説明

開放型燃焼機器

【課題】ガス検知部に異物が付着することを抑制する開放型燃焼機器を提供する。
【解決手段】供給される燃料を燃焼する燃焼部と、外気を給気口から取り入れて燃焼部を介して流出口へ送る送風部と、可燃性ガスと一酸化炭素ガスとのいずれか一方、又は両方に感応するガス検知部20とを備えた開放型燃焼機器であって、ガス検知部20の周囲に浮遊する異物を吸着してガス検知部20へ異物が付着することを抑制する異物付着抑制手段32を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給される燃料を燃焼する燃焼部と、外気を給気口から取り入れて前記燃焼部を介して流出口へ送る送風部と、可燃性ガスと一酸化炭素ガスとのいずれか一方、又は両方に感応するガス検知部とを備えた開放型燃焼機器に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料を燃焼部により燃焼させる開放型燃焼機器は、燃焼部や送風部等がケーシング内に収納されており、送風部により外気をケーシング内に取り込み、その取り込んだ外気を燃焼用空気として燃焼部で燃焼させ、燃焼部で燃焼させた燃焼ガスをケーシング外に排出するように構成されている。このような開放型燃焼機器としては、燃焼部で燃焼させた燃焼ガスとの熱交換により湯水を加熱しその湯水を給湯箇所等に供給する給湯器や、燃焼ガスを暖房用空気等としてそのまま暖房箇所等へ放出する暖房機等がある。従来の開放型燃焼機器では、安全性を確保するために、可燃性ガスが漏洩した場合等に当該可燃性ガスの漏れを検知したり、燃焼部における不完全燃焼等により生じる一酸化炭素ガスを検知したりするガス検知部を備えて構成されている。(特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−65989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した開放型燃焼機器では、例えば、ケーシング内に取り入れた外気を流動させる通路等にガス検知部を設け、ケーシング内に取り込んだ外気等の流体を検知対象とするように構成されている。
【0005】
そこで、ケーシング内に外気を取り込む給気口等に、塵埃等の異物を除去するためのフィルターを設けることが考えられる。しかしながら、この場合には、ケーシング内に取り込んだ外気を燃焼用空気として利用しているので、燃焼に必要な量の外気流入を確保しなければならず、その為に、多数の開口部等を設けることになる。よって、この開口部等から塵埃等の異物がケーシング内に侵入することになり、ケーシング内への異物の侵入を完全に防止することができず、フィルターを設ける場合でも、ガス検知部に異物が付着する虞がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス検知部に異物が付着することを抑制する開放型燃焼機器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る開放型燃焼機器は、供給される燃料を燃焼する燃焼部と、外気を給気口から取り入れて前記燃焼部を介して流出口へ送る送風部と、可燃性ガスと一酸化炭素ガスとのいずれか一方、又は両方に感応するガス検知部とを備え、
その特徴構成は、前記ガス検知部の周囲に浮遊する異物を吸着して前記ガス検知部へ異物が付着することを抑制する異物付着抑制手段を備えている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、異物付着抑制手段が、ガス検知部の周囲の流体に含まれる異物を吸着して取り除くので、ガス検知部に異物が付着することを抑制できる。特に、ガス検知部の検知対象をケーシング内に取り込んだ外気として、当該外気に含まれる異物がガス検知部に付着し易い状態であっても、外気に含まれる異物がガス検知部に付着することを抑制できる。
【0009】
本発明に係る開放型燃焼機器の更なる特徴構成は、前記ガス検知部に検知対象の流体を導く案内部が設けられ、前記流体が導かれる方向において、前記案内部のうち前記ガス検知部よりも上流側の部位に前記異物付着抑制手段が設けられている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、案内部が、検知対象の流体を適切にガス検知部へ導くことができる。そして、前記流体が導かれる方向において、案内部のうちガス検知部よりも上流側の部位に異物付着抑制手段を設けることで、案内部を利用して異物付着抑制手段を設置することができながら、ガス検知部の上流側で異物等を吸着でき、異物等がガス検知部へ導かれることを的確に抑制できる。
【0011】
本発明に係る開放型燃焼機器の更なる特徴構成は、前記燃焼部及び前記送風部を収納するケーシングが設けられ、そのケーシングの外側面のうち、前記ケーシング外から前記燃料を供給するためのガス流通管を接続するガス接続口が設けられている面に、前記ガス検知部と前記異物付着抑制手段とが設けられている点にある。
【0012】
ガス接続口にゴムホースやガス管等のガス流通管を接続して開放型燃焼機器を使用するので、例えば、ガス接続口に対するガス流通管の接続不良が生じると、ガス接続口から燃料等の可燃性ガスが漏洩する可能性がある。そこで、上記特徴構成によれば、ガス検知部と異物付着抑制手段とが、ケーシングの外側面のうち、ガス接続口が設けられている面に設けられるので、ガス接続口から漏洩した可燃性ガス等を漏洩の初期段階で比較的迅速に検出することができる。
更に、ガス検知部及び異物付着抑制手段を、ガス接続口に隣接して配置するようにすれば、可燃性ガスが漏洩する可能性が高いガス接続口からの漏洩をより迅速に検出することができる。
【0013】
尚、本発明に係る開放型燃焼機器の特徴構成ではないが、その参考構成として、
供給される燃料を燃焼する燃焼部と、外気を給気口から取り入れて前記燃焼部を介して流出口へ送る送風部と、可燃性ガスと一酸化炭素ガスとのいずれか一方、又は両方に感応するガス検知部とを備え、前記ガス検知部は、カバー部により開閉自在な窓部を有する筐体内に収納され前記窓部を通してその筐体内に侵入する流体を検知対象として設けられ、前記燃焼部が燃焼状態である場合、前記カバー部を前記窓部を開く開位置に位置させ、前記燃焼部が非燃焼状態である場合、前記カバー部を前記窓部を閉じる閉位置に位置させて異物が前記ガス検知部へ付着することを抑制する異物付着抑制手段を備えている構成が考えられる。
【0014】
上記参考構成によれば、燃焼部が燃焼状態である場合、カバー部を開位置に位置させ、筐体外の流体を窓部を通して筐体内に取り入れてガス検知部により可燃性ガスや一酸化炭素ガスを検知可能にできると共に、燃焼部が非燃焼状態である場合、カバー部を閉位置に位置させ、異物を含む流体を筐体の内部に侵入させないようにし、ガス検知部に異物が付着することを抑制できる。
これにより、燃焼部が非燃焼状態である場合等で、ガス検知部がガス検知をする必要のない時には、ガス検知部を外部空間と隔離して、異物等がガス検知部に付着することを良好に抑制することができ、ガス検知部のガス検知の感度が鈍ることを抑制できる。
【0015】
また、本発明に係る開放型燃焼機器の別の参考構成としては、
前記燃焼部が燃焼状態である場合、前記カバー部を前記開位置に維持するカバー固定手段が設けられている構成が考えられる。
【0016】
上記参考構成によれば、カバー部を開位置に維持するカバー固定手段が設けられているので、例えば、燃焼部が燃焼状態であるときに、誤作動等によりカバー部を閉位置に位置変更させようとしても、カバー固定手段によりカバー部を開位置に維持させることができる。よって、燃焼部が燃焼状態であるときに、誤作動等が生じても、ガス検知部によるガス検知を継続でき、より適切に使用者の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の参考形態の概略構成図
【図2】本発明の参考形態に係る制御構成のブロック図
【図3】本発明の参考形態に係る異物付着抑制手段の概略構成図
【図4】本発明の実施形態に係る異物付着抑制手段の概略構成図
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
〔参考形態〕
まず、本願の権利範囲に含まれるものではないが、本発明の実施形態の理解を容易にするために、本発明の参考形態として、開放型燃焼機器の一例であるガスファンヒータ100の基本構成を、図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、ガスファンヒータ100は、供給される燃料G(メタンを主成分とする都市ガス13A等)を燃焼する燃焼室1(燃焼部の一例)と、外気を給気口7から取り入れて吹き出し口9へ導くファン6(送風部の一例)と、可燃性ガス(例えば都市ガス)を検知するガスセンサ20(ガス検知部の一例)と、ガスファンヒータ100を操作する操作部Bと、その操作部B等からの信号に基づいてガスファンヒータ100の運転を制御する制御装置18とを備えて構成されている。
【0019】
燃焼室1は、ファンヒータ100の外壁面を形成するケーシング13の内部に配置され、燃料Gを外部から導くガス供給管2と、その燃料Gと外気との混合気を燃焼させるバーナ3と、バーナ3を点火するイグナイタ4と、バーナ3における温度を検出する熱電対5とから構成されている。
ケーシング13は、背面に給気口7を有すると共に前面に吹き出し口9(流出口の一例)を有しファンヒータ100全体を外囲する形状に構成され、その内部には、外気(空気等)の一部を燃焼用空気として燃焼室1に導くと共に、その残部を燃焼室1から排出された燃焼ガスと混合して吹き出し口9から送り出すように、外気流通流路8が設けられている。給気口7には、異物等を除去するためのエアフィルタ17が設けられている。
【0020】
上記ファン6は、外気流通流路8の途中に配置され、給気口7から外気を吸引してその一部を燃焼室1を介して流通させると共に、その残部と燃焼室1から排出された燃焼ガスとを混合して吹き出し口9へ導くように機能する。
【0021】
ガスセンサ20は、可燃性ガスの漏洩を検出するセンサ部20aとそのセンサ部20aを制御するセンサ基板20bとから成り、例えば、半導体式のものや赤外線吸収式のものが用いられている。
【0022】
ガスセンサ20は、後述する異物付着抑制手段Aと共に、ケーシング13の外側面のうち背面に沿って、その内部に埋め込まれる形態で設けられている。ケーシング13の背面には、燃料Gを導くガス管12の接続継手11と接続するプラグ10(ガス接続口の一例)が設けられており、ガスセンサ20は、プラグ10と同じケーシング13の背面で、且つ、プラグ10の設置箇所の上方に位置するように配置されている。このような配置により、ガスセンサ20は、プラグ10に対する接続継手11の接続が不十分で可燃性ガスが漏洩した場合に、いち早く可燃性ガスの漏洩を検知する機能を発揮する。ガスセンサ20は、可燃性ガスを検知して、その濃度が設定値以上であると判定した場合、異常検知信号を制御装置18に送信する。制御装置18は、ガスセンサ20から異常検知信号を受信した場合、ガス供給管2に設けられている開閉弁を閉状態としてバーナ3の燃焼を停止させ、その後設定時間が経過するまでファン6の駆動を継続させると共に、後述する異常報知パネル16にその異常検知信号を送信する。
【0023】
操作部Bは、ファンヒータ100を起動及び停止する運転起動信号及び運転停止信号を制御装置18に送信する運転ボタン14、目標温度に関する信号を制御装置18に送信する温度設定ボタン15、制御装置18からファンヒータ100の異常検知信号を受信して「ガス漏れ異常」等の情報を表示する異常報知パネル16等を備えて構成されている。
【0024】
制御装置18は、例えば、運転ボタン14から運転起動信号を受信した場合、ファン6を回転駆動させ、ガス供給管2に設けられている開閉弁(図示せず)を開状態として燃料Gをバーナ3に供給し、イグナイタ4を点火してバーナ3を燃焼させると共に、後述する異物付着抑制手段Aに運転起動信号を送信する。一方、運転ボタン14から運転停止信号を受信した場合、ファン6の回転駆動を停止させ、ガス供給管2に設けられている開閉弁を閉状態として燃料Gのバーナ3への供給を停止すると共に、後述する異物付着抑制手段Aに運転停止信号を送信する。
【0025】
次に、本発明の開放型燃焼機器としてのファンヒータ100の特徴構成を、図3(a)及び図3(b)に基づいて説明する。
【0026】
ガスセンサ20は、窓部23を有する筐体24の内部に収納され、窓部23を通してその筐体24の内部に侵入する外気を検知するように、そのセンサ部20aを窓部23の側へ向けると共に、そのセンサ基板20bを窓部23の逆側へ向けて設けられている。
【0027】
上記窓部23には、その窓部23を開いて筐体24の内部に外部の外気を導くことができる開位置と、窓部23を閉じて筐体24の内部を外部と隔離する閉位置とに移動自在なカバー部25が設けられている。筐体24は、その窓部23が設けられている面がファンヒータ100のケーシング13の外側面と同一面に位置するように設置されている。図3(a)は、カバー部25が閉位置に位置する状態を示しており、図3(b)は、カバー部25が開位置に位置する状態を示している。
【0028】
上記カバー部25を開位置から閉位置の側へ付勢するバネ26が設けられている。そして、カバー部25は、側部にギア21aと噛み合う凹凸形状を有し、ギア21aの回転により開位置と閉位置との間を移動可能に構成されている。当該ギア21aは、制御装置18からの制御信号により回転方向を切替可能なモータ21bにより回転方向変更自在に構成され、カバー移動手段21として機能する。
更に、カバー部25は、磁力により固定可能な部材から成り、図3(b)に示すように、窓部23を開く開位置にある時に、電磁石22(カバー固定手段の一例)の磁力により当該カバー部25を開位置に維持可能に構成されている。当該電磁石22は、カバー部25が開位置に位置する状態で、当該カバー部25と筐体24との間に位置するように、筐体24の外側面に設置されている。
そして、筐体24、カバー部25、及び窓部23の三者は、燃焼室1のバーナ3が燃焼状態である場合、図3(b)に示すように、カバー部25を窓部23を開く開位置に位置させると共に、燃焼室1のバーナ3が非燃焼状態である場合、図3(a)に示すように、カバー部25を窓部23を閉じる閉位置に位置させることで異物付着抑制手段Aとして機能する。
【0029】
上述したガスセンサ20及び異物付着抑制手段Aは、特に、ケーシング13の外側面のうちプラグ10が設けられている面に対して設けられることが好ましく、より好ましくは、プラグ10が設けられている部位に隣接して設けられることが好ましい。このように配置することにより、ガスセンサ20が、プラグ10と接続継手11との接続が不十分で、漏洩した可燃性ガスを良好に検知することができる。
尚、ファンヒータ100の燃料Gである可燃性ガスとして都市ガス13Aを利用する場合、プラグ10の設置部位よりも上方にガスセンサ20及び異物付着抑制手段Aを設けることで、空気よりも軽い可燃性ガスをより的確に検出する機能を発揮する。
【0030】
次に、ファンヒータ100が運転状態と停止状態との両状態をとる場合において、上記異物付着抑制手段Aの動作について説明する。
上述したように、制御装置18は、操作部Bの運転ボタン14から運転起動信号を受信した場合、ファンヒータ100の各部に運転起動信号を送信し、ファンヒータ100を運転状態とするのに伴って、カバー移動手段21のモータ21bに対しても運転起動信号を送信する。運転起動信号を受信すると、モータ21bは、カバー部25を閉位置から開位置へ移動するようにギア21aを回転させ、バネ26の付勢力に抗してカバー部25を開状態へ移行する。これに伴って、制御装置18は、電磁石22に対しても運転起動信号を送信し、電磁石22に磁力を発生させ、カバー部25を開状態に維持する。
これにより、筐体24の内部に設けられたガスセンサ20の周囲には、筐体24の外部の外気が導かれることとなるので、ガスセンサ20は、筐体24の外部の外気に可燃性ガスが含まれていることを良好に検知する機能を発揮できる。
一方、制御装置18は、操作部Bの運転ボタン14から運転停止信号を受信した場合、ファンヒータ100の各部に運転停止信号を送信しファンヒータ100を運転状態とするのに伴って、電磁石22にも運転停止信号を送信し、電磁石22による磁力の発生を停止し、カバー部25を閉状態に維持する。さらに、制御装置18は、カバー移動手段21のモータ21bに対して運転停止信号を送信する。モータ部21bは、運転停止信号を受信するとカバー部25を開位置から閉位置へ移動するようにギア21aを回転させ、カバー部25を閉位置へ移動する。
これにより、ファンヒータ100が停止状態である場合、即ち、燃焼室1のバーナ3が非燃焼状態であって可燃性ガスの漏洩の発生する可能性が極めて低い場合、異物付着抑制手段Aは、筐体24の内部に設置されたガスセンサ20を、筐体24の外側の外気から隔離して、ガスセンサ20の周囲に異物が移動することを抑制し、ガスセンサ20に異物が付着して感度が低下することを防ぐ機能を発揮する。
尚、本発明のファンヒータ100は、夏季等で長期間利用されることがなく、ガスセンサ20に対して塵埃が堆積しやすいような状況においても、上記カバー部25を閉状態に維持することで、ガスセンサ20に塵埃が堆積することを良好に防止する機能を発揮する。
【0031】
〔実施形態〕
次に、本発明の実施形態を図4に基づいて説明する。尚、上述の参考形態と同一の構成については、同一の名称及び符号を付す事とし、その説明を割愛することがある。
実施形態では、ガスセンサ20のセンサ部20aを外囲し検知対象の外気をセンサ部20aに導く案内部31が設けられ、当該外気が導かれる方向において、案内部31のうちセンサ部20aよりも上流側の部位に、外気に含まれる異物を吸着する帯電部32が設けられている。当該帯電部32は、静電気を帯電可能な部材から成り、静電気発生装置30から静電気が供給されることで異物を吸着するように構成されている。
そして、案内部31が、検知対象の外気をセンサ部20aへ導き、帯電状態の帯電部32が、その外気から異物を吸着する形態で、センサ部20aに異物が付着することを抑制して、異物付着抑制手段Aとして機能する。
【0032】
上記案内部31は、図4に示されているように、センサ部20aを外囲する管状筒体から構成し、外気を案内する方向において、その上流側の開口部が、下方に向けて開口する形状とすることが好ましい。これにより、大気よりも比重が小さく、上方へ移動するメタン等の可燃性ガスを良好にセンサ部20aに導くことができる。さらに、帯電部32が帯電状態である時に吸着した異物は、帯電部32が非帯電状態である時に自重落下させて、センサ部20aから遠ざけることができる。
【0033】
次に、実施形態に係るファンヒータ100を運転状態と停止状態とに切り替える場合の異物付着抑制手段Aの動作を説明する。
制御装置18が、操作部Bの運転ボタン14から運転開始信号を受信した場合、ファンヒータ100の各部に運転開始信号を送信して運転状態へ移行するに伴って、静電気発生装置30にも運転開始信号を送信する。静電気発生装置30は、生成した静電気を帯電部32へ送る。これにより、センサ部20aへ導かれる検知対象の外気に含まれる異物は、帯電状態の帯電部32により吸着されるので、異物がセンサ部20aの側へ移動することを抑制できる。当該実施形態によれば、特に、センサ部20aに対して検知対象の外気を導きながらも、センサ部20aの側へ移動する異物を的確に取り除くことができ、これにより、異物がセンサ部20aに付着することを抑制できる。
一方、制御装置18が、操作部Bの運転ボタン14から運転停止信号を受信した場合、制御装置18は、ファンヒータ100の各部に運転停止信号を送信して停止状態へ移行する。これに伴って、制御装置18は、静電気発生装置30に対して運転停止信号を送信する。静電気発生装置30は、静電気の生成を停止し、帯電部32に対して静電気を送ることを停止する。
【0034】
〔別実施形態〕
(イ)
本発明の開放型燃焼機器は、ファンヒータ100に限定されるものではなく、給湯器等であってもよい。また、燃料は、天然ガス等の都市ガスの他に、灯油、及びプロパン等を用いることができる。
【0035】
(ロ)
上記参考形態において、ファンヒータ100を運転状態から停止状態へ切り替えるに際して、制御装置18は、カバー部25が開状態から閉状態へ移行するようにモータ21bを回転させるように制御したが、単に回転を停止するように制御し、バネ26の付勢力によりカバー部25が開状態から閉状態へ移行させるように構成してもよい。
また、ガスセンサ20は必ずしも筐体に収納される必要はなく、ファンヒータ100に穴部23を直接設ける形で構成してもよい。
【0036】
(ハ)
上記実施形態において、ファンヒータ100を停止している状態であっても、ガスセンサ21への異物の移動を抑制するように機能させるようにしてもよい。例えば、操作部Bの異物付着抑制スイッチ(図示せず)を設け、この異物付着抑制スイッチがON状態である場合には、静電気発生装置30が静電気を発生して、帯電部32に供給し続けるように構成することができる。
【0037】
(ニ)
上記実施形態において、ガスセンサ20は、可燃性ガスの漏洩を検出するものとしたが、別に、一酸化炭素ガス等の他のガスを検出するものであってもよいし、可燃性ガスと一酸化炭素ガスとの双方を検出可能なものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本願発明の開放型燃焼機器は、ガス検知部に異物が付着することを抑制する開放型燃焼機器として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 :燃焼室
3 :バーナ
4 :イグナイタ
6 :ファン
7 :給気口
9 :吹き出し口
10 :プラグ
13 :ケーシング
20 :ガスセンサ
21 :カバー移動手段
22 :電磁石
23 :窓部
24 :筐体
25 :カバー部
31 :案内部
A :異物付着抑制手段
100:ファンヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される燃料を燃焼する燃焼部と、
外気を給気口から取り入れて前記燃焼部を介して流出口へ送る送風部と、
可燃性ガスと一酸化炭素ガスとのいずれか一方、又は両方に感応するガス検知部とを備えた開放型燃焼機器であって、
前記ガス検知部の周囲に浮遊する異物を吸着して前記ガス検知部へ異物が付着することを抑制する異物付着抑制手段を備えている開放型燃焼機器。
【請求項2】
前記ガス検知部に検知対象の流体を導く案内部が設けられ、
前記流体が導かれる方向において、前記案内部のうち前記ガス検知部よりも上流側の部位に前記異物付着抑制手段が設けられている請求項1に記載の開放型燃焼機器。
【請求項3】
前記燃焼部及び前記送風部を収納するケーシングが設けられ、そのケーシングの外側面のうち、前記ケーシング外から前記燃料を供給するためのガス流通管を接続するガス接続口が設けられている面に、前記ガス検知部と前記異物付着抑制手段とが設けられている請求項1又は2に記載の開放型燃焼機器。
【請求項4】
前記ガス検知部及び前記異物付着抑制手段は、前記ガス接続口に隣接して配置されている請求項3に記載の開放型燃焼機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−7564(P2013−7564A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−227135(P2012−227135)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【分割の表示】特願2008−307892(P2008−307892)の分割
【原出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】