説明

電子安定器装置

【課題】 多種類の金属製筒状外カバー30を用いる必要がない、安価な電子安定器装置を提供する。
【解決手段】 放電灯点灯用の電子安定器10を備える。前記電子安定器10はそれぞれ樋状の下カバー12・上カバー14を具備する。前記下カバー12・上カバー14は併合されて筒状を呈する。前記下カバー12は前記上カバー14よりも長尺である。前記下カバー12の両端部に取付け孔16を形成する。金属製かつ筒状の外カバー30を備える。前記外カバー30の内部に前記電子安定器10を挿置する。前記外カバー30の両端を塞ぐ金属製の一対の端蓋32を備える。前記各端蓋32と前記外カバー30との間に介在する防水用パッキング34を備える。前記防水用パッキング34に前記下カバー12の肩部に当たる当接部36を形成する。前記端蓋32を前記外カバー30に装着する過程で前記当接部36に押されて前記下カバー12が前記外カバー30に圧接するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水性能を必要とする電子安定器装置の構造に関する。ここの用語「電子安定器装置」は電子安定器を含み、さらに電子安定器を収納する外カバー・端蓋・防水用パッキング等を含む。通常は電子安定器単体で使用する。防水性が必要である場合は、外カバー等と組み合わせる。そのような組み合わせの電子安定器装置は防水形である。
【背景技術】
【0002】
図4〜図6に示す従来の電子安定器装置について説明する。同電子安定器装置は、放電灯点灯用の電子安定器10を備え、前記電子安定器10はそれぞれ樋状の下カバー12・上カバー14を具備し、前記下カバー12・上カバー14は併合されて筒状を呈し、前記下カバー12は前記上カバー14よりも長尺であり、前記下カバー12の両端部に取付け孔16を形成し、金属製かつ筒状の外カバー30を備え、前記外カバー30の内部に前記電子安定器10を挿置し、前記外カバー30の両端を塞ぐ金属製の一対の端蓋32を備え、前記各端蓋32と前記外カバー30との間に介在する防水用パッキング34を備える。
下カバー12の取付け孔16とこれに対応する外カバー30の取付け孔39とをボルト42・ナット44で連結する。これにより、電子安定器10と外カバー30を結合する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電子安定器10の寸法は種類によってまちまちである。下カバー12の取付け孔16の位置が異なる。どの位置の取付け孔16とも対応する複数の取付け孔39を前記外カバー30に設けたのでは防水性を損ねる。従来の前記外カバー30は特定の電子安定器10に対応する専用部品である。
どのような電子安定器にも対応する汎用の外カバーであることが望ましい。本発明の目的は、汎用性の高い外カバーを用いた防水形の電子安定器装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る電子安定器装置は放電灯点灯用の電子安定器を備える。前記電子安定器はそれぞれ樋状の下カバー・上カバーを具備する。前記下カバー・上カバーは併合されて筒状を呈する。前記下カバーは前記上カバーよりも長尺である。前記下カバーの両端部に取付け孔を形成する。金属製かつ筒状の外カバーを備える。前記外カバーの内部に前記電子安定器を挿置する。前記外カバーの両端を塞ぐ金属製の一対の端蓋を備える。前記各端蓋と前記外カバーとの間に介在する防水用パッキングを備える。前記防水用パッキングに前記下カバーの肩部に当たる当接部を形成する。前記端蓋を前記外カバーに装着する過程で前記当接部に押されて前記下カバーが前記外カバーに圧接するようにする。
【発明の効果】
【0005】
本発明においては、前記防水用パッキングに前記下カバーの肩部に当たる当接部を形成し、これを利用して前記下カバーが前記外カバーに圧接する。このため、外カバーに取付け孔を設ける必要がなく、同外カバーを種類の異なる各電子安定器に汎用することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態を図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3の電子安定器装置は電子安定器装置は放電灯点灯用の電子安定器10を備える。前記電子安定器10はそれぞれ樋状の下カバー12・上カバー14を具備する。前記下カバー12・上カバー14は併合されて筒状を呈する。前記下カバー12は前記上カバー14よりも長尺である。前記下カバー12の両端部に取付け孔16を形成する。金属製かつ筒状の外カバー30を備える。前記外カバー30の内部に前記電子安定器10を挿置する。前記外カバー30の両端を塞ぐ金属製の一対の端蓋32を備える。前記各端蓋32と前記外カバー30との間に介在する防水用パッキング34を備える。前記防水用パッキング34に前記下カバー12の肩部に当たる当接部36を形成する。前記端蓋32を前記外カバー30に装着する過程で前記当接部36に押されて前記下カバー12が前記外カバー30に圧接するようにする。
当接部36は下向きに傾斜する傾斜面を有し、下カバー12に下向きの分力を与え、上から押し付ける。種類の異なる電子安定器10に対しても同じ前記外カバー30を利用する。当接部36が付属する防水用パッキング34の共用が困難である場合はそれだけを別のものに交換する。前記外カバー30には下カバー12の取付け孔16に対応する取付け孔が不要であり、防止性の点で有利である。下カバー12の取付け孔16は電子安定器10単体としての取付け孔であり、本発明に係る電子安定器装置としては利用しない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明装置の長手方向に沿った要部断面図
【図2】本発明装置の短手方向に沿った断面図
【図3】同装置の一部切り欠き分解斜視図
【図4】本発明装置の長手方向に沿った要部断面図
【図5】本発明装置の短手方向に沿った断面図
【図6】同装置の一部切り欠き分解斜視図
【符号の説明】
【0009】
10:電子安定器
12:下カバー
14:上カバー
16:取付け孔
30:外カバー
32:端蓋
34:防水用パッキング
36:当接部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電灯点灯用の電子安定器を備え、前記電子安定器はそれぞれ樋状の下カバー・上カバーを具備し、前記下カバー・上カバーは併合されて筒状を呈し、前記下カバーは前記上カバーよりも長尺であり、前記下カバーの両端部に取付け孔を形成し、金属製かつ筒状の外カバーを備え、前記外カバーの内部に前記電子安定器を挿置し、前記外カバーの両端を塞ぐ金属製の一対の端蓋を備え、前記各端蓋と前記外カバーとの間に介在する防水用パッキングを備え、前記防水用パッキングに前記下カバーの肩部に当たる当接部を形成し、前記端蓋を前記外カバーに装着する過程で前記当接部に押されて前記下カバーが前記外カバーに圧接するようにしたことを特徴とする電子安定器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−173072(P2006−173072A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382615(P2004−382615)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000005474)日立ライティング株式会社 (130)
【Fターム(参考)】