説明

開缶装置

【課題】缶容器(缶ビール等)のプルタブの引き起こしを自動で行うことができる開缶装置を提供する。
【解決手段】RCサーボ125のモータ(クランク部124)が0°の位置にある状態(初期状態)から、RCサーボ125を動作させると、まず、オープナー部121が缶容器101の上面を滑りながら後方に移動していく。そして、オープナー部121のフック部603がプルタブ102の先端に引っかかると、オープナー部121を後方に引っ張っているピン129aの位置(力の作用点)が、オープナー部121のフック部603より高い位置にあることから、オープナー部121のフック部603では、オープナー部121の先端を引き起こす方向に力がかかることになり、オープナー部121が後方に引っ張られるにつれて、オープナー部121がピン129aを中心に時計回りに回転し始める。このオープナー部121の回転により、プルタブ102が引き起こされ、その結果、缶容器101の飲み口が開口されることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プルタブを備えた缶容器の開缶(プルタブの引き起こし)を行う装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、缶ビールや缶ジュースは、プルタブを備えたものが一般的であり、缶容器に入れられた飲料を飲む場合、缶容器上面の蓋部に設けられたプルタブを引き起こすことによって、飲み口(注出口)を形成(開口)している。なお、現在の缶ビールや缶ジュースのほとんどは、開缶後もプルタブが缶蓋から離脱しないステイオンタブ式のものになっている。
【0003】
例えば、このようなプルタブを備えた缶ビールや缶ジュース等の缶容器から、ビールやジュース等の内容物を自動的に取り出す装置を考えた場合、プルタブの引き起しを自動で行う装置が必要となる。
【0004】
なお、特開平3−289486号公報には、口金を上面に向けて缶を定位置に保持するガイド部材と、先端に口金のプルトップ・リングへ差し込む爪部を形成して回転軸に連結した開封アームと、開封アームを缶に対して前進、後退並びに回転軸の回りで回転操作する駆動機構とを具備した口金開封装置が開示されている。
【0005】
また、特開平5−225434号公報には、商品缶のプルトップ部を有する頂端面を上方にして、商品缶を直立させる第1工程と、直立状態の商品缶のプルトップ部の位置を剥離用爪部の位置に整合して修正する第2工程と、剥離用爪部をプルトップ部の下側に差し入れて持ち上げ該プルトップ部を頂端面より剥離する第3工程と、プルトップ部が剥離された商品缶を所定位置に移動する第4工程とを設けてなる自動販売機用商品缶の連続的開缶法が開示されている。
【0006】
また、特開平7−251897号公報には、缶蓋に形成されたステイオン方式のタブを自動開口する缶蓋開口装置であって、タブを保持する保持手段と、前記保持手段を円弧状の軌跡で移動させ、その後、所定の方向に略直線的に移動させる移動手段とを有するものが開示されている。
【特許文献1】特開平3−289486号公報
【特許文献2】特開平5−225434号公報
【特許文献3】特開平7−251897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、缶容器のプルタブの引き起こしを自動で行うことができる開缶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る開缶装置は、缶容器の上面に設けられたプルタブを引き起こす開缶装置であって、前記缶容器の上面に載置されるオープナー部と、前記オープナー部を前記プルタブの先端から後端の方向へ水平に駆動する駆動部とを備え、前記オープナー部は、その底面に前記プルタブの先端部と係合するフック部が形成され、前記フック部より高い位置に形成された孔に挿入されたピンを中心に回動可能であり、前記駆動部は、前記ピンを水平に駆動することで、前記オープナー部を駆動することを特徴とする。
【0009】
この場合において、前記駆動部は、前記オープナー部と前記ピンによって結合された連接部と、前記連接部と結合されたクランク部と、前記クランク部を回転駆動するモータとを備えるようにしてもよい。
【0010】
また、前記オープナー部を収容するホルダ部を更に備え、前記ホルダ部は、前記オープナー部を収容する空間側の側面に、前記ピンの端部を収容する溝が形成されているようにしてもよい。
【0011】
また、前記オープナー部を上下動させる上下動操作部を更に備えるようにしてもよい。
【0012】
また、前記缶容器が載置される缶容器載置部を更に備え、前記缶容器載置部は、前記缶容器を少なくとも360°回転させることができるようにしてもよい。
【0013】
また、前記オープナー部は、その底面に、前記フック部の先端と前記プルタブの先端とが対向するような位置関係にあるときのみ、前記プルタブを収容することができる凹部が形成されているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、缶容器のプルタブの引き起しを自動で行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図1〜図5は、本発明による開缶装置の構造を示す図である。図1は正面図を示し、図2は側面図を示し、図3は平面図を示す。また、図4及び図5は、本発明による開缶装置の一部(後述する開缶操作部)の詳細を示す図である。
【0017】
図1〜図5に示すように、本発明による開缶装置100は、缶容器101が載置される缶容器載置部110と、缶容器101の上面に載置されて開缶操作を行う開缶操作部120と、開缶操作部120の上下動を行う上下動操作部130とを備える。なお、同図には示していないが、開缶装置100は、各部の動作を制御するための制御部や各部の動作に必要な電力を供給する電源部も備えている。
【0018】
また、缶容器載置部110と上下動操作部130とは、2本のロッド141によって連結されており、開缶操作部120と上下動操作部130とは、チェーン151によって連結されている。
【0019】
以下、開缶装置100を構成する各部について説明する。
【0020】
まず、缶容器101が載置される缶容器載置部110について説明する。
【0021】
缶容器載置部110は、ベース部111と、4本の六角支柱112と、RCサーボ113と、モータアングル114と、2つの平歯車115a,115bと、駆動軸116と、ベアリングセット117と、カップ部118とを備え、ベース部111の下面側に、六角支柱112、RCモータ113、モータアングル114、平歯車115a,115b、駆動軸116、ベアリングセット117が配置され、ベース部111の上面側に、カップ部118が配置されている。
【0022】
ベース部111は、ほぼ正方形の平板状の形状を有する部材であって、その中央に駆動軸116等を通すための孔が形成されている。また、ベース部111には、ロッド141を通すための孔も形成されており、当該孔に挿入されたロッド141は、ロッドホルダ142によってベース部111に固定される。
【0023】
六角支柱112は、ベース部111の四隅に取り付けられて、ベース部111を支持する部材である。
【0024】
RCサーボ(モータ)113は、平歯車115a,115b及び駆動軸116を介して、カップ部118を回転駆動するものである。RCサーボ113は、信号線に所定のパルスを加えると、パルス幅に応じて180°までの範囲で時計回り又は反時計回りに回転して静止するものであり、例えば、モータ、減速ギア、制御回路、角度(位置)を検知するセンサ(ポテンショメータ)等によって構成される。RCサーボ113は、モータアングル114によって、ベース部111に固定される。
【0025】
平歯車115a,115bは、RCサーボ113の回転動力を、駆動軸116に伝達するための部材であり、RCサーボ113のモータ軸(シャフト)が180°回転することによって、駆動軸116を360°(以上)回転させることができるような歯数比を有している。
【0026】
駆動軸116は、カップ部118を回転させるための部材であって、一方(下側)の端部に平歯車115bが固定される。また、他方(上側)の端部は、カップ部118の底面中央部に固定される。
【0027】
ベアリングセット117は、駆動軸116を回転自在に支持する部材であり、ベース部111に固定される。
【0028】
カップ部118は、缶容器101を載置するための部材であり、概ね背の低い円柱状の外形を有し、その上面側に缶容器101の下端部を収容するための凹部が形成されている。
【0029】
次に、缶容器101の上面に載置されて開缶操作を行う開缶操作部120について説明する。
【0030】
開缶操作部120は、オープナー部121と、ホルダ部122と、連接部123と、クランク部124と、RCサーボ125と、モータホルダ126とを備える。
【0031】
オープナー部121は、缶容器101の上面に設けられたプルタブ102の引き起こしを行うための部材である。オープナー部121は、ピン129aによって、連接部123と回動自在に結合される。なお、オープナー部121の上面には、ストッパ127が取り付けられていて、オープナー部121が反時計回りに回転して、オープナー部121の上面がホルダ部122の上面より下がってしまうことを防止する。すなわち、開缶操作部120が上下動操作部130によって引き上げられている状態では、ストッパ127の働きによって、オープナー部121の上面は、ホルダ部122の上面と揃った状態に維持される。オープナー部121の構造の詳細については後述する。
【0032】
ホルダ部122は、オープナー部121を収容する部材である。また、ホルダ部122には、モータホルダ126によってRCサーボ125が固定される。RCサーボ125は、オープナー部121を前後(図1における左右方向)に移動させるために、モータ軸に固定されたクランク部124を回転駆動するものであり、RCサーボ113と同様に、信号線に加えられるパルスのパルス幅に応じて180°までの範囲で時計回り又は反時計回りに回転して静止するものである。
【0033】
また、ホルダ部122には、チェーン151の一方の端部が連結される。より具体的には、ホルダ部122に板128が固定され、この板128とチェーン151の一方(下側)の端部とが、ターンバックル部品152によって連結される。
【0034】
連接部123及びクランク部124は、RCサーボ125のモータ軸の回転運動を、直線運動に変換するための部材である。すなわち、RCサーボ125の回転動力を、オープナー部121を前後(図1における左右方向)に直線駆動する動力へ変換する。連接部123とクランク部124とは、ピン129bによって回動自在に結合されている。オープナー部121は、RCサーボ125のモータ軸が0°から180°に回転する時に、後方(同図における右方向)に引っ張られ、RCサーボ125のモータ軸が逆回転して180°から0°に戻る時に、前方(同図における左方向)に押される。
【0035】
次に、開缶操作部120の上下動を行う上下動操作部130について説明する。
【0036】
上下動操作部130は、RCサーボ131と、モータホルダ132と、スプロケット133とを備える。
【0037】
RCサーボ131は、開缶操作部120を上下動させるため、スプロケット133を回転駆動するものである。RCサーボ131は、RCサーボ113と同様に、信号線に加えられるパルスのパルス幅に応じて180°までの範囲で時計回り又は反時計回りに回転して静止するものである。RCサーボ131は、スプロケット133を回転させることで、チェーン151を介して、ホルダ部122(すなわち、開缶操作部120)を上下動させる。
【0038】
モータホルダ132は、RCサーボ131を保持するための部材であり、セットカラー134によってロッド141に固定されている。
【0039】
スプロケット133は、チェーン151が巻き掛けられる部材であって、RCサーボ131のモータ軸に固定されて、RCサーボ131のモータ軸に連動して回転する。チェーン151の一方(上側)の端部とスプロケット133とは、ジョイントリンク135によって連結される。
【0040】
次に、開缶操作部120を構成する主な部材の構造について説明する。
【0041】
図6は、オープナー部121の構造を示す図であり、同図(a)は平面図を示し、同図(b)は底面図を示し、同図(c)は正面図を示し、同図(d)は断面図を示している。
【0042】
同図に示すように、オープナー部121は、概ね、水平方向(同図における左右方向)に長い直方体状の外形を有し、前端部(同図における左側の部分)において、高さ及び幅方向にやや細くなり、後端部(同図における右側の部分)において、高さ方向にやや細くなるように形成されている。そして、中央部には、引き上げられたプルタブ102が収まることとなる孔602が形成されている。
【0043】
また、オープナー部121の前端部の底面側には、開缶時にプルタブ102の先端部(リング部)に係合するフック部(爪部)603が形成されている。フック部603は、開缶時に、プルタブ102の先端部に確実に引っかかるように、その底面が最も下方(缶容器側)に突出するように形成されている。
【0044】
また、オープナー部121の後端部には、連接部123の先端部を収容するための溝601が形成されると共に、オープナー部121と連接部123とを結合するためのピン129aを挿入するための孔605が形成されている。孔605は、フック部603より高い位置に形成される。
【0045】
また、オープナー部121の底面側には、プルタブ102の向きとオープナー部121の向きがそろったとき(プルタブ102の先端とフック部603の先端が対向するようになったとき)に、プルタブ102がぴったりと収まるようになる凹部604が形成されている。このオープナー部121の底面に設けられた凹部604によって、プルタブ102の先端部と、オープナー部121のフック部603との位置合わせが実現される。プルタブ102の先端部と、オープナー部121のフック部603との位置合わせの詳細については後述する。
【0046】
図7は、連接部123の構造を示す図であり、同図(a)は平面図を示し、同図(b)は正面図を示し、同図(c)は断面図を示している。
【0047】
同図に示すように、連接部123は、概ねアーチ状の形状を有しており、前側(同図における左側)の端部において円弧の接線と垂直な方向に突出する突出部701を有している。そして、突出部701には、連接部123とオープナー部121とを結合するためのピン129aを挿入するための孔702が形成されている。
【0048】
また、連接部123の後側(同図における右側)の端部には、クランク部124の先端部を収容するための下方に開放された溝703が形成されている。更に、連接部123のの後端部には、連接部123とクランク部124とを結合するためのピン129bを挿入するための孔704が形成されている。なお、連接部123の後端部に形成された溝703に挿入されるクランク部124の先端部は、先端にいくほど細くなるように三角形状に形成されている。
【0049】
図8は、ホルダ部122の構造を示す図であり、同図(a)は平面図を示し、同図(b)は正面図を示し、同図(c)は断面図を示している。
【0050】
同図に示すように、ホルダ部122は、概ね背の低い直方体状の外形を有し、オープナー部121を収容するための孔801及び凹部802が形成されている。孔801及び凹部802の両側面には、オープナー部121の孔605及び連接部123の孔702に挿入されたピン129aの端部を収容する溝803が水平方向に形成されている。この溝803によって、ピン129aの動きが直線方向(水平方向)に規制される。
【0051】
また、ホルダ部122の底面側には、缶容器101の上端部を収容するための凹部804が形成されている。但し、本実施形態においては、ホルダ部122は、缶容器101の一部がはみ出るように形成されている。
【0052】
また、ホルダ部122には、ロッド141を挿入するための孔805が形成されている。この孔805にロッド141が挿入されることによって、ホルダ部122(すなわち、開缶操作部120)は、ロッド141の長手方向に沿って上下動する。
【0053】
次に、以上のような構造を有する開缶装置100の動作について説明する。
【0054】
開缶装置100によって缶容器(例えば、缶ビール)の開缶を行う場合、まず、開缶対象となる缶容器が、缶容器載置部110のカップ部118に適宜載置される。例えば、利用者によって開缶対象となる缶容器が手で載置されたり、適当な搬送装置によって開缶対象となる缶容器が搬送されてきて自動的に載置される。このとき、プルタブ102の向きについてはどの方向を向いていてもかまわない。
【0055】
次に、上下動操作部130のRCサーボ131を動作させて、初期状態では上昇している開缶操作部120を下降させ、缶容器載置部110に載置された缶容器101の上面に対して載置する。開缶操作部120が缶容器101の上面に載置されたとき、缶容器101の上面に設けられたプルタブ102の向きと、オープナー部121の底面に形成された凹部804の向きとが一致するように缶容器101が載置されていない限り、プルタブ102が凹部804にうまく収まらず、オープナー部121がホルダ部122の上面から浮き上がった状態となる。この時、オープナー部121は、ピン129aを中心に回転することで浮き上がっているので、前側の部分のほうがより浮き上がることになる。
【0056】
次に、缶容器載置部110のRCサーボ113を動作させて、カップ部118を360°(以上)回転させる。カップ部118を回転させると、カップ部118と共に缶容器101も回転する。缶容器101が回転しても、開缶操作部120は回転しないので、オープナー部121の底面に形成された凹部804に対するプルタブ102の向きは缶容器101の回転に伴い徐々に変化していき、プルタブ102の向きと凹部804の向きとが一致する位置に達すると、オープナー部121の底面に形成された凹部804にプルタブ102がぴったり収まるようになり、オープナー部121の浮き上がりが解消される。そうすると、プルタブ102の側面が、オープナー部121の底面に形成された凹部804の側面に当たるようになり、プルタブ102、すなわち、缶容器101の動きが規制されるようになる。その結果、缶容器101は回転を停止し、カップ部118上を缶容器101の底面が滑るようになって、カップ部118が空回りするようになる。つまり、缶容器101を回転させている途中で、オープナー部121のフック部603とプルタブ102との位置合わせが一旦なされると、位置合わせされた状態がそのまま維持されることになる。このように、カップ部118を少なくとも360°回転させることで、缶容器101を載置した時点でのプルタブ102の向きに関わらず、プルタブ102とオープナー部121のフック部603の位置合わせを行うことが可能となる。なお、一般にプルタブ102は缶容器の中心から、ずれた状態で配置されているので、例えば、このプルタブ102の偏心を利用して、オープナー部121のフック部603の先端と、プルタブ102の先端とが対向するような位置関係にあるときにだけ、プルタブ102を収容することができる凹部804を形成することができる。
【0057】
以上のようにして、プルタブ102とオープナー部121(フック部603)との位置合わせが終了すると、次に、開缶操作部120による開缶操作が行われる。
【0058】
図9は、開缶操作部120による開缶操作を説明するための図である。同図(a)は、RCサーボ125のモータが0°の位置にあるときの状態を示し、同図(b)は、RCサーボ125のモータが回転をして、90°の位置にあるときの状態を示し、同図(c)は、RCサーボ125のモータが更に回転をして、180°の位置にあるときの状態を示している。
【0059】
同図(a)に示すように、RCサーボ125のモータ(クランク部124)が0°の位置にある状態(初期状態)から、RCサーボ125を動作させると、クランク部124及び連接部123を介して、ピン129aが後方(同図における右方向)に直線駆動されて、オープナー部121が後方に引っ張られる。ピン129aを介して後方に引っ張られたオープナー部121は、まず、缶容器101の上面を滑りながら後方に移動していく。そして、オープナー部121のフック部603がプルタブ102の先端に引っかかると、オープナー部121を後方に引っ張っているピン129aの位置(力の作用点)が、オープナー部121のフック部603より高い位置にあることから、オープナー部121のフック部603では、オープナー部121の先端を引き起こす方向に力がかかることになり、オープナー部121が後方に引っ張られるにつれて、オープナー部121がピン129aを中心に時計回りに回転し始める。このオープナー部121の回転により、同図(b)及び(c)に示すようにプルタブ102が引き起こされ、その結果、缶容器101の飲み口が開口されることになる。
【0060】
同図(c)に示すようにRCサーボ125のモータ(クランク部124)が180°回転することによって、缶容器101の開缶が完了すると、RCサーボ125のモータは逆回転させられて、0°の位置に戻される。このとき、引き起こされたプルタブ102は、オープナー部121の中央部に形成された孔602に収まるようになる。
【0061】
RCサーボ125のモータが0°の位置に戻されると、上下動操作部130によって開缶操作部120が引き上げられ、開缶が完了した缶容器101を取り出すことが可能になる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態においては、オープナー部121を、プルタブ102の先端(指をかける部分)から後端の方向へ水平(直線的)に引っ張るだけで、プルタブ102を引き起こすことが可能となる。
【0063】
また、本実施形態においては、カップ部118を少なくとも360°回転させるだけで、オープナー部121(フック部603)とプルタブ102とを位置合わせすることが可能となる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、当然のことながら、本発明の実施形態は上記のものに限られない。例えば、上記実施形態では、各部の駆動にRCサーボを利用していたが、これに限られず、各種アクチュエータ(例えば、各種モータやソレノイド等)を適宜利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明による開缶装置の正面図である。
【図2】本発明による開缶装置の側面図である。
【図3】本発明による開缶装置の平面図である。
【図4】開缶装置の一部(開缶操作部)の詳細を示す図である。
【図5】開缶装置の一部(開缶操作部)の詳細を示す図である。
【図6】オープナー部121の構造を示す図である。
【図7】連接部123の構造を示す図である。
【図8】ホルダ部122の構造を示す図である。
【図9】開缶操作部120による開缶操作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0066】
100 開缶装置
101 缶容器
102 プルタブ
110 缶容器載置部
111 ベース部
112 六角支柱
113 RCサーボ
114 モータアングル
115a,115b 平歯車
116 駆動軸
117 ベアリングセット
118 カップ部
120 開缶操作部
121 オープナー部
122 ホルダ部
123 連接部
124 クランク部
125 RCサーボ
126 モータホルダ
127 ストッパ
128 板
129a,129b ピン
130 上下動操作部
131 RCサーボ
132 モータホルダ
133 スプロケット
134 セットカラー
135 ジョイントリンク
141 ロッド
142 ロッドホルダ
151 チェーン
152 ターンバックル部品
601 溝
602,605 孔
603 フック部
604 凹部
701 突出部
702,704 孔
703 溝
801,805 孔
802,804 凹部
803 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶容器の上面に設けられたプルタブを引き起こす開缶装置であって、
前記缶容器の上面に載置されるオープナー部と、
前記オープナー部を前記プルタブの先端から後端の方向へ水平に駆動する駆動部と
を備え、
前記オープナー部は、その底面に前記プルタブの先端部と係合するフック部が形成され、前記フック部より高い位置に形成された孔に挿入されたピンを中心に回動可能であり、
前記駆動部は、前記ピンを水平に駆動することによって、前記オープナー部を駆動する
ことを特徴とする開缶装置。
【請求項2】
前記駆動部は、
前記オープナー部と前記ピンによって結合された連接部と、
前記連接部と結合されたクランク部と、
前記クランク部を回転駆動するモータと
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の開缶装置。
【請求項3】
前記オープナー部を収容するホルダ部を更に備え、
前記ホルダ部は、前記オープナー部を収容する空間側の側面に、前記ピンの端部を収容する溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の開缶装置。
【請求項4】
前記オープナー部を上下動させる上下動操作部を
更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の開缶装置。
【請求項5】
前記缶容器が載置される缶容器載置部を更に備え、
前記缶容器載置部は、前記缶容器を少なくとも360°回転させることができる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の開缶装置。
【請求項6】
前記オープナー部は、その底面に、前記フック部の先端と前記プルタブの先端とが対向するような位置関係にあるときのみ、前記プルタブを収容することができる凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の開缶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−176490(P2007−176490A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373379(P2005−373379)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(398032289)株式会社テックスイージー (20)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【出願人】(503422284)株式会社シャンティ (3)
【Fターム(参考)】