陰圧式外傷治療具
【課題】 陰圧式外傷治療において、滲出液等の漏洩の可能性をできる限り低くし、患者や外傷へのダメージを防止する陰圧外傷治療具を提供することを目的とする。
【解決手段】 吸収性部材および吸収性部材を見られるように当該吸収性部材の上に配置される少なくとも一つの視認用穴を備えることを特徴とする、陰圧を用いて外傷を治療するための外傷治療具。当該治療具は、さらに、裏打ち部材に配置されるポート開口と、当該ポート開口に少なくとも部分的に重なるように配置されるアダプタと、を備える。
【解決手段】 吸収性部材および吸収性部材を見られるように当該吸収性部材の上に配置される少なくとも一つの視認用穴を備えることを特徴とする、陰圧を用いて外傷を治療するための外傷治療具。当該治療具は、さらに、裏打ち部材に配置されるポート開口と、当該ポート開口に少なくとも部分的に重なるように配置されるアダプタと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主に、様々な慢性及び急性の外傷を治療することが可能な外傷治療具及び方法に関し、かかる外傷には、感染性の外傷、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、火傷、切断傷、手術創傷等が含まれるが、これらに限定されるものではない。特に、本発明は、陰圧式治療を行う外傷治療具及び方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
陰圧式治療は、医師による様々な外傷の治療に用いられる手法の一つである。従来の陰圧式治療具は、一般に、大型で、また吸引ポンプ、真空ポンプ、複雑な電気式コントローラ等の面倒な備品の使用を必要としていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
陰圧式治療具（例えば、包帯）は陰圧を用いるので、その漏洩の可能性をできる限り低くすることが望ましく、これによって患者及び／または外傷へのダメージ、あるいは、患者及び／または外傷への不必要な長期的なダメージを防止することができる。
【０００４】
加えて、陰圧式治療具（例えば、包帯）は、一般的には、ガーゼ、帯具、圧縮式のタイツ等とともに巻かれるので、ポンプと陰圧治療具との間の接続点が陰圧式治療具から離間した位置に配置されることが望ましくまた有用である。これにより、患者の快適さを向上するとともに、陰圧式治療具が巻かれている間、当該陰圧式治療具へのアクセスを制限することができる。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の実施の形態によれば、外傷治療具は、裏打ち部材と、この裏打ち部材に配置されたポート開口と、裏打ち部材の第一の側面に配置された吸着性パッドであって、この吸着性パッドの一部がポート開口の下に配置された吸着性パッドと、裏打ち部材に、吸着性パッドとエッジとの間で離間するように配置されたガスケットと、を備える。
【０００６】
ガスケットの使用及びその配置により、圧力の漏洩の可能性が低減される。これにより、陰圧式外傷治療具の効率及び有用性が向上する。
【０００７】
本発明の他の実施の形態によれば、ガスケットは、ヒドロゲルから構成される。
【０００８】
本発明の別の実施の形態によれば、外傷治療具は、さらに、吸着性パッドの露出部分の周囲に配置された銀めっきメッシュ等の外傷接触層を備える。
【０００９】
本発明のさらに別の実施の形態によれば、外傷治療具は、裏打ち部材と、この裏打ち部材に配置されるポート開口であって、アダプタが当該ポート開口内に配置されてチューブと連通し、当該チューブが当該コネクタが当該ポート開口から離間して配置されるようにする長さを有するポート開口と、前記裏打ち部材の前記第一の側面に配置される吸着性パッドであって、吸着性パッドの一部が前記ポート開口の下に配置される吸着性パッドと、前記裏打ち部材上に、前記吸着性パッドと前記エッジとの間で離間するように配置されるガスケットと、を備える。
を備える
【００１０】
ポート開口から離間したコネクタを用いることにより、患者の快適さが向上し、陰圧式治療具を覆う帯具の取り外しの際にコネクタへアクセスする必要がなくなる。
【００１１】
本発明の他の観点によれば、外傷治療具を形成するための方法が提供され、かかる方法は、接着性基材にポート開口を形成するステップと、前記ポート開口を、ガスケット部材を取り付ける際の基準点として用いるステップと、所定の厚み及び所定の形状を有する前記ガスケット部材を、前記ポート開口の周囲から所定の距離を置いて配置するステップと、前記接着性基材に裏張りを取り付けるステップと、前記接着性基材を巻き取るステップと、を備える。
【００１２】
本発明の別の観点によれば、外傷治療具を形成する方法は、ガスケット部材を流し込みにより塗布するステップをさらに備える。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、患者の快適さを向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施の形態に係る外傷治癒具の断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に係る外傷治癒具の上面図である。
【図３】本発明の実施の形態に係る外傷治癒具の分解図である。
【図４】本発明の実施の形態に係る外傷治癒具の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下の実施の形態に係る、後述するとともに図示する構成要素については、様々な異なる態様に変更可能である。従って、図示する様々な実施の形態についての以下の詳細な説明は、本発明の技術的範囲を限定するためのものではなく、以下の実施の形態の説明のためだけのものである。後述する実施の形態の応用が図面によって示唆されているが、当該図面は、特に断りがない限り、縮尺を示すものではない。
【００１６】
本発明は、その技術的範囲から逸脱しない限り、様々な態様で具現することができる。後述する実施の形態は、説明のためのものであり、制限的なものではない。従って、本発明の技術的範囲は、以下の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と均等な範囲での変更についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【００１７】
本明細書を通じた特徴、利点または類似の説明についての参照は、本発明のすべての特徴及び利点がある単一の実施の形態のみによって実現されることを示唆するものではない。むしろ、特徴及び利点についての説明は、一つの実施の形態とともに説明される具体的な特徴、利点または特性が、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含まれることを示唆する。従って、本明細書を通じた特徴若しくは利点についての説明、及び類似の説明は、同一の実施の形態を参照することとする。
【００１８】
さらに、以下で説明する本発明の特徴、利点及び特性は、一または複数の実施の形態において好適に組み合わせることができる。当業者にとっては、特定の実施の形態に係る、一以上の具体的な特徴または利点を省略しても本発明を実施することが可能である点は自明である。別の観点からすると、特定の実施の形態から考えられる追加の特徴及び利点については、本発明の全ての実施の形態において具体的に説明されていない場合もある。
【００１９】
「一の実施の形態」、「ある実施の形態」またはこれらと類似の語による参照については、実施の形態とともに説明する特定の特徴、構成または特性が、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含まれていることを示唆するものである。従って、本明細書を通じて登場する「一の実施の形態においては」、「ある実施の形態においては」、またはこれらと類似の語は、同一の実施の形態を参照するものとする。
【００２０】
以下の説明においては、数々の具体的な詳細が本発明の実施の形態の理解を容易にするために説明される。しかしながら、当業者にとっては、一以上の具体的な詳細なしに、あるいは、他の方法、構成要素、部材等がなくても本発明が実施できることは自明である。別の観点からすると、例えば真空源のような公知の構成、材料、または動作については図示または詳細な説明を省略し、本発明の観点を明瞭にするようにする。
【００２１】
図１〜４に外傷治療具１０を示す。外傷治療具１０は、裏打ち部材１２を備え、この裏打ち部材１２は、エッジ１４と第一の側面１６と、第二の側面１８とを備え、この第一の側面１６は、接着剤を有する。本発明によれば、様々な形状、例えば、円形、楕円形、四角形、長方形を採用することができるが、これらに限定されるものではない。裏打ち部材１２は、フレキシブルで、治療具１０を外傷の輪郭に沿って適切な位置に配置することができるようにする。加えて、裏打ち部材１２は、半浸透性であることが好ましい。ここで、「半浸透性」という語は、当業者にとって自明なように、裏打ち部材が通気性を備えていて、この通気性が、好適な治療に対して陰圧を維持することを妨げない程度のものである、ことを意味する。
【００２２】
裏張り３４は、裏打ち部材１２の第一の側面１６の一部に取り外し可能に取り付けられる。好適な実施の形態においては、第二の裏張り５０と第三の裏張り５２とは、それぞれ、エッジ１４の一部に取り付けられる。これにより、治療具１０の瞬時の配置及び使用が容易となる。例えば、裏張り３４は、取り外すことができる。治療具１０を配置する際に、治療を施す者または患者は、第二の裏張り５０及び第三の裏張り５２を用いて、第一の側面１６の接着剤に触ることなく、治療具１０を配置することができる。
【００２３】
裏打ち部材１８には、ポート開口２０が設けられている。ポート開口２０は、任意の形状及び寸法を採用することができる。本発明のある実施の形態においては、このポート開口２０内にアダプタ２８が配置される。本発明の好適な実施の形態においては、液体非浸透性膜５４がアダプタ２８に接して配置される。この液体非浸透性膜５４は、液体その他の滲出液が、治療具１０から陰圧源へと流れることを防止するためのものである。好適な実施の形態においては、液体非浸透性膜５４は、ゴアテックス（登録商標）から構成されるが、その他の部材を用いることも可能である。
【００２４】
チューブ３０は、アダプタ２８とコネクタ３２との間を連通させる。コネクタ３２は、陰圧源（図示せず）に（直接的または間接的に）接続される。チューブ３０は、コネクタ３２がアダプタ２８及び／またはポート開口２０から離間して配置されるようにするのに十分な長さを有する。非ねじれ式のチューブ部材を用いることができる。アダプタ２８、チューブ３０、及びコネクタ３２は、それぞれ、一または複数の接続構造を構成する。コネクタ３２をポート開口２０から離間させることにより、患者に対する治療具の快適さが向上すると考えられる。これは、治療具とポンプとの間の接続を、ガーゼ、または、治療具の周囲に典型的に巻かれている物（ラッピングマテリアル）、例えばウナブート（Ｕｎｎａ Ｂｏｏｔ）、コーバン（ＣＯＢＡＮ、登録商標）の下に配置する必要がなくなるからである。加えて、ポンプと治療具との間の接続を遮断する必要がある場合、ラッピングマテリアルを除去する必要がない。
【００２５】
図１〜４に戻り、吸着性パッド２２が、裏打ち部材１２の第一の側面１６に隣接して配置される。吸着性パッド２２は、外傷からの滲出液及び液体を吸収することができるとともに、治療具が外傷へ陰圧を供給することを可能にする。吸着性パッド２２は、例えば、スポンジ、発泡材、繊維、ウィッキング繊維（ｗｉｃｋｉｎｇ ｆｉｂｅｒ）、中空繊維、ビーズ、織物またはガーゼ等の材料、様々な態様の超吸収性ポリマー、吸収性発泡材等の超吸収性部材、カルボン酸ナトリウムメチルセルロース等のゲル材、充填材料、及び／またはこれらの組み合わせから形成される。吸着性パッド２２は、ポンプから外傷への陰圧の連通を許容するようにするために、ポート開口２０の下に配置される。「〜の下」という語は、治療具１０を上部から見た際に（例えば、図２のように）、吸着性パッド２２の一部がポート開口２０のすぐ下に配置されていることを意味する。さらに、吸着性パッド２２は、ポート開口２０の直下に配置されている必要はなく、例えば、これらの間に他の構成要素が配置されていてもよい。
【００２６】
ポート開口２０に加えて、治療具１０は、少なくとも一つの視認用穴５６を裏打ち部材１２に有する。吸着性パッド２２が、外傷からの滲出液及び液体を保持するので、治療を施す者または患者は、この視認用穴５６を介して、吸着性パッド２２が飽和したか否かを判別することができる。かかる視認用穴５６は、外傷とポート穴２０との間に配置されることが好ましい。加えて、裏打ち部材が不透明なので、半透明な部材を視認用穴５６上に配置して、滲出液が漏洩しないようにすることが好ましい。
【００２７】
さらに、治療具１０は、外傷接触層２６またはその他これに類似の構造を有し、かかる外傷接触層２６は、吸着性パッド２２の一部の周囲に配置される。外傷接触層２６は、上皮形成を許容するとともに、治療具に外傷の組織がくっつくことを防止する。一の実施の形態においては、外傷接触層２６は、例えば、現在一般的に流通している、シルベリオン（ＳＩＬＶＥＲＩＯＮ）（登録商標）として知られている銀メッキがされたメッシュから構成される。
【００２８】
ガスケット２４は、裏打ち部材１２上に配置され、より具体的には、その接着剤によって裏打ち部材１２の第一の側面１６上に配置される。ガスケット２４は、裏打ち部材１２のエッジ１４と、吸着性パッド２２との間で離間して配置される。ガスケット２４は、吸着性パッド２２のすぐ近傍に配置されてもよい。
【００２９】
ガスケット２４は、３〜５ミルの厚さを有し、また、約３／８インチの幅を有する。
【００３０】
本発明の一の実施の形態においては、ガスケット２４は、ヒドロゲルである。かかる材料は、現在、（米国の）アイオワ州デモイン市にあるカテコ社から利用可能である。ガスケット２４は、皮膚に対して生体適合性のある材料から構成されることが好ましい。加えて、ガスケット２４の材料は、皮膚に対して軽く接着するものであるが、裏打ち部材の接着剤と同様に皮膚に接着するものではない。また、ガスケット２４の材料は、軽度の流動性を有するものである。さらに、ガスケット２４の材料は、通常の医療機器殺菌処理に対して非反応性のものである。かかる材料の他の例としては、シリコンゲルが挙げられるが、シリコンゲルを用いるのは、現在のところ、非常に高価である。
【００３１】
ガスケット２４及び吸着性パッド２２は、（相対的に）同一の輪郭（shape）を有することが好ましい。最も好ましい輪郭（shape）は、楕円形である。また、ガスケット２４は、外傷全体を覆うサイズに形成されていることが最も重要である。
【００３２】
かかるガスケット２４は、空気圧の漏洩を最小限にし、これによって治療具の効率を向上させる。
【００３３】
上述した治療具に加えて、本発明の実施の形態は、外傷治療具を形成する方法に関する。かかる方法は、ポート開口を接着性基材に形成するステップと、このポート開口を、ガスケット部材を取り付ける際の基準点とするステップと、所定の厚さを有するとともに所定の形状に形成されたガスケット部材をポート開口の周囲から所定の距離を置いて配置するステップと、接着性基材に裏張りを取り付けるステップと、接着性基材を巻き取るステップと、を含む。
【００３４】
ポート開口を接着性基材に形成するステップは、パンチング、切削、スライス、除去、その他の動作によって接着性基材にポート開口を形成することを含む。接着性基材は、上述した裏打ち部材であってもよい。
【００３５】
ポート開口を基準点として用いることは、ポート開口の位置を、ガスケット部材をどこに配置すべきかを決定するための位置として用いることである。ガスケット部材をどこに配置するか決めた後は、ガスケット部材は、ポート開口から離間して、所定の形状に配置される。ガスケット部材は、流し込み（ｂｅｉｎｇ ｐｏｕｒｅｄ）によって配置されてもよい。加えて、ガスケットは、任意の形状及び厚さで形成されてもよい。
【００３６】
裏張りは、接着性基材に取り付けられ、この接着性基材と裏張りとの組み合わせは、巻き回されて保管される。かかる結果である接着性基材と裏張りとの組み合わせは、複数の外傷治療具のそれぞれとしてカットされ、さらなるステップである、吸着性パッド及び／またはアダプタの取り付けがなされる。
【００３７】
上述した方法は、さらに、第二の裏張り及び第三の裏張りを、それぞれ、上述したように、接着性基材のエッジの一部に設けるステップを含む。
【００３８】
使用後は、通常、外傷治療具は、外傷からの滲出液及び液体等の身体的な汚物を含んでいるので、外傷治療具は、使い捨て式であり、従って、その製造コストを低減することは有益でありかつ望ましい。加えて、その生産性を向上させることが望ましい。
【００３９】
現在のところ、上述した外傷治療具は、混合方式の方法によって製造され、かかる方法は、機械によって実行されるステップと、人間の手によって行われるステップとを含む。かかるプロセスは、ガスケット用に、保管してある材料を取り出し、この材料をカットした後、ガスケットを、手で裏打ち部材上に配置している。しかしながら、かかる製造方法の全体が、機械によって行われたり、人間の手によって行われたり、あるいは混合的に行われてもよい。
【００４０】
さらなる詳細な説明がなくとも、当業者にとっては、本発明についての上述した説明を最大限拡張することが可能であることは自明である。本明細書で開示する例及び実施の形態は、説明のためのものであり、いかなる場合にも本発明の技術的範囲を制限するためのものではない。上述した開示の原理から逸脱することなく、様々な変更が可能であることは、当業者にとって自明である。換言すると、特に上述した実施の形態についての様々な応用及び改良は、添付の特許請求の範囲に含まれている。ミーンズプラスファンクション式に記載した構成要素については、米国特許法第１１２条、第６項に従って解釈されるべきものである。従って、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によって画定されるべきである。
【００４１】
本出願は、２００８年５月２７日に出願された米国仮特許出願第６１／１２８９５７号に基づく優先権を主張し、その開示内容を本明細書に取り込む。本出願に係る発明は、主に、本出願人の米国仮特許第２００７／０２６５５８５号及び２００７／０２６５５８６号の主題に関するものである。
【符号の説明】
【００４２】
１０ 外傷治療具
１２ 裏打ち部材
２０ ポート開口
２２ 吸着性パッド
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主に、様々な慢性及び急性の外傷を治療することが可能な外傷治療具及び方法に関し、かかる外傷には、感染性の外傷、静脈性潰瘍、動脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、火傷、切断傷、手術創傷等が含まれるが、これらに限定されるものではない。特に、本発明は、陰圧式治療を行う外傷治療具及び方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
陰圧式治療は、医師による様々な外傷の治療に用いられる手法の一つである。従来の陰圧式治療具は、一般に、大型で、また吸引ポンプ、真空ポンプ、複雑な電気式コントローラ等の面倒な備品の使用を必要としていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
陰圧式治療具（例えば、包帯）は陰圧を用いるので、その漏洩の可能性をできる限り低くすることが望ましく、これによって患者及び／または外傷へのダメージ、あるいは、患者及び／または外傷への不必要な長期的なダメージを防止することができる。
【０００４】
加えて、陰圧式治療具（例えば、包帯）は、一般的には、ガーゼ、帯具、圧縮式のタイツ等とともに巻かれるので、ポンプと陰圧治療具との間の接続点が陰圧式治療具から離間した位置に配置されることが望ましくまた有用である。これにより、患者の快適さを向上するとともに、陰圧式治療具が巻かれている間、当該陰圧式治療具へのアクセスを制限することができる。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の実施の形態によれば、外傷治療具は、裏打ち部材と、この裏打ち部材に配置されたポート開口と、裏打ち部材の第一の側面に配置された吸着性パッドであって、この吸着性パッドの一部がポート開口の下に配置された吸着性パッドと、裏打ち部材に、吸着性パッドとエッジとの間で離間するように配置されたガスケットと、を備える。
【０００６】
ガスケットの使用及びその配置により、圧力の漏洩の可能性が低減される。これにより、陰圧式外傷治療具の効率及び有用性が向上する。
【０００７】
本発明の他の実施の形態によれば、ガスケットは、ヒドロゲルから構成される。
【０００８】
本発明の別の実施の形態によれば、外傷治療具は、さらに、吸着性パッドの露出部分の周囲に配置された銀めっきメッシュ等の外傷接触層を備える。
【０００９】
本発明のさらに別の実施の形態によれば、外傷治療具は、裏打ち部材と、この裏打ち部材に配置されるポート開口であって、アダプタが当該ポート開口内に配置されてチューブと連通し、当該チューブが当該コネクタが当該ポート開口から離間して配置されるようにする長さを有するポート開口と、前記裏打ち部材の前記第一の側面に配置される吸着性パッドであって、吸着性パッドの一部が前記ポート開口の下に配置される吸着性パッドと、前記裏打ち部材上に、前記吸着性パッドと前記エッジとの間で離間するように配置されるガスケットと、を備える。
を備える
【００１０】
ポート開口から離間したコネクタを用いることにより、患者の快適さが向上し、陰圧式治療具を覆う帯具の取り外しの際にコネクタへアクセスする必要がなくなる。
【００１１】
本発明の他の観点によれば、外傷治療具を形成するための方法が提供され、かかる方法は、接着性基材にポート開口を形成するステップと、前記ポート開口を、ガスケット部材を取り付ける際の基準点として用いるステップと、所定の厚み及び所定の形状を有する前記ガスケット部材を、前記ポート開口の周囲から所定の距離を置いて配置するステップと、前記接着性基材に裏張りを取り付けるステップと、前記接着性基材を巻き取るステップと、を備える。
【００１２】
本発明の別の観点によれば、外傷治療具を形成する方法は、ガスケット部材を流し込みにより塗布するステップをさらに備える。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、患者の快適さを向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施の形態に係る外傷治癒具の断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に係る外傷治癒具の上面図である。
【図３】本発明の実施の形態に係る外傷治癒具の分解図である。
【図４】本発明の実施の形態に係る外傷治癒具の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下の実施の形態に係る、後述するとともに図示する構成要素については、様々な異なる態様に変更可能である。従って、図示する様々な実施の形態についての以下の詳細な説明は、本発明の技術的範囲を限定するためのものではなく、以下の実施の形態の説明のためだけのものである。後述する実施の形態の応用が図面によって示唆されているが、当該図面は、特に断りがない限り、縮尺を示すものではない。
【００１６】
本発明は、その技術的範囲から逸脱しない限り、様々な態様で具現することができる。後述する実施の形態は、説明のためのものであり、制限的なものではない。従って、本発明の技術的範囲は、以下の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と均等な範囲での変更についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【００１７】
本明細書を通じた特徴、利点または類似の説明についての参照は、本発明のすべての特徴及び利点がある単一の実施の形態のみによって実現されることを示唆するものではない。むしろ、特徴及び利点についての説明は、一つの実施の形態とともに説明される具体的な特徴、利点または特性が、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含まれることを示唆する。従って、本明細書を通じた特徴若しくは利点についての説明、及び類似の説明は、同一の実施の形態を参照することとする。
【００１８】
さらに、以下で説明する本発明の特徴、利点及び特性は、一または複数の実施の形態において好適に組み合わせることができる。当業者にとっては、特定の実施の形態に係る、一以上の具体的な特徴または利点を省略しても本発明を実施することが可能である点は自明である。別の観点からすると、特定の実施の形態から考えられる追加の特徴及び利点については、本発明の全ての実施の形態において具体的に説明されていない場合もある。
【００１９】
「一の実施の形態」、「ある実施の形態」またはこれらと類似の語による参照については、実施の形態とともに説明する特定の特徴、構成または特性が、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含まれていることを示唆するものである。従って、本明細書を通じて登場する「一の実施の形態においては」、「ある実施の形態においては」、またはこれらと類似の語は、同一の実施の形態を参照するものとする。
【００２０】
以下の説明においては、数々の具体的な詳細が本発明の実施の形態の理解を容易にするために説明される。しかしながら、当業者にとっては、一以上の具体的な詳細なしに、あるいは、他の方法、構成要素、部材等がなくても本発明が実施できることは自明である。別の観点からすると、例えば真空源のような公知の構成、材料、または動作については図示または詳細な説明を省略し、本発明の観点を明瞭にするようにする。
【００２１】
図１〜４に外傷治療具１０を示す。外傷治療具１０は、裏打ち部材１２を備え、この裏打ち部材１２は、エッジ１４と第一の側面１６と、第二の側面１８とを備え、この第一の側面１６は、接着剤を有する。本発明によれば、様々な形状、例えば、円形、楕円形、四角形、長方形を採用することができるが、これらに限定されるものではない。裏打ち部材１２は、フレキシブルで、治療具１０を外傷の輪郭に沿って適切な位置に配置することができるようにする。加えて、裏打ち部材１２は、半浸透性であることが好ましい。ここで、「半浸透性」という語は、当業者にとって自明なように、裏打ち部材が通気性を備えていて、この通気性が、好適な治療に対して陰圧を維持することを妨げない程度のものである、ことを意味する。
【００２２】
裏張り３４は、裏打ち部材１２の第一の側面１６の一部に取り外し可能に取り付けられる。好適な実施の形態においては、第二の裏張り５０と第三の裏張り５２とは、それぞれ、エッジ１４の一部に取り付けられる。これにより、治療具１０の瞬時の配置及び使用が容易となる。例えば、裏張り３４は、取り外すことができる。治療具１０を配置する際に、治療を施す者または患者は、第二の裏張り５０及び第三の裏張り５２を用いて、第一の側面１６の接着剤に触ることなく、治療具１０を配置することができる。
【００２３】
裏打ち部材１８には、ポート開口２０が設けられている。ポート開口２０は、任意の形状及び寸法を採用することができる。本発明のある実施の形態においては、このポート開口２０内にアダプタ２８が配置される。本発明の好適な実施の形態においては、液体非浸透性膜５４がアダプタ２８に接して配置される。この液体非浸透性膜５４は、液体その他の滲出液が、治療具１０から陰圧源へと流れることを防止するためのものである。好適な実施の形態においては、液体非浸透性膜５４は、ゴアテックス（登録商標）から構成されるが、その他の部材を用いることも可能である。
【００２４】
チューブ３０は、アダプタ２８とコネクタ３２との間を連通させる。コネクタ３２は、陰圧源（図示せず）に（直接的または間接的に）接続される。チューブ３０は、コネクタ３２がアダプタ２８及び／またはポート開口２０から離間して配置されるようにするのに十分な長さを有する。非ねじれ式のチューブ部材を用いることができる。アダプタ２８、チューブ３０、及びコネクタ３２は、それぞれ、一または複数の接続構造を構成する。コネクタ３２をポート開口２０から離間させることにより、患者に対する治療具の快適さが向上すると考えられる。これは、治療具とポンプとの間の接続を、ガーゼ、または、治療具の周囲に典型的に巻かれている物（ラッピングマテリアル）、例えばウナブート（Ｕｎｎａ Ｂｏｏｔ）、コーバン（ＣＯＢＡＮ、登録商標）の下に配置する必要がなくなるからである。加えて、ポンプと治療具との間の接続を遮断する必要がある場合、ラッピングマテリアルを除去する必要がない。
【００２５】
図１〜４に戻り、吸着性パッド２２が、裏打ち部材１２の第一の側面１６に隣接して配置される。吸着性パッド２２は、外傷からの滲出液及び液体を吸収することができるとともに、治療具が外傷へ陰圧を供給することを可能にする。吸着性パッド２２は、例えば、スポンジ、発泡材、繊維、ウィッキング繊維（ｗｉｃｋｉｎｇ ｆｉｂｅｒ）、中空繊維、ビーズ、織物またはガーゼ等の材料、様々な態様の超吸収性ポリマー、吸収性発泡材等の超吸収性部材、カルボン酸ナトリウムメチルセルロース等のゲル材、充填材料、及び／またはこれらの組み合わせから形成される。吸着性パッド２２は、ポンプから外傷への陰圧の連通を許容するようにするために、ポート開口２０の下に配置される。「〜の下」という語は、治療具１０を上部から見た際に（例えば、図２のように）、吸着性パッド２２の一部がポート開口２０のすぐ下に配置されていることを意味する。さらに、吸着性パッド２２は、ポート開口２０の直下に配置されている必要はなく、例えば、これらの間に他の構成要素が配置されていてもよい。
【００２６】
ポート開口２０に加えて、治療具１０は、少なくとも一つの視認用穴５６を裏打ち部材１２に有する。吸着性パッド２２が、外傷からの滲出液及び液体を保持するので、治療を施す者または患者は、この視認用穴５６を介して、吸着性パッド２２が飽和したか否かを判別することができる。かかる視認用穴５６は、外傷とポート穴２０との間に配置されることが好ましい。加えて、裏打ち部材が不透明なので、半透明な部材を視認用穴５６上に配置して、滲出液が漏洩しないようにすることが好ましい。
【００２７】
さらに、治療具１０は、外傷接触層２６またはその他これに類似の構造を有し、かかる外傷接触層２６は、吸着性パッド２２の一部の周囲に配置される。外傷接触層２６は、上皮形成を許容するとともに、治療具に外傷の組織がくっつくことを防止する。一の実施の形態においては、外傷接触層２６は、例えば、現在一般的に流通している、シルベリオン（ＳＩＬＶＥＲＩＯＮ）（登録商標）として知られている銀メッキがされたメッシュから構成される。
【００２８】
ガスケット２４は、裏打ち部材１２上に配置され、より具体的には、その接着剤によって裏打ち部材１２の第一の側面１６上に配置される。ガスケット２４は、裏打ち部材１２のエッジ１４と、吸着性パッド２２との間で離間して配置される。ガスケット２４は、吸着性パッド２２のすぐ近傍に配置されてもよい。
【００２９】
ガスケット２４は、３〜５ミルの厚さを有し、また、約３／８インチの幅を有する。
【００３０】
本発明の一の実施の形態においては、ガスケット２４は、ヒドロゲルである。かかる材料は、現在、（米国の）アイオワ州デモイン市にあるカテコ社から利用可能である。ガスケット２４は、皮膚に対して生体適合性のある材料から構成されることが好ましい。加えて、ガスケット２４の材料は、皮膚に対して軽く接着するものであるが、裏打ち部材の接着剤と同様に皮膚に接着するものではない。また、ガスケット２４の材料は、軽度の流動性を有するものである。さらに、ガスケット２４の材料は、通常の医療機器殺菌処理に対して非反応性のものである。かかる材料の他の例としては、シリコンゲルが挙げられるが、シリコンゲルを用いるのは、現在のところ、非常に高価である。
【００３１】
ガスケット２４及び吸着性パッド２２は、（相対的に）同一の輪郭（shape）を有することが好ましい。最も好ましい輪郭（shape）は、楕円形である。また、ガスケット２４は、外傷全体を覆うサイズに形成されていることが最も重要である。
【００３２】
かかるガスケット２４は、空気圧の漏洩を最小限にし、これによって治療具の効率を向上させる。
【００３３】
上述した治療具に加えて、本発明の実施の形態は、外傷治療具を形成する方法に関する。かかる方法は、ポート開口を接着性基材に形成するステップと、このポート開口を、ガスケット部材を取り付ける際の基準点とするステップと、所定の厚さを有するとともに所定の形状に形成されたガスケット部材をポート開口の周囲から所定の距離を置いて配置するステップと、接着性基材に裏張りを取り付けるステップと、接着性基材を巻き取るステップと、を含む。
【００３４】
ポート開口を接着性基材に形成するステップは、パンチング、切削、スライス、除去、その他の動作によって接着性基材にポート開口を形成することを含む。接着性基材は、上述した裏打ち部材であってもよい。
【００３５】
ポート開口を基準点として用いることは、ポート開口の位置を、ガスケット部材をどこに配置すべきかを決定するための位置として用いることである。ガスケット部材をどこに配置するか決めた後は、ガスケット部材は、ポート開口から離間して、所定の形状に配置される。ガスケット部材は、流し込み（ｂｅｉｎｇ ｐｏｕｒｅｄ）によって配置されてもよい。加えて、ガスケットは、任意の形状及び厚さで形成されてもよい。
【００３６】
裏張りは、接着性基材に取り付けられ、この接着性基材と裏張りとの組み合わせは、巻き回されて保管される。かかる結果である接着性基材と裏張りとの組み合わせは、複数の外傷治療具のそれぞれとしてカットされ、さらなるステップである、吸着性パッド及び／またはアダプタの取り付けがなされる。
【００３７】
上述した方法は、さらに、第二の裏張り及び第三の裏張りを、それぞれ、上述したように、接着性基材のエッジの一部に設けるステップを含む。
【００３８】
使用後は、通常、外傷治療具は、外傷からの滲出液及び液体等の身体的な汚物を含んでいるので、外傷治療具は、使い捨て式であり、従って、その製造コストを低減することは有益でありかつ望ましい。加えて、その生産性を向上させることが望ましい。
【００３９】
現在のところ、上述した外傷治療具は、混合方式の方法によって製造され、かかる方法は、機械によって実行されるステップと、人間の手によって行われるステップとを含む。かかるプロセスは、ガスケット用に、保管してある材料を取り出し、この材料をカットした後、ガスケットを、手で裏打ち部材上に配置している。しかしながら、かかる製造方法の全体が、機械によって行われたり、人間の手によって行われたり、あるいは混合的に行われてもよい。
【００４０】
さらなる詳細な説明がなくとも、当業者にとっては、本発明についての上述した説明を最大限拡張することが可能であることは自明である。本明細書で開示する例及び実施の形態は、説明のためのものであり、いかなる場合にも本発明の技術的範囲を制限するためのものではない。上述した開示の原理から逸脱することなく、様々な変更が可能であることは、当業者にとって自明である。換言すると、特に上述した実施の形態についての様々な応用及び改良は、添付の特許請求の範囲に含まれている。ミーンズプラスファンクション式に記載した構成要素については、米国特許法第１１２条、第６項に従って解釈されるべきものである。従って、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によって画定されるべきである。
【００４１】
本出願は、２００８年５月２７日に出願された米国仮特許出願第６１／１２８９５７号に基づく優先権を主張し、その開示内容を本明細書に取り込む。本出願に係る発明は、主に、本出願人の米国仮特許第２００７／０２６５５８５号及び２００７／０２６５５８６号の主題に関するものである。
【符号の説明】
【００４２】
１０ 外傷治療具
１２ 裏打ち部材
２０ ポート開口
２２ 吸着性パッド
【特許請求の範囲】
【請求項１】
エッジ、第一の側面および第二の側面とから画定される形状を有し、当該第一の側面の下の陰圧を維持する裏打ち部材と、
前記裏打ち部材に配置されるポート開口と、
陰圧源から前記裏打ち部材の第一の側面に陰圧を供給する前記ポート開口に、少なくとも部分的に重なるように配置されるアダプタと、
前記裏打ち部材の第一の側面のすぐ下に配置される吸収性部材と、
前記裏打ち部材の第二の側面から前記吸収性部材を見られるように、当該吸収性部材の上に配置される少なくとも一つの視認用穴と、
を備えることを特徴とする、陰圧を用いて外傷を治療するための外傷治療具。
【請求項２】
前記吸収性部材の上に配置され、滲出液が陰圧源へと流れることを防止する液体非浸透性膜をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項３】
前記液体非浸透性膜は、前記アダプタに接して配置されることを特徴とする請求項２に記載の外傷治療具。
【請求項４】
前記アダプタに連結される陰圧源をさらに備えることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の外傷治療具。
【請求項５】
前記アダプタに連結され、陰圧源と液体連通されるチューブをさらに備えることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の外傷治療具。
【請求項６】
前記吸収部材の上に配置され、滲出液が前記チューブへと流れることを防止する液体非浸透性膜をさらに備えることを特徴とする請求項２に記載の外傷治療具。
【請求項７】
前記少なくとも一つの視認用穴は、透明な部材で覆われることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項８】
前記少なくとも一つの視認用穴は、半透明な部材で覆われることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項９】
少なくとも三つの視認用穴を備えることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１０】
前記少なくとも一つの視認用穴は、円形であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１１】
二つ以上の視認用穴を備え、当該視認用穴は、一定のパターンに配列されることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１２】
二つ以上の視認用穴を備え、当該視認用穴は、無秩序に配列されることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１３】
前記裏打ち部材は、不透明であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１４】
前記少なくとも一つの視認用穴は、裏打ち部材に配置されることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１５】
前記視認用穴は、前記吸収性部材の飽和状態のレベルに基づいて色を変化させることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１６】
前記裏打ち部材の第一の側面の少なくとも一部のすぐ下に配置される外傷接触層をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１７】
前記裏打ち部材の第一の側面は、接着剤を有することを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１８】
前記裏打ち部材の第一の側面に取り外し可能に取り付けられる一つ以上の裏張りをさらに備えることを特徴とする請求項１７に記載の外傷治療具。
【請求項１９】
前記裏打ち部材は、円形であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項２０】
前記裏打ち部材は、四角形であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項２１】
前記裏打ち部材は、楕円形であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項２２】
前記吸収性部材は、吸着性パッドからなることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項２３】
前記吸着性パッドは、超吸収性ポリマーを有することを特徴とする請求項２２に記載の外傷治療具。
【請求項２４】
外傷の上の陰圧を維持する包帯であって、
外傷接触層と、
前記外傷接触層上の吸収性部材と、
前記吸収性部材を覆い、当該吸収性部材を見られる少なくとも一つの視認用穴を有する不透明な部材と、
を備える包帯と、
陰圧源から当該包帯へと陰圧を連通させる当該不透明な部材の上のポートと、
を備えることを特徴とする、陰圧を用いて外傷を治療するための外傷治療具。
【請求項２５】
前記包帯は、少なくとも一つの視認用穴の上に、半透明な部材をさらに備えることを特徴とする請求項２４に記載の外傷治療具。
【請求項２６】
前記包帯は、少なくとも一つの視認用穴の上に半透明な部材を備える裏打ち部材をさらに備えることを特徴とする請求項２４に記載の外傷治療具。
【請求項２７】
前記ポートは、前記不透明な部材の開口部の上に設けられることを特徴とする請求項２４に記載の外傷治療具。
【請求項２８】
前記不透明な部材は、少なくとも三つの視認用穴を有することを特徴とする請求項２４に記載の外傷治療具。
【請求項２９】
外傷治療具の飽和状態レベルを決定する方法であって、
吸着性パッドを備える包帯を外傷の上に置くこと、
当該吸着性パッド上に配置されたポートを介して当該包帯に陰圧を与えること、
当該吸着性パッド内の外傷滲出液を吸収すること、
当該吸着性パッド上に設けられた少なくとも一つの視認用穴を介して、当該吸着性パッドの飽和状態をモニタリングすること、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項３０】
前記吸着性パッド上に設けられた少なくとも三つの視認用穴を介して、当該吸着性パッドの飽和状態をモニタリングすること、を備えることを特徴とする請求項２９に記載の方法。
【請求項３１】
前記少なくとも一つの視認用穴は、透明または半透明な部材で覆われることを特徴とする請求項２９に記載の方法。
【請求項３２】
前記包帯は前記吸着性パッドを覆う不透明な部材を備え、前記少なくとも一つの視認用穴は当該不透明な部材に広がる、ことを特徴とする請求項２９に記載の方法。
【請求項３３】
液体非浸透性膜を用いて液体が前記包帯から陰圧源へと流れることを防止すること、をさらに備えることを特徴とする請求項２９に記載の方法。
【請求項１】
エッジ、第一の側面および第二の側面とから画定される形状を有し、当該第一の側面の下の陰圧を維持する裏打ち部材と、
前記裏打ち部材に配置されるポート開口と、
陰圧源から前記裏打ち部材の第一の側面に陰圧を供給する前記ポート開口に、少なくとも部分的に重なるように配置されるアダプタと、
前記裏打ち部材の第一の側面のすぐ下に配置される吸収性部材と、
前記裏打ち部材の第二の側面から前記吸収性部材を見られるように、当該吸収性部材の上に配置される少なくとも一つの視認用穴と、
を備えることを特徴とする、陰圧を用いて外傷を治療するための外傷治療具。
【請求項２】
前記吸収性部材の上に配置され、滲出液が陰圧源へと流れることを防止する液体非浸透性膜をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項３】
前記液体非浸透性膜は、前記アダプタに接して配置されることを特徴とする請求項２に記載の外傷治療具。
【請求項４】
前記アダプタに連結される陰圧源をさらに備えることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の外傷治療具。
【請求項５】
前記アダプタに連結され、陰圧源と液体連通されるチューブをさらに備えることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の外傷治療具。
【請求項６】
前記吸収部材の上に配置され、滲出液が前記チューブへと流れることを防止する液体非浸透性膜をさらに備えることを特徴とする請求項２に記載の外傷治療具。
【請求項７】
前記少なくとも一つの視認用穴は、透明な部材で覆われることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項８】
前記少なくとも一つの視認用穴は、半透明な部材で覆われることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項９】
少なくとも三つの視認用穴を備えることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１０】
前記少なくとも一つの視認用穴は、円形であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１１】
二つ以上の視認用穴を備え、当該視認用穴は、一定のパターンに配列されることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１２】
二つ以上の視認用穴を備え、当該視認用穴は、無秩序に配列されることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１３】
前記裏打ち部材は、不透明であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１４】
前記少なくとも一つの視認用穴は、裏打ち部材に配置されることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１５】
前記視認用穴は、前記吸収性部材の飽和状態のレベルに基づいて色を変化させることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１６】
前記裏打ち部材の第一の側面の少なくとも一部のすぐ下に配置される外傷接触層をさらに備えることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１７】
前記裏打ち部材の第一の側面は、接着剤を有することを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項１８】
前記裏打ち部材の第一の側面に取り外し可能に取り付けられる一つ以上の裏張りをさらに備えることを特徴とする請求項１７に記載の外傷治療具。
【請求項１９】
前記裏打ち部材は、円形であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項２０】
前記裏打ち部材は、四角形であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項２１】
前記裏打ち部材は、楕円形であることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項２２】
前記吸収性部材は、吸着性パッドからなることを特徴とする請求項１に記載の外傷治療具。
【請求項２３】
前記吸着性パッドは、超吸収性ポリマーを有することを特徴とする請求項２２に記載の外傷治療具。
【請求項２４】
外傷の上の陰圧を維持する包帯であって、
外傷接触層と、
前記外傷接触層上の吸収性部材と、
前記吸収性部材を覆い、当該吸収性部材を見られる少なくとも一つの視認用穴を有する不透明な部材と、
を備える包帯と、
陰圧源から当該包帯へと陰圧を連通させる当該不透明な部材の上のポートと、
を備えることを特徴とする、陰圧を用いて外傷を治療するための外傷治療具。
【請求項２５】
前記包帯は、少なくとも一つの視認用穴の上に、半透明な部材をさらに備えることを特徴とする請求項２４に記載の外傷治療具。
【請求項２６】
前記包帯は、少なくとも一つの視認用穴の上に半透明な部材を備える裏打ち部材をさらに備えることを特徴とする請求項２４に記載の外傷治療具。
【請求項２７】
前記ポートは、前記不透明な部材の開口部の上に設けられることを特徴とする請求項２４に記載の外傷治療具。
【請求項２８】
前記不透明な部材は、少なくとも三つの視認用穴を有することを特徴とする請求項２４に記載の外傷治療具。
【請求項２９】
外傷治療具の飽和状態レベルを決定する方法であって、
吸着性パッドを備える包帯を外傷の上に置くこと、
当該吸着性パッド上に配置されたポートを介して当該包帯に陰圧を与えること、
当該吸着性パッド内の外傷滲出液を吸収すること、
当該吸着性パッド上に設けられた少なくとも一つの視認用穴を介して、当該吸着性パッドの飽和状態をモニタリングすること、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項３０】
前記吸着性パッド上に設けられた少なくとも三つの視認用穴を介して、当該吸着性パッドの飽和状態をモニタリングすること、を備えることを特徴とする請求項２９に記載の方法。
【請求項３１】
前記少なくとも一つの視認用穴は、透明または半透明な部材で覆われることを特徴とする請求項２９に記載の方法。
【請求項３２】
前記包帯は前記吸着性パッドを覆う不透明な部材を備え、前記少なくとも一つの視認用穴は当該不透明な部材に広がる、ことを特徴とする請求項２９に記載の方法。
【請求項３３】
液体非浸透性膜を用いて液体が前記包帯から陰圧源へと流れることを防止すること、をさらに備えることを特徴とする請求項２９に記載の方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１３−９０９５６（Ｐ２０１３−９０９５６Ａ）
【公開日】平成２５年５月１６日（２０１３．５．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１３−２２７３４（Ｐ２０１３−２２７３４）
【出願日】平成２５年２月７日（２０１３．２．７）
【分割の表示】特願２０１１−５１１６３０（Ｐ２０１１−５１１６３０）の分割
【原出願日】平成２１年５月２７日（２００９．５．２７）
【出願人】（５０８３３５０７１）カリプト メディカル インコーポレーション (6)
【氏名又は名称原語表記】ＫＡＬＹＰＴＯ ＭＥＤＩＣＡＬ， ＩＮＣ．
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月１６日（２０１３．５．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２５年２月７日（２０１３．２．７）
【分割の表示】特願２０１１−５１１６３０（Ｐ２０１１−５１１６３０）の分割
【原出願日】平成２１年５月２７日（２００９．５．２７）
【出願人】（５０８３３５０７１）カリプト メディカル インコーポレーション (6)
【氏名又は名称原語表記】ＫＡＬＹＰＴＯ ＭＥＤＩＣＡＬ， ＩＮＣ．
【Ｆターム（参考）】
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