説明

【課題】暗い室内に閉じ込められた際に室外に出るために必要な引戸等の解錠操作を容易かつ確実に行うことができる錠を提供すること。
【解決手段】室外側から施解錠操作を行うための室外側操作部5,6と、室内側から少なくとも解錠操作を行うための室内側操作部13と、室外側に設けた受光部5と、この受光部5において受光した光を室内に導入する光導入部13とを備え、この光導入部13を、前記室内側操作部13自体または室内側操作部の近傍に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、鍵操作による施解錠(本施解錠)に加えて、鍵操作によらない簡便な施解錠(仮施解錠)をも行えるようにした引戸等の錠に関し、特に、ミニハウスや物置、倉庫、ガレージ等の組立家屋のつき合わせ引戸に用いて好適な錠に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば屋外に設置された物置の引戸が解錠状態である場合、引戸自体は閉まっていても風などによる少しの衝撃や振動で開くことがあり、また、使用者は引戸を閉めたつもりでいても実際は引戸自体のリバウンドで開いていることもある。そして、人目につく環境で引戸が僅かにでも開いたまま無人で放置されている状況は窃盗を誘発しかねず、物置が無人となる間に引戸を解錠状態にしてあるのは、例えそれが短時間であっても防犯上決して好ましくない。
【0003】
しかし、物置内外への物の入出作業を、作業者が物を抱えた状態で行ったり連続して行ったりする場合、鍵を用いた引戸の施解錠は必然的に困難化あるいは煩雑化するため、やむを得ず引戸が解錠状態のままの物置を短時間ながらも無人で放置するという状況は起こり得る。そこで、鍵操作を伴う本施解錠の他に、鍵操作が不要でワンタッチで行える仮施解錠をも可能とした錠が物置の引戸等に用いられている(特許文献1参照)。即ち、この錠を用いた物置では、夜間等の使用しない間は引戸を本施錠しておき、使用中は仮施解錠を利用することにより、高い防犯性と操作性の両立を図ることができる。
【0004】
ここで、特許文献1における本施解錠および仮施解錠は、引戸に設けた錠ケースの側面から出没する掛金と、相手方の引戸または柱に設けられ前記掛金を掛止可能な受金具とを用いて施解錠する点では共通であり、鍵を用いて本施錠した場合に仮施解錠は不能となり本解錠した場合に仮施解錠が可能となる点で両者は異なる。
【0005】
【特許文献1】特許第3647742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、作業の容易性や明るさから来る安心感などから物置の使用は専ら日中に行われることが多いとはいえ、日中であっても物置内部は比較的暗く、物置に入って作業をしている際に、例えば子供がいたずらで外から仮施錠したり、物置内に人がいることを知らずに誤って仮施錠することが考えられる。そして、この場合、物置内に閉じ込められた人はその暗さのために錠の場所を見失うなどし、解錠操作を行うことができなくなって物置から自力で出られなくなるという事故が発生する懸念がある。
【0007】
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、暗い室内に閉じ込められた際に室外に出るために必要な引戸等の解錠操作を容易かつ確実に行うことができる錠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る錠は、室外側から施解錠操作を行うための室外側操作部と、室内側から少なくとも解錠操作を行うための室内側操作部と、室外側に設けた受光部と、この受光部において受光した光を室内に導入する光導入部とを備え、この光導入部を、前記室内側操作部自体または室内側操作部の近傍に設けたことを特徴としている(請求項1)。
【0009】
また、本発明に係る錠が、前記室内側操作部による施錠操作を不可能としてあってもよく(請求項2)、具体的には、前記室内側操作部が施錠位置と解錠位置とにわたって摺動する摘まみであり、解錠位置にある前記摘まみに対する施錠位置に摺動させるための接触を絶つ防壁を設けてあってもよい(請求項3)。
【発明の効果】
【0010】
請求項1〜3に係る発明では、暗い室内に閉じ込められた際に室外に出るために必要な引戸等の解錠操作を容易かつ確実に行うことができる錠が得られる。
【0011】
すなわち、請求項1に係る発明では、日中であれば、室外に比べて暗い室内からであっても前記光導入部から導入した光を頼りに室内側操作部を操作して容易に解錠することができるので、室内に閉じ込められてしまうというような事故を確実に防ぐことができる。
【0012】
加えて、請求項2,3に係る発明では以下の効果が得られる。すなわち、室内から本施解錠操作および仮施解錠操作のすべてを行えるようにした場合には、室内が暗いと解錠操作が非常に困難になるが、請求項2,3に係る発明では、室内からは室内側操作部による解錠操作のみしか行えないようにしてあるため、解錠操作が簡単であり、上記事故の防止をより効果的に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る錠を設けた引戸の要部の構成を概略的に示す斜視図、図2は前記錠の施錠状態の構成を概略的に示す縦断面図、図3は前記錠の施錠状態の構成を概略的に示す部分透視正面図、図4は前記錠の解錠状態の構成を概略的に示す背面図、図5(A)および(B)は仮施錠状態の前記錠の要部の構成を概略的に示す背面図および縦断面図、図6(A)および(B)は仮解錠状態の前記錠の要部の構成を概略的に示す背面図および縦断面図、図7および図8は前記錠の仮解錠状態および仮施錠状態の構成を概略的に示す部分透視正面図、図9および図10は前記錠の本解錠状態および本施錠状態の構成を概略的に示す部分透視正面図である。
【0014】
まず、本実施形態に係る錠は、図1に示すように、物置等の組立家屋の引戸1に取り付けてあり、相手側の引戸2には受金具3を設けてある。尚、本実施形態では前記錠および受金具3をつき合わせ引戸1,2に設けてあるが、いずれか一方を引戸ではなく柱に設けてあってもよい。
【0015】
また、図1および図2に示すように、前記錠は、引戸1の室外面側に化粧カバー4を備え、化粧カバー4の下部に設けた正面視略矩形状の開口4aからは、操作レバー5が上下に摺動可能な状態で室外側に露出し、化粧カバー4の上部に設けた正面視略円形状の開口4bからは、キー溝6aを前面に有する回動体(シリンダ)6が室外側に露出している。
【0016】
ここで、前記操作レバー5は引戸1,2の仮施解錠をするためのものであり、操作レバー5を上下動させると、前記受金具3に掛止可能であり例えば板金材よりなる掛金7(図1および図2参照)が引戸1の側方に出没し、引戸1,2を閉じた状態で操作レバー5を上下動させれば仮施解錠することができる。
【0017】
また、前記回動体6は引戸1,2の本施解錠をするためのものであり、回動体6のキー溝6aに合鍵K(図2参照)を差し込んで回動操作すると前記掛金7が引戸1の側方に出没し、引戸1,2を閉じた状態で前記合鍵Kの回動操作を行えば本施解錠することができる。
【0018】
すなわち、前記錠は、室外側から施解錠操作を行うための室外側操作部として前記操作レバー5および回動体6を有しているのであり、操作レバー5による仮施解錠と回動体6による本施解錠とは、施解錠のために掛金7を引戸1の側方に出没させて受金具3への掛止とその解除とを行わせる点では共通しているが、本施錠したときには仮施解錠は不可能となり、本解錠したときに仮施解錠が可能となる点で相違している。
【0019】
一方、図2〜図4に示すように、前記錠は引戸1の室内面側に錠ケース8を備え、図3に示すように、この錠ケース8は、背壁8aと、左右壁8b,8cと、底壁8dとを有し、前側および上側には壁が無く、前側には前記化粧カバー4が装着される。そして、前記掛金7の出没作動(回動)を妨げないように、左壁8bの前部中央には切り欠き部8eを設けてある。
【0020】
また、図2、図4並びに図5(A)および(B)に示すように、前記錠ケース8の背壁8aには、上から順に、背面が平らな上背壁部9と、背面が下側ほど奥まるように湾曲している湾曲壁部10と、背面が平らで湾曲壁部10との境界部分に段部11aを有する下背壁部11とを設けてあり、湾曲壁部10の下部から下背壁部11の上部にかけて背面視略矩形状の開口12を形成してある。そして、この開口12からは、摘まみ13が上下に摺動可能な状態で室内側に露出しており、この摘まみ13は下背壁部11の背面よりも後ろ側(室内側)へ突出しないように構成してある。
【0021】
ここで、図2、図5(B)および図6(B)に示すように、摘まみ13は前記操作レバー5と一体的に形成してあり、上述のように仮施解錠のために操作レバー5を上下動させると、図5(A)、(B)並びに図6(A)、(B)に示すように、摘まみ13も同じく上下動することになる。
【0022】
しかし、前記操作レバー5は上下動(仮施解錠)操作が可能であるのに対して、摘まみ13は、図5(A)および(B)に示す施錠位置から図6(A)および(B)に示す解錠位置へと摺動(下動)させる仮解錠操作のみが可能となっている。その構造を具体的に述べると、図2、図4〜図6に示すように、前記下背壁部11の段部11aの中央には前記摘まみ13を受け入れる凹入部11bを設けてあり、解錠位置にある摘まみ13は凹入部11bによってその左右両方および下方の三方が囲まれ、摘まみ13の左右両側面および下面に触れることができない状態となる。換言すれば、前記凹入部11bを有する下背壁部11は、解錠位置にある前記摘まみ13に対する施錠位置に摺動(上動)させるための接触を絶つ防壁となっている。
【0023】
要するに、前記錠は、室内側から解錠操作を行うための室内側操作部として前記摘まみ13を設けてあり、この摘まみ13による施錠(仮施錠および本施錠)操作を不可能としてある上、摘まみ13により行える解錠操作は仮解錠操作のみであって本解錠操作は不可能である。
【0024】
次に、上述した仮施解錠をするための前記錠の具体的な構造について説明する。まず、図2および図3に示すように、前記錠ケース8内には、フレーム構造のシフター14を上下に摺動可能に収納してあり、このシフター14は、図3に示すように、錠ケース8の上方に突出する頭部15と、この頭部15の左右から垂下する二つの垂下部16,17と、二つの垂下部16,17の下部間に架設したブリッジ18とを備えている。そして、ブリッジ18の前後に前記操作レバー5および摘まみ13を連設してある。ここで、シフター14は錠ケース8の背壁8aに沿わせて配置してあるので、錠ケース8の左壁8bの切り欠き部8eの内側をシフター14の垂下部16が塞いで掛金7の回動を妨げるということはない。
【0025】
尚、前記シフター14の頭部15は摘まみ13とともに上下動し、かつ錠ケース8の上方に突出(露出)しているので、理論的にはこの頭部15を上下動操作することによっても仮施解錠することができる。しかし、図3に示すように、前記頭部15の背面視は上側ほど細くなる台形状あるいは山状であって、頭部15は手あるいは指で掴みにくい構造となっているので、頭部15の押し下げ操作(仮解錠操作)は可能であるが、頭部15を掴む必要のある引き上げ操作(仮施錠操作)は不可能となっている。すなわち、頭部15も摘まみ13と同様に、室内側から解錠操作を行うための室内側操作部に該当し、頭部15による施錠(仮施錠および本施錠)操作を不可能としてある上、頭部15により行える解錠操作は仮解錠操作のみであって本解錠操作は不可能である。
【0026】
また、前記操作レバー5および摘まみ13を有するシフター14全体は、例えば透明または半透明の合成樹脂等、光透過性を有する部材により構成してある。
【0027】
そして、掛金7は、図2および図3に示すように、支軸19により錠ケース8の背壁8aに回動自在に支持されている。また、図2および図3に示すように、掛金7の背面には突起20を設けてあり、この突起20はシフター14の垂下部16に設けた二つの係止爪21,22に係合可能となっている。さらに、図2および図3に示すように、掛金7の背面および錠ケース8の背壁8a前面の適宜位置に凸部23,24を設けてあり、これらの凸部23,24につる巻きばね25を掛張してある。
【0028】
続いて、上記構成を備えた錠の仮施解錠時の作動について説明する。まず、図7に示すように、錠が仮解錠状態にあるときには、操作レバー5および摘まみ13を有するシフター14はその摺動範囲における最下位置にあり、掛金7は前記つる巻きばね25により図7に示す退没位置に止まるように付勢されている。
【0029】
そして、仮施錠のために操作レバー5を解錠位置(図7参照)から施錠位置(図8参照)に摺動させると、操作レバー5と一体のシフター14も上方に摺動する。そして、このとき、シフター14の下方の係止爪22が掛金7の突起20を押し上げ、掛金7は支軸19を中心に図7において時計回りに約90度回転する。
【0030】
上記の操作により錠が仮施錠状態になると、図8に示すように、シフター14はその摺動範囲における最上位置に位置するとともに、掛金7は前記つる巻きばね25により図8に示す進出位置に止まるように付勢されることになる。
【0031】
また、逆に、仮解錠のために操作レバー5または摘まみ13を施錠位置(図8参照)から解錠位置(図7参照)に摺動させると、操作レバー5と一体のシフター14も下方に摺動する。そして、このとき、シフター14の上方の係止爪21が掛金7の突起20を押し下げ、掛金7は支軸19を中心に図8において反時計回りに約90度回転し、錠は図7に示す仮解錠状態に戻る。
【0032】
次に、上述した本施解錠をするための前記錠の具体的な構造について説明する。尚、この本施解錠するための構造は仮施解錠するための上記の構造を一部に利用するものであり、既に説明した部材についての重複する説明は以下では省略してある。
【0033】
まず、図3に二点鎖線で示すように、前記錠ケース8の背壁8a上部の前面に支持部材26をねじ止めで固定してあり、この支持部材26により前記回動体6(図3参照)を支持してある。ここで、支持部材26は、キー溝6aに挿入した合鍵Kによってのみ回動体6を回動操作すことができるように回動体6を支持している。
【0034】
また、図3に示すように、前記錠ケース8の背壁8a前面に沿わせて摺動子27を収納してあり、この摺動子27は背壁8aに設けたガイド28,29に案内されて上下に摺動可能となっている。さらに、図2に示すように、前記支持部材26により支持された回動体6と錠ケース8の背壁8aとの間には、摺動子27を上下に挿通させるための隙間を設けてあると共に、図2および図3に示すように、回動体6の背面には、摺動子27の上部に設けた横長の溝27aに係止する係止突起6bを設けてある。
【0035】
一方、図3中の拡大図に詳しく示すように、摺動子27の下部左側には中空ブロック30を設けてあり、この中空ブロック30は、摺動ピン31と、ピンガイド32とを保持するものである。詳述すると、摺動ピン31は小径部31aと大径部31bとを有し、ピンガイド32は一端が閉塞された略筒状の部材であり、ピンガイド32の内部に摺動ピン31の大径部31bが挿入されている。また、中空ブロック30には摺動ピン31の小径部31aが挿通する小孔30aと、ピンガイド32が挿入される大孔30bとを設けてあると共に、大孔30b内には摺動ピン31の大径部31bを図3において右方向に付勢する第1ばね33を収容してある。さらに、ピンガイド32内にはピン31の大径部31bを図3において左方向に付勢する第2ばね34を設けてあり、この第2ばねのばね定数は第1ばねのばね定数よりも大となっている。
【0036】
他方、図3に示すように、摺動子27の下部右側には摺動カム35を枢支してあると共に、摺動子27の摺動時に摺動カム35に当接してこれを回動させるガイド36を錠ケース8の背壁8a前面に突設してある。
【0037】
さらに、図9および図10に示すように、シフター14の垂下部16には前記摺動ピン31の動きを規制する規制部37を設けてあり、この規制部37の中央には前記摺動ピン31の進出を許容する切り欠き部分37aを形成してある。
【0038】
続いて、上記構成を備えた錠の本施解錠時の作動について説明する。まず、図9に錠の本解錠状態を示しているが、錠の本解錠状態と仮解錠状態とは同一であり、シフター14および掛金7は図7に示す状態と同じ状態にある。また、図9に示すように、錠が本解錠状態にあるときには、回動体6は係止突起6bが最下位置にある状態となっていると共に、摺動カム35にガイド36が当接せず、摺動ピン31は中空ブロック30内に収容された状態となっている。
【0039】
そして、本施錠のためにキー溝6aに挿入した合鍵Kを例えば時計回りに約180度回転させると、回動体6も同方向に約180度回転し、図10に示すように回動体6の係止突起6bが最上位置に移動する。そして、この移動に伴い、係止突起6bに係止する溝27aを有する摺動子27が上方に摺動し、この摺動に伴い、ガイド36が摺動カム35に当接しこれを図9において時計回りに回動させる。さらに、摺動カム35はピンガイド32を図9において左方向に付勢するので、図10に示すように、摺動ピン31が規制部37の切り欠き部分37a内に進出し、さらにこの規制部37に係止して規制部37を有するシフター14全体を持ち上げる。
【0040】
上記の操作により錠が本施錠状態になると、図10に示すように、シフター14はその摺動範囲における最上位置に位置するとともに、掛金7は前記つる巻きばね25により図8に示す進出位置に止まるように付勢されることになる。そして、この本施錠状態では、シフター14に設けた規制部37が前記摺動ピン31の係止により下がらなくなっているため、シフター14に一体化してある操作レバー5および摘まみ13の押し下げ操作、すなわち仮解錠操作は不可能となっている。
【0041】
また、逆に、本解錠のためにキー溝6aに挿入した合鍵Kを例えば反時計回りに約180度回転させると、回動体6も同方向に約180度回転し、図9に示すように回動体6の係止突起6bが最下位置に移動する。そして、この移動に伴い、係止突起6bに係止する溝27aを有する摺動子27が下方に摺動し、この摺動に伴い、摺動ピン31が規制部37を有するシフター14全体を押し下げた後、ガイド36が摺動カム35から離間するので、摺動カム35によるピンガイド32の上記付勢が解除され、錠は図9に示す本解錠状態に戻る。
【0042】
上記の構成を有する錠では、前記シフター14を光透過性の部材によって形成してあるので、室外側に設けた操作レバー5が受光部として機能し、前記シフター14が操作レバー5において受光した光を室内側に伝達する光伝達部として機能し、摘まみ13が前記光を室内に導入する光導入部として機能することになる。従って、日中であれば、室外に比べて暗い室内からであっても前記摘まみ13から導入した光を頼りに摘まみ13を操作して容易に解錠することができるので、室内に閉じ込められてしまうというような事故を確実に防ぐことができる。
【0043】
また、上記の構成を備えた錠では、室内からは摘まみ13あるいはシフター14の頭部15を用いた仮解錠操作のみしか行えないようにしてあるため、解錠操作が簡単であり、上記事故の防止をより効果的に図ることができる。
【0044】
なお、本発明の錠は、上記の実施の形態に限られず、種々に変形して実施することができる。例えば、上記実施の形態では、光導入部として前記摘まみ13のみを設けてあるが、摘まみ13の近傍に別途光導入部を設けてあってもよい。すなわち、前記錠に、室外側に設けた受光部と、この受光部において受光した光を室内に導入する光導入部とを設け、この光導入部を、前記室内側操作部自体または室内側操作部の近傍に設けてあればよく、受光部、光導入部の具体的な構成は種々のものを採用することができる。その一例としては、前記化粧カバー4および錠ケース8の全体を光透過性を有する部材で形成することが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態に係る錠を設けた引戸の要部の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】前記錠の施錠状態の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図3】前記錠の施錠状態の構成を概略的に示す部分透視正面図である。
【図4】前記錠の解錠状態の構成を概略的に示す背面図である。
【図5】(A)および(B)は仮施錠状態の前記錠の要部の構成を概略的に示す背面図および縦断面図である。
【図6】(A)および(B)は仮解錠状態の前記錠の要部の構成を概略的に示す背面図および縦断面図である。
【図7】前記錠の仮解錠状態の構成を概略的に示す部分透視正面図である。
【図8】前記錠の仮施錠状態の構成を概略的に示す部分透視正面図である。
【図9】前記錠の本解錠状態の構成を概略的に示す部分透視正面図である。
【図10】前記錠の本施錠状態の構成を概略的に示す部分透視正面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 引戸
5 操作レバー
6 回動体
13 摘まみ
14 シフター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外側から施解錠操作を行うための室外側操作部と、室内側から少なくとも解錠操作を行うための室内側操作部と、室外側に設けた受光部と、この受光部において受光した光を室内に導入する光導入部とを備え、この光導入部を、前記室内側操作部自体または室内側操作部の近傍に設けたことを特徴とする錠。
【請求項2】
前記室内側操作部による施錠操作を不可能としてある請求項1に記載の錠。
【請求項3】
前記室内側操作部が施錠位置と解錠位置とにわたって摺動する摘まみであり、解錠位置にある前記摘まみに対する施錠位置に摺動させるための接触を絶つ防壁を設けてある請求項1または2に記載の錠。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−308857(P2008−308857A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156771(P2007−156771)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000006910)株式会社淀川製鋼所 (34)