説明

関節的に独立して動くつま先部分を有するフットウエア

フットウエアは足底及び甲部を含んで供給され、足底と甲部とは個別の足指部分を区分し、フットウエアに挿入された足の個々の足指に合致する独立した関節的な動きを受容し、保持し、許容するように構成され、足底は足の少なくとも一部の回りを上方に延びる拡張部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年9月26日に出願された米国仮出願第60/720,750号、及び2006年7月15日に出願された米国仮出願第60/830,922号に関連してその利益をクレームし、当該出願の内容はここにその全体を参照する。
【0002】
本発明は、フットウエアに関し、特に、快適感、保護、及び高められた触覚的な反応を提供するとともに、着用者の足指が独立して動くように用意されたフットウエアに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に広く受け止められているように、足指の動きは、体全体の効率的な動きに対して重要である。例えば、www.posetech.comにある2005年6月23日のニューヨークタイムズに掲載された、クリストファ マックデゥーガル(Christopher McDougall)氏の「靴を脱ぎ捨てしばらく走れ(Kick off Your Shoes and Run Awhile)」を参照せよ。地面の上での足指の動き、及び足の全体的な触感的反応(haptic responce)は、ウォーキング、ジョギング、ランニングなどに対して、及び個体のボディバランスを与えて保つのに重要な役割を担う。ここで触感的反応とは、特に、地面/地表に対して足や後足に関する接触感に関連する触覚的な反応の意味に用いられる。
【0004】
従来の靴は、一般的に、足底(sole)部分、及び足底の上に形成されてその外周に取り付いた甲部(upper)を含む。足底は、かかと領域から土踏まず(arch)、足の母指球(ball)を経てつま先の先端部にまで及ぶ、着用者の足裏の底部に横たわるような形状である。その甲部は、足を受け入れる空洞を区画するために足底の上に延びる。甲部の一部は、靴の先端部のつま革(toe cap)を形成するために、足指の先端の領域まで延びる。靴が着用されると、足指はつま革内に延びて互いに隣接して収まる。このように、足は、地面に対して均等に接触するように供給される一般的に平らな厚い足底上に載る。すなわち、靴が静止した状態では、足底は地面に対して平らに配置される。
【0005】
従来の靴が着用されると、先端のつま革部分は単一のユニットとして動作する。つま革部分の動きは、一般的に足の母指球周りの回転動作に限られる。すなわち、その中に配置された多様な動きをする5つの足指を持つにもかかわらず、つま革部分は同時に一方向にしか動作しない単一のユニットとして動く。
【0006】
このように、従来の靴は、足指の自然な動きを制限し、これにより足の全体的な機能及び行動が影響される。さらに、つま革部分は、もし制限されないならば、着用者がつま革部分内でその足指を拡げるという能力を制限する。これは、着用者に著しい不快感を与えることになる。この不快感は、足指がつま革部分に押し込まれる場合には深刻となる。
【0007】
さらに、従来の厚い足底は、地面からの足の自然な輪郭及び曲率とはかけ離れ、このことにより、地面に対する足の触覚を最小限にする。これは、人と地面との一般的な分離を引き起こし、ウォーキング、ランニングなどの際に、足や足底の不適切な動きを助長することになり、個体のバランス、敏捷さ、及び全体的な足の健康に関して一般的に不利な状態となり得る。
【0008】
それぞれの足指を分離して包む個別の部分を有するフットウエアを供給する試みがなされている。例えば、特許文献1,2及び3を参照せよ。しかし、これらは、足や足底をかなりな程度保護するとともに快適性を高めて触感的反応を増大しているが、いずれも自由で独立した足指の関節的な動きを可能とすることに成功しているとはいえない。
【0009】
さらに、足の曲率に合致するような靴の足底の輪郭とする試みが行われている。例えば、特許文献4,5,6,7及び8を参照せよ。しかし、これらの全ての技術は、靴の外底及び中底を必要とし、合成された厚みにより地面から着用者の足を分離してしまい、触感的反応を減退させる。さらに、これらの試みは、一般的に、地面に対して平らとなる底表面を有するような靴の足底を志向する。上述したように、この構成は、靴により供給される触感的反応をさらに低下させる。さらに、これらの参考文献は、全ての5つ足指を制限的な単一の区画内に収納する従来のつま革部分を有する靴を開示する。従って、足指の独立した間接の動きは許されず、従って、着用者の触感的反応はさらに低下され、足の不快感が増大する。
【0010】
【特許文献1】米国特許第3967390号明細書
【特許文献2】米国特許第4651354号明細書
【特許文献3】米国特許第5774898号明細書
【特許文献4】米国特許第4989349号明細書
【特許文献5】米国特許第5317819号明細書
【特許文献6】米国特許第5544429号明細書
【特許文献7】米国特許第6115941号明細書
【特許文献8】米国特許第6708424号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、フットウエアには、足の自然な輪郭に形づくられ、足の独立した固有な動きを許容し、足の能力を高めるために、特に足指の触感的反応を増大させ、着用者に快適性をもたらし、それでもなお足指や足の他の部分を包んで保護する、というニーズがある。
【0012】
上記議論された点、及び従来技術の他の問題点や欠陥は、斬新で自明ではない保護装置を提供する本発明により解消又は緩和される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
フットウエアは、足底、及び甲部を含んで供給され、足底と甲部とは、フットウエアに挿入された足の個々のつま先部に対応する独立した関節的な動きを受容し、保持し、許容するように構成された個別のつま先部を区分し、足底は、足の少なくとも一部の回りを上方に延びる拡張部を含む。
【0014】
本発明は、足底と、足底に取り付く甲部と、甲部に隣接して足底に形成された凸状部と、をさらに含み、凸状部はフットウエアに挿入された足の前足部に合わせられるフットウエアを供給する。
【0015】
本発明は、付加的に、足底、甲部、及びフットウエアを着用者の足に固定するように構成される固定手段を含み、足底及び甲部は、フットウエアに挿入される足の個々の足指に対応する関節的な独立した動きを受容し、保持し、許容するように構成された個々のつま先部を区分し、足底は、足の形状に密接に対応する輪郭及び曲率を含み、足底及び甲部は、着用者に高められた触感的反応を供給するように配置されるフットウエアを供給する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
上述の議論及び他の特徴と、装置及び方法の有利さとは、本技術分野の当業者にとって、下記の図面及び詳細な説明から理解されるであろう。
【0017】
図1は、本発明の1つの実施形態におけるフットウエア10の斜視図である。フットウエア10は、一般的に、足底12、及び足底12外周の足底12に取付けられた甲部14から構成される。フットウエア10は、さらに、足底12の上に配置されて取付けられる中底16を備える。中底16は、また中底16外周の甲部14に取付けられる。
【0018】
図3に最も良く示されるように、フットウエア10は、一般的に靴の多様なパーツに対応するいくつかの領域(regions)を含む。後足部18は、フットウエア10の後足の方に配置され、一般的に着用者のかかとにフィットして支持するように構成される。中間足部20は、後足部18から前方に延び、一般的に足の土踏まず(arch)の領域に対応する。前足部22は、中間足部20から前方に延び、一般的に足の母指球(ball)の範囲、すなわち、中足骨、及び近接する指骨の結合部に隣接する範囲に対応する。先端部24は、フットウエア10の最先端の領域で、一般的に足の指を整列させ、支持し、及び保護する。
【0019】
フットウエア10の先端部24は、足底12、甲部14、及び中底16のユニークで複雑な形状により形成された個々のつま先部26を含む。足底12は、それぞれのつま先部26を区切る先端部24に割れ部(split)28を含む。特に図5を参照せよ。甲部14は、甲部14の先端32から延びて足底12の周囲に下るつま先領域30を含む。すなわち、つま先領域30は、個々のつま先部26の間を下方に延び、割れ部28の縁に沿って足底12に貼られる。中底16は、足底12のつま先部26に固定されてつま先部26に延びる、それぞれのつま先部分(図示せず)を含む。
【0020】
つま先部26は、足底12、甲部14、及び中底16のユニークで複雑な形状により区切られた効率的な個々の空洞である。着用の際には、着用者の足指は、つま先部26の空洞に個別に延びる。
【0021】
足底12は、一般的にフットウエア10により供給される快適性や保護性を高めるために多様な輪郭形成(contouring)を含む。例えば、足底12は、個々のつま先部26につま先底拡張部34を含む。つま先底拡張部34は、甲部14の先端32に合うようにつま先部26のそれぞれにおいてフットウエア10の底部から上方に向かって延びている。図1に見られるように、これらのつま先底拡張部34は、実際にはフットウエア10の上に延び、着用者のつま先の足指爪の少なくとも一部が配置される。さらに、つま先底拡張部34は、つま先部26の側面の周りに横方向に延びる。これにより、足底12のつま先拡張部34は、つま先部26のそれぞれに個別のつま革(toe cap)を形成し、前方、側方、及び上方からの衝撃から少なくとも部分的にそれらの中に配置されたつま先を保護する。
【0022】
足底12は、さらに側方部36及び中間部分38を含み、フットウエア10のそれぞれの側面の上方に延びる。足底12の側方部36は、フットウエア10の外向きの部分に配置され、足底12の最外端のつま先拡張部34から足底12のかかと部40へと延びる。足底12の中間部分38は、フットウエア10の内向きの部分に配置され、最内端のつま先拡張部34からかかと部40へ延びる。側方部36及び中間部分38は、側方からの衝撃及び露出から足の側面を保護する。
【0023】
足底12のかかと部40は、着用者のかかとを受容して保持する構成のかかとキャップ42を含む。このかかと部40は、さらに、かかとキャップ42及び対向する側部46,48から上方に延び、足底12の側方部36及び中間部分38に合わせるためにかかとキャップ42の側方に延びる上部部分44を含む。かかと部40の側方は、それぞれ甲部14に露出する足底12を通じて形成される開口部50を含む。足底12の開口部50は、かかと部40の関節的な動きを許容し、フットウエア10の裏部18の通気を行う。かかと部40の側部46及び48と上部部分44とは、本質的に着用者のかかと及び足首の一部を足底12の丈夫な保護用の材料で包む。
【0024】
図5に示すように、足底12の底部は、足の自然な形状及び構成にやさしく合致するように形成される。足底12は、中間側部38に近接した中間足部20にアーチ52を含む。足底12は、さらに、裏部分18及び足底12の前足部22にそれぞれ配置されたかかとパッド54及び前足パッド56を含む。付加的に、足底12はつま先部26のそれぞれにつま先パッド58を含む。パッド54,56及び58は、足の底部において形成される自然なパッドを複製する輪郭である足底12の領域を備える。パッド54,56及び58の正確な輪郭及び曲率、及び足底12の底部の残された部分は等高線59により示される。パッド54,56及び58は、足底12に一体化されて形成される、すなわち、足底12を形成する材料がパッド54,56及び58を区分するために所定の領域をより厚めにしても良い。代替として、パッド54,56及び58が足底12と分離されて形成され、粘着接合、熱接合などによりその上に盛られても良い。着用の際には、かかとパッド54、前足パッド56、及びつま先パッド58は、ウォーキング、ランニングなどをする着用者のために足底を支持して保護する。付加的に、パッド54,56及び58の輪郭による効果により、着用者に対して裸足の状態でのウォーキング、ランニングなどの自然の感覚を提供する。
【0025】
さらなる代替として、足底12は、一様な厚みとして形成され、自然なパッド及び足の輪郭を再現して追跡するために、単純に型にはめて形づくっても良い。すなわち、足底は、一様な厚みであり、正確にトレースして足の自然な形状及び曲率に合致させるための輪郭(countoring)59を含んでも良い。
【0026】
足底12の輪郭59は、着用者に対して、裸足の状態でウォーキング、ランニングなどを行う自然の感覚を提供する。足底12は、単に地面の危険物から足を十分に保護する薄い層であるが、着用者に対して地面に関して直接であり、高められた触感的反応を提供するために十分に薄い。すなわち、足底の薄さ、及び足の自然な形状に対する正確な合致(特に、個々のつま先部26、パッド領域54,56,58、及びアーチ52に関して)により、地面上の足の触覚の絡み合いが増加されて高められる。このように、足は地面の上をあたかも裸足のように自然に動くことができるが、足はユニークなフットウエア10によっても保護される。
【0027】
足底12の底は、足底12上に多様な方向に亘って延びる多様な領域に配置される摩擦機能(traction features)60をさらに含む。これらの摩擦機能60は、着用者をけん引するために足底12内に形成された多様なサイズ及び/又は形状の窪み(indentations)を備えても良い。さらに、この摩擦機能60は、着用者が動く間にけん引するために、ウォーキング、ランニングなどの間に足底12が曲げられた際に、より大きな幅に開く足底12の底部に切り込められた狭い線を備えても良い。
【0028】
足底12の底は、さらに足底12上に多様な方向に亘って延びる多様な領域に配置されるレーザーカットされた細い溝(siping)68を含む。この細い溝68は、足底12の底部にカットされた、又は他の方法により形成された狭い線を備える。この細い溝は、ウォーキング、ランニングなどの間に足底12が曲げられたときに、より大きな幅に開くように構成され、その結果、足底12の柔軟性を増加させる。すなわち、細い溝68は、フットウエア10の着用時及び動きの際に、足底12の関節的な動きを許容する複数のヒンジの役割をする。付加的に、及び/又は代替的に、細い溝68は、フットウエア10の着用時及び動きの際に、足底12の掴み及びけん引を増加させる。細い溝68は、足底12の底部の全体表面に一定の間隔で配置されても良く、望まれる離散的な領域に配置されても良い。細い溝68を形成する個々の線及びスリットは、直線状であっても良く、又は曲線状であっても良く、角度を持っていても良い。図6に、典型的なジグザグの溝パターン60が示されている。細い溝68は、図6には足底12の底部にランダムで代表的な範囲に示される。この細い溝68の配置は単なる例示であり、上述したように、細い溝68は足底12に亘り、望ましいところに形成されて良い。
【0029】
レーザーでカットされた細い溝68は、フォットウエア10により供給された触感的反応を全体的に高めることに貢献する。上述したように、細い溝68は、足底に対して増大する柔軟性を供給する。これは、足底12が足の動きに対して直ぐに反応して曲げられるという有利さがある。上述したように、フットウエア10の着用者には裸足の感覚が供給されるが、ユニークなフットウエア10により地面の危険からも保護される。
【0030】
甲部14は、着用者がその足をフットウエア10に挿入する開口部周りに拡がるカラー62を含む。このカラー62は、足がフットウエア10にしっかりと取り付くように着用者の足の方向に甲部14を引っ張る要素(図示せず)を含んでも良い。このカラー62の要素は、甲部14を開口部の中心に向かって引っ張る弾性体を備えても良い。付加的に及び/又は代替的に、カラー62の要素は、紐が着用者の足に対して甲部を締め付けるようにカラー62から部分的に拡がる紐を備えても良い。
【0031】
図4は、つま先部分26の完全に自由であり独立した関節的な動きを示す。上述したように、これらのつま先部26は、独立した関節的な動きを許容するために着用者のそれぞれ独立したつま先周りに拡がる。
【0032】
発明の代替の実施形態において、つま先部26の2つ以上は、部分的に又は完全に相互に結合されても良い。例えば、2つ以上のつま先部26は、そのつま先部26の間に拡がるウエッブにより連結されても良い。代替として、2つ以上のつま先部26は、着用者の2つ以上の対応する足指を含むように構成されても良い。そのような構成は、独立したつま先の関節的な動きを許容し、着用者の足に快適性及び保護性を供給し続けるであろう。
【0033】
図6−8は、本発明の代替の実施形態におけるフットウエア100を示す。フットウエア10に関して議論したものと同じフットウエア100の要素は、同一の参照番号で表示し、簡潔にするため、それらの詳細は再度説明や議論はしないが、その代わりに前述の説明を参照する。
【0034】
フットウエア100は、上述したフットウエア10と実質的に同様である。しかし、フットウエア100の足底12は、フットウエア100の前足部22に形成された凹状部102を含む。足底12は、さらに甲部14及び足底12により形成された足の空洞内に上方に突出した対応する凸状部104を含む。凸状部104は、図7及び図8に示され、一般的にフットウエア100の前足部22に配置される円形要素を備える。フットウエア100内の凸状部の形状及び位置は、図に例示としてのみ示される。凸状部104は、いずれかの望ましい形状をとっても良く、足底12のいずれかの望ましい位置に形成しても良い。フットウエア100が着用されると、足底12の上に最小限の重量がかかった際に、凸状部は着用者の足の下方に柔らかに圧力を加える。この凸状部の柔らかな上向きの圧力により、着用者には滑らかで快適な感覚が供給される。着用者が凸状部において足底12の上に重量を加えると、凸状部104は外側に凹状部102に向かって撓み、着用者の動き及び/又はバランスを妨げない。付加的に、凸状部104により供給される、又は圧力が加えられる直前の柔らかな上方に向かう圧力は、加えられた快適さにより着用者の足指を拡げさせ、及び/又は地面との接触感を高める。
【0035】
フットウエア100の凹状部102及び凸状部104は、足底12の一体の部分として形成される。すなわち、足底12は、足底12の底に上向きの突出部を含むように形づくられ、それが底部に凹状部102、及び足底12の先端に相補的な凸状部104を形成する。凹状部102及び凸状部104の程度、すなわち、凹状部102の深さ及び形状、及び凸状部104の上方への突出及び形状は、上述した望ましい快適性及び触感的反応の有利さの達成度により変化するであろう。例えば、1つの実施形態として、凹状部102は、約1インチ(25.4mm)に対して約1/8インチ(3.2mm)の中央の頂上を有するアーチ状のなだらかな外表面を有するであろう。対応する凸状部104は、着用者の足に接触するなだらかな外表面を有するか、又は凸状部104は、着用者の足が接触する際に柔らかなマッサージ効果を供給する外表面上に形成された1つ以上の突出部を含むかもしれない。そのような凹状部102及び凸状部104のサイズ、形状、及び輪郭のバリエーションは、本発明の広い権利範囲内である。
【0036】
例えば、他の実施形態では、フットウエア100の足底12の底部は、フットウエア10を参照して上述したように、凸状部104は足底12の先端側に単純に形成されても良い。すなわち、足底12の底部は上述したパッド54,56及び58の輪郭を保持するが、フットウエア10の足底12の先端は、凸状部104を区分する浮き彫りの特徴を含むように形成されても良いからである。
【0037】
フットウエア10及び100の甲部14は、快適性、及び着用者の足に対するある程度の保護の双方に適したいずれかのしなやかな素材により形成される。例えば、甲部14は、布、ゴム材料、プラスティック材料、ネオプレン、革、メッシュ材料など、又はそれらの複合材を備えても良い。甲部14は、足底12上に縫われたり、ステッチされたり、接着されても良い。足底12は、着用者の足の下部を保護し、及び足や足指の動きの十分な柔軟性を供給するのに適切ないずれかの材料により形成される。例えば、足底は、ゴム材料、プラスティック材料、革、布、圧縮EVA、ポリウレタンなど、又はそれらの複合により形成されても良い。
【0038】
図9−図10は、本発明の他の実施形態におけるフットウエア200の立面図及び斜視図の双方を示す。フットウエア10及び/又は100に関して議論したものと同じフットウエア200の要素は、同一の参照番号で表示し、簡潔にするため、それらの詳細は再度説明や議論はしないが、その代わりに前述の説明を参照する。
【0039】
フットウエア200は、一般的に足底12、及び足底12周囲回りに取り付いた甲部14から構成される。フットウエア200は、さらに、甲部14に取付き、足底12の上に配置されて足底12に取り付いた中底16を備える。図9に最も良く示されるように、フットウエア10は、一般的に足の多様な部分に対応するいくつかの領域を含み、フットウエア200の後部に向かって配置される後足部18、後足部18から前方に延びる中間足部20、中間足部20の前方に延びる前足部22、及び先端部24である。フットウエア200の先端部24は個々のつま先部26を含む。
【0040】
フットウエア200の甲部14は、さらに、フットウエア200を着用者の足の上に確実に締め付ける固定手段63を含む。固定手段63は、1つに限定されない実施形態において、甲部14に関連して絡み合う位置に配置され、その結果、着用者の足の甲に亘って延びるストラップ65を備える。ストラップ65は、足へ固定するためにフットウエア10の着用中に甲部14に固定される対向する端部67,69を含む。ストラップ65の端部67,69の一方又は双方は、永久的に固定されるか又は甲部14に着脱可能に取付けられる。着脱可能なアタッチメントは、バックル、ベルクロ(Velcro)、紐、留め金、又はいずれかの他のアタッチメントの構成により供給されても良い。ストラップ65は、甲部14と同じ材料により形成されても良く、異なるものであっても良い。ストラップ65は、弾性体から成り、着用者の甲の上に引き伸ばされ、ぴったりとフィットするであろう。付加的に及び/又は代替的に、ストラップ65は、足に対してフットウエア200をぴったりと固定するための複数の既知の技術のいずれかにより固定する前に締め付けられる構成であって良い。ストラップ65は、図9−10に示すように、甲部14及び足底12に対して配置されて固定されても良く、又はストラップ65は、ストラップがそれらに対して回転するように甲部14及び足底12に対して(例えば、端部67,69の1つ又はそれ以上がヒンジの構成により)可動するように配置されても良い。
【0041】
フットウエア200の固定手段63は、さらに、本質的に着用者の足のかかと、アキレス腱、及びくるぶし部の1つ以上を覆うか及び/又は包み、甲部14に取り付く(又は、それの一体の部分を備える)かかと袖口71を含む。図9−10の実施形態において、かかと袖口71は、一般的にストラップ65からかかとキャップ42の上部部分44に向かって延びる。ストラップ65及びかかと袖口71は、オプションとして、ストラップ65は着用者の足の甲に亘り手により締め付けられ、この締付けはまた、かかと、アキレス腱、及び足のくるぶし部の1つ以上の回りを締め付けるように構成されても良い。
【0042】
図11−12は、本発明の代替の実施形態におけるフットウエア300を示す。フットウエア10、100及び/又は200に関して議論したものと同じフットウエア300の要素は、同一の参照番号で表示し、簡潔にするため、それらの詳細は再度説明や議論はしないが、その代わりに前述の説明を参照する。
【0043】
フットウエア300は、実質的には上述したフットウエア200と同様である。フットウエア100との主な違いは、すべて代わりに符号を付した甲部114、かかと部140、及び固定手段163にある。
【0044】
フットウエア300の甲部114は、くるぶし、及び恐らくふくらはぎの一部、及び/又は着用者の皮膚を包み込むブーツのように上方に連続する。このように、フットウエア300は、着用者の足全体及び下肢の一部を覆う。
【0045】
フットウエア300は、着用者のかかとを受容して保持する構成のかかとキャップ142を含む。かかと部140は、さらに、かかとキャップ142から上方に延びる上部部分144、及び、足底12の側方部36及び中間側部38にそれぞれ合わせるために対向する側部146,148を含む。かかと部140の側面は、それぞれ甲部114に露出して足底12を通じて形成される開口部150を含む。足底12の開口部150は、かかと部40の関節的な動きを許容し、フットウエア300の後足部18の通気を行う。この側部146及び148、及びかかと部140の上部部分144は、本質的に、足底12の耐久性がある保護材料によりかかと、着用者のくるぶしの一部を覆う。
【0046】
フットウエア300の固定手段163は、本質的にストラップ65と同様なストラップ165を含み、ストラップ165は、着用者の足の甲に亘り延びる。この固定手段は、さらに、それぞれ足の甲の上、くるぶし回り、又は着用者の下肢の一部を横切って延びるストラップ167及び169を含む。ストラップ165,167,169は、ストラップ65のように適切な材料から形成されて良く、上部14に固定されるか又は可動により取付けられて良い。この点に関し、ストラップ65の上記記載を参照する。ここで、アキレス腱の部分171は、足底12の上部部分144から延びてストラップ169に絡み合う。
【0047】
フットウエア200及び300の上部14及び114は、それぞれ快適性、及び着用者の足をある程度保護することの双方を供給するのに適切ないずれかの柔軟な材料により形成される。例えば、甲部14、114は、布、ゴム材料、プラスティック材料、ネオプレン、革、メッシュ材料など、又はそれらの複合材を備えても良い。甲部14、114は、足底12上に縫われたり、ステッチされたり、接着されても良い。足底12は、着用者の足の下部を保護し、及び足や足指の動きの十分な柔軟性を供給するのに適切ないずれかの材料により形成される。例えば、足底は、ゴム材料、プラスティック材料、革、布、圧縮EVA、ポリウレタンなど、又はそれらの複合により形成されても良い。
【0048】
フットウエア10,100,200,300に中底16を含むことは単に例示によるものである。本発明の他の実施形態では、フットウエアはそのような中底を含まない。その代わりに、上部14は足底12の上に直接配置され、フットウエアを着用する着用者の足は足底12に直接接触する。代替として、及び/又は付加的に、着用者の足に直接取り付くように足底12に固定された、布などの薄い材料の層を足底12に含んでも良い。
【0049】
有利なことに、本発明のフットウエア10,100,200,300の独立した関節的な動きをする足指部は、着用者の足指がわずかに分離する構成である。特に、つま先部26の先端を区分するつま先領域30は、割れ部28においてつま先底拡張部34に接触する。つま先部26の間に配置される素材の寄り集まりは、着用者のつま先をわずかに分離し、これにより、前記つま先に心地よい癒しを供給する。
【0050】
このように、地面や表面の危険から着用者を保護するものの、フットウエアを履きながらも、感触、触感の反応、及び着用者に裸足の感覚、及び足やつま先の関節的な動きを妨げない心理的な効果を与えるために完全な足やつま先の関節的な動きの増大を許容するフットウエアが供給される。このことは、本発明のフットウエアは、保護され、足底の輪郭による足元の確かさにより裸足のような刺激的な自由を着用者に供給する。この増大する触感的反応は、着用者に対して足の下の地表面及び/又は彼らの自然の環境に対してより気付かせることになる。本発明のフットウエアを着用することは、バランス、機敏性、及び一般的な足の健康を改善することを促す。これは、本フットウエアは、特に自然の形状、輪郭、及び裸足の動きを模倣し、これにより、分厚い従来の靴製品を介することなく、筋肉、腱などの活用を増進させる。
【0051】
さらに、本発明は、完全に個別に関節的な動きをするつま先部を有し、足の形状に正確に合致する足底の輪郭形成を含み、足底は、外部との接触を保護するために、足の多様な部分の側部及び/又は上部に延びるフットウエアを供給する。1つの実施形態では、フットウエアは、中底又はそれらの間に配置されるもの無しで、足底に直接配置される甲部のみを含む。フットウエアは、オプションとして、足との接触を和らげて、歩行の際に足底の拡がりを促進するために、フットウエア内において甲部に向けて上方に凸上に突出する、前足部に形成された突出部を含む。本発明のこれらの及び上述した特徴は、着用者に対して上述した触感及び快適性という利益を供給する。
【0052】
例示的な実施形態が示されて議論されているが、当該分野の当業者にとって、ここで開示された本装置及び方法について、本発明の精神又は範囲から逸脱しない多様な改良やバリエーションが可能なことは明らかであろう。従って、多様な実施形態が図により記載されるが、それらに限らないことは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明によるフットウエアの斜視図を示す。
【図2】その側方立面図を示す。
【図3】その平面図を示す。
【図4】足指部分が明瞭な位置での斜視図を示す。
【図5】図1のフットウエアの底面図を示す。
【図6】本発明の他の実施形態によるフットウエアの側方立面図を示す。
【図7】その透視図を示す。
【図8】その平面図を示す。
【図9】本発明の他の実施形態によるフットウエアの側方立面図を示す。
【図10】その斜視図を示す。
【図11】本発明の他の実施形態によるフットウエアの側方立面図を示す。
【図12】その斜視図を示す。
【図13】図9−12のフットウエアの足底の平面図を示す。
【図14】足底の輪郭および曲率を示す等高線によるそれらの平面図を示す。
【符号の説明】
【0054】
10,100,200,300 フットウエア、12 足底、14,114 上部、16 中底、18 後足部、20 中間足部、22 前足部、24 先端部、26 つま先部、28 割れ部、30 つま先領域、32 先端、34 つま先底拡張部、36 側方部、38 中間部分、中間側部、40,140 かかと部、42,142 キャップ、44,144 上部部分、46,48,146,148 側部、50,150 開口部、52,102 アーチ、54 かかとパッド、56 前足パッド、58 つま先パッド、59 輪郭、等高線、60 摩擦機能、溝パターン、62 カラー、63,163 固定手段、65,165,167,169 ストラップ、67,69 端部、68 細い溝、71,171 かかと袖口、アキレス腱の部分、102 凹状部、104 凸状部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足底、及び
甲部、を備え、
前記足底と前記甲部とは、フットウエアに挿入された足の個々の足指に対応する独立した関節的な動きを受容し、保持し、許容するように構成された個別のつま先部を区分し、及び、
前記足底は、足の少なくとも一部の回りを上方に延びる拡張部を含むフットウエア。
【請求項2】
請求項1に記載のフットウエアであって、前記足底の前記拡張部は、前記足指の爪範囲のうちの少なくともその一部の上に延び、前記個々の足指の1つの先端周りに延びるつま革を備えるフットウエア。
【請求項3】
請求項1に記載のフットウエアであって、前記足底の前記拡張部は、前記足の側方部及び中間側部のうち少なくとも1つに沿って延びる側方部分を備えるフットウエア。
【請求項4】
請求項3に記載のフットウエアであって、前記足底の前記拡張部は、前記足のかかとの側方部及び中間側部周り、及びかかとの裏周りに延びるかかと部をさらに備えるフットウエア。
【請求項5】
足底と、
前記足底に取り付く甲部と、
前記甲部に隣接した前記足底に形成された凸状部と、を備え、
前記凸状部は、前記フットウエアに挿入された足の前足部に絡み合わされるフットウエア。
【請求項6】
請求項5に記載のフットウエアであって、前記凸状部に相補して前記足底に形成される凹状部を備えるフットウエア。
【請求項7】
請求項5に記載のフットウエアであって、前記凸状部は、快適性を供給するために前記前足部の神経及び筋肉に絡み合わされ、前記凸状部は、前記足の足指を拡げるフットウエア。
【請求項8】
請求項5に記載のフットウエアであって、前記甲部及び前記足底は、前記足の個々の足指に対応する個々のつま先部を区分し、足指の独立した関節的な動きを構成するフットウエア。
【請求項9】
請求項5に記載のフットウエアであって、
前記足底及び前記甲部により区分される複数の個別のつま先部をさらに備え、
前記足底は、前記個別つま先部のそれぞれの少なくとも一部を包み、
前記凸状部は、フットウエアに挿入される足の前足部に絡み合わせられる構成であるフットウエア。
【請求項10】
請求項9に記載のフットウエアであって、前記凸状部に相補して前記足底に形成される凹状部を備え、前記足底は、さらにフットウエアの側部の少なくとも一部、フットウエアの中間側部の少なくとも一部、及びフットウエアのかかとの少なくとも一部を包むフットウエア。
【請求項11】
請求項9に記載のフットウエアであって、前記足のパッドに対応する前期足底の底部に形成される少なくとも1つのパッドを備えるフットウエア。
【請求項12】
足底、
甲部、及び、
フットウエアを着用者の足に固定するように構成される固定手段を備え、
前記足底及び前記甲部は、前記フットウエアに挿入される足の個々の足指に対応する関節的な独立した動きを受容し、保持し、許容するように構成された個々のつま先部を区分し、
前記足底は、前記足の前記形状に密接に対応する輪郭及び曲率を含み、
前記足底及び甲部は、前記着用者に対して高められた触感的反応を供給するように配置されるフットウエア。
【請求項13】
請求項12に記載のフットウエアであって、前記足底は、前記足底の高められた柔軟性を供給し、個々のつま先部の関節的な独立した動きを促進するために配置されるサイプを底部に含むフットウエア。
【請求項14】
請求項12に記載のフットウエアであって、前記固定手段は、前記甲部と係合可能に関連して配置され、着用者の足の甲に亘って拡がるストラップ要素を備えるフットウエア。
【請求項15】
請求項14に記載のフットウエアであって、前記固定手段は、さらに、甲部に取付けられ、かかと、アキレス腱、及び着用者の足のくるぶし部の1つ以上を包む構成のかかと袖口を含むフットウエア。
【請求項16】
請求項12に記載のフットウエアであって、前記甲部は、足、くるぶし、及び下部の皮膚、及び着用者のふくらはぎの部分にまで拡がるフットウエア。
【請求項17】
請求項12に記載のフットウエアであって、前記足のパッドに対応する前期足底の底部に形成される少なくとも1つのパッドを備えるフットウエア。
【請求項18】
請求項12に記載のフットウエアであって、足底のつま先部分は、着用者の足指を外部との接触から保護するために前記つま先部の前方及び側方に上方に拡がる拡張部を含むフットウエア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−509652(P2009−509652A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533512(P2008−533512)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/037430
【国際公開番号】WO2007/038487
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(507038799)ビブラム ユーエスエー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】