説明

門柱および玄関アプローチ構造

【課題】敷地を出入りする者だけを感知して、効果的に照明を点灯させることができるとともに、電力消費量を低減できる門柱および玄関アプローチ構造の提供。
【解決手段】敷地1外部側の正面板材20と、建物2側の背面板材30と、これら正面板材20および背面板材30間に設けられる門柱用機器40とを備えており、この門柱用機器40は人感センサー41と、この人感センサー41が人体等の発熱を感知した際に点灯する本体照明42とを備えており、この人感センサー41の感知エリアは、人感センサー41および正面板材20の側端部どうしの延長線Aと、人感センサー41および背面板材30の側端部どうしの延長線Bとの間の範囲内であることを特徴とする門柱10。これにより、正面板材および背面板材に対して真正面から近づく者は感知せずに、正面板材および背面板材の側方から近づく者だけを感知できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷地外部との境界部分等に起立設置される門柱と、この門柱が配置された玄関アプローチ構造とに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物が建てられる敷地と、この敷地に面した道路との境界部分等に起立設置される門柱または門扉に、人の接近や人体の発熱等を感知する人感センサーを設け、この人感センサーと照明とを接続する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような特許文献1の技術によれば、人が門柱または門扉に近づいた時にだけ、玄関から門扉までのアプローチの誘導灯システムを動作させることができるので、特に夜間において、アプローチを歩行する際の安全性や、防犯性を向上できるようになっている。
【特許文献1】特開平11−213712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上述のような門柱や門扉が、敷地と道路との境界部分に起立設置されていると、この門柱や門扉の前の道路を歩行者が往来するたびに、誘導灯システムが作動してしまうため、この門柱や門扉の前を往来する歩行者に対して不快感を与えてしまう場合がある。しかしながら、このように歩行者に不快感を与えないために、人感センサーの感度を下げてしまうと、居住者や来訪者の出入り時において効果的に誘導灯システムが作動しない場合がある。
また、このように、門柱や門扉の前の道路を歩行者が往来するたびに、誘導灯システムが作動してしまうと、道路の通行量が多い時は、電力消費量が増加してしまうという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、敷地を出入りする者だけを感知して、効果的に照明を点灯させることができるとともに、電力消費量を低減できる門柱および玄関アプローチ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、門柱10であり、例えば図1〜図5に示すように、敷地1外部側に配置される正面板材20と、この正面板材20に対向し、かつ間隔をあけて建物2側に配置される背面板材30と、これら正面板材20および背面板材30間に設けられる門柱用機器40とを備えており、
この門柱用機器40は、人体等の発熱を感知する人感センサー41と、この人感センサー41に接続されて、この人感センサー41が人体等の発熱を感知した際に点灯する本体照明42とを備えており、
前記人感センサー41による感知エリアは、この人感センサー41および正面板材20の側端部どうしの延長線Aと、前記人感センサー41および背面板材30の側端部どうしの延長線Bとの間の範囲内であることを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、前記正面板材20および背面板材30間に門柱用機器40が設けられているので、前記人感センサー41のセンシング動作は、前記正面板材20および背面板材30によって遮られることとなる。したがって、これら正面板材20および背面板材30に対して真正面から近づく者は感知せずに、前記正面板材20および背面板材30の側方から近づく者だけを感知することができるので、門柱10前を歩行者が往来するたびに、前記本体照明42が点灯してしまうことを防ぐことができる。これによって、敷地1に面する道路を通行する歩行者に不快感を与えることを確実に防ぐことができるとともに、前記人感センサー41によって、居住者や来訪者等、敷地1を出入りする者だけを感知して、前記本体照明42を効果的に点灯させることが可能となる。また、このように、門柱10前を歩行者が往来するたびに、前記本体照明42が点灯してしまうことを防ぐことができるので、無駄な電力消費量を低減することが可能となる。
さらに、前記人感センサー41による感知エリアは、この人感センサー41および正面板材20の側端部どうしの延長線Aと、前記人感センサー41および背面板材30の側端部どうしの延長線Bとの間の範囲内であることから、この人感センサー41による感知エリアは、前記正面板材20の側端部および背面板材30の側端部によって規定されることとなる。
すなわち、前記正面板材20および背面板材30の側端部どうしの離間寸法や、これら正面板材20および背面板材30の側端部どうしと前記人感センサー41との距離や、これら正面板材20および背面板材30のうち、一方の板材20(30)の側端部に対する他方の板材30(20)の側端部の側方への突出寸法等によって、前記人感センサー41の感知エリアの大きさを異なるものとすることができる。したがって、例えば敷地1周囲の環境や建築条件等に合わせて、前記正面板材20および背面板材30を配置する位置を調節することによって、前記人感センサー41の感知エリアが可変となるので、前記本体照明42をより効果的に点灯させることが可能となる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1に記載の門柱10において、
前記正面板材20の一方の側端部は、前記背面板材30の一方の側端部よりも外側に突出しており、前記背面板材30の他方の側端部は、前記正面板材20の他方の側端部よりも外側に突出していることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、前記正面板材20の一方の側端部は、前記背面板材30の一方の側端部よりも外側に突出しており、前記背面板材30の他方の側端部は、前記正面板材20の他方の側端部よりも外側に突出しているので、これら正面板材20および背面板材30は、これら正面板材20の一部と背面板材30の一部とが、正面視において重なり合うように左右にずれて配置されることとなる。これによって、前記人感センサー41の感知エリアの大きさを、前記正面板材20および背面板材30の側端部どうしを揃えた場合とは異なるものとすることができるので、例えば敷地1周囲の環境や建築条件等に合わせて、前記本体照明42をさらに効果的に点灯させることが可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、例えば図1および図2に示すように、請求項1または2に記載の門柱10において、
前記門柱用機器40は、正面部が側方に向くようにして設けられるインターフォン43と、このインターフォン43と同じ方向に投入口44aが向くようにして設けられるポスト44とを備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、前記門柱用機器40は、正面部が側方に向くようにして設けられるインターフォン43と、このインターフォン43と同じ方向に投入口44aが向くようにして設けられるポスト44とを備えているので、例えば居住者や来訪者がインターフォン43を使用する際や、郵便物や新聞等が前記ポスト44に投入される際にも前記人感センサー41が動作し、前記本体照明42をより一層効果的に点灯させることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、玄関アプローチ構造であり、例えば図4および図5に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の門柱10が、敷地1と、この敷地1に面した道路3との境界部分に起立設置されており、
前記人感センサー41に接続されて、この人感センサー41が人体等の発熱を感知した際に、前記本体照明42と連動して点灯する子照明50が、前記道路3と玄関4との間に配置された通路5に沿って複数配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、前記門柱10の人感センサー41に接続されて、この人感センサー41が人体等の発熱を感知した際に、前記本体照明42と連動して点灯する子照明50が、前記道路3と玄関4との間に配置された通路5に沿って複数配置されていることから、前記門柱10の側方を通り抜けて敷地1内に立ち入った際に、前記本体照明42が点灯するとともに、前記複数の子照明50が点灯し、前記通路5を照らすことができるので、前記通路5を歩行する際の安全性を向上させることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、例えば図1および図5に示すように、請求項4に記載の玄関アプローチ構造において、
前記複数の子照明50のうち、少なくとも前記玄関4の直近に配置された子照明50は、人体等の発熱を感知する補助人感センサー50aを備えており、
前記本体照明42は、この補助人感センサー50aに接続されて、この補助人感センサー50aが人体等の発熱を感知した際に点灯可能となっていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、前記複数の子照明50のうち、少なくとも前記玄関4の直近に配置された子照明50は、人体等の発熱を感知する補助人感センサー50aを備えており、前記本体照明42は、この補助人感センサー50aに接続されて、この補助人感センサー50aが人体等の発熱を感知した際に点灯可能となっているので、人が前記建物2から玄関4に出てきた際に、前記子照明50が点灯するとともに、前記本体照明42が点灯し、前記通路5を照らすことができるので、前記通路5を歩行する際の安全性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、正面板材および背面板材間に門柱用機器が設けられているので、この門柱用機器に備えられる人感センサーのセンシング動作は、正面板材および背面板材によって遮られることとなる。したがって、これら正面板材および背面板材に対して真正面から近づく者は感知せずに、正面板材および背面板材の側方から近づく者だけを感知することができるので、門柱前を歩行者が往来するたびに本体照明が点灯してしまうことを防ぐことができる。これによって、敷地に面する道路を通行する歩行者に不快感を与えることを確実に防ぐことができるとともに、人感センサーによって、居住者や来訪者等、敷地を出入りする者だけを感知して、本体照明を効果的に点灯させることが可能となる。また、このように、門柱前を歩行者が往来するたびに本体照明が点灯してしまうことを防ぐことができるので、無駄な電力消費量を低減することが可能となる。
さらに、人感センサーによる感知エリアは、この人感センサーおよび正面板材の側端部どうしの延長線と、人感センサーおよび背面板材の側端部どうしの延長線との間の範囲内であることから、この人感センサーによる感知エリアは正面板材の側端部および背面板材の側端部によって規定されることとなる。
すなわち、正面板材および背面板材の側端部どうしの離間寸法や、これら正面板材および背面板材の側端部どうしと人感センサーとの距離や、これら正面板材および背面板材のうち、一方の板材の側端部に対する他方の板材の側端部の側方への突出寸法等によって、人感センサーの感知エリアの大きさを異なるものとすることができる。したがって、例えば敷地周囲の環境や建築条件等に合わせて、正面板材および背面板材を配置する位置を調節することによって、人感センサーの感知エリアが可変となるので、本体照明をより効果的に点灯させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
本実施の形態の門柱は、図1〜図5に示すように、敷地1外部側に配置される正面板材20と、この正面板材20に対向し、かつ間隔をあけて建物2側に配置される背面板材30と、これら正面板材20および背面板材30間に設けられる門柱用機器40とを備えており、
この門柱用機器40は、人体等の発熱を感知する人感センサー41と、この人感センサー41に接続されて、この人感センサー41が人体等の発熱を感知した際に点灯する本体照明42とを備えており、
前記人感センサー41による感知エリアは、この人感センサー41および正面板材20の側端部どうしの延長線Aと、前記人感センサー41および背面板材30の側端部どうしの延長線Bとの間の範囲内である。
【0018】
ここで、前記正面板材および背面板材は、図1および図2に示すように、矩形板状に形成されたものであり、略等しい幅寸法となるように設定されている。
また、この正面板材20の一方の側端部は、前記背面板材30の一方の側端部よりも外側に突出しており、前記背面板材30の他方の側端部は、前記正面板材20の他方の側端部よりも外側に突出している。
【0019】
つまり、これら正面板材20の側端部の突出寸法と、背面板材30の側端部の突出寸法とは略等しい突出寸法となっており、これら正面板材20および背面板材30は、これら正面板材20の一部と背面板材30の一部とが、正面視において重なり合うように左右にずれて配置されることとなる。
【0020】
また、前記背面板材30は、前記正面板材20の高さ寸法よりも高くなるように設定されており、この背面板材30の正面側上端部に前記本体照明42が設けられている。そして、この本体照明42は、前記正面板材20および背面板材30の高さ寸法の寸法差によって正面側から視認可能となっている。
【0021】
また、前記正面板材20および背面板材30は、下端部に、それぞれ脚部20a,30aを備えており、これら脚部20a,30aは、図1に示すように、基礎6とともに地中に埋設されており、安定的に立設されている。
【0022】
さらに、これら正面板材20および背面板材30は、廃材から得られた木粉(セルロース系微粉粒)と樹脂との混合材料を押出成形することによって得られた中空状のものであり、表面は木質感を呈している。
【0023】
一方、前記門柱用機器40は、上述のように前記人感センサー41と本体照明42とを備えている。また、この他にも、インターフォン43とポスト44とを備えている。また、前記正面板材20の正面側上端部に表札45が設けられている。
【0024】
この門柱用機器40には、図1に示すように、電源線40aが設けられており、電源を得られるようになっている。これによって、前記人感センサー41や本体照明42、インターフォン43を正常に作動させることができる。
そして、前記インターフォン43には、このインターフォン43と、建物2内に設けられる子機(図示せず)とを接続する子機配線40bが設けられており、建物2内から前記インターフォン43を通じて来訪者を確認することができる。
また、前記人感センサー41には、前記本体照明42と連動して点灯する子照明50(後述する)が、接続線40bを介して接続されており、複数設けられる子照明50どうしも接続線40bを介して接続されている。
【0025】
ここで、前記人感センサー41は、人体等の発熱を感知するものであり、図1に示すように、前記正面板材20および背面板材30間の上端部に設けられるセンサーボックス41aの下面に設けられている。
この人感センサー41による感知エリアは、図3に示すように、この人感センサー41および正面板材20の側端部どうしの延長線Aと、前記人感センサー41および背面板材30の側端部どうしの延長線Bとの間の範囲内である。つまり、この人感センサー41による感知エリアは、前記正面板材20の側端部および背面板材30の側端部によって規定されることとなる。
【0026】
例えば、前記正面板材20の側端部の位置を、前記背面板材30の側端部の位置とを揃えて配置したとすると、前記延長線Aは、前記正面板材20の側端部によって遮られることとなるので、この延長線Aを、図3に示す延長線A´の位置まで狭めることができるようになっている。
このように、前記正面板材20および背面板材30の側端部どうしの離間寸法や、前記正面板材20および背面板材30の側端部どうしと前記人感センサー41との距離や、これら正面板材20および背面板材30のうち、一方の板材20(30)の側端部に対する他方の板材30(20)の側端部の側方への突出寸法等によって、前記人感センサー41の感知エリアの大きさを異なるものとすることができるので、周囲の環境や居住者の生活環境に合わせて変更でき、好ましい。
【0027】
また、本実施の形態の人感センサー41の感知エリアは、居住者や来訪者が通過する側に向かって広がっているものとするが、反対方向にも感知エリアを設けるようにしてもよい。すなわち、後述するポスト44の投入口44aが向いている方向だけでなく、取出口44bが向いている方向にも感知エリアを設けるようにする。
【0028】
さらに、前記センサーボックス41aは、前記本体照明42よりも下方に設けられており、前記人感センサー41は、上述のように前記センサーボックス41aの下面に設けられているので、この人感センサー41よりも上方に設けられる本体照明42の発熱を感知しないようになっている。
【0029】
前記センサーボックス41a内には、図示はしないが、前記人感センサー41が人体等の発熱を感知した際の感知信号に基づいて前記本体照明42の点灯信号を発生する制御装置と、この制御装置の点灯信号に基づいて前記本体証明42を点灯させる安定器が設けられている。この安定器としては、例えばインバータ点灯回路が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0030】
なお、前記人感センサー41は、感度調節可能に構成されている。すなわち、この人感センサー41の感度をどれだけ高くしたとしても、前記正面板材20および背面板材30によって遮られて、正面側および背面側を通過する人を感知することがない。一方で、この人感センサー41の感度を高くしたことによって、門柱10の側方に向かって広範囲に感知することができるようになるので、門柱10から離れた位置から敷地1内に侵入しようとする侵入者を感知でき、防犯性を向上させることが可能となる。
【0031】
前記インターフォン43は、正面部が側方に向くようにして設けられており、前記ポスト44は、前記インターフォン43と同じ方向に投入口44aが向くようにして設けられている。
これによって、例えば居住者や来訪者がインターフォン43を使用する際や、郵便物や新聞等が前記ポスト44に投入される際にも前記人感センサー41が動作するので、前記本体照明42を効果的に点灯させることができる。
【0032】
また、前記ポスト44には、前記投入口44aとは反対の方向に向くようにして取出口44bが設けられている。すなわち、上述のように、前記正面板材20の一方の側端部は、前記背面板材30の一方の側端部よりも外側に突出しており、前記背面板材30の他方の側端部は、前記正面板材20の他方の側端部よりも外側に突出しているので、前記投入口44aは、敷地1外部側から使用しやすくなっており、前記取出口44bは、敷地1内から使用しやすくなっている。
【0033】
さらに、本実施の形態のポスト44の下方は、図1および図2に示すように空隙となっているので、このポスト44の下方に収納ボックスを設けて、掃除道具や庭道具を収納したり、前記電源線40aから電気を取るためのコンセントを設けたりしてもよい。
【0034】
なお、前記人感センサー41および本体照明42は、例えばON・OFFモードや調光モード、タイマーモード等、互いに連動して作動する種々のモードを備えており、これら各種モードは、前記センサーボックス41aに取り付けられているモード切替スイッチ(図示せず)によって適宜切り替えが可能となっている。
また、このモード切替スイッチの近傍には、昼夜の判別をする昼夜判別センサー(図示せず)が設けられており、前記人感センサー41および本体照明42は、この昼夜判別センサーにも連動して動作するようになっている。
さらに、前記センサーボックス41aには、主電源スイッチ(図示せず)が設けられており、この主電源スイッチによって、前記人感センサー41および本体照明42、昼夜判別センサーへの電力供給の電源ON・電源OFFを切り替えることができるようになっている。
【0035】
続いて、上述前記人感センサー41および本体照明42のON・OFFモード、調光モード、タイマーモードについて説明する。
【0036】
[ON・OFFモード]
まず、夕方になり暗くなると昼夜判別センサーが作動して前記人感センサー41がON状態になり、前記本体照明42も消灯状態で待機する。
待機中、人が近づくと、前記人感センサー41によって感知して前記本体照明42がゆっくり点灯し、100%点灯状態(高輝度状態)となり、人が離れるとゆっくり消灯し、再び消灯状態で待機する。
そして、朝になり明るくなると前記昼夜判別センサーが作動して前記人感センサー41がOFF状態になる。この時、人が近づいても前記本体照明42が点灯しないようになっている。
【0037】
[調光モード]
まず、夕方になり暗くなると前記昼夜判別センサーが作動して、前記本体照明42は、ほんのり点灯状態(低輝度状態)で待機する。
待機中、人が近づくと、前記人感センサー41によって感知して前記本体照明42がゆっくり点灯し、100%点灯状態(高輝度状態)となり、人が離れると再びほんのり点灯状態で待機する。
そして、朝になり明るくなると前記昼夜判別センサーが作動して前記人感センサーがOFF状態になり、人が近づいても点灯しない。
なお、ほんのり点灯状態とは、高輝度である100%点灯状態よりも低輝度で前記本体照明42を点灯させた状態であり、無駄な電力消費量を低減できるようになっている。
【0038】
[タイマーモード]
まず、夕方になり暗くなると前記昼夜判別センサーが作動して、前記調光モードとなり、前記人感センサー41および本体照明42は、前記調光モードと同様の動作を行うようになる。
そして、夕方、この調光モードになってから所定時間が経過すると、自動的に上記のON・OFFモードに切り替わる。そして、朝になり明るくなると昼夜判別センサーが作動して前記人感センサー41がOFF状態になり、人が近づいても点灯しない。
すなわち、夕方になり暗くなると門柱10付近を照らす照明が必要ではあるが、夕方であれば居住者が帰宅したり、来客があったりする可能性があるため、前記調光モードが好ましい。また、所定時間が経過すると、居住者は既に帰宅し、来客の可能性も格段に低くなるので、前記ON・OFFモードが好ましい。
なお、前記モード切替スイッチには、前記調光モードからON・OFFモードに切り替わる時間を、居住者の生活スタイル等に応じて変更できるように、タイマー選択スイッチを設けるようにしてもよい。
【0039】
以上のような本実施の形態の門柱10の他にも、図6に示すような門柱10Aを用いるようにしてもよい。
この門柱10Aは、敷地1外部側に配置される正面板材20Aと、この正面板材20Aに対向し、かつ間隔をあけて建物2側に配置される背面板材30Aと、これら正面板材20Aおよび背面板材30A間に設けられる門柱用機器40Aとを備えている。
この門柱用機器40Aは、人体等の発熱を感知する人感センサー(図示せず)と、この人感センサーに接続されて、この人感センサーが人体等の発熱を感知した際に点灯する本体照明42Aと、正面部が側方に向くようにして設けられるインターフォン43Aと、このインターフォン43Aと同じ方向に投入口44Aaが向くようにして設けられるポスト44Aと、前記背面板材30Aの正面側上端部に設けられる表札45Aとを備えている。
【0040】
前記本体照明42Aは、前記正面板材20Aおよび背面板材30A間の上端部左側に配置されており、この本体照明42Aの直下に、前記インターフォン43Aが配置されている。
また、前記正面板材20Aおよび背面板材30A間の上端部右側には、前記本体照明42Aおよびインターフォン43Aに隣接するようにしてセンサーボックス41Aaが配置されている。
また、前記正面板材20Aおよび背面板材30A間の中央部付近には、前記ポスト44Aが配置されている。
【0041】
なお、前記門柱10,10Aは、図1、図2および図6に示すように、前記正面板材20,20Aに対して、前記背面板材30,30Aが左側にずれて配置されるとともに、前記インターフォン43,43Aの正面部およびポスト44,44Aの投入口44a,44Aaが左側方に向いた状態となっているが、これに限られるものではない。
すなわち、前記正面板材20,20Aに対して、前記背面板材30,30Aを右側にずらして配置したり、これら正面板材20,20Aおよび背面板材30,30Aの側端部を揃えて配置したりしてもよい。また、前記インターフォン43,43Aの正面部およびポスト44,44Aの投入口44a,44Aaを右側方に向けるようにしてもよい。
【0042】
本実施の形態によれば、前記正面板材20および背面板材30間に門柱用機器40が設けられているので、前記人感センサー41のセンシング動作は、前記正面板材20および背面板材30によって遮られることとなる。したがって、これら正面板材20および背面板材30に対して真正面から近づく者は感知せずに、前記正面板材20および背面板材30の側方から近づく者だけを感知することができるので、門柱10前を歩行者が往来するたびに、前記本体照明42が点灯してしまうことを防ぐことができる。これによって、敷地1に面する道路を通行する歩行者に不快感を与えることを確実に防ぐことができるとともに、前記人感センサー41によって、居住者や来訪者等、敷地1を出入りする者だけを感知して、前記本体照明42を効果的に点灯させることが可能となる。
【0043】
また、このように、門柱10前を歩行者が往来するたびに、前記本体照明42が点灯してしまうことを防ぐことができるので、無駄な電力消費量を低減することが可能となる。
【0044】
さらに、前記人感センサー41による感知エリアは、この人感センサー41および正面板材20の側端部どうしの延長線Aと、前記人感センサー41および背面板材30の側端部どうしの延長線Bとの間の範囲内であることから、この人感センサー41による感知エリアは、前記正面板材20の側端部および背面板材30の側端部によって規定されることとなる。
すなわち、前記正面板材20および背面板材30の側端部どうしの離間寸法や、これら正面板材20および背面板材30の側端部どうしと前記人感センサー41との距離や、これら正面板材20および背面板材30のうち、一方の板材20(30)の側端部に対する他方の板材30(20)の側端部の側方への突出寸法等によって、前記人感センサー41の感知エリアの大きさを異なるものとすることができる。したがって、例えば敷地1周囲の環境や建築条件等に合わせて、前記正面板材20および背面板材30を配置する位置を調節することによって、前記人感センサー41の感知エリアが可変となるので、前記本体照明42をより効果的に点灯させることが可能となる。
【0045】
次に、本実施の形態の門柱10が配置された玄関アプローチ構造について説明する。
すなわち、本実施の形態の玄関アプローチ構造は、図4および図5に示すように、前記門柱10が、敷地1と、この敷地1に面した道路3との境界部分に起立設置されており、
前記人感センサー41に接続されて、この人感センサー41が人体等の発熱を感知した際に、前記本体照明42と連動して点灯する前記子照明50が、前記道路3と玄関4との間に配置された通路5に沿って複数配置されている。
【0046】
前記玄関4は、いわゆる玄関ポーチであり、建物2内部と建物2外部とを連通する玄関ドア(図示せず)に面して設けられている。また、前記通路5は、前記道路3と玄関4との間に、複数の敷石を敷設してなる。そして、本実施の形態においては、前記建物2の外部であって、前記玄関4から、前記通路5を介して前記門柱10が配置された箇所の付近(すなわち、敷地1外部との境界部分)までの場所を玄関アプローチと呼称する。
【0047】
前記子照明50は、図1に示すように、上部が本体となっており、下部が、この子照明50を地面に差し込むことができるように差込部50bが設けられている。
また、この子照明50は、上述のように接続線40bを介して、前記人感センサー41と接続されており、前記本体照明42と連動して点灯させることができるようになっている。
【0048】
また、前記複数の子照明50のうち、少なくとも前記玄関4の直近に配置された子照明50は、図1および図6に示すように、人体等の発熱を感知する補助人感センサー50aを備えている。これによって、人が前記建物2から玄関4に出てきた際に、前記子照明50が点灯するようになっている。
【0049】
また、前記本体照明42は、前記補助人感センサー50aに接続されて、この補助人感センサー50aが人体等の発熱を感知した際に点灯可能となっている。これによって、人が前記建物2から玄関4に出てきた際に、これら本体照明42および子照明50が点灯するようになっている。
【0050】
なお、前記子照明50は、前記通路5に沿って配置するだけでなく、前記敷地1内の様々な場所に配置するようにしてもよい。また、様々な場所に配置した子照明50のうち、任意の子照明50に対して、前記補助人感センサー50aを設けて、安全性および防犯性を向上させるようにしてもよい。
【0051】
本実施の形態によれば、前記門柱10の人感センサー41に接続されて、この人感センサー41が人体等の発熱を感知した際に、前記本体照明42と連動して点灯する子照明50が、前記道路3と玄関4との間に配置された通路5に沿って複数配置されていることから、前記門柱10の側方を通り抜けて敷地1内に立ち入った際に、前記本体照明42が点灯するとともに、前記複数の子照明50が点灯し、前記通路5を照らすことができるので、前記通路5を歩行する際の安全性を向上させることができる。
また、人が前記建物2から玄関4に出てきた際に、前記子照明50が点灯するとともに、前記本体照明42が点灯し、前記通路5を照らすことができるので、前記通路5を歩行する際の安全性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る門柱の一例を示すもので、正面図、左側面図、右側面図、平面図である。
【図2】図1の門柱を示す斜視図である。
【図3】人感センサーの感知エリアを示す平面図である。
【図4】本発明に係る玄関アプローチの一例を示す平面図である
【図5】本発明に係る玄関アプローチの他の一例を示す平面図である。
【図6】本発明に係る門柱の他の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 敷地
2 建物
10 門柱
20 正面板材
30 背面板材
40 門柱用機器
41 人感センサー
42 本体照明

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷地外部側に配置される正面板材と、この正面板材に対向し、かつ間隔をあけて建物側に配置される背面板材と、これら正面板材および背面板材間に設けられる門柱用機器とを備えており、
この門柱用機器は、人体等の発熱を感知する人感センサーと、この人感センサーに接続されて、この人感センサーが人体等の発熱を感知した際に点灯する本体照明とを備えており、
前記人感センサーによる感知エリアは、この人感センサーおよび正面板材の側端部どうしの延長線と、前記人感センサーおよび背面板材の側端部どうしの延長線との間の範囲内であることを特徴とする門柱。
【請求項2】
請求項1に記載の門柱において、
前記正面板材の一方の側端部は、前記背面板材の一方の側端部よりも外側に突出しており、前記背面板材の他方の側端部は、前記正面板材の他方の側端部よりも外側に突出していることを特徴とする門柱。
【請求項3】
請求項1または2に記載の門柱において、
前記門柱用機器は、正面部が側方に向くようにして設けられるインターフォンと、このインターフォンと同じ方向に投入口が向くようにして設けられるポストとを備えていることを特徴とする門柱。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の門柱が、敷地と、この敷地に面した道路との境界部分に起立設置されており、
前記人感センサーに接続されて、この人感センサーが人体等の発熱を感知した際に、前記本体照明と連動して点灯する子照明が、前記道路と玄関との間に配置された通路に沿って複数配置されていることを特徴とする玄関アプローチ構造。
【請求項5】
請求項4に記載の玄関アプローチ構造において、
前記複数の子照明のうち、少なくとも前記玄関の直近に配置された子照明は、人体等の発熱を感知する補助人感センサーを備えており、
前記本体照明は、この補助人感センサーに接続されて、この補助人感センサーが人体等の発熱を感知した際に点灯可能となっていることを特徴とする玄関アプローチ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−108488(P2009−108488A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278867(P2007−278867)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】