説明

間仕切パネル装置

【課題】 1枚の透明のパネルを用いるだけで、2枚のガラスパネルを用いた、いわゆるダブルガラスとしたものと同様の印象を与えることができ、経済的であるとともに、ダブルガラスとした場合より、見通す際の透明度を上げることができ、しかも、パネル枠体の前後両面にパネルを装着したものとのデザインの統一を図ることができ、さらに、疑似パネル縁枠部材の上部の中間部の撓みを防止しうるようにした間仕切パネル装置を提供する。
【解決手段】 パネル枠体7におけるいずれかの空間5、6の前後いずれか一方に、透明のガラスパネル8を装着し、かつ他方に、ガラスパネル8の縁枠部材9とほぼ前後対称の形状をなし、かつパネルを嵌合しない疑似パネル縁枠部材10を嵌合して装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明のパネルを用いた間仕切パネル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
間仕切パネル装置には、左右1対の側フレームを、複数の横フレームにより連結することによって、1段または多段の方形の空間を有するパネル枠体を形成し、上記パネル枠体の前後から、各空間内に、パネルの縁部より背面側に突出する縁枠部材を嵌合することにより、各パネルを上記パネル枠体の前後に装着するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この種の間仕切パネル装置において、パネル枠体におけるいずれかの空間の前後に、透明のガラスパネルを装着し、間仕切を通して、それによって仕切られた隣の空間を見通せるようにしたものがある。
【特許文献1】特開2005−36430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されているものにおいては、パネル枠体におけるいずれかの空間の前後に、透明のガラスパネルを装着しているので、2枚のガラスパネルが必要であり、高価になるとともに、2枚のガラスパネルを通して見通すと、透明度が低下する。
なお、1枚のガラスパネルを、パネル枠体におけるいずれかの空間の前後方向の中央に配設するようにしたものもあるが、それによると、ガラスパネルの支持構造が複雑になるだけでなく、2枚のパネルを用いたものとのデザイン上の統一性に欠ける。
【0005】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、1枚の透明のパネルを用いるだけで、2枚のガラスパネルを用いた、いわゆるダブルガラスとしたものと同様の印象を与えることができ、経済的であるとともに、ダブルガラスとした場合より、見通す際の透明度を上げることができ、しかも、パネル枠体の前後両面にパネルを装着したものとのデザインの統一を図ることができ、さらに、疑似パネル縁枠部材の上部の中間部の撓みを防止しうるようにした間仕切パネル装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右1対の側フレームを、上下方向に離間する複数の横フレームにより連結することによって、上下方向に1段または多段状の方形の空間を有するパネル枠体を形成し、前記パネル枠体の前後から、各空間に、パネルの縁部より背面側に突出する縁枠部材を嵌合することにより、各パネルを前記パネル枠体の前後に装着するようにした間仕切パネル装置において、前記パネル枠体におけるいずれかの空間の前後いずれか一方に、透明のパネルを装着し、かつ他方に、前記透明のパネルの縁枠部材とほぼ前後対称の形状をなし、かつパネルを嵌合しない疑似パネル縁枠部材を嵌合して装着する。
【0007】
(2)上記(1)項において、縁枠部材における透明のパネルを装着する保持部と対応する疑似パネル縁枠部材の対応部分の内面に、段差部を設ける。
【0008】
(3)上記(1)または(2)項において、疑似パネル縁枠部材の上面に、対向する透明のパネルの縁枠部材に係合して、疑似パネル縁枠部材の上部の中間部の撓みを阻止するようにした係合手段を設ける。
【0009】
(4)上記(3)項において、係合手段を、疑似パネル縁枠部材および透明のパネルの縁枠部材と、その上方に位置する横フレームとの間に形成した間隙内に配設する。
【0010】
(5)上記(3)または(4)項において、係合手段を、疑似パネル縁枠部材の上面より上向き突設した突条に基部が取り付けられ、かつ前記基部の上端より前後方向を向く折曲片が、透明のパネルの縁枠部材の上面より上向き突設した突条の上端に当接するようにした係合片とする。
【0011】
(6)上記(5)項において、折曲片の先端部に、上向傾斜部を設ける。
【0012】
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、透明のパネルの縁枠部材および疑似パネル縁枠部材と、その上方に位置する横フレームとの間に形成した間隙内に、上下方向の間隙寸法を一定に保つスペーサを設ける。
【0013】
(8)上記(7)項のいずれかにおいて、スペーサが、透明のパネルの縁枠部材の上面と疑似パネル縁枠部材の上面とに跨る台座と、この台座に設けた上下方向のねじ孔に螺合し、かつ上端が横フレームの下面に当接する調節ボルトとからなるものとする。
【0014】
(9)上記(1)〜(8)項のいずれかにおいて、透明のパネルの縁枠部材および疑似パネル縁枠部材と、その下方に位置する横フレームとの間に形成した間隙内に、上下方向の間隙寸法を一定に保つスペーサを設ける。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
請求項1記載の発明によると、パネル枠体におけるいずれかの空間の前後いずれか一方のみに、透明のパネルを装着し、他方には、透明のパネルを装着しないで、疑似パネル縁枠部材を装着するだけでよいので、経済的であり、しかも、疑似パネル縁枠部材は、透明のパネルの縁枠部材とほぼ前後対称の形状をなしているので、あたかも疑似パネル縁枠部材にも透明のパネルが入っているような錯覚を起こさせ、ダブルガラスとしたものと同様の印象を与えることができる。
さらに、ダブルガラスとした場合より、見通す際の透明度を上げることができるとともに、パネル枠体の前後両面にパネルを装着したものとのデザインの統一を図ることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によると、疑似パネル縁枠部材に段差部を設けてあるので、この段差部に、あたかもガラスパネルが入っているような印象を強く与えることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によると、疑似パネル縁枠部材の上面に設けた係合手段が、対向する透明のパネルの縁枠部材に係合することにより、疑似パネル縁枠部材の上部の中間部の撓みを防止することができる。
すなわち、パネルの縁枠部材は、パネルの外周縁を囲むように取り付けられるものであって、パネルの強度に依存することを前提として、コスト上およびデザイン上の要求から、薄い材料により形成されることが多く、パネルから外した場合は、それ自体で自立したり、形状を維持したりするだけの十分な強度を有していない場合が多い。
疑似パネル縁枠部材は、そのような縁枠部材と同様に形成され、パネルに装着しないで使用されるものであるから、必然的に十分な強度を有していないことが多いが、請求項3記載の発明によると、そのような強度不足を、パネルに装着されることにより強度が高められた、対向する透明のパネルの縁枠部材に、係合手段を介して、係止させることにより補償し、上部の中間部の撓みを防止しうるようにしたものである。
【0018】
請求項4記載の発明によると、係合手段を、疑似パネル縁枠部材および透明のパネルの縁枠部材と、その上方に位置する横フレームとの間に形成した間隙内に配設してあるので、外部に露呈することがなく、体裁がよい。
【0019】
請求項5記載の発明によると、係合手段を、単にL字状に折曲しただけの簡単な構造の係合片により、安価に製造することができる。
【0020】
請求項6記載の発明によると、疑似パネル縁枠部材を、パネル枠体の空間に装着するとき、係合片における折曲片の先端部に設けた上向傾斜部が案内片となって、疑似パネル縁枠部材の空間内への挿入が円滑に案内される。
【0021】
請求項7記載の発明によると、透明のパネルの縁枠部材および疑似パネル縁枠部材と、その上方に位置する横フレームとの間の間隙内に、スペーサを設けてあるので、スペーサの直上の横フレームの中間部の撓みも防止される。
【0022】
請求項8記載の発明によると、台座に設けたねじ孔に螺合する調節ボルトを回転させることにより、スペーサの上下寸法を調節することができ、それによって、透明のパネルの縁枠部材および疑似パネル縁枠部材と、その上方に位置する横フレームとの間の間隙寸法を、適切な値に定めることができる。
【0023】
請求項9記載の発明によると、透明のパネルの縁枠部材および疑似パネル縁枠部材と、その下方に位置する横フレームとの間に形成した間隙内に、上下方向の間隙寸法を一定に保つスペーサを設けてあるので、疑似パネル縁枠部材の下部の中間部の撓みを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、この間仕切パネル装置は、アルミニューム合金の押出材よりなる左右1対の側フレーム(1)(1)の上端部同士、中間部同士、および下端部同士を、同じくアルミニューム合金の押出材よりなる左右方向を向く3個の横フレーム(2)(3)(4)により互いに連結することによって、内部に上下2段の方形の空間(5)(6)を形成したパネル枠体(7)を備えている。
なお、中間の横フレーム(3)を省略することにより、単一の空間を有するものとしたり、または中間部に複数の横フレームを上下方向に離間させて設けることにより、上下方向に3段以上の空間を形成したりすることもある。
【0025】
パネル枠体(7)の前後両面(図1は後方から見た斜視図である)には、透光性のパネル、金属板製もしくは木製のパネル等の種々のパネルが装着可能となっているが、ここでは、前面に、上下2枚の透明のガラスパネル(8)(8)が、それらの縁枠部材(9)におけるパネル(8)の背面側、すなわち後方に向かって突出する嵌合部(9a)を、各空間(5)(6)に前方より嵌合させることにより、装着され、また後面に、縁枠部材(9)とほぼ前後対称の形状をなし、かつパネルが嵌合されていない疑似パネル縁枠部材(10)が、その背面側、すなわち前方に向かって突出する嵌合部(10a)を、各空間(5)(6)に後方より嵌合させることにより、装着されている。
【0026】
図2〜図5に示すように、ガラスパネル(8)用の縁枠部材(9)は、ガラスパネル(8)の周縁部を囲む保持部(9b)の内方寄りの部分から上記嵌合部(9a)が連設されている。
疑似パネル縁枠部材(10)は、縁枠部材(9)における保持部(9b)に対応する部分の内面が段差部(10b)となっており、その内方寄りの部分から連設された上記嵌合部(10a)は、縁枠部材(9)における嵌合部(9a)と前後対称の形状をなしている。
【0027】
縁枠部材(9)における嵌合部(9a)と、疑似パネル縁枠部材(10)における嵌合部(10a)との外周面には、長手方向を向く内外2条の突条(11)(12)がそれぞれ設けられており、外側の突条(12)と保持部(9b)または段差部(10b)の背面側との間には、長手方向を向く凹溝(13)が設けられている。
【0028】
縁枠部材(9)における保持部(9b)の背面からの嵌合部(9a)の突出量と、疑似パネル縁枠部材(10)における段差部(10b)の背面からの嵌合部(10a)の突出量とは、それらをパネル枠体(7)の前後から適正に嵌合したとき、前後に対向する嵌合部(9a)と(10a)の対向端面同士が、互いに当接するかまたは近接するように、すなわちパネル枠体(7)における前記空間(5)(6)の奥行きのほぼ2分の1か、またはそれより若干短く定めておくのがよい。
【0029】
図5に示すように、縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)の両側端面には、外側方に向かって平面視山形に突出する上下1対の板ばね(14)の基部(14a)が、固定ねじ(15)をもって止着されている。
【0030】
図2および図3に示すように、上段の横フレーム(2)と中段の横フレーム(3)の下面には、縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)における上面の凹溝(13)に、上下方向に所要の遊びをもって嵌合する左右方向に長い下向きの突条(16)(16)が設けられている。
また、図3および図4に示すように、中段の横フレーム(3)の上面と下段の横フレーム(4)の上面とには、縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)における下面の凹溝(13)に嵌合する左右方向に長い上向きの突条(17)(17)が設けられている。
さらに、左右の側フレーム(1)の内面には、板ばね(14)が弾性係合しうるようにした、断面ほぼ円弧状の上下方向を向く凹溝(18)が設けられている。
【0031】
縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)は、その上部が下部よりパネル枠体(7)に近接するように、若干斜めとして、その上端の凹溝(13)を、上方の横フレーム(2)(3)の下面における突条(16)に嵌合し、次いで、上部を中心として下部をパネル枠体(7)内に位置するように回動させて、ほぼ垂直とすることにより、板ばね(14)を側フレーム(1)の内面における凹溝(18)に弾性係合させ、その後、全体を押し下げて、下端の凹溝(13)を、下方の横フレーム(3)(4)の上向きの突条(17)に嵌合させることにより、パネル枠体(7)における上下の空間(5)(6)内に、がたつくことなく、安定して嵌合保持される。
【0032】
以上の構成においては、縁枠部材(9)は、その保持部(9b)にガラスパネル(8)が嵌合されているので、上部の中間部が自重により下方に撓むおそれはほとんどないが、疑似パネル縁枠部材(10)は、その内側にガラスパネル(8)のような剛体が嵌合されていないので、上部の中間部が自重により下方に撓むおそれがある。
【0033】
そこで、この実施形態においては、疑似パネル縁枠部材(10)の上面より上向き突設した内側の突条(11)に、係合手段である係合片(19)における垂直の基部(19a)を、固定ねじ(20)をって支着し、係合片(19)における基部(19a)の上端より前方に向けて直角に折曲形成した折曲片(19b)を、縁枠部材(9)の上面より上向き突設した内側の突条(11)の上端に当接するように係合させることにより、疑似パネル縁枠部材(10)の上部の中間部が自重により下方に撓むことがないようにしてある。
【0034】
係合片(19)における折曲片(19b)の先端部には、上向傾斜部(19c)が設けられており、これによって、疑似パネル縁枠部材(10)をパネル枠体(7)の空間(5)(6)に装着するとき、この上向傾斜部(19c)が案内片となって、疑似パネル縁枠部材(10)の空間(5)(6)内への挿入が円滑に案内されるようになっている。
【0035】
係合片(19)および固定ねじ(20)は、縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)と、その上方に位置する横フレーム(2)(3)との間に形成した間隙(S1)内に配設されているので、係合片(19)および固定ねじ(20)が外部に露呈することはなく、体裁がよい。
【0036】
間隙(S1)内には、その間隙寸法を一定に保つスペーサ(21)が設けられている。
この例では、スペーサ(21)は、係合片(19)の取付位置から左右方向に離れた位置において、縁枠部材(9)の上面における内側の突条(11)と、疑似パネル縁枠部材(10)の上面における内側の突条(11)とに跨る側面視下向きコ字状をなす台座(22)と、この台座(22)の上面中央に設けた上下方向を向くねじ孔(23)に螺合し、かつ上端の拡大頭部(24a)が横フレーム(2)(3)の下面に当接するようにした調節ボルト(24)とからなっている。
【0037】
したがって、台座(22)に対して調節ボルト(24)を回転させて、台座(22)の下端から調節ボルト(24)の上端までの距離を、予め定めた間隙(S1)の間隙寸法に調節した後、そのスペーサ(21)を、横フレーム(2)(3)の中間部適所に設けたスペーサ挿入孔(25)を通して、各横フレーム(2)(3)の下方における縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)の上面上に、台座(22)が両突条(11)(11)間に跨るようにして載置し、次いで、調節ボルト(24)の上端面が、各横フレーム(2)(3)の下面に当接する位置まで、スペーサ(21)を左右いずれかの方向に摺動させることにより、スペーサ(21)の直上の横フレーム(2)(3)の中間部の撓みが防止される。
【0038】
また、台座(22)に対して調節ボルト(24)を回転させることにより、スペーサ(21)の上下寸法を微調節することができ、それによって、間隙(S1)の上下方向の間隙寸法を、適切な値に定めることができる。
【0039】
横フレーム(3)(4)上には、その横フレーム(3)(4)と、その直上の縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)との間の間隙(S2)の間隙寸法を一定に保つスペーサ(26)が設けられている。
このスペーサ(26)は、スペーサ(21)と同一の構成としてある。すなわち、側面視下向きコ字状をなす台座(22)と、この台座(22)の上面中央に設けた上下方向を向くねじ孔(23)に螺合し、かつ上端の拡大頭部(24a)が横フレーム(2)(3)の下面に当接するようにした調節ボルト(24)とからなっている。
【0040】
スペーサ(26)は、台座(22)に対して調節ボルト(24)を回転させることにより、台座(22)の下端から調節ボルト(24)の上端までの距離を、予め定めた間隙(S2)の間隙寸法に調節した後、横フレーム(3)(4)の上面適所に、その上面の中央寄りに上向き突設した2条の突条(27)(27)間に台座(22)が前後から挟まれるようにして載置する。
その後、パネル枠体(7)の前後面から、縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)を空間(5)(6)内に嵌合したとき、縁枠部材(9)および疑似パネル縁枠部材(10)の嵌合部(9a)(10a)の突き合わせ部分の下面が、調節ボルト(24)の拡大頭部(24a)の上面に当接することにより、疑似パネル縁枠部材(10)の下部の中間部の下方への撓みが防止されるとともに、疑似パネル縁枠部材(10)と縁枠部材(9)との突き合わせ部の上面が整合し、美麗な外観を呈することができる。
【0041】
図1に示すように、パネル枠体(7)における左右の側フレーム(1)(1)は、床面上に立設された左右1対の支柱(28)(28)に、ねじ(図示略)等をもって固着されている。図5に想像線で示すように、各支柱(28)の反対側の側面に、上記と同様のパネル枠体(7)における左右の側フレーム(1)を連結し、左右方向に長い間仕切パネル装置とすることもある。
また、最上段の横フレーム(2)上には、上部カバー(29)が、着脱自在に装着されている。
【0042】
図4に示すように、最下段の横フレーム(4)の左右両側部の下面には、高さ調節用のアジャスタ(30)が設けられ、パネル枠体(7)はそれらのアジャスタ(30)を介して接床されている。
その他の細かな構成に関しては、本発明に直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0043】
この実施形態は、上記のような構成としたことにより、パネル枠体(7)におけるいずれかの空間(5)(6)の前後いずれか一方のみに、透明のガラスパネル(8)を装着し、他方には、パネルを装着しないで、疑似パネル縁枠部材(10)を装着するだけでよいので、経済的であり、しかも、疑似パネル縁枠部材(10)は、透明のガラスパネル(8)の縁枠部材(9)とほぼ前後対称の形状をなしているので、あたかも疑似パネル縁枠部材(10)にも透明のパネルが入っているような錯覚を起こさせ、ダブルガラスとしたものと同様の印象を与えることができる。
また、ダブルガラスとした場合より、見通す際の透明度を上げることができるとともに、パネル枠体(7)の前後両面にパネルを装着したものとのデザインの統一を図ることができる。
【0044】
さらに、疑似パネル縁枠部材(10)に段差部(10b)を設けてあるので、この段差部(10b)に、あたかもガラスパネル(8)が入っているような印象を強く与えることができる。
【0045】
疑似パネル縁枠部材(10)に設けた係合手段である係合片(19)を、対向する透明のガラスパネル(8)の縁枠部材(9)に係合することにより、疑似パネル縁枠部材(10)の上部の中間部の撓みを防止することができる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内で、上記実施形態に種々の変形や変更を施すことも可能である。
例えば、ガラスパネル(8)は、透明のアクリル板その他の透光板により形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態を斜め後ろから見た分解斜視図である。
【図2】同じく、上部の中央縦断側面図である。
【図3】同じく、中間部の中央縦断側面図である。
【図4】同じく、下部の中央縦断側面図である。
【図5】同じく、図3のV−V線に沿う横断平面図である。
【符号の説明】
【0048】
(1)側フレーム
(2)(3)(4)横フレーム
(5)(6)空間
(7)パネル枠体
(8)ガラスパネル
(9)縁枠部材
(9a)嵌合部
(9b)保持部
(10)疑似パネル縁枠部材
(10a)嵌合部
(10b)段差部
(11)(12)突条
(13)凹溝
(14)板ばね
(14a)基部
(15)固定ねじ
(16)(17)突条
(18)凹溝
(19)係合片(係合手段)
(19a)基部
(19b)折曲片
(19c)上向傾斜部
(20)固定ねじ
(21)スペーサ
(22)台座
(23)ねじ孔
(24)調節ボルト
(24a)拡大頭部
(25)スペーサ挿入孔
(26)スペーサ
(27)突条
(28)支柱
(29)上部カバー
(30)アジャスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右1対の側フレームを、上下方向に離間する複数の横フレームにより連結することによって、上下方向に1段または多段状の方形の空間を有するパネル枠体を形成し、前記パネル枠体の前後から、各空間に、パネルの縁部より背面側に突出する縁枠部材を嵌合することにより、各パネルを前記パネル枠体の前後に装着するようにした間仕切パネル装置において、
前記パネル枠体におけるいずれかの空間の前後いずれか一方に、透明のパネルを装着し、かつ他方に、前記透明のパネルの縁枠部材とほぼ前後対称の形状をなし、かつパネルを嵌合しない疑似パネル縁枠部材を嵌合して装着したことを特徴とする間仕切パネル装置。
【請求項2】
縁枠部材における透明のパネルを装着する保持部と対応する疑似パネル縁枠部材の対応部分の内面に、段差部を設けたことを特徴とする請求項1記載の間仕切パネル装置。
【請求項3】
疑似パネル縁枠部材の上面に、対向する透明のパネルの縁枠部材に係合して、疑似パネル縁枠部材の上部の中間部の撓みを阻止するようにした係合手段を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の間仕切パネル装置。
【請求項4】
係合手段を、疑似パネル縁枠部材および透明のパネルの縁枠部材と、その上方に位置する横フレームとの間に形成した間隙内に配設したことを特徴とする請求項3記載の間仕切パネル装置。
【請求項5】
係合手段を、疑似パネル縁枠部材の上面より上向き突設した突条に基部が取り付けられ、かつ前記基部の上端より前後方向を向く折曲片が、透明のパネルの縁枠部材の上面より上向き突設した突条の上端に当接するようにした係合片としたことを特徴とする請求項3または4記載の間仕切パネル装置。
【請求項6】
折曲片の先端部に、上向傾斜部を設けたことを特徴とする請求項5記載の間仕切パネル装置。
【請求項7】
透明のパネルの縁枠部材および疑似パネル縁枠部材と、その上方に位置する横フレームとの間に形成した間隙内に、上下方向の間隙寸法を一定に保つスペーサを設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の間仕切パネル装置。
【請求項8】
スペーサが、透明のパネルの縁枠部材の上面と疑似パネル縁枠部材の上面とに跨る台座と、この台座に設けた上下方向のねじ孔に螺合し、かつ上端が横フレームの下面に当接する調節ボルトとからなることを特徴とする請求項7記載の間仕切パネル装置。
【請求項9】
透明のパネルの縁枠部材および疑似パネル縁枠部材と、その下方に位置する横フレームとの間に形成した間隙内に、上下方向の間隙寸法を一定に保つスペーサを設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の間仕切パネル装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−23482(P2007−23482A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202500(P2005−202500)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)