説明

電子内視鏡システム

【課題】デジタル信号で送信された映像をプリントアウトするプリンタでプリントアウトする操作と、プリントアウトされる映像の確認とが行える電子内視鏡システムを提供する。
【解決手段】電子内視鏡システムは、電子スコープにより取得される画像データに画像処理を施す画像処理装置を備える。画像処理が施された画像信号に基づく映像をプリントアウトするプリンタを備える。画像処理装置は、プリンタの操作を行うための操作部を有する。画像処理が施された画像信号に基づく映像を表示する表示部711を有する。操作部にされた操作に基づいてプリンタにプリンタの操作を行うための制御信号、及び画像信号をデジタル信号で送信する制御部を有する。操作部と表示部は、1つのタッチパネル21で構成される。操作部は、タッチパネルに表示されるプリンタの操作を行うためのアイコン(701、702、703、704、705)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子内視鏡システムに関し、特にプリンタの制御、プリンタでプリントアウトされる映像の確認が出来る画像処理装置を有する電子内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像素子が搭載された電子スコープを備えた電子内視鏡システムが提案されている。
【0003】
特許文献1は、プリンタにプリントアウトする映像を、メインモニタに表示して確認する電子内視鏡システムを開示する。
【特許文献1】特開平08−112241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の装置のプリンタは、プリントされる映像をプリンタから出力しモニタで確認できるビデオプリンタであり、デジタル信号で送信された映像をプリントアウトするデジタルプリンタでは、映像信号を出力しないのでモニタで確認出来ない。
【0005】
したがって本発明の目的は、デジタル信号で送信された映像をプリントアウトするプリンタでプリントアウトする操作と、プリントアウトされる映像の確認とが行える電子内視鏡システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子内視鏡システムは、電子スコープにより取得される画像データに画像処理を施す画像処理装置と、画像処理が施された画像信号に基づく映像をプリントアウトするプリンタとを備え、画像処理装置は、プリンタの操作を行うための操作部と、画像処理が施された画像信号に基づく映像を表示する表示部と、操作部にされた操作に基づいてプリンタにプリンタの操作を行うための制御信号、及び画像信号をデジタル信号で送信する制御部とを有する。
【0007】
好ましくは、操作部と表示部は、1つのタッチパネルで構成され、操作部は、タッチパネルに表示されるプリンタの操作を行うためのアイコンを有する。
【0008】
また、好ましくは、画像処理装置は、プリンタに画像処理が施された画像信号を出力し、制御信号を出力する信号入出力端子を有する。
【0009】
さらに好ましくは、信号入出力端子には、プリンタから、プリンタの設定状態に関する情報が入力され、表示部は、プリンタの設定状態を表示する。
【0010】
また、好ましくは、信号入出力端子は、USB端子であり、画像処理装置とプリンタとはUSBケーブルで接続される。
【0011】
また、好ましくは、画像処理装置は、画像信号を記録する記録部を有する。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、デジタル信号で送信された映像をプリントアウトするプリンタでプリントアウトする操作と、プリントアウトされる映像の確認とが行える電子内視鏡システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本実施形態における電子内視鏡システムの構成について、図1及び図2を用いて説明する。本実施形態に係る電子内視鏡システム1は、電子スコープ10、画像処理プロセッサ20、メインモニタ30、デジタルプリンタ50、及び外部記憶装置60を備える(図1参照)。
【0014】
電子スコープ10は、施術者が手で保持しながら各種操作を行う操作部11と、患者の体内に挿入される可撓管である挿入部12と、画像処理プロセッサ(画像処理装置)20に接続される接続部13とを有する。
【0015】
画像処理プロセッサ20は、フロント部20Fと、フロント部20Fに配設されるタッチパネル21とを有する。更に、画像処理プロセッサ20は、第1CPU22と、光源部23と、絞り機構24と、信号処理部25と、第2CPU26と、補助記憶装置27とを有する(図2参照)。
【0016】
電子スコープ10の接続部13は画像処理プロセッサ20のフロント部20Fに接続される。画像処理プロセッサ20では電子スコープ10により取得された画像に対し、所定の画像処理が施される。画像処理プロセッサ20のフロント部20Fにはタッチパネル21が配設される。
【0017】
画像処理プロセッサ20には、メインモニタ30、デジタルプリンタ50、及び外部記憶装置60が接続される。メインモニタ30は、画像処理プロセッサ20で画像処理された、所定のアナログビデオ信号の規格に依拠した画像を表示する。
【0018】
デジタルプリンタ50は、画像処理プロセッサ20で画像処理された、デジタル画像信号、及び制御信号を受け取ってプリントアウトする。
【0019】
デジタルプリンタ50におけるプリントアウト制御は、画像処理プロセッサ20のタッチパネル21をキー操作(タッチパネル21上のアイコン操作)によって行われる。タッチパネル21上に表示されたデジタルプリンタ50を操作するためのアイコン(例えば、キャプチャアイコン701)がキー操作(タッチ)されると、タッチされたアイコンに関する情報が第2CPU26を介して第1CPU22に伝達され、第1CPU22によってタッチされたアイコンに対応する処理が第1CPU22で行われる。デジタルプリンタ50は、第1CPU22の制御に基づいて、プリントアウト動作などのプリンタ動作を行う。
【0020】
外部記憶装置60は、画像処理プロセッサ20で画像処理された画像データ等を記録する装置で、記録媒体にはCF(Compact Flash)カードなどの記録媒体が使用される。
【0021】
画像処理プロセッサ20は、メインモニタ30(または不図示のビデオプリンタ)に画像処理が施された画像信号を出力する画像信号出力端子と、タッチパネル21への入力に基づいてデジタルプリンタ50を操作するための制御信号を入出力する制御信号入出力端子とを有する(不図示)。画像処理プロセッサ20と、デジタルプリンタ50との間には、USBケーブルUCが接続される。
【0022】
メインモニタ30(または不図示のビデオプリンタ)と接続されるケーブルは、画像処理プロセッサ20の画像信号出力端子に接続される。このケーブルを介して、画像処理プロセッサ20からメインモニタ30(または不図示のビデオプリンタ)へ、画像信号(画像処理プロセッサ20で画像処理され、所定のアナログビデオ信号の規格に依拠した画像)が出力される。
【0023】
USBケーブルUCは、画像処理プロセッサ20の制御信号入出力端子に接続される。USBケーブルUCを介して、画像処理プロセッサ20からデジタルプリンタ50へ、タッチパネル21への入力等に基づいてデジタルプリンタ50を操作するための制御信号、及び画像信号がデジタル信号で出力される。
【0024】
電子スコープ10には、照明光導光用の多数の光ファイバから成るライトガイド(不図示)が挿通されており、ライトガイドは、電子スコープ10の挿入部12の先端まで延びている。
【0025】
画像処理プロセッサ20の第1CPU22は、電子内視鏡システム1全体、及びデジタルプリンタ50を制御する例えばマイクロプロセッサである。光源部23は、照明用白色光を出射する例えばキセノンランプなどの光源と、この光源を点灯駆動するための光源駆動回路を有する。絞り機構24は、光源部23の出射光の光量を調節するための絞りと、この絞りを駆動する絞り駆動回路とを有する。絞りは、光源部23の光源からの出射光の光路上に配設される。
【0026】
電子スコープ10の接続部13を画像処理プロセッサ20に接続すると、ライトガイドは、絞り機構24を介して光源部23の光源に光学的に接続される。使用者による光源点灯操作が行われると、第1CPU22からの制御信号に基づいて光源部23の光源駆動回路から光源へ点灯駆動信号が出力され、光源から白色光が出射される。また、第1CPU22からの制御信号に基づいて絞り機構24の絞り駆動回路から絞りへ駆動信号が出力される。これにより光源部23から出射される白色光は絞り機構24で光量調節され、ライトガイドの入射端に入射する。入射した白色光はライトガイドにより電子スコープ10の挿入部12の先端まで導かれ、配光光学系を介して被観察体に照明光として照射される。
【0027】
被観察体からの反射光は対物光学系(不図示)を介して撮像素子14に入射し、撮像素子14の入射面に被観察体の光学像が結像される。接続部13を画像処理プロセッサ20に接続した状態で、接続部13の撮像素子駆動回路(不図示)は、第1CPU22に接続される。第1CPU22からの制御信号に基づいて撮像素子駆動回路から撮像素子駆動信号が出力されると、撮像素子14では入射した被観察体の光学像が光電変換され、該光学像に基づいたアナログ画像信号が出力される。
【0028】
撮像素子14から出力されたアナログ画像信号は接続部13の信号処理回路19でA/D変換等の前段の画像信号処理が施され、画像処理プロセッサ20の信号処理部25に入力される。画像処理部25ではデジタル画像信号に増幅処理、ガンマ補正、輪郭強調等の所定の画像信号処理が施され、信号処理部25に設けられた画像メモリ(不図示)に画像データとして格納される。画像メモリ内の画像データは、適時読み出されて所定のビデオ信号の仕様に準拠したビデオ信号処理が施され、メインモニタ30(又はビデオプリンタ)へ出力される。その結果、メインモニタ30に被観察体像が表示され、ビデオプリンタにおいて被観察体像がプリントアウトされる。
【0029】
信号処理部25からメインモニタ30(又はビデオプリンタ)への画像データの出力は、第2CPU26で編集された場合には、編集された内容も出力される。
【0030】
信号処理部25の画像メモリ、補助記憶装置27、又は外部記憶装置60に記録された画像データは、適時読み出されて、デジタルプリンタ50でプリントアウト可能なレイアウト設定、デジタル信号処理が施され、デジタルプリンタ50でプリントアウトされる。
【0031】
信号処理部25からデジタルプリンタ50への画像データの出力は、第2CPU26で編集された場合には、編集された内容も出力される。
【0032】
タッチパネル21はバックライト(不図示)と組み合わせて用いられる。LEDなどのバックライトからの出射光が照射されるとタッチパネル21に表示される画像が視認できる。タッチパネル21及びバックライトは第2CPU26により制御される。第2CPU26は、第1CPU22との間で各種情報の授受を行う。
【0033】
補助記録装置(例えばハードディスク装置)27にはタッチパネル21に表示され操作者の入力を促進するための各種アイコン、タッチパネル21を制御するための各種プログラム等が格納されており、第2CPU26に接続されている。特に、本実施形態では、デジタルプリンタ50を操作するためのアイコンやドライバ(プリンタごとに異なるコマンド、解像度等)やプログラムが格納されている。また、第2CPU26は信号処理部25の画像メモリに接続されている。画像メモリ内の画像データ、補助記録装置に格納された画像データは、第2CPU26の制御に基づいて読み出され、タッチパネル21に出力される。従って、タッチパネル21にも被観察体像の表示が可能となり、特にデジタルプリンタ50でプリントアウトされる映像を表示することが可能となる。
【0034】
このように、タッチパネル21には、信号処理部25の画像メモリ等に格納された被観察体の画像(メモリ画像)と、補助記録装置27に格納されたアイコン等が表示可能である。タッチパネル21におけるこれらの表示の態様は、後述するように第2CPU26により制御される。
【0035】
また、補助記憶装置27は、デジタルプリンタ50のキャプチャ用のメモリ領域を有しており、デジタルプリンタ50のキャプチャ動作により、画像処理プロセッサ20から静止画の画像データを、メモリ領域において設定されたメモリページごとで且つメモリ位置ごとに取り込み記憶する。メモリ領域には、画面分割数に応じて(反比例して)設定された数のメモリページが設定され、メモリページには画面分割数に応じて(正比例して)設定された数のメモリ位置が設定される。メモリ位置は、1つの画像データが取り込みされる位置である。また、補助記憶装置27は、デジタルプリンタ50のプリンタ設定に関する情報(設定状態)を記録する。
【0036】
また、本実施形態において、被観察体の画像データは、メインモニタ30及びタッチパネル21において同期をとって表示可能である。第1CPU22の制御により信号処理部25の画像メモリからメインモニタ30に被観察体像の画像データが送られるのと同期をとって、第1CPU22から第2CPU26へ画像表示を指示する指令信号が出力される。この指令信号が入力されると、第2CPU26は画像メモリから画像データを読み出しし、タッチパネル21に出力する。これにより、メインモニタ30及びタッチパネル21に被観察体像が同期をとって表示される。
【0037】
一時記憶された静止画像など、画像メモリ内の画像データは、第2CPU26の制御に基づいて読み出され、補助記録装置27又は外部記憶装置60に記録される。
【0038】
また、タッチパネル21は、所定のアイコンを表示させることにより、メインモニタ30の画像表示の調節や、電子スコープ10の操作部11のカスタマイズ等が可能である(不図示)。電子スコープ10の操作部11のカスタマイズにより、後述するデジタルプリンタ50のキャプチャ動作指示などを、操作部11のキーに割り当てても良い。
【0039】
次に、デジタルプリンタ50によるプリントアウト操作について説明する。TOP画面(不図示)において、デジタルプリンタ50によるプリントアウト操作を指示するアイコンがタッチされると、プリントアウトの対象となる画像データに基づく映像信号、及び補助記録装置27に格納されたアイコン等に基づいて、タッチパネル21にプリントアウト操作画面が表示される(図3参照)。
【0040】
プリントアウト操作画面は、キャプチャアイコン701、プリントアイコン702、消去アイコン703、ページ消去アイコン704、プリンタの設定アイコン705、プリントアウト領域711を有する。
【0041】
キャプチャアイコン701など、プリントアウト操作画面に表示されたアイコンは、操作(タッチ)されることにより、デジタルプリンタ50が所定の処理を行うコマンドをデジタルプリンタ50に送るために使用される。以下に詳述する。
【0042】
キャプチャアイコン701がタッチされると、選択された位置(指定ポジション)に表示された画像に対応する画像データを、補助記録装置27の指定ポジションに対応するメモリページで且つメモリ位置に記憶させる動作(デジタルプリンタ50のキャプチャ動作)が行われる。具体的には(図4参照)、ステップS11で、キャプチャアイコン701がタッチされると、ステップS12で、画像処理プロセッサ20にデジタルプリンタ50が接続されているか否かが判断される。接続されていない場合は、ステップS13で、その旨がユーザーに通知される。
【0043】
画像処理プロセッサ20にデジタルプリンタ50が接続されている場合は、ステップS14で、デジタルプリンタ50が正常に動作可能な状態であるか否かが判断される。デジタルプリンタ50が動作不良、又はプリントアウト中である場合には、ステップS15で、その旨がユーザーに通知される。
【0044】
デジタルプリンタ50が正常に動作可能な状態である場合には、ステップS16で、デジタルプリンタ50のキャプチャ動作、すなわち選択された位置(指定ポジション)に対応するメモリページのメモリ位置に、選択された位置(指定ポジション)に表示された画像に対応する画像データ(画像ファイル)が記憶され、キャプチャ動作が終了される。メモリ位置の選択は、プリントアウト領域711に表示された画像の中で選択する画像上をタッチすること(ポジション指定)により行われる(詳細は図8のフローチャートを使って後述)。メモリページの選択は、プリンタの設定画面において、メモリ選択アイコンセット802のいずれかのアイコンをタッチすることにより行われる(図9、図11参照)。
【0045】
デジタルプリンタ50のキャプチャ動作では、画面分割数に対応した大きさの画像データに変換された状態で記憶される。
【0046】
なお、ステップS12〜S15の手順は、エラー処理として、図5〜図8で説明する、プリントアウト動作、一画面消去動作、ページ消去動作、ポジション指定動作でも同じ動作が行われる。
【0047】
プリントアイコン702がタッチされると、プリントアウト領域711に表示された画像がデジタルプリンタ50でプリントアウトされる。具体的には(図5参照)、ステップS21で、プリントアイコン702がタッチされると、ステップS12〜S15のエラー処理が行われ、ステップS12で画像処理プロセッサ20にデジタルプリンタ50が接続されていると判断され、ステップS14でデジタルプリンタ50が正常の動作可能な状態であると判断されると、ステップS26で、USBケーブルUCを介してプリントアウトに関するコマンド(制御信号)、及びプリントアウト領域711に表示された画像に対応した画像信号がデジタルプリンタ50に送信され、プリントアウトが行われ、プリントアウト動作が終了される。
【0048】
消去アイコン703がタッチされると、選択された位置(指定ポジション)に対応するメモリページのメモリ位置に記録された画像データを、消去する動作が行われる。具体的には(図6参照)、ステップS31で、消去アイコン701がタッチされると、ステップS12〜S15のエラー処理が行われ、ステップS12で画像処理プロセッサ20にデジタルプリンタ50が接続されていると判断され、ステップS14でデジタルプリンタ50が正常の動作可能な状態であると判断されると、ステップS36で、選択された位置(指定ポジション)に対応するメモリページのメモリ位置に記録された画像データの消去が行われ、一画面消去動作が終了される。
【0049】
ページ消去アイコン704がタッチされると、プリントアウト領域711に表示された画像(ページ)に対応するメモリページに記録された画像データを総て消去する動作が行われる。具体的には(図7参照)、ステップS41で、ステップS12〜S15のエラー処理が行われ、ステップS12で画像処理プロセッサ20にデジタルプリンタ50が接続されていると判断され、ステップS14でデジタルプリンタ50が正常の動作可能な状態であると判断されると、ステップS46で、プリントアウト領域711に表示された画像(ページ)に対応するメモリページに記録された画像データ総ての消去が行われ、ページ消去動作が終了される。
【0050】
プリントアウト領域711は、デジタルプリンタ50でプリントアウトされる選択されたメモリページの全画像であり、プリントアウトされる画像のプレビュー画面に相当する。図3は、2画面分割モードで、2つの画像を表示する状態を示す。図3における2つの画像のうち、下の画像は、中央部近傍に略丸形状で囲ったマーキングが施されている。プリントアウト領域711に表示される画像、レイアウト(画面分割数)などは、後述するデジタルプリンタ50の設定画面(図10参照)で設定される。プリントアウト領域711に表示されるレイアウトは、画像処理プロセッサ20の仕様によるものであり、画像処理プロセッサ20の仕様により現在のプリンタ設定状態(画面分割数など)が更に表示されてもよい。
【0051】
プリントアウト領域711上の画像に対応する領域がタッチされると、選択された画像の指定(ポジション指定)動作が行われる。具体的には(図8参照)、ステップS51で、プリントアウト領域711上の画像領域がタッチされると、ステップS12〜S15のエラー処理が行われ、ステップS12で画像処理プロセッサ20にデジタルプリンタ50が接続されていると判断され、ステップS14でデジタルプリンタ50が正常の動作可能な状態であると判断されると、ステップS56で、タッチされた領域の座標と、分割モードの状態に基づいて、ポジション(タッチにより選択された画像)が特定され、特定された画像領域にカーソルが移動せしめられ、ポジション指定動作が終了される。デジタルプリンタ50のキャプチャ動作の対象となる観察体像(動画像)は、指定ポジションの領域に表示される。
【0052】
プリンタの設定アイコン705がタッチされると、デジタルプリンタ50においてプリンタの設定画面表示動作が行われる。プリンタの設定画面は、画像処理プロセッサ20の補助記録装置27に格納されたアイコン等と、デジタルプリンタ50の設定状態に基づいて作成される。現在のデジタルプリンタ50の設定状態は、図9に示すプリンタの設定画面上に反転表示など強調表示される。図9は、デジタルプリンタ50の設定状態が、プリンタ枚数が“4枚”に、メモリページが“B”に、分割画面モードが、“2分割”にされている状態を示す。
【0053】
プリンタの設定画面は、プリント枚数指定アイコンセット801、メモリ選択アイコンセット802、及び分割画面選択アイコンセット803を有する。
【0054】
プリント枚数指定アイコンセット801のいずれかのアイコンがタッチされると、タッチされたアイコンに表示された番号に対応してデジタルプリンタ50でプリントアウトする枚数が設定される。具体的には(図10参照)、ステップ61で、プリント枚数設定アイコンセット801のいずれかのアイコンがタッチされると、ステップS62で、画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されているか否かが判断される。
【0055】
画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されている場合には、ステップS63で、タッチされたアイコンに表示された番号に対応してデジタルプリンタ50でプリントアウトする枚数が設定され、プリント枚数指定動作が終了される。画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されていない場合には、ステップS63の処理を行わないで、プリント枚数指定動作が終了される。
【0056】
メモリ選択アイコンセット802のいずれかのアイコンがタッチされると、タッチされたアイコンに表示された記号に対応してデジタルプリンタ50のメモリページが選択される。具体的には(図11参照)、ステップ71で、メモリ選択アイコンセット802のいずれかのアイコンがタッチされると、ステップS72で、画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されているか否かが判断される。
【0057】
画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されている場合には、ステップS73で、タッチされたアイコンに表示された記号に対応してデジタルプリンタ50のメモリページが設定され、メモリ選択指定動作が終了される。画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されていない場合には、ステップS73の処理を行わないで、メモリ選択指定動作が終了される。
【0058】
分割画面選択アイコンセット803のいずれかのアイコンがタッチされると、タッチされたアイコンに表示された番号に対応してデジタルプリンタ50の画面表示における画面分割数が設定される。具体的には(図12参照)、ステップS81で、分割画面選択アイコンセット802のいずれかのアイコンがタッチされると、ステップS82で、画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されているか否かが判断される。
【0059】
画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されている場合には、ステップS83で、タッチされたアイコンに表示された番号に対応してデジタルプリンタ50からプリントアウトされる画面の画面分割数が設定される。ステップS84で、メモリページが1頁目(ページA)に設定され、分割画面設定動作が終了される。画像処理プロセッサ20とデジタルプリンタ50とが接続されていない場合には、ステップS83〜S85の処理を行わないで、メモリ選択指定動作が終了される。
【0060】
本実施形態では、画像処理プロセッサ20の前面パネル20F上に設けられたタッチパネル21に表示された画像、コマンド内容に基づいて、デジタルプリンタ50の制御、デジタルプリンタ50でプリントアウトされる画像の確認を行うことが可能になる。また、タッチパネルを使用することにより、操作ボタン(操作タッチキー)と、操作ボタンに対応する画像が近くに配置されるため、直感的に操作しやすいメリットを有する。
【0061】
また、デジタルプリンタ50の操作手順が、通常電子内視鏡システムで使用されるビデオプリンタの操作手順に合わせて設定されているので、使用者はビデオプリンタを操作する要領でデジタルプリンタ50を操作することが可能になる。
【0062】
また、デジタルプリンタ50に新たな機能が加えられた場合でも、タッチパネル21に表示するコンテンツや、デジタルプリンタ50に送信する制御コマンドを追加することにより、対応可能である。
【0063】
なお、本実施形態では、タッチパネル21上に表示されたアイコンをタッチすることによりデジタルプリンタ50のプリントアウト制御を行う形態を説明したが、タッチパネルに限らず、画像処理プロセッサ20上に設けられた操作スイッチを操作し、画像処理プロセッサ20上に設けられた表示装置を見て操作状態を確認してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施形態における電子内視鏡システムを示す斜視図である。
【図2】電子内視鏡システムの構成図である。
【図3】タッチパネル上に表示されるデジタルプリンタのプリントアウト操作画面を示す表示例である。
【図4】デジタルプリンタのキャプチャ動作を示すフローチャートである。
【図5】プリントアウト動作を示すフローチャートである。
【図6】1画面消去動作を示すフローチャートである。
【図7】ページ消去動作を示すフローチャートである。
【図8】ポジション指定動作を示すフローチャートである。
【図9】タッチパネル上に表示されるデジタルプリンタの設定画面を示す表示例である。
【図10】デジタルプリンタのプリント枚数を設定する動作を示すフローチャートである。
【図11】メモリページ設定動作を示すフローチャートである。
【図12】分割画面数の設定動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 電子内視鏡システム
10 電子スコープ
11 操作部
12 挿入部
13 接続部
14 撮像素子
20 画像処理プロセッサ
20F フロント部
21 タッチパネル
22 第1CPU
23 光源部
24 絞り機構
25 信号処理部
26 第2CPU
27 補助記憶装置
30 メインモニタ
50 デジタルプリンタ
60 外部記憶装置
701 キャプチャアイコン
702 プリントアイコン
703 消去アイコン
704 ページ消去アイコン
705 プリンタの設定アイコン
711 プリントアウト領域
801 プリント枚数指定アイコンセット
802 メモリ選択アイコンセット
803 分割画面選択アイコンセット
UC USBケーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子スコープにより取得される画像データに画像処理を施す画像処理装置と、
前記画像処理が施された画像信号に基づく映像をプリントアウトするプリンタとを備え、
前記画像処理装置は、前記プリンタの操作を行うための操作部と、前記画像処理が施された画像信号に基づく映像を表示する表示部と、前記操作部にされた操作に基づいて前記プリンタに前記プリンタの操作を行うための制御信号、及び前記画像信号をデジタル信号で送信する制御部とを有することを特徴とする電子内視鏡システム。
【請求項2】
前記操作部と前記表示部は、1つのタッチパネルで構成され、
前記操作部は、前記タッチパネルに表示される前記プリンタの操作を行うためのアイコンを有することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。
【請求項3】
前記画像処理装置は、前記プリンタに前記画像処理が施された画像信号を出力し、前記制御信号を出力する信号入出力端子を有することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。
【請求項4】
前記信号入出力端子には、前記プリンタから、前記プリンタの設定状態に関する情報が入力され、
前記表示部は、前記プリンタの設定状態を表示することを特徴とする請求項3に記載の電子内視鏡システム。
【請求項5】
前記信号入出力端子は、USB端子であり、前記画像処理装置と前記プリンタとはUSBケーブルで接続されることを特徴とする請求項3に記載の電子内視鏡システム。
【請求項6】
前記画像処理装置は、前記画像信号を記録する記録部を有することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−99888(P2008−99888A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285229(P2006−285229)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】