…第3表示制御部
160…第3音声出力制御部
300、300a、300b…鉛文字板
302…基材
306、306a、306b…無線ICタグ
310…鉛文字用ケース
332…載置台
400…画像読取装置
404…IPカセッテ
420…駆動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有する鉛文字板において、
前記基材の一部に無線通信手段を有することを特徴とする鉛文字板。
【請求項2】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器であって、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記筐体内に、前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部を有することを特徴とする放射線変換器。
【請求項3】
請求項2記載の放射線変換器において、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線変換器。
【請求項4】
請求項3記載の放射線変換器において、
前記報知手段は、
前記筐体に表示部を有し、
前記比較部での比較結果に対応した内容の表示を行う表示制御部を有することを特徴とする放射線変換器。
【請求項5】
請求項3又は4記載の放射線変換器において、
前記比較部において前記送信情報が前記撮影部位情報と対応してないと判別された場合に、前記放射線源からの前記放射線の出力を禁止するための曝射禁止信号を出力する禁止信号出力部を有することを特徴とする放射線変換器。
【請求項6】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記放射線変換器は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記クレードルは、
前記放射線変換器の前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項7】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記放射線変換器は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記クレードルは、
前記放射線変換器から送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項8】
請求項6又は7記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記報知手段は、
前記クレードルに設置された表示部と、
前記クレードルに設けられ、前記表示部に前記比較部での比較結果に対応した内容の表示を行う表示制御部とを有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記報知手段は、
前記クレードルに設けられた音声出力部と、
前記クレードルに設けられ、前記比較部での比較結果に対応した内容を音声出力するように制御を行う音声出力制御部とを有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか1項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記クレードルは、
前記比較部において前記送信情報が前記撮影部位情報と対応してないと判別された場合に、前記放射線源からの前記放射線の出力を禁止するための曝射禁止信号を出力する禁止信号出力部を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項11】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線変換器は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記制御装置は、
前記放射線変換器の前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項12】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記放射線変換器は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記制御装置は、
前記放射線変換器から送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項13】
請求項11又は12記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記報知手段は、
前記制御装置の前記表示部に前記比較部での比較結果に対応した内容の表示を行う表示制御部を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項14】
請求項11〜13のいずれか1項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記報知手段は、
前記制御装置の音声出力部を介して前記比較部での比較結果に対応した内容を音声出力するように制御を行う音声出力制御部を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項15】
請求項11〜14のいずれか1項に記載の放射線画像撮影システムにおいて、
前記制御装置は、
前記比較部において前記送信情報が前記撮影部位情報と対応してないと判別された場合に、前記撮影装置に対して前記放射線の出力を禁止するための曝射禁止信号を出力する禁止信号出力部を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項16】
基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有する1以上の鉛文字板を収容するためのケース本体を有する鉛文字用ケースにおいて、
前記鉛文字板は、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記ケース本体は、前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部を有することを特徴とする鉛文字用ケース。
【請求項17】
請求項16記載の鉛文字用ケースにおいて、
前記ケース本体は、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする鉛文字用ケース。
【請求項18】
請求項17記載の鉛文字用ケースにおいて、
前記報知手段は、
前記ケース本体に設置された表示部と、
前記ケース本体に設けられ、前記表示部に前記比較部での比較結果に対応した内容の表示を行う表示制御部とを有することを特徴とする鉛文字用ケース。
【請求項19】
請求項17又は18のいずれか1項に記載の鉛文字用ケースにおいて、
前記報知手段は、
前記ケース本体に設けられた音声出力部と、
前記ケース本体に設けられ、前記比較部での比較結果に対応した内容を音声出力するように制御を行う音声出力制御部とを有することを特徴とする鉛文字用ケース。
【請求項20】
請求項17〜19のいずれか1項に鉛文字用ケースにおいて、
前記ケース本体は、
前記比較部において前記送信情報が前記撮影部位情報と対応してないと判別された場合に、前記放射線源からの前記放射線の出力を禁止するための曝射禁止信号を出力する禁止信号出力部を有することを特徴とする鉛文字用ケース。
【請求項21】
基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有する1以上の鉛文字板が収容された鉛文字用ケースが載置される載置台を有し、少なくとも前記鉛文字用ケースを保管するための保管設備において、
前記鉛文字板は、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部を有することを特徴とする保管設備。
【請求項22】
請求項21記載の保管設備において、
前記載置台は、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする保管設備。
【請求項23】
請求項22記載の保管設備において、
前記報知手段は、
前記載置台に設置された表示部と、
前記載置台に設けられ、前記表示部に前記比較部での比較結果に対応した内容の表示を行う表示制御部とを有することを特徴とする保管設備。
【請求項24】
請求項22又は23のいずれか1項に記載の保管設備において、
前記警告出力部は、
前記載置台に設けられた音声出力部と、
前記載置台に設けられ、前記比較部での比較結果に対応した内容を音声出力するように制御を行う音声出力制御部とを有することを特徴とする保管設備。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれか1項に保管設備において、
前記載置台は、
前記比較部において前記送信情報が前記撮影部位情報と対応してないと判別された場合に、前記放射線源からの前記放射線の出力を禁止するための曝射禁止信号を出力する禁止信号出力部を有することを特徴とする保管設備。
【請求項26】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルと、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記鉛文字用ケースは、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記クレードルは、
前記鉛文字用ケースの前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項27】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルと、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記鉛文字用ケースは、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記クレードルは、
前記入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記鉛文字用ケースから送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項28】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置と、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記鉛文字用ケースは、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記制御装置は、
前記鉛文字用ケースの前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項29】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置と、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースとを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記鉛文字用ケースは、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記制御装置は、
前記入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記鉛文字用ケースから送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項30】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルと、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースが載置される載置台とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記クレードルは、
前記載置台の前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項31】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルと、バッテリとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記放射線変換器が装着されることで、少なくとも前記バッテリに対して充電を行うクレードルと、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースが載置される載置台とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記クレードルは、
前記入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記載置台から送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項32】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置と、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースが載置される載置台とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部とを有し、
前記制御装置は、
前記載置台の前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項33】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器と、
前記被写体に向けて放射線を放射する撮影装置と、
少なくとも表示部及び操作部を有し、且つ、前記放射線変換器と情報のやり取りを行って少なくとも前記撮影装置を制御する制御装置と、
1以上の前記鉛文字板を収容するための鉛文字用ケースが載置される載置台とを有する放射線画像撮影システムにおいて、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記載置台は、
前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部と、
少なくとも前記送信情報を送信する送受信部とを有し、
前記制御装置は、
前記入力された少なくとも撮影部位情報と前記送信情報とを比較する比較部と、
前記載置台から送信された前記送信情報と、入力された少なくとも撮影部位情報とを比較する比較部と、
前記比較部での比較結果を報知する報知手段を有することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項34】
筐体と、該筐体内に収容され、被写体を透過した放射線源からの放射線を検出し、放射線画像情報に変換する放射線変換パネルとを有し、前記筐体の表面に鉛文字板が取り付けられて使用される放射線変換器が装填される装填部と、
放射線画像情報が記録された放射線変換パネルを搬送する搬送機構と、
前記放射線変換パネルに記録された前記放射線画像情報を、前記放射線変換パネルの搬送速度に同期して読み取る画像読取部と、
少なくとも前記搬送機構と前記画像読取部を制御する制御部とを有する画像読取装置において、
前記鉛文字板は、基材と、該基材に設けられ、鉛で文字を模った鉛文字とを有し、前記基材の一部に無線通信手段を有し、
前記装填部に、前記鉛文字板の前記無線通信手段からの送信情報を受信する受信部を有することを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−178522(P2009−178522A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22797(P2008−22797)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】