関節のあるソール構造を有する履物品
アッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を含む履物品を開示する。ソール構造は、アッパーに隣接して位置し、アッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部を含む。複数の離散したソール要素が接続部から下向きに延びている。ソール要素は下面を定め、かつソール要素は、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離されている。アウトソールは、溝内に配置され、ソール要素同士の間を延びることができ、アウトソールの下部は、ソール要素の下面を越えて延びる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、履物の分野に関する。本発明は、より特定的には、伸縮可能なアッパー、および選択された方向に可とう性を有する関節のある(articulated)構成を与える複数の切り込みを持つソール構造を有する履物品に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
この米国特許出願は、(1)2003年10月9日に米国特許商標庁に出願され、Article of Footware With A Stretchable Upper And An Articulated Sole Structureという名称を有する米国特許出願第10/681,321号、および(2)2004年6月4日に米国特許商標庁に出願され、Article of Footware With A Removable Midsole Elementという名称を有する米国特許出願第10/862,056号の一部継続出願であり、これらの出願に対する優先権を主張するものであり、このような先行の米国特許出願は参照により全体的に本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
背景技術の説明
従来の運動用履物品は、2つの主要な要素、すなわち、アッパーおよびソール構造を含む。アッパーは、足を受け入れソール構造に対してしっかりと位置決めする足のカバーを提供する。さらに、アッパーは、足を保護しかつ通気を可能にし、それによって足を冷やし、かつ汗を除去する構成を有することがある。ソール構造は、アッパーの下面に固定され、概ね足と地面との間に位置する。ソール構造は、地面の反力を減衰させることに加えて、牽引を可能にすることができ、過回内のような、有害な足の動きを抑制する可能性がある。したがって、アッパーおよびソール構造は、ウォーキングおよびランニングのような様々な歩行活動に適した快適な構造を提供するように協働する。アッパーおよびソール構造の一般的な特徴および構成について以下に詳しく論じる。
【0004】
アッパーは、履物の内部に、足を受け入れる空隙を形成する。この空隙は、概ね足の形状を有し、足首開口部によって空隙に接近することができる。したがって、アッパーは、足の甲および爪先領域の上方を、足の内側および外側に沿って、ならびに足の踵領域の周りを延びる。足首開口部のサイズを選択的に大きくし、装着者が、様々な大きさ足に適応するようにアッパーのある寸法、特に周囲の寸法を修正するのを可能にするようにアッパーにレーシング・システムが組み込まれることが多い。さらに、アッパーは、レーシング・システムの下方を延びて履物の快適さを向上させる舌皮を含んでよく、アッパーは踵の移動を制限するヒール・カウンタを含んでよい。
【0005】
アッパーを製造する際には様々な材料を利用することができる。たとえば、運動用履物品のアッパーは、外側層、中央層、および内部層を含む複数の材料層で形成することができる。アッパーの外側層を形成する材料は、たとえば耐摩耗性、可とう性、および通気性の特性に基づいて選択することができる。外側層に関しては、爪先領域および踵領域を、比較的高度の耐摩耗性を与えるように皮革、合成皮革、またはゴム材料で形成することができる。皮革、合成皮革、およびゴム材料は、所望の可とう度および通気度を示さないことがある。したがって、アッパーの外側層の様々な他の領域を合成織物で形成することができる。したがって、アッパーの外側層は、各材料要素がアッパーの特定の領域に異なる特性を与える多数の材料要素で形成することができる。
【0006】
アッパーの中央層は、地面の反力を減衰させ、アッパーに接触する可能性のある物体から足を保護する軽量のポリマー・フォーム材料で形成することができる。同様に、アッパーの内部層は、足の周りで足を直接囲む領域から汗を除去する水分浸潤織物で形成することができる。いくつかの運動用履物品では、様々な層を接着剤で接合することができ、かつ縫製を用いて要素を単一の層内で接合するかまたはアッパーの特定の領域を補強することができる。
【0007】
ソール構造は一般に、従来よりインソール、ミッドソール、およびアウトソールと呼ばれている複数の層を組み込んでいる。インソールは、履物の快適さを向上させるようにアッパー内に足の足底(下)面に隣接して配置された快適さを向上させる薄い部材である。ミッドソールは、従来アッパーの全長に沿ってアッパーに取り付けられており、ソール構造の中央層を形成し、足の動きの制御および地面の反力の減衰を含む様々な目的を果たす。アウトソールは、履物の地面接触要素を形成し、通常、牽引を向上させるようにテクスチャリングを含む耐久性および耐磨耗性の材料で作られる。
【0008】
従来のミッドソールの主要な要素は、履物の全長にわたって延びるポリウレタンまたはエチルビニルアセテートのような弾性ポリマー・フォーム材料である。ミッドソール内のポリマー・フォーム材料の特性は主として、ミッドソールの寸法構成、およびポリマー・フォーム材料の密度を含むポリマー・フォーム向けに選択される材料の特定の特徴を含む因子に依存する。ミッドソール全体にわたってこれらの因子を変化させることによって、相対剛性、地面反力減衰度、およびエネルギー吸収特性を、履物を使用する対象である活動の特定の要件を満たすように変更することができる。
【0009】
ポリマー・フォーム材料に加えて、たとえば、過回内に抵抗する安定性装置および地面の反力を分散させる減速材(moderator)を含んでよい。地面の反力から保護しつつ、運動用履物のミッドソールにポリマー・フォーム材料を使用すると、過回内傾向の一因となる不安定性を生じさせることがある。回内は正常であるが、特に過度の回内の場合、足および脚を負傷させる原因となる可能性がある。安定性装置は、足の回内の程度を制御するようにミッドソールのポリマー・フォーム材料に組み込まれることが多い。安定性装置の例は、Bowermanの米国特許第4,255,877号(特許文献1)、Nortonらの米国特許第4,287,675号(特許文献2)、Nortonらの米国特許第4,288,929号(特許文献3)、Frederickらの米国特許第4,354,318号(特許文献4)、Turnerらの米国特許第4,364,188号(特許文献5)、Batesの米国特許第4,364,189号(特許文献6)、およびKilgoreらの米国特許第5,247,742号(特許文献7)に見出される。従来のミッドソールは、安定性装置に加えて、たとえば、Rudyの米国特許第4,183,156号(特許文献8)および米国特許第4,219,945号(特許文献9)で開示されているように、流体が充填されたブラダーを含むことがある。
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,255,877号(特許文献1)
【特許文献2】米国特許第4,287,675号(特許文献2)
【特許文献3】米国特許第4,288,929号(特許文献3)
【特許文献4】米国特許第4,354,318号(特許文献4)
【特許文献5】米国特許第4,364,188号(特許文献5)
【特許文献6】米国特許第4,364,189号(特許文献6)
【特許文献7】米国特許第5,247,742号(特許文献7)
【特許文献8】米国特許第4,183,156号(特許文献8)
【特許文献9】米国特許第4,219,945号(特許文献9)
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
本発明の各局面は、アッパー、およびアッパーに固定されたソール構造を有する履物品を含む。ソール構造は、アッパーに隣接して位置させられ、かつアッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部を含む。複数の離散したソール要素が、接続部から下向きに延びる。ソール要素は下面を定め、かつソール要素は、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離される。アウトソールは、溝内に配置し、かつ各ソール要素間を延びることができ、アウトソールの下部は、各ソール要素の下面を越えて延びる。
【0012】
アウトソールは、各ソール要素の周りを延びる複数の孔を定めるウェブ構成を示してもよい。ソール要素の側面はくぼみを形成してよく、アウトソールはこのくぼみ内に延びる。いくつかの態様では、アウトソールのセグメントは、断面においてT字形構成を示す。アウトソールは、ソール要素の少なくとも一部の下面の上方を延びるカバー部を有してよい。カバー部は、履物の踵領域に配置することができる。さらに、カバー部は、履物の前足領域に配置することができ、カバー部の一部は、ソール構造の内側に沿って延びる。
【0013】
本発明の新規性を特徴付ける各局面の利点および特徴は、特に添付の特許請求の範囲で指摘されている。しかし、新規性の利点および特徴の理解を高めるには、本発明に関する様々な態様および概念を説明し図示する以下の説明的事項および添付の図面を参照することができる。
【0014】
前述の発明の概要ならびに以下の発明の詳細な説明は、添付の図面に関連して読むとよりよく理解されると思われる。
【0015】
発明の詳細な説明
はじめに
以下の議論および添付の図は、本発明の様々な局面による履物品10を開示している。履物10は、運動、特にランニングに適した構成を有するように各図に示されており、かつ以下に説明する。しかし、履物10に関して開示される概念は、特に、たとえばバスケットボール、野球、フットボール、サッカー、ウォーキング、およびハイキングを含む広範囲の他の運動向けに特別に設計された履物形式に適用することができ、かつ運動以外の履物形式に適用することもできる。したがって、当業者には、本明細書で開示される概念が、広範囲の履物形式に適用できるものであり、以下に論じかつ図に示される特定の態様に限定されないことが認識されると思われる。履物10に加えて、履物品10'および他の履物品10''についても以下に論じる。
【0016】
第1の履物品
履物10は、図1〜7に示されており、アッパー20およびソール構造30を含んでいる。アッパー20は、足を快適に受け入れ、かつ足の位置をソール構造30に対して固定する内部空隙を形成するように縫い合わせるかまたは接着結合された様々な材料要素から形成されている。ソール構造30は、アッパー20の下部に固定され、履物10が地面に当たった場合に地面の反力を減衰させる耐久性および耐摩耗性を有する構成要素を提供する。
【0017】
多くの従来の履物品は、ランニングまたはその他の活動中に足の動きを制御する構成を示している。たとえば、従来のソール構造は、足の自然な動きを抑制する比較的剛性または非可とう性の構造を有してよい。アッパー20およびソール構造30は、協働して連結するか、屈曲するか、伸びるか、またはその他の方法で移動して裸足で走っている自然な感覚を個体にもたらす構造を有している。すなわち、アッパー20およびソール構造30は、ランニングまたはその他の活動中に足の自然な動きを補うように構成されている。しかし、裸足のランニングと比べて、ソール構造30は、地面の反力を減衰させ、足に対する全体的な応力を弱める。
【0018】
参考のために、履物10を、3つの概略的な領域に分割することができ、すなわち、図1および2に定義されているように前足領域11、中足領域12、および踵領域13に分割することができる。領域11〜13は、履物10の厳密な領域を画定するものではない。むしろ、領域11〜13は、以下の議論中に見解を提供する履物10の概略的な領域を表すものである。領域11〜13は履物10に全体的に適用されるが、領域11〜13の参照は、特にアッパー20、ソール構造30、またはアッパー20もしくはソール構造30内の個々の構成要素もしくは部分にも適用することができる。
【0019】
アッパー20を形成する様々な材料要素について以下により十分に説明するが、これらの材料要素は、アッパー20内に空隙を形成する外側21、反対側の内側22、舌皮23、およびラスティング底革24を有する構造を提供するように組み合わされる。外側21は、各領域11〜13を通って延び、概ね足の外側面に接触し外側面を覆うように構成されている。外側21の一部は、足の甲の上方を延びており、舌皮23の外側と重なり合っている。内側22は、足の内側面に概ね対応する同様の構成を有している。内側22の一部も、足の甲の上方を延びており、反対側の舌皮23の内側と重なり合っている。さらに、外側21、内側22、および舌皮23は協働して踵領域13内に足首開口部25を形成し、足がアッパー20内の空隙に接近できるようにしている。
【0020】
舌皮23は、長手方向にアッパー20に沿って延び、足の甲領域に接触するように位置している。舌皮23の側部は、外側21および内側22のそれぞれの内面に固定されている。レース26が舌皮23の上方を延び、外側21および内側22に形成された孔を通って延びている。舌皮23は、レース26の下方を延び、レース26を足の甲領域から分離している。レース26の張力を強めることによって、外側21および内側22の張力を強め、外側21および内側22を引いて足に接触させることができる。同様に、レース26の張力を弱めることによって、アッパー20内の足に追加的な容積を与えるように外側21および内側22の張力を弱めることができる。したがって、この概略的な構成はアッパー20のフィット感を調整し、様々な足の寸法に対処する機構を提供する。
【0021】
従来履物のアッパーに利用されている材料を含む、様々な材料がアッパー20に適している。したがって、アッパー20は、たとえば、皮革、合成皮革、天然織物または合成織物、ポリマー・シート、ポリマー・フォーム、メッシュ織物、フェルト、不織布ポリマー、またはゴム材料の組み合わせから形成することができる。アッパー20の露出された部分は、互いに縫い合わされるかまたは接着結合された材料の、同一の広がりを有する2つの層から形成されている。図4Aおよび4Bに示されているように、層には、外側層14および隣接する内部層15が含まれる。外側層14は、アッパー20の外側に位置し、内部層15は、アッパー20内に空隙の表面を形成するようにアッパー20の内部に位置している。ラスティング底革24が層14および15の下縁部に固定され、ソール構造30の上面に沿って延びている。
【0022】
層14および15を形成する材料は、アッパー20の異なる領域で異なってよく、アッパー20のいくつかの領域に層14および15のうちの1つまたは複数のみが存在してよい。前足領域11および中足領域12を通って延びる外側21および内側22の領域に関して、たとえば、外側層14の適切な材料は、織られているかそれとも不織布であるかにかかわらない様々な織物であり、たとえば皮革、合成皮革、または単一層メッシュであり、内部層15は同様の材料で形成することができる。舌皮23および足首開口部26の周りの領域を形成する材料は、上述の材料と異なる材料であってよい。たとえば、外側層14は、複数の接続繊維によって相互接続された間隔をおいて配置された2つの織物層を含む材料から形成することができる。一方または両方の織物層は、この領域内のアッパー20の通気性を高めるようにメッシュ材料であってよい。さらに、外側層14と内部層15の間にフォーム材料を挿入することができる。
【0023】
上述の領域は、層14および15の両方から形成されているが、アッパー20の一部は単一の層を含むだけでよい。図4Bおよび5を参照すると、踵領域13内に配置され、踵領域13の背部の周りを延びるアッパー20の領域は、内部層15のみから形成されている。すなわち、外側層14は踵領域13のこの部分には存在せず、したがって、内部層15はアッパー20の外側および内部の両方を形成している。しかし、本発明のいくつかの態様では、踵領域13内のアッパー20の部分は、踵がアッパー20に対して適切な位置に留まるように、たとえば半剛性ポリマー材料で形成された従来のヒール・カウンタを組み込んでよい。ヒール・カウンタは、アッパー20の外側に配置するか、またはアッパー20を形成する様々な材料要素内に配置することができる。しかし、以下に論じるように、アッパー20およびソール構造30の構成では、必ずしもヒール・カウンタが存在しなくてもよい。
【0024】
上記の議論に基づいて、アッパー20の様々な部分は、層14および15を形成する材料の様々な組み合わせを含んでいる。たとえば、舌皮23の領域内および足首開口部26の周りの外側層14および内部層15を形成する材料は、外側21および内側22の、前足領域11および中足領域12を通って延びる領域内に、外側層14および内部層15を形成する材料とは異なってもよい。しかし、図に示されているように、内部層15を形成する材料は、これらの領域の両方の全体にわたって同じであり、同じ材料が踵領域13の最後部の周りを延びている。したがって、同じ材料でアッパー20の内面の実質的な部分を形成することができる。しかし、さらなる態様では、内部層15の様々な領域に異なる領域を利用することができ、またはアッパー20は2つよりも多くの材料層を含んでよい。
【0025】
外側層14は、内部層15の下部を露出させる複数の切り込み27aおよび27bを含んでいる。内部層15を露出させることによって、アッパー20の伸縮性は選択的に修正される。切り込み27aおよび27bが存在しない領域では、層14および15のそれぞれがアッパー20の耐伸縮性に寄与する。しかし、切り込み27aおよび27bが存在する領域では、切り込み27aおよび27bは、外側層14がより大きく伸びるのを可能にする。したがって、切り込み27aおよび27bは、アッパー20の特定の部分における伸びの程度を選択的に変更するようにアッパー20に形成されている。さらに、切り込み27aおよび27bを用いてアッパー20の通気性、可とう性、および全体的な美しさ(たとえば、色)を変更することができる。
【0026】
図1〜3を参照すると、切り込み27aおよび27bは、前足領域11および中足領域12を通って延びる外側21および内側22の領域上に分散されるように示されている。一般に、切り込み27aは線形構成を有し、履物10に対して長手方向に延びるように向けられている。すなわち、切り込み27aは、前足領域11と踵領域13の間を延びる方向に向けられている。しかし、(すなわち、足の親指)に相当する前足領域11の領域では、切り込み27bは横方向に延びるように向けられている。
【0027】
切り込み27aおよび27bの向きは、切り込み27aおよび27bによって与えられる伸びの方向に影響を与える。一般に、切り込み27aおよび27bによって、切り込み27aおよび27bの直線的な向きに相当する方向における伸びが大きくなることはない。すなわち、特定の切り込み27aおよび27bによって、切り込み27に平行な方向における伸びが大きくなることはない。しかし、切り込み27aおよび27bは、切り込み27aおよび27bの直線的な向きに垂直な方向におけるアッパー20の伸びを大きくする。
【0028】
切り込み27aは、長手方向に延びる細長い切り口のラインを形成するように示されており、隣接するラインにおける切り込み27aは互いにずれている。同様に、切り込み27bは、横方向に延びる細長い切り口のラインを形成するように示されており、隣接するラインにおける切り込み27bは互いにずれている。しかし、他の構成ではアッパー20に様々な切り込み27aおよび27bを付加してよい。たとえば、切り込み27aおよび27bをラインを形成しないようにずらすか、または切り込み27aおよび27bはアッパー20に対して無作為に配置してよい。
【0029】
切り込み27aは、上述のように、履物10に対して長手方向に向けられている。図6に示されているように、足がアッパー20内に配置され、アッパー20、特に外側層14に伸び力を加えると、切り込み27aによってアッパー20はアッパー20の周囲の寸法を増やすように伸びることができる。すなわち、切り込み27aは、切り込み27aの長手方向の向きに垂直な方向に伸びる。また切り込み27bも同様に伸びる。しかし、上述のように、切り込み27bは横方向に向けられている。したがって、切り込み27bは長手方向に伸びる。
【0030】
切り込み27aおよび27bは外側層14における線形の切り込みであるように示されている。外側層14に1つまたは複数の切り込み27aおよび27bに概ね垂直な方向に伸び力がかかると、図6に示されているように、切り込み27aおよび27bの縁部が分離し、尖った端部を有する概ね楕円形を形成する。切り込み27aおよび27bは、比較的線形で短い構成を有するように示されている。しかし、本発明の範囲内では、切り込み27aおよび27bは、たとえば直線的な構成または湾曲した構成を示してよく、様々な切り込み27aおよび27bの長さを修正することができる。たとえば、切り込み27aおよび27bの形状および長さの差を利用して、アッパー20の所望の伸縮度、アッパー20の通気性、およびアッパー20の可とう性および全体的な見た目を修正することができる。切り込み27aおよび27bの形状および長さを決定する場合に検討することもできる因子には、例えば、アッパー20内に利用される材料、材料に固有の伸縮度、および伸びが必要な方向が含まれる。
【0031】
従来のアッパーを形成する材料は、互いに縫い合わされること、またはお互いに他の方法で縫いつけることが多く、接着剤を用いて、材料の、同一の広がりを有する部分を固定することができる。従来のアッパーと同様に、層14および15は同一の広がりを有するように配置され、かつ互いに結合することができる。しかし、いくつかの態様では、層14および15を結合せずに分離してもよい。すなわち、層14および15は、互いに隣接して位置させることができるが、例えば、内部層15が、切り込み27aおよび27bの近位領域において外側層14に固定されないように、縁部または応力点を除いて一緒に固定しなくてよい。この構成の利点は、内部層15とは独立に伸びる、および移動することができることである。すなわち、切り込み27aおよび27bは、層14と層15の間の接着によって著しく妨げられない外側層14を伸ばすのを可能にする。したがって、一般に、層14および15は、切り込み27aおよび27bを含む領域では、接着しなくてよく、またはその他の方法で固定しなくてよい。
【0032】
切り込み27aおよび27bは、外側層14内に形成されるように示されている。しかし、本発明の範囲内では、切り込み27aおよび27bはまた、層14および15の一方または両方に形成することができる。たとえば、切り込み27aおよび27bは、外側層14のみに形成するか、外側層14および内部層15の両方に形成するか、または内部層15のみに形成することができる。層14および15の両方が切り込み27aおよび27bを含むいくつかの態様では、切り込み27aおよび27bを位置合わせするかまたはずらすことができる。したがって、上記の議論に基づいて、切り込み27aおよび27bの構成を本発明の範囲内でかなり変更することができる。
【0033】
切り込み27aおよび27bは様々な方法によって形成することができる。一例として、切り込み27aおよび27bは、ダイ、ナイフ、またはカミソリなどの切断器具を用いて形成することができる。切断器具に加えて、レーザ装置を使用して切り込み27aおよび27bを形成し、より大きな材料要素から外側層14を切り出すことができる。したがって、レーザを外側層14に向けて、外側層14の、切り込み27aおよび27bに対応する部分を除去することによって、切り込み27aおよび27bを形成することができる。切り込み27aおよび27bの幅は、概ねレーザの幅に相当してもよい。または、レーザの複数のパスを用いてより大きな幅を有する切り込み27aおよび27bを形成することができる。レーザ装置は、レーザ光線のパワーを調整することによって様々な強度のレーザ光線を生成する能力を有してよい。パワーを調整することに加えて、レーザ光線の焦点および外側層14に対するレーザの光線の速度を変更することもできる。適切なレーザ装置の一例は、参照により本明細書に組み入れられるCostinの米国特許第5,990,444号および米国特許第6,140,602号に開示されたような従来のCO2またはNd:YAGレーザ装置のいずれかである。
【0034】
履物のアッパーに組み込まれることが多い合成皮革、皮革、ポリマー・シート、およびポリマー織物などの材料では、切り込み27aおよび27bを形成するレーザ光線のパワーはたとえば0.25W〜25Wの範囲である。レーザ光線が比較的幅の狭い焦点を有する場合、レーザ光線における単位面積当たりエネルギーがより大きくなることを考慮してレーザ光線のパワーをより弱めることができる。同様に、レーザ光線が比較的幅の広い焦点を有する場合、レーザ光線における単位面積当たりエネルギーがより小さくなることを考慮してレーザ光線のパワーを強めることができる。レーザ光線の速度の修正をまた用いてレーザ光線の焦点およびパワーに対処することもできる。皮革、合成皮革、およびポリマー織物などの材料は切り込み27aおよび27bを形成するのに必要なパワーが比較的小さくてよいが、高密度ポリマーのような他の材料は、切り込み27aおよび27bを同じ深さに形成するのに必要なパワーがより大きい。したがって、切り込み27aおよび27bを形成するレーザ光線の適切なパワー、焦点、および/または速度を決定する際には多数の因子が考慮される。
【0035】
レーザ装置は、外側層14に隣接して移動し、外側層14に切り込み27aおよび27bを形成するレーザ光線用のエミッタを含んでよい。すなわち、外側層14に対してレーザ装置を移動させることによって様々な切り込み27aおよび27bの形状を制御することができる。または、レーザ光線は、移動可能または回転可能な1つまたは複数の鏡から反射することができ、外側層14における切り込み27aおよび27bの形状を鏡の移動によって制御することができる。
【0036】
レーザ光線は、外側層14の選択された領域を加熱し、外側層14の選択された領域を燃焼させるかまたは焼却することによって切り込み27aおよび27bを形成する。外側層14の他の領域を意図せず燃焼させるのを防止するには、二酸化炭素または窒素などの不燃性流体の存在下で切り込み27aおよび27bを形成することができる。すなわち、レーザ装置は、レーザ光線が切り込み27aおよび27bを形成する際に不燃性流体を放出するように構成することができる。
【0037】
外側層14に切り込み27aおよび27bを形成した後、アッパー20内の空隙に足の概略的な形状を与える靴型の周りにアッパー20の様々な要素を組み立てる。すなわち、様々な要素を靴型の周りに組み立てて、前足領域11から踵領域13まで延びるアッパー20の外側21および内側22を形成する。さらに、たとえば舌皮23およびレース26を含めるように甲領域を形成し、踵領域13に足首開口部25を形成する。ラスティング底革24も外側21および内側22の下縁部に固定し、ラスティング底革24は、靴型の下方を延びてアッパー20内の空隙の下面を形成する。次に、構造30の一部を、ラスティング底革24を含むアッパー20の下面に永久的に固定する。アッパー20およびソール構造30を接合する際、接着剤、縫製、または接着剤および縫製の組み合わせを利用することができる。このように、アッパー20を実質的に従来のプロセスによってソール構造30に固定する。
【0038】
ソール構造30は、インソール31(以下により詳しく説明する)、ミッドソール32、およびアウトソール33を含んでいる。インソール30は、足の足底(下)面に接触し履物10の快適さを向上させるようにアッパー20内に、ラスティング底革24の上面に隣接して位置している。ミッドソール32は、ラスティング底革24を含むアッパー20の下部に固定され、使用時に足の下方を延びるように位置している。いくつかある目的の中で特に、ミッドソール32は、たとえばウォーキングまたはランニング時に地面の反力を減衰させる。ミッドソール32に適した材料は、エチルビニルアセテートおよびポリウレタン・フォームを含む履物のミッドソールに利用される従来のポリマー・フォームのいずれかである。ミッドソール32は、BAYFLEX商標の下でBayer AGによって製造されている、概ね0.22の比重を有する比較的軽量のポリウレタン・フォームから形成することもできる。アウトソール33は、耐摩耗性を提供するようにミッドソール32の下面に固定され、かつアウトソール33はミッドソール32内で凹状にすることができる。アウトソール33は、ミッドソール32の下面全体にわたって延びることができるが、アウトソール33は、各図に示されている特定の態様では踵部13内に配置されている。アウトソール33に適した材料は、カーボンブラックゴム化合物などの履物のアウトソールに利用される従来のゴム材料のいずれかを含んでいる。
【0039】
従来の履物のミッドソールは、足の長さ全体にわたって延びる単体ポリマー・フォーム構造であり、足の自然な動きを抑制する剛性または非可とう性を有してよい。従来の履物のミッドソールと比べて、ミッドソール32は比較的高い可とう性および関節(articulation)を与える可能にする関節のある構造を有している。ミッドソール32の可とう性構造は(アッパー20の構造と組み合わされて)ランニングまたはその他の活動中に足の自然な動きを補助するように構成され、裸足でランニングを行う感覚を与えることができる。しかし、裸足のランニングと比べて、ミッドソール32は地面の反力を減衰させ、足に対する全体的な応力を弱める。
【0040】
ミッドソール32は、接続部40および溝部50を含む。接続部40は、上面41および反対側の下面42を形成している。上面41は、アッパー20に隣接して位置しており、アッパー20に直接固定し、それによって足を支持することができる。したがって、上面41は、足の自然な解剖学的形状と一致するような輪郭を有することができる。したがって、上面41の、踵領域13内に位置する領域は、前足領域11内の上面41の領域より高い高さを有してよい。さらに、上面41は、中足領域12内にアーチ支持領域を形成することができ、上面41の周辺領域は、足を受け入れ収容するくぼみを形成するように全体的に隆起させることができる。さらなる態様では、上面41は、輪郭付けしない構成を有してよい。
【0041】
上面41と下面42の間を延びる寸法として定められる接続部40の厚さを、ミッドソール32の長手方向長さに沿って変更することができる。この厚さは、図9Aでは厚さ寸法43a〜43cとして図示されている。前足領域11に定められる寸法43aは、約3ミリメートルであってよく、たとえば1ミリメートルから5ミリメートルの範囲であってよい。中足領域12に定められる寸法43bは、約8ミリメートルであってよく、たとえば1ミリメートルから11ミリメートルの範囲であってよい。同様に、踵領域13に定められる寸法43cは、約6ミリメートルであってよく、たとえば1ミリメートルから10ミリメートルの範囲であってよい。したがって、接続部40の厚さは、前足領域11および踵領域13から中足領域12に向かって延びる方向に大きくなってよい。しかし、当業者には、接続部40に厚さの様々な寸法および差異が適していることが認識されると思われる。
【0042】
接続部40の、比較的薄い厚さを示す領域は一般に、接続部40の、より大きい厚さを示す領域よりも高い可とう性を有している。したがって、接続部40の厚さの差異を利用して、特定の領域におけるソール構造30の可とう性を修正することができる。たとえば、より小さい厚さを有する接続部40を形成することによって前足領域11を比較的高い可とう性を有するように構成することができる。より大きい厚さを有する接続部40を形成することによって中足領域12に比較的低い可とう性を与えることができる。同様に、前足領域11の厚さと中足領域12の厚さの間の厚さを有する接続部40を形成することによって、踵領域13に中間的な可とう性を与えることができる。
【0043】
溝部50は、複数の溝52a〜52lによって分離された複数の個々の別々のソール要素51を形成する。ソール要素51は、ミッドソール30の、接続部40から下向きに延びる別個の部分である。さらに、ソール要素51は、接続部40に固定され、接続部40と一体的に形成することができる。各ソール要素51の形状は、様々な溝52a〜52lの位置によって決定される。図8に示されているように、溝52aおよび52bはソール構造30に沿って長手方向に延び、溝52c〜52lは概ね横方向に延びている。溝52a〜52lのこの位置決めは、ソール要素51の大部分を概ね方形、矩形、または台形を示すように形成する。最後部ソール要素51は、踵領域13内のソール構造30の曲率のために4分の1円形状を有している。
【0044】
下面40とミッドソール32の下面との間を延びる寸法として定められる溝部50の厚さを、ミッドソール32の長手方向長さに沿って変更することができる。この厚さは、図9Aでは厚さ寸法53aおよび53cとして図示されている。前足領域11に定められる寸法53aは、約7ミリメートルであってよく、たとえば3ミリメートルから12ミリメートルの範囲であってよい。同様に、踵領域13に定められる寸法53cは、約12ミリメートルであってよく、たとえば8ミリメートルから20ミリメートルの範囲であってよい。したがって、溝部50の厚さは、前足領域11から踵領域13まで延びる方向に大きくなってよい。しかし、当業者には、溝部50に厚さの様々な寸法および差異が適していることが認識されると思われる。
【0045】
寸法43aおよび53aの組み合わせによって、前足領域11内のミッドソール32の全厚が形成されている。同様に、寸法43cおよび53cの組み合わせによって、踵領域13内のミッドソール32の全厚が形成されている。履物10の構成は男性向けの履物および女性向けの履物で実質的に同様であるが、実験分析によって、全厚の差については男性は一般に女性よりも小さい差を好むことが分かっている。したがって、男性向けに設計された履物10は、前足領域11内の全厚が10ミリメートルであり、踵領域13内の全厚が18ミリメートルであり、それによって差が8ミリメートルであってよい。しかし、女性向けに設計された履物10は、前足領域11内の全厚がまた10ミリメートルであり、踵領域13内の全厚が22ミリメートルであり、それによって差が12ミリメートルを提供することができる。したがって、女性向けに設計された履物10は、前足領域11と踵領域13の間の全厚の差が男性の場合の厚さの差よりも大きくてよい。より大きな厚さの差は、たとえば踵領域13内に配置されたソール要素51の厚さを大きくすることによって履物10に与えることができる。
【0046】
各ソール要素51の形状は、上述のように、上向きにミッドソール32内へ延びかつソール要素51同士の間を延びる切り込みまたは空間である様々な溝52a〜52lの位置によって決定される。溝52a〜52lはまた、ミッドソール32内に関節のある構成を形成することによってソール構造30の可とう性を高める。従来の履物のミッドソールはポリマー・フォームの単体要素であるが、溝52a〜52lはソール構造30に屈曲線を形成し、したがって、ミッドソール32における屈曲方向に対して影響を与える。ソール構造30が溝52a〜52lの結果としてどのように屈曲してもよいかまたは関節でつないでもよいかは図7に図示されている。
【0047】
ソール構造30の横方向の可とう性(すなわち、外側と内側の間を延びる方向の可とう性)は溝52aおよび52bによって与えられる。溝52aはすべての3つの領域11〜13を通って長手方向に延びている。溝52aは直線状または線形の構成を有するが、溝52aは、全体的に湾曲するかまたはs字形の構成を有するように示されている。前足領域11および中足領域12では、溝52aはソール構造30の外側から中へ間隔をおいて配置され、かつ溝52aは踵領域13の中央に配置されている。溝52bは、前足領域11および中足領域12の一部にのみ配置され、中央に配置され、かつ溝52aに概ね平行な方向に延びている。一般に、溝52aおよび52bの深さは、溝52aおよび52bが前足領域11から踵領域13まで延びるにつれて大きくなる。
【0048】
ソール構造30の長手方向の可とう性(すなわち、領域11と領域13の間を延びる方向の可とう性)は溝52c〜52lによって与えられる。溝52c〜52fは、前足領域11内に位置し、溝52gは、概ね前足領域11と中足領域12の間の接合面に沿って延びており、溝52hおよび52iは、中足領域12内に位置し、溝52jは、概ね中足領域12と踵領域13の間の接合面に沿って延びており、溝52kおよび52lは踵領域13内に位置している。図8を参照すると、溝52i〜52lは概ね平行であり、内側−外側方向に延びている。溝52c〜52hはまた概ね平行な構成を有し、内側−外側方向に延びているが、溝52c〜52hは溝52i〜52lに対していくらか傾斜している。
【0049】
溝52a〜52lの位置および向きとしては、ランニング・サイクル中の足の自然な動きを補助するような位置および向きが選択される。一般に、ランニング中の足の動きは以下のとおりである。最初、踵が地面に当たり、その後足の母指球が地面に当たる。踵が地面から離れると、足は前方に移動し、したがって、爪先が接触し、最後に足全体が地面から離れ別のサイクルが始まる。足が地面に接触している時間の間、足は通常、外面(outside)または外側から内部または内側に移動する。これは回内と呼ばれるプロセスである。すなわち、通常、まず踵の外側が地面に当たり、最後に足の内側の爪先が地面から離れる。溝52c〜52lは、足を中立的な足衝撃(strike)位置に留め、足が地面に接触している場合に足の中立的な前方への動きを補助することを確実にする。溝52aおよび52bは、足がランニング・サイクル中に自然に回内するのを可能にするように横方向の可とう性を与える。同様に、溝52c〜52hの傾斜構成は、上述のように、足の自然な動きをさらに補強する追加的な可とう性を与える。
【0050】
溝52eは、前足領域11内の逆方向の屈曲を可能にするように他の溝52a〜52dおよび52f〜53lよりも大きい幅を有している。一般に、溝52a〜52lは、図7に示されているようにソール構造30の上向きの屈曲を可能にする。個体は、ランニング・サイクルの終了時(すなわち、爪先が地面から離れる前)にさらなる牽引を可能にするように、爪先の足底を屈曲させるかまたは他の方法で爪先を地面に押し込むことができる。溝52eの幅がより広い局面は、足底の屈曲を容易にし、それによってランニング時の足の自然な動きを促進する。すなわち、溝52eはミッドソール32内に逆方向屈曲溝を形成する。実験分析によって、男性は、前足領域の足底が屈曲する度合いが女性よりも低くなる傾向があることが判断された。女性が足底を屈曲させる度合いがより高くなる傾向を推進するために、女性向けに設計された履物10は、ずっと広い幅を有する溝52eを含んでもよく、または溝52dはまた追加的な幅を有してもよい。したがって、図10Aの断面図に示されているように、溝52dおよび52eはどちらも、女性向けに設計された履物10ではより大きな幅を有してよい。
【0051】
アウトソール33は、選択されたソール要素51の下面に固定された複数のアウトソール要素を含み、選択されたソール要素51の下面には、アウトソール要素を受け入れるくぼみが形成されている。各図に示されているように、アウトソール33は、踵領域13に限定されている。しかし、いくつかの態様では、各ソール要素51をアウトソール要素に関連付けることができ、またはアウトソール33はミッドソール32の下面全体にわたって延びてよい。
【0052】
ミッドソール32の形成には複数の製造方法が適している。たとえば、ミッドソール32は、単体要素として形成することができ、その後、切り込みプロセスによって溝52a〜52lを形成する。成形プロセス中に溝52a〜52lが形成されるようにミッドソール32を成形することもできる。ミッドソール32に適した成形方法には、たとえば射出成形、注入、または圧縮成形が含まれる。各成形方法では、ミッドソール32の概略的な形状および構成を有する型内に、吹き込みポリマー樹脂を配置する。型は、溝52a〜52lの位置に対応する薄いブレードを含む。ポリマー樹脂を型内の、各ブレードの周りに配置する。設置すると、ミッドソール32を型から取り出し、溝52a〜52lは成形プロセス中に形成される。溝52a〜52lの幅は、型内のブレードの厚さを修正することによって調節することができる。したがって、たとえば、溝52eの逆方向屈曲特性を、溝52eを形成するブレードの厚さによって調整することができ、かつ他の溝52a〜52dおよび52f〜52lが逆方向に屈曲する度合いを対応するブレードの厚さによって調節することができる。溝52a〜52dおよび52f〜52lを形成するブレードの適切な幅は、逆方向屈曲の度合いを比較的低くする0.2ミリメートル〜0.3ミリメートルである。同様に、型の、溝52eを形成する部分に適した幅範囲は、たとえば、逆方向屈曲の度合いをより大きくする3ミリメートル〜5ミリメートルである。
【0053】
アッパー20およびソール構造30は、協働して屈曲するか、伸びるか、またはその他の方法で移動して、自然な裸足でのランニングの感覚を個体に与える構造を有している。すなわち、アッパー20およびソール構造30は、ランニングまたはその他の活動中に足の自然な動きを補助するように構成されている。上述のように、外側層14は、特定の領域および特定の方向におけるアッパー20の伸縮性を向上させる複数の切り込み27aおよび27bを含んでいる。切り込み27aは、たとえばアッパー20の周囲寸法の伸びを可能にするように向けることができるが、切り込み27bは、母趾および足底の屈曲による移動を容易にすることができる。切り込み27aおよび27bはまた、ソール構造30の可とう性を補助する全体的により可とう性の高い構造をアッパー20に与える。上述のように、ミッドソール32は、ソール構造30の屈曲性を向上させる複数の溝52a〜52lを含んでいる。溝52a〜52lの位置、向き、および深さとしては、選択された領域および方向において特定の可とう度を与えるものが選択される。すなわち、溝52a〜52lを用いて自然な裸足でのランニングの感覚を個体に与えることができる。しかし、裸足でのランニングと比べて、ソール構造30は地面の反力を減衰させ、足に対する全体的な応力を弱める。
【0054】
従来のソール構造は、上述のように、足の自然な動きを抑制する比較的剛性または非可とう性の構成を有してよい。たとえば、足は、ランニング・サイクルの、踵が地面から離れる段階中に屈曲しようとすることがある。非可とう性のミッドソール構成および従来のヒール・カウンタの組み合わせは、足の屈曲に抵抗するように動作する。これに対して、履物10は、足と一緒に屈曲し、かつ従来のヒール・カウンタを組み込んでいない構成を有してよい。
【0055】
インソール31の構成によってソール構造30の全体的な可とう性を向上させることができる。図11を参照すると、インソール31の下面は、概ね溝52a〜52lの位置および構成に対応する複数の屈曲線34a〜34lを有するように示されている。より具体的には、屈曲線34aは、インソール31の実質的に全長にわたって長手方向に延びており、概ね溝52aの位置に対応している。屈曲線34bは、インソール31の長さの一部のみにわたって長手方向に延びており、概ね溝52bの位置に対応している。同様に、屈曲線34c〜34lは、インソール31の内側から外側まで横方向に延びており、概ね溝52c〜52lの位置に対応している。この構成は、ソール構造30に追加的な可とう性を与え、溝52a〜52lによって与えられる関節のある構成を補強している。同様の構成が図12に示されており、ここで、インソール31'は、複数の屈曲線34a'〜34l'および圧縮可能なポリマー・フォームで形成された2つのパッド35a'および35b'を含んでいる。
【0056】
上記の議論は、各図に示されている履物10の構造および構成を詳述したものである。履物10には、本発明の対象となる範囲から逸脱せずに様々な修正をすることができる。たとえば、切り込み27aおよび27bは、層14または15、あるいは層14および15の両方で形成することができる。切り込み27aおよび27bは、様々な伸縮特徴が得られるように異なる向きまたは位置に形成することができ、あるいは従来のヒール・カウンタをアッパー20に組み込むことができる。ソール構造30に関しては、接続部40の厚さまたはミッドソール32の全厚をかなり変動させることができる。さらに、溝52a〜52lの深さ、向き、および位置を修正することができる。
【0057】
第2の履物品
他の履物品10'は、図13に示されており、アッパー20'およびソール構造30'を含んでいる。アッパー20'は、足を快適に受け入れ、足の位置をソール構造30'に対して固定する内部空隙を形成するように縫い合わせるかまたは接着剤で結合された様々な材料要素から形成されている。図13に示されているように、アッパー20'は、概ね従来の構成を有しているが、またアッパー20と実質的に同様の構成を有してもよい。ソール構造30'は、アッパー20'の下部に固定され、履物10が地面に当たる場合に地面の反力を減衰させる耐久性および耐摩耗性の高い構成要素を提供する。
【0058】
ソール構造30'は、インソール31と実質的に同様のインソール(図示せず)を含んでよい。さらに、ソール構造30'は、図14、17、および18に示されているようにミッドソール32'およびアウトソール33'を含んでいる。ミッドソール32'は、アッパー20'の下部に固定され、使用時に足の下方を延びるように位置している。いくつかある目的の中で特に、ミッドソール32'は、たとえばウォーキングまたはランニング時に地面の反力を減衰させる。ミッドソール32'に適した材料は、ミッドソール32に関して論じた材料のいずれかである。さらに、Rhodia, Incorporatedによって製造されたエステル系のポリウレタンをミッドソール32'に利用することができる。アウトソール33'はミッドソール32'内で凹状にされ、ミッドソール32'の長さおよび幅全体にわたって延びている。他の態様では、アウトソール33'をソール構造30'の領域に限定することができる。アウトソール33'に適した材料には、カーボンブラックゴム化合物のような履物のアウトソールに利用される従来のゴム材料のいずれかが含まれる。アウトソール33'に適した他の材料には、たとえば熱可塑性ポリウレタンのような複数の射出成形可能なポリマーのいずれかが含まれる。
【0059】
従来の履物のミッドソールは、足の長さ全体にわたって延び、足の自然な動きを抑制する剛性または非可とう性を有してよい単体のポリマー・フォームである。従来の履物のミッドソールと比べて、ミッドソール32'は、比較的高い可とう性および関節与える関節のある構造を有している。ミッドソール32'の可とう性構造は、ランニングまたはその他の活動中に足の自然な動きを補助するように構成され、裸足でランニングをしている感触または感覚を与えることができる。さらに、ミッドソール32'の可とう性構造は、裸足でのランニングと同様に足を補強するのを助けることができる。しかし、裸足でのランニングと比べて、ミッドソール32'は地面の反力を減衰させ、足に対する全体的な応力を弱める。
【0060】
ミッドソール32'は、接続部40'および溝部50'を含んでいる。接続部40'の上面は、アッパー20に隣接して位置しており、アッパー20に直接固定し、それによって足を支持することができる。したがって、上面は、足の自然な解剖学的形状と一致するような輪郭を有することができる。接続部40'の厚さは、接続部40'の上面と下面の間を延びる寸法として定められ、この厚さをミッドソール32'の長手方向長さに沿って変更することができる。一般に、接続部40'の厚さは、ミッドソール32に関して論じた寸法に対応する厚さであってよい。一例では、接続部40'は、図19Aに示されているように、前足領域または踵領域よりも大きな厚さを履物10'の中足領域に有してよい。接続部40'の、比較的薄い厚さを示す領域は、接続部40'の、より大きな厚さを示す領域よりも高い可とう性を有する。したがって、接続部40'の厚さの差異を利用して、特定の領域におけるソール構造30'の可とう性を修正することができる。
【0061】
溝部50'は、複数の溝52'によって分離された複数の個々の別々のソール要素51'を形成している。ソール要素51'は、ミッドソール30'の、接続部40'から下向きに延びる離散した部分である。さらに、ソール要素51'は、接続部40'に固定されており、接続部40'と一体に形成することができる。各ソール要素51'の形状は、様々な溝52'の位置によって決定される。図15に示されているように、3つの溝52'がソール構造30'に沿って長手方向に延びており、概ね12個の溝52'が概ね横方向に延びている。溝52のこの位置決めによって、ソール要素51'の大部分は、概ね方形、矩形、または台形を示すように形成される。最後部ソール要素51は、履物10'の踵領域におけるソール構造30'の湾曲のために湾曲形状または4分の1円形状を有している。溝部50'の厚さは、下面接続部40'とミッドソール32'の下面との間を延びる寸法として定められ、この厚さをミッドソール32'の長手方向長さに沿って変更することができる。一般に、溝部50'の厚さは、ミッドソール32に関して論じた寸法に相当する寸法であってよい。
【0062】
各ソール要素51'の形状は、上述のように、上向きにミッドソール32'内に延び、ソール要素51'同士の間を延びる切り込みまたは空間である様々な溝52'の位置によって決定される。溝52'はまた、ミッドソール32'内に関節のある構成を形成することによってソール構造30'の可とう性を高める。従来の履物のミッドソールは単体のポリマー・フォーム要素であるが、溝52'はソール構造30'に屈曲線を形成し、したがって、ミッドソール32'の屈曲方向に影響を与える。ミッドソール32と同様に、ミッドソール32'の長手方向に延びる溝52'は、ソール構造30'の横方向の可とう性(すなわち、外側と内側の間を延びる方向の可とう性)を高める。ミッドソール32'の外側と内側の間を延びる溝52'は、ソール構造30'の長手方向の可とう性(前足領域と踵領域の間を延びる方向の可とう性)を高める。
【0063】
溝52'の位置および向きとしては、ランニング・サイクル中に足の自然な動きを補助する位置および向きが選択される。一般に、ランニング中の足の動きは以下のように進む。最初、踵が地面に当たり、その後足の母指球が地面に当たる。踵が地面から離れると、足は前方に移動し、したがって、爪先が接触し、最後に足全体が地面から離れ別のサイクルが始まる。足が地面に接触している時間の間、足は通常、外面または外側から内部または内側に移動し、これは回内と呼ばれるプロセスである。いくつかの溝52'は、足を中立的な足衝撃位置に留め、足が地面に接触している場合に足の中立的な前方への動きを補助することを確実にする。他の溝52'は、足がランニング・サイクル中に自然に回内するのを可能にするように横方向の可とう性を与える。
【0064】
アウトソール33'は、図16には、溝52'の寸法および相対的位置に対応する形状を有するように示されている。アウトソール33'は、ソール構造30'に組み込まれると、様々な溝52'内を延び、ミッドソール32'内で凹状になる。すなわち、アウトソール33'は、様々なソール要素51'の間を延び、かつ様々なソール要素51'の周りを延びている。アウトソール33'は、様々な孔35'を定めるように接続された複数のセグメント34'を含んでいる。セグメント34'および孔35'はアウトソール33'をウェブ様の構成を与える。したがって、セグメント34'は様々なソール要素51'の間を延び、孔35'は様々なソール要素51'の周りを延びている。
【0065】
ソール要素51'の側面はくぼみを形成し、セグメント34'はくぼみ内に延びている。さらに、セグメント34'の下部はミッドソール32'の下面を越えて延び、ソール構造30'の地面接触面を形成している。セグメント34'は、くぼみ内に延びかつミッドソール32'の下面の下方を延びるように、図19Bに示されているように断面にT字形構成を示している。すなわち、T字形構成の水平セグメントはくぼみ内に延び、T字形構成の垂直セグメントはミッドソール32'の下面の下方を延びている。上述のように、アウトソール33'に適した材料には、カーボンブラックゴム化合物のような履物のアウトソールに利用される従来のゴム材料のいずれかが含まれる。アウトソール33'に適した他の材料には、たとえば熱可塑性ポリウレタンのような複数の射出成形可能なポリマーのいずれかが含まれる。したがって、アウトソール33'は、ソール構造30'用の耐久性および耐摩耗性の表面を提供する。
【0066】
履物10の様々な溝52a〜52lは、ミッドソール32の比較的幅の狭い切り込みを形成している。溝52'の少なくとも下部は、各セグメント34'を収容するように幅の広い空間を形成している。すなわち、各空間はソール要素51'の少なくとも一部を分離し、アウトソール33'は空間に延びている。しかし、空間の幅は、アウトソール33'の構成に応じて、本出願の範囲内で著しく変更することができる。
【0067】
いくつかのセグメント34'は外側に延びてアウトソール33'の延長部を形成している。これらのセグメント34'は、図19Cに示されているように、ミッドソール32'の側面まで延びており、ミッドソール32'の側面に沿って上向きに延びることができる。ミッドソール32'の下面と同様に、これらのセグメント34'はミッドソール32'の側面から突き出るかまたは他の方法で延びており、ミッドソール32'の側面の摩耗に抵抗することができる。
【0068】
アウトソール33'は、様々なソール要素51'の下面の上方を延びる一対のカバー部材36'も有している。1つのカバー部材36'は、履物10'の踵領域に配置され、足が地面に当たると(すなわち、履物10'と地面の最初の接触時に)起こる摩耗に抵抗する。他の1つのカバー部材36'は、履物10'の前足領域に配置され、前足領域の前部に沿って延び、前足領域の内側に沿って延びている。この2つのカバー部材36'の位置は、同様のカバー部材を配置することのできる様々な位置の一例を提供する。図に示されているように、多くのソール要素51'は、露出された下面を有している。ソール要素51'の下面の摩耗特性を向上させるには、選択されたソール要素51'の下面に複数のアウトソール要素を固定することができる。さらに、セグメント34'またはカバー部材36'をテクスチャ加工することによって履物10'の牽引特性を向上させることができる。
【0069】
ミッドソール32'およびアウトソール33'は、接着剤または化学的接合面ではなく機械的接合面によって接合されている。上述のように、ソール要素51'の側面はくぼみを形成し、T字形セグメント34'がくぼみ内に延びている。さらに、アウトソール33'がソール要素51'の周りを延びている。ミッドソール32'とアウトソール33'の間のこの接合面は、ミッドソール32'とアウトソール33'を一緒に固定するのに概ね十分である。しかし、いくつかの態様では、接着剤またはミッドソール32'およびアウトソール33'を接合するその他の手段を用いてよい。
【0070】
従来のソール構造は、上述のように、足の自然な動きを抑制する比較的剛性または非可とう性の構成を有する場合がある。たとえば、足は、ランニング・サイクルの、踵が地面を離れる段階で屈曲しようとすることがある。非可とう性のミッドソール構成および従来のヒール・カウンタの組み合わせは、足の屈曲に抵抗するように動作する。これに対して、履物10'は、足と一緒に屈曲し、従来のヒール・カウンタを組み込んでいない構成を有してよい。
【0071】
第3の履物品
図20〜25は、本発明によるアッパー20"、アウトソール30"、ミッドソール40"を有するさらに他の履物品10"を開示している。アッパー20"は、単一の要素を形成するようにアウトソール30"に固定されている。しかしながら、ミッドソール40''は、アッパー20''およびアウトソール30''の組み合わせから分離できる。この構造は、従来の分離不能な履物品に勝る利点をもたらす。たとえば、ミッドソール40"またはアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせのどちらかは、各構成要素を形成するそれぞれの材料に最も適した方法で別々に洗浄することができる。ミッドソール40"またはアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせの一方が摩耗するかまたはその他の点で損傷を受けた場合、損傷を受けていない構成要素を交換する必要なしに損傷を受けた構成要素を交換することができ、損傷を受けた構成要素をより容易に再生することができる。さらに、ミッドソール40またはアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを、特定の活動または個体の好みに適する別の構成要素と交換することができる。
【0072】
アッパー20"は、足を受け入れる快適な構造を形成するように縫い合わされるかまたはその他の方法で接続された複数の要素を組み込んだ概ね従来の構造を示している。アッパー20"に適した材料には、様々な織物、フォーム、皮革、および縫い合わされるかまたは一緒に接着結合されたポリマー材料が含まれる。たとえば、織物材料には、通気性および水分浸潤性を向上させるメッシュ布を含めてよい。フォーム材料は、足の形状に一致し、履物10"の快適さを向上させる軽量の熱硬化フォームであってよい。最後に、皮革およびポリマー材料は、アッパー20"の高摩耗部またはアッパー20"の、追加的な耐伸縮性または支持を必要とする部分に位置することができる。いくつかの態様では、各図に示されているように、アッパー20"は主として、伸びて足の形状に一致する織物構造によって補助された合成皮革材料から形成することができる。したがって、アッパー20"は、概ね従来の材料から製造することができる。
【0073】
アッパー20"を形成する様々な要素は、外側21a"、反対側の内側21b"、および足首開口部22"を定めている。外側21a"および内側21b"は、足の側面、踵、および甲部を概ね覆っており、足の周りにアッパー20"を締め付け、足を履物10内に固定するレースまたはその他の調整システムを含んでよい。外側21a"および内側21b"は、足首開口部22''を定め、足首開口部22"から下向きに延びてアウトソール30"に接合されている。足首開口部22"は、ミッドソール40"および足の両方を収容するアッパー20"内の空隙への接近を可能にする。したがって、外側21a"、内側21b"、および足首開口部22"は概ね従来の構成を有している。上述のように、ミッドソール40"は、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせから分離可能である。したがって、足首開口部22"は、アッパー20"内の空隙への接近を可能にし、またミッドソール40"を取り外し挿入するための領域への接近を可能にする。
【0074】
アウトソール30"は、履物10"の、地面に係合する下面を形成するようにアッパー20"の下部に永久的に固定されている。たとえば、縫製、接着結合、熱結合、または縫製および結合の組み合わせを含む、様々な取り付け技術を利用してアウトソール30"を外側21a"および内側21b"に永久的に固定することができる。アウトソール30"は、単一の要素または一緒に接合された複数の要素であってよい。アウトソール30"に適した材料には、吹き込みゴム、カーボン・ラバー、または吹き込みゴムおよびカーボン・ラバーの組み合わせを含む、従来履物のアウトソールに利用されている様々な耐摩耗性ゴム材料のいずれかが含まれる。本明細書で使用される語「永久的に固定された」は、消費者が修正の対象としない様々な固定技術(たとえば、縫製、接着剤、および熱結合)を包含する。
【0075】
アウトソール30"は、リム部31"、および複数の孔33"を定める複数の要素32"を含んでいる。リム部31"は、アウトソール30"の周囲に沿って延び、アッパー20"に接合され、それによってアッパー20"とアウトソール30"を永久的に一緒に接合している。要素32"は、履物10"のより下面を横切って延び、アウトソール30"の、地面に係合する部分を提供する比較的薄い部材である。より特定的には、要素32"は、たとえば概ね外側21a"から内側21b"まで延び、様々な孔33"を提供しかつミッドソール40"の下面を露出させるように間隔をおいて配置されている。すなわち、要素32"はアウトソール30"に概ねウェブ構造を形成する。孔33"は、図に示されているように、概ね矩形、三角形、およびダイヤモンド状の構成を示している。しかし、本発明のさらなるの態様では、孔33"は、たとえば円形、楕円形、六角形、八角形、方形、またはその他の幾何学的もしくは非幾何学的形状を含む様々な他の形状または形状の組み合わせを示してよい。したがって、孔33"の特定の形状は、本発明の範囲内でかなり変更することができる。
【0076】
ミッドソール40"は、ミッドソール40"をアウトソール30"から取り外し、ミッドソール40"を足首開口部22"を通して引き出し、それによってアッパー20"内に形成された空隙からミッドソール40"を取り出すことによって、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせから分離可能である。ミッドソール40"の主要な要素は、足支持部41"および複数の突起42"である。足支持部41"は、履物10"の踵部から前足部まで延び、足に接触し足を支持する上面を提供する。足支持部41"の上面は、足の自然な形状に一致するように輪郭付けすることができる。足支持部41"の周囲領域を隆起させてミッドソール40"の上面に概略的なくぼみを形成し、それによって足をしっかりと受け入れる領域を提供することもできる。概ね従来のインソール50"は、ミッドソール40"の快適さを向上させるように、図26に示されているように、足支持部41"の上面の上方を延びていてもよい。すなわち、インソール50"は、ミッドソール40"と足の間を延びるように位置させることができ、かつインソール50"はまた、ミッドソール40"と同じ一般的な方法で取り外し可能であってもよい。
【0077】
足支持部41"の下面は、ミッドソール40"がアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせによって受け入れられる場合に様々な要素32"に接触する。さらに、突起42"が下向きに孔33"内に延びている。突起42"は概ね孔33"の形状を示している。しかし、ミッドソール40"の周囲領域内に配置されたそれらの突起42"は、リム部31"の下方を延びてミッドソール40"をアウトソール30"に対して所定の位置に固定するフランジ43"を含んでよい。ミッドソール40"の周囲領域内に配置されたそれらの突起42"は、下向きに延びることに加えて、横向きにも延びてフランジ43"を形成している。フランジ43"は、アウトソール30"と組み合わされて、リム部31"の下方を延びてミッドソール40"の位置を固定している。
【0078】
ミッドソール40"は、履物10"が地面に接触する場合に緩衝を提供するポリマー・フォーム材料で形成されている。より具体的には、ミッドソール40"は、ミッドソール40"が足と地面の間で圧縮される場合に地面の反力を減衰させるように動作しエネルギーを吸収する。これは、たとえば、ウォーキングまたはランニングを含む様々な歩行活動時に生じることができる。したがって、ミッドソール40"に適した材料は、エチルビニルアセテートおよびポリウレタン・フォームのような運動用履物のミッドソールに利用される従来のポリマー・フォームのいずれかである。ミッドソール40"は、たとえばMarion F. Rudyの米国特許第4,183,156号、米国特許第4,219,945号、米国特許第4,906,502号、および米国特許第5,083,361号ならびにDavid A. Goodwinらの米国特許第5,993,585号および米国特許第6,119,371号で開示されているように、追加的な緩衝を可能にするように踵部内にまたは足支持部41"の全長に沿って、流体が充填されたブラダーを組み込んでもよい。
【0079】
ミッドソール40"がアッパー20"内に適切に位置決めさせられ、アウトソール30"に接合されると、突起42"は下向きに孔33"内に延びる。突起42"の形状は概ね孔33"の形状に対応し、アウトソール30"とミッドソール40"をしっかりと接続する。このしっかりした接続によって、たとえば、ミッドソール40"は、ウォーキング、ランニング、またはその他の歩行活動時にアッパー20"に対して適切な位置に留まる。このしっかりした接続によって、くず(たとえば、ごみ、石、小枝)が孔33"を通ってアッパー20"に進入することは確実になくなる。このしっかりした接続を増強するために、上述のようにフランジ43"がリム部31"の下方を延びている。上述のフランジ43"およびリム部31"の組み合わせは、履物10"に適した機械的ロック・システムの一例を提供する。いくつかの態様では、ソール構造30"とアッパー20"の間にしっかりした接続を形成するのにロック・システムが必要とされない場合がある。他の態様では、アウトソール30"とミッドソール40"の摩擦嵌め、アウトソール30"を通ってミッドソール40"内に延びる様々なピン、または一時的接着剤を利用することができる。したがって、ソール構造30"とアッパー20"の間にしっかりした接続を形成するのに利用できる機械的ロック・システムの種類は、孔縁部およびフランジ(すなわち、リム部31"およびフランジ43")の使用だけではない。
【0080】
突起42"は下向きに孔33"内に延び、かつ突起42"は孔33"によって露出されている。突起42"は下向きに孔33"内に延び、かつ露出されているが、様々な突起42"の下面は要素32"の下面よりも高い高さに留まっている。この構成では、アウトソール30"が、地面に接触するかまたはその他の方向で係合する履物10"の主要な要素である。たとえば、様々な突起42"の下面が要素32"の下面よりも低い高さに位置する場合、ミッドソール40"は、履物10"の主要な地面係合要素を提供し、かなりの研磨力を受けると思われる。しかし、上述のように、アウトソール30"は耐研磨性ゴム材料から形成されており、一方、ミッドソール40"はポリマー・フォームから形成されている。したがって、アウトソール30"は、ウォーキング、ランニング、またはその他の歩行活動に伴う研磨力に対する耐力がより強い能力のある材料から形成されている。しかし、本発明のいくつかの態様では、突起42"の下面を耐研磨性材料で覆ってミッドソール40"の耐久性を向上させることができる。
【0081】
様々な突起42"の下面は要素32"の下面よりも高い高さに留まっているが、アウトソール30"およびミッドソール40"が足と地面の間で圧縮されるので、様々な突起42"の下面は依然として地面に接触することができる。しかし、ウォーキング、ランニング、またはその他の歩行活動に伴う研磨力の大部分は、依然としてアウトソール30"によって吸収することができる。したがって、アウトソール30"と様々な突起42"の下面との高さの差は、ミッドソール40"が地面に接触するのを防止するものではない。むしろ、高さの差は、研磨力によってミッドソール40"が摩耗するかまたはその他の点で劣化する度合いを制限するように働く。
【0082】
上述の履物10"の構造は、ソールが永久的にアッパーに取り付けられる従来の履物に勝る様々な利点をもたらす。たとえばランニング時に、足が地面に接触した場合に回内する度合いを制限するソール構造を好む個体もいる。しかし、同じ個体が、バスケットボールまたはテニスなどのコート形式活動時には高度の安定性を示すソール構造を好む場合もある。個体は、永久的に一緒に固定されたアッパー−ソール構造組み合わせ対を購入する代わりに、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを得ることができ、かつ個体は、各々が異なる活動に適した複数のミッドソール40"を得ることができる。その場合、個体は、複数のミッドソール40"のうちで、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせと共に使用できるミッドソール40"を選択することができる。同様に、個体は、単一のミッドソール40"と共に使用するアッパー20"およびアウトソール30"の複数の組み合わせを得ることができる。
【0083】
アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせは、ミッドソール40とは異なる材料を含んでいる。ミッドソール40"は主としてポリマー・フォーム材料から形成されるが、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせは異なる材料から形成されている。したがって、履物10"のそれぞれの部分は、特にそれらのそれぞれの材料に適した洗浄技術で利益を得ることができる。したがって、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを、ミッドソール40"から分離することができ、かつそれぞれ適切な方法で洗浄することができる。
【0084】
ミッドソール40"はポリマー・フォーム材料から形成されている。顕著に使用された後、ポリマー・フォーム材料内の様々なセルは、圧縮永久ひずみまたはその他の劣化を受けることがある、またはミッドソール40"は著しく摩耗することがある。履物10"を処分する代わりに、ミッドソール40"を適切に再生し、かつ他のミッドソール40"と交換し、したがって履物10"の寿命を延ばすことができる。アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせにも同様の検討が当てはまる。
【0085】
再生に関しては、履物10"および多くの従来の履物品の顕著な部分はミッドソールである。上述のように、従来の履物品のミッドソールは、アッパーおよびアウトソールに永久的に固定されている。この構成は、ミッドソールまたはその他の履物構成要素の再生をより困難にする。しかし、履物10"では、ミッドソール40"はアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせから分離可能である。したがって、従来の履物と比べて著しく効率的にミッドソール40"を再生することができる。
【0086】
美的観点より、個体は、ミッドソール40"とアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを交換できることによって、履物10"の外観をカスタマイズすることもできる。たとえば、履物10"を第1の色組み合わせで購入することができる。たとえば、ミッドソール40"を他のミッドソール40"と交換することによって、履物10"の色組み合わせを個体の好みに対してカスタマイズすることができる。たとえば、運動チームの色を反映するようにミッドソール40"およびアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを選択することによって、特定の運動チームのサポートを示すこともできる。
【0087】
結論
本発明は、様々な態様を参照して上記および添付の図面に開示されている。しかし、この開示によって満たされる目的は、本発明に関する様々な特徴および概念の一例を示すことであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者には、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱せずに上述の態様に多数の変形および修正を行うことができることが認識されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第1の履物品の外側立面図である。
【図2】第1の履物品の内側立面図である。
【図3】第1の履物品の平面図である。
【図4A】図3の断面線4A-4Aによって定められる、第1の履物品の第1の断面図である。
【図4B】図3の断面線4B-4Bによって定められる、第1の履物品の第2の断面図である。
【図5】第1の履物品の後部立面図である。
【図6】足を受け入れた場合の第1の履物品を示す外側立面図である。
【図7】屈曲構成の第1の履物品の部分外側立面図である。
【図8】第1の履物品のソール構造の底面図である。
【図9A】図8の断面線9A-9Aによって定められる、第1の履物品のソール構造の第1の断面図である。
【図9B】図8の断面線9B-9Bによって定められる、第1の履物品のソール構造の第2の断面図である。
【図9C】図8の断面線9C-9Cによって定められる、第1の履物品のソール構造の第3の断面図である。
【図9D】図8の断面線9D-9Dによって定められる、第1の履物品のソール構造の第4の断面図である。
【図9E】図8の断面線9E-9Eによって定められる、第1の履物品のソール構造の第5の断面図である。
【図9F】図8の断面線9F-9Fによって定められる、第1の履物品のソール構造の第6の断面図である。
【図9G】図8の断面線9G-9Gによって定められる、第1の履物品のソール構造の第7の断面図である。
【図10A】図8の断面線9A-9Aの位置に対応する他の態様の断面図である。
【図11】第1の履物品のインソール部の底面図である。
【図12】第1の履物品の他のインソール部の底面図である。
【図13】第2の履物品の外側立面図である。
【図14】第2の履物品のソール構造の底面図である。
【図15】第2の履物品のソール構造の第1の要素の底面図である。
【図16】第2の履物品のソール構造の第2の要素の底面図である。
【図17】第2の履物品のソール構造の内側立面図である。
【図18】第2の履物品のソール構造の外側立面図である。
【図19A】図14の断面線19A-19Aによって定められる、第2の履物品のソール構造の第1の断面図である。
【図19B】図18の断面線19B-19Bによって定められる、第2の履物品のソール構造の第2の断面図である。
【図19C】図18の断面線19C-19Cによって定められる、第2の履物品のソール構造の第3の断面図である。
【図20】第3の履物品の側面図である。
【図21】第3の履物品の底面図である。
【図22】第3の履物品の斜視図である。
【図23】第3の履物品の分解斜視図である。
【図24】図21の断面線24-24によって定められる、第3の履物品の第1の断面図である。
【図25】図21の断面線25-25によって定められる、第3の履物品の第3の断面図である。
【図26】第3の履物品の他の態様の分解斜視図である。
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、履物の分野に関する。本発明は、より特定的には、伸縮可能なアッパー、および選択された方向に可とう性を有する関節のある(articulated)構成を与える複数の切り込みを持つソール構造を有する履物品に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
この米国特許出願は、(1)2003年10月9日に米国特許商標庁に出願され、Article of Footware With A Stretchable Upper And An Articulated Sole Structureという名称を有する米国特許出願第10/681,321号、および(2)2004年6月4日に米国特許商標庁に出願され、Article of Footware With A Removable Midsole Elementという名称を有する米国特許出願第10/862,056号の一部継続出願であり、これらの出願に対する優先権を主張するものであり、このような先行の米国特許出願は参照により全体的に本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
背景技術の説明
従来の運動用履物品は、2つの主要な要素、すなわち、アッパーおよびソール構造を含む。アッパーは、足を受け入れソール構造に対してしっかりと位置決めする足のカバーを提供する。さらに、アッパーは、足を保護しかつ通気を可能にし、それによって足を冷やし、かつ汗を除去する構成を有することがある。ソール構造は、アッパーの下面に固定され、概ね足と地面との間に位置する。ソール構造は、地面の反力を減衰させることに加えて、牽引を可能にすることができ、過回内のような、有害な足の動きを抑制する可能性がある。したがって、アッパーおよびソール構造は、ウォーキングおよびランニングのような様々な歩行活動に適した快適な構造を提供するように協働する。アッパーおよびソール構造の一般的な特徴および構成について以下に詳しく論じる。
【0004】
アッパーは、履物の内部に、足を受け入れる空隙を形成する。この空隙は、概ね足の形状を有し、足首開口部によって空隙に接近することができる。したがって、アッパーは、足の甲および爪先領域の上方を、足の内側および外側に沿って、ならびに足の踵領域の周りを延びる。足首開口部のサイズを選択的に大きくし、装着者が、様々な大きさ足に適応するようにアッパーのある寸法、特に周囲の寸法を修正するのを可能にするようにアッパーにレーシング・システムが組み込まれることが多い。さらに、アッパーは、レーシング・システムの下方を延びて履物の快適さを向上させる舌皮を含んでよく、アッパーは踵の移動を制限するヒール・カウンタを含んでよい。
【0005】
アッパーを製造する際には様々な材料を利用することができる。たとえば、運動用履物品のアッパーは、外側層、中央層、および内部層を含む複数の材料層で形成することができる。アッパーの外側層を形成する材料は、たとえば耐摩耗性、可とう性、および通気性の特性に基づいて選択することができる。外側層に関しては、爪先領域および踵領域を、比較的高度の耐摩耗性を与えるように皮革、合成皮革、またはゴム材料で形成することができる。皮革、合成皮革、およびゴム材料は、所望の可とう度および通気度を示さないことがある。したがって、アッパーの外側層の様々な他の領域を合成織物で形成することができる。したがって、アッパーの外側層は、各材料要素がアッパーの特定の領域に異なる特性を与える多数の材料要素で形成することができる。
【0006】
アッパーの中央層は、地面の反力を減衰させ、アッパーに接触する可能性のある物体から足を保護する軽量のポリマー・フォーム材料で形成することができる。同様に、アッパーの内部層は、足の周りで足を直接囲む領域から汗を除去する水分浸潤織物で形成することができる。いくつかの運動用履物品では、様々な層を接着剤で接合することができ、かつ縫製を用いて要素を単一の層内で接合するかまたはアッパーの特定の領域を補強することができる。
【0007】
ソール構造は一般に、従来よりインソール、ミッドソール、およびアウトソールと呼ばれている複数の層を組み込んでいる。インソールは、履物の快適さを向上させるようにアッパー内に足の足底(下)面に隣接して配置された快適さを向上させる薄い部材である。ミッドソールは、従来アッパーの全長に沿ってアッパーに取り付けられており、ソール構造の中央層を形成し、足の動きの制御および地面の反力の減衰を含む様々な目的を果たす。アウトソールは、履物の地面接触要素を形成し、通常、牽引を向上させるようにテクスチャリングを含む耐久性および耐磨耗性の材料で作られる。
【0008】
従来のミッドソールの主要な要素は、履物の全長にわたって延びるポリウレタンまたはエチルビニルアセテートのような弾性ポリマー・フォーム材料である。ミッドソール内のポリマー・フォーム材料の特性は主として、ミッドソールの寸法構成、およびポリマー・フォーム材料の密度を含むポリマー・フォーム向けに選択される材料の特定の特徴を含む因子に依存する。ミッドソール全体にわたってこれらの因子を変化させることによって、相対剛性、地面反力減衰度、およびエネルギー吸収特性を、履物を使用する対象である活動の特定の要件を満たすように変更することができる。
【0009】
ポリマー・フォーム材料に加えて、たとえば、過回内に抵抗する安定性装置および地面の反力を分散させる減速材(moderator)を含んでよい。地面の反力から保護しつつ、運動用履物のミッドソールにポリマー・フォーム材料を使用すると、過回内傾向の一因となる不安定性を生じさせることがある。回内は正常であるが、特に過度の回内の場合、足および脚を負傷させる原因となる可能性がある。安定性装置は、足の回内の程度を制御するようにミッドソールのポリマー・フォーム材料に組み込まれることが多い。安定性装置の例は、Bowermanの米国特許第4,255,877号(特許文献1)、Nortonらの米国特許第4,287,675号(特許文献2)、Nortonらの米国特許第4,288,929号(特許文献3)、Frederickらの米国特許第4,354,318号(特許文献4)、Turnerらの米国特許第4,364,188号(特許文献5)、Batesの米国特許第4,364,189号(特許文献6)、およびKilgoreらの米国特許第5,247,742号(特許文献7)に見出される。従来のミッドソールは、安定性装置に加えて、たとえば、Rudyの米国特許第4,183,156号(特許文献8)および米国特許第4,219,945号(特許文献9)で開示されているように、流体が充填されたブラダーを含むことがある。
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,255,877号(特許文献1)
【特許文献2】米国特許第4,287,675号(特許文献2)
【特許文献3】米国特許第4,288,929号(特許文献3)
【特許文献4】米国特許第4,354,318号(特許文献4)
【特許文献5】米国特許第4,364,188号(特許文献5)
【特許文献6】米国特許第4,364,189号(特許文献6)
【特許文献7】米国特許第5,247,742号(特許文献7)
【特許文献8】米国特許第4,183,156号(特許文献8)
【特許文献9】米国特許第4,219,945号(特許文献9)
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
本発明の各局面は、アッパー、およびアッパーに固定されたソール構造を有する履物品を含む。ソール構造は、アッパーに隣接して位置させられ、かつアッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部を含む。複数の離散したソール要素が、接続部から下向きに延びる。ソール要素は下面を定め、かつソール要素は、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離される。アウトソールは、溝内に配置し、かつ各ソール要素間を延びることができ、アウトソールの下部は、各ソール要素の下面を越えて延びる。
【0012】
アウトソールは、各ソール要素の周りを延びる複数の孔を定めるウェブ構成を示してもよい。ソール要素の側面はくぼみを形成してよく、アウトソールはこのくぼみ内に延びる。いくつかの態様では、アウトソールのセグメントは、断面においてT字形構成を示す。アウトソールは、ソール要素の少なくとも一部の下面の上方を延びるカバー部を有してよい。カバー部は、履物の踵領域に配置することができる。さらに、カバー部は、履物の前足領域に配置することができ、カバー部の一部は、ソール構造の内側に沿って延びる。
【0013】
本発明の新規性を特徴付ける各局面の利点および特徴は、特に添付の特許請求の範囲で指摘されている。しかし、新規性の利点および特徴の理解を高めるには、本発明に関する様々な態様および概念を説明し図示する以下の説明的事項および添付の図面を参照することができる。
【0014】
前述の発明の概要ならびに以下の発明の詳細な説明は、添付の図面に関連して読むとよりよく理解されると思われる。
【0015】
発明の詳細な説明
はじめに
以下の議論および添付の図は、本発明の様々な局面による履物品10を開示している。履物10は、運動、特にランニングに適した構成を有するように各図に示されており、かつ以下に説明する。しかし、履物10に関して開示される概念は、特に、たとえばバスケットボール、野球、フットボール、サッカー、ウォーキング、およびハイキングを含む広範囲の他の運動向けに特別に設計された履物形式に適用することができ、かつ運動以外の履物形式に適用することもできる。したがって、当業者には、本明細書で開示される概念が、広範囲の履物形式に適用できるものであり、以下に論じかつ図に示される特定の態様に限定されないことが認識されると思われる。履物10に加えて、履物品10'および他の履物品10''についても以下に論じる。
【0016】
第1の履物品
履物10は、図1〜7に示されており、アッパー20およびソール構造30を含んでいる。アッパー20は、足を快適に受け入れ、かつ足の位置をソール構造30に対して固定する内部空隙を形成するように縫い合わせるかまたは接着結合された様々な材料要素から形成されている。ソール構造30は、アッパー20の下部に固定され、履物10が地面に当たった場合に地面の反力を減衰させる耐久性および耐摩耗性を有する構成要素を提供する。
【0017】
多くの従来の履物品は、ランニングまたはその他の活動中に足の動きを制御する構成を示している。たとえば、従来のソール構造は、足の自然な動きを抑制する比較的剛性または非可とう性の構造を有してよい。アッパー20およびソール構造30は、協働して連結するか、屈曲するか、伸びるか、またはその他の方法で移動して裸足で走っている自然な感覚を個体にもたらす構造を有している。すなわち、アッパー20およびソール構造30は、ランニングまたはその他の活動中に足の自然な動きを補うように構成されている。しかし、裸足のランニングと比べて、ソール構造30は、地面の反力を減衰させ、足に対する全体的な応力を弱める。
【0018】
参考のために、履物10を、3つの概略的な領域に分割することができ、すなわち、図1および2に定義されているように前足領域11、中足領域12、および踵領域13に分割することができる。領域11〜13は、履物10の厳密な領域を画定するものではない。むしろ、領域11〜13は、以下の議論中に見解を提供する履物10の概略的な領域を表すものである。領域11〜13は履物10に全体的に適用されるが、領域11〜13の参照は、特にアッパー20、ソール構造30、またはアッパー20もしくはソール構造30内の個々の構成要素もしくは部分にも適用することができる。
【0019】
アッパー20を形成する様々な材料要素について以下により十分に説明するが、これらの材料要素は、アッパー20内に空隙を形成する外側21、反対側の内側22、舌皮23、およびラスティング底革24を有する構造を提供するように組み合わされる。外側21は、各領域11〜13を通って延び、概ね足の外側面に接触し外側面を覆うように構成されている。外側21の一部は、足の甲の上方を延びており、舌皮23の外側と重なり合っている。内側22は、足の内側面に概ね対応する同様の構成を有している。内側22の一部も、足の甲の上方を延びており、反対側の舌皮23の内側と重なり合っている。さらに、外側21、内側22、および舌皮23は協働して踵領域13内に足首開口部25を形成し、足がアッパー20内の空隙に接近できるようにしている。
【0020】
舌皮23は、長手方向にアッパー20に沿って延び、足の甲領域に接触するように位置している。舌皮23の側部は、外側21および内側22のそれぞれの内面に固定されている。レース26が舌皮23の上方を延び、外側21および内側22に形成された孔を通って延びている。舌皮23は、レース26の下方を延び、レース26を足の甲領域から分離している。レース26の張力を強めることによって、外側21および内側22の張力を強め、外側21および内側22を引いて足に接触させることができる。同様に、レース26の張力を弱めることによって、アッパー20内の足に追加的な容積を与えるように外側21および内側22の張力を弱めることができる。したがって、この概略的な構成はアッパー20のフィット感を調整し、様々な足の寸法に対処する機構を提供する。
【0021】
従来履物のアッパーに利用されている材料を含む、様々な材料がアッパー20に適している。したがって、アッパー20は、たとえば、皮革、合成皮革、天然織物または合成織物、ポリマー・シート、ポリマー・フォーム、メッシュ織物、フェルト、不織布ポリマー、またはゴム材料の組み合わせから形成することができる。アッパー20の露出された部分は、互いに縫い合わされるかまたは接着結合された材料の、同一の広がりを有する2つの層から形成されている。図4Aおよび4Bに示されているように、層には、外側層14および隣接する内部層15が含まれる。外側層14は、アッパー20の外側に位置し、内部層15は、アッパー20内に空隙の表面を形成するようにアッパー20の内部に位置している。ラスティング底革24が層14および15の下縁部に固定され、ソール構造30の上面に沿って延びている。
【0022】
層14および15を形成する材料は、アッパー20の異なる領域で異なってよく、アッパー20のいくつかの領域に層14および15のうちの1つまたは複数のみが存在してよい。前足領域11および中足領域12を通って延びる外側21および内側22の領域に関して、たとえば、外側層14の適切な材料は、織られているかそれとも不織布であるかにかかわらない様々な織物であり、たとえば皮革、合成皮革、または単一層メッシュであり、内部層15は同様の材料で形成することができる。舌皮23および足首開口部26の周りの領域を形成する材料は、上述の材料と異なる材料であってよい。たとえば、外側層14は、複数の接続繊維によって相互接続された間隔をおいて配置された2つの織物層を含む材料から形成することができる。一方または両方の織物層は、この領域内のアッパー20の通気性を高めるようにメッシュ材料であってよい。さらに、外側層14と内部層15の間にフォーム材料を挿入することができる。
【0023】
上述の領域は、層14および15の両方から形成されているが、アッパー20の一部は単一の層を含むだけでよい。図4Bおよび5を参照すると、踵領域13内に配置され、踵領域13の背部の周りを延びるアッパー20の領域は、内部層15のみから形成されている。すなわち、外側層14は踵領域13のこの部分には存在せず、したがって、内部層15はアッパー20の外側および内部の両方を形成している。しかし、本発明のいくつかの態様では、踵領域13内のアッパー20の部分は、踵がアッパー20に対して適切な位置に留まるように、たとえば半剛性ポリマー材料で形成された従来のヒール・カウンタを組み込んでよい。ヒール・カウンタは、アッパー20の外側に配置するか、またはアッパー20を形成する様々な材料要素内に配置することができる。しかし、以下に論じるように、アッパー20およびソール構造30の構成では、必ずしもヒール・カウンタが存在しなくてもよい。
【0024】
上記の議論に基づいて、アッパー20の様々な部分は、層14および15を形成する材料の様々な組み合わせを含んでいる。たとえば、舌皮23の領域内および足首開口部26の周りの外側層14および内部層15を形成する材料は、外側21および内側22の、前足領域11および中足領域12を通って延びる領域内に、外側層14および内部層15を形成する材料とは異なってもよい。しかし、図に示されているように、内部層15を形成する材料は、これらの領域の両方の全体にわたって同じであり、同じ材料が踵領域13の最後部の周りを延びている。したがって、同じ材料でアッパー20の内面の実質的な部分を形成することができる。しかし、さらなる態様では、内部層15の様々な領域に異なる領域を利用することができ、またはアッパー20は2つよりも多くの材料層を含んでよい。
【0025】
外側層14は、内部層15の下部を露出させる複数の切り込み27aおよび27bを含んでいる。内部層15を露出させることによって、アッパー20の伸縮性は選択的に修正される。切り込み27aおよび27bが存在しない領域では、層14および15のそれぞれがアッパー20の耐伸縮性に寄与する。しかし、切り込み27aおよび27bが存在する領域では、切り込み27aおよび27bは、外側層14がより大きく伸びるのを可能にする。したがって、切り込み27aおよび27bは、アッパー20の特定の部分における伸びの程度を選択的に変更するようにアッパー20に形成されている。さらに、切り込み27aおよび27bを用いてアッパー20の通気性、可とう性、および全体的な美しさ(たとえば、色)を変更することができる。
【0026】
図1〜3を参照すると、切り込み27aおよび27bは、前足領域11および中足領域12を通って延びる外側21および内側22の領域上に分散されるように示されている。一般に、切り込み27aは線形構成を有し、履物10に対して長手方向に延びるように向けられている。すなわち、切り込み27aは、前足領域11と踵領域13の間を延びる方向に向けられている。しかし、(すなわち、足の親指)に相当する前足領域11の領域では、切り込み27bは横方向に延びるように向けられている。
【0027】
切り込み27aおよび27bの向きは、切り込み27aおよび27bによって与えられる伸びの方向に影響を与える。一般に、切り込み27aおよび27bによって、切り込み27aおよび27bの直線的な向きに相当する方向における伸びが大きくなることはない。すなわち、特定の切り込み27aおよび27bによって、切り込み27に平行な方向における伸びが大きくなることはない。しかし、切り込み27aおよび27bは、切り込み27aおよび27bの直線的な向きに垂直な方向におけるアッパー20の伸びを大きくする。
【0028】
切り込み27aは、長手方向に延びる細長い切り口のラインを形成するように示されており、隣接するラインにおける切り込み27aは互いにずれている。同様に、切り込み27bは、横方向に延びる細長い切り口のラインを形成するように示されており、隣接するラインにおける切り込み27bは互いにずれている。しかし、他の構成ではアッパー20に様々な切り込み27aおよび27bを付加してよい。たとえば、切り込み27aおよび27bをラインを形成しないようにずらすか、または切り込み27aおよび27bはアッパー20に対して無作為に配置してよい。
【0029】
切り込み27aは、上述のように、履物10に対して長手方向に向けられている。図6に示されているように、足がアッパー20内に配置され、アッパー20、特に外側層14に伸び力を加えると、切り込み27aによってアッパー20はアッパー20の周囲の寸法を増やすように伸びることができる。すなわち、切り込み27aは、切り込み27aの長手方向の向きに垂直な方向に伸びる。また切り込み27bも同様に伸びる。しかし、上述のように、切り込み27bは横方向に向けられている。したがって、切り込み27bは長手方向に伸びる。
【0030】
切り込み27aおよび27bは外側層14における線形の切り込みであるように示されている。外側層14に1つまたは複数の切り込み27aおよび27bに概ね垂直な方向に伸び力がかかると、図6に示されているように、切り込み27aおよび27bの縁部が分離し、尖った端部を有する概ね楕円形を形成する。切り込み27aおよび27bは、比較的線形で短い構成を有するように示されている。しかし、本発明の範囲内では、切り込み27aおよび27bは、たとえば直線的な構成または湾曲した構成を示してよく、様々な切り込み27aおよび27bの長さを修正することができる。たとえば、切り込み27aおよび27bの形状および長さの差を利用して、アッパー20の所望の伸縮度、アッパー20の通気性、およびアッパー20の可とう性および全体的な見た目を修正することができる。切り込み27aおよび27bの形状および長さを決定する場合に検討することもできる因子には、例えば、アッパー20内に利用される材料、材料に固有の伸縮度、および伸びが必要な方向が含まれる。
【0031】
従来のアッパーを形成する材料は、互いに縫い合わされること、またはお互いに他の方法で縫いつけることが多く、接着剤を用いて、材料の、同一の広がりを有する部分を固定することができる。従来のアッパーと同様に、層14および15は同一の広がりを有するように配置され、かつ互いに結合することができる。しかし、いくつかの態様では、層14および15を結合せずに分離してもよい。すなわち、層14および15は、互いに隣接して位置させることができるが、例えば、内部層15が、切り込み27aおよび27bの近位領域において外側層14に固定されないように、縁部または応力点を除いて一緒に固定しなくてよい。この構成の利点は、内部層15とは独立に伸びる、および移動することができることである。すなわち、切り込み27aおよび27bは、層14と層15の間の接着によって著しく妨げられない外側層14を伸ばすのを可能にする。したがって、一般に、層14および15は、切り込み27aおよび27bを含む領域では、接着しなくてよく、またはその他の方法で固定しなくてよい。
【0032】
切り込み27aおよび27bは、外側層14内に形成されるように示されている。しかし、本発明の範囲内では、切り込み27aおよび27bはまた、層14および15の一方または両方に形成することができる。たとえば、切り込み27aおよび27bは、外側層14のみに形成するか、外側層14および内部層15の両方に形成するか、または内部層15のみに形成することができる。層14および15の両方が切り込み27aおよび27bを含むいくつかの態様では、切り込み27aおよび27bを位置合わせするかまたはずらすことができる。したがって、上記の議論に基づいて、切り込み27aおよび27bの構成を本発明の範囲内でかなり変更することができる。
【0033】
切り込み27aおよび27bは様々な方法によって形成することができる。一例として、切り込み27aおよび27bは、ダイ、ナイフ、またはカミソリなどの切断器具を用いて形成することができる。切断器具に加えて、レーザ装置を使用して切り込み27aおよび27bを形成し、より大きな材料要素から外側層14を切り出すことができる。したがって、レーザを外側層14に向けて、外側層14の、切り込み27aおよび27bに対応する部分を除去することによって、切り込み27aおよび27bを形成することができる。切り込み27aおよび27bの幅は、概ねレーザの幅に相当してもよい。または、レーザの複数のパスを用いてより大きな幅を有する切り込み27aおよび27bを形成することができる。レーザ装置は、レーザ光線のパワーを調整することによって様々な強度のレーザ光線を生成する能力を有してよい。パワーを調整することに加えて、レーザ光線の焦点および外側層14に対するレーザの光線の速度を変更することもできる。適切なレーザ装置の一例は、参照により本明細書に組み入れられるCostinの米国特許第5,990,444号および米国特許第6,140,602号に開示されたような従来のCO2またはNd:YAGレーザ装置のいずれかである。
【0034】
履物のアッパーに組み込まれることが多い合成皮革、皮革、ポリマー・シート、およびポリマー織物などの材料では、切り込み27aおよび27bを形成するレーザ光線のパワーはたとえば0.25W〜25Wの範囲である。レーザ光線が比較的幅の狭い焦点を有する場合、レーザ光線における単位面積当たりエネルギーがより大きくなることを考慮してレーザ光線のパワーをより弱めることができる。同様に、レーザ光線が比較的幅の広い焦点を有する場合、レーザ光線における単位面積当たりエネルギーがより小さくなることを考慮してレーザ光線のパワーを強めることができる。レーザ光線の速度の修正をまた用いてレーザ光線の焦点およびパワーに対処することもできる。皮革、合成皮革、およびポリマー織物などの材料は切り込み27aおよび27bを形成するのに必要なパワーが比較的小さくてよいが、高密度ポリマーのような他の材料は、切り込み27aおよび27bを同じ深さに形成するのに必要なパワーがより大きい。したがって、切り込み27aおよび27bを形成するレーザ光線の適切なパワー、焦点、および/または速度を決定する際には多数の因子が考慮される。
【0035】
レーザ装置は、外側層14に隣接して移動し、外側層14に切り込み27aおよび27bを形成するレーザ光線用のエミッタを含んでよい。すなわち、外側層14に対してレーザ装置を移動させることによって様々な切り込み27aおよび27bの形状を制御することができる。または、レーザ光線は、移動可能または回転可能な1つまたは複数の鏡から反射することができ、外側層14における切り込み27aおよび27bの形状を鏡の移動によって制御することができる。
【0036】
レーザ光線は、外側層14の選択された領域を加熱し、外側層14の選択された領域を燃焼させるかまたは焼却することによって切り込み27aおよび27bを形成する。外側層14の他の領域を意図せず燃焼させるのを防止するには、二酸化炭素または窒素などの不燃性流体の存在下で切り込み27aおよび27bを形成することができる。すなわち、レーザ装置は、レーザ光線が切り込み27aおよび27bを形成する際に不燃性流体を放出するように構成することができる。
【0037】
外側層14に切り込み27aおよび27bを形成した後、アッパー20内の空隙に足の概略的な形状を与える靴型の周りにアッパー20の様々な要素を組み立てる。すなわち、様々な要素を靴型の周りに組み立てて、前足領域11から踵領域13まで延びるアッパー20の外側21および内側22を形成する。さらに、たとえば舌皮23およびレース26を含めるように甲領域を形成し、踵領域13に足首開口部25を形成する。ラスティング底革24も外側21および内側22の下縁部に固定し、ラスティング底革24は、靴型の下方を延びてアッパー20内の空隙の下面を形成する。次に、構造30の一部を、ラスティング底革24を含むアッパー20の下面に永久的に固定する。アッパー20およびソール構造30を接合する際、接着剤、縫製、または接着剤および縫製の組み合わせを利用することができる。このように、アッパー20を実質的に従来のプロセスによってソール構造30に固定する。
【0038】
ソール構造30は、インソール31(以下により詳しく説明する)、ミッドソール32、およびアウトソール33を含んでいる。インソール30は、足の足底(下)面に接触し履物10の快適さを向上させるようにアッパー20内に、ラスティング底革24の上面に隣接して位置している。ミッドソール32は、ラスティング底革24を含むアッパー20の下部に固定され、使用時に足の下方を延びるように位置している。いくつかある目的の中で特に、ミッドソール32は、たとえばウォーキングまたはランニング時に地面の反力を減衰させる。ミッドソール32に適した材料は、エチルビニルアセテートおよびポリウレタン・フォームを含む履物のミッドソールに利用される従来のポリマー・フォームのいずれかである。ミッドソール32は、BAYFLEX商標の下でBayer AGによって製造されている、概ね0.22の比重を有する比較的軽量のポリウレタン・フォームから形成することもできる。アウトソール33は、耐摩耗性を提供するようにミッドソール32の下面に固定され、かつアウトソール33はミッドソール32内で凹状にすることができる。アウトソール33は、ミッドソール32の下面全体にわたって延びることができるが、アウトソール33は、各図に示されている特定の態様では踵部13内に配置されている。アウトソール33に適した材料は、カーボンブラックゴム化合物などの履物のアウトソールに利用される従来のゴム材料のいずれかを含んでいる。
【0039】
従来の履物のミッドソールは、足の長さ全体にわたって延びる単体ポリマー・フォーム構造であり、足の自然な動きを抑制する剛性または非可とう性を有してよい。従来の履物のミッドソールと比べて、ミッドソール32は比較的高い可とう性および関節(articulation)を与える可能にする関節のある構造を有している。ミッドソール32の可とう性構造は(アッパー20の構造と組み合わされて)ランニングまたはその他の活動中に足の自然な動きを補助するように構成され、裸足でランニングを行う感覚を与えることができる。しかし、裸足のランニングと比べて、ミッドソール32は地面の反力を減衰させ、足に対する全体的な応力を弱める。
【0040】
ミッドソール32は、接続部40および溝部50を含む。接続部40は、上面41および反対側の下面42を形成している。上面41は、アッパー20に隣接して位置しており、アッパー20に直接固定し、それによって足を支持することができる。したがって、上面41は、足の自然な解剖学的形状と一致するような輪郭を有することができる。したがって、上面41の、踵領域13内に位置する領域は、前足領域11内の上面41の領域より高い高さを有してよい。さらに、上面41は、中足領域12内にアーチ支持領域を形成することができ、上面41の周辺領域は、足を受け入れ収容するくぼみを形成するように全体的に隆起させることができる。さらなる態様では、上面41は、輪郭付けしない構成を有してよい。
【0041】
上面41と下面42の間を延びる寸法として定められる接続部40の厚さを、ミッドソール32の長手方向長さに沿って変更することができる。この厚さは、図9Aでは厚さ寸法43a〜43cとして図示されている。前足領域11に定められる寸法43aは、約3ミリメートルであってよく、たとえば1ミリメートルから5ミリメートルの範囲であってよい。中足領域12に定められる寸法43bは、約8ミリメートルであってよく、たとえば1ミリメートルから11ミリメートルの範囲であってよい。同様に、踵領域13に定められる寸法43cは、約6ミリメートルであってよく、たとえば1ミリメートルから10ミリメートルの範囲であってよい。したがって、接続部40の厚さは、前足領域11および踵領域13から中足領域12に向かって延びる方向に大きくなってよい。しかし、当業者には、接続部40に厚さの様々な寸法および差異が適していることが認識されると思われる。
【0042】
接続部40の、比較的薄い厚さを示す領域は一般に、接続部40の、より大きい厚さを示す領域よりも高い可とう性を有している。したがって、接続部40の厚さの差異を利用して、特定の領域におけるソール構造30の可とう性を修正することができる。たとえば、より小さい厚さを有する接続部40を形成することによって前足領域11を比較的高い可とう性を有するように構成することができる。より大きい厚さを有する接続部40を形成することによって中足領域12に比較的低い可とう性を与えることができる。同様に、前足領域11の厚さと中足領域12の厚さの間の厚さを有する接続部40を形成することによって、踵領域13に中間的な可とう性を与えることができる。
【0043】
溝部50は、複数の溝52a〜52lによって分離された複数の個々の別々のソール要素51を形成する。ソール要素51は、ミッドソール30の、接続部40から下向きに延びる別個の部分である。さらに、ソール要素51は、接続部40に固定され、接続部40と一体的に形成することができる。各ソール要素51の形状は、様々な溝52a〜52lの位置によって決定される。図8に示されているように、溝52aおよび52bはソール構造30に沿って長手方向に延び、溝52c〜52lは概ね横方向に延びている。溝52a〜52lのこの位置決めは、ソール要素51の大部分を概ね方形、矩形、または台形を示すように形成する。最後部ソール要素51は、踵領域13内のソール構造30の曲率のために4分の1円形状を有している。
【0044】
下面40とミッドソール32の下面との間を延びる寸法として定められる溝部50の厚さを、ミッドソール32の長手方向長さに沿って変更することができる。この厚さは、図9Aでは厚さ寸法53aおよび53cとして図示されている。前足領域11に定められる寸法53aは、約7ミリメートルであってよく、たとえば3ミリメートルから12ミリメートルの範囲であってよい。同様に、踵領域13に定められる寸法53cは、約12ミリメートルであってよく、たとえば8ミリメートルから20ミリメートルの範囲であってよい。したがって、溝部50の厚さは、前足領域11から踵領域13まで延びる方向に大きくなってよい。しかし、当業者には、溝部50に厚さの様々な寸法および差異が適していることが認識されると思われる。
【0045】
寸法43aおよび53aの組み合わせによって、前足領域11内のミッドソール32の全厚が形成されている。同様に、寸法43cおよび53cの組み合わせによって、踵領域13内のミッドソール32の全厚が形成されている。履物10の構成は男性向けの履物および女性向けの履物で実質的に同様であるが、実験分析によって、全厚の差については男性は一般に女性よりも小さい差を好むことが分かっている。したがって、男性向けに設計された履物10は、前足領域11内の全厚が10ミリメートルであり、踵領域13内の全厚が18ミリメートルであり、それによって差が8ミリメートルであってよい。しかし、女性向けに設計された履物10は、前足領域11内の全厚がまた10ミリメートルであり、踵領域13内の全厚が22ミリメートルであり、それによって差が12ミリメートルを提供することができる。したがって、女性向けに設計された履物10は、前足領域11と踵領域13の間の全厚の差が男性の場合の厚さの差よりも大きくてよい。より大きな厚さの差は、たとえば踵領域13内に配置されたソール要素51の厚さを大きくすることによって履物10に与えることができる。
【0046】
各ソール要素51の形状は、上述のように、上向きにミッドソール32内へ延びかつソール要素51同士の間を延びる切り込みまたは空間である様々な溝52a〜52lの位置によって決定される。溝52a〜52lはまた、ミッドソール32内に関節のある構成を形成することによってソール構造30の可とう性を高める。従来の履物のミッドソールはポリマー・フォームの単体要素であるが、溝52a〜52lはソール構造30に屈曲線を形成し、したがって、ミッドソール32における屈曲方向に対して影響を与える。ソール構造30が溝52a〜52lの結果としてどのように屈曲してもよいかまたは関節でつないでもよいかは図7に図示されている。
【0047】
ソール構造30の横方向の可とう性(すなわち、外側と内側の間を延びる方向の可とう性)は溝52aおよび52bによって与えられる。溝52aはすべての3つの領域11〜13を通って長手方向に延びている。溝52aは直線状または線形の構成を有するが、溝52aは、全体的に湾曲するかまたはs字形の構成を有するように示されている。前足領域11および中足領域12では、溝52aはソール構造30の外側から中へ間隔をおいて配置され、かつ溝52aは踵領域13の中央に配置されている。溝52bは、前足領域11および中足領域12の一部にのみ配置され、中央に配置され、かつ溝52aに概ね平行な方向に延びている。一般に、溝52aおよび52bの深さは、溝52aおよび52bが前足領域11から踵領域13まで延びるにつれて大きくなる。
【0048】
ソール構造30の長手方向の可とう性(すなわち、領域11と領域13の間を延びる方向の可とう性)は溝52c〜52lによって与えられる。溝52c〜52fは、前足領域11内に位置し、溝52gは、概ね前足領域11と中足領域12の間の接合面に沿って延びており、溝52hおよび52iは、中足領域12内に位置し、溝52jは、概ね中足領域12と踵領域13の間の接合面に沿って延びており、溝52kおよび52lは踵領域13内に位置している。図8を参照すると、溝52i〜52lは概ね平行であり、内側−外側方向に延びている。溝52c〜52hはまた概ね平行な構成を有し、内側−外側方向に延びているが、溝52c〜52hは溝52i〜52lに対していくらか傾斜している。
【0049】
溝52a〜52lの位置および向きとしては、ランニング・サイクル中の足の自然な動きを補助するような位置および向きが選択される。一般に、ランニング中の足の動きは以下のとおりである。最初、踵が地面に当たり、その後足の母指球が地面に当たる。踵が地面から離れると、足は前方に移動し、したがって、爪先が接触し、最後に足全体が地面から離れ別のサイクルが始まる。足が地面に接触している時間の間、足は通常、外面(outside)または外側から内部または内側に移動する。これは回内と呼ばれるプロセスである。すなわち、通常、まず踵の外側が地面に当たり、最後に足の内側の爪先が地面から離れる。溝52c〜52lは、足を中立的な足衝撃(strike)位置に留め、足が地面に接触している場合に足の中立的な前方への動きを補助することを確実にする。溝52aおよび52bは、足がランニング・サイクル中に自然に回内するのを可能にするように横方向の可とう性を与える。同様に、溝52c〜52hの傾斜構成は、上述のように、足の自然な動きをさらに補強する追加的な可とう性を与える。
【0050】
溝52eは、前足領域11内の逆方向の屈曲を可能にするように他の溝52a〜52dおよび52f〜53lよりも大きい幅を有している。一般に、溝52a〜52lは、図7に示されているようにソール構造30の上向きの屈曲を可能にする。個体は、ランニング・サイクルの終了時(すなわち、爪先が地面から離れる前)にさらなる牽引を可能にするように、爪先の足底を屈曲させるかまたは他の方法で爪先を地面に押し込むことができる。溝52eの幅がより広い局面は、足底の屈曲を容易にし、それによってランニング時の足の自然な動きを促進する。すなわち、溝52eはミッドソール32内に逆方向屈曲溝を形成する。実験分析によって、男性は、前足領域の足底が屈曲する度合いが女性よりも低くなる傾向があることが判断された。女性が足底を屈曲させる度合いがより高くなる傾向を推進するために、女性向けに設計された履物10は、ずっと広い幅を有する溝52eを含んでもよく、または溝52dはまた追加的な幅を有してもよい。したがって、図10Aの断面図に示されているように、溝52dおよび52eはどちらも、女性向けに設計された履物10ではより大きな幅を有してよい。
【0051】
アウトソール33は、選択されたソール要素51の下面に固定された複数のアウトソール要素を含み、選択されたソール要素51の下面には、アウトソール要素を受け入れるくぼみが形成されている。各図に示されているように、アウトソール33は、踵領域13に限定されている。しかし、いくつかの態様では、各ソール要素51をアウトソール要素に関連付けることができ、またはアウトソール33はミッドソール32の下面全体にわたって延びてよい。
【0052】
ミッドソール32の形成には複数の製造方法が適している。たとえば、ミッドソール32は、単体要素として形成することができ、その後、切り込みプロセスによって溝52a〜52lを形成する。成形プロセス中に溝52a〜52lが形成されるようにミッドソール32を成形することもできる。ミッドソール32に適した成形方法には、たとえば射出成形、注入、または圧縮成形が含まれる。各成形方法では、ミッドソール32の概略的な形状および構成を有する型内に、吹き込みポリマー樹脂を配置する。型は、溝52a〜52lの位置に対応する薄いブレードを含む。ポリマー樹脂を型内の、各ブレードの周りに配置する。設置すると、ミッドソール32を型から取り出し、溝52a〜52lは成形プロセス中に形成される。溝52a〜52lの幅は、型内のブレードの厚さを修正することによって調節することができる。したがって、たとえば、溝52eの逆方向屈曲特性を、溝52eを形成するブレードの厚さによって調整することができ、かつ他の溝52a〜52dおよび52f〜52lが逆方向に屈曲する度合いを対応するブレードの厚さによって調節することができる。溝52a〜52dおよび52f〜52lを形成するブレードの適切な幅は、逆方向屈曲の度合いを比較的低くする0.2ミリメートル〜0.3ミリメートルである。同様に、型の、溝52eを形成する部分に適した幅範囲は、たとえば、逆方向屈曲の度合いをより大きくする3ミリメートル〜5ミリメートルである。
【0053】
アッパー20およびソール構造30は、協働して屈曲するか、伸びるか、またはその他の方法で移動して、自然な裸足でのランニングの感覚を個体に与える構造を有している。すなわち、アッパー20およびソール構造30は、ランニングまたはその他の活動中に足の自然な動きを補助するように構成されている。上述のように、外側層14は、特定の領域および特定の方向におけるアッパー20の伸縮性を向上させる複数の切り込み27aおよび27bを含んでいる。切り込み27aは、たとえばアッパー20の周囲寸法の伸びを可能にするように向けることができるが、切り込み27bは、母趾および足底の屈曲による移動を容易にすることができる。切り込み27aおよび27bはまた、ソール構造30の可とう性を補助する全体的により可とう性の高い構造をアッパー20に与える。上述のように、ミッドソール32は、ソール構造30の屈曲性を向上させる複数の溝52a〜52lを含んでいる。溝52a〜52lの位置、向き、および深さとしては、選択された領域および方向において特定の可とう度を与えるものが選択される。すなわち、溝52a〜52lを用いて自然な裸足でのランニングの感覚を個体に与えることができる。しかし、裸足でのランニングと比べて、ソール構造30は地面の反力を減衰させ、足に対する全体的な応力を弱める。
【0054】
従来のソール構造は、上述のように、足の自然な動きを抑制する比較的剛性または非可とう性の構成を有してよい。たとえば、足は、ランニング・サイクルの、踵が地面から離れる段階中に屈曲しようとすることがある。非可とう性のミッドソール構成および従来のヒール・カウンタの組み合わせは、足の屈曲に抵抗するように動作する。これに対して、履物10は、足と一緒に屈曲し、かつ従来のヒール・カウンタを組み込んでいない構成を有してよい。
【0055】
インソール31の構成によってソール構造30の全体的な可とう性を向上させることができる。図11を参照すると、インソール31の下面は、概ね溝52a〜52lの位置および構成に対応する複数の屈曲線34a〜34lを有するように示されている。より具体的には、屈曲線34aは、インソール31の実質的に全長にわたって長手方向に延びており、概ね溝52aの位置に対応している。屈曲線34bは、インソール31の長さの一部のみにわたって長手方向に延びており、概ね溝52bの位置に対応している。同様に、屈曲線34c〜34lは、インソール31の内側から外側まで横方向に延びており、概ね溝52c〜52lの位置に対応している。この構成は、ソール構造30に追加的な可とう性を与え、溝52a〜52lによって与えられる関節のある構成を補強している。同様の構成が図12に示されており、ここで、インソール31'は、複数の屈曲線34a'〜34l'および圧縮可能なポリマー・フォームで形成された2つのパッド35a'および35b'を含んでいる。
【0056】
上記の議論は、各図に示されている履物10の構造および構成を詳述したものである。履物10には、本発明の対象となる範囲から逸脱せずに様々な修正をすることができる。たとえば、切り込み27aおよび27bは、層14または15、あるいは層14および15の両方で形成することができる。切り込み27aおよび27bは、様々な伸縮特徴が得られるように異なる向きまたは位置に形成することができ、あるいは従来のヒール・カウンタをアッパー20に組み込むことができる。ソール構造30に関しては、接続部40の厚さまたはミッドソール32の全厚をかなり変動させることができる。さらに、溝52a〜52lの深さ、向き、および位置を修正することができる。
【0057】
第2の履物品
他の履物品10'は、図13に示されており、アッパー20'およびソール構造30'を含んでいる。アッパー20'は、足を快適に受け入れ、足の位置をソール構造30'に対して固定する内部空隙を形成するように縫い合わせるかまたは接着剤で結合された様々な材料要素から形成されている。図13に示されているように、アッパー20'は、概ね従来の構成を有しているが、またアッパー20と実質的に同様の構成を有してもよい。ソール構造30'は、アッパー20'の下部に固定され、履物10が地面に当たる場合に地面の反力を減衰させる耐久性および耐摩耗性の高い構成要素を提供する。
【0058】
ソール構造30'は、インソール31と実質的に同様のインソール(図示せず)を含んでよい。さらに、ソール構造30'は、図14、17、および18に示されているようにミッドソール32'およびアウトソール33'を含んでいる。ミッドソール32'は、アッパー20'の下部に固定され、使用時に足の下方を延びるように位置している。いくつかある目的の中で特に、ミッドソール32'は、たとえばウォーキングまたはランニング時に地面の反力を減衰させる。ミッドソール32'に適した材料は、ミッドソール32に関して論じた材料のいずれかである。さらに、Rhodia, Incorporatedによって製造されたエステル系のポリウレタンをミッドソール32'に利用することができる。アウトソール33'はミッドソール32'内で凹状にされ、ミッドソール32'の長さおよび幅全体にわたって延びている。他の態様では、アウトソール33'をソール構造30'の領域に限定することができる。アウトソール33'に適した材料には、カーボンブラックゴム化合物のような履物のアウトソールに利用される従来のゴム材料のいずれかが含まれる。アウトソール33'に適した他の材料には、たとえば熱可塑性ポリウレタンのような複数の射出成形可能なポリマーのいずれかが含まれる。
【0059】
従来の履物のミッドソールは、足の長さ全体にわたって延び、足の自然な動きを抑制する剛性または非可とう性を有してよい単体のポリマー・フォームである。従来の履物のミッドソールと比べて、ミッドソール32'は、比較的高い可とう性および関節与える関節のある構造を有している。ミッドソール32'の可とう性構造は、ランニングまたはその他の活動中に足の自然な動きを補助するように構成され、裸足でランニングをしている感触または感覚を与えることができる。さらに、ミッドソール32'の可とう性構造は、裸足でのランニングと同様に足を補強するのを助けることができる。しかし、裸足でのランニングと比べて、ミッドソール32'は地面の反力を減衰させ、足に対する全体的な応力を弱める。
【0060】
ミッドソール32'は、接続部40'および溝部50'を含んでいる。接続部40'の上面は、アッパー20に隣接して位置しており、アッパー20に直接固定し、それによって足を支持することができる。したがって、上面は、足の自然な解剖学的形状と一致するような輪郭を有することができる。接続部40'の厚さは、接続部40'の上面と下面の間を延びる寸法として定められ、この厚さをミッドソール32'の長手方向長さに沿って変更することができる。一般に、接続部40'の厚さは、ミッドソール32に関して論じた寸法に対応する厚さであってよい。一例では、接続部40'は、図19Aに示されているように、前足領域または踵領域よりも大きな厚さを履物10'の中足領域に有してよい。接続部40'の、比較的薄い厚さを示す領域は、接続部40'の、より大きな厚さを示す領域よりも高い可とう性を有する。したがって、接続部40'の厚さの差異を利用して、特定の領域におけるソール構造30'の可とう性を修正することができる。
【0061】
溝部50'は、複数の溝52'によって分離された複数の個々の別々のソール要素51'を形成している。ソール要素51'は、ミッドソール30'の、接続部40'から下向きに延びる離散した部分である。さらに、ソール要素51'は、接続部40'に固定されており、接続部40'と一体に形成することができる。各ソール要素51'の形状は、様々な溝52'の位置によって決定される。図15に示されているように、3つの溝52'がソール構造30'に沿って長手方向に延びており、概ね12個の溝52'が概ね横方向に延びている。溝52のこの位置決めによって、ソール要素51'の大部分は、概ね方形、矩形、または台形を示すように形成される。最後部ソール要素51は、履物10'の踵領域におけるソール構造30'の湾曲のために湾曲形状または4分の1円形状を有している。溝部50'の厚さは、下面接続部40'とミッドソール32'の下面との間を延びる寸法として定められ、この厚さをミッドソール32'の長手方向長さに沿って変更することができる。一般に、溝部50'の厚さは、ミッドソール32に関して論じた寸法に相当する寸法であってよい。
【0062】
各ソール要素51'の形状は、上述のように、上向きにミッドソール32'内に延び、ソール要素51'同士の間を延びる切り込みまたは空間である様々な溝52'の位置によって決定される。溝52'はまた、ミッドソール32'内に関節のある構成を形成することによってソール構造30'の可とう性を高める。従来の履物のミッドソールは単体のポリマー・フォーム要素であるが、溝52'はソール構造30'に屈曲線を形成し、したがって、ミッドソール32'の屈曲方向に影響を与える。ミッドソール32と同様に、ミッドソール32'の長手方向に延びる溝52'は、ソール構造30'の横方向の可とう性(すなわち、外側と内側の間を延びる方向の可とう性)を高める。ミッドソール32'の外側と内側の間を延びる溝52'は、ソール構造30'の長手方向の可とう性(前足領域と踵領域の間を延びる方向の可とう性)を高める。
【0063】
溝52'の位置および向きとしては、ランニング・サイクル中に足の自然な動きを補助する位置および向きが選択される。一般に、ランニング中の足の動きは以下のように進む。最初、踵が地面に当たり、その後足の母指球が地面に当たる。踵が地面から離れると、足は前方に移動し、したがって、爪先が接触し、最後に足全体が地面から離れ別のサイクルが始まる。足が地面に接触している時間の間、足は通常、外面または外側から内部または内側に移動し、これは回内と呼ばれるプロセスである。いくつかの溝52'は、足を中立的な足衝撃位置に留め、足が地面に接触している場合に足の中立的な前方への動きを補助することを確実にする。他の溝52'は、足がランニング・サイクル中に自然に回内するのを可能にするように横方向の可とう性を与える。
【0064】
アウトソール33'は、図16には、溝52'の寸法および相対的位置に対応する形状を有するように示されている。アウトソール33'は、ソール構造30'に組み込まれると、様々な溝52'内を延び、ミッドソール32'内で凹状になる。すなわち、アウトソール33'は、様々なソール要素51'の間を延び、かつ様々なソール要素51'の周りを延びている。アウトソール33'は、様々な孔35'を定めるように接続された複数のセグメント34'を含んでいる。セグメント34'および孔35'はアウトソール33'をウェブ様の構成を与える。したがって、セグメント34'は様々なソール要素51'の間を延び、孔35'は様々なソール要素51'の周りを延びている。
【0065】
ソール要素51'の側面はくぼみを形成し、セグメント34'はくぼみ内に延びている。さらに、セグメント34'の下部はミッドソール32'の下面を越えて延び、ソール構造30'の地面接触面を形成している。セグメント34'は、くぼみ内に延びかつミッドソール32'の下面の下方を延びるように、図19Bに示されているように断面にT字形構成を示している。すなわち、T字形構成の水平セグメントはくぼみ内に延び、T字形構成の垂直セグメントはミッドソール32'の下面の下方を延びている。上述のように、アウトソール33'に適した材料には、カーボンブラックゴム化合物のような履物のアウトソールに利用される従来のゴム材料のいずれかが含まれる。アウトソール33'に適した他の材料には、たとえば熱可塑性ポリウレタンのような複数の射出成形可能なポリマーのいずれかが含まれる。したがって、アウトソール33'は、ソール構造30'用の耐久性および耐摩耗性の表面を提供する。
【0066】
履物10の様々な溝52a〜52lは、ミッドソール32の比較的幅の狭い切り込みを形成している。溝52'の少なくとも下部は、各セグメント34'を収容するように幅の広い空間を形成している。すなわち、各空間はソール要素51'の少なくとも一部を分離し、アウトソール33'は空間に延びている。しかし、空間の幅は、アウトソール33'の構成に応じて、本出願の範囲内で著しく変更することができる。
【0067】
いくつかのセグメント34'は外側に延びてアウトソール33'の延長部を形成している。これらのセグメント34'は、図19Cに示されているように、ミッドソール32'の側面まで延びており、ミッドソール32'の側面に沿って上向きに延びることができる。ミッドソール32'の下面と同様に、これらのセグメント34'はミッドソール32'の側面から突き出るかまたは他の方法で延びており、ミッドソール32'の側面の摩耗に抵抗することができる。
【0068】
アウトソール33'は、様々なソール要素51'の下面の上方を延びる一対のカバー部材36'も有している。1つのカバー部材36'は、履物10'の踵領域に配置され、足が地面に当たると(すなわち、履物10'と地面の最初の接触時に)起こる摩耗に抵抗する。他の1つのカバー部材36'は、履物10'の前足領域に配置され、前足領域の前部に沿って延び、前足領域の内側に沿って延びている。この2つのカバー部材36'の位置は、同様のカバー部材を配置することのできる様々な位置の一例を提供する。図に示されているように、多くのソール要素51'は、露出された下面を有している。ソール要素51'の下面の摩耗特性を向上させるには、選択されたソール要素51'の下面に複数のアウトソール要素を固定することができる。さらに、セグメント34'またはカバー部材36'をテクスチャ加工することによって履物10'の牽引特性を向上させることができる。
【0069】
ミッドソール32'およびアウトソール33'は、接着剤または化学的接合面ではなく機械的接合面によって接合されている。上述のように、ソール要素51'の側面はくぼみを形成し、T字形セグメント34'がくぼみ内に延びている。さらに、アウトソール33'がソール要素51'の周りを延びている。ミッドソール32'とアウトソール33'の間のこの接合面は、ミッドソール32'とアウトソール33'を一緒に固定するのに概ね十分である。しかし、いくつかの態様では、接着剤またはミッドソール32'およびアウトソール33'を接合するその他の手段を用いてよい。
【0070】
従来のソール構造は、上述のように、足の自然な動きを抑制する比較的剛性または非可とう性の構成を有する場合がある。たとえば、足は、ランニング・サイクルの、踵が地面を離れる段階で屈曲しようとすることがある。非可とう性のミッドソール構成および従来のヒール・カウンタの組み合わせは、足の屈曲に抵抗するように動作する。これに対して、履物10'は、足と一緒に屈曲し、従来のヒール・カウンタを組み込んでいない構成を有してよい。
【0071】
第3の履物品
図20〜25は、本発明によるアッパー20"、アウトソール30"、ミッドソール40"を有するさらに他の履物品10"を開示している。アッパー20"は、単一の要素を形成するようにアウトソール30"に固定されている。しかしながら、ミッドソール40''は、アッパー20''およびアウトソール30''の組み合わせから分離できる。この構造は、従来の分離不能な履物品に勝る利点をもたらす。たとえば、ミッドソール40"またはアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせのどちらかは、各構成要素を形成するそれぞれの材料に最も適した方法で別々に洗浄することができる。ミッドソール40"またはアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせの一方が摩耗するかまたはその他の点で損傷を受けた場合、損傷を受けていない構成要素を交換する必要なしに損傷を受けた構成要素を交換することができ、損傷を受けた構成要素をより容易に再生することができる。さらに、ミッドソール40またはアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを、特定の活動または個体の好みに適する別の構成要素と交換することができる。
【0072】
アッパー20"は、足を受け入れる快適な構造を形成するように縫い合わされるかまたはその他の方法で接続された複数の要素を組み込んだ概ね従来の構造を示している。アッパー20"に適した材料には、様々な織物、フォーム、皮革、および縫い合わされるかまたは一緒に接着結合されたポリマー材料が含まれる。たとえば、織物材料には、通気性および水分浸潤性を向上させるメッシュ布を含めてよい。フォーム材料は、足の形状に一致し、履物10"の快適さを向上させる軽量の熱硬化フォームであってよい。最後に、皮革およびポリマー材料は、アッパー20"の高摩耗部またはアッパー20"の、追加的な耐伸縮性または支持を必要とする部分に位置することができる。いくつかの態様では、各図に示されているように、アッパー20"は主として、伸びて足の形状に一致する織物構造によって補助された合成皮革材料から形成することができる。したがって、アッパー20"は、概ね従来の材料から製造することができる。
【0073】
アッパー20"を形成する様々な要素は、外側21a"、反対側の内側21b"、および足首開口部22"を定めている。外側21a"および内側21b"は、足の側面、踵、および甲部を概ね覆っており、足の周りにアッパー20"を締め付け、足を履物10内に固定するレースまたはその他の調整システムを含んでよい。外側21a"および内側21b"は、足首開口部22''を定め、足首開口部22"から下向きに延びてアウトソール30"に接合されている。足首開口部22"は、ミッドソール40"および足の両方を収容するアッパー20"内の空隙への接近を可能にする。したがって、外側21a"、内側21b"、および足首開口部22"は概ね従来の構成を有している。上述のように、ミッドソール40"は、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせから分離可能である。したがって、足首開口部22"は、アッパー20"内の空隙への接近を可能にし、またミッドソール40"を取り外し挿入するための領域への接近を可能にする。
【0074】
アウトソール30"は、履物10"の、地面に係合する下面を形成するようにアッパー20"の下部に永久的に固定されている。たとえば、縫製、接着結合、熱結合、または縫製および結合の組み合わせを含む、様々な取り付け技術を利用してアウトソール30"を外側21a"および内側21b"に永久的に固定することができる。アウトソール30"は、単一の要素または一緒に接合された複数の要素であってよい。アウトソール30"に適した材料には、吹き込みゴム、カーボン・ラバー、または吹き込みゴムおよびカーボン・ラバーの組み合わせを含む、従来履物のアウトソールに利用されている様々な耐摩耗性ゴム材料のいずれかが含まれる。本明細書で使用される語「永久的に固定された」は、消費者が修正の対象としない様々な固定技術(たとえば、縫製、接着剤、および熱結合)を包含する。
【0075】
アウトソール30"は、リム部31"、および複数の孔33"を定める複数の要素32"を含んでいる。リム部31"は、アウトソール30"の周囲に沿って延び、アッパー20"に接合され、それによってアッパー20"とアウトソール30"を永久的に一緒に接合している。要素32"は、履物10"のより下面を横切って延び、アウトソール30"の、地面に係合する部分を提供する比較的薄い部材である。より特定的には、要素32"は、たとえば概ね外側21a"から内側21b"まで延び、様々な孔33"を提供しかつミッドソール40"の下面を露出させるように間隔をおいて配置されている。すなわち、要素32"はアウトソール30"に概ねウェブ構造を形成する。孔33"は、図に示されているように、概ね矩形、三角形、およびダイヤモンド状の構成を示している。しかし、本発明のさらなるの態様では、孔33"は、たとえば円形、楕円形、六角形、八角形、方形、またはその他の幾何学的もしくは非幾何学的形状を含む様々な他の形状または形状の組み合わせを示してよい。したがって、孔33"の特定の形状は、本発明の範囲内でかなり変更することができる。
【0076】
ミッドソール40"は、ミッドソール40"をアウトソール30"から取り外し、ミッドソール40"を足首開口部22"を通して引き出し、それによってアッパー20"内に形成された空隙からミッドソール40"を取り出すことによって、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせから分離可能である。ミッドソール40"の主要な要素は、足支持部41"および複数の突起42"である。足支持部41"は、履物10"の踵部から前足部まで延び、足に接触し足を支持する上面を提供する。足支持部41"の上面は、足の自然な形状に一致するように輪郭付けすることができる。足支持部41"の周囲領域を隆起させてミッドソール40"の上面に概略的なくぼみを形成し、それによって足をしっかりと受け入れる領域を提供することもできる。概ね従来のインソール50"は、ミッドソール40"の快適さを向上させるように、図26に示されているように、足支持部41"の上面の上方を延びていてもよい。すなわち、インソール50"は、ミッドソール40"と足の間を延びるように位置させることができ、かつインソール50"はまた、ミッドソール40"と同じ一般的な方法で取り外し可能であってもよい。
【0077】
足支持部41"の下面は、ミッドソール40"がアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせによって受け入れられる場合に様々な要素32"に接触する。さらに、突起42"が下向きに孔33"内に延びている。突起42"は概ね孔33"の形状を示している。しかし、ミッドソール40"の周囲領域内に配置されたそれらの突起42"は、リム部31"の下方を延びてミッドソール40"をアウトソール30"に対して所定の位置に固定するフランジ43"を含んでよい。ミッドソール40"の周囲領域内に配置されたそれらの突起42"は、下向きに延びることに加えて、横向きにも延びてフランジ43"を形成している。フランジ43"は、アウトソール30"と組み合わされて、リム部31"の下方を延びてミッドソール40"の位置を固定している。
【0078】
ミッドソール40"は、履物10"が地面に接触する場合に緩衝を提供するポリマー・フォーム材料で形成されている。より具体的には、ミッドソール40"は、ミッドソール40"が足と地面の間で圧縮される場合に地面の反力を減衰させるように動作しエネルギーを吸収する。これは、たとえば、ウォーキングまたはランニングを含む様々な歩行活動時に生じることができる。したがって、ミッドソール40"に適した材料は、エチルビニルアセテートおよびポリウレタン・フォームのような運動用履物のミッドソールに利用される従来のポリマー・フォームのいずれかである。ミッドソール40"は、たとえばMarion F. Rudyの米国特許第4,183,156号、米国特許第4,219,945号、米国特許第4,906,502号、および米国特許第5,083,361号ならびにDavid A. Goodwinらの米国特許第5,993,585号および米国特許第6,119,371号で開示されているように、追加的な緩衝を可能にするように踵部内にまたは足支持部41"の全長に沿って、流体が充填されたブラダーを組み込んでもよい。
【0079】
ミッドソール40"がアッパー20"内に適切に位置決めさせられ、アウトソール30"に接合されると、突起42"は下向きに孔33"内に延びる。突起42"の形状は概ね孔33"の形状に対応し、アウトソール30"とミッドソール40"をしっかりと接続する。このしっかりした接続によって、たとえば、ミッドソール40"は、ウォーキング、ランニング、またはその他の歩行活動時にアッパー20"に対して適切な位置に留まる。このしっかりした接続によって、くず(たとえば、ごみ、石、小枝)が孔33"を通ってアッパー20"に進入することは確実になくなる。このしっかりした接続を増強するために、上述のようにフランジ43"がリム部31"の下方を延びている。上述のフランジ43"およびリム部31"の組み合わせは、履物10"に適した機械的ロック・システムの一例を提供する。いくつかの態様では、ソール構造30"とアッパー20"の間にしっかりした接続を形成するのにロック・システムが必要とされない場合がある。他の態様では、アウトソール30"とミッドソール40"の摩擦嵌め、アウトソール30"を通ってミッドソール40"内に延びる様々なピン、または一時的接着剤を利用することができる。したがって、ソール構造30"とアッパー20"の間にしっかりした接続を形成するのに利用できる機械的ロック・システムの種類は、孔縁部およびフランジ(すなわち、リム部31"およびフランジ43")の使用だけではない。
【0080】
突起42"は下向きに孔33"内に延び、かつ突起42"は孔33"によって露出されている。突起42"は下向きに孔33"内に延び、かつ露出されているが、様々な突起42"の下面は要素32"の下面よりも高い高さに留まっている。この構成では、アウトソール30"が、地面に接触するかまたはその他の方向で係合する履物10"の主要な要素である。たとえば、様々な突起42"の下面が要素32"の下面よりも低い高さに位置する場合、ミッドソール40"は、履物10"の主要な地面係合要素を提供し、かなりの研磨力を受けると思われる。しかし、上述のように、アウトソール30"は耐研磨性ゴム材料から形成されており、一方、ミッドソール40"はポリマー・フォームから形成されている。したがって、アウトソール30"は、ウォーキング、ランニング、またはその他の歩行活動に伴う研磨力に対する耐力がより強い能力のある材料から形成されている。しかし、本発明のいくつかの態様では、突起42"の下面を耐研磨性材料で覆ってミッドソール40"の耐久性を向上させることができる。
【0081】
様々な突起42"の下面は要素32"の下面よりも高い高さに留まっているが、アウトソール30"およびミッドソール40"が足と地面の間で圧縮されるので、様々な突起42"の下面は依然として地面に接触することができる。しかし、ウォーキング、ランニング、またはその他の歩行活動に伴う研磨力の大部分は、依然としてアウトソール30"によって吸収することができる。したがって、アウトソール30"と様々な突起42"の下面との高さの差は、ミッドソール40"が地面に接触するのを防止するものではない。むしろ、高さの差は、研磨力によってミッドソール40"が摩耗するかまたはその他の点で劣化する度合いを制限するように働く。
【0082】
上述の履物10"の構造は、ソールが永久的にアッパーに取り付けられる従来の履物に勝る様々な利点をもたらす。たとえばランニング時に、足が地面に接触した場合に回内する度合いを制限するソール構造を好む個体もいる。しかし、同じ個体が、バスケットボールまたはテニスなどのコート形式活動時には高度の安定性を示すソール構造を好む場合もある。個体は、永久的に一緒に固定されたアッパー−ソール構造組み合わせ対を購入する代わりに、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを得ることができ、かつ個体は、各々が異なる活動に適した複数のミッドソール40"を得ることができる。その場合、個体は、複数のミッドソール40"のうちで、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせと共に使用できるミッドソール40"を選択することができる。同様に、個体は、単一のミッドソール40"と共に使用するアッパー20"およびアウトソール30"の複数の組み合わせを得ることができる。
【0083】
アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせは、ミッドソール40とは異なる材料を含んでいる。ミッドソール40"は主としてポリマー・フォーム材料から形成されるが、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせは異なる材料から形成されている。したがって、履物10"のそれぞれの部分は、特にそれらのそれぞれの材料に適した洗浄技術で利益を得ることができる。したがって、アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを、ミッドソール40"から分離することができ、かつそれぞれ適切な方法で洗浄することができる。
【0084】
ミッドソール40"はポリマー・フォーム材料から形成されている。顕著に使用された後、ポリマー・フォーム材料内の様々なセルは、圧縮永久ひずみまたはその他の劣化を受けることがある、またはミッドソール40"は著しく摩耗することがある。履物10"を処分する代わりに、ミッドソール40"を適切に再生し、かつ他のミッドソール40"と交換し、したがって履物10"の寿命を延ばすことができる。アッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせにも同様の検討が当てはまる。
【0085】
再生に関しては、履物10"および多くの従来の履物品の顕著な部分はミッドソールである。上述のように、従来の履物品のミッドソールは、アッパーおよびアウトソールに永久的に固定されている。この構成は、ミッドソールまたはその他の履物構成要素の再生をより困難にする。しかし、履物10"では、ミッドソール40"はアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせから分離可能である。したがって、従来の履物と比べて著しく効率的にミッドソール40"を再生することができる。
【0086】
美的観点より、個体は、ミッドソール40"とアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを交換できることによって、履物10"の外観をカスタマイズすることもできる。たとえば、履物10"を第1の色組み合わせで購入することができる。たとえば、ミッドソール40"を他のミッドソール40"と交換することによって、履物10"の色組み合わせを個体の好みに対してカスタマイズすることができる。たとえば、運動チームの色を反映するようにミッドソール40"およびアッパー20"およびアウトソール30"の組み合わせを選択することによって、特定の運動チームのサポートを示すこともできる。
【0087】
結論
本発明は、様々な態様を参照して上記および添付の図面に開示されている。しかし、この開示によって満たされる目的は、本発明に関する様々な特徴および概念の一例を示すことであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者には、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱せずに上述の態様に多数の変形および修正を行うことができることが認識されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第1の履物品の外側立面図である。
【図2】第1の履物品の内側立面図である。
【図3】第1の履物品の平面図である。
【図4A】図3の断面線4A-4Aによって定められる、第1の履物品の第1の断面図である。
【図4B】図3の断面線4B-4Bによって定められる、第1の履物品の第2の断面図である。
【図5】第1の履物品の後部立面図である。
【図6】足を受け入れた場合の第1の履物品を示す外側立面図である。
【図7】屈曲構成の第1の履物品の部分外側立面図である。
【図8】第1の履物品のソール構造の底面図である。
【図9A】図8の断面線9A-9Aによって定められる、第1の履物品のソール構造の第1の断面図である。
【図9B】図8の断面線9B-9Bによって定められる、第1の履物品のソール構造の第2の断面図である。
【図9C】図8の断面線9C-9Cによって定められる、第1の履物品のソール構造の第3の断面図である。
【図9D】図8の断面線9D-9Dによって定められる、第1の履物品のソール構造の第4の断面図である。
【図9E】図8の断面線9E-9Eによって定められる、第1の履物品のソール構造の第5の断面図である。
【図9F】図8の断面線9F-9Fによって定められる、第1の履物品のソール構造の第6の断面図である。
【図9G】図8の断面線9G-9Gによって定められる、第1の履物品のソール構造の第7の断面図である。
【図10A】図8の断面線9A-9Aの位置に対応する他の態様の断面図である。
【図11】第1の履物品のインソール部の底面図である。
【図12】第1の履物品の他のインソール部の底面図である。
【図13】第2の履物品の外側立面図である。
【図14】第2の履物品のソール構造の底面図である。
【図15】第2の履物品のソール構造の第1の要素の底面図である。
【図16】第2の履物品のソール構造の第2の要素の底面図である。
【図17】第2の履物品のソール構造の内側立面図である。
【図18】第2の履物品のソール構造の外側立面図である。
【図19A】図14の断面線19A-19Aによって定められる、第2の履物品のソール構造の第1の断面図である。
【図19B】図18の断面線19B-19Bによって定められる、第2の履物品のソール構造の第2の断面図である。
【図19C】図18の断面線19C-19Cによって定められる、第2の履物品のソール構造の第3の断面図である。
【図20】第3の履物品の側面図である。
【図21】第3の履物品の底面図である。
【図22】第3の履物品の斜視図である。
【図23】第3の履物品の分解斜視図である。
【図24】図21の断面線24-24によって定められる、第3の履物品の第1の断面図である。
【図25】図21の断面線25-25によって定められる、第3の履物品の第3の断面図である。
【図26】第3の履物品の他の態様の分解斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を有する履物品であって、
ソール構造が、
アッパーに隣接して位置し、かつアッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部と、
接続部から下向きに延び、下面を定める、複数の別個のソール要素であって、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離されたソール要素と、
溝内に配置され、ソール要素同士の間を延び、下部が、ソール要素の下面を越えて延び、ソール構造の地面接触面の少なくとも一部を形成するアウトソールとを含む、
履物品。
【請求項2】
アウトソールが、ウェブ構成を有する、請求項1記載の履物品。
【請求項3】
アウトソールが、ソール要素の周りを延びる複数の孔を定める、請求項1記載の履物品。
【請求項4】
ソール要素の側面がくぼみを形成し、アウトソールがくぼみ内に延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項5】
アウトソールのセグメントが、断面においてT字形構成を示す、請求項1記載の履物品。
【請求項6】
空間がソール要素の少なくとも一部を分離し、アウトソールが空間内に延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項7】
アウトソールのカバー部が、ソール要素の少なくとも一部の下面の上方を延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項8】
カバー部が履物の踵領域に配置される、請求項7記載の履物品。
【請求項9】
カバー部が履物の前足領域に配置され、カバー部の一部がソール構造の内側に沿って延びる、請求項7記載の履物品。
【請求項10】
アウトソールの延長部が、ソール構造の側部領域に沿って上向きに延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項11】
第1の溝群が、履物の前足領域と踵領域の間の方向に相当する長手方向に延び、第2の溝群が、履物の内側と外側の間の方向に相当する横方向に延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項12】
アッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を有する履物品であって、
ソール構造が、
アッパーに隣接して位置し、かつアッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部であって、
履物の前足領域における第1の厚さ、
履物の中足領域における第2の厚さ、および
履物の踵領域における第3の厚さ
を有する接続部と、
接続部から下向きに延び、下面を定める、複数の別個のソール要素であって、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離されたソール要素と、
溝内に配置され、ソール要素同士の間を延び、下部が、ソール要素の下面を越えて延び、ソール構造の地面接触面の少なくとも一部を形成するアウトソールであって、ソール要素の周りを延びる複数の孔を定めるウェブ構成を有するアウトソールとを含む、
履物品。
【請求項13】
第1の厚さが第3の厚さよりも小さい、請求項12記載の履物品。
【請求項14】
ソール要素の側面がくぼみを形成し、アウトソールがくぼみ内に延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項15】
アウトソールのセグメントが、断面においてT字形構成を示す、請求項12記載の履物品。
【請求項16】
空間がソール要素の少なくとも一部を分離し、アウトソールが空間内に延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項17】
アウトソールのカバー部が、ソール要素の少なくとも一部の下面の上方を延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項18】
アウトソールの延長部が、ソール構造の側部領域に沿って上向きに延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項19】
第1の溝群が、履物の前足領域と踵領域の間の方向に相当する長手方向に延び、第2の溝群が、履物の内側と外側の間の方向に相当する横方向に延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項20】
アッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を有する履物品であって、
ソール構造が、
アッパーに隣接して位置し、かつアッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部と、
接続部から下向きに延び、下面を定める、複数の別個のソール要素であって、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離され、複数の溝が、
履物に対して長手方向に向けられ、ソール構造の長さにわたって延び、ソール構造の外側および内側から中へ間隔をおいて配置された、少なくとも1つの第1の溝、
ソール構造の内側から外側まで横方向に延びる複数の第2の溝を含む、
ソール要素と、
第1の溝および複数の第2の溝内に配置され、ソール要素同士の間を延び、下部が、ソール要素の下面を越えて延び、ソール構造の地面接触面の少なくとも一部を形成するアウトソールとを含む、
履物品。
【請求項21】
アウトソールが、ソール要素の周りを延びる複数の孔を定めるウェブ構成を有する、請求項20記載の履物品。
【請求項22】
ソール要素の側面がくぼみを形成し、アウトソールがくぼみ内に延びる、請求項20記載の履物品。
【請求項23】
アウトソールのセグメントが、断面においてT字形構成を示す、請求項20記載の履物品。
【請求項24】
アウトソールのカバー部が、ソール要素の少なくとも一部の下面の上方を延びる、請求項20記載の履物品。
【請求項25】
アッパーおよびソール構造を有する履物品であって、
ソール構造が、
アッパーに隣接して位置する接続部と、
接続部から下向きに延びる複数の別個のソール要素であって、上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離されたソール要素と、
溝内に配置され、ソール要素同士の間を延びるアウトソールとを含む、
履物品。
【請求項26】
アウトソールの下部が、ソール要素の下面を越えて延び、ソール構造の地面接触面の少なくとも一部を形成する、請求項25記載の履物品。
【請求項27】
アウトソールが、ウェブ構成を有する、請求項25記載の履物品。
【請求項28】
アウトソールが、ソール要素の周りを延びる複数の孔を定める、請求項25記載の履物品。
【請求項29】
ソール要素の側面がくぼみを形成し、アウトソールがくぼみ内に延びる、請求項25記載の履物品。
【請求項30】
第1の溝群が、履物の前足領域と踵領域の間の方向に相当する長手方向に延び、第2の溝群が、履物の内側と外側の間の方向に相当する横方向に延びる、請求項25記載の履物品。
【請求項31】
接続部が、履物の前足領域における第1の厚さ、履物の中足領域における第2の厚さ、および履物の踵領域における第3の厚さを有し、第1の厚さおよび第3の厚さが第2の厚さよりも小さい、請求項25記載の履物品。
【請求項32】
複数の溝が、
履物に対して長手方向に向けられ、ソール構造の長さにわたって延び、ソール構造の外側および内側から中へ間隔をおいて配置された、第1の溝と、
ソール構造の内側から外側まで横方向に延びる複数の第2の溝とを含む、
請求項25記載の履物品。
【請求項1】
アッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を有する履物品であって、
ソール構造が、
アッパーに隣接して位置し、かつアッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部と、
接続部から下向きに延び、下面を定める、複数の別個のソール要素であって、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離されたソール要素と、
溝内に配置され、ソール要素同士の間を延び、下部が、ソール要素の下面を越えて延び、ソール構造の地面接触面の少なくとも一部を形成するアウトソールとを含む、
履物品。
【請求項2】
アウトソールが、ウェブ構成を有する、請求項1記載の履物品。
【請求項3】
アウトソールが、ソール要素の周りを延びる複数の孔を定める、請求項1記載の履物品。
【請求項4】
ソール要素の側面がくぼみを形成し、アウトソールがくぼみ内に延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項5】
アウトソールのセグメントが、断面においてT字形構成を示す、請求項1記載の履物品。
【請求項6】
空間がソール要素の少なくとも一部を分離し、アウトソールが空間内に延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項7】
アウトソールのカバー部が、ソール要素の少なくとも一部の下面の上方を延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項8】
カバー部が履物の踵領域に配置される、請求項7記載の履物品。
【請求項9】
カバー部が履物の前足領域に配置され、カバー部の一部がソール構造の内側に沿って延びる、請求項7記載の履物品。
【請求項10】
アウトソールの延長部が、ソール構造の側部領域に沿って上向きに延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項11】
第1の溝群が、履物の前足領域と踵領域の間の方向に相当する長手方向に延び、第2の溝群が、履物の内側と外側の間の方向に相当する横方向に延びる、請求項1記載の履物品。
【請求項12】
アッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を有する履物品であって、
ソール構造が、
アッパーに隣接して位置し、かつアッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部であって、
履物の前足領域における第1の厚さ、
履物の中足領域における第2の厚さ、および
履物の踵領域における第3の厚さ
を有する接続部と、
接続部から下向きに延び、下面を定める、複数の別個のソール要素であって、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離されたソール要素と、
溝内に配置され、ソール要素同士の間を延び、下部が、ソール要素の下面を越えて延び、ソール構造の地面接触面の少なくとも一部を形成するアウトソールであって、ソール要素の周りを延びる複数の孔を定めるウェブ構成を有するアウトソールとを含む、
履物品。
【請求項13】
第1の厚さが第3の厚さよりも小さい、請求項12記載の履物品。
【請求項14】
ソール要素の側面がくぼみを形成し、アウトソールがくぼみ内に延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項15】
アウトソールのセグメントが、断面においてT字形構成を示す、請求項12記載の履物品。
【請求項16】
空間がソール要素の少なくとも一部を分離し、アウトソールが空間内に延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項17】
アウトソールのカバー部が、ソール要素の少なくとも一部の下面の上方を延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項18】
アウトソールの延長部が、ソール構造の側部領域に沿って上向きに延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項19】
第1の溝群が、履物の前足領域と踵領域の間の方向に相当する長手方向に延び、第2の溝群が、履物の内側と外側の間の方向に相当する横方向に延びる、請求項12記載の履物品。
【請求項20】
アッパーおよびアッパーに固定されたソール構造を有する履物品であって、
ソール構造が、
アッパーに隣接して位置し、かつアッパーの長手方向長さに沿って延びる接続部と、
接続部から下向きに延び、下面を定める、複数の別個のソール要素であって、下面から上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離され、複数の溝が、
履物に対して長手方向に向けられ、ソール構造の長さにわたって延び、ソール構造の外側および内側から中へ間隔をおいて配置された、少なくとも1つの第1の溝、
ソール構造の内側から外側まで横方向に延びる複数の第2の溝を含む、
ソール要素と、
第1の溝および複数の第2の溝内に配置され、ソール要素同士の間を延び、下部が、ソール要素の下面を越えて延び、ソール構造の地面接触面の少なくとも一部を形成するアウトソールとを含む、
履物品。
【請求項21】
アウトソールが、ソール要素の周りを延びる複数の孔を定めるウェブ構成を有する、請求項20記載の履物品。
【請求項22】
ソール要素の側面がくぼみを形成し、アウトソールがくぼみ内に延びる、請求項20記載の履物品。
【請求項23】
アウトソールのセグメントが、断面においてT字形構成を示す、請求項20記載の履物品。
【請求項24】
アウトソールのカバー部が、ソール要素の少なくとも一部の下面の上方を延びる、請求項20記載の履物品。
【請求項25】
アッパーおよびソール構造を有する履物品であって、
ソール構造が、
アッパーに隣接して位置する接続部と、
接続部から下向きに延びる複数の別個のソール要素であって、上向きにソール構造内に延びる複数の溝によって分離されたソール要素と、
溝内に配置され、ソール要素同士の間を延びるアウトソールとを含む、
履物品。
【請求項26】
アウトソールの下部が、ソール要素の下面を越えて延び、ソール構造の地面接触面の少なくとも一部を形成する、請求項25記載の履物品。
【請求項27】
アウトソールが、ウェブ構成を有する、請求項25記載の履物品。
【請求項28】
アウトソールが、ソール要素の周りを延びる複数の孔を定める、請求項25記載の履物品。
【請求項29】
ソール要素の側面がくぼみを形成し、アウトソールがくぼみ内に延びる、請求項25記載の履物品。
【請求項30】
第1の溝群が、履物の前足領域と踵領域の間の方向に相当する長手方向に延び、第2の溝群が、履物の内側と外側の間の方向に相当する横方向に延びる、請求項25記載の履物品。
【請求項31】
接続部が、履物の前足領域における第1の厚さ、履物の中足領域における第2の厚さ、および履物の踵領域における第3の厚さを有し、第1の厚さおよび第3の厚さが第2の厚さよりも小さい、請求項25記載の履物品。
【請求項32】
複数の溝が、
履物に対して長手方向に向けられ、ソール構造の長さにわたって延び、ソール構造の外側および内側から中へ間隔をおいて配置された、第1の溝と、
ソール構造の内側から外側まで横方向に延びる複数の第2の溝とを含む、
請求項25記載の履物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図10A】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図10A】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2008−537501(P2008−537501A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504259(P2008−504259)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/011321
【国際公開番号】WO2006/124116
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/011321
【国際公開番号】WO2006/124116
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】
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