降雪深観測装置及び降雪深観測方法
【課題】観測作業の自動化が容易であると共に、信頼性の高い観測結果を得ることができる降雪深観測装置、及び降雪深観測方法を提供する。
【解決手段】 降雪深観測装置1は、上下方向に延在する支柱2と、支柱2に設けられ、雪を透過可能な第1の観測波W1を照射すると共に、反射層14により反射された第1の観測波W1を検出する第1の観測波照射手段3と、支柱2に設けられ、雪面12に反射層14を形成する反射層形成手段4と、第1の観測波照射手段3による第1の観測波W1の検出結果を利用して、反射層14上に積もった雪の深さを算出する演算手段3と、を備えている。
【解決手段】 降雪深観測装置1は、上下方向に延在する支柱2と、支柱2に設けられ、雪を透過可能な第1の観測波W1を照射すると共に、反射層14により反射された第1の観測波W1を検出する第1の観測波照射手段3と、支柱2に設けられ、雪面12に反射層14を形成する反射層形成手段4と、第1の観測波照射手段3による第1の観測波W1の検出結果を利用して、反射層14上に積もった雪の深さを算出する演算手段3と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、水資源賦存量の推定や雪災害の警戒のために使用される降雪深(単位時間に積もる雪の深さ)の観測に用いられる降雪深観測装置及び降雪深観測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の降雪深観測方法について図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0003】
図8は、従来の計測スケールによる降雪深観測方法を示す説明図である。図8(a)に示すように、従来の降雪深観測に用いられる計測スケール17は、雪面上に計測スケール17を設置するための受雪板18と、受雪板18上に立設されたスケール部19とを有している。この計測スケール17は、雪が平坦に積もる場所に設置され、スケール部19の目盛りを用いて受雪板18と受雪板18の上方に形成された雪面との距離を計測することで、降雪深の観測を行う。
【0004】
以下、計測スケール17による降雪深観測方法について図面を参照して説明する。
【0005】
図8に示すように、降雪深の観測開始時において、まず、観測開始時の雪面12の高さに受雪板18の上面の高さが合うように計測スケール17を設置する。この状態で時間が経過すると、図8(b)に示すように、雪面12は、自重や新たな積雪の重みにより徐々に沈下していき、観測開始時点における雪面12の平均高さ15より低くなる。このとき、計測スケール17も雪面12の沈下に伴って沈下する。
【0006】
観測開始時から単位時間(例えば1時間、半日、1日)経過後、図8(c)に示すように、新たな積雪により雪面16が形成される。そして、この雪面16の高さに対応するスケール部19の目盛りXを読むことにより、受雪板18と受雪板18の上方に形成された新たな雪面16との距離、すなわち沈下した観測開始時の雪面12と単位時間経過後の雪面16との距離L4を計測する。続いて、この計測結果から降雪深を算出することにより単位時間あたりの降雪深の観測を行う。
【0007】
その後、図8(d)に示すように、雪中から計測スケール17を取り出し、単位時間経過後の新たな雪面16に受雪板18の上面を合わせる。このとき、計測スケール17を取り出すことで雪面16に形成された穴を次回の計測に影響のないように周囲の雪を用いて埋める。これにより、雪面16を平坦な状態に修復して、次回の観測に備える。この計測スケール17では、以上の手順を繰り返すことにより、単位時間あたりの降雪深を継続的に観測することが可能となる。
【0008】
図9〜図11は、特許文献1に記載された従来の降雪量測定装置による降雪深観測方法を示す説明図である。図9〜図11に示すように、従来の降雪深の観測に用いられる降雪量測定装置20は、支柱21と、距離測定部22と、支持アーム23と、受雪板24とを有している。
【0009】
距離測定部22は、平坦な地面に立設された支柱21の先端側から側方に突出する棒状の連結部に固定されており、超音波によって、距離測定部22と受雪板24の上面との距離及び距離測定部22と受雪板24上に形成された雪面16との距離を測定する。
【0010】
支持アーム23は、距離測定部22より低い位置で支柱21から側方に突出する棒状の部材であり、図示しない駆動部によって、上下移動や回転を行う。支持アーム23の先端側には、雪を受けるための受雪板24が固定されている。
【0011】
以下、降雪量測定装置20による降雪深観測方法について図面を参照して説明する。
【0012】
図9(a)に示すように、降雪深の観測開始時において、まず、支持アーム23を移動させ、水平状態の受雪板24の上面の高さと観測開始時の雪面12の高さとを合わせる。その後、図9(b)に示すように、超音波V2によって距離測定部22と受雪板24の上面との距離L5を測定する。
【0013】
続いて、図10(a)に示すように、観測開始時から単位時間経過後、超音波V3によって距離測定部22と新たな積雪により形成された雪面16との距離L6を測定する。そして、この降雪量測定装置20では、計測した距離測定部22と受雪板24の上面との距離L5と、距離測定部22と新たな積雪により形成された雪面16との距離L6との差分を降雪深として扱うことで単位時間あたりの降雪深の観測を行う。
【0014】
その後、図10(b)に示すように、支持アーム23を上方に移動させ、雪ごと受雪板24を上昇させる。そして、図11(a)に示すように、支柱21を中心として支持アーム23を矢印E方向に回転させた後、支持アーム23と共に受雪板24を矢印F方向に回転させることで受雪板24上に積もった雪25を落下させる。その後、図11(b)に示すように、受雪板24を矢印G方向に回転させて水平状態に戻した後、支持アーム23を矢印H方向に回転させる。そして、支持アーム23を下降させて、受雪板24の上面の高さを雪面16の高さに合わせることで、次の観測に備える。
【0015】
図12〜図13は、特許文献2に記載された時間降雪量計測装置による降雪深観測方法を示す説明図である。図12〜図13に示すように、従来の降雪深の観測に用いられる時間降雪量計測装置30は、支柱31と、距離センサ32と、降雪板33と、除雪ブラシ34とを有している。
【0016】
距離センサ32は、平坦な地面に立設された支柱31の先端側から側方に突出する棒状の連結部に固定されている。この距離センサ32は、超音波によって、距離センサ32と降雪板33の上面との距離を測定すると共に、光によって、距離センサ32と降雪板33上に積もった雪35の表面との距離を測定する。
【0017】
降雪板33は、距離センサ32の下方で積雪により降雪板33が埋もれない高さにおいて支柱31の側方に突出する支持棒に固定されている。この支持棒は、図示しない駆動部によって支柱31の周方向で回転され、この回転に伴って降雪板33も支柱31を中心として回転される。
【0018】
除雪ブラシ34は、距離センサ32と降雪板33との間で支柱31の側方に突出する長尺の部材であり、下方に向けられたブラシ部を有している。この除雪ブラシ34は、ブラシ部のブラシ先端が降雪板33の上面と同じ高さになるように設けられている。
【0019】
以下、時間降雪量計測装置30による降雪深観測方法について図面を参照して説明する。
【0020】
図12(a)に示すように、降雪深の観測開始時において、距離センサ32と降雪板33と除雪ブラシ34とは、上下方向に重ならない位置に配置されている。図12(b)及び図13(a)に示すように、観測開始時から単位時間経過後、降雪板33上に雪35が積もった状態で、距離センサ32の下方の位置に降雪板33を回転させる。そして、光V4により距離センサ32と降雪板33上に積もった雪35の表面との距離L7を測定する。
【0021】
その後、図12(c)に示すように、超音波V5により距離センサ32と降雪板33の上面との距離L8を測定する。この時間降雪量計測装置30では、距離センサ32と降雪板33上に積もった雪35との距離L7と距離センサ32と降雪板33の上面との距離L8との差分を降雪深として扱うことで単位時間あたりの降雪深の観測を行う。
【0022】
続いて、図13(b)に示すように、降雪板33を矢印N方向に回転させ、除雪ブラシ34の下を通過させる。これによって、降雪板33上の雪35が除雪ブラシ34によって除雪される。その後、図13(c)に示すように、降雪板33を矢印P方向に回転させることで、次の観測に備える。
【0023】
【特許文献1】特開平6−88882号公報
【特許文献2】特開平10−268068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
前述した従来の降雪深観測用の装置には、次のような課題がある。まず、図8に示す計測スケール17では、観測作業を自動化できないため、手作業で行わなければならず、降雪深の観測地点への移動を含め多大な労力が費やされる。また、図9〜図11に示す降雪量測定装置20では、観測開始時の雪面12の時間経過に伴う沈下が考慮されておらず、雪面12の沈下分が誤差として降雪深の観測結果に含まれるため、観測結果の信頼性が低い。そして、図12〜図13に示す時間降雪量計測装置30では、強風などの影響により、降雪板33上の雪35が飛ばされるおそれがあるため、観測結果の信頼性が低下してしまうという問題があった。
【0025】
本発明は、観測作業の自動化が容易であると共に、信頼性の高い観測結果を得ることができる降雪深観測装置、及び降雪深観測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る降雪深観測装置は、上下方向に延在する支柱と、支柱に設けられ、雪を透過可能な第1の観測波を照射すると共に、反射層により反射された第1の観測波を検出する第1の観測波照射手段と、支柱に設けられ、雪面に反射層を形成する反射層形成手段と、第1の観測波照射手段による第1の観測波の検出結果を利用して、反射層上に積もった雪の深さを算出する演算手段と、を備えていることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る降雪深観測装置によれば、降雪深の観測開始時において、反射層形成手段により所定の雪面に1つ目の反射層を形成し、単位時間(例えば1時間、半日、1日)経過後、第1の観測波照射手段の第1の観測波によって、第1の観測波照射手段と1つ目の反射層との距離を測定する。そして、新たな積雪により1つ目の反射層の上方に形成された新たな雪面に2つ目の反射層を形成し、第1の観測波によって第1の観測波照射手段と2つ目の反射層との距離を測定する。これによって、第1の観測波照射手段と1つ目の反射層との距離と、第1の観測波照射手段と2つ目の反射層との距離との差分(すなわち観測開始時の雪面と単位時間経過後の雪面との高さの差分)を利用して、単位時間あたりの降雪深(第1の反射層上に積もった雪の深さ)を算出することが可能となる。ここで、この降雪深観測装置によれば、単位時間経過後に第1の観測波照射手段と観測開始時の雪面との距離を測定するにあたり、観測開始時の雪面が自重や新たな積雪の重みによって沈下するに伴って1つ目の反射層も沈下するため、雪面の沈下も考慮した正確な距離を計測することが可能となる。従って、この降雪深観測装置によれば、正確な距離の計測結果に基づいて降雪深の算出を行うことにより、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることができる。さらに、従来の装置のように受雪板に支持された雪面ではなく、地面に支持された雪面に対して計測を行うことができるため、風などの影響により計測対象の雪が飛散することが抑制され、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。また、この降雪深観測装置では、降雪深を観測するにあたり、人手が必要となる作業がないため、観測作業の自動化が容易である。そして、自動観測による観測結果を無線等により受信設備を有する観測所などに自動送信する態様とすることで、人的労力の低減が図られる。
【0028】
また、支柱に設けられ、雪に反射される第2の観測波を照射すると共に、雪面に反射された第2の観測波を検出する第2の観測波照射手段を更に備え、演算手段は、更に第2の観測波照射手段による第2の観測波の検出結果を利用して、反射層上に積もった雪の深さを算出すると好適である。
【0029】
この降雪深観測装置によれば、降雪深の観測開始時において、反射層形成手段により所定の雪面に反射層を形成し、単位時間経過後、第2の観測波照射手段の第2の観測波によって、新たな降雪によって反射層の上方に形成された雪面と第2の観測波照射手段との距離を測定すると共に、第1の観測波照射手段の第1の観測波によって、第1の観測波照射手段と反射層(すなわち観測開始時の雪面)との距離を測定する。そして、第1の観測波照射手段と観測開始時の雪面との距離、第2の観測波照射手段と単位時間経過後の雪面との距離を利用して、単位時間あたりの降雪深(反射層上に積もった雪の深さ)を算出することが可能となる。
【0030】
また、反射層形成手段は、反射層形成手段の下方の雪面までの距離を測定する距離測定手段を有すると共に、支柱に沿って上下方向に移動可能であると好適である。この場合、距離測定手段により測定した反射層形成手段と反射層形成手段の下方の雪面との距離に基づいて、雪面に反射層を形成するために最適な位置に反射層形成手段を精度良く移動させることが可能となるため、反射層の形成作業をより確実に行うことが可能となり、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。
【0031】
また、反射層形成手段は、支柱の周方向で回動可能に設けられていると好適である。反射層形成手段を支柱の周方向で回動可能とすることで、降雪深測定手段から照射される第1の観測波や第2の観測波の進路を反射層形成手段が遮ってしまうことをより確実に回避することができるため、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることが可能となる。
【0032】
本発明に係る降雪深観測方法は、雪を透過可能な第1の観測波を反射する第1の反射層を雪面に形成する工程と、第1の観測波によって所定の基準位置から反射層までの第1の距離を計測する工程と、第1の反射層の上方に形成された新たな雪面に第1の観測波を反射する第2の反射層を形成する工程と、第1の観測波によって基準位置から第2の反射層までの第2の距離を計測する工程と、第1の距離と第2の距離とを利用して、反射層上に積もった雪の深さを算出する工程と、を有することを特徴とする。
【0033】
本発明に係る降雪深観測方法によれば、降雪深の観測開始時において、雪を透過可能な第1の観測波を反射する第1の反射層を雪面に形成し、単位時間経過後、第1の観測波によって所定の基準位置から第1の反射層までの距離を計測する。そして、新たな積雪により第1の反射層の上方に形成された新たな雪面に第2の反射層を形成し、第1の観測波によって第1の観測波照射手段と第2の反射層との距離を測定する。これによって、第1の観測波照射手段と第1の反射層との距離と、第1の観測波照射手段と第2の反射層との距離との差分から単位時間あたりの降雪深を算出することが可能となる。従って、この降雪深観測方法によれば、単位時間あたりの降雪深を算出するに際し、観測開始時の雪面が自重や新たな積雪の重みによって沈下するに伴って第1の反射層も沈下するため、雪面の沈下も考慮した正確な距離を算出することが可能となり、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることができる。さらに、この降雪深観測方法では、従来の方法のように受雪板などに支持された雪面ではなく、地面に支持された雪面に対して計測を行うことができるため、風などの影響により計測対象の雪が飛散することが抑制され、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。また、この降雪深観測方法では、降雪深を観測するにあたり、手作業で行う必要がある工程がないため、観測作業の自動化が容易である。そして、自動観測による観測結果を無線等により受信設備を有する観測所などに自動送信する態様とすることで、人的労力の低減が図られる。
【0034】
本発明に係る他の降雪深観測方法は、雪を透過可能な第1の観測波を反射する反射層を雪面に形成する工程と、第1の観測波によって所定の基準位置から反射層までの第1の距離を計測する工程と、雪に反射される第2の観測波によって、基準位置から反射層の上方に形成された新たな雪面までの第2の距離を計測する工程と、第1の距離と第2の距離とを利用して、反射層上に積もった雪の深さを算出する工程と、を有することを特徴とする。
【0035】
この降雪深観測方法によれば、降雪深の観測開始時において、雪を透過可能な第1の観測波を反射する反射層を雪面に形成し、単位時間経過後、第1の観測波によって所定の基準位置から反射層までの距離を計測すると共に、雪に反射される第2の観測波によって、基準位置から反射層の上方に形成された雪面までの距離を計測することにより、単位時間の降雪により反射層の上方に形成された雪面と反射層との距離、すなわち単位時間あたりの降雪深を算出することが可能となる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、降雪深の観測作業の自動化が容易であると共に、信頼性の高い観測結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明に係る降雪深観測装置について、図面を参照して説明する。
【0038】
図1〜図7は、本発明の実施形態に係る降雪深観測装置による降雪深観測方法を示す説明図である。図1に示すように、本発明に係る降雪深観測装置1は、支柱2と、距離測定器3と、反射層形成システム4と、制御部10と、データ送信部11とを有している。
【0039】
距離測定器3は、平坦な地面に立設された支柱2の先端側から側方に突出する支持棒の先端に固定されている。距離測定器3(第1の観測波照射手段,第2の観測波照射手段)は、雪を透過可能な第1の観測波と雪に反射される第2の観測波とを下方に向けて照射する照射部と、後述する反射層14に反射された第1の観測波と雪に反射された第2の観測波とを検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、距離測定器3(基準位置)から反射層14までの距離や距離測定器3から雪面までの距離を算出し、この算出結果より降雪深を演算する降雪深演算部(演算手段)とを有し、降雪深測定手段として機能する。
【0040】
第1の観測波及び第2の観測波は、例えば、超音波、音波、電磁波であり、第1の観測波は、特に超音波であることが好ましく、その波長は50kHz〜457kHzの範囲であるとより好ましい。また、第2の観測波は、特に超音波であることが好ましく、その波長は40kHz〜50kHzの範囲であるとより好ましい。
【0041】
反射層形成システム4は、距離測定器3より低い位置で上下に延在する支柱2に取り付けられた環状の駆動部5と、駆動部5から側方に突出した支持アーム6と、支持アーム6の先端に固定されたシステム本体7と、システム本体7の下面に設けられた距離センサ8と、同じくシステム本体7の下面に設けられた噴射口9とを有している。
【0042】
反射層形成システム4の駆動部5は、モータなどにより支柱2に沿って上下移動すると共に、支柱2の周方向で回転するものであり、駆動部5の移動や回転に伴い支持アーム6及びシステム本体7が移動、回転される。距離センサ8は、例えば光センサであり、光によってシステム本体7の下方の雪面とシステム本体7との距離を測定する。
【0043】
反射層形成システム4のシステム本体7には、距離測定器3から照射される第1の観測波を反射する反射層を形成するための反射層形成物質が収容されている。システム本体7は、反射層形成物質を噴射口9から下方の雪面に噴射することで反射層を形成する。このような反射層形成物質としては、例えばおがくず、木材のチップ、薄くスライスした木製の円板、自然分解されやすい樹脂製の粒、樹脂フィルムの小片、反射しやすいアルミ箔の小片などが用いられ、その他、反射層形成物質として凝固剤などを用いることで、雪の密度を高め反射層として利用してもよい。
【0044】
制御部10は、距離測定器3、反射層形成システム4、及びデータ送信部11と配線により電気的に接続されている。制御部10は、距離測定器3の測定、反射層形成システム4の移動及び反射層形成作業、データ送信部11による降雪深のデータ送信などに関する制御を行う。データ送信部11は、制御部10を通じて距離測定器3に接続されている。データ送信部11は、距離測定器3が算出した降雪深のデータを受信設備を有する有人の観測所などに送信する。
【0045】
以上の構成を有する降雪深観測装置1による降雪深観測方法について図面を参照して説明する。
【0046】
図1に示すように、降雪深の観測開始時において、平坦な地面13の上に雪面12が形成されている。まず、図2に示すように、駆動部5によって、反射層形成システム4を矢印A方向に回転させ、システム本体7を距離測定器3の下方に位置させる。
【0047】
次に、図3及び図4に示すように、距離センサ8の光V1によって下方の雪面12との距離L1を測りながら、駆動部5によって反射層形成システム4を下方に移動させ、雪面12と噴射口9との距離が反射層を形成するために適切な距離(例えば、30cm)となるように、システム本体7の高さを調整する。その後、図5に示すように、噴射口9から反射層形成物質を噴射することで薄い反射層14を雪面12上に形成する。その後、駆動部5によって反射層形成システム4を観測開始時の位置に戻す。なお、雪面12と噴射口9との距離は、周囲の風の強さなどに応じて自動的に変更される態様であってもよい。
【0048】
単位時間(例えば1時間、半日、1日)経過後、図6に示すように、新たな降雪により反射層14の上方に雪面16が形成され、観測開始時の雪面12が、自重や新たな積雪の重みによって観測開始時点の平均高さ15より高さT分だけ沈下した状態となる。この状態で、距離測定器3の照射部から雪を透過可能な第1の観測波W1を照射し、反射層14に反射された第1の観測波W1を検出部で検出することにより、距離測定器3と反射層14との距離、すなわち鉛直方向における距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2(第1の距離)を測定する。
【0049】
次に、図7に示すように、距離測定器3の照射部から雪に反射される第2の観測波W2を照射し、雪面16に反射された第2の観測波W2を検出部で検出することにより、鉛直方向における距離測定器3と新たな雪面16との距離L3(第2の距離)を測定する。
【0050】
その後、距離測定器3は、降雪深算出部において、距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2と距離測定器3と新たな雪面16との距離L3との差分より、単位時間あたりの降雪深を算出する。そして、降雪深算出部が算出した降雪深のデータをデータ送信部11によって観測所などに送信する。
【0051】
以上のように、本発明の降雪深観測装置1によれば、単位時間経過後に距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2を測定するにあたり、雪面12の沈下と共に反射層14も沈下しているため、雪面12の沈下も考慮した正確な距離を計測することが可能となる。従って、降雪深観測装置1によれば、正確な距離の計測結果に基づいて降雪深の算出を行うことにより、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることができる。さらに、従来の装置のように受雪板に支持された雪面ではなく、地面に支持された雪面16に対して計測を行うことができるため、風などの影響により計測対象の雪が飛散することが抑制され、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。また、降雪深観測装置1では、制御部10による観測作業の自動化が容易であり、距離測定器3が測定した降雪深のデータをデータ送信部11が観測所などに自動送信するため、人的労力の低減が図られる。
【0052】
また、反射層形成システム4が下方の雪面12までの距離を測定する距離センサ8を有しているため、雪面12に反射層14を形成するために最適な位置に噴射口9を精度良く移動させることが可能となる。従って、反射層14の形成作業をより確実に行うことが可能となり、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。
【0053】
また、反射層形成システム4は、駆動部5によって支柱2の周方向で回動することができるため、反射層形成システム4を支柱2の周方向で回転させることで、距離測定器3による距離測定時に、反射層形成システム4が第1の観測波や第2の観測波の進路を妨げることを確実に回避することができ、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることが可能となる。
【0054】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0055】
例えば、図6に示すように、第1の観測波W1によって距離測定器3と反射層14(第1の反射層)との距離を測定した後、反射層形成システム4によって反射層14の上方に形成された雪面16上に新たな反射層(第2の反射層)を形成しても良い。この場合、第1の観測波W1によって距離測定器3と新たな反射層との距離を測定することで、距離測定器3と反射層14との距離と、距離測定器3と新たな反射層と距離との差分(すなわち鉛直方向における距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2と鉛直方向における距離測定器3と単位時間経過後の雪面16との距離との差分)から単位時間あたりの降雪深が算出される。これにより、第2の観測波W2を用いることなく、単位時間あたりの降雪深の算出を実現できるので、距離測定器3における第2の観測波W2の照射及び検出の機能を不要とし、降雪深観測装置1の低コスト化を図ることができる。
【0056】
また、第1の観測波W1によって距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2を測定する工程と、第2の観測波W2によって距離測定器3と雪面16との距離L3を測定する工程との順序は逆であってもよく、同時に行われてもよい。
【0057】
また、反射層形成システム4によって反射層を形成するにあたり、距離測定器3の第1の観測波によって測定された距離測定器3と雪面12との距離に基づいて、反射層形成システム4の噴射口9と雪面12との距離の調整を行ってもよい。この場合、反射層形成システム4の距離センサ8を設ける必要がなくなり、降雪深観測装置1の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の降雪深観測装置による降雪深観測方法の観測開始時の状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す反射層形成システムの回転移動工程を示す説明図である。
【図3】図1に示す反射層形成システムの下方移動工程を示す説明図である。
【図4】反射層形成システムの位置調整工程を示す説明図である。
【図5】反射層形成システムの反射層形成工程を示す説明図である。
【図6】図1に示す距離測定器の反射層距離測定工程を示す説明図である。
【図7】距離測定器の雪面距離測定工程を示す説明図である。
【図8】従来の計測スケールによる降雪深観測方法を示す説明図である。
【図9】従来の降雪量測定装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【図10】図9に示す降雪量測定装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【図11】降雪量測定装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【図12】従来の時間降雪量計測装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【図13】図12に示す時間降雪量計測装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1…降雪深観測装置、2…支柱、3…距離測定器(第1の観測波照射手段、第2の観測波照射手段、演算手段)、4…反射層形成システム(反射層形成手段)、5…駆動部、6…支持アーム、7…システム本体、8…距離センサ(距離測定手段)、9…噴射口、10…制御部、11…データ送信部、12…観測開始時の雪面、14…反射層、16…単位時間経過後の雪面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、水資源賦存量の推定や雪災害の警戒のために使用される降雪深(単位時間に積もる雪の深さ)の観測に用いられる降雪深観測装置及び降雪深観測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の降雪深観測方法について図面を参照して説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0003】
図8は、従来の計測スケールによる降雪深観測方法を示す説明図である。図8(a)に示すように、従来の降雪深観測に用いられる計測スケール17は、雪面上に計測スケール17を設置するための受雪板18と、受雪板18上に立設されたスケール部19とを有している。この計測スケール17は、雪が平坦に積もる場所に設置され、スケール部19の目盛りを用いて受雪板18と受雪板18の上方に形成された雪面との距離を計測することで、降雪深の観測を行う。
【0004】
以下、計測スケール17による降雪深観測方法について図面を参照して説明する。
【0005】
図8に示すように、降雪深の観測開始時において、まず、観測開始時の雪面12の高さに受雪板18の上面の高さが合うように計測スケール17を設置する。この状態で時間が経過すると、図8(b)に示すように、雪面12は、自重や新たな積雪の重みにより徐々に沈下していき、観測開始時点における雪面12の平均高さ15より低くなる。このとき、計測スケール17も雪面12の沈下に伴って沈下する。
【0006】
観測開始時から単位時間(例えば1時間、半日、1日)経過後、図8(c)に示すように、新たな積雪により雪面16が形成される。そして、この雪面16の高さに対応するスケール部19の目盛りXを読むことにより、受雪板18と受雪板18の上方に形成された新たな雪面16との距離、すなわち沈下した観測開始時の雪面12と単位時間経過後の雪面16との距離L4を計測する。続いて、この計測結果から降雪深を算出することにより単位時間あたりの降雪深の観測を行う。
【0007】
その後、図8(d)に示すように、雪中から計測スケール17を取り出し、単位時間経過後の新たな雪面16に受雪板18の上面を合わせる。このとき、計測スケール17を取り出すことで雪面16に形成された穴を次回の計測に影響のないように周囲の雪を用いて埋める。これにより、雪面16を平坦な状態に修復して、次回の観測に備える。この計測スケール17では、以上の手順を繰り返すことにより、単位時間あたりの降雪深を継続的に観測することが可能となる。
【0008】
図9〜図11は、特許文献1に記載された従来の降雪量測定装置による降雪深観測方法を示す説明図である。図9〜図11に示すように、従来の降雪深の観測に用いられる降雪量測定装置20は、支柱21と、距離測定部22と、支持アーム23と、受雪板24とを有している。
【0009】
距離測定部22は、平坦な地面に立設された支柱21の先端側から側方に突出する棒状の連結部に固定されており、超音波によって、距離測定部22と受雪板24の上面との距離及び距離測定部22と受雪板24上に形成された雪面16との距離を測定する。
【0010】
支持アーム23は、距離測定部22より低い位置で支柱21から側方に突出する棒状の部材であり、図示しない駆動部によって、上下移動や回転を行う。支持アーム23の先端側には、雪を受けるための受雪板24が固定されている。
【0011】
以下、降雪量測定装置20による降雪深観測方法について図面を参照して説明する。
【0012】
図9(a)に示すように、降雪深の観測開始時において、まず、支持アーム23を移動させ、水平状態の受雪板24の上面の高さと観測開始時の雪面12の高さとを合わせる。その後、図9(b)に示すように、超音波V2によって距離測定部22と受雪板24の上面との距離L5を測定する。
【0013】
続いて、図10(a)に示すように、観測開始時から単位時間経過後、超音波V3によって距離測定部22と新たな積雪により形成された雪面16との距離L6を測定する。そして、この降雪量測定装置20では、計測した距離測定部22と受雪板24の上面との距離L5と、距離測定部22と新たな積雪により形成された雪面16との距離L6との差分を降雪深として扱うことで単位時間あたりの降雪深の観測を行う。
【0014】
その後、図10(b)に示すように、支持アーム23を上方に移動させ、雪ごと受雪板24を上昇させる。そして、図11(a)に示すように、支柱21を中心として支持アーム23を矢印E方向に回転させた後、支持アーム23と共に受雪板24を矢印F方向に回転させることで受雪板24上に積もった雪25を落下させる。その後、図11(b)に示すように、受雪板24を矢印G方向に回転させて水平状態に戻した後、支持アーム23を矢印H方向に回転させる。そして、支持アーム23を下降させて、受雪板24の上面の高さを雪面16の高さに合わせることで、次の観測に備える。
【0015】
図12〜図13は、特許文献2に記載された時間降雪量計測装置による降雪深観測方法を示す説明図である。図12〜図13に示すように、従来の降雪深の観測に用いられる時間降雪量計測装置30は、支柱31と、距離センサ32と、降雪板33と、除雪ブラシ34とを有している。
【0016】
距離センサ32は、平坦な地面に立設された支柱31の先端側から側方に突出する棒状の連結部に固定されている。この距離センサ32は、超音波によって、距離センサ32と降雪板33の上面との距離を測定すると共に、光によって、距離センサ32と降雪板33上に積もった雪35の表面との距離を測定する。
【0017】
降雪板33は、距離センサ32の下方で積雪により降雪板33が埋もれない高さにおいて支柱31の側方に突出する支持棒に固定されている。この支持棒は、図示しない駆動部によって支柱31の周方向で回転され、この回転に伴って降雪板33も支柱31を中心として回転される。
【0018】
除雪ブラシ34は、距離センサ32と降雪板33との間で支柱31の側方に突出する長尺の部材であり、下方に向けられたブラシ部を有している。この除雪ブラシ34は、ブラシ部のブラシ先端が降雪板33の上面と同じ高さになるように設けられている。
【0019】
以下、時間降雪量計測装置30による降雪深観測方法について図面を参照して説明する。
【0020】
図12(a)に示すように、降雪深の観測開始時において、距離センサ32と降雪板33と除雪ブラシ34とは、上下方向に重ならない位置に配置されている。図12(b)及び図13(a)に示すように、観測開始時から単位時間経過後、降雪板33上に雪35が積もった状態で、距離センサ32の下方の位置に降雪板33を回転させる。そして、光V4により距離センサ32と降雪板33上に積もった雪35の表面との距離L7を測定する。
【0021】
その後、図12(c)に示すように、超音波V5により距離センサ32と降雪板33の上面との距離L8を測定する。この時間降雪量計測装置30では、距離センサ32と降雪板33上に積もった雪35との距離L7と距離センサ32と降雪板33の上面との距離L8との差分を降雪深として扱うことで単位時間あたりの降雪深の観測を行う。
【0022】
続いて、図13(b)に示すように、降雪板33を矢印N方向に回転させ、除雪ブラシ34の下を通過させる。これによって、降雪板33上の雪35が除雪ブラシ34によって除雪される。その後、図13(c)に示すように、降雪板33を矢印P方向に回転させることで、次の観測に備える。
【0023】
【特許文献1】特開平6−88882号公報
【特許文献2】特開平10−268068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
前述した従来の降雪深観測用の装置には、次のような課題がある。まず、図8に示す計測スケール17では、観測作業を自動化できないため、手作業で行わなければならず、降雪深の観測地点への移動を含め多大な労力が費やされる。また、図9〜図11に示す降雪量測定装置20では、観測開始時の雪面12の時間経過に伴う沈下が考慮されておらず、雪面12の沈下分が誤差として降雪深の観測結果に含まれるため、観測結果の信頼性が低い。そして、図12〜図13に示す時間降雪量計測装置30では、強風などの影響により、降雪板33上の雪35が飛ばされるおそれがあるため、観測結果の信頼性が低下してしまうという問題があった。
【0025】
本発明は、観測作業の自動化が容易であると共に、信頼性の高い観測結果を得ることができる降雪深観測装置、及び降雪深観測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る降雪深観測装置は、上下方向に延在する支柱と、支柱に設けられ、雪を透過可能な第1の観測波を照射すると共に、反射層により反射された第1の観測波を検出する第1の観測波照射手段と、支柱に設けられ、雪面に反射層を形成する反射層形成手段と、第1の観測波照射手段による第1の観測波の検出結果を利用して、反射層上に積もった雪の深さを算出する演算手段と、を備えていることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る降雪深観測装置によれば、降雪深の観測開始時において、反射層形成手段により所定の雪面に1つ目の反射層を形成し、単位時間(例えば1時間、半日、1日)経過後、第1の観測波照射手段の第1の観測波によって、第1の観測波照射手段と1つ目の反射層との距離を測定する。そして、新たな積雪により1つ目の反射層の上方に形成された新たな雪面に2つ目の反射層を形成し、第1の観測波によって第1の観測波照射手段と2つ目の反射層との距離を測定する。これによって、第1の観測波照射手段と1つ目の反射層との距離と、第1の観測波照射手段と2つ目の反射層との距離との差分(すなわち観測開始時の雪面と単位時間経過後の雪面との高さの差分)を利用して、単位時間あたりの降雪深(第1の反射層上に積もった雪の深さ)を算出することが可能となる。ここで、この降雪深観測装置によれば、単位時間経過後に第1の観測波照射手段と観測開始時の雪面との距離を測定するにあたり、観測開始時の雪面が自重や新たな積雪の重みによって沈下するに伴って1つ目の反射層も沈下するため、雪面の沈下も考慮した正確な距離を計測することが可能となる。従って、この降雪深観測装置によれば、正確な距離の計測結果に基づいて降雪深の算出を行うことにより、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることができる。さらに、従来の装置のように受雪板に支持された雪面ではなく、地面に支持された雪面に対して計測を行うことができるため、風などの影響により計測対象の雪が飛散することが抑制され、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。また、この降雪深観測装置では、降雪深を観測するにあたり、人手が必要となる作業がないため、観測作業の自動化が容易である。そして、自動観測による観測結果を無線等により受信設備を有する観測所などに自動送信する態様とすることで、人的労力の低減が図られる。
【0028】
また、支柱に設けられ、雪に反射される第2の観測波を照射すると共に、雪面に反射された第2の観測波を検出する第2の観測波照射手段を更に備え、演算手段は、更に第2の観測波照射手段による第2の観測波の検出結果を利用して、反射層上に積もった雪の深さを算出すると好適である。
【0029】
この降雪深観測装置によれば、降雪深の観測開始時において、反射層形成手段により所定の雪面に反射層を形成し、単位時間経過後、第2の観測波照射手段の第2の観測波によって、新たな降雪によって反射層の上方に形成された雪面と第2の観測波照射手段との距離を測定すると共に、第1の観測波照射手段の第1の観測波によって、第1の観測波照射手段と反射層(すなわち観測開始時の雪面)との距離を測定する。そして、第1の観測波照射手段と観測開始時の雪面との距離、第2の観測波照射手段と単位時間経過後の雪面との距離を利用して、単位時間あたりの降雪深(反射層上に積もった雪の深さ)を算出することが可能となる。
【0030】
また、反射層形成手段は、反射層形成手段の下方の雪面までの距離を測定する距離測定手段を有すると共に、支柱に沿って上下方向に移動可能であると好適である。この場合、距離測定手段により測定した反射層形成手段と反射層形成手段の下方の雪面との距離に基づいて、雪面に反射層を形成するために最適な位置に反射層形成手段を精度良く移動させることが可能となるため、反射層の形成作業をより確実に行うことが可能となり、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。
【0031】
また、反射層形成手段は、支柱の周方向で回動可能に設けられていると好適である。反射層形成手段を支柱の周方向で回動可能とすることで、降雪深測定手段から照射される第1の観測波や第2の観測波の進路を反射層形成手段が遮ってしまうことをより確実に回避することができるため、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることが可能となる。
【0032】
本発明に係る降雪深観測方法は、雪を透過可能な第1の観測波を反射する第1の反射層を雪面に形成する工程と、第1の観測波によって所定の基準位置から反射層までの第1の距離を計測する工程と、第1の反射層の上方に形成された新たな雪面に第1の観測波を反射する第2の反射層を形成する工程と、第1の観測波によって基準位置から第2の反射層までの第2の距離を計測する工程と、第1の距離と第2の距離とを利用して、反射層上に積もった雪の深さを算出する工程と、を有することを特徴とする。
【0033】
本発明に係る降雪深観測方法によれば、降雪深の観測開始時において、雪を透過可能な第1の観測波を反射する第1の反射層を雪面に形成し、単位時間経過後、第1の観測波によって所定の基準位置から第1の反射層までの距離を計測する。そして、新たな積雪により第1の反射層の上方に形成された新たな雪面に第2の反射層を形成し、第1の観測波によって第1の観測波照射手段と第2の反射層との距離を測定する。これによって、第1の観測波照射手段と第1の反射層との距離と、第1の観測波照射手段と第2の反射層との距離との差分から単位時間あたりの降雪深を算出することが可能となる。従って、この降雪深観測方法によれば、単位時間あたりの降雪深を算出するに際し、観測開始時の雪面が自重や新たな積雪の重みによって沈下するに伴って第1の反射層も沈下するため、雪面の沈下も考慮した正確な距離を算出することが可能となり、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることができる。さらに、この降雪深観測方法では、従来の方法のように受雪板などに支持された雪面ではなく、地面に支持された雪面に対して計測を行うことができるため、風などの影響により計測対象の雪が飛散することが抑制され、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。また、この降雪深観測方法では、降雪深を観測するにあたり、手作業で行う必要がある工程がないため、観測作業の自動化が容易である。そして、自動観測による観測結果を無線等により受信設備を有する観測所などに自動送信する態様とすることで、人的労力の低減が図られる。
【0034】
本発明に係る他の降雪深観測方法は、雪を透過可能な第1の観測波を反射する反射層を雪面に形成する工程と、第1の観測波によって所定の基準位置から反射層までの第1の距離を計測する工程と、雪に反射される第2の観測波によって、基準位置から反射層の上方に形成された新たな雪面までの第2の距離を計測する工程と、第1の距離と第2の距離とを利用して、反射層上に積もった雪の深さを算出する工程と、を有することを特徴とする。
【0035】
この降雪深観測方法によれば、降雪深の観測開始時において、雪を透過可能な第1の観測波を反射する反射層を雪面に形成し、単位時間経過後、第1の観測波によって所定の基準位置から反射層までの距離を計測すると共に、雪に反射される第2の観測波によって、基準位置から反射層の上方に形成された雪面までの距離を計測することにより、単位時間の降雪により反射層の上方に形成された雪面と反射層との距離、すなわち単位時間あたりの降雪深を算出することが可能となる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、降雪深の観測作業の自動化が容易であると共に、信頼性の高い観測結果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明に係る降雪深観測装置について、図面を参照して説明する。
【0038】
図1〜図7は、本発明の実施形態に係る降雪深観測装置による降雪深観測方法を示す説明図である。図1に示すように、本発明に係る降雪深観測装置1は、支柱2と、距離測定器3と、反射層形成システム4と、制御部10と、データ送信部11とを有している。
【0039】
距離測定器3は、平坦な地面に立設された支柱2の先端側から側方に突出する支持棒の先端に固定されている。距離測定器3(第1の観測波照射手段,第2の観測波照射手段)は、雪を透過可能な第1の観測波と雪に反射される第2の観測波とを下方に向けて照射する照射部と、後述する反射層14に反射された第1の観測波と雪に反射された第2の観測波とを検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、距離測定器3(基準位置)から反射層14までの距離や距離測定器3から雪面までの距離を算出し、この算出結果より降雪深を演算する降雪深演算部(演算手段)とを有し、降雪深測定手段として機能する。
【0040】
第1の観測波及び第2の観測波は、例えば、超音波、音波、電磁波であり、第1の観測波は、特に超音波であることが好ましく、その波長は50kHz〜457kHzの範囲であるとより好ましい。また、第2の観測波は、特に超音波であることが好ましく、その波長は40kHz〜50kHzの範囲であるとより好ましい。
【0041】
反射層形成システム4は、距離測定器3より低い位置で上下に延在する支柱2に取り付けられた環状の駆動部5と、駆動部5から側方に突出した支持アーム6と、支持アーム6の先端に固定されたシステム本体7と、システム本体7の下面に設けられた距離センサ8と、同じくシステム本体7の下面に設けられた噴射口9とを有している。
【0042】
反射層形成システム4の駆動部5は、モータなどにより支柱2に沿って上下移動すると共に、支柱2の周方向で回転するものであり、駆動部5の移動や回転に伴い支持アーム6及びシステム本体7が移動、回転される。距離センサ8は、例えば光センサであり、光によってシステム本体7の下方の雪面とシステム本体7との距離を測定する。
【0043】
反射層形成システム4のシステム本体7には、距離測定器3から照射される第1の観測波を反射する反射層を形成するための反射層形成物質が収容されている。システム本体7は、反射層形成物質を噴射口9から下方の雪面に噴射することで反射層を形成する。このような反射層形成物質としては、例えばおがくず、木材のチップ、薄くスライスした木製の円板、自然分解されやすい樹脂製の粒、樹脂フィルムの小片、反射しやすいアルミ箔の小片などが用いられ、その他、反射層形成物質として凝固剤などを用いることで、雪の密度を高め反射層として利用してもよい。
【0044】
制御部10は、距離測定器3、反射層形成システム4、及びデータ送信部11と配線により電気的に接続されている。制御部10は、距離測定器3の測定、反射層形成システム4の移動及び反射層形成作業、データ送信部11による降雪深のデータ送信などに関する制御を行う。データ送信部11は、制御部10を通じて距離測定器3に接続されている。データ送信部11は、距離測定器3が算出した降雪深のデータを受信設備を有する有人の観測所などに送信する。
【0045】
以上の構成を有する降雪深観測装置1による降雪深観測方法について図面を参照して説明する。
【0046】
図1に示すように、降雪深の観測開始時において、平坦な地面13の上に雪面12が形成されている。まず、図2に示すように、駆動部5によって、反射層形成システム4を矢印A方向に回転させ、システム本体7を距離測定器3の下方に位置させる。
【0047】
次に、図3及び図4に示すように、距離センサ8の光V1によって下方の雪面12との距離L1を測りながら、駆動部5によって反射層形成システム4を下方に移動させ、雪面12と噴射口9との距離が反射層を形成するために適切な距離(例えば、30cm)となるように、システム本体7の高さを調整する。その後、図5に示すように、噴射口9から反射層形成物質を噴射することで薄い反射層14を雪面12上に形成する。その後、駆動部5によって反射層形成システム4を観測開始時の位置に戻す。なお、雪面12と噴射口9との距離は、周囲の風の強さなどに応じて自動的に変更される態様であってもよい。
【0048】
単位時間(例えば1時間、半日、1日)経過後、図6に示すように、新たな降雪により反射層14の上方に雪面16が形成され、観測開始時の雪面12が、自重や新たな積雪の重みによって観測開始時点の平均高さ15より高さT分だけ沈下した状態となる。この状態で、距離測定器3の照射部から雪を透過可能な第1の観測波W1を照射し、反射層14に反射された第1の観測波W1を検出部で検出することにより、距離測定器3と反射層14との距離、すなわち鉛直方向における距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2(第1の距離)を測定する。
【0049】
次に、図7に示すように、距離測定器3の照射部から雪に反射される第2の観測波W2を照射し、雪面16に反射された第2の観測波W2を検出部で検出することにより、鉛直方向における距離測定器3と新たな雪面16との距離L3(第2の距離)を測定する。
【0050】
その後、距離測定器3は、降雪深算出部において、距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2と距離測定器3と新たな雪面16との距離L3との差分より、単位時間あたりの降雪深を算出する。そして、降雪深算出部が算出した降雪深のデータをデータ送信部11によって観測所などに送信する。
【0051】
以上のように、本発明の降雪深観測装置1によれば、単位時間経過後に距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2を測定するにあたり、雪面12の沈下と共に反射層14も沈下しているため、雪面12の沈下も考慮した正確な距離を計測することが可能となる。従って、降雪深観測装置1によれば、正確な距離の計測結果に基づいて降雪深の算出を行うことにより、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることができる。さらに、従来の装置のように受雪板に支持された雪面ではなく、地面に支持された雪面16に対して計測を行うことができるため、風などの影響により計測対象の雪が飛散することが抑制され、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。また、降雪深観測装置1では、制御部10による観測作業の自動化が容易であり、距離測定器3が測定した降雪深のデータをデータ送信部11が観測所などに自動送信するため、人的労力の低減が図られる。
【0052】
また、反射層形成システム4が下方の雪面12までの距離を測定する距離センサ8を有しているため、雪面12に反射層14を形成するために最適な位置に噴射口9を精度良く移動させることが可能となる。従って、反射層14の形成作業をより確実に行うことが可能となり、降雪深の観測結果の信頼性の向上が図られる。
【0053】
また、反射層形成システム4は、駆動部5によって支柱2の周方向で回動することができるため、反射層形成システム4を支柱2の周方向で回転させることで、距離測定器3による距離測定時に、反射層形成システム4が第1の観測波や第2の観測波の進路を妨げることを確実に回避することができ、信頼性の高い降雪深の観測結果を得ることが可能となる。
【0054】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0055】
例えば、図6に示すように、第1の観測波W1によって距離測定器3と反射層14(第1の反射層)との距離を測定した後、反射層形成システム4によって反射層14の上方に形成された雪面16上に新たな反射層(第2の反射層)を形成しても良い。この場合、第1の観測波W1によって距離測定器3と新たな反射層との距離を測定することで、距離測定器3と反射層14との距離と、距離測定器3と新たな反射層と距離との差分(すなわち鉛直方向における距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2と鉛直方向における距離測定器3と単位時間経過後の雪面16との距離との差分)から単位時間あたりの降雪深が算出される。これにより、第2の観測波W2を用いることなく、単位時間あたりの降雪深の算出を実現できるので、距離測定器3における第2の観測波W2の照射及び検出の機能を不要とし、降雪深観測装置1の低コスト化を図ることができる。
【0056】
また、第1の観測波W1によって距離測定器3と観測開始時の雪面12との距離L2を測定する工程と、第2の観測波W2によって距離測定器3と雪面16との距離L3を測定する工程との順序は逆であってもよく、同時に行われてもよい。
【0057】
また、反射層形成システム4によって反射層を形成するにあたり、距離測定器3の第1の観測波によって測定された距離測定器3と雪面12との距離に基づいて、反射層形成システム4の噴射口9と雪面12との距離の調整を行ってもよい。この場合、反射層形成システム4の距離センサ8を設ける必要がなくなり、降雪深観測装置1の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の降雪深観測装置による降雪深観測方法の観測開始時の状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す反射層形成システムの回転移動工程を示す説明図である。
【図3】図1に示す反射層形成システムの下方移動工程を示す説明図である。
【図4】反射層形成システムの位置調整工程を示す説明図である。
【図5】反射層形成システムの反射層形成工程を示す説明図である。
【図6】図1に示す距離測定器の反射層距離測定工程を示す説明図である。
【図7】距離測定器の雪面距離測定工程を示す説明図である。
【図8】従来の計測スケールによる降雪深観測方法を示す説明図である。
【図9】従来の降雪量測定装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【図10】図9に示す降雪量測定装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【図11】降雪量測定装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【図12】従来の時間降雪量計測装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【図13】図12に示す時間降雪量計測装置による降雪深観測方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0059】
1…降雪深観測装置、2…支柱、3…距離測定器(第1の観測波照射手段、第2の観測波照射手段、演算手段)、4…反射層形成システム(反射層形成手段)、5…駆動部、6…支持アーム、7…システム本体、8…距離センサ(距離測定手段)、9…噴射口、10…制御部、11…データ送信部、12…観測開始時の雪面、14…反射層、16…単位時間経過後の雪面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延在する支柱と、
前記支柱に設けられ、雪を透過可能な第1の観測波を照射すると共に、反射層により反射された前記第1の観測波を検出する第1の観測波照射手段と、
前記支柱に設けられ、雪面に前記反射層を形成する反射層形成手段と、
前記第1の観測波照射手段による前記第1の観測波の検出結果を利用して、前記反射層上に積もった雪の深さを算出する演算手段と、
を備えていることを特徴とする降雪深観測装置。
【請求項2】
前記支柱に設けられ、雪に反射される第2の観測波を照射すると共に、雪面に反射された前記第2の観測波を検出する第2の観測波照射手段を更に備え、
前記演算手段は、更に前記第2の観測波照射手段による前記第2の観測波の検出結果を利用して、前記反射層上に積もった雪の深さを算出することを特徴とする請求項1に記載の降雪深観測装置。
【請求項3】
前記反射層形成手段は、前記反射層形成手段の下方の雪面までの距離を測定する距離測定手段を有すると共に、前記支柱に沿って上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の降雪深観測装置。
【請求項4】
前記反射層形成手段は、前記支柱の周方向で回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の降雪深観測装置。
【請求項5】
雪を透過可能な第1の観測波を反射する第1の反射層を雪面に形成する工程と、
前記第1の観測波によって所定の基準位置から前記第1の反射層までの第1の距離を計測する工程と、
前記第1の反射層の上方に形成された新たな雪面に前記第1の観測波を反射する第2の反射層を形成する工程と、
前記第1の観測波によって前記基準位置から前記第2の反射層までの第2の距離を計測する工程と、
前記第1の距離と前記第2の距離とを利用して、前記第1の反射層と前記第2の反射層との間の雪の深さを算出する工程と、
を有することを特徴とする降雪深観測方法。
【請求項6】
雪を透過可能な第1の観測波を反射する反射層を雪面に形成する工程と、
前記第1の観測波によって所定の基準位置から前記反射層までの第1の距離を計測する工程と、
雪に反射される第2の観測波によって、前記基準位置から前記反射層の上方に形成された新たな雪面までの第2の距離を計測する工程と、
前記第1の距離と前記第2の距離とを利用して、前記反射層上に積もった雪の深さを算出する工程と、
を有することを特徴とする降雪深観測方法。
【請求項1】
上下方向に延在する支柱と、
前記支柱に設けられ、雪を透過可能な第1の観測波を照射すると共に、反射層により反射された前記第1の観測波を検出する第1の観測波照射手段と、
前記支柱に設けられ、雪面に前記反射層を形成する反射層形成手段と、
前記第1の観測波照射手段による前記第1の観測波の検出結果を利用して、前記反射層上に積もった雪の深さを算出する演算手段と、
を備えていることを特徴とする降雪深観測装置。
【請求項2】
前記支柱に設けられ、雪に反射される第2の観測波を照射すると共に、雪面に反射された前記第2の観測波を検出する第2の観測波照射手段を更に備え、
前記演算手段は、更に前記第2の観測波照射手段による前記第2の観測波の検出結果を利用して、前記反射層上に積もった雪の深さを算出することを特徴とする請求項1に記載の降雪深観測装置。
【請求項3】
前記反射層形成手段は、前記反射層形成手段の下方の雪面までの距離を測定する距離測定手段を有すると共に、前記支柱に沿って上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の降雪深観測装置。
【請求項4】
前記反射層形成手段は、前記支柱の周方向で回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の降雪深観測装置。
【請求項5】
雪を透過可能な第1の観測波を反射する第1の反射層を雪面に形成する工程と、
前記第1の観測波によって所定の基準位置から前記第1の反射層までの第1の距離を計測する工程と、
前記第1の反射層の上方に形成された新たな雪面に前記第1の観測波を反射する第2の反射層を形成する工程と、
前記第1の観測波によって前記基準位置から前記第2の反射層までの第2の距離を計測する工程と、
前記第1の距離と前記第2の距離とを利用して、前記第1の反射層と前記第2の反射層との間の雪の深さを算出する工程と、
を有することを特徴とする降雪深観測方法。
【請求項6】
雪を透過可能な第1の観測波を反射する反射層を雪面に形成する工程と、
前記第1の観測波によって所定の基準位置から前記反射層までの第1の距離を計測する工程と、
雪に反射される第2の観測波によって、前記基準位置から前記反射層の上方に形成された新たな雪面までの第2の距離を計測する工程と、
前記第1の距離と前記第2の距離とを利用して、前記反射層上に積もった雪の深さを算出する工程と、
を有することを特徴とする降雪深観測方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−32381(P2010−32381A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195196(P2008−195196)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(504024597)独立行政法人水資源機構 (15)
【出願人】(300074329)財団法人水資源協会 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(504024597)独立行政法人水資源機構 (15)
【出願人】(300074329)財団法人水資源協会 (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]