説明

電子内視鏡装置

【課題】フリーズ動作において静止画像の表示および画像データの転送を迅速に実現する。
【解決手段】フリーズボタンが操作されると、動画像とは異なる読み出し方式に従い、一回の露光により得られる一フレーム分の画素信号を、奇数ラインの画素信号、偶数ラインの画素信号に分けて順番に読み出す。読み出された奇数ライン、偶数ラインの画素信号に対し、合成回路において色補間等を含む処理を施し、表示される静止画像に応じた表示用静止画像信号を生成する。表示用静止画像信号が生成、出力されるまでの2フィールド期間Lにおいて、スイッチを切り替え、奇数ライン、偶数ラインの画素信号をレコーダへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子を有するビデオスコープと、ビデオスコープが接続されるプロセッサとを備えた電子内視鏡装置に関し、特に、静止画像を記録、表示するフリーズ動作に関する。
【背景技術】
【0002】
電子内視鏡装置では、インターライン転送方式のCCDを用いて観察画像を動画像として表示するとともに、同一露光による1フレーム分の静止画像を表示、記録することが可能である(例えば、特許文献1〜3参照)。静止画像を表示、記録するためフリーズボタンが操作されると、静止画像処理用モードに切り替わり、同一露光によって得られる1フレーム分の画素信号を、奇数ラインの画素信号、偶数ラインの画素信号に分けて順次読み出す。そして、奇数および偶数ラインの画素信号に基づいて静止画像を表示する。フリーズ動作が終了すると、再び動画像を表示する通常モードに切り替わる。
【特許文献1】特許第3398550号公報
【特許文献2】特許第3370871号公報
【特許文献3】特開2006−110149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プロセッサには、コンピュータ、レコーダなどの外部機器が接続可能であり、静止画像データが外部機器に送信される。フリーズ動作後速やかに通常観察モードへ復帰するため、モニタに静止画像(フリーズ画像)を表示するための信号処理と外部機器への画像データ転送処理とを迅速に行うことが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の電子内視鏡装置は、カラー動画像を表示するとともに、カラー静止画像を表示、記録可能な電子内視鏡装置であり、カラーフィルタ、撮像素子を備えたビデオスコープを備え、また、観察用表示装置とともに、画像データなどの画素信号を受信可能な外部機器が接続可能である。電子内視鏡装置は、カラー動画像を表示するための動画像読み出し方式に従って撮像素子から画素信号を順次読み出す動画像読み出し手段と、読み出された画素信号に基づいて映像信号を生成する動画像信号処理手段と、カラー静止画像を得るため、動画像読み出し方式とは異なる静止画像用読み出し方式に従い、一回の露光による1フレーム分の画素信号を読み出す静止画像読み出し手段と、静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号に基づいて、カラー静止画像に応じた表示用静止画像信号を生成する静止画像信号処理手段と、映像信号および表示用静止画像信号を、観察用表示装置へ出力可能な信号出力手段とを備える。
【0005】
撮像素子としては、CCD等を用いればよく、例えばインターライン転送方式に従った撮像素子であればよい。カラーフィルタの構成としては任意であり、例えば、補色、あるいは原色である複数の色要素を市松状に配列させた構成であればよい。例えば、市松状の色要素を配置したカラーフィルタを撮像素子に組み込む単板同時式に従って撮像するように構成される。動画像読み出し手段は、カラーフィルタの構成、撮像素子の転送方式に従って画素信号を読み出せばよく、例えば、フィールド読み出し方式を適用し、隣接する画素を混合して加算し、奇数フィールドの画素信号、偶数フィールドの画素信号として交互に読み出せばよい。静止画像読み出し手段は、例えば高解像度を得るように、動画像とは異なる読み出し方式によって画素信号を読み出せばよい。例えば、フレーム読み出し方式により一回の露光によって得られる1フレーム分の画素信号を読み出すため、静止画像読み出し手段は、奇数ラインの画素信号と偶数ラインの画素信号とに分け、2フィールド期間に渡って読み出せばよい。フリーズ動作実行のため、例えば、動画像表示から静止画像表示へ切り替えるために操作される切替部材が設けられ、切替部材に対する操作に従い、動画像読み出し手段の代わりに静止画像読み出し手段を実行する読み出し制御手段が設けられる。
【0006】
本発明では、信号出力手段が、表示用静止画像信号が生成される間、静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号を外部機器へ出力可能である。例えば、レコーダなどへ出力し、あるいは、着脱自在なメモリなどが装着可能である場合、装着されたメモリへ出力可能である。静止画像読み出し手段は、動画像読み出し手段とは異なる読み出し方式によって画素信号を読み出す。そのため、静止画像表示のため読み出された画素信号の色成分は、動画像表示のため読み出された画素信号の色成分と相違する。静止画像信号処理手段は、補間処理などの信号処理を画素信号に対して実行し、各画素の色成分が適正に表された表示用静止画像信号を生成する。本発明では、静止画像信号処理手段がそのような信号処理を実行している間、撮像素子から読み出された静止画像用の画素信号をそのまま外部機器へ出力可能であり、静止画像の表示処理、および静止画像データの外部への転送処理を並列的に実行する。すなわち、静止画像用の読み出し方式に従って読み出された画素信号が、表示用静止画像信号が生成されて観察用表示装置へ出力される前に、RAWデータとしてそのまま外部機器へ出力される。外部機器では、送られてきた画素信号に基づいて静止画像を再現すればよい。
【0007】
例えば、信号出力手段に、観察用表示装置および外部機器への接続を選択的に切り替え可能なスイッチを設け、表示用静止画像信号を生成する間、スイッチを観察用表示装置との接続から外部機器との接続へ切り替えればよい。
【0008】
本発明の内視鏡用信号処理装置は、カラーフィルタを通った光によって被写体像が形成される撮像素子から画素信号を順次読み出すカラー動画像を表示するための動画像用読み出し方式とは異なる読み出し方式であって、カラー静止画像を得るため、一回の露光による1フレーム分の画素信号を読み出す静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号に基づいて、カラー静止画像に応じた表示用静止画像信号を生成する静止画像信号処理手段と、動画像読み出し方式に基づいて得られる映像信号および表示用静止画像信号を、観察用表示装置へ出力可能な信号出力手段とを備え、信号出力手段が、表示用静止画像信号が生成される間、静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号を画素信号受信可能な外部機器へ出力可能である。
【0009】
本発明の内視鏡用信号処理方法は、カラーフィルタを通った光によって被写体像が形成される撮像素子から画素信号を順次読み出すカラー動画像を表示するための動画像用読み出し方式とは異なる読み出し方式であって、カラー静止画像を得るため、一回の露光による1フレーム分の画素信号を読み出す静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号に基づいて、カラー静止画像に応じた表示用静止画像信号を生成し、動画像読み出し方式に基づいて得られる映像信号および表示用静止画像信号を、観察用表示装置へ出力し、表示用静止画像信号が生成される間、静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号を画素信号受信可能な外部機器へ出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フリーズ動作において静止画像の表示および画像データの転送を迅速に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、第1の実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
【0013】
電子内視鏡装置は、CCD54を有するビデオスコープ50と、CCD54から読み出される画素信号を処理するとともに光源ユニットが一体的に設けられたプロセッサ10とを備える。ビデオスコープ50はプロセッサ10に着脱自在に接続されており、また、被写体像を表示するモニタ70とともに、レコーダ60がプロセッサ10に接続される。
【0014】
ランプ点灯スイッチ(図示せず)がONになると、ランプ制御部11からランプ12へ電源が供給されてランプ12が点灯する。ランプ12から放射された光は、ロータリーシャッタ15、集光レンズ16を介してビデオスコープ50内を通ったライトガイド51の入射端51Aに入射する。ライトガイド51は、ランプ12から放射される光をビデオスコープ50の先端側へ伝達する光ファイバー束であり、ライトガイド51を通った光は出射端51Bから出射し、拡散レンズである配光レンズ(図示せず)を介して観察部位へ光が照射する。
【0015】
観察部位において反射した光は対物レンズ(図示せず)を介してCCD54に到達し、観察部位の像がCCD54の受光面に形成される。本実施形態では、カラー撮像方式として単板同時式が適用されており、CCDの受光面上にはイエロー(Ye)、シアン(Cy)、マゼンタ(Mg)、グリーン(G)の色要素が市松状に並べられた補色カラーフィルタ(図示せず)が受光面の各画素に対応するよう配置されている。CCD54では、補色カラーフィルタを通る色に応じた被写体像の画素信号が光電変換により発生する。CCD54は、ここではインターライン転送型CCDが適用される。
【0016】
カラーテレビジョン方式として例えばNTSC方式が適用されており、動画像をモニタ70に表示させる場合、CCDドライバ59から送られてくる駆動信号に従い、フィールド期間(1/60秒間隔)毎に画素信号が読み出される。また、動画像表示の間、色差線順次方式によって画素信号(電荷)が読み出される。すなわち、相対する隣接する画素と交互に加算される画素信号が、奇数フィールド、偶数フィールドの画素信号としてフィールド期間毎に読み出され、増幅回路55へ送られる。
【0017】
増幅回路55では、画素信号に対して増幅処理が施され、初期信号処理回路57へ送られる。初期信号処理回路57で画像信号に対し所定の処理が施されると、プロセッサ10のプロセッサ側信号処理回路28へ送られる。プロセッサ側信号処理回路28では、初期信号処理回路57から送られてくる画像信号に対し、ホワイトバランス調整、ガンマ補正など様々な処理が施され、映像信号が生成される。映像信号はモニタ52へ出力され、これによりフルカラーの動画像がモニタ70に表示される。
【0018】
一方、フリーズボタン53の押下によってフリーズ動作を実行する場合、動画像の読み出し方式とは異なる静止画像用の読み出し方式に従い、同一露光によって得られる1フレーム分の画素信号が2フィールド期間(1フレーム期間)に渡って読み出される。すなわち、1回の露光で蓄積された一フレーム分の画素信号が、CCD54の画素配列において奇数ラインの画素信号と偶数ラインの画素信号とに分けられ、奇数ラインの画素信号および偶数ラインの画素信号が、1フィールド分の画素信号として順番に読み出される。
【0019】
奇数ライン、偶数ラインの画素信号はそれぞれ初期信号処理回路57を介してプロセッサ側信号処理回路28へ順に送られる。プロセッサ側信号処理回路28では、モニタ70にカラー静止画像を表示するための信号処理が施され、カラー静止画像に応じた画像信号がモニタ70へ出力される。それとともに、CCD54から読み出された奇数ライン、偶数ラインの画素信号が、画像データとして、インターフェイス回路(I/F)29を介してレコーダ60へ出力される。ここでは、USBの規格に従って画像データが転送されるように構成されており、プロセッサ10にはUSB端子が設けられている。
【0020】
CPUを含むシステムコントロール回路22は、プロセッサ10の動作を制御し、ランプ制御部11、プロセッサ側信号処理回路28などの各回路へ制御信号を出力する。プロセッサ側のタイミングコントロール回路(図示せず)では、信号の処理タイミングを調整するクロックパルス信号がプロセッサ10内の各回路に出力され、また、ビデオ信号に付随される同期信号がプロセッサ側信号処理回路28へ送られる。
【0021】
ビデオスコープ50には、ビデオスコープ50を制御するスコープコントローラ56が設けられており、初期信号処理回路57、タイミングコントロール回路58を制御する。タイミングコントロール回路58は、スコープコントローラ56から送られてくる制御信号に基づいてCCDドライバ59に駆動信号を出力し、CCD54の動画像表示の画素信号読み出し処理を制御し、また、フリーズ動作時における画素信号読み出し処理を制御する。ビデオスコープ50がプロセッサ10に接続されると、スコープコントローラ56とシステムコントロール回路22との間でデータが送受信される。
【0022】
ロータリーシャッタ15は、遮光部と開口部によって構成されており、モータ(ここでは図示せず)を介して駆動部23から送られてくる駆動信号により回転する。ロータリーシャッタ15と集光レンズ16との間には、遮光用のチョッパ17が待避可能に設けられており、駆動回路24から送られてくる駆動信号に基づいて動作する。
【0023】
図2は、プロセッサ側処理回路28およびインターフェイス回路29のブロック図である。図3は、フリーズ動作時のタイミングチャートである。
【0024】
プロセッサ側信号処理回路28は、合成回路28A、画像処理回路28Bを備え、画像処理回路28Bは、画素信号(画像データ)を一時的に格納可能なフレームメモリ(図示せず)を備える。通常観察モードの間、ロータリーシャッタ15は所定速度で回転し、ランプ12から放射される光の透過、遮断を繰り返す。電子シャッタと同様に、1フィールド期間の中で一定期間CCD54が露光され、露光期間、すなわちロータリーシャッタ15の回転速度を変えることによって露光量が変化する。
【0025】
動画像を表示する場合、上述したように線順次色差方式が適用され、隣接する2画素を加算した混合画素信号が、奇数フィールド、偶数フィールドの画像信号として、交互にCCD54から読み出される。画像処理回路28Bでは、奇数フィールド、偶数フィールドの画素信号に基づいて動画像に応じた映像信号が生成され、インターフェイス回路29へ出力される。図2に示すように、インターフェイス回路29には、スイッチ29Aが設けられており、動画像を表示している間、スイッチ29Aは、モニタ側の接点S1と画像処理回路28Bとを接続させる。
【0026】
フリーズ動作実行のためフリーズボタン53が操作されると、静止画像の表示および記録処理が実行され、CCDドライバ59、プロセッサ側信号処理回路28は、スコープコントローラ56、システムコントロール回路22からの制御信号に基づいて静止画像記録処理に応じた動作を行う。画素信号をCCD54から読み出すとき、同一の露光によって得られる1フレーム分の画素信号は、奇数ラインの画素信号、偶数ラインの画素信号に分かれて順番に読み出される。また、チョッパ17は、偶数ラインの画素信号が読み出される間、遮光位置へ位置変動し、ランプ12の光を遮断する(図3参照)。
【0027】
奇数ライン、偶数ラインの画素信号は、画像処理回路28Bに入力されると、順次合成回路28Aへ送られる。合成回路28Aでは、奇数ライン、偶数ラインの画素信号に基づいて、モニタ70に表示する静止画像に応じた画像信号が生成される。具体的には、モニタ70の画面を上下に二分し、奇数ライン、偶数ラインの画素信号の中で上半分の領域内にある走査ラインに応じた画像信号が合成され、その後、奇数ライン、偶数ラインの画素信号の中で下半分の領域内にある走査ラインに応じた画像信号が合成される。
【0028】
フリーズ動作の場合、奇数ライン、偶数ラインの画素信号に分けて読み出すため、動画像表示の間読み出される2画素混合した画素信号と異なり、奇数ライン、偶数ラインの各画素の色を再現するのに周囲の色情報が不足している。すなわち、1つの画素にはCy、Mg、Ye、Gのいずれか一つの色要素が対応し、各画素のその他の色情報を周囲の画素の色情報に基づいて補間する必要があるが、静止画像の場合には奇数ライン、偶数ライン別々に読み出すため、動画像表示の時に得られる混合画素信号と色成分が異なる。そのため、合成回路28Aでは、別々に読み出した奇数ライン、偶数ラインの画素信号に対し、それぞれ隣接する画素から色情報を補間する処理が実行される。
【0029】
静止画像を表示するために合成回路28Aで実行される処理は、奇数ライン、偶数ラインの画素信号がCCD54から読み出されて合成回路28Aへ送られた後開始される。そして、最初のフィールド期間では、画面上半分に応じた画像信号が合成回路28Aから画像処理回路28Bを介してインターフェイス回路29へ出力され、次のフィールド期間では、画面下半分に応じた画像信号が出力される(図3参照)。
【0030】
インターフェイス回路29内に設けられたスイッチ29Aは、上半分に応じた画像信号が出力されるまでの2フィールド期間Lにおいて、画像処理回路28Bとレコーダ側の接点S2とを接続するように切り替わる(図3参照)。そして、画像処理回路28Bは、その2フィールド期間Lにおいて入力される奇数ラインの画素信号、偶数ラインの画素信号を、そのまま順次インターフェイス回路29へ出力する。その結果、奇数ライン、偶数ラインの画素信号がRAWデータとしてレコーダ60へ送信される。レコーダ60では、奇数ライン、偶数ラインの画素信号が1フレーム分の画像RAWデータとして記録される。
【0031】
2フィールド期間Lが経過すると、スイッチ29Aは、画像処理回路28Bとモニタ側接点S1とを接続させるように切り替わる。その結果、画面上半分に応じた表示用静止画像信号と画面下半分に応じた表示用静止画像信号が、2フィールド期間に渡って順次モニタ70へ出力される。また、表示用静止画像信号は、画像処理回路28B内のフレームメモリに格納され、所定期間だけフレームメモリから順次読み出される。これにより、カラー静止画像がモニタ70に所定期間だけ表示される。静止画像用の読み出し方式によって奇数ライン、偶数ラインの画素信号が読み出されると、線順次色差方式によって画素信号がCCD54から読み出される。そして、フリーズボタン53が操作されてから所定期間が経過すると、再び動画像がモニタ70に表示される。
【0032】
以上のように本実施形態によれば、動画像を表示する間、隣接する画素が加算された状態で奇数フィールドの画素信号、偶数フィールドの画像信号が交互にCCD54から読み出される。そして、フリーズボタン53が操作されると、動画像とは異なる読み出し方式に従い、一回の露光により得られる一フレーム分の画素信号が、奇数ラインの画素信号、偶数ラインの画素信号に分かれて順番に読み出される。読み出された奇数ライン、偶数ラインの画素信号は、合成回路28において色補間等を含む処理が施され、表示される静止画像に応じた表示用静止画像信号が生成される。表示用静止画像信号が生成、出力されるまでの2フィールド期間Lにおいて、スイッチ29Aが切り替えられ、奇数ライン、偶数ラインの画素信号がレコーダ60へ送信される。
【0033】
表示用画像信号を生成している間にレコーダ60へ画像データを転送するため、フリーズ動作開始後、静止画像の表示処理、および画像データの転送処理を同時に実行できる。また、画像処理回路28からモニタ用の信号線とは別の外部出力用の専用信号線を設ける必要がなく、インターフェイス回路における切替によって選択的に外部へ出力できる。
【0034】
画像データ受信可能な外部機器をレコーダ60の代わりにプロセッサ10へ接続してもよい。また、USB以外の標準規格によってデータ転送できるように構成してもよい。動画像表示用の画素信号読み出し、および静止画像記録、表示用の画素信号読み出しは、上述した方式以外も適用可能であり、CCDの電荷転送方式、カラーフィルタの色配列、撮像方式などに従って定めればよい。合成回路28Aは、それら方式に合わせた信号処理を行えばよい。スイッチ29Aは、半導体などによるスイッチ制御によって構成してもよい。また、2フィールド期間Lに限定されず、静止画像用の画素信号読み出し後数フィールド期間の間に、読み出された画素信号をそのまま外部へ出力するように構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の実施形態である電子内視鏡装置のブロック図である。
【図2】プロセッサ側処理回路およびインターフェイス回路のブロック図である。
【図3】フリーズ動作時のタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0036】
10 プロセッサ
22 システムコントロール回路
28 プロセッサ側信号処理回路
28A 合成回路
28B 画像処理回路
29 インターフェイス回路
29A スイッチ
50 ビデオスコープ
54 CCD
59 CCDドライバ
60 レコーダ
70 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーフィルタを通った光によって被写体像が形成される撮像素子を有するビデオスコープと、
カラー動画像を表示するための動画像読み出し方式に従い、前記撮像素子から画素信号を順次読み出す動画像読み出し手段と、
読み出された画素信号に基づいて映像信号を生成する動画像信号処理手段と、
カラー静止画像を得るため、動画像読み出し方式とは異なる静止画像用読み出し方式に従い、一回の露光による1フレーム分の画素信号を読み出す静止画像読み出し手段と、
前記静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号に基づいて、カラー静止画像に応じた表示用静止画像信号を生成する静止画像信号処理手段と、
前記映像信号および表示用静止画像信号を、観察用表示装置へ出力可能な信号出力手段とを備え、
前記信号出力手段が、表示用静止画像信号が生成される間、前記静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号を画素信号受信可能な外部機器へ出力可能であることを特徴とする電子内視鏡装置。
【請求項2】
前記信号出力手段が、前記観察用表示装置および前記外部機器への接続を選択的に切り替え可能なスイッチを有し、表示用静止画像信号を生成する間、前記スイッチを前記観察用表示装置との接続から前記外部機器との接続へ切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
【請求項3】
動画像表示から静止画像表示へ切り替えるために操作される切替部材と、
前記切替部材に対する操作に従い、前記動画像読み出し手段の代わりに前記静止画像読み出し手段を実行する読み出し制御手段とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
【請求項4】
前記カラーフィルタが、複数の色要素を市松状に配列させた構成であることを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
【請求項5】
前記撮像素子が、インターライン転送方式に従うことを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
【請求項6】
前記動画像読み出し手段が、隣接する画素を混合して加算し、奇数フィールドの画素信号、偶数フィールドの画素信号を交互に読み出すことを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
【請求項7】
前記静止画像読み出し手段が、一回の露光によって得られる1フレーム分の画素信号を奇数ラインの画素信号と偶数ラインの画素信号とに分け、2フィールド期間に渡って読み出すことを特徴とする請求項1に記載の電子内視鏡装置。
【請求項8】
カラーフィルタを通った光によって被写体像が形成される撮像素子から画素信号を順次読み出すカラー動画像を表示するための動画像用読み出し方式とは異なる読み出し方式であって、カラー静止画像を得るため、一回の露光による1フレーム分の画素信号を読み出す静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号に基づいて、カラー静止画像に応じた表示用静止画像信号を生成する静止画像信号処理手段と、
動画像読み出し方式に基づいて得られる映像信号および表示用静止画像信号を、観察用表示装置へ出力可能な信号出力手段とを備え、
前記信号出力手段が、表示用静止画像信号が生成される間、前記静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号を画素信号受信可能な外部機器へ出力可能であることを特徴とする内視鏡用信号処理装置。
【請求項9】
カラーフィルタを通った光によって被写体像が形成される撮像素子から画素信号を順次読み出すカラー動画像を表示するための動画像用読み出し方式とは異なる読み出し方式であって、カラー静止画像を得るため、一回の露光による1フレーム分の画素信号を読み出す静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号に基づいて、カラー静止画像に応じた表示用静止画像信号を生成し、
動画像読み出し方式に基づいて得られる映像信号および表示用静止画像信号を、観察用表示装置へ出力し、
表示用静止画像信号が生成される間、前記静止画像用読み出し方式に従って読み出された画素信号を画素信号受信可能な外部機器へ出力することを特徴とする内視鏡用信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−104767(P2008−104767A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292246(P2006−292246)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】