電子ペーパー表示素子及びその製造方法
【課題】ディスプレイユニットを固定しようとする部分にだけ隔壁を選択的に形成することにより、ディスプレイユニットの配列の自由度を向上させることができる電子ペーパー表示素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電子ペーパー表示素子の製造方法は、下部基板20上に互いに独立するように離隔されている複数の凸状パターン32を形成する工程と、複数の凸状パターン32の間にディスプレイユニットを配置する工程と、ディスプレイユニットをカバーするように、凸状パターン32の上部に上部基板70を付着する工程と、を含む。
【解決手段】電子ペーパー表示素子の製造方法は、下部基板20上に互いに独立するように離隔されている複数の凸状パターン32を形成する工程と、複数の凸状パターン32の間にディスプレイユニットを配置する工程と、ディスプレイユニットをカバーするように、凸状パターン32の上部に上部基板70を付着する工程と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパー表示素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新しいパラダイムの情報化時代に対応するために、情報伝達及び共有方式における大変換が求められている。これに応えるために、フレキシブルなディスプレイであって、曲げることができる長所を有する電子ペーパーの技術開発が加速化されており、電子ペーパー技術開発は商業的開発段階に入っている。
【0003】
電子ペーパーは、既存の平面ディスプレイパネルに比べて生産コストが非常に安く、静止画面のように背景照明や持続的な再充電を必要としないため、非常に少ないエネルギーでも駆動でき、エネルギー効率が極めて高い。さらに、電子ペーパーは非常に鮮明であり、視野角が広く、電源が切れても文字が完全に消えないメモリ機能も有する。
【0004】
このような優れた長所により、電子ペーパーは紙の側面と、動くイラストレーションの側面とを有する電子書籍、自体更新新聞、移動電話向けの再使用可能なペーパーディスプレイ、廃棄可能なTVスクリーン、及び電子壁紙など、実に広大な分野に応用することができ、巨大な潜在市場を有する。
【0005】
電子ペーパーを実現するための方式としては、液晶を用いる方法、有機EL、反射フィルム反射型表示、電気泳動、ツイストボール、エレクトロクロミック方式、メカニカル反射型表示が挙げられる。
【0006】
これらの中、電気泳動方式とツイストボール方式などは、上下部基板の間にディスプレイユニットを配置する構造を有し、ディスプレイユニットの均一な配置が、表示される画面の品質を決定する重要な要素となる。そのため、ディスプレイユニットを均一に、かつ容易に配置できる技術に関する様々な研究が行われつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
こうした従来技術の問題点に鑑み、本発明は、ディスプレイユニットの配列の自由度を向上させて、ディスプレイユニットを均一に配置することができる電子ペーパー表示素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、下部基板上に互いに独立するように離隔されている複数の凸状パターンを形成する工程と、複数の凸状パターンの間にディスプレイユニットを配置する工程と、ディスプレイユニットをカバーするように、凸状パターンの上部に上部基板を付着する工程と、を含む電子ペーパー表示素子の製造方法が提供される。
【0009】
ディスプレイユニットとしては、流動性流体に分散されている(+)帯電粒子及び(−)帯電粒子を含むカプセルを用いてもよく、このとき、凸状パターンの高さはカプセルの高さより低くてもよい。また、(+)帯電粒子と(−)帯電粒子のうち、一つはカーボンブラックからなる黒色粒子であり、他の一つは酸化チタンからなる白色粒子であることができる。
【0010】
一方、ディスプレイユニットとして、光学的及び電気的異方性を有する回転体を用いることもできる。
【0011】
凸状パターンを形成する工程は、下部基板の上面に樹脂層を積層する工程と、樹脂層に、凸状パターンに対応する凹状パターンが形成されたスタンプを圧着する工程で行われることができ、凸状パターンの横断面は、十字状、Y字状、四角形状、円形状のうち何れか一つであることができる。
【0012】
凸状パターンは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、エポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることができる。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、下部基板と、下部基板上に互いに独立するように離隔されて形成される複数の凸状パターンと、凸状パターンの間に互いに離隔されるようにそれぞれ配置されるディスプレイユニットと、ディスプレイユニットをカバーするように、凸状パターンの上部に積層される上部基板と、を含む電子ペーパー表示素子が提供される。
【0014】
ディスプレイユニットとしては、流動性流体に分散されている(+)帯電粒子及び(−)帯電粒子を含むカプセルを用いてもよく、(+)帯電粒子と(−)帯電粒子のうち、一つはカーボンブラックからなる黒色粒子であり、他の一つは酸化チタンからなる白色粒子であることができる。ディスプレイユニットとしては、光学的及び電気的異方性を有する回転体を用いることもできる。
【0015】
凸状パターンの横断面は、十字状、Y字状、四角形状、及び円形状のうち何れか一つであることができ、凸状パターンは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、エポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態によれば、ディスプレイユニットを固定しようとする部分にだけ隔壁を選択的に形成することにより、ディスプレイユニットの配列の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図4】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図8】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図9】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図10】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図11】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図12】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図13】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図14】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図15】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図16】球状のディスプレイユニットを示す斜視図である。
【図17】円柱状のディスプレイユニットを示す斜視図である。
【図18】球状のディスプレイユニットが配置された電子ペーパー表示素子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、本願では特定実施例を図面に例示し、詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物及び代替物を含むものとして理解されるべきである。本発明を説明するに当たって、係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨をかえって不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0019】
「第1」、「第2」などの用語は多様な構成要素を説明するために用いたものであって、上記の構成要素がそれらの用語により限定されるものではない。上記の用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけに用いられる。
【0020】
本願で用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文の中で明らかに表現しない限り、複数の表現を含む。本願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組合せたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組合せたものの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解しなくてはならない。
【0021】
以下、本発明による電子ペーパー表示素子及びその製造方法の実施例を添付図面を参照しながら詳しく説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一のまたは対応する構成要素は同一の図面番号を付し、これに対する重複される説明は省略する。
【0022】
図1から図6は本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図であり、図7から図15は本発明の好ましい様々な実施例を示す図面である。
【0023】
図1から図15を参照すると、スタンプ10、凹状パターン12、下部基板20、樹脂層30、凸状パターン32,33,34,36,37、カプセル40、及び上部基板70が示されている。
【0024】
本実施例は、下部基板上に互いに独立するように離隔されている複数の凸状パターンを形成する工程と、ディスプレイユニットを複数の凸状パターンの間にそれぞれ配置する工程と、ディスプレイユニットをカバーするように、凸状パターンの上部に上部基板を付着する工程と、を含む電子ペーパー表示素子の製造方法であって、ディスプレイユニットを固定しようとする部分にだけ隔壁を形成することにより、ディスプレイユニットの配置が容易で、かつ、隔壁を簡単に製造することができる。
【0025】
以下、図1から図6を参照して電子ペーパー表示素子の製造方法を説明する。
【0026】
先ず、図1に示すように、凹状パターン12が形成されたスタンプ10を備える。このとき、凹状パターン12が形成されたスタンプ10はSAM(self-assembled monolayer)コーティングされたものであってもよい。凹状パターン12にSAMコーティング層(図示せず)を形成すると、スタンプ10の凹状パターン12を樹脂層30に圧着した後に、圧着されている樹脂層30とスタンプ10とを容易に分離できるからである。
【0027】
次に、図2に示すように、下部基板20に樹脂層30を積層し、図3に示すように、凹状パターン12が形成されたスタンプ10を樹脂層30に圧着し、その後、図4に示すように、スタンプ10を除去して凹状パターン12に対応する凸状パターン32を形成する。このとき、下部基板20に形成された凸状パターン32は互いに離隔されて独立した構造に形成される。
【0028】
一方、樹脂層30として熱硬化性エポキシ材料を用いることができ、この場合、凸状パターン32をより効率的に形成するために、インプリント工法を二元化することができる。
【0029】
具体的に、樹脂層30の粘度が最低となる温度範囲内(例えば、約100℃)でスタンプ10と樹脂層30とを30分間熱圧着した後、圧着状態を維持しながら樹脂層30が硬化される温度範囲(例えば、約180℃)まで昇温させて樹脂層30を硬化させる。その後スタンプ10と樹脂層30とを分離すればよい。
【0030】
このような方法を用いると、スタンプ10に形成されている凹状パターン12をより効率的に樹脂層30に転写することができ、分離時または分離後に、樹脂層30に転写されたパターンの形状を効率的に維持することができる。
【0031】
一方、本実施例では隔壁、すなわち、凸状パターン32を形成する方法としてスタンプ10を用いたインプリント工法を提示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、乾式または湿式エッチングなどの様々な方法を用いることもできる。
【0032】
下部基板20及び後述する上部基板70は、ガラスまたはプラスチックのような透明な基板上にITO(Indium−Tin−Oxide)や導電性高分子の透明電極がコーティングされ形成された電極で構成される。したがって、透明基板上に形成された電極に電圧を印加して帯電粒子を容易に引き寄せることができる。
【0033】
また、凸状パターン32は、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、及びポリイミドフィルムを用いたフレキシブルな素材で製造可能である。それだけでなく、凸状パターン32はエポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることもできる。
【0034】
次に、図5に示すように、凸状パターン32の間に複数のディスプレイユニットをそれぞれ配置する。ディスプレイユニットは、互いに離隔されている凸状パターン32により区画される空間、すなわちセル(cell)の内部に配置されて、黒色、白色、またはその他の色を呈する手段であって、本実施例ではディスプレイユニットとしてカプセル40を提示する。
【0035】
カプセル40は、(+)電荷または(−)電荷を有する特定色のインク微粒子、反対電荷を有する他の色のインク微粒子、及び透明な誘電流体を含む。すなわち、カプセル40は流動性流体内に分散されている少なくとも1種以上の粒子を含む。
【0036】
例えば、(+)帯電粒子がカーボンブラックからなる黒色粒子である場合には、(−)帯電粒子は酸化チタンからなる白色粒子であることができ、(+)帯電粒子が酸化チタンからなる白色粒子である場合には、(−)帯電粒子はカーボンブラックからなる黒色粒子であることができる。
【0037】
図5に示すように、カプセル40の高さが凸状パターン32の高さより大きい場合には、カプセル40が凸状パターン32よりも突出して形成され、カプセル40はその内部にオイルなどの流動性流体を含んでいるため、時間が経つと、凸状パターン32の間のセル31の内部で押さえられた形状を有し、このような形状は、後で上部基板70を積層することにより維持される。
【0038】
以上、図5及び図6には、一つのセルに一つのカプセル40が配置されることを例に挙げたが、これに限定されず、一つのセルに複数のカプセル40が配置できることは明らかである。
【0039】
次に、図6に示すように、カプセル40がセル内部の空間を充填するように、凸状パターン32及び上記カプセル40の上部に上部基板70を付着する。
【0040】
以上のように、本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法は、ディスプレイユニットが注入される凸状パターン32をインプリント工法などの方法により形成するため、セル間の空間を予め区画することができ、ディスプレイユニット間の間隔を調節することができ、配置されるディスプレイユニットの量を均一にすることができる。
【0041】
一方、電子ペーパー表示素子においては、カプセルの充填率を高めることや隔壁の効率的な製造方法が重要である。このために、本発明は電子ペーパー表示素子の隔壁に関する様々な実施例を例にして説明する。
【0042】
先ず、図7から図15は、本発明の様々な実施例による電子ペーパー表示素子の隔壁を示す図面である。図7を参照すると、凸状パターン33がカプセル40を完全に囲まなく、カプセル40の四つの角部にだけ位置している。すなわち、カプセル40が互いに接触しないようにすることができる最小限の固定部分を、十字状の横断面を有する隔壁33で実現できる。
【0043】
このような実施例によれば、従来のように隔壁が四方を囲む構造ではなく、カプセル40を固定しようとする部分にだけ隔壁33を形成してカプセル40を固定するので、従来に比べてカプセル40の配置をより容易にすることができる。また、隔壁がカプセル40の四方を囲まないので、カプセル40を区画する隔壁を最小化できるようになり、電子ペーパー表示素子の画質を向上させることができる。
【0044】
さらに、隔壁が四方を囲む構造ではなく、互いに離隔されている十字状の構造であるため、インプリント工法により凸状パターン33を製造する場合にはスタンプの離型が容易である。
【0045】
後述する様々な電子ペーパー表示素子の隔壁に関する実施例では、その形状だけが異なり、実現できる効果は同様である。
【0046】
図8に示された実施例では、カプセル40を完全に囲まなく、カプセル40の四つの角部にだけ、横断面が円状である凸状パターン34が形成される。
【0047】
図9に示された実施例では、カプセル40が六角形状であり、それぞれの角部にだけ横断面が円状である隔壁34、すなわち、凸状パターンが形成される。
【0048】
図10に示された実施例では、カプセル40が六角形状であり、それぞれの角部にだけ横断面がY字状である隔壁36が形成されてカプセル40を固定する役割をする。本実施例では、固定されたカプセル40の形状はハニカム形状であって、カプセル40の充填率を最も高めることができる構造である。
【0049】
図11に示された実施例では、カプセル40を固定する隔壁が1種ではなく二種以上適用された例が提示されている。本実施例では、横断面が十字状である隔壁33と四角形状である隔壁37とで形成された電子ペーパー表示素子を例としている。すなわち、図11に示すように、四角形状のカプセル40の角部に十字状の凸状パターン33が位置し、隣接するカプセルの対向辺同士の間には断面が四角形状である凸状パターン37が位置する構造を有する。本実施例では十字状の凸状パターン33以外に断面が四角形状である凸状パターン37を提示したが、図9に示すように、断面が円状である凸状パターン34を適用できることは勿論である。
【0050】
図12に示された実施例では、四角形状のカプセルの角部及び辺部に、円状隔壁34が互いに離隔されるように複数形成されてカプセル40を固定する。
【0051】
図13に示された実施例では、図12に示された実施例とは異なって、角部を除いた辺部に円状隔壁34が互いに離隔されるように複数形成されてカプセル40を固定する。
【0052】
図14に示された実施例では、図13に示された実施例と類似に六角形状のカプセル40の角部を除いた辺部にだけ円状隔壁34が互いに離隔されるように複数形成されてカプセル40を固定する。
【0053】
一方、図15には隔壁の断面が示されている。図15に示すように、下部基板20に形成された凸状パターン32はカプセル40の充填率を高めるために、直角ではなく傾斜していてもよい。
【0054】
また、凸状パターン32がスタンプ10を用いたインプリント工法で製造される場合には、セル間の幅を一定にすることができるため、セル間の駆動電圧の散布、セル内の電場の勾配を最小化して最適化された応答速度を実現できる電子ペーパーを形成することができる。
【0055】
また、本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法は各セルごとに正確な量のカプセル40を注入できるため、電子ペーパー駆動時、画面上にむらやスポット(spot)を防止して画質を向上させることができる。
【0056】
以上、図7から図15に示された様々な実施例を提示したが、これらは一例に過ぎなく、上記実施例が提示した構造を組み合わせた多くの構造を適用することもできることは勿論である。
【0057】
以上では、ディスプレイユニットとして、(+)電荷または(−)電荷を有する特定色のインク微粒子、反対電荷を有する他の色のインク微粒子、及び透明な誘電流体を含むカプセル40を提示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図16及び図17に示すように、光学的及び電気的異方性を有する回転体40a,40bをディスプレイユニットとして用いることもできる。
【0058】
ディスプレイユニットとして用いられる回転体40a,40bは、その半分は(+)電荷で帯電され、他の半分は(−)電荷で帯電されて、回転により色が変化するように、黒色や白色、またはその他の色を呈する材料が混合されてもよい。このような回転体40a,40bは、外部から印加される電場の極性により回転し、それにより、白黒またはその他のカラーなどのイメージが表示される。また、回転が容易に行われるように、表面に流体がコーティングされていてもよい。
【0059】
図16には、上部40a−1は黒色を呈し、下部40a−2は白色を呈する球状の回転体(ツイストボール)40aが示されており、図17には、上部40b−1は黒色を呈し、下部40b−2は白色を呈する円柱状の回転体40bが示されている。しかし、回転体の形状はこれに限定されず、回転により色が変化するものであれば何れも使用可能である。
【0060】
図18は、球状のディスプレイユニットである回転体40aが配置されている電子ペーパー表示素子の断面図である。ディスプレイユニットとしてカプセル40ではなく、球状の回転体40aまたは円柱状の回転体40bを用いる場合には、ディスプレイユニットがあまり変形しない点を考慮して、凸状パターン32の高さをディスプレイユニット40a,40bの高さと同一または大きくする必要がある。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0062】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置及び方法における動作、手順、ステップ、及び工程等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「先ず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0063】
10 スタンプ
12 凹状パターン
20 下部基板
30 樹脂層
32,33,34,36,37 凸状パターン
40 カプセル
40a,40b 回転体
70 上部基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパー表示素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新しいパラダイムの情報化時代に対応するために、情報伝達及び共有方式における大変換が求められている。これに応えるために、フレキシブルなディスプレイであって、曲げることができる長所を有する電子ペーパーの技術開発が加速化されており、電子ペーパー技術開発は商業的開発段階に入っている。
【0003】
電子ペーパーは、既存の平面ディスプレイパネルに比べて生産コストが非常に安く、静止画面のように背景照明や持続的な再充電を必要としないため、非常に少ないエネルギーでも駆動でき、エネルギー効率が極めて高い。さらに、電子ペーパーは非常に鮮明であり、視野角が広く、電源が切れても文字が完全に消えないメモリ機能も有する。
【0004】
このような優れた長所により、電子ペーパーは紙の側面と、動くイラストレーションの側面とを有する電子書籍、自体更新新聞、移動電話向けの再使用可能なペーパーディスプレイ、廃棄可能なTVスクリーン、及び電子壁紙など、実に広大な分野に応用することができ、巨大な潜在市場を有する。
【0005】
電子ペーパーを実現するための方式としては、液晶を用いる方法、有機EL、反射フィルム反射型表示、電気泳動、ツイストボール、エレクトロクロミック方式、メカニカル反射型表示が挙げられる。
【0006】
これらの中、電気泳動方式とツイストボール方式などは、上下部基板の間にディスプレイユニットを配置する構造を有し、ディスプレイユニットの均一な配置が、表示される画面の品質を決定する重要な要素となる。そのため、ディスプレイユニットを均一に、かつ容易に配置できる技術に関する様々な研究が行われつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
こうした従来技術の問題点に鑑み、本発明は、ディスプレイユニットの配列の自由度を向上させて、ディスプレイユニットを均一に配置することができる電子ペーパー表示素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、下部基板上に互いに独立するように離隔されている複数の凸状パターンを形成する工程と、複数の凸状パターンの間にディスプレイユニットを配置する工程と、ディスプレイユニットをカバーするように、凸状パターンの上部に上部基板を付着する工程と、を含む電子ペーパー表示素子の製造方法が提供される。
【0009】
ディスプレイユニットとしては、流動性流体に分散されている(+)帯電粒子及び(−)帯電粒子を含むカプセルを用いてもよく、このとき、凸状パターンの高さはカプセルの高さより低くてもよい。また、(+)帯電粒子と(−)帯電粒子のうち、一つはカーボンブラックからなる黒色粒子であり、他の一つは酸化チタンからなる白色粒子であることができる。
【0010】
一方、ディスプレイユニットとして、光学的及び電気的異方性を有する回転体を用いることもできる。
【0011】
凸状パターンを形成する工程は、下部基板の上面に樹脂層を積層する工程と、樹脂層に、凸状パターンに対応する凹状パターンが形成されたスタンプを圧着する工程で行われることができ、凸状パターンの横断面は、十字状、Y字状、四角形状、円形状のうち何れか一つであることができる。
【0012】
凸状パターンは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、エポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることができる。
【0013】
本発明の他の実施形態によれば、下部基板と、下部基板上に互いに独立するように離隔されて形成される複数の凸状パターンと、凸状パターンの間に互いに離隔されるようにそれぞれ配置されるディスプレイユニットと、ディスプレイユニットをカバーするように、凸状パターンの上部に積層される上部基板と、を含む電子ペーパー表示素子が提供される。
【0014】
ディスプレイユニットとしては、流動性流体に分散されている(+)帯電粒子及び(−)帯電粒子を含むカプセルを用いてもよく、(+)帯電粒子と(−)帯電粒子のうち、一つはカーボンブラックからなる黒色粒子であり、他の一つは酸化チタンからなる白色粒子であることができる。ディスプレイユニットとしては、光学的及び電気的異方性を有する回転体を用いることもできる。
【0015】
凸状パターンの横断面は、十字状、Y字状、四角形状、及び円形状のうち何れか一つであることができ、凸状パターンは、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、エポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態によれば、ディスプレイユニットを固定しようとする部分にだけ隔壁を選択的に形成することにより、ディスプレイユニットの配列の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図4】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図8】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図9】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図10】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図11】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図12】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図13】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図14】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図15】本発明の他の実施例による電子ペーパー表示素子の凸状パターンを示す図面である。
【図16】球状のディスプレイユニットを示す斜視図である。
【図17】円柱状のディスプレイユニットを示す斜視図である。
【図18】球状のディスプレイユニットが配置された電子ペーパー表示素子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は多様な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、本願では特定実施例を図面に例示し、詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物及び代替物を含むものとして理解されるべきである。本発明を説明するに当たって、係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨をかえって不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0019】
「第1」、「第2」などの用語は多様な構成要素を説明するために用いたものであって、上記の構成要素がそれらの用語により限定されるものではない。上記の用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけに用いられる。
【0020】
本願で用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文の中で明らかに表現しない限り、複数の表現を含む。本願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組合せたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組合せたものの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解しなくてはならない。
【0021】
以下、本発明による電子ペーパー表示素子及びその製造方法の実施例を添付図面を参照しながら詳しく説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一のまたは対応する構成要素は同一の図面番号を付し、これに対する重複される説明は省略する。
【0022】
図1から図6は本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法を示す工程図であり、図7から図15は本発明の好ましい様々な実施例を示す図面である。
【0023】
図1から図15を参照すると、スタンプ10、凹状パターン12、下部基板20、樹脂層30、凸状パターン32,33,34,36,37、カプセル40、及び上部基板70が示されている。
【0024】
本実施例は、下部基板上に互いに独立するように離隔されている複数の凸状パターンを形成する工程と、ディスプレイユニットを複数の凸状パターンの間にそれぞれ配置する工程と、ディスプレイユニットをカバーするように、凸状パターンの上部に上部基板を付着する工程と、を含む電子ペーパー表示素子の製造方法であって、ディスプレイユニットを固定しようとする部分にだけ隔壁を形成することにより、ディスプレイユニットの配置が容易で、かつ、隔壁を簡単に製造することができる。
【0025】
以下、図1から図6を参照して電子ペーパー表示素子の製造方法を説明する。
【0026】
先ず、図1に示すように、凹状パターン12が形成されたスタンプ10を備える。このとき、凹状パターン12が形成されたスタンプ10はSAM(self-assembled monolayer)コーティングされたものであってもよい。凹状パターン12にSAMコーティング層(図示せず)を形成すると、スタンプ10の凹状パターン12を樹脂層30に圧着した後に、圧着されている樹脂層30とスタンプ10とを容易に分離できるからである。
【0027】
次に、図2に示すように、下部基板20に樹脂層30を積層し、図3に示すように、凹状パターン12が形成されたスタンプ10を樹脂層30に圧着し、その後、図4に示すように、スタンプ10を除去して凹状パターン12に対応する凸状パターン32を形成する。このとき、下部基板20に形成された凸状パターン32は互いに離隔されて独立した構造に形成される。
【0028】
一方、樹脂層30として熱硬化性エポキシ材料を用いることができ、この場合、凸状パターン32をより効率的に形成するために、インプリント工法を二元化することができる。
【0029】
具体的に、樹脂層30の粘度が最低となる温度範囲内(例えば、約100℃)でスタンプ10と樹脂層30とを30分間熱圧着した後、圧着状態を維持しながら樹脂層30が硬化される温度範囲(例えば、約180℃)まで昇温させて樹脂層30を硬化させる。その後スタンプ10と樹脂層30とを分離すればよい。
【0030】
このような方法を用いると、スタンプ10に形成されている凹状パターン12をより効率的に樹脂層30に転写することができ、分離時または分離後に、樹脂層30に転写されたパターンの形状を効率的に維持することができる。
【0031】
一方、本実施例では隔壁、すなわち、凸状パターン32を形成する方法としてスタンプ10を用いたインプリント工法を提示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、乾式または湿式エッチングなどの様々な方法を用いることもできる。
【0032】
下部基板20及び後述する上部基板70は、ガラスまたはプラスチックのような透明な基板上にITO(Indium−Tin−Oxide)や導電性高分子の透明電極がコーティングされ形成された電極で構成される。したがって、透明基板上に形成された電極に電圧を印加して帯電粒子を容易に引き寄せることができる。
【0033】
また、凸状パターン32は、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、及びポリイミドフィルムを用いたフレキシブルな素材で製造可能である。それだけでなく、凸状パターン32はエポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることもできる。
【0034】
次に、図5に示すように、凸状パターン32の間に複数のディスプレイユニットをそれぞれ配置する。ディスプレイユニットは、互いに離隔されている凸状パターン32により区画される空間、すなわちセル(cell)の内部に配置されて、黒色、白色、またはその他の色を呈する手段であって、本実施例ではディスプレイユニットとしてカプセル40を提示する。
【0035】
カプセル40は、(+)電荷または(−)電荷を有する特定色のインク微粒子、反対電荷を有する他の色のインク微粒子、及び透明な誘電流体を含む。すなわち、カプセル40は流動性流体内に分散されている少なくとも1種以上の粒子を含む。
【0036】
例えば、(+)帯電粒子がカーボンブラックからなる黒色粒子である場合には、(−)帯電粒子は酸化チタンからなる白色粒子であることができ、(+)帯電粒子が酸化チタンからなる白色粒子である場合には、(−)帯電粒子はカーボンブラックからなる黒色粒子であることができる。
【0037】
図5に示すように、カプセル40の高さが凸状パターン32の高さより大きい場合には、カプセル40が凸状パターン32よりも突出して形成され、カプセル40はその内部にオイルなどの流動性流体を含んでいるため、時間が経つと、凸状パターン32の間のセル31の内部で押さえられた形状を有し、このような形状は、後で上部基板70を積層することにより維持される。
【0038】
以上、図5及び図6には、一つのセルに一つのカプセル40が配置されることを例に挙げたが、これに限定されず、一つのセルに複数のカプセル40が配置できることは明らかである。
【0039】
次に、図6に示すように、カプセル40がセル内部の空間を充填するように、凸状パターン32及び上記カプセル40の上部に上部基板70を付着する。
【0040】
以上のように、本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法は、ディスプレイユニットが注入される凸状パターン32をインプリント工法などの方法により形成するため、セル間の空間を予め区画することができ、ディスプレイユニット間の間隔を調節することができ、配置されるディスプレイユニットの量を均一にすることができる。
【0041】
一方、電子ペーパー表示素子においては、カプセルの充填率を高めることや隔壁の効率的な製造方法が重要である。このために、本発明は電子ペーパー表示素子の隔壁に関する様々な実施例を例にして説明する。
【0042】
先ず、図7から図15は、本発明の様々な実施例による電子ペーパー表示素子の隔壁を示す図面である。図7を参照すると、凸状パターン33がカプセル40を完全に囲まなく、カプセル40の四つの角部にだけ位置している。すなわち、カプセル40が互いに接触しないようにすることができる最小限の固定部分を、十字状の横断面を有する隔壁33で実現できる。
【0043】
このような実施例によれば、従来のように隔壁が四方を囲む構造ではなく、カプセル40を固定しようとする部分にだけ隔壁33を形成してカプセル40を固定するので、従来に比べてカプセル40の配置をより容易にすることができる。また、隔壁がカプセル40の四方を囲まないので、カプセル40を区画する隔壁を最小化できるようになり、電子ペーパー表示素子の画質を向上させることができる。
【0044】
さらに、隔壁が四方を囲む構造ではなく、互いに離隔されている十字状の構造であるため、インプリント工法により凸状パターン33を製造する場合にはスタンプの離型が容易である。
【0045】
後述する様々な電子ペーパー表示素子の隔壁に関する実施例では、その形状だけが異なり、実現できる効果は同様である。
【0046】
図8に示された実施例では、カプセル40を完全に囲まなく、カプセル40の四つの角部にだけ、横断面が円状である凸状パターン34が形成される。
【0047】
図9に示された実施例では、カプセル40が六角形状であり、それぞれの角部にだけ横断面が円状である隔壁34、すなわち、凸状パターンが形成される。
【0048】
図10に示された実施例では、カプセル40が六角形状であり、それぞれの角部にだけ横断面がY字状である隔壁36が形成されてカプセル40を固定する役割をする。本実施例では、固定されたカプセル40の形状はハニカム形状であって、カプセル40の充填率を最も高めることができる構造である。
【0049】
図11に示された実施例では、カプセル40を固定する隔壁が1種ではなく二種以上適用された例が提示されている。本実施例では、横断面が十字状である隔壁33と四角形状である隔壁37とで形成された電子ペーパー表示素子を例としている。すなわち、図11に示すように、四角形状のカプセル40の角部に十字状の凸状パターン33が位置し、隣接するカプセルの対向辺同士の間には断面が四角形状である凸状パターン37が位置する構造を有する。本実施例では十字状の凸状パターン33以外に断面が四角形状である凸状パターン37を提示したが、図9に示すように、断面が円状である凸状パターン34を適用できることは勿論である。
【0050】
図12に示された実施例では、四角形状のカプセルの角部及び辺部に、円状隔壁34が互いに離隔されるように複数形成されてカプセル40を固定する。
【0051】
図13に示された実施例では、図12に示された実施例とは異なって、角部を除いた辺部に円状隔壁34が互いに離隔されるように複数形成されてカプセル40を固定する。
【0052】
図14に示された実施例では、図13に示された実施例と類似に六角形状のカプセル40の角部を除いた辺部にだけ円状隔壁34が互いに離隔されるように複数形成されてカプセル40を固定する。
【0053】
一方、図15には隔壁の断面が示されている。図15に示すように、下部基板20に形成された凸状パターン32はカプセル40の充填率を高めるために、直角ではなく傾斜していてもよい。
【0054】
また、凸状パターン32がスタンプ10を用いたインプリント工法で製造される場合には、セル間の幅を一定にすることができるため、セル間の駆動電圧の散布、セル内の電場の勾配を最小化して最適化された応答速度を実現できる電子ペーパーを形成することができる。
【0055】
また、本発明の一実施例による電子ペーパー表示素子の製造方法は各セルごとに正確な量のカプセル40を注入できるため、電子ペーパー駆動時、画面上にむらやスポット(spot)を防止して画質を向上させることができる。
【0056】
以上、図7から図15に示された様々な実施例を提示したが、これらは一例に過ぎなく、上記実施例が提示した構造を組み合わせた多くの構造を適用することもできることは勿論である。
【0057】
以上では、ディスプレイユニットとして、(+)電荷または(−)電荷を有する特定色のインク微粒子、反対電荷を有する他の色のインク微粒子、及び透明な誘電流体を含むカプセル40を提示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、図16及び図17に示すように、光学的及び電気的異方性を有する回転体40a,40bをディスプレイユニットとして用いることもできる。
【0058】
ディスプレイユニットとして用いられる回転体40a,40bは、その半分は(+)電荷で帯電され、他の半分は(−)電荷で帯電されて、回転により色が変化するように、黒色や白色、またはその他の色を呈する材料が混合されてもよい。このような回転体40a,40bは、外部から印加される電場の極性により回転し、それにより、白黒またはその他のカラーなどのイメージが表示される。また、回転が容易に行われるように、表面に流体がコーティングされていてもよい。
【0059】
図16には、上部40a−1は黒色を呈し、下部40a−2は白色を呈する球状の回転体(ツイストボール)40aが示されており、図17には、上部40b−1は黒色を呈し、下部40b−2は白色を呈する円柱状の回転体40bが示されている。しかし、回転体の形状はこれに限定されず、回転により色が変化するものであれば何れも使用可能である。
【0060】
図18は、球状のディスプレイユニットである回転体40aが配置されている電子ペーパー表示素子の断面図である。ディスプレイユニットとしてカプセル40ではなく、球状の回転体40aまたは円柱状の回転体40bを用いる場合には、ディスプレイユニットがあまり変形しない点を考慮して、凸状パターン32の高さをディスプレイユニット40a,40bの高さと同一または大きくする必要がある。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0062】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置及び方法における動作、手順、ステップ、及び工程等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「先ず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0063】
10 スタンプ
12 凹状パターン
20 下部基板
30 樹脂層
32,33,34,36,37 凸状パターン
40 カプセル
40a,40b 回転体
70 上部基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部基板上に互いに独立するように離隔されている複数の凸状パターンを形成する工程と、
前記複数の凸状パターンの間にディスプレイユニットを配置する工程と、
前記ディスプレイユニットをカバーするように、前記複数の凸状パターンの上部に上部基板を付着する工程と、を含み、
前記ディスプレイユニットが、流動性流体に分散されている(+)帯電粒子及び(−)帯電粒子を含むカプセルであり、
前記複数の凸状パターンが、前記ディスプレイユニットを部分的に取り囲むように位置することを特徴とする電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項2】
前記複数の凸状パターンの高さが、前記カプセルの高さより低いことを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項3】
前記(+)帯電粒子と前記(−)帯電粒子のうち、一つはカーボンブラックからなる黒色粒子であり、他の一つは酸化チタンからなる白色粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項4】
前記複数の凸状パターンを形成する工程が、
前記下部基板の上面に樹脂層を積層する工程と、
前記樹脂層に、前記複数の凸状パターンと対応する凹状パターンが形成されたスタンプを圧着する工程と、を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項5】
前記複数の凸状パターンのそれぞれの横断面は、十字状、Y字状、四角形状、及び円形状のうち何れか一つであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項6】
前記複数の凸状パターンは、前記カプセルの角部および辺部の少なくとも一方に配される請求項5に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項7】
前記複数の凸状パターンが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、エポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項8】
下部基板と、
前記下部基板上に互いに独立するように離隔されて形成される複数の凸状パターンと、
前記複数の凸状パターンの間に互いに離隔するようにそれぞれ配置されるディスプレイユニットと、
前記ディスプレイユニットをカバーするように、前記複数の凸状パターンの上部に積層される上部基板と、を含み、
前記ディスプレイユニットが、流動性流体に分散されている(+)帯電粒子及び(−)帯電粒子を含むカプセルであり、
前記複数の凸状パターンが、前記ディスプレイユニットを部分的に取り囲むように位置することを特徴とする電子ペーパー表示素子。
【請求項9】
前記(+)帯電粒子と前記(−)帯電粒子のうち、一つはカーボンブラックからなる黒色粒子であり、他の一つは酸化チタンからなる白色粒子であることを特徴とする請求項8に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項10】
前記複数の凸状パターンの横断面は、十字状、Y字状、四角形状、及び円形状のうち何れか一つであることを特徴とする請求項8または9に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項11】
前記複数の凸状パターンは、前記カプセルの角部および辺部の少なくとも一方に配される請求項10に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項12】
前記複数の凸状パターンが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、エポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることを特徴とする請求項8から11の何れか1項に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項1】
下部基板上に互いに独立するように離隔されている複数の凸状パターンを形成する工程と、
前記複数の凸状パターンの間にディスプレイユニットを配置する工程と、
前記ディスプレイユニットをカバーするように、前記複数の凸状パターンの上部に上部基板を付着する工程と、を含み、
前記ディスプレイユニットが、流動性流体に分散されている(+)帯電粒子及び(−)帯電粒子を含むカプセルであり、
前記複数の凸状パターンが、前記ディスプレイユニットを部分的に取り囲むように位置することを特徴とする電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項2】
前記複数の凸状パターンの高さが、前記カプセルの高さより低いことを特徴とする請求項1に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項3】
前記(+)帯電粒子と前記(−)帯電粒子のうち、一つはカーボンブラックからなる黒色粒子であり、他の一つは酸化チタンからなる白色粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項4】
前記複数の凸状パターンを形成する工程が、
前記下部基板の上面に樹脂層を積層する工程と、
前記樹脂層に、前記複数の凸状パターンと対応する凹状パターンが形成されたスタンプを圧着する工程と、を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項5】
前記複数の凸状パターンのそれぞれの横断面は、十字状、Y字状、四角形状、及び円形状のうち何れか一つであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項6】
前記複数の凸状パターンは、前記カプセルの角部および辺部の少なくとも一方に配される請求項5に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項7】
前記複数の凸状パターンが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、エポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子ペーパー表示素子の製造方法。
【請求項8】
下部基板と、
前記下部基板上に互いに独立するように離隔されて形成される複数の凸状パターンと、
前記複数の凸状パターンの間に互いに離隔するようにそれぞれ配置されるディスプレイユニットと、
前記ディスプレイユニットをカバーするように、前記複数の凸状パターンの上部に積層される上部基板と、を含み、
前記ディスプレイユニットが、流動性流体に分散されている(+)帯電粒子及び(−)帯電粒子を含むカプセルであり、
前記複数の凸状パターンが、前記ディスプレイユニットを部分的に取り囲むように位置することを特徴とする電子ペーパー表示素子。
【請求項9】
前記(+)帯電粒子と前記(−)帯電粒子のうち、一つはカーボンブラックからなる黒色粒子であり、他の一つは酸化チタンからなる白色粒子であることを特徴とする請求項8に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項10】
前記複数の凸状パターンの横断面は、十字状、Y字状、四角形状、及び円形状のうち何れか一つであることを特徴とする請求項8または9に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項11】
前記複数の凸状パターンは、前記カプセルの角部および辺部の少なくとも一方に配される請求項10に記載の電子ペーパー表示素子。
【請求項12】
前記複数の凸状パターンが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタルレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、エポキシ系、ウレタン系、及びポリエステル系からなる群より選択される何れか1種の材質からなることを特徴とする請求項8から11の何れか1項に記載の電子ペーパー表示素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−92803(P2013−92803A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−19653(P2013−19653)
【出願日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【分割の表示】特願2009−192179(P2009−192179)の分割
【原出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【分割の表示】特願2009−192179(P2009−192179)の分割
【原出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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