説明

間仕切パネル装置における支柱構造

【課題】支柱を金属板により、簡単かつ安価に製造できるとともに、異種パネルを異なる取付構造をもって取り付けるのに適し、しかも強固で、配線ダクトとしての機能を付加することもできるようにした間仕切パネル装置における支柱構造を提供する。
【解決手段】支柱4を、前後1対の中空角筒状の補強部4a、4aを有し、該補強部4a、4aを前後方向を向く板状の連結部4bにより連結した構造とする。特に、支柱4を、基片5aの一端に、側方を向く折曲片5bを、かつ他端に、同方向に複数回折曲して形成したカール部5gを連設した2個の金属板5、5を、互いに前後逆向きとして、かつ、基片5a、5a同士を背中合わせとして互いに固着して形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切パネル装置における支柱構造に関するものであり、特に、ガラスパネルやスチールパネル等の各種のパネルを自由に選択し、この選択したパネルを上下方向または左右方向に組み合わせて配置して、室内を仕切るようにした間仕切パネル装置における支柱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の間仕切パネル装置に用いられる従来の支柱は、中空角筒状の押出成形品により形成したものが多い(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【特許文献1】実公昭47−42908号公報
【特許文献2】実開昭52−118516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1および2に記載されているような従来の支柱は、押出成形品であるため、高価であり、間仕切パネル装置全体のコストを高める原因となっている。
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、支柱を金属板により、簡単かつ安価に製造できるとともに、異種パネルを異なる取付構造をもって取り付けるのに適し、しかも強固で、配線ダクトとしての機能を付加することもできるようにした間仕切パネル装置における支柱構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右1対の支柱間に、パネルを架設してなる間仕切パネル装置における支柱構造であって、前記支柱が、前後1対の中空角筒状の補強部を有し、該補強部を前後方向を向く板状の連結部により連結した構造とする。
【0006】
(2)上記(1)項において、支柱を、前後方向を向く垂直の基片の前後いずれかの端部に、側方を向く折曲片を連設し、かつ他端部に、同方向に複数回折曲して形成したカール部を連設した2個の金属板を、互いに前後逆向きとして、かつ、基片同士を背中合わせとして互いに固着して形成することによって、2枚の基片の重合部をもって、板状の連結部を形成し、かつ前記カール部と相手側の折曲片とをもって、ほぼ中空角筒状の補強部を形成する。
【0007】
(3)上記(2)項において、カール部の先端と、相手側の折曲片の先端との間に、隙間を設ける。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によれば、支柱は、中空角筒状の前後1対の補強部を、前後方向を向く板状の連結部により連結した構造としてあるので、前後方向への曲げ荷重に対してきわめて強く、しかも、左右の両側面中央に、上下方向を向く凹溝が形成され、この凹溝を利用して、異種パネルを、その特性に応じた多様な取付構造をもって支柱に取り付けることができる。
また、支柱を、金属板により、簡単かつ安価に製造することができ、間仕切パネル装置のコスト低減に寄与することができる。
さらに、前後の補強部が、それぞれ中空角筒状をなしているので、それらを配線ダクトとして利用することができ、その際、異種の配線コードやケーブルを、前後に振り分けて、区別して収容することができる利点がある。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、同一形状に折曲した2枚の金属板を背中合わせに接合するだけで、支柱を、簡単かつ安価に製造することができる。また、支柱は、そのカール部の内部空間に電線やケーブル等を配設することもでき、利便性も向上する。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、カール部の先端と、相手側の折曲片の先端との間に隙間を設けてあるので、この隙間を通して、電線やケーブルを、配線ダクトとしての補強部に、側方より容易に出し入れできるだけでなく、カール部の成形加工時に、加工治具の挿入を可能にすることができ、さらに、支柱と各種のパネルとの嵌合連結に際して、寸法誤差があったようなときに、その隙間の部分で弾性変形を可能にし、この弾性変形により誤差を吸収することができる。これにより、製造時における寸法精度を粗くすることができ、コスト低減に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、この間仕切パネル装置は、ガラスパネル(1)(2)およびスチールパネル(3)を、左右1対の支柱(4)(図2以後参照)間に架設してなるものである。なお、ガラスパネル(1)(2)およびスチールパネル(3)の組み合わせは、使用目的や使用環境等により、その都度異なるものである。また、図1においては、支柱(4)は、各パネル(1)(2)(3)で覆われ、外側からは見えないが、各パネル(1)(2)(3)の左右両側にそれぞれ配設されている。さらに、本例では、支柱(4)と各パネル(1)(2)(3)との連結構造は、左右、および上下とも、同じ連結構造を用いた場合とする。したがって、以下の構造説明では、説明を簡略化するために、左右両側の連結構造の中の、片側の連結構造だけ、また、上下の連結構造の中の、上部の連結構造だけを開示し、その細部構造を説明するものとする。
【0012】
図2〜図9に細部を示すように、支柱(4)は、同一形状に折曲した2枚の鉄板等の金属板(5)(5)からなっている。
各金属板(5)は、前後方向を向く板状の基片(5a)と、基片(5a)の一端部を外側に向かって略直角に折り曲げてなる折曲片(5b)と、基片(5a)の他端部を、折曲片(5b)と同方向に略直角に折り曲げてなる折曲片(5c)と、折曲片(5c)の先端部を、各々同一側方に向かって略直角に順次3回折曲して形成した折曲片(5d)(5e)(5f)とからなっている。折曲片(5c)〜(5f)により、平面形がほぼ矩形のカール部(5g)が形成されている。
【0013】
両金属板(5)(5)は、互いに前後逆向きとし、かつ、基片(5a)同士を背中合わせとして溶接し、この溶接した2枚の基片(5a)(5a)を連結部として、1本の上下方向に延びる支柱(4)として形成されている。支柱(4)における基片(5a)と折曲片(5b)(5c)とにより、支柱(4)の両側面中央に上下方向を向く凹溝(6)が形成されている。
また、カール部(5g)と他方の金属板(5)における折曲片(5b)とにより、支柱(4)の前後部に、一部が欠けた中空角筒状の補強部(4a)(4a)が形成され、また、互いに接合された両金属板(5)(5)の基片(5a)(5a)により、前後の補強部(4a)(4a)を連結する板状の連結部(4b)が形成されている。
【0014】
各凹溝(6)における前後の対向面、すなわち、折曲片(5b)と折曲片(5c)とには、互いに対向して、それぞれ上下方向に長い長孔状の係合孔(7)(7)がそれぞれ設けられている。
さらに、支柱(4)の左右の側面における凹溝(6)より前後の部分には、取付孔(8)(8)が設けられている。
【0015】
なお、カール部(5g)の先端、すなわち折曲片(5f)の先端と、他方の折曲片(5b)の先端との間には、隙間(S)を設けてある。この隙間(S)は、カール部(5g)の成型加工時に、加工治具の挿入を可能にする他、支柱(4)と各パネル(1)(2)(3)との嵌合連結に際して、寸法誤差があったようなときに、その隙間(S)の部分で弾性変形を可能にし、その弾性変形により、誤差を吸収できるようになっている。また、支柱(4)を形成した後は、このカール部(5g)の内部空間には、電線やケーブル(図示略)等を配設することもでき、それらの電線やケーブルを、上記隙間(S)を通して、側方より容易に出し入れできる利点がある。
【0016】
支柱(4)に取り付けられるガラスパネル(1)は、本例では、1枚の板ガラス(9)を使用しており、板ガラス(9)を前後1対の縁枠部材(10)(10)で前後から挟んで保持し、各縁枠部材(10)(10)と支柱(4)との間をねじ(11)(11)をもって固定することにより、支柱(4)に取り付けられている。
【0017】
縁枠部材(10)(10)は、アルミニューム合金の押出材よりなり、互いに対向させて突き合わせることにより、両縁枠部材(10)(10)の支柱(4)と対向している外側面の中央に、上下方向を向く凹溝(12)が形成され、かつ反対の内側面中央に、板ガラス(9)を保持する、上下方向を向くレール部(13)が形成されるような形状をしている。また、レール部(13)外側の部分には、上下方向を向く板状のカバー部材(14)を取り付けるための、上下方向を向く係止レール部(15)(15)が設けられている。
【0018】
なお、図2から明らかのように、凹溝(12)の前後幅は、この凹溝(12)内に支柱(4)の一部を受け入れることができるように、支柱(4)の前後幅とほぼ等しくしてある。また、凹溝(12)内には、支柱(4)の前後1対の取付孔(8)(8)に対応して、前後1対の貫通孔(16)(16)が設けられている。
【0019】
板ガラス(9)を支柱(4)に取り付けるには、まず、前後いずれかの縁枠部材(10)を、支柱(4)(4)間に嵌合し、その内側から、タッピングねじとしたねじ(11)を、貫通孔(16)を貫通させて、取付孔(8)にねじ込む。
ついで、その縁枠部材(10)におけるレール部(13)の半部に、板ガラス(9)をはめ込んだ後、もう一方の縁枠部材(10)を、支柱(4)(4)間に反対側から嵌合して、両縁枠部材(10)(10)同士を互いに突き合わせ、その内側から、タッピングねじとしたねじ(11)を、貫通孔(16)を貫通させて、取付孔(8)にねじ込む。これにより、板ガラス(9)は、縁枠部材(10)(10)を介して支柱(4)に強固に固定される。
【0020】
その後、板ガラス(9)の前後において、1対の係止レール部(15)(15)に、弾性変形可能としたカバー部材(14)を、内側から圧嵌し、このカバー部材(14)によりねじ(11)の頭部を覆う。
レール部(13)内には、板ガラス(9)と対向する面に、樹脂製の縁部保護材(17)および弾性を有するシール材(18)を予め設けておくのが望ましい。
【0021】
支柱(4)に取り付けられるスチールパネル(3)は、ブラケット(19)を介して取り付けられる。ブラケット(19)は、金属板製であり、垂直の基片(20)を有している。基片(20)の下部には、前後方向に延出する前後1対の腕片(21)(21)と、各腕片(21)(21)の先端部よりそれぞれ上方に向かって延びる上向き係合片(22)(22)とが連設されている。
基片(20)の上部には、支柱(4)の凹溝(6)内に延出する前後1対の側片(23)(23)と、該側片(23)(23)の先端より前後外向きに延出し、かつ下端に上向きの係合溝(24)が設けられた1対の下向き係合片(25)(25)とが連設されている。
【0022】
ブラケット(19)の下向き係合片(25)は、支柱(4)の係合孔(7)に挿入可能で、係合溝(24)の前後幅は、係合溝(24)内に折曲片(5b)(5c)が挿入係合できるように、それらの板厚と同じか、あるいはそれよりも若干大きく形成されている。また、図3において、側片(23)(23)および下向き係合片(25)(25)の上下方向の寸法(L1)は、凹溝(6)の前後方向の幅(W1)よりも小さく、かつ側片(23)(23)の基片(20)からの突出量(L2)は、凹溝(6)の深さ(D1)よりも大きくしてある。
【0023】
スチールパネル(3)は、金属性の外側パネル板(26)と、その背面に貼着した石膏ボード等からなる裏打ち材(27)とからなっている。外側パネル板(26)は、垂直の基片(26a)と、基片(26a)の上下左右の縁を背面側にほぼ直角に2回折曲して形成した折曲片(26b)と折り返し片(26c)とからなっている。
折り返し片(26c)の上下部には、ブラケット(19)の上向き係合片(22)が係合可能な、上下方向に長い長孔状の係合孔(28)が設けられている。
【0024】
スチールパネル(3)を取り付けるには、まずブラケット(19)を支柱(4)の内側面に取り付ける。図4は、ブラケット(19)を支柱(4)に取り付ける方法を示す。まず、図4(a)に示すように、ブラケット(19)を、図3に示す本来の姿勢から左右方向を向く水平軸回りに90度回転させ、側片(23)(23)および下向き係合片(25)(25)が上下方向を向くようにして、それらを支柱(4)の内側面の凹溝(6)に嵌合し、下向き係合片(25)(25)が、係合孔(7)(7)と対向するようにする。
【0025】
次に、ブラケット(19)を、上記水平軸を中心として、図4(a)における反時計回りに90度回転させる。すると、図4(b)に示すように、上下に位置していた下向き係合片(25)(25)が、前後の係合孔(7)(7)に進入し、図4(c)に示すように、90度回転し終わったときは、各下向き係合片(25)の下端の係合溝(24)が、係合孔(7)の下縁と対向する。
【0026】
この状態から、ブラケット(19)を下降させると、図4(d)に示すように、前後の下向き係合片(25)(25)の係合溝(24)(24)が、係合孔(7)(7)の下縁にそれぞれ係合し、ブラケット(19)は、支柱(4)の内側面に強固に係止される。
このとき、ブラケット(19)における腕片(21)(21)は、支柱(4)の内側面より内方に若干離れた位置において、前後方向に延出する。なお、この逆の操作を行えば、ブラケット(19)を支柱(4)から簡単に取り外すことができる。
【0027】
このようにして、左右1対の支柱(4)(4)の内側面の上下2個所に、ブラケット(19)をそれぞれ係止させた後、両支柱(4)(4)の前後から、前後のスチールパネル(3)(3)を、その背面における上下の係合孔(28)(28)を、支柱(4)(4)の前後面より前後方向に突出するブラケット(19)の上向き係止片(22)に嵌合し、かつ若干下降させることにより、各係合孔(28)の上縁が係止片(22)に係止され、前後のスチールパネル(3)(3)は、両支柱(4)(4)の前後面に架設される。
前後のスチールパネル(3)(3)が支柱(4)(4)に取り付けられた後は、ブラケット(19)は両スチールパネル(3)(3)により前後から覆われて、外部に露呈することがなく、体裁がよい。
【0028】
図5および図6に示すように、二重ガラス構造に用いられる前後1対のガラスパネル(2)(2)は、それぞれ、板ガラス(9)と、その外周縁を囲む縁枠部材(30)とからなり、縁枠部材(30)の背面に設けた上下1対の係止片(31)(その一方のみを図示する)を、左右1対の支柱(4)(4)の内側面に設けたブラケット(32)にそれぞれ係止することにより、両支柱(4)(4)の前後面に取付けられている。
【0029】
縁枠部材(30)は、アルミニューム合金の押出材よりなり、板ガラス(9)の外周縁を囲むレール状のガラス保持部(33)と、その内側に連設され、1対の支柱(4)(4)間に嵌合される嵌合部(34)とからなっている。嵌合部(34)には、背面側に向かって突出する金属製の係止片(31)におけるほぼ直角に折曲された基部(31a)が、ねじ(35)をもって固着されている。係止片(31)における先端部下縁には、上向きの係合溝(36)が設けられている。
【0030】
ブラケット(32)は、金属製の板材を折曲加工して形成されており、上記ブラケット(19)から腕片(21)(21)と上向き係合片(22)(22)を取り除いたものと同一の構成を備えている。すなわち、上記ブラケット(19)と対応する部分には同一符号を付して説明すると、ブラケット(32)は、垂直の基片(20)と、基片(20)より支柱(4)の凹溝(6)に向かって延出する前後1対の側片(23)(23)と、該側片(23)(23)の先端より前後外向きに延出し、かつ下端に上向きの係合溝(24)が設けられた1対の下向き係合片(25)(25)とを有している。
【0031】
なお、ブラケット(32)もブラケット(19)の場合と同様に、側片(23)(23)および下向き係合片(25)(25)の上下方向の長さ(L1)は、凹溝(6)の前後方向の幅(W1)よりも小さく、かつ且つ、側片(23)(23)の基片(20)からの突出量(L2)は、凹溝(6)の深さ(D1)よりも大きくなるようにして形成されている。また、下向き係合片(25)(25)は、支柱(4)の凹溝(6)内に設けられた係合孔(7)(7)に挿入可能であり、各係合溝(24)の前後幅は、係合孔(7)の下縁に係合できるように、金属板(5)の板厚と同じか、あるいはそれよりも若干大きく形成してある。
【0032】
前後のガラスパネル(2)(2)を取り付けるには、まず、ブラケット(32)を、ブラケット(19)の場合と同様にして、支柱(4)に取り付ける。すなわち、まずブラケット(32)を、図6に示す本来の姿勢より左右方向を向く水平軸回りに90度回転させ、側片(23)(23)および下向き係合片(25)(25)が上下方向を向くようにして、それらを支柱(4)の内側面の凹溝(6)に嵌合し、下向き係合片(25)(25)が、係合孔(7)(7)と対向するようにする。
【0033】
次に、ブラケット(32)を、上記水平軸を中心として、90度復帰回転させ、上下に位置していた下向き係合片(25)(25)を、前後の係合孔(7)(7)に進入させ、各下向き係合片(25)の下端の係合溝(24)が、係合孔(7)の下縁と対向したところで、ブラケット(32)を下降させ、前後の下向き係合片(25)(25)の係合溝(24)(24)を、係合孔(7)(7)の下縁にそれぞれ係合させる。
これにより、ブラケット(32)は、支柱(4)の内側面に強固に係止される。
【0034】
このようにして、左右1対の支柱(4)(4)の内側面の上下2個所に、ブラケット(32)をそれぞれ係止させた後、両支柱(4)(4)の前後から、前後のガラスパネル(2)(2)を、その背面における上下の係止片(31)の下縁における係合溝(36)を、支柱(4)の内側面より内方に突出するブラケット(32)における両側片(23)(23)の上縁に係止させることにより、前後のガラスパネル(2)(2)は、両支柱(4)(4)の前後面に架設される。
【0035】
また、1対の支柱(4)(4)に一度取り付けたガラスパネル(1)(2)およびスチールパネル(3)を再び取り外す場合は、取付時とは逆の手順で作業を進めると簡単に取り外すことができる。さらに、取り外し後は、別の特性に合う最適なデザインが得られるガラスパネル(1)(2)あるいはスチールパネル(3)と交換して取り付けることができる。
【0036】
したがって、この実施形態の支柱構造によれば、支柱(4)を、前後1対の中空角筒状の補強部(4a)を有し、該補強部(4a)を前後方向を向く板状の連結部により連結した構造としてあるので、前後方向への曲げ荷重に対してきわめて強く、しかも、左右の両側面中央に、上下方向を向く凹溝(6)が形成され、この凹溝(6)を利用して、異種パネルを、その特性に応じた多様な取付構造をもって支柱(4)に取り付けることができる。
また、支柱(4)を、同一形状に折曲した2枚の金属板(5)(5)を背中合わせに接合するだけで、簡単かつ安価に製造することができ、間仕切パネル装置のコスト低減に寄与することができる。
さらに、前後の補強部(4a)(4a)が、それぞれ中空角筒状をなしているので、それらを配線ダクトとして利用することができ、その際、異種の配線コードやケーブルを、前後に振り分けて、区別して収容することができる利点がある。
【0037】
特に、カール部(5g)の先端と、相手側の折曲片(5b)の先端との間に隙間(S)を設けてあるので、この隙間(S)を通して、電線やケーブルを、配線ダクトとしての補強部(4a)(4a)に、側方より容易に出し入れできるだけでなく、カール部(5g)の成形加工時に、加工治具の挿入を可能にすることができ、さらに、支柱(4)と各種のパネルとの連結に際して、寸法誤差があったようなときに、その隙間(S)の部分で弾性変形を可能にし、この弾性変形により誤差を吸収することができる。これにより、製造時における寸法精度を粗くすることができ、コスト低減に寄与することができる。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、上記各実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能である。
たとえは、パネルは、ガラスパネル(1)(2)とスチールパネル(3)との他に、表面を布張りしたクロスパネル、木製パネル等を組み合わせて用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態を備える間仕切装置を概略的に示す外観斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿う拡大横断平面図である。
【図3】図2に示す部分の分解斜視図である。
【図4】ブラケットの取付手順を示す説明図である。
【図5】図1におけるV−V線に沿う拡大横断平面図である。
【図6】図5に示す部分の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
(1)ガラスパネル
(2)ガラスパネル
(3)スチールパネル
(4)支柱
(4a)補強部
(4b)連結部
(5)金属板
(5a)基片
(5b)〜(5f)折曲片
(5g)カール部
(6)凹溝
(7)係合孔
(8)取付孔
(9)板ガラス
(10)縁枠部材
(11)ねじ
(12)凹溝
(13)レール部
(14)カバー部材
(15)係止レール部
(16)貫通孔
(17)縁部保護材
(18)クッション材
(19)ブラケット
(20)基片
(21)腕片
(22)上向き係合片
(23)側片
(24)係合溝
(25)下向き係合片
(26)外側パネル板
(26a)基片
(26b)折曲片
(26c)折り返し片
(27)裏打ち材
(28)係合孔
(30)縁枠部材
(31)係止片
(31a)基部
(32)ブラケット
(33)ガラス保持部
(34)嵌合部
(35)ねじ
(36)係合溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右1対の支柱間に、パネルを架設してなる間仕切パネル装置における支柱構造であって、
前記支柱が、前後1対の中空角筒状の補強部を有し、該補強部を前後方向を向く板状の連結部により連結した構造としたことを特徴とする間仕切パネル装置における支柱構造。
【請求項2】
支柱を、前後方向を向く垂直の基片の前後いずれかの端部に、側方を向く折曲片を連設し、かつ他端部に、同方向に複数回折曲して形成したカール部を連設した2個の金属板を、互いに前後逆向きとして、かつ、基片同士を背中合わせとして互いに固着して形成することによって、2枚の基片の重合部をもって、板状の連結部を形成し、かつ前記カール部と相手側の折曲片とをもって、ほぼ中空角筒状の補強部を形成したことを特徴とする請求項1記載の間仕切パネル装置における支柱構造。
【請求項3】
カール部の先端と、相手側の折曲片の先端との間に、隙間を設けたことを特徴とする請求項2記載の間仕切パネル装置における支柱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−23512(P2007−23512A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203677(P2005−203677)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)