説明

電動式剪定バサミ

【課題】果樹木の剪定作業時に作業速度を高めることができ、手の疲労感をなくすることができるなど作業の便利性を図ることができる電動式剪定バサミを提供する。
【解決手段】固定刃と稼動刃とを具備して、モータの駆動力にて稼動刃を作動させることで剪定作業を行う電動式剪定バサミにおいて、前記モータの作動のために本体の片側に設置され、稼動接点及び固定接点とで構成される接点スイッチと、指に挟むことができる別途の輪形態からなり、磁石を内装して磁力で接点スイッチの稼動接点と固定接点をくっ付けることで、モータを作動させることができる携帯用作動スイッチと、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動式剪定バサミに関し、更に詳しくは、果樹木の剪定作業時に作業速度を高めることができ、手の疲労感をなくすることができるなど作業の便利性を図ることができる電動式剪定バサミに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、果樹、造景、山林及び花卉用各種作物や樹木の枝打ちのためには剪定バサミ、剪定ノコギリまたは刀などを利用する。
【0003】
通常、剪定バサミは単純に作業者の人力だけに依存するため、多くの作業時間が所要され、作業能力も非常に落ちる。
これを解決するために、モータの駆動力を基盤として作動する電動式剪定バサミに関する機器が多く出仕されている。
このような電動式剪定バサミの刃は、本体に固定された固定刃と稼動刃とで構成され、稼動刃が固定刃上に形成された回転軸を中心として一定区間を反復して動くことで、固定刃と共に剪定作業を行う。
前記稼動刃の反復運動は、モータの回転力により条件なく反復的に行われる。
【0004】
最近では、1回の充電で一定時間連続して使用が可能であり、取り扱いが簡単な携帯用電動式剪定バサミに対する選好度が高くなっているなど、次第に小型化と軽量化を追及するようになってきている。
【0005】
最近の電動式剪定バサミの場合、機能性はもちろん安定性にも重点を置いているが、これにより作動スイッチ以外にも取り扱い時の安全を図るために、別途の安全スイッチを具備しているなど部品追加によってサイズと重量が増加し、結局機器の軽量化及び小型化に不利である。
【0006】
更に、従来の電動式剪定バサミを使用する場合、特にモータの可用な負荷以上の駆動力が要求される枝を切断しようとする場合は、剪定バサミの刃が枝を切断できない場合がある。
この場合、剪定バサミの刃が枝に挟まってしまい、挟まり続けることもあり得る。
このようになると、これ以上の剪定作業が不可能となり得る。
このような状態でモータは継続過負荷状態に置かれるため、モータだけでなく他の部品までも損傷を受ける。
【0007】
このような状況を防止するためにヒューズを使用することもできるが、このような方法が使用者の不便まで除去するわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記のような点を勘案して案出したものであり、本発明の目的は、本体から分離して指に挟んで使用することができる別途の安全スイッチを備えた新しい形態のスイッチ手段を具現する電動式剪定バサミを提供することにある。
【0009】
更に、本発明の別の目的は、剪定作業中の刃が電源の供給にもかかわらず、剪定作業のためのハサミに異常が生じた場合、モータが逆回転するように制御することで、モータの損傷を含む全般的な異常状態を脱することができる電動式剪定バサミを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、固定刃と稼動刃とを具備して、モータの駆動力にて稼動刃を作動させることで剪定作業を行う電動式剪定バサミにおいて、
前記モータの作動のために本体の片側に設置される稼動接点及び固定接点とで構成される接点スイッチと、指に挟むことができる別途の輪形態からなり、磁石を内装して磁力で接点スイッチの稼動接点と固定接点を引っ付けることで、モータを作動させることができる携帯用作動スイッチと、を更に含む電動式剪定バサミを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電動式剪定バサミによると、モータの強力な駆動力を切断する方式であるため、梨の木、リンゴの木はもちろん、木質が固いミカンの木、オレンジの木など全ての果樹の剪定作業に卓越した性能を示すことはもちろん、特に機器の作動のためのスイッチを指に挟んで使用することができる別途の部品形態で構成することで、安全性を確保することができ、何よりも別途のスイッチ採用によって機器本体のサイズを減らすことができるなど、小型化及び軽量化を図ることができる。
【0012】
このように電動式剪定バサミの小型化及び軽量化によって、軽く手の疲労が全くないため、作業の便利性を図ることができる効果がある。
【0013】
更に、剪定作業中に発生するモータ過負荷状態などの異常を解決することで、モータの破損及び故障などを防止することができるなど機器の耐久寿命を延長することができる長所がある。
【0014】
また、電動式剪定バサミの本体下端に磁石が内装された回転リングを設置し、回転リングの回転操作によって剪定作業時にはバッテリーの電源をモータに供給し、剪定バサミを使用しない場合は、電源供給部でバッテリーの電源を遮断することで、ケーブル及び機器本体に電気が入らないようにして、不必要な電力消耗を防止することができる。
【0015】
更に、ホールセンサを通して稼動刃の作動状態を感知して接点スイッチに携帯用作動スイッチを一度付けてからはずす時、1度だけで往復移動させ、保管時に一定時間持続的に携帯用作動スイッチを付ける場合、稼動刃が閉状態となるようにすることで、作業の便利性を図ることができる。
【0016】
また、既存に機器本体と別途に構成されていたコントロールバックスを本体内部に装着することで、全体的な機器のサイズを減らすことができるため、運搬及び取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例による電動式剪定バサミの閉状態を示す図面である。
【図2】図1において剪定バサミの開状態を示す図面である。
【図3】図1において接点スイッチの作動フローを示す概略図である。
【図4】本発明の別の実施例によるホールセンサタイプのスイッチの作動フローを示す概略図である。
【図5】図1において安全手段のオンオフ作動状態を説明するためのA−A断面図である。
【図6】図1において電源供給部の電流フロー図を説明するための図面である。
【図7】図1において第1ホールセンサ及び第2ホールセンサを利用した稼動刃の1回往復回転を説明するための説明図である。
【図8】図1において第1ホールセンサ及び第2ホールセンサを利用した稼動刃の1回往復回転を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面を参照に詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施例による電動式剪定バサミの閉状態を示す図面であり、図2は図1において剪定バサミの開状態を示す図面である。
【0020】
前記電動式剪定バサミは、モータ11及び減速器12とで構成された駆動手段、実質的に剪定作業を行う固定刃13及び稼動刃14、モータ11の作動制御などを担当する制御部19及び電源供給部26、モータ11を作動させるために、オン/オフなどの操作のための携帯用作動スイッチ20などを含む。
【0021】
前記駆動手段は、モータ11及び減速器12とのギア組み合わせにより生成した駆動力で稼動刃14を動かす役割をし、前記固定刃13と稼動刃14は共に一対をなしながら、剪定作業を行う。
【0022】
前記制御部19及び電源供給部26はモータ11などを作動させるための電源を供給し、モータ11が正回転および逆回転機能を行うように、駆動手段に供給される電源を制御する。
【0023】
前記制御部19及び電源供給部26が供給する電源は、充電可能なバッテリー27、または外部の電源を利用することができる。
【0024】
更に、制御部19及び電源供給部26は、剪定作業時の異常可否を判断して駆動手段のモータ11などを含む全般的な剪定バサミの異常状態を脱するように、駆動手段に供給される電源の相を変えることで、稼動刃14が逆に作動するように制御する。
【0025】
これによって、電動式剪定バサミは剪定作業の遂行中に発生する過負荷などの異常状態を自ら検出し、検出結果、過負荷状態と判断される場合、進行中の剪定作業を中断し、モータ11の逆回転駆動を通して稼動刃14を逆に作動させることで、内部モータ11及び電気回路部分の破損などを防止することができる。
【0026】
特に、前記携帯用作動スイッチ20の場合には、電動式剪定バサミ本体10とは別途の部品で構成され、使用時のみに指などに挟んで使用することができるようになっている。
【0027】
例えば、携帯用作動スイッチ20を指に挟んだ状態で本体10に内装された接点スイッチに当てることで、接点スイッチ33のオン作動によってモータ11を駆動させることができる。
【0028】
これは、以前の安全スイッチ及びこれとかかる周辺部品を本体10から削除することができることを意味し、その結果、電動式剪定バサミの全体的なサイズ及び重量を大幅に減らすことができるという利点を得ることができる。
【0029】
このような電動式剪定バサミの構造を更に詳しく説明すると次の通りである。
【0030】
前記電動式剪定バサミの本体10には互いに直結されているモータ11と減速器12が内装設置され、このときのモータ11は本体10の片側に設置されている接点スイッチ33のオン/オフ作動によって電源の供給を受けたり、遮断しながら、駆動または停止される。
【0031】
ここで、前記モータ11は、正/逆回転が可能なモータ11であり、接点スイッチ33のオン時に正方向回転と逆方向回転を反復し、これによって稼動刃14も開と閉を反復しながら剪定作業を行う。
【0032】
前記本体10の上端部は、稼動刃14と固定刃13が広がるように、後述する稼動刃14のギア部16と固定刃13の脚部を包み、本体10の上端内部には長方形形態の支持ブロック22が設置される。このとき、前記支持ブロック22により固定刃13の脚部が支持され、稼動刃14を駆動させるための駆動ギア15の軸部が支持ブロック22により支持される。
【0033】
即ち、前記駆動ギア15は支持ブロック22の内部で多数のベアリングによる支持を受けながら、回転できるように支持され、このように支持される駆動ギア15の軸部が減速器12の軸と連結されることで、モータ11に発生した回転力が減速器12を通して伝達される。
【0034】
実質的に、剪定作業を行う固定刃13と稼動刃14は支持ブロック22の上端部に支持される構造で設置される。
【0035】
例えば、前記固定刃13の両側脚部分が支持ブロック22の上端部に締結設置されて、支持ブロック22が支持体としての役割をし、このように設置される固定刃13の一面に稼動刃14が互いの刃を向かい合う状態でヒンジピン38により固定される。
【0036】
これによって、稼動刃14がヒンジピン38を中心軸として回転しながら固定刃13との対をなして、剪定作業を行うことができる。
【0037】
このような稼動刃14の動きのために、稼動刃14の後端部の一面にはギアが成形された扇形のギア部16が一体に形成され、このときのギア部16がモータ11及び減速器12側の駆動ギア15とかみ合うことで、駆動ギア15とのギア伝動により稼動刃14が回転される。
【0038】
図3は図1において接点スイッチ33の作動フローを示す概略図である。
【0039】
本発明の一実施例はモータ11側に提供される電源を断続する手段として、接点スイッチ33を提供し、接点スイッチ33は本体10の片側に設置される稼動接点33a及び固定接点33bとで構成される。
【0040】
このときの稼動接点33aは、リターンスプリングにより弾力支持を受けた構造となっているため、外力が作用しない状態、例えば、磁力が作用しない状態では、リターンスプリングの復元力により常に固定接点33bから離れ、これは接点スイッチ33のオフ状態であり、モータ11に電源が供給されない。
【0041】
反面、外力が作用する状態、例えば、磁力が作用する状態では、磁力により稼動接点33aが引っ張られながら固定接点33bに付き、これは接点スイッチ33のオン状態であり、モータ11に電源が供給される。
【0042】
本発明で提供する電動式剪定バサミの使用のための作動スイッチ兼安全スイッチの役割を行う携帯用作動スイッチ20は、輪形態からなっているため、作業者の指に挟んで使用することができる。
【0043】
更に、前記携帯用作動スイッチ20は、ゴムのように伸びる繊維材質となっているため、どの指に挟んでも容易に外れず、着用感が良いという長所がある。
【0044】
このような携帯用作動スイッチ20には磁石21が内装されており、このとき磁石21により発生する磁力を利用して、接点スイッチ33の稼動接点33aを固定接点33bまで動かしてくっ付ける。
【0045】
即ち、携帯用作動スイッチ20の磁石21を本体10にある接点スイッチ33側に当てると、金属材質の稼動接点33aが引っ張られながら、固定接点33bとくっ付き、結局制御部19が接点スイッチ33のオン信号の入力を受けてモータ11に電源を供給する。
【0046】
図4は本発明の別の実施例によるホールセンサタイプのスイッチの作動フローを示す概略図である。
【0047】
本発明の別の実施例では、前記接点スイッチ33の代りにホールセンサタイプのスイッチ36を提供することができる。
【0048】
前記ホールセンサタイプのスイッチ36は、内部に板膜35が入っており、前記板膜35は導電性材質であり、磁石21が近接すると磁場により左側または右側に引っ張られて、2枚の板36a,36bのうちいずれか一方に引っ付くことで、電気的にオン信号が発生する。このとき、制御部19は前記電気的信号(オン信号)の入力を受けてモータ11に電源を供給する。
【0049】
このように携帯用作動スイッチ20が電動式剪定バサミの本体10から分離されて別途の部品で構成されることによって、従来の電動式剪定バサミの全体的なサイズ及び重量を大幅に減らすことができるだけでなく、従来のように電動式剪定バサミの本体10に作動スイッチが付着された場合、作動方法を知らない子供がつかんで遊びながら作動スイッチを触ることで発生し得る安全事故の危険を未然に防止することができる。
【0050】
特に、本発明ではモータ11の過負荷を防止することができる手段を提供することで、モータ11や電気配線などが損傷されることを防ぐことができる。
【0051】
このために、固定刃13と稼動刃14との結合のために締結されるヒンジピン38の周囲には、剪定作業時に稼動刃14が枝に刺さるなどの状態により稼動刃14に荷重がかかる場合、即ち、稼動刃14の進行がつかえた状態でモータ11が作動され続ける場合、このときの荷重を感知することができるセンサー部37が設置される。
【0052】
ここで、前記センサー部37は、ストレーンゲージの抵抗変化を測定して力の大きさを電気的信号で検出することができるロードセルであるが、トルクリミットなどのようなセンシング手段を適用することができる。
【0053】
前記制御部19及び電源供給部26は、携帯用作動スイッチ20及び接点スイッチ33によるスイッチング信号によってモータ11の作動を制御することができるが、正常的な剪定作業のための正方向に作動中のモータ11が過負荷状態に該当するなど、剪定バサミの異常状態が発生する場合、即ち、センサー部37で設定値以上の荷重値が感知されて、これが制御部19及び電源供給部26に入力されると、制御部19及び電源供給部26はモータ11に供給される電源の相を変えて、モータ11が逆回転するように制御することで、駆動ギア15が逆に作動して異常状態を脱するようにすることができる。
【0054】
ここで、稼動刃14と連動されるようにセンサー部37を結合設置する方法、稼動刃14の作動と連動させてセンサー部37から検出信号を得る方法、設定値と荷重値を演算処理してモータ11に対する適正制御信号を出力する方法などは、当技術分野で通常的に知られている方法であれば特別に制限されず採択され得る。
【0055】
別の例として、制御部19及び電源供給部26は、モータ11が過負荷状態であるか否かを判断するために、モータ11に供給される電源の電流の強さを感知してあらかじめ設定された範囲内であるか否かを判断することで、モータ11の過負荷状態を判断することもできる。
【0056】
このほかにも、制御部19及び電源供給部26がモータ11の過負荷状態を感知する方法は、モータ11に供給される直流電源の電圧の強さを検出する方法などで多様に具現することができる。
【0057】
前記制御部19及び電源供給部26は、モータ11の作動を全般的に制御する制御部19と、モータ11に電源を供給する電源供給部26を含む。
【0058】
前記制御部19として当技術分野で広く知られている印刷回路基板が使用され、この印刷回路基板は前記センサー部37、接点スイッチ33またはホールセンサタイプのスイッチ36、後述する第1ホールセンサ17、第2ホールセンサ18、及びモータ11と電気的に連結されて電気的制御が可能である。
【0059】
更に、本発明の一実施例による制御部19は、小型化及び軽量化された印刷回路基板として、本体10内部、実質的にモータ11下部に設置されることで、既存のコントロールボックスが本体10と分離されたものと比較すると、全体的なサイズ及び重量が減るため、剪定作業及び運搬が便利であるという長所がある。
【0060】
前記電源供給部26は本体10とは別途に構成され、ケース内に内装されたバッテリー27、基板28(PCB)、リレー29などで構成される。このとき、前記制御部19と電源供給部26はケーブル25及び連結ジャック30により連結される。
【0061】
図5は図1において安全手段のオンオフ作動状態を説明するためのA−A断面図であり、図6は図1において電源供給部26の電流フロー図を説明するための図面である。
【0062】
本発明の一実施例は、本体10の下端に具備された安全手段を提供して電源供給部26でケーブル25に電流が流れないように遮断することで、モータ11の過負荷による部品損傷、本体10内部とケーブル25が通電することによる不必要な電気エネルギーの消耗及び安全事故を未然に防止することができる。
【0063】
このために、前記安全手段は、本体10の下端に設置された固定チューブ24と、固定チューブ24の外側に回転可能となるように支持される回転リング23とで固定され、前記固定チューブ24にはガイド溝が円周方向に形成されて、回転リング23がガイド溝に沿って回転することができる。
【0064】
前記固定チューブ24と回転リング23には、各々鉄部31aと磁石部31bとが一定間隔、例えば、180°の間隔を置き、円周上に設置される。また、前記固定チューブ24の鉄部31aと隣接するように伝導性材質のリードスイッチ32が内側(半径方向基準)に設置され、リードスイッチ32は電源供給部26のリレー29と連結される。
【0065】
このとき、前記電源供給部26でバッテリー27の陰極は、基板28、リレー29及び連結ジャック30に第1電線により連結され、バッテリー27の陽極は、基板28及び連結ジャック30に第2電線により連結される。
【0066】
このような構成による安全手段の作動状態を説明すると次の通りである。
【0067】
前記回転リング23は作業者が必要に応じて左右に回転させることができ、例えば、回転リング23を片側に180°回転させると、回転リング23の磁石部31bが固定チューブ24の鉄部31aに、そして回転リング23の鉄部31aが固定チューブ24の磁石部31bに引っ付くことによって、回転リング23の磁石部31bが、固定チューブ24の鉄部31aに隣接するように設置されたリードスイッチ32の接点を磁気力により互いに連結させて、リードスイッチ32がオンとなる。
【0068】
従って、前記リードスイッチ32のオン信号によりリレー29がオンとなりバッテリー27の電源がケーブル25を通して本体10のモータ11に供給され、モータ11で発生された回転力をギア装置を通して稼動刃14に伝達することで、自動で稼動刃14を動かして剪定作業を実施する。
【0069】
反面、回転リング23を反対方向または同一方向に180°回転させると、回転リング23の磁石部31bが固定チューブ24の磁石部31bに、そして回転リング23の鉄部31aが固定チューブ24の鉄部31aに引っ付くことによって、回転リング23の磁石部31bが、固定チューブ24の鉄部31aに隣接するように設置されたリードスイッチ32から遠くなり磁気力が作用しないため、リードスイッチ32がオフとなる。
【0070】
従って、前記リードスイッチ32のオフ信号によりリレー29がオフとなり、バッテリー27の電源がケーブル25を通電されないことで、電動式剪定作業をしない場合にも、電流がケーブル25を通して本体10に通電されることによる不必要な電力消耗及び安全事故を未然に防止することができる。
【0071】
このように構成された電動式剪定バサミの使用状態を見てみると次の通りである。
【0072】
図1及び図2に図示するように、梨の木、リンゴの木、柿の木、ブドウの木、または木質が固いミカンの木、オレンジの木、柚子の木など果樹木の剪定作業をする場合、まず作業者は輪形態の携帯用作動スイッチ20を指に挟んだ状態で本体10にある接点スイッチ33側に当てると、このときの磁力により接点スイッチ33の稼動接点33aが固定接点33b側にくっつき、これと同時に、モータ11に電源が供給されてモータ11が作動する。
即ち、モータ11が正方向に回転する。
【0073】
このようなモータ11の作動は、減速器12の作動、駆動ギア15と稼動刃14のギア部16間の歯合電動からなり、稼動刃14はヒンジピン38を中心軸として回転し、結局固定刃13と共に果樹木を切断することができるようになる。
【0074】
このとき、モータ11の作動は正方向及び逆方向回転を反復する作動状態を示し、これによって稼動刃14もまた正方向回転または逆方向回転を反復しながら、固定刃13と対を成して剪定作業を行う。
【0075】
もちろん、指に挟んだ携帯用作動スイッチ20を接点スイッチに接触している間は、モータ11の正/逆方向の反復的な作動が1回行われることを基本システムとする。
【0076】
ここで、本発明の一実施例によって携帯用作動スイッチ20を本体10に内装された接点スイッチ33に継続的に当てている間は、モータ11の正/逆方向の反復的な作動が数回行われ、携帯用作動スイッチ20を離す瞬間、モータ11の作動が中断されつつ、稼動刃14の作動もまた止まる。
【0077】
図7及び図8は図1において第1ホールセンサ17及び第2ホールセンサ18を利用した稼動刃14の1回往復回転を説明するための説明図である。
【0078】
更に、本発明の別の実施例は、稼動刃14のギア部16に回転磁石34を埋め込んで設置し、固定刃13に前記回転磁石34の位置を感知する第1及び第2ホールセンサ17,18を設置することで、携帯用作動スイッチ20を接点スイッチ33に当てるとき、稼動刃14が1回だけ往復回転するようにすることができる。
【0079】
このとき、第1及び第2ホールセンサ17,18は、稼動刃14のギア部16に設置された回転磁石34の回転半径両端に対応するように固定刃13の脚部側上端に設置される。
【0080】
例えば、前記回転磁石34が第1ホールセンサ17に移動して第1ホールセンサ17により感知されると、制御部19及び電源供給部26は第1ホールセンサ17から感知信号の入力を受けてモータ11に回転制御信号を送り、モータ11が逆方向に回転することによって稼動刃14が開く。
【0081】
反面、前記回転磁石34が第2ホールセンサ18に移動して第2ホールセンサ18により感知されると、制御部19及び電源供給部26は第2ホールセンサ18から感知信号の入力を受けてモータ11に停止制御信号を送って稼動刃14が開状態で停止される。
【0082】
前記した実施例のように基板の回路変更によって接点スイッチ33に携帯用作動スイッチ20を接触し続けている間、継続的にモータ11が数回反復作動され得る構造に作ることもでき、前記ホールセンサを利用して携帯用作動スイッチ20を本体10にくっ付けてはなすごとに1回だけ往復作動され得る構造に作ることもできる。
【0083】
また別の実施例によって基板の回路を変更して、接点スイッチ33に携帯用作動スイッチ20を一定時間、例えば、3〜4秒間持続的に接触させる場合、稼動刃14が閉状態となるようにすることができる。この場合、前記ホールセンサを利用して稼動刃14の位置を検出してモータ11を制御することで、稼動刃14の作動が可能となる。
【0084】
ここで、モータ11の正方向及び逆方向回転を電気的に制御する方法などは、通常の電動式剪定バサミで採用している電気的制御方法と同様に、当技術分野で通常的に知られている方法ならば、特別に制限せず採択することができる。
【0085】
このように、電動式剪定バサミの作動のためのスイッチ手段を剪定バサミ本体10側に具備せず、別途に具備して別に保管することができるため、子供や未熟練者の不注意などによる剪定バサミの誤作動を源泉的に防ぐことができ、安全事故予防にも大きな効果が見られる。何よりも作動スイッチなどのような追加的な部品を本体10から削除することができるため、剪定バサミのサイズを小型化及び軽量化することができるなど、剪定バサミを使用する時、作業の便利性を図ることができる。
【符号の説明】
【0086】
10 本体
11 モータ
12 減速器
13 固定刃
14 稼動刃
15 駆動ギア
16 ギア部
17 第1ホールセンサ
18 第2ホールセンサ
19 制御部
20 携帯用作動スイッチ
21 磁石
22 支持ブロック
23 回転リング
24 固定チューブ
25 ケーブル
26 電源供給部
27 バッテリー
28 基板
29 リレー
30 連結ジャック
31a 鉄部
31b 磁石部
32 リードスイッチ
33 接点スイッチ
33a 稼動接点
33b 固定接点
34 回転磁石
35 板膜
36 ホールセンサタイプのスイッチ
36a、36b 板
37 ロードセル
38 ヒンジピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定刃と稼動刃とを具備して、モータの駆動力にて稼動刃を作動させることで剪定作業を行う電動式剪定バサミにおいて、
前記モータの作動のために本体の片側に設置され、稼動接点及び固定接点とで構成される接点スイッチと、
指に挟むことができる別途の輪形態からなり、磁石を内装して磁力で接点スイッチの稼動接点と固定接点をくっ付けることで、モータを作動させることができる携帯用作動スイッチと、
を更に含むことを特徴とする電動式剪定バサミ。
【請求項2】
前記接点スイッチの稼動接点は、磁力が作用しない場合、固定接点から離れている位置に復帰できるようにするリターンスプリングを含むことを特徴とする、請求項1記載の電動式剪定バサミ。
【請求項3】
前記稼動刃は、本体に固定されている固定刃と対をなしながら、固定刃の片面にヒンジピンにより回転が可能となるように結合され、前記稼動刃の後端部に形成されている扇形のギア部を通してモニター側の駆動ギアとかみ合うことで作動されて剪定作業を行うことができることを特徴とする、請求項1記載の電動式剪定バサミ。
【請求項4】
前記モータの過負荷を防止するために、稼動刃のヒンジピン締結部位に設置されて、稼動刃にかかる荷重を感知するセンサー部を更に含むことを特徴とする、請求項1または3記載の電動式剪定バサミ。
【請求項5】
前記センサー部は、ストレーンゲージの抵抗変化を測定して力の大きさを電気的信号により検出することができるロードセルであることを特徴とする、請求項4記載の電動式剪定バサミ。
【請求項6】
前記本体の下端部に設置された固定チューブと、
前記固定チューブの外表面に同心円状に回転が可能となるように支持される回転リングと、
前記回転リングを操作して磁気力によりオンまたはオフとなるリードスイッチと、
を更に含むことを特徴とする、請求項1記載の電動式剪定バサミ。
【請求項7】
前記固定チューブと回転リングは、各々円周上に一定間隔で埋め込まれて設置された鉄部及び磁石部とを含み、前記リードスイッチは、固定チューブの鉄部と隣接するように設置され、前記回転リングの磁石部が固定チューブの鉄部に重なり合っているか否かによって、前記リードスイッチがオンまたはオフとなることを特徴とする、請求項1記載の電動式剪定バサミ。
【請求項8】
前記本体とケーブルとで連結され、内部にバッテリーが内装された電源供給部と、前記電源供給部に設置され、前記リードスイッチから信号の入力を受けて電源をケーブルに供給または遮断するリレーと、を含むことを特徴とする、請求項6記載の電動式剪定バサミ。
【請求項9】
前記稼動刃の片側に埋め込まれて設置された回転磁石と、前記回転磁石の位置を感知するために、固定刃の後端部に一定間隔で付着された第1及び第2ホールセンサを更に含み、前記第1ホールセンサは稼動刃の閉状態を感知し、前記第2ホールセンサは稼動刃の開状態を感知して、前記稼動刃の1回往復回転を制御することを特徴とする、請求項1記載の電動式剪定バサミ。
【請求項10】
前記本体の内部に装着されて、モータの全般的な動作及び電源供給を制御する制御部を含むことを特徴とする、請求項1記載の電動式剪定バサミ。
【請求項11】
保管時、前記接点スイッチに携帯用作動スイッチが一定時間持続的に接触することによって稼動刃と固定刃の閉状態を維持することができることを特徴とする、請求項1記載の電動式剪定バサミ。
【請求項12】
固定刃と稼動刃を具備して、モータの駆動力にて稼動刃を作動させることで剪定作業を行う電動式剪定バサミにおいて、
前記モータの作動のために本体の片側に設置されたホールセンサタイプのスイッチと、
磁石を内装してホールセンサタイプのスイッチに接触することで、磁石にてスイッチをオンにしてモータを作動させる携帯用作動スイッチと、
を含む電動式剪定バサミ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−68802(P2010−68802A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201322(P2009−201322)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(599151282)大韓民国農村振興庁 (16)
【氏名又は名称原語表記】RURAL DEVELOPMENT ADMINISTRATION
【住所又は居所原語表記】250 Seodundong,Kwonseongu,Suwon,Gyeongido 441−707,Republic of Korea