説明

電子式計算機および制御プログラム

【課題】表示画面上の位置を指定して所定の処理を実行させていく操作手順などの習得に適した電子式計算機を提供する。
【解決手段】表示画面上のタッチスクリーン16aをペンタッチして操作することで、当該タッチ操作に従って例えば所望の関数式を入力してグラフ化表示させる処理を行わせる場合に、1操作毎の処理に応じてそのタッチ操作位置および操作内容の情報を操作順番に対応付けて外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに予め記録させる。この後前記記録領域13aに記録された1操作毎のタッチ操作位置および操作内容の情報を読み込み、表示画面上でそのタッチ操作位置を指示表示すると共にその操作内容を指示記号で表示し、この指示通りのペンタッチ操作が行われた場合にはその都度、前記関数式を入力してグラフ化表示するための対応する処理が行われて次の操作順番の指示表示が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の関数式を入力して表示させる操作手順や当該関数式をグラフ化して表示させる操作手順などの習得に適した電子式計算機および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、任意に入力された種々の関数式を計算実行し、その計算結果を表示したり、さらにその関数式をグラフ化して表示したりすることのできるグラフ関数電卓と称する小型の電子式計算機が広く実用されている。
【0003】
そして、このようなグラフ関数電卓を教育現場で使用し、例えば種々の関数式の計算手法や当該関数式をグラフ化した場合のグラフの軌跡などを学習することが行われている。
【0004】
例えば、教師が出した課題を生徒自らが入力操作して計算実行あるいはグラフ化表示させ確認したりする場合には、教師が実演で示したり操作マニュアルを印刷配布して示したりした電卓操作のやり方を生徒自らが模倣して入力操作し、これにより表示された計算結果やグラフの描画軌跡などを確認したりしている。
【0005】
しかしながら、前記グラフ関数電卓は多種多様な機能を搭載し色々な計算・表示処理を行うことが可能である反面、その多様な機能を使いこなすには当該多様な機能のそれぞれに応じた操作手順を覚え込まなければならず、教師が実演したり操作マニュアルを印刷配布したりして生徒に教えたとしても、当該生徒が所望の機能の操作手順を覚えることは容易ではない問題がある。
【0006】
そこで、例えばパソコン(PC)にインストールした前記関数電卓のエミュレータによって予め教師が行った課題を解くためのキー入力操作情報とその解説情報とを対応付けて学習支援プログラムとして登録し、この登録された学習支援プログラムを通信回線網を介して生徒各人の関数電卓に送信転送する。そしてこの生徒各人の関数電卓において、前記教師のPCから転送された学習支援プログラムを実行表示させながらそのキー入力操作情報と解説情報に従って生徒自身が該当するキーを入力操作して行くことで、容易に関数電卓の操作手順を学習できるようにした電子機器およびそのプログラムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−186383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来提案されている電子機器およびそのプログラムによれば、各生徒の関数電卓に転送された学習支援プログラムに応じて表示されるキー入力操作情報と解説情報に従い、生徒自身が容易に該当するキーを入力操作して行くことが可能になるものの、そのキー入力操作情報は、キー入力の操作手順をガイド表示するものに限られている。
【0008】
近年の関数電卓における各種の機能では、PC同様に表示画面上に表示されているカーソルポインタを移動表示させその画面位置を指定して所定の処理を実行させていくもの、あるいは透明タブレットの重ねられたタッチスクリーン式の表示画面を直接ペンタッチで指定して所定の処理を実行させていくものがある。従って、このような関数電卓においては、前記キー入力の操作手順をガイド表示する従来の学習支援プログラムは必ずしも有効に機能しない問題がある。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、表示画面上の位置を指定して所定の処理を実行させていく操作の手順を容易に習得させることが可能になる電子式計算機および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の電子式計算機は、表示部と、この表示部の表示画面に対しユーザ操作に応じて指定された位置を検出する指定位置検出手段と、この指定位置検出手段による前記ユーザ操作に応じた指定位置の検出状態に基づいて当該ユーザ操作の内容を判断する操作内容判断手段と、前記指定位置検出手段により検出された前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と前記操作内容判断手段により判断された当該ユーザ操作の内容とに応じた処理を実行する処理実行手段とを有する電子式計算機であって、前記指定位置検出手段により検出された前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と前記操作内容判断手段により判断された当該ユーザ操作の内容とを当該ユーザ操作の順番に対応付けて記憶する操作パターン記憶手段と、この操作パターン記憶手段により記憶されたユーザ操作の順番に従って当該操作の順番に対応付けられて記憶された操作の指定位置と操作の内容とを前記表示部の表示画面に操作指示として表示させるガイド表示制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の電子式計算機は、前記請求項1に記載の電子式計算機において、前記操作パターン記憶手段は、前記処理実行手段による前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と当該ユーザ操作の内容とに応じた処理の実行に伴い、当該ユーザ操作に応じた指定位置と当該ユーザ操作の内容とを当該ユーザ操作の順番に対応付けて記憶することを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の電子式計算機は、前記請求項1または請求項2に記載の電子式計算機において、前記ガイド表示制御手段により前記表示部の表示画面に操作指示としての指定位置と内容とが表示された後、当該操作指示通りの操作が行われたか否かを判断する操作判断手段と、この操作判断手段により前記操作指示通りの操作が行われたと判断された場合は、前記ガイド表示制御手段により次の操作の順番に対応付けられた操作の指定位置と操作の内容とを前記表示部の表示画面に操作指示として表示させるガイド表示更新制御手段と、前記操作判断手段により前記操作指示通りの操作が行われなかったと判断された場合は、前記ガイド表示制御手段による今回の操作の順番に対応付けられた操作の指定位置と操作の内容との表示制御を継続させるガイド表示継続制御手段と、をさらに備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の電子式計算機は、前記請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の電子式計算機において、前記操作内容判断手段は、前記指定位置検出手段により検出されたユーザ操作に応じた指定位置が、前記表示画面に設定された文字入力領域であるか、または指定開始位置と指定終了位置とが同じ位置であるか否か、または指定開始位置と指定終了位置とが異なる位置で且つ当該指定開始位置と指定終了位置とが前記表示画面に設定された同じ領域であるか否かに基づいて、当該ユーザ操作の内容を文字入力、または1点の指定、または2点間の範囲指定、または2点間の移動として判断することを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の制御プログラムは、表示部と、この表示部の表示画面に対しユーザ操作に応じて指定された位置を検出する指定位置検出手段と、この指定位置検出手段による前記ユーザ操作に応じた指定位置の検出状態に基づいて当該ユーザ操作の内容を判断する操作内容判断手段と、前記指定位置検出手段により検出された前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と前記操作内容判断手段により判断された当該ユーザ操作の内容とに応じた処理を実行する処理実行手段とを有するコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記指定位置検出手段により検出された前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と前記操作内容判断手段により判断された当該ユーザ操作の内容とを当該ユーザ操作の順番に対応付けてメモリに記憶する操作パターン記憶手段、この操作パターン記憶手段により記憶されたユーザ操作の順番に従って当該操作の順番に対応付けられて記憶された操作の指定位置と操作の内容とを前記表示部の表示画面に操作指示として表示させるガイド表示制御手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表示画面上の位置を指定して所定の処理を実行させていく操作の手順を容易に習得させることが可能になる電子式計算機および制御プログラムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の電子式計算機の実施形態に係るグラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0018】
このグラフ関数電卓10は、コンピュータ等からなる制御部(CPU)11を備えている。
【0019】
制御部(CPU)11は、入力部16から入力される入力データに応じて、フラッシュROMなどの記憶領域12に予め記憶されているシステムプログラムを起動させ、あるいは外部記憶媒体(メモリ・カードなど)13に予め記憶されている計算装置制御用プログラムを前記記憶領域12に読み込ませて起動させ、あるいは通信部14に接続した外部PC20を介して通信ネットワークN上のWebサーバ21(この場合は、プログラムサーバ)から受信された計算装置制御用プログラムを前記記憶領域12に読み込ませて起動させ、RAMなどのワークメモリを作業領域15として回路各部の動作制御を行なうものである。
【0020】
この制御部(CPU)11には、前記入力部16、記憶領域(ROM)12、通信部14、作業領域(RAM)15が接続され、また、文字・数式表示エリア17aや図形表示エリア17bが必要に応じて設定される表示部17が接続される。
【0021】
前記記憶領域(ROM)12には、本グラフ関数電卓10の電子回路における全体の処理を司るシステムプログラムが予め記憶されると共に、数式演算処理やグラフ描画処理を実行するための数式演算・グラフ描画プログラム12a、前記入力部16のタッチスクリーン16aを介して手書き入力された文字や数字を文字認識するための文字・数字認識プログラム12b、本グラフ関数電卓10によりユーザ所望の数式演算やグラフ描画を行う際の操作手順を例えばメモリ・カードなどの外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに記録して保存するための操作パターン記録処理プログラム12c、この操作パターン記録処理プログラム12cに従い前記外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに予め記録された操作パターンをガイド表示させてユーザ所望の数式演算やグラフ描画を実行させるためのガイドモード実行処理プログラム12d、前記入力部16のタッチスクリーン16aにおいてタッチ操作された位置(座標)を識別するためのタッチ位置識別プログラム12eなどが記憶される。
【0022】
前記入力部16としては、前記表示部17の表示画面上に重ねて設けられた透明タブレットからなるタッチスクリーン16a、キー入力部として設けられた文字・数字入力ボタン16b、RECボタン16c、ガイドモードボタン16d、ENDボタン16e、および決定キー16fなどが備えられる。
【0023】
前記文字・数字入力ボタン16bは、ユーザ所望の関数式や演算式などを入力するためにその記号文字や数字を入力するボタン群(キー群)からなる。
【0024】
前記RECボタン16cは、前記記憶領域(ROM)12aに記憶された操作パターン記録処理プログラム12cを起動させて本グラフ関数電卓10を操作パターン記録モードに設定する際に操作される。
【0025】
前記ガイドモードボタン16dは、前記記憶領域(ROM)12aに記憶されたガイドモード実行処理プログラム12dを起動させて本グラフ関数電卓10をガイドモードに設定する際に操作される。
【0026】
前記ENDボタン16eは、前記RECボタン16cの操作に応じた操作パターン記録モードにおいて、ユーザ所望の処理の操作手順の記録を終了する際に操作される。
【0027】
決定キー16fは、ユーザ操作により入力されたデータの入力を確定する際に操作される。
【0028】
なお、前記キー入力部として設けられる各種のボタン16b〜16eは、当該キー形式のボタンではなく、前記表示部17の表示画面に表示させて前記タッチスクリーン16aによりタッチして入力する表示形式のボタンとして構成としてもよい。
【0029】
また、表示部17の表示画面に対するユーザ指示位置は、直接のタッチ操作による場合は前記タッチスクリーン16aによって識別するが、入力部16に別途設けられるカーソルキーの操作に応じて表示画面上にカーソルポインタPを移動表示させる場合は当該ポインタPの表示座標によって識別する。
【0030】
前記作業領域(RAM)15には、タッチスクリーン16aに対するタッチ操作に伴い前記タッチ位置識別プログラム12eに従い識別されるタッチ位置の座標が、その始点座標から終点座標まで連続的に一時記憶されるタッチ位置一時記憶領域15a、およびその他の処理に必要なデータが一時記憶されるその他作業領域15bが備えられる。その他作業領域15aには、ユーザ入力された関数式を記憶するための関数式メモリ15fxが備えられる。
【0031】
図2は、前記グラフ関数電卓10の操作パターン記録処理に伴い外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに記録される操作パターンの内容を示す図である。
【0032】
図3は、前記グラフ関数電卓10の表示部17に表示されたグラフ関数の編集画面Gとタッチスクリーン16aにより検出される座標領域(x,y)との関係を示す図である。
【0033】
前記操作パターン記録領域13aには、前記操作パターン記録処理プログラム12cを起動させて行う操作パターン記録処理の過程において、ユーザが行う1操作毎の操作内容が記録されるもので、当該各操作内容は、操作の順番である「操作順」に対応付けられて、表示画面(タッチスクリーン16a)に対するタッチ操作位置が文字・数式の入力エリア17aで検出されたか(○)否か(×)を示す情報、当該タッチ位置が文字・数式の入力エリア17aではない領域で検出された場合のタッチ位置の開始(始点)座標および終了(終点)座標の情報、そして前記タッチ操作の種類が前記文字・数式の入力エリア17aで検出された文字・数式の入力「インプット」であるか、又は前記文字・数式の入力エリア17aではない領域で検出された「タップ」「ドラッグ」「ドラッグ&ドロップ」であるかを示す「操作名」の情報として記録される。そして、前記「操作名」が「インプット」とされる文字・数式の入力の場合には、その入力された文字・数式のデータ自体も共に記録される。
【0034】
すなわち、前記グラフ関数電卓10において、操作パターン記録処理プログラム12cを起動させて、ユーザ(例えば教師)所望の関数計算処理やグラフ描画処理を行った際の入力部16に対するユーザ操作手順を外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに記憶させる。
【0035】
そして、前記ユーザ(例えば教師)所望の処理を行った際のユーザ操作手順が記憶された外部記憶媒体13を、別のユーザ(例えば生徒)が持つ同仕様のグラフ関数電卓10に装着してガイドモード実行処理プログラム12dを起動させ、前記操作パターン記録領域13aにより記録された前記ユーザ(例えば教師)が関数計算処理やグラフ描画処理を行った際のユーザ操作手順のガイド処理を実行させる。
【0036】
この場合、前記操作パターン記録領域13aから読み出される表示部17における表示画面上のタッチスクリーン16aをタッチ操作して行ったユーザ操作手順は、そのタッチ操作位置(座標)を示すマーク表示と当該タッチ操作の指示内容を示す操作名表示とでガイドされるので、前記別のユーザ(例えば生徒)に対し、表示画面上の位置を指定して所定の処理を実行させていく操作の手順を容易に習得させることができる。
【0037】
なお、前記操作パターン記録処理において、前記操作パターン記録領域13aに記録したユーザ操作手順の情報は、外部記憶媒体13として教師側ユーザのグラフ関数電卓10から生徒側ユーザのグラフ関数電卓10に可般され差し替えられるが、各ユーザのグラフ関数電卓10,10同士を直接接続して転送したり、通信ネットワークNを介して他のグラフ関数電卓10へ転送したりする構成としてもよい。その場合には、操作パターン記録領域13aは外部記憶媒体13に限らず、例えば作業領域15に記録するものとしても良い。
【0038】
次に、前記構成のグラフ関数電卓10による操作パターン記録機能とガイド実行機能について説明する。
【0039】
図4は、前記グラフ関数電卓10による操作パターン記録処理を示すフローチャートである。
【0040】
ここでは、関数式の入力と当該入力された関数式に対応するグラフ表示を行うグラフ関数モード(数式演算・グラフ描画プログラム12a)におけるグラフ関数編集画面Gでのユーザ操作の記録処理について説明する。なお、このグラフ関数編集画面Gに基づいた処理を司る数式演算・グラフ描画プログラム12aは、当該画面G上の予め設定された位置や領域(エリア)毎に、その位置や領域(エリア)に対する入力操作に応じた処理を実行する機能を有し、このような機能については既に実用化されているのでその詳細な説明は省略する。
【0041】
図5は、前記グラフ関数電卓10による操作パターン記録処理に伴うグラフ関数編集画面Gでのユーザ操作表示状態(その1)を示す図である。
【0042】
図6は、前記グラフ関数電卓10による操作パターン記録処理に伴うグラフ関数編集画面Gでのユーザ操作表示状態(その2)を示す図である。
【0043】
例えば教師側ユーザのグラフ関数電卓10において、これから生徒に習得させたい電卓操作を入力する際に、入力部16のRECボタン16cが操作されたと判断されると(ステップR1(YES))、操作パターン記録処理プログラム12cが起動されると共に、図5(A)に示すように、グラフ関数編集画面Gの右上の位置に当該操作パターン記録処理の動作中であることを示す[REC]マークBが表示される。すると、ENDボタン16eの操作が判断されるまで(ステップR2(YES))、以下の操作パターン記録処理が実行される。
【0044】
まず、グラフ化すべき関数式の入力位置を指定するために、図5(B)に示すように、関数式入力シート[sheet1]の例えば「y1=」に対応するところのスペースで示される式入力位置がペンタッチによりタップ操作されると(ステップR3(YES))、タッチスクリーン16aおよびタッチ位置識別プログラムにより検出識別されたタッチ位置は、文字・数式の入力エリア17aではないと判断される(ステップR4(NO))。
【0045】
これと共に、前記タップ操作のため、ペンタッチされた開始位置の座標と離れた終了位置の座標とが同じであると判断され(ステップR8(YES))、前記関数式入力シート[sheet1]内のタップ操作であることで有効なタップ操作であると判断されると(ステップR9(YES))、当該関数式入力位置「y1=」でのタップ操作に応じたポインタPが表示されると共に、グラフ関数編集画面Gの下部のグラフ表示エリア17bに数式入力エリア17aが表示される。そして、外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13a(図2参照)に対して、今回のタップ操作に対応した情報が、操作順「1」、タッチ位置が文字・数式入力エリア「×」、タッチ開始点座標「(3.5,19.5)」、タッチ終了点座標「(3.5,19.5)」、操作名「タップ」、として記録される(ステップR10)。
【0046】
続いて、前記グラフ関数編集画面Gの下部のグラフ表示エリア17bに表示された数式入力エリア17aにおいて、図5(C)に示すように、ペンタッチにより所望の関数式「xsin(x)」が手書き入力されると(ステップR2(NO)→R3(YES))、当該タッチ入力された位置は、文字・数式の入力エリア17aであると判断されるので(ステップR4(YES))、そのタッチ入力位置の軌跡に応じた文字・数字の認識処理(12b)が実行される(ステップR5)。
【0047】
そして、前記所望の関数式「xsin(x)」の手書き入力後において、入力部16に設けられた「決定キー」16fが操作されたと判断されると(ステップR6(YES))、図6(D)に示すように、前記文字・数字の認識処理(12b)により認識された文字からなる関数式「xsin(x)」が、前記タップ操作に応じてポインタPが表示されたところの関数式入力位置「y1=」に対応して表示され、作業領域(RAM)15におけるその他作業領域15b内の関数式メモリ15fxに記憶される。これと共に、外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13a(図2参照)に対して、今回の式入力操作に対応した情報が、操作順「2」、タッチ位置が文字・数式入力エリア「○」、タッチ開始点座標「−」(なし)、タッチ終了点座標「−」(なし)、操作名「インプット[xsin(x)]」、として記録される(ステップR7)。
【0048】
続いて、前記関数式入力シート[sheet1]の式入力位置「y1=」に対応して表示された関数式「xsin(x)」をグラフ式として指定するために、図6(E)に示すように、当該表示された関数式「xsin(x)」の一方の端から他方の端までがペンタッチによりドラッグ操作されると、画面タッチあり(ステップR3(YES))、タッチ位置は文字・数式入力エリア17aではない(ステップR4(NO))、タッチ開始位置の座標とタッチ終了位置の座標が同一ではない(ステップR8(NO))、と判断されるので、そのドラッグ操作は有効な領域で行われているか否か判断される(ステップR11)。
【0049】
この際、前記ドラッグ操作に伴いタッチスクリーン16aおよびタッチ位置識別プログラムにより検出識別されたタッチ位置は、前記関数式入力シート[sheet1]の式入力位置「y1=」に対応していることで、そのドラッグ操作は有効な領域で行われたと判断される(ステップR11(YES))。
【0050】
するとさらに、前記ドラッグ操作されたタッチ位置において、ドロップ操作が有効な領域であるか否か判断される(ステップR13)。
【0051】
この場合、前記関数式入力シート[sheet1]上でのドロップ操作は有効ではないと判断されるので(ステップR13(NO))、前記ドラッグ操作に伴い検出識別されたタッチ開始位置の座標とタッチ終了位置の座標との間に対応するところの関数式「xsin(x)」が反転表示Hにより示される。そして、外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13a(図2参照)に対して、今回のドラッグ操作に対応した情報が、操作順「3」、タッチ位置が文字・数式入力エリア「×」、タッチ開始点座標「(3.5,19.5)」、タッチ終了点座標「(8.0,19.5)」、操作名「ドラッグ」、として記録される(ステップR14)。
【0052】
この後、前記ドラッグ操作により反転表示Hされて示された関数式「xsin(x)」に対応するグラフ描画を実行させるために、当該反転表示Hされて示されている関数式「xsin(x)」がペンタッチされてドラッグ操作されると共に、そのままグラフ表示エリア17bまで移動されてペンタッチが離されドロップ操作されると、当該タッチ&ドロップ操作が有効であると判断される(ステップR3〜R11→R13(YES))。
【0053】
これにより、図6(F)に示すように、前記関数式入力シート[sheet1]からのグラフ表示エリア17bへの関数式「xsin(x)」のドラッグ&ドロップ操作に応じて、該関数式「y=xsin(x)」に対応するグラフyが描画され表示処理される。なお、この関数式入力シート[sheet n]に入力表示された関数式をグラフ表示エリア17bにドラッグ&ドロップして当該関数式に対応するグラフを描画表示させるグラフ描画機能については、既に実用化されている機能であるためその詳細な説明を省略する。
【0054】
そして、外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13a(図2参照)に対して、今回のドラッグ&ドロップ操作に対応した情報が、操作順「4」、タッチ位置が文字・数式入力エリア「×」、タッチ開始点座標「(5.5,19.5)」、タッチ終了点座標「(7.0,9.0)」、操作名「ドラッグ&ドロップ」、として記録される(ステップR15)。
【0055】
なお、前記ステップR9において、タッチスクリーン16aおよびタッチ位置識別プログラムにより検出識別されたタッチ位置におけるタップ操作が有効ではない領域で行われていると判断された場合(ステップR9(NO))、また、前記ステップR11において、タッチスクリーン16aおよびタッチ位置識別プログラムにより検出識別されたタッチ位置におけるドラッグ操作が有効ではない領域で行われていると判断された場合には(ステップR11(NO))、何れの場合にも何も記録処理が行われることなく(ステップR12)、前記画面タッチの判断待ち状態(ステップR3)、およびENDボタン16eの操作判断待ち状態(ステップR2)に復帰される。
【0056】
そして、前記画面タッチの判断待ち状態(ステップR3)において、画面タッチされていないと判断される場合には(ステップR3(No))、その他のユーザ操作に応じた処理が行われる(ステップR17)。
【0057】
また、前記RECボタン16cの操作判断待ち状態(ステップR1)において、当該RECボタン16cの操作判断がされていない場合でも、その他のユーザ操作に応じた処理が行われる(ステップR16)。
【0058】
このように、前記グラフ関数編集画面Gでの所望の関数式の入力操作と当該入力関数式に対応したグラフの描画指示操作との一連の操作に応じた処理が、操作パターン記録処理を起動させて実行された後に、ENDボタン16eが操作されたと判断されると(ステップR2(YES))、当該操作パターン記録処理は終了される。
【0059】
これにより、前記外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aには、図2で示したように、前記グラフ関数編集画面Gを対象としてペンタッチにより行った所望の関数式の入力操作と当該入力関数式に対応したグラフの描画指示操作との一連の操作情報が記録された状態となる。
【0060】
そして、前記教師側ユーザのグラフ関数電卓10により前記操作パターン記録領域13aの生成された外部記憶媒体13を、生徒側ユーザの持つ同仕様のグラフ関数電卓10に装着して以下のガイド実行処理を行わせる。
【0061】
図7は、前記グラフ関数電卓10によるガイド実行処理を示すフローチャートである。
【0062】
ここでは、関数式の入力と当該入力された関数式に対応するグラフ表示を行うグラフ関数モード(数式演算・グラフ描画プログラム12a)におけるグラフ関数編集画面Gでのユーザ操作のガイド実行処理について説明する。
【0063】
図8は、前記グラフ関数電卓10によるガイド実行処理に伴うグラフ関数編集画面Gでのガイド表示状態(その1)を示す図である。
【0064】
図9は、前記グラフ関数電卓10によるガイド実行処理に伴うグラフ関数編集画面Gでのガイド表示状態(その2)を示す図である。
【0065】
入力部16のガイドモードボタン16dが操作されたと判断されることでガイドモード実行処理プログラム12dが起動されると(ステップE1(YES))、外部記憶媒体13の操作パターン記憶領域13a(図2参照)に記録されている複数種類の操作パターンデータのうちの1つがユーザに選択され、CPU11に読み込まれる(ステップE2)。
【0066】
ここでは、前記図2で示した操作パターン記憶領域13aの操作パターンデータが読み込まれたものとする。
【0067】
すると、前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれる操作パターンデータは、その「操作順」に該操作対象が文字・数式入力エリア17aであるか否かを示す「○」「×」情報が判断される(ステップE3)。
【0068】
先ず、操作順「1」に対応して読み込まれた操作対象の「○」「×」情報が「×」であることで、当該操作対象が文字・数式入力エリア17aではないと判断されると(ステップE3(NO))、今回の操作順「1」に対応付けられた操作名「タップ」が読み込まれ、図8(A)に示すように、グラフ関数編集画面Gの右上の位置にそのタップ操作を指示する記号「Tap」S1が表示されると共に、同操作順「1」に対応付けられた各タッチ位置座標「(3.5,19.5)」「(3.5,19.5)」が読み込まれ、その座標位置である式入力位置「y1=」に対応してタップ操作点であることをガイドするタップ点マークQが表示される(ステップE4)。
【0069】
これにより、生徒側ユーザは前記図8(A)で示したように、グラフ関数編集画面Gにて表示されたタップ点マークQおよびタップ操作指示記号「Tap」S1によって、当該タップ点Qで示される式入力位置「y1=」でのタップ操作を要することが容易に認識できる。
【0070】
これに従いタップ点Qで示される式入力位置「y1=」がペンタッチによりタップ操作されたと判断されると(ステップE5(YES))、図8(B)に示すように、同タップ操作された式入力位置「y1=」に対応してポインタPが表示された後、前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれた操作パターンデータの「操作順」に基づき次に行うべき操作が存在するか否か判断される(ステップE6)。
【0071】
ここで、前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれた操作パターンデータの次の操作順「2」が存在することで、次に行うべき操作が存在すると判断されると(ステップE6(YES))、前記ステップE3の判断処理に戻り、当該次の操作順「2」に対応して読み込まれた操作対象の「○」「×」情報が「○」であることで、当該操作対象が文字・数式入力エリア17aであると判断される(ステップE3(YES))。
【0072】
すると、今回の操作順「2」に対応付けられた操作名「インプット」が読み込まれ、図8(B)に示すように、グラフ関数編集画面Gの右上の位置に数式入力操作を指示する記号「Input」S2が表示されると共に、グラフ表示エリア17bに対して文字・数式入力エリア17aが表示される。またさらに当該文字・数式入力エリア17aに入力すべき文字・数式の内容が、前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれた今回の操作順「2」に対応するところの操作名「インプット」の内容[xsin(x)]から取得され、これを記述した文字・数式の入力ガイドボックスTとして表示される(ステップE7)。
【0073】
この段階で生徒側ユーザは、前記図8(B)で示したようにグラフ関数編集画面Gにて表示された文字・数式入力エリア17a、その文字・数式の入力ガイドボックスT、および数式入力の操作指示記号「Input」S2によって、当該入力ガイドボックスTで示される関数式[xsin(x)]の文字・数式入力エリア17aへの入力操作を要することが容易に認識できる。
【0074】
これに従い、前記文字・数式入力エリア17aに対する関数式[xsin(x)]の手書き入力が行われることで、今回の操作順「2」に対応した操作パターンによる指示通りのユーザ操作が行われたと判断されると(ステップE5(YES))、当該文字・数式入力エリア17aに手書き入力された関数式[xsin(x)]が文字認識されると共に、この文字認識された関数式[xsin(x)]が、前記操作順「1」に従いポインタPが表示された式入力位置「y1=」に対応付けられて表示される(図8(C)参照)。
【0075】
すると再び前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれた操作パターンデータの「操作順」に基づき次に行うべき操作が存在するか否か判断される(ステップE6)。
【0076】
ここで、前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれた操作パターンデータの次の操作順「3」が存在することで、次に行うべき操作が存在すると判断されると(ステップE6(YES))、前記ステップE3の判断処理に戻り、当該次の操作順「3」に対応して読み込まれた操作対象の「○」「×」情報が「×」であることで、当該操作対象が文字・数式入力エリア17aではないと判断される(ステップE3(NO))。
【0077】
すると、今回の操作順「3」に対応付けられた操作名「ドラッグ」が読み込まれ、図8(C)に示すように、グラフ関数編集画面Gの右上の位置にそのドラッグ操作を指示する記号「Drag」S3が表示されると共に、同操作順「3」に対応付けられた各タッチ位置座標「(3.5,19.5)」「(8.0,19.5)」が読み込まれ、その2つの座標間に対応する関数式[xsin(x)]の表示範囲を対象として、ドラッグ操作の範囲であることをガイドするドラッグ範囲マークMdが表示される(ステップE4)。
【0078】
これにより、生徒側ユーザは前記図8(C)で示したように、グラフ関数編集画面Gにて表示されたドラッグ範囲マークMdおよびドラッグ操作指示記号「Drag」S3によって、当該ドラッグ範囲Mdで示される関数式[xsin(x)]の範囲でのドラッグ操作を要することが容易に認識できる。
【0079】
これに従いドラッグ範囲Mdで示される関数式[xsin(x)]がペンタッチによりドラッグ操作されたと判断されると(ステップE5(YES))、同ドラッグ操作された関数式[xsin(x)]が反転表示Hにより示された後(図9(D)参照)、前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれた操作パターンデータの「操作順」に基づき次に行うべき操作が存在するか否か繰り返し判断される(ステップE6)。
【0080】
ここで、前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれた操作パターンデータの次の操作順「4」が存在することで、次に行うべき操作が存在すると判断されると(ステップE6(YES))、再び前記ステップE3の判断処理に戻り、当該次の操作順「4」に対応して読み込まれた操作対象の「○」「×」情報が「×」であることで、当該操作対象が引き続き文字・数式入力エリア17aではないと判断される(ステップE3(NO))。
【0081】
すると、今回の操作順「4」に対応付けられた操作名「ドラッグ&ドロップ」が読み込まれ、図9(D)に示すように、グラフ関数編集画面Gの右上の位置にそのドラッグ&ドロップ操作を指示する記号「D&D」S4が表示されると共に、同操作順「4」に対応付けられた各タッチ位置座標「(5.5,19.5)」「(7.0,9.0)」が読み込まれ、その2つの座標間に対応するグラフ表示エリア17bまでの経路を対象として、ドラッグ&ドロップ操作の移動経路であることをガイドするドラッグ&ドロップ経路マークMeが表示される(ステップE4)。
【0082】
これにより、生徒側ユーザは前記図9(D)で示したように、グラフ関数編集画面Gにて表示されたドラッグ&ドロップ経路マークMeおよびドラッグ&ドロップ操作指示記号「D&D」S4によって、当該ドラッグ&ドロップ経路Meで示されるグラフ表示エリア17bまで前記反転表示Hで示された関数式[xsin(x)]のドラッグ&ドロップ操作を要することが容易に認識できる。
【0083】
これに従いドラッグ&ドロップ経路Meで示されるグラフ表示エリア17bまで、関数式[xsin(x)]がペンタッチによりドラッグ&ドロップ操作されたと判断されると(ステップE5(YES))、図9(E)に示すように、前記ドラッグ&ドロップ操作された関数式「y=xsin(x)」に対応するグラフyが描画され表示処理される。
【0084】
そして、前記操作パターン記憶領域13aから読み込まれた操作パターンデータに次の操作順「5」は存在しないことで、次に行うべき操作は存在しないと判断されると(ステップE6(NO))、前記一連のガイド実行処理は終了される。
【0085】
なお、前記ステップE5において、その時々の操作順「n」に対応した操作パターンによる指示通りのユーザ操作が行われなかったと判断された場合には(ステップE5(NO))、当該ユーザ操作を無効として操作エラーの表示が行われると共に、前記ステップE4またはステップE7にて表示されているタッチ操作の指示位置とその操作内容の指示記号がそのまま引き続き表示される(ステップE8)。
【0086】
一方、前記ガイドモードボタン16dの操作判断待ち状態(ステップE1)において、当該ガイドモードボタン16dの操作判断がされていない場合には、その他のユーザ操作に応じた処理が行われる(ステップE9)。
【0087】
したがって、前記構成のグラフ関数電卓10による操作パターン記録機能およびガイド実行機能によれば、表示画面上のタッチスクリーン16aをペンタッチして操作することで、当該タッチ操作に従って例えば所望の関数式を入力してその入力関数式をグラフ化表示させる処理を行わせる場合に、1操作毎の処理に応じてそのタッチ操作位置および操作内容の情報を操作順番に対応付けて外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに予め記録させる。そして、前記外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに記録された1操作毎のタッチ操作位置および操作内容の情報を読み込み、表示画面上でそのタッチ操作位置を指示表示すると共にその操作内容を指示記号で表示し、この指示通りのペンタッチ操作が行われた場合にはその都度、前記関数式を入力してグラフ化表示するための対応する処理が行われて次の操作順番の指示表示が行われる。
【0088】
これにより、本グラフ関数電卓10の例えばグラフ関数編集画面Gでの操作仕様が、ペンタッチにより関数式の入力表示位置「y1=」をタップ操作して指示したり、同ペンタッチにより関数式を手書き入力して表示させたり、同ペンタッチにより前記入力表示された関数式をグラフ表示エリア17bまでドラッグ&ドロップ操作してグラフ表示させたりするものであっても、ユーザはその操作手順を容易に習得することができる。
【0089】
また、前記構成のグラフ関数電卓10による操作パターン記録機能およびガイド実行機能によれば、前記外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに記録された1操作毎のタッチ操作位置および操作内容の情報を読み込み、表示画面上でそのタッチ操作位置を指示表示すると共にその操作内容を指示記号で表示した際に、この指示通りのペンタッチ操作が行われなかった場合には、操作無効としてエラー表示されるので、ユーザはその操作手順を容易に且つ正確に習得することができる。
【0090】
なお、前記実施形態では、表示画面上での入力操作に応じて関数式を入力表示させ、当該関数式に対応するグラフを描画表示させる数式演算・グラフ描画表示処理を対象とした場合の操作パターン記録機能およびガイド実行機能について説明したが、この実施形態で説明した操作パターン記録機能およびガイド実行機能は、表示画面上での入力操作に応じて対応する動作表示が実行される処理であれば、その何れの処理をも対象として機能させることができる。
【0091】
前記実施形態において記載したグラフ関数電卓10による各処理の手法、すなわち、図4のフローチャートに示す操作パターン記録処理や図7のフローチャートに示すガイド実行処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリ・カード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記憶媒体13に格納して配布することができる。そして、グラフ関数機能を有するコンピュータは、この外部記憶媒体13に記憶されたプログラムを記憶領域(ROM)12に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明した操作パターン記録機能およびガイド実行機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0092】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態としてネットワークN上を伝送させることができ、このネットワークNに接続されたグラフ関数機能を有するコンピュータ端末の通信部14によって前記のプログラムデータを取り込み、前述した操作パターン記録機能およびガイド実行機能を実現することもできる。
【0093】
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の電子式計算機の実施形態に係るグラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】前記グラフ関数電卓10の操作パターン記録処理に伴い外部記憶媒体13の操作パターン記録領域13aに記録される操作パターンの内容を示す図。
【図3】前記グラフ関数電卓10の表示部17に表示されたグラフ関数の編集画面Gとタッチスクリーン16aにより検出される座標領域(x,y)との関係を示す図。
【図4】前記グラフ関数電卓10による操作パターン記録処理を示すフローチャート。
【図5】前記グラフ関数電卓10による操作パターン記録処理に伴うグラフ関数編集画面Gでのユーザ操作表示状態(その1)を示す図。
【図6】前記グラフ関数電卓10による操作パターン記録処理に伴うグラフ関数編集画面Gでのユーザ操作表示状態(その2)を示す図。
【図7】前記グラフ関数電卓10によるガイド実行処理を示すフローチャート。
【図8】前記グラフ関数電卓10によるガイド実行処理に伴うグラフ関数編集画面Gでのガイド表示状態(その1)を示す図。
【図9】前記グラフ関数電卓10によるガイド実行処理に伴うグラフ関数編集画面Gでのガイド表示状態(その2)を示す図。
【符号の説明】
【0095】
10 …グラフ関数電卓(電子式計算機)
11 …CPU
12 …記憶領域(ROM)
12a…数式演算・グラフ描画プログラム
12b…文字・数字認識プログラム
12c…操作パターン記録処理プログラム
12d…ガイドモード実行処理プログラム
12e…タッチ位置識別プログラム
13 …外部記憶媒体
13a…操作パターン記録領域
14 …通信部
15 …作業領域(RAM)
15a…タッチ位置一時記憶領域
15b…その他作業領域
15fx…関数式メモリ
16 …入力部
16a…タッチスクリーン
16b…文字・数字入力ボタン
16c…RECボタン
16d…ガイドモードボタン
16e…ENDボタン
16f…決定キー
17 …表示部
17a…文字・数式表示エリア
17b…図形表示エリア(グラフ表示エリア)
20 …外部PC
21 …Webサーバ
G …グラフ関数編集画面
P …ポインタ
B …[REC]マーク
H …反転表示
y …グラフ
S1…タップ操作指示記号「Tap」
S2…数式入力操作指示記号「Input」
S3…ドラッグ操作指示記号
S4…ドラッグ&ドロップ操作指示記号「D&D」
Q …タップ点マーク
Md…ドラッグ範囲マーク
Me…ドラッグ&ドロップ経路マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、この表示部の表示画面に対しユーザ操作に応じて指定された位置を検出する指定位置検出手段と、この指定位置検出手段による前記ユーザ操作に応じた指定位置の検出状態に基づいて当該ユーザ操作の内容を判断する操作内容判断手段と、前記指定位置検出手段により検出された前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と前記操作内容判断手段により判断された当該ユーザ操作の内容とに応じた処理を実行する処理実行手段とを有する電子式計算機であって、
前記指定位置検出手段により検出された前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と前記操作内容判断手段により判断された当該ユーザ操作の内容とを当該ユーザ操作の順番に対応付けて記憶する操作パターン記憶手段と、
この操作パターン記憶手段により記憶されたユーザ操作の順番に従って当該操作の順番に対応付けられて記憶された操作の指定位置と操作の内容とを前記表示部の表示画面に操作指示として表示させるガイド表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子式計算機。
【請求項2】
前記操作パターン記憶手段は、前記処理実行手段による前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と当該ユーザ操作の内容とに応じた処理の実行に伴い、当該ユーザ操作に応じた指定位置と当該ユーザ操作の内容とを当該ユーザ操作の順番に対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の電子式計算機。
【請求項3】
前記ガイド表示制御手段により前記表示部の表示画面に操作指示としての指定位置と内容とが表示された後、当該操作指示通りの操作が行われたか否かを判断する操作判断手段と、
この操作判断手段により前記操作指示通りの操作が行われたと判断された場合は、前記ガイド表示制御手段により次の操作の順番に対応付けられた操作の指定位置と操作の内容とを前記表示部の表示画面に操作指示として表示させるガイド表示更新制御手段と、
前記操作判断手段により前記操作指示通りの操作が行われなかったと判断された場合は、前記ガイド表示制御手段による今回の操作の順番に対応付けられた操作の指定位置と操作の内容との表示制御を継続させるガイド表示継続制御手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子式計算機。
【請求項4】
前記操作内容判断手段は、前記指定位置検出手段により検出されたユーザ操作に応じた指定位置が、前記表示画面に設定された文字入力領域であるか、または指定開始位置と指定終了位置とが同じ位置であるか否か、または指定開始位置と指定終了位置とが異なる位置で且つ当該指定開始位置と指定終了位置とが前記表示画面に設定された同じ領域であるか否かに基づいて、当該ユーザ操作の内容を文字入力、または1点の指定、または2点間の範囲指定、または2点間の移動として判断することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の電子式計算機。
【請求項5】
表示部と、この表示部の表示画面に対しユーザ操作に応じて指定された位置を検出する指定位置検出手段と、この指定位置検出手段による前記ユーザ操作に応じた指定位置の検出状態に基づいて当該ユーザ操作の内容を判断する操作内容判断手段と、前記指定位置検出手段により検出された前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と前記操作内容判断手段により判断された当該ユーザ操作の内容とに応じた処理を実行する処理実行手段とを有するコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記指定位置検出手段により検出された前記表示画面に対するユーザ操作に応じた指定位置と前記操作内容判断手段により判断された当該ユーザ操作の内容とを当該ユーザ操作の順番に対応付けてメモリに記憶する操作パターン記憶手段、
この操作パターン記憶手段により記憶されたユーザ操作の順番に従って当該操作の順番に対応付けられて記憶された操作の指定位置と操作の内容とを前記表示部の表示画面に操作指示として表示させるガイド表示制御手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能な制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−15388(P2009−15388A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173359(P2007−173359)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】