説明

電子メール配信サービス方法

【目的】 会員の携帯電話機への電子メール配信サービス方法を提供する。
【構成】 配信依頼主のクライアント1と、会員9のメールアドレスを含む個人情報を記録した電子メール配信データベース6を備えるとともにインターネット4に接続された電子メール配信システムサーバ5と、電子メール配信データベース6に登録されるとともにインターネット接続の電子メール配信を受ける会員9(AB、・・)の所持する携帯電話機8a8b、・・と、から構成され、クライアント1は配信依頼内容Z1を電子メール配信システムサーバ5に配信日時T1と配信対象Qの会員ABCDEを指示して送り、前記電子メール配信システムサーバ5の管理者7は受け取った配信依頼内容Z1を基に電子メール用の配信情報Z2を作成し、会員ABCDEを電子メール配信データベース6から選択するとともに、配信情報Z2を各携帯電話機8a8b8c8d8eに適合する記述言語に変換して、配信日時T1に各会員のメールアドレスaxx・・を自動設定してインターネット4を介して配信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話機への電子メール配信サービスに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、パーソナルコンピュータ及びインターネットの一般家庭への普及は目覚ましいものがある。インターネットによる電子メールの交換は郵便や電話に代わる意思伝達手段として日常生活の一部となってきている。
【0003】最近では携帯電話機でもインターネットに接続できるようになり(NTTドコモのiモード、KDDIのEZweb、J−フォンのJ−スカイの文字情報サービス)、インターネットを利用した電子メールも爆発的にその利用者が増大している。まさに国民一人に一台の携帯電話機であり、最もパーソナルで身近な情報端末となっている。携帯電話機からインターネットの各種ホームページにアクセスして種々の情報を随時得て行動する時代なのである。
【0004】一方、企業は従来から宣伝情報を専ら新聞、雑誌掲載の広告、折り込みチラシ、放送メディアを利用したコマーシャル、ダイレクトメール等のツールを利用して消費者に提供しているが、最近ではインターネットのWWWホームページを開設して、一般消費者にパーソナルコンピュータを通して情報提供したり、アクセスしてきた一般消費者を会員としてそのパーソナルコンピュータに積極的に新製品の紹介等を電子メールで送信したりする企業も多い。この多数の会員への電子メール配信システムとして、例えば特開2000−151686号公報に記載されているような電子メール送信システムが考えられている。これは会員個人の固有情報を文書内に挿入した個人宛の電子メール文を自動生成して会員のパーソナルコンピュータに送信することを特徴とするシステムである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パーソナルコンピュータが普及してきたとはいえ、未だ一般家庭への普及率は50%に達しておらず、しかも必ずしも電子メールの着信閲覧をユーザが随時行っているとも限らないので、パーソナルコンピュータの電子メールは広告手段としては情報伝達の広範性、迅速性、確実性の点において不満が残ると言わざるを得ない。
【0006】企業としては、消費者個人個人を対象として、その個人に合った魅力的な宣伝情報をタイムリーに且つ確実に告知することが重要となる。
【0007】例えばスーパーマーケットのその日のバーゲン情報、レストランの新メニューや割り引きサービス情報、ビデオレンタルショップの新作情報等々、身近な生活便利情報をタイムリーに且つパーソナルに伝達する手段が要請されるのである。
【0008】この点、老若男女を問わず普及率が非常に高い前記携帯電話機は、利用者自身が常時身につけており、電子メールの着信があれば直ぐに送信相手と内容を確認するのが常態である。したがって、携帯電話機の電子メール配信、特にインターネットに接続して送受される電子メール配信を利用すればタイムリー且つ確実に企業の宣伝情報が個人に到達する利点がある。つまり、携帯電話機の電子メール配信による告知は最もタイムリーで確実な宣伝告知手段として優れているといえる。
【0009】ところで、日本における携帯電話回線は、現在数社の回線業者から提供されているが、それらのインターネットに接続しての文字情報サービス(電子メールを含む)はその記述言語が共通でなく互換性がない。
【0010】そして現在のところ、携帯電話機を所持する一般消費者を対象に、会員登録して情報提供の契約を締結したクライアントからの宣伝情報等の電子メールの配信を代行する電子メール配信サービスは未だない。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、クライアント(主に企業)からの宣伝情報等を選択された会員の携帯電話機(回線業者を問わない)にインターネットを介して電子メールで自動配信するサービス方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達成するために、(1)電子メール配信依頼主のクライアントと、会員のメールアドレスを含む個人情報を記録した電子メール配信データベースを備えるとともにインターネットに接続された電子メール配信システムサーバと、前記電子メール配信データベースに登録されるとともにインターネット接続の電子メール配信を受ける会員の所持する携帯電話機と、から構成され、前記クライアントは配信依頼内容を前記電子メール配信システムサーバに配信日時と配信対象の会員を指示して送り、前記電子メール配信システムサーバは受け取った前記配信依頼内容を基に電子メール用の配信情報を作成し、配信対象の会員を前記電子メール配信データベースから選択するとともに、指定された配信日時に会員のメールアドレスを自動設定して、前記配信情報を選択された会員の各携帯電話機に適合する記述言語に変換し、インターネットを介して自動配信することを特徴とする電子メール配信サービス方法を提供する。
(2)また、前記配信情報に静画または動画または音声情報を含むことを特徴とする上記(1)に記載の電子メール配信サービス方法を提供する。
(3)前記配信情報を各会員の携帯電話機に適合するコンパクトHTMLまたはHDMLまたはMMLの記述言語に変換して会員の携帯電話機に電子メール配信することを特徴とする上記(1)に記載の電子メール配信サービス方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る電子メール配信サービス方法の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0014】図1は本発明に係る電子メール配信サービス方法を実現するシステム構成図である。図2は本発明に係る電子メール配信サービスの手順を説明する図である。
【0015】先ず、本発明の実施の形態の電子メール配信サービスは、システム構成として、図1に示されるように、電子メール配信依頼主のクライアント1と、会員9のメールアドレスを含む個人情報を記録した電子メール配信データベース6を備えるとともにインターネット4に接続された電子メール配信システムサーバ5と、前記電子メール配信データベース6に登録されるとともにインターネット接続の電子メール配信を受ける会員9(A、B、C、D、E・・)の所持する携帯電話機8a、8b、8c、8d、8e・・と、から構成され、配信手順として、図2に示されるように、前記クライアント1は配信依頼内容Z1を前記電子メール配信システムサーバ5に配信日時T1(何月何日何時何分)と配信対象の会員グループQ(会員A、B、C、D、E)を指示して送り、前記電子メール配信システムサーバ5の管理者7は受け取った前記配信依頼内容Z1を基に電子メール用の配信情報Z2を作成し、配信対象グループQの会員A、B、C、D、Eを前記電子メール配信データベース6から会員検索して選択するとともに、会員A、B、C、D、Eのメールアドレスaxx、bxx、cxx、dxx、exxを自動設定して、配信スケジュールの設定により指定された配信日時T1に前記配信情報Z2を選択された会員A、B、C、D、Eの各携帯電話機8a、8b、8c、8d、8eに適合する記述言語L1またはL2またはL3(cHTML、HDML、MML等)に変換し、インターネット4を介して電子メール自動配信を実行する。
【0016】上記クライアント1は主に企業であり、クライアント1から電子メール配信システムサーバ5への配信依頼内容Z1の送信は、ファクシミリ2またはクライアント1のパーソナルコンピュータ3による電子メール送信の手段にて行う。さらに、文書の手渡しや電話による口述手段でもよい。
【0017】上記電子メール配信システムサーバ5の管理者7はクライアント1との契約に基づき本電子メール配信サービスを行うサービス業者であり、システム構築の提供者でもある。
【0018】本発明の電子メール配信サービス方法では、会員9の登録はクライアント1(企業)の店舗先の来店者に対しての入会案内または電子メール配信システムサーバ5のWWWホームページ上またはクライアント1のWWWホームページ上の入会案内に、消費者が応じて電子メールでアンケートに応える形で行われる。この際に、会員のメールアドレス、住所、性別、年齢、職業、携帯電話番号、利用する店舗、趣味、提供を受けたいクライアントからの情報の種類、生年月日等の個人情報の提供を受けて、遅滞なく電子メール配信データベース6(RDBMSによる管理が行われる。)に登録され、且つ会員に会員ID、パスワードが与えられる。
【0019】例えば、図3は携帯電話機の電子メールにて会員登録される場合の表示画面である。図3の(a)のような自己の携帯電話機の表示画面に表示された登録画面にて会員になりたい消費者は個人情報を入力して電子メール配信システムサーバ5に送信し、電子メール配信システムサーバ5は図3の(b)のように確認の仮登録のメールを送った後、会員の了承の下に本登録して再度登録完了のメールを送信する。
【0020】以上の会員登録は、例えば会員のみの特典情報を与える等の手段によって容易に入会のインセンティブが与えられるので、会員数拡大が図れ、延いては会員の個人情報を基に電子メール配信に対する行動調査(どの程度メールに応じて店舗で購入したか、どのような会員が多く利用したか等)が可能であり、市場動向、消費者嗜好の変化が把握できるといった利点がある。
【0021】なお、本発明における電子メール配信は不特定の一般消費者を対象に配信するのではなく、少なくともクライアント1と電子メール配信を受諾する無償の契約を締結した会員9を対象とするものであり、所謂迷惑メールとは無縁である。クライアント1は契約締結した会員全員を対象に電子メール配信を依頼してもよいし、或る対象の会員に絞って配信依頼してもよい。例えば婦人服のバーゲンセールを通知する場合に対象を女性会員に絞るとか、会員の趣味や嗜好に応じた商品の宣伝をする場合に配信対象を或るアンケート条件の回答を満たす会員のみに配信するといった選択が可能である。換言すれば、会員に対するきめ細かで効果的な情報提供が可能なのである。例えば図6は電子メール配信システムサーバ5またはクライアント1のパーソナルコンピュータ3におけるタイトルと本文からなる電子メールの配信先を設定する表示画面の例であり、クライアント1の店舗の地域別、店舗別、会員の性別、年代、誕生月別、登録時のアンケートQ1、Q2、Q3での会員の回答別の条件を任意にクライアント1が設定して、該当する会員のみを対象に電子メールを配信するようになっている。
【0022】配信された電子メールの履歴管理は図7の表示画面のように一覧表示され、タイトル、配信日時、配信件数、配信状態、さらに詳細が表示される。
【0023】次に、電子メール配信データベース6には上記のような会員9の個人情報が記録されるのみならず、クライアント1の情報も記録されメンテナンスが行われる。例えば図4は企業の基本メンテナンス情報を登録/更新する画面表示例である。また、図5は店舗情報の新規/更新の表示画面例である。
【0024】ところで、インターネットのWWWで使用される記述言語はHTML(hypertext markup language)であるが、携帯電話の小さな表示画面に適合させるにはHTMLを携帯電話機画面上で表示するための記述言語に変換して表示する必要がある。NTTドコモのiモードにおけるcHTML(コンパクトHTML)、KDDIのEZwebにおけるHDML(handheld device markup language)、JフォンのJスカイにおけるMML(mobile markup language)がそれである。上記記述言語にはそれぞれPNG保存サイズ、横ドット数、縦ドット数の制限等があるので、ある電子メールを会員の携帯電話機に配信する場合に、会員の所有する携帯電話機の適用回線(NTTドコモかKDDIかJフォンか)によって制限があるのでは会員募集において問題が多い。どの携帯電話機の所有者に対してでも会員を募ることができ、電子メール配信が可能であることが必須要件である。誰でも携帯電話を持っていれば会員になれ、一旦会員になって登録されると、電子メール配信システムサーバ5はクライアント1からの配信依頼内容Z1を基に、自動的に対象会員を選択して個々の会員の所有する携帯電話機に適合する記述言語に変換して自動送信する。
【0025】なお、上記配信依頼内容Z1は文字情報に限らず、情報サービスは静画または動画または音声情報を含むようにすることも可能である。さらに、携帯電話機8からインターネット4に接続するプロトコルは、今後事実上の世界標準となることが予想されるWAP(wireless application protocol)に移行することも考えられるが、この場合も本発明の電子メール配信サービス方法の射程内であることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る電子メール配信サービス方法は、上記のように構成されているため、(1)クライアント(企業)は時宜に応じた宣伝情報等を、会員個人に確実、迅速に伝達できる。
【0027】(2)会員及びクライアントのデータベース管理が容易である。
【0028】(3)会員登録拡大のインセンティブが容易に得られる。
【0029】(4)インターネットを利用した電子メールの記述言語の異なる携帯電話機に対して自動配信が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子メール配信サービス方法を実現するシステム構成図である。
【図2】 同電子メール配信サービスの手順を説明する図である。
【図3】 同電子メール配信サービスにおける携帯電話機の電子メールにて会員登録される場合の表示画面である。
【図4】 同電子メール配信サービスにおける企業の基本メンテナンス情報を登録/更新する画面表示例である。
【図5】 同電子メール配信サービスにおける店舗情報の新規/更新の表示画面例である。
【図6】 同タイトルと本文からなる電子メールの配信先を設定する表示画面例である。
【図7】 配信された電子メールの履歴管理一覧の表示画面図である。
【符号の説明】
1 クライアント
2 ファクシミリ
3 クライアントのパーソナルコンピュータ
4 インターネット
5 電子メール配信システムサーバ
6 電子メール配信データベース
7 管理者
8a、8b、8c、8d、8e・・ 携帯電話機
9、A、B、C、D、E・・ 会員
axx、bxx、cxx、dxx、exx メールアドレス
L1、L2、L3 記述言語
Z1 配信依頼内容
Z2 配信情報
T1 配信日時
Q 配信対象の会員

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子メール配信依頼主のクライアントと、会員のメールアドレスを含む個人情報を記録した電子メール配信データベースを備えるとともにインターネットに接続された電子メール配信システムサーバと、前記電子メール配信データベースに登録されるとともにインターネット接続の電子メール配信を受ける会員の所持する携帯電話機と、から構成され、前記クライアントは配信依頼内容を前記電子メール配信システムサーバに配信日時と配信対象の会員を指示して送り、前記電子メール配信システムサーバは受け取った前記配信依頼内容を基に電子メール用の配信情報を作成し、配信対象の会員を前記電子メール配信データベースから選択するとともに、指定された配信日時に会員のメールアドレスを自動設定して、前記配信情報を選択された会員の各携帯電話機に適合する記述言語に変換し、インターネットを介して自動配信することを特徴とする電子メール配信サービス方法。
【請求項2】 前記配信情報に静画または動画または音声情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子メール配信サービス方法。
【請求項3】 前記配信情報を各会員の携帯電話機に適合するコンパクトHTMLまたはHDMLまたはMMLの記述言語に変換して会員の携帯電話機に電子メール配信することを特徴とする請求項1に記載の電子メール配信サービス方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2003−150510(P2003−150510A)
【公開日】平成15年5月23日(2003.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−343453(P2001−343453)
【出願日】平成13年11月8日(2001.11.8)
【出願人】(301054678)ソニック株式会社 (1)
【Fターム(参考)】